JP2008133753A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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山口  聡
Mamoru Hasegawa
衛 長谷川
Hideki Sakamoto
英樹 坂本
Yasushi Hara
裕史 原
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Abstract

【課題】 使用中の燃料の燃料性状を機関の低負荷運転状態において正確に推定することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】 機関のアイドル状態で所定実行条件が成立したときに、グロープラグ24の通電制御を実行し、グロープラグ24の温度TGLを目標温度TGTとなるように制御を行う(S13)。グロープラグ24の温度TGLが目標温度TGTに達すると、燃料噴射の態様が変更され(S15,S16)、噴射した燃料の着火遅れに基づくセタン価の推定処理が許可される(S18)。これにより、燃焼室内の温度をほぼ一定とした状態でセタン価推定処理が実行され、正確な推定処理が可能となる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に使用している燃料の燃料性状を推定する機能を有するものに関する。
特許文献1には、予混合燃焼を行う圧縮着火内燃機関の制御装置が示されている。この装置によれば、予混合燃焼中に燃料の実着火時期を検出し、予め設定された標準燃料着火時期との差である着火時期誤差及び該着火時期誤差のばらつきに応じて、使用中の燃料の性状が判定される。
特開2005−171818号公報
予混合燃焼を行う機関運転領域は、例えば図11にハッチングを付して示す領域であり、機関運転領域の全体からみると比較的狭い。そのため、燃料性状の判定の実行時期が遅れて、燃料噴射時期が燃料性状に適していない設定となり、失火が発生する可能性があった。
そこで本願出願人は機関のアイドル状態で燃料性状の判定を行うべく検討を行った結果、アイドル状態へ移行する直前の機関運転状態によって、燃料性状の判定結果、具体的にはセタン価の推定値が変動することが確認された。
さらに図11に示すような低負荷運転領域において、燃料性状の判定を実行する場合も、直前の機関運転状態に依存して、セタン価の推定値が変動する場合がある。
本発明は、上述した点に着目してなされたものであり、使用中の燃料の燃料性状を機関の低負荷運転状態において正確に推定することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(1)の燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射手段(6)を備え、前記燃焼室内の混合気を圧縮することにより前記燃料を燃焼させる内燃機関の制御装置において、前記燃焼室の近傍に設けられ、前記燃焼室内を加熱する発熱手段(24)と、前記機関の所定運転状態において、前記燃焼室内に噴射された燃料の着火遅れ(DCAM)を検出する着火遅れ検出手段と、前記発熱手段(24)による加熱を制御する温度制御手段と、前記発熱手段(24)による加熱を実行した後に検出される着火遅れ(DCAM)に基づいて、前記燃料の性状(CET)を推定する燃料性状推定手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記温度制御手段は、前記発熱手段の温度(TGL)が所定の目標温度(TGT)となるように前記発熱手段(24)の制御を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、前記所定運転状態は、前記機関のアイドル状態であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、発熱手段による燃焼室内の加熱を実行した後に検出される、燃料の着火遅れに基づいて燃料性状が推定される。燃料の着火遅れは、燃料性状だけでなく、燃焼室内の温度にも依存して変化する。発熱手段により加熱することにより、ほぼ同一の温度条件で燃料性状推定を実行し、正確な推定を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、発熱手段の温度が所定の目標温度となるように制御されるので、燃焼室内の温度条件を一定とし、推定精度を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、機関のアイドル運転状態において燃料性状の推定が実行される。