JP2012185068A - 金属接合部の評価方法および推定方法 - Google Patents

金属接合部の評価方法および推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属接合部をより正確に評価できる金属接合部の評価方法および推定方法を提供すること。
【解決手段】金属と金属との圧接接合によって形成された金属接合部の評価方法であって、前記金属接合部の破断を破断する際に、当該破断により表面に現れる前記金属の新生面に対して選択的反応性を有する反応性媒質環境下で破断する工程と、前記破断によって生じた破断面における、前記反応性媒質と前記金属の新生面との反応によって生成した生成物を調べる工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧接接合による金属接合部の評価方法および推定方法に関するものである。
従来、超音波接合等の溶融を伴わない圧接接合により形成した金属接合部を評価する方法として、超音波接合によって接合された金属接合部に引っ張り応力を加えて接合界面を破断し、その破断面を観察する方法が知られている。そして破断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察すると破断面の形状に対応するイメージに濃淡が生じる。そして、破断面において白っぽく見える部分がディンプルや欠陥(異物、クラック、スクラッチ痕など)を伴った延性破面であり、すなわち接合された領域であり、黒っぽく見える領域は素地部であり、灰色に見える領域は試料接合面が相対運動によって擦過されたが接合に至らなかった領域と考えられていた。したがって、従来は破断面のSEMによる形状観察によってのみ評価していた。すなわち、SEM像においてこれらの白っぽい領域の面積を求めることによって、接合界面において実際に真に接合されていた面積を求めることができ、これによって金属接合部の評価ができると考えられている。なお、ここで真に接合されている箇所とは、金属結合を伴った接合部のことを言う。また、真に金属結合している領域は接合部の断面組織を観察することによっても評価することができる(非特許文献1)。
渡辺建彦 他、「A6061 熱処理型アルミニウム合金板の超音波接合」、溶接学会論文集 第26巻 第2号 p.117−123(2008)
しかしながら、これらの白っぽい領域は接合不良により発生したものである場合や、当初は金属接合されていた箇所が金属の経時劣化等により剥離することによって発生したものである場合があり、これらの破断面観察から見積もられた接合領域と、断面組織の観察から見積もられた真の金属結合している領域とは異なるものであることが本発明者等の研究から判明した。したがって、破断面でのディンプルを観察する方法では、金属接合部の正確な評価ができない場合があるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、金属接合部をより正確に評価できる金属接合部の評価方法および推定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る金属接合部の評価方法は、金属と金属との圧接接合によって形成された金属接合部の評価方法であって、前記金属接合部を破断する際に、当該破断により表面に現れる前記金属の新生面に対して選択的反応性を有する反応性媒質環境下で破断する工程と、前記破断によって生じた破断面における、前記反応性媒質と前記金属の新生面との反応によって生成した生成物を調べる工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記金属が線、板、棒、および管のいずれか一つの形状またはこれらを組み合わせた形状を有することを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記金属が複数の細線からなる線材であることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記金属がアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ステンレス鋼、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、および、Cr、Ni、モリブデン(Mo)、Cu、窒素(N)、珪素(Si)の合金元素を適宜含めた合金金属の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記反応性媒質は反応性ガスであることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記反応性媒質は腐食性ガスであることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記反応性媒質は反応性液体であることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