アイドル状態では、他の運転状態に比べて噴射される燃料量が少なく、燃料の燃焼による温度上昇が小さいため、発熱手段により燃焼室内の温度条件を容易に同一とすることができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明の一実施形態にかかる内燃機関と、その制御装置の構成を示す図である。以下両図を合わせて参照して説明する。内燃機関(以下「エンジン」という)1は、シリンダ内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒に燃料噴射弁6が設けられている。燃料噴射弁6は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)4に電気的に接続されており、燃料噴射弁6の開弁時期及び開弁時間は、ECU4により制御される。
エンジン1は、吸気管7,排気管8、及びターボチャージャ9を備えている。ターボチャージャ9は、排気の運動エネルギにより回転駆動されるタービンと、タービンとシャフトを介して連結されたコンプレッサとを備えている。ターボチャージャ9は、エンジン1に吸入される空気の加圧(圧縮)を行う。
吸気管7のコンプレッサ下流側にはインタークーラ21が設けられ、さらにインタークーラ21の下流側には、スロットル弁22が設けられている。スロットル弁22は、アクチュエータ23により開閉駆動可能に構成されており、アクチュエータ23はECU4に接続されている。ECU4は、アクチュエータ23を介して、スロットル弁22の開度制御を行う。
排気管8と吸気管7との間には、排気を吸気管7に還流する排気還流通路25が設けられている。排気還流通路25には、還流させる排気を冷却する還流排気クーラ30と、還流排気クーラ30をバイパスするバイパス通路29と、還流排気クーラ30側とバイパス通路29側との切り換えを行う切換弁28と、排気還流量を制御するための排気還流制御弁(以下「EGR弁」という)26とが設けられている。EGR弁26は、ソレノイドを有する電磁弁であり、その弁開度はECU4により制御される。排気還流通路25、還流排気クーラ30、バイパス通路29、切換弁28、及びEGR弁26より、排気還流機構が構成される。EGR弁26には、その弁開度(弁リフト量)LACTを検出するリフトセンサ27が設けられており、その検出信号はECU4に供給される。
吸気管7には、吸入空気量GAを検出する吸入空気量センサ33、コンプレッサの下流側の吸気圧(過給圧)PBを検出する過給圧センサ34、及び吸気圧PIを検出する吸気圧センサ35が設けられ、排気還流通路25には還流排気温度TEGRを検出する還流排気温度センサ36が設けられている。これらのセンサ33〜36は、ECU4と接続されており、センサ33〜36の検出信号は、ECU4に供給される。
排気管8の、タービンの下流側には、排気ガス中に含まれる炭化水素などの酸化を促進する触媒コンバータ31と、粒子状物質(主としてすすからなる)を捕集する粒子状物質フィルタ32とが設けられている。
エンジン1の各気筒には、筒内圧(燃焼圧力)を検出する筒内圧センサ2が設けられている。本実施形態では、筒内圧センサ2は、各気筒に設けられるグロープラグと一体に構成されている。筒内圧センサ2の検出信号は、ECU4に供給される。なお、筒内圧センサ2の検出信号は、実際には、筒内圧PCYLのクランク角度(時間)に対する微分信号(圧力変動)に相当するものであり、筒内圧PCYLは、筒内圧センサ出力を積分することにより得られる。
またエンジン1には、クランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ3が設けられている。クランク角度位置センサ3は、クランク角1度毎にパルスを発生し、そのパルス信号はECU4に供給される。クランク角度位置センサ3は、さらに特定気筒の所定クランク角度位置で気筒識別パルスを生成して、ECU4に供給する。
ECU4には、エンジン1により駆動される車両のアクセルペダルの操作量APを検出するアクセルセンサ37、エンジン1の冷却水温TWを検出する冷却水温センサ38、エンジン1の潤滑油の温度TOILを検出する油温センサ39、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(図示せず)、及びエンジン1の吸気温TAを検出する吸気温センサ(図示せず)などが接続されており、これらのセンサの検出信号がECU4に供給される。
ECU4は、エンジン1の各気筒の燃焼室に設けられた燃料噴射弁6の制御信号を駆動回路5に供給する。駆動回路5は、燃料噴射弁6に接続されており、ECU4から供給される制御信号に応じた駆動信号を、燃料噴射弁6に供給する。これにより、ECU4から出力される制御信号に応じた燃料噴射時期において、前記制御信号に応じた燃料噴射量だけ燃料が、各気筒の燃焼室内に噴射される。ECU4は、通常は1つの気筒についてパイロット噴射及び主噴射を実行する。
ECU4は、増幅器10と、A/D変換部11と、パルス生成部13と、CPU(Central Processing Unit)14と、CPU14で実行されるプログラムを格納するROM(Read Only Memory)15と、CPU14が演算結果などを格納するRAM(Random Access Memory)16と、入力回路17と、出力回路18とを備えている。筒内圧センサ2の検出信号は、増幅器10に入力される。増幅器10は、入力される信号を増幅する。増幅器10により増幅された信号は、A/D変換部11に入力される。また、クランク角度位置センサ3から出力されるパルス信号は、パルス生成部13に入力される。
A/D変換部11は、バッファ12を備えており、増幅器10から入力される筒内圧センサ出力をディジタル値(以下「圧力変化率」という)dp/dθに変換し、バッファ12に格納する。より具体的には、A/D変換部11には、パルス生成部13から、クランク角1度周期のパルス信号(以下「1度パルス」という)PLS1が供給されており、この1度パルスPLS1の周期で筒内圧センサ出力をサンプリングし、ディジタル値に変換してバッファ12に格納する。筒内圧PCYLは、圧力変化率dp/dθを積算することにより算出される。
一方、CPU14には、パルス生成部13から、クランク角6度周期のパルス信号PLS6が供給されており、CPU14はこの6度パルスPLS6の周期でバッファ12に格納されたディジタル値を読み出す処理を行う。すなわち、本実施形態では、A/D変換部11からCPU14に対して割り込み要求を行うのではなく、CPU14が6度パルスPLS6の周期で読出処理を行う。
入力回路17は、各種センサの検出信号をディジタル値に変換し、CPU14に供給する。なお、エンジン回転数NEは、6度パルスPLSの周期から算出される。またエンジン1の要求トルクTRQは、アクセルペダル操作量APに応じて算出される。
CPU14は、エンジン運転状態に応じて目標排気還流量GEGRを算出し、目標排気還流量GEGRに応じてEGR弁26の開度を制御するデューティ制御信号を、出力回路18を介してEGR弁26に供給する。さらにCPU14は、以下に説明するように使用中の燃料のセタン価を推定する処理を実行し、推定したセタン価に応じた燃料噴射制御を行う。
また出力回路18には、エンジン1の各気筒に設けられたグロープラグ24が接続されており、CPU14によりグロープラグ24の通電制御が行われる。このとき、グロープラグ24に印加される電圧VGL及び電流IGLを示す信号が、入力回路17を介して、CPU14に供給される。CPU14は、電圧VGL及び電流IGLからグロープラグ24の抵抗値RGLを算出し、抵抗値RGLに応じてグロープラグ24の温度TGLを算出する。
図3は、燃料噴射弁6による主噴射時期CAIM及び目標排気還流量GEGRを算出するモジュールの構成を示すブロック図である。このモジュールの機能は、CPU14で実行される処理により実現される。
図3に示すモジュールは、主噴射時期CAIMを算出する主噴射時期算出部40と、目標排気還流量GEGRを算出する目標排気還流量算出部50と、使用中の燃料のセタン価CETを推定し、推定したセタン価に応じた判定セタン価パラメータCETDを出力する判定セタン価パラメータ生成部60とからなる。本実施形態では、市場で流通している燃料のセタン価を考慮して、使用中の燃料のセタン価を、第1セタン価CET1(例えば41)、第2セタン価CET2(例えば47)、または第3セタン価CET3(例えば57)のいずれかであると判定し、判定したセタン価に応じた燃料噴射時期制御及び排気還流制御が行われる。判定セタン価パラメータCETDは、第1〜第3セタン価CET1〜CET3に対応して、「1」〜「3」の値をとる。第2セタン価CET2は、市場で流通している(使用可能な)燃料の平均的なセタン価である。
主噴射時期算出部40は、第1主噴射時期マップ値算出部41と、第2主噴射時期マップ値算出部42と、第3主噴射時期マップ値算出部43と、スイッチ部44とからなる。