記反応性媒質はめっき液であることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記反応性媒質は染料であることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、金属と金属との圧接接合によって形成された金属接合部の評価方法であって、前記金属接合部を破断する際に、当該破断により表面に現れる前記金属の新生面に対して非反応性を有する非反応性媒質環境下で破断する工程と、前記破断によって生じた破断面における前記金属の新生面を該新生面に対して選択的反応性を有する反応性媒質環境に曝露する工程と、前記破断面における前記反応性媒質と前記新生面との反応によって生成した生成物を調べる工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、評価の指標としては断面における生成物の面積を用いることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、車載用の圧接接合に用いられることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、前記圧接接合が超音波接合であることを特徴とする。
また、本発明に係る金属接合部の評価方法は、上記の発明において、接合部の断面積が0.1mm〜50mmであり、前記金属接合部を構成する線材の数が2本〜40本であることを特徴とする。
また、本発明に係る推定方法は、上記の発明のいずれかに記載の評価方法に用いられる指標と、圧接接合の接合エネルギーとの相関関係から接合強度と電気抵抗とを求める推定方法。
本発明によれば、圧接接合によって形成された金属接合部の真の接合部をより正確に評価できるという効果を奏する。真の接合面積を評価することによって、真の接合強度および、電気抵抗を評価することができるという効果がある。
図1は、実施例1に係る金属接合部の評価方法の模式図である。 図2は、図1に示す金属接合部が破断された場合の断面の様子を示す模式図である。 図3は、図1に示す金属接合部の破断面の反応を示す模式図である。 図4は、より線である線材と金属板とが圧接接合された金属接合部を示す模式的側面図である。 図5は、図4の線材と金属板とが圧接接合された金属接合部を示す模式的断面図である。 図6は、実施例2の金属接合部の評価方法の模式図である。 図7は、比較例1の金属接合部の評価方法の模式図である。 図8は、実施例2、比較例1の破断面のSEM像にCuマッピングを施した図である。 図9は、実施例3〜5について、超音波接合の接合エネルギーとCuの付着面積または接合強度との関係を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る金属接合部の評価方法の実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る金属接合部の評価方法の模式図である。本実施例1では、まず、金属接合体1を準備する。この金属接合体1は、たとえば、アルミニウム(Al)線2aに被覆2bを形成した2本のAl芯線2を、たとえば超音波接合や圧着等の金属の溶融を伴わない圧接接合によって接合したものである。超音波接合の一例については非特許文献1を参照されたい。Al線2a、2a間には金属接合部3が形成されている。
つぎに、この金属接合体1をチャンバ内に配置し、チャンバ内に反応性ガスであるSOガスを導入する。これによって、金属接合体1をSOガス4の環境下に置く。
つぎに、2本のAl芯線2のそれぞれに引っ張り応力Fを印加し、SOガス4の環境下において金属接合体1の金属接合部3を破断する。
図2は、図1に示す金属接合部3が破断された場合の断面の様子を示す模式図である。金属接合部3の接合面は、たとえば真の接合部3aと、欠陥部3bと、見かけの接合部3cとを含んでいる。欠陥部3b、見かけの接合部3c、およびAl線2aの他の部分の表面には、表面に酸化膜3dが形成されている。真の接合部3aは酸化膜を介さず、真の接合部が形成されている。欠陥部3bは窪んでいることによって真の接合部が形成されていない。また、見かけの接合部3cは、構造的には見かけ上接合しているものの、表面に酸化膜3dが形成されていることによって真の接合部が形成されていない。
つぎに、図2の下図に示すように金属接合部3が破断されると、真の接合部3aの部分が破断され、接合時には金属内部にあった部分が表面に現れて新生面3eが形成される。
図3は、図1に示す金属接合部3の破断面の反応を示す模式図である。図3に示すように、破断面5には図2に示した欠陥部3b、見かけの接合部3c、および新生面3eが現れている。斜線部は酸化膜が形成されている領域を示している。ここで、上述したように、金属接合部3はSOガス4の環境下において破断されるので、破断面5はただちにSOガス4に曝露される。欠陥部3bおよび見かけの接合部3cは酸化膜3dが形成されて不動態となっているため、SOガス4には腐食されない。一方、新生面3eは非常に活性であるため、SOガス4によって選択的に腐食される。その結果、図3の右図に示すように、腐食部3fが形成される。腐食部3fの表面には、AlとSOガスとの反応の生成物である硫化アルミニウムが形成されている。