第1主噴射時期マップ値算出部41は、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて予め設定されたCAIMM1マップを検索して、第1主噴射時期マップ値CAIMM1を算出する。CAIMM1マップは、上述した第1セタン価CET1の燃料を基準として設定されている。第2主噴射時期マップ値算出部42は、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて予め設定されたCAIMM2マップを検索して、第2主噴射時期マップ値CAIMM2を算出する。CAIMM2マップは、上述した第2セタン価CET2の燃料を基準として設定されている。第3主噴射時期マップ値算出部43は、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて予め設定されたCAIMM3マップを検索して、第3主噴射時期マップ値CAIMM3を算出する。CAIMM3マップは、上述した第3セタン価CET3の燃料を基準として設定されている。
スイッチ部44は、判定セタン価パラメータCETDに応じて、第1〜第3主噴射時期マップ値CAIMM1〜CAIMM3の何れかを選択する。すなわち、CETD=1であるときは、第1主噴射時期マップ値CAIMM1が選択され、CETD=2であるときは、第2主噴射時期マップ値CAIMM2が選択され、CETD=3であるときは、第3主噴射時期マップ値CAIMM3が選択される。燃料のセタン価が低下するほど、燃料噴射時期は進角されるので、運転状態が同一であるときは、CAIMM1>CAIMM2>CAIMM3という関係が成立する。
目標排気還流量算出部50は、第1目標EGR量マップ値算出部51と、第2目標EGR量マップ値算出部52と、第3目標EGR量マップ値算出部53と、スイッチ部54とからなる。
第1目標EGR量マップ値算出部51は、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて予め設定されたGEGRM1マップを検索して、第1目標EGR量GEGRM1を算出する。GEGRM1マップは、第1セタン価CET1の燃料を基準として設定されている。第2目標EGR量マップ値算出部52は、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて予め設定されたGEGRM2マップを検索して、第2目標EGR量GEGRM2を算出する。GEGRM2マップは、第2セタン価CET2の燃料を基準として設定されている。第3目標EGR量マップ値算出部53は、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて予め設定されたGEGRM3マップを検索して、第3目標EGR量GEGRM3を算出する。GEGRM3マップは、第3セタン価CET3の燃料を基準として設定されている。
スイッチ部54は、判定セタン価パラメータCETDに応じて、第1〜第3目標EGR量マップ値GEGRM1〜GEGRM3の何れかを選択する。すなわち、CETD=1であるときは、第1目標EGR量マップ値GEGRM1が選択され、CETD=2であるときは、第2目標EGR量マップ値GEGRM2が選択され、CETD=3であるときは、第3目標EGR量マップ値GEGRM3が選択される。燃料のセタン価が低下するほど、目標EGR量は減少するので、運転状態が同一であるときは、GEGRM1<GEGRM2<GEGRM3という関係が成立する。
判定セタン価パラメータ生成部60は、目標主噴射着火時期算出部61と、着火時期検出部62と、減算部63と、スイッチ部68と、セタン価推定部69と、判定パラメータ設定部70とからなる。
目標主噴射着火時期算出部61は、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて予め設定されたCAFMMマップを検索して、目標主噴射着火時期CAFMMを算出する。CAFMMマップは、第2セタン価CET2(例えば47)の燃料を基準として設定されている。
着火時期検出部62は、筒内圧センサ2の出力信号をディジタル値に変換した圧力変化率dp/dθに応じて主噴射着火時期CAFMを検出する。この検出手法は、図4及び図5を参照して後述する。減算部63は、目標主噴射着火時期CAFMMから、主噴射着火時期CAFMを減算することにより、着火遅れ角DCAMを算出する。
スイッチ部68は、後述する図9の処理で設定される切換制御信号SCTLにより切換制御され、切換制御信号SCTLが「0」のときオフ状態であり、「1」のときオン状態となる。切換制御信号SCTLは、セタン価推定の実行条件が成立したとき、「1」に設定される。