したがって、破断面5において腐食部3fの分布や面積を調べることによって、真の接合部3aの分布や面積を知ることができる。なお、従来の破断面でのキズ等を観察する方法では、真の接合部ではない欠陥部も真の接合がなされていたものと評価してしまうおそれがある(SEM像ではいずれの領域も白っぽい領域となっていた)。これに対して、本実施の形態に係る評価方法では、そのようなおそれがなく、より正確な金属接合部の評価を行うことができる。そして、接合部の剥離面(破断面)全体における真の接合部の分布を可視化することが出来、かつ真の接合面積の度合いを定量化することが出来る。
なお、上記実施例1では、反応性ガスとして腐食性ガスであるSOガスを使用しているが、本発明の評価方法では、金属接合部を構成する金属の新生面に対して選択的に反応性を有する反応性ガスであれば特に限定はされない。たとえば他の硫黄系ガスを用いてもよい。
また、本発明の評価方法では、評価対象である金属接合部を構成する金属は、Alに限らず、鉄(Fe)、ステンレス鋼、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、など、新生面と新生面ではない面との化学的活性の差が大きいので好ましい。たとえば、Al、Fe、Ni、およびCrでは不導態が形成される。このような化学的活性の差によって、反応性ガスを新生面に対して選択的に反応させ易くなる。これによって、新生面をより明確に認識できるので、より好適な金属接合部の評価が実現される。また、Cr、Ni、モリブデン(Mo)、Cu、窒素(N)、珪素(Si)等の合金元素を適宜含めた合金金属の金属接合部に対して本実施例1の評価方法を適用してもよい。これらの合金元素は、不動態皮膜を強化する効果を有するので、反応性ガスを新生面に対してより一層選択的に反応させ易くなる。
また、上記実施例1では、Al芯線の金属接合部に対して評価を行っている。Alの場合は、その酸化膜の電気抵抗が高い。したがって、図2に示す見かけの接合部3aのように見かけ上接合しているにもかかわらず、表面に酸化膜3dが形成されていることによって電気抵抗が高くなっている部分があると、実用上好ましくないだけでなく、見かけ上接合しているため接合部を誤って評価してしまうおそれもある。そのため、特に電気抵抗の面から、真の接合部をより的確に評価したいという要求がある。したがって、本実施例1の評価方法を適用することが特に好ましい。
本発明の評価方法は、金属接合部を構成する金属が、線、板、棒、および管のいずれか一つの形状またはこれらを組み合わせた形状を有する場合のいずれにも適用できる。すなわち、たとえば、本発明の実施の形態に係る評価方法は、金属板と金属板、または金属板と線材との圧接接合、あるいは複数の細線からなる線材と複数の細線からなる線材、複数の細線がよられたより線と複数の細線がよられたより線、または複数の細線からなる線材と複数の細線がよられたより線との圧接接合部のいずれの評価に用いることができるが、複数の細線からなる線材間の接合の際に最も効果を発揮する。なお、線材1本あたりには複数本の芯線(細線)が含まれる。たとえば、40本の線材から構成される接合部には、40×(より線1本あたりの芯線数)だけの芯線が存在する。
図4は、より線である線材6と金属板7とが圧接接合された金属接合部を示す模式的側面図である。図5は、図4の線材6と金属板7とが圧接接合された金属接合部を示す模式的断面図である。本発明の評価方法は、線材6を構成する細線一本一本の接合状態を評価することができ、かつ金属板7と接合している線材6の細線一本一本の接合状態を評価することができる。
また、上記実施例1では、反応性ガスを使用しているが、本発明の評価方法では、反応性媒質として反応性ガスの代わりに反応性液体を使用しても良い。反応性液体としては、たとえばめっき液や染料などを使用することができる。この場合、反応性液体と金属の新生面との反応によって、生成物として金属めっきや染料が付着した金属が生成する。したがって、これらの金属めっきや染料が付着した金属の分布や面積を指標として調べることによって、金属接合部のより正確な評価を実現できる。
めっき金属としては、Cuであれば、その特有の色によって光学的分析がより容易であるため好ましい。また、その他、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)などをめっき金属として使用できる。特に、金属接合部を構成する金属に対してイオン化傾向が小さい金属をめっき金属として使用することが好ましい。また、めっき方法としては、電解めっき、無電解めっきのいずれも使用することができる。
また、上記実施例1では、Al芯線同士の金属接合部に対して評価を行っているが、評価を行うべき金属接合部は特に限定されない。本発明の評価方法は、たとえば、芯線と端子、バスバーとコネクタ端子等の金属接合部の評価にも適用できる。
また、上記実施例1では、金属接合体をチャンバ内に配置し、チャンバ内に反応性ガスであるSOガスを導入して、金属接合体をSOガスの環境下に置き、SOガスの環境下において金属接合部を破断している。しなしながら、本発明の評価方法では、たとえば以下の方法を用いても良い。すなわち、まず金属接合体をチャンバ内に配置し、チャンバ内に不活性ガス等の、金属の新生面に対して非反応性を有する非反応性ガスを導入して非反応性ガスの環境下において金属接合部を破断する。非反応性ガスは、新生面上に不導体膜を形成させないガスでも良い。そして、その後にチャンバ内に反応性ガスを導入し、新生面を反応性ガスに曝露する。また、同様に、金属接合部の破断を、新生面に対して非反応性を有する非反応性液体中で行い、その後に非反応性液体を反応性液体に置き換え、新生面を反応性液体に曝露してもよい。
また、破断面の評価方法としては、光学顕微鏡や、EPMA(電子線マイクロアナライザ)、EDX(エネルギー分散型X線分析装置)などの装置や、SEMの2次電子像(SEM像)や後方散乱電子像(BEI)を用いる方法が適用できる。これらの装置や方法によって生成物の面積や分布を可視化して測定することによって、金属接合部の真の接合部を可視化でき、正確な評価をすることできる。なお、たとえば芯線同士の金属接合部の場合、真の接合部の面積が、芯線の断面積程度以上であることが好ましい。真の接合部の面積が芯線の断面積程度以上であれば、接合部において、接合部ではない部分の芯線と比較して遜色のない強度、および電気伝導性が得られる。
つぎに、本発明の実施例2、比較例1によって本発明をさらに具体的に説明する。図6は、本発明の実施例2の金属接合部の評価方法の模式図である。図6に示すように、実施例2として、2本のAl線(直径1.2mm)を超音波接合した金属接合体10を、2本の銅電極13とともに容器11内の銅めっき液12に浸漬した。そして、銅めっき液12内で金属接合体10の金属接合部を破断し、破断した直後にA線10a、10bおよび銅電極13に電流を流してAl線10a、10bに電解めっきを施した。
図7は、比較例1の金属接合部の評価方法の模式図である。図7に示すように、比較例1として、2本のAl線を超音波接合した金属接合体20の金属接合部を、空気中で破断した。つぎに、破断したAl線20a、20bを、2本の銅電極13とともに容器11内の銅めっき液12に浸漬した。そして、Al線20a、20bおよび銅電極13に電流を流してAl線20a、20bに電解めっきを施した。
つぎに、実施例2、比較例1のAl線の破断面をSEMで測定した。図8は、実施例2、比較例1の破断面のSEM像にCuマッピングを施した図である。図8(a)が実施例2、図8(b)が比較例1である。なお、黒い部分が、Cuが付着している部分である。図8に示すように、実施例2の場合は、破断によって形成された新生面がただちに銅めっき液に曝露されたので、より多くのCuが付着している。実施例2のCuの分布は、比較例1のCuの分布よりも正確に、真の接合部の分布を表していると考えられる。したがって、接合部の破断面全体における真の接合部の分布を可視化することが出来、かつ真の接合面積の度合いを定量化することが出来る。
つぎに、本発明の実施例3〜5として、実施例2と同様に、2本のAl線の金属接合体を準備し、これを銅めっき液中で破断した後に電解めっきを施した。ただし、実施例3〜5では、超音波接合において印加する超音波接合の接合エネルギーをそれぞれ変えて接合強度を変化させた。超音波接合の接合エネルギーは、実施例3、実施例4、実施例5の順に大きくした。その後、破断面のSEM像にCuマッピングを施し、Cuの付着面積を調べた。
図9は、実施例3〜5について、超音波接合の接合エネルギーとCuの付着面積または接合強度との関係を示す図である。なお、接合強度とは、金属接合体を破断する際に印加した応力を示すものである。図9に示すように、超音波接合の接合エネルギーが大きいほど、Cuの付着面積が大きくなるとともに接合強度が大きくなっている。接合強度が大きいとうことは、真の接合部の面積も大きいと考えられる。したがって、図9は、Cuの付着面積と真の接合部の面積とが正の相関を有していることを意味している。
従来法による、SEMにより観察した非酸化表面の面積と超音波接合の接合エネルギーとの相関から接合強度を求めた場合には、非酸化表面の面積には真の接合部以外の欠陥も含まれていた。このため、非酸化表面の面積と超音波接合の接合エネルギーとから求められた見かけ上の接合強度と、真の接合強度との間には誤差が生じていた。特に車載用のような振動の多い用途においては見積もられた接合強度と真の接合強度に違いが生じ、接合強度不足に基づく不具合が多く見られた。これに対して、本発明の実施例に従って、新生面への付着物の面積と超音波接合の接合エネルギーとの相関から接合強度と電気抵抗とを求め、それらをもとに、ハーネス等の接点への配線の接合を設計することによって、接合不良に基づく不具合を大幅に減少することができた。