セタン価推定部69は、着火遅れ角DCAMをエンジン回転数NEを用いて、着火遅れ時間TDFMに変換し、着火遅れ時間TDFMに応じて図6に示すCETテーブルを検索し、セタン価CETを算出する。セタン価推定部69は、さらにセタン価CETを下記式(1)に適用し、セタン価学習値CETLRNを算出する。
CETLRN=α×CET+(1−α)×CETLRN (1)
ここで、αは0から1の間の値に設定されるなまし係数、右辺のCETLRNは、前回算出値である。
上述したセタン価学習値CETLRNは、4つの気筒の筒内圧センサ出力をすべて用いて算出される。したがって、上記式(1)により、気筒毎に検出されるセタン価CET、及び検出タイミングが異なるセタン価CETの平均化が行われる。なお、セタン価推定処理が実行されないときは、記憶されている最新のセタン価学習値CETLRNが、セタン価推定部69から出力される。
判定パラメータ設定部70は、セタン価学習値CETLRNに応じて、判定セタン価パラメータCETDの設定を行う。具体的には、図7に示すように、ヒステリシス特性を付加して、第1閾値CETH1及び第2閾値CETH2と、セタン価学習値CETLRNの比較を行う。すなわち、ヒステリシス特性を付加するためのパラメータ(以下「ヒステリシスパラメータ」という)をΔhとすると、判定セタン価パラメータCETDが「2」であるときは、セタン価学習値CETLRNが第2閾値CETH2にヒステリシスパラメータΔhを加算した値を越えると、判定セタン価パラメータCETDが「3」に変更される。逆に判定セタン価パラメータCETDが「3」であるときは、セタン価学習値CETLRNが第2閾値CETH2からヒステリシスパラメータΔhを減算した値を下回ると、判定セタン価パラメータCETDが「2」に変更される。第1閾値CETH1についても同様の判定により、判定セタン価パラメータCETDが設定される。
図4は、実着火時期CAFMを算出(検出)する着火時期算出モジュールの構成を示すブロック図である。着火時期算出モジュールの機能は、CPU14による演算処理により実現される。着火時期算出モジュールは、バンドパスフィルタ部71と、位相遅れ補正部72と、着火時期判定部73とからなる。バンドパスフィルタ部71には、筒内圧センサ2から出力される圧力変化率dp/dθが入力される。バンドパスフィルタ部71は、圧力変化率dp/dθに含まれるノイズ成分を除去する。バンドパスフィルタ部71では、位相遅れが発生するため、位相遅れ補正部72では、この遅れを補正する。
着火時期判定部73は、燃料噴射に対応して、圧力変化率dp/dθがピーク値を示すクランク角度位置を実着火時期CAFMと判定する。具体的には、図5(b)に示すように、位相遅れ補正部72から出力される圧力変化率dp/dθが検出閾値DPPを超えたクランク角を、実着火時期CAFMと判定する。
図5(a)には、クランク角CAIMから開始される噴射パルスINJMが示されており、同図(b)には実着火時期CAFMを検出する角度範囲RDET(例えば10度)が示されている。このように、検出角度範囲RDETを比較的狭い範囲に限定することにより、CPU14の演算負荷を増大させることなく、着火時期を正確に判定することができる。
本実施形態では、セタン価推定を給油後速やかに行うため、エンジン1のアイドル状態においてセタン価推定処理が実行される。その場合、アイドル状態に移行する直前のエンジン運転状態に依存して、検出される着火時期CAFMが変化し、推定セタン価CETが変化する。
図8は、燃料のセタン価が給油前セタン価CETBFから、給油により給油後セタン価CETAFに変化した場合に、時刻t0から上述したセタン価推定処理を実行したときの、推定セタン価CETの推移を示す。実線は高負荷運転の直後でなく、燃焼室の壁面温度が低い場合に対応し、破線は高負荷運転の直後であって、壁面温度が高い場合に対応する。この図に示すように高負荷運転の直後でなければ、推定セタン価CETは、給油前セタン価CETBFから徐々に増加して給油後セタン価CETAFとほぼ一致する。これに対し、高負荷運転の直後においては、燃料が着火し易くなるため、推定セタン価CETは、最初は実際の給油後セタン価CETAFより高くなり、徐々に給油後セタン価CETAFに収束していく。
そこで本実施形態では、セタン価推定処理を開始する前に、グロープラグ24の通電制御を実行し、グロープラグ24の温度TGLを目標温度TGT(例えば1000℃)まで高