本発明は圧接接合(常温圧接、摩擦圧接、爆発圧接、鍛接、超音波接合、拡散接合)の真の接合強度の算出に広く用いることができるが、Al線の超音波接合に用いる場合は、その曲げ特性や、稠密度の観点から真の接合強度と見かけの接合強度の差が大きいので特に効果がある。また、本発明に係る評価方法は、たとえば接合部の断面積が0.1mm〜50mmであり、金属接合部を構成する線材の数が2本〜40本である場合に適用できるが、適用対象はこれに限定されるものではない。
なお、上記実施例により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上記実施例に基づいて当業者等によりなされる実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明に含まれる。
1、10、20 金属接合体
2 Al芯線
2a、10a、10b、20a、20b Al線
2b 被覆
3 金属接合部
3a 真の接合部
3b 欠陥部
3c 見かけの接合部
3d 酸化膜
3e 新生面
3f 腐食部
4 SOガス
5 破断面
6 線材
7 金属板
11 容器
12 銅めっき液
13 銅電極
F 応力

Claims (14)

  1. 金属と金属との圧接接合によって形成された金属接合部の評価方法であって、
    前記金属接合部を破断する際に、当該破断により表面に現れる前記金属の新生面に対して選択的反応性を有する反応性媒質環境下で破断する工程と、
    前記破断によって生じた破断面における、前記反応性媒質と前記金属の新生面との反応によって生成した生成物を調べる工程と、
    を含むことを特徴とする金属接合部の評価方法。
  2. 前記金属が線、板、棒、および管のいずれか一つの形状またはこれらを組み合わせた形状を有することを特徴とする請求項1に記載の金属接合部の評価方法。
  3. 前記金属が複数の細線からなる線材であることを特徴とする請求項1に記載の金属接合部の評価方法。
  4. 前記金属がアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ステンレス鋼、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、および、Cr、Ni、モリブデン(Mo)、Cu、窒素(N)、珪素(Si)の合金元素を適宜含めた合金金属の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  5. 前記反応性媒質は反応性ガスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  6. 前記反応性媒質は腐食性ガスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  7. 前記反応性媒質は反応性液体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  8. 前記反応性媒質はめっき液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  9. 金属と金属との圧接接合によって形成された金属接合部の評価方法であって、
    前記金属接合部を破断する際に、当該破断により表面に現れる前記金属の新生面に対して非反応性を有する非反応性媒質環境下で破断する工程と、
    前記破断によって生じた破断面における前記金属の新生面を該新生面に対して選択的反応性を有する反応性媒質環境に曝露する工程と、
    前記破断面における前記反応性媒質と前記新生面との反応によって生成した生成物を調べる工程と、
    を含むことを特徴とする金属接合部の評価方法。
  10. 評価の指標としては断面における生成物の面積を用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  11. 車載用の圧接接合に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  12. 前記圧接接合が超音波接合であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  13. 接合部の断面積が0.1mm〜50mmであり、前記金属接合部を構成する線材の数が2本〜40本であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の金属接合部の評価方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一つに記載の評価方法に用いられる指標と、圧接接合の接合エネルギーとの相関関係から接合強度と電気抵抗とを求める推定方法。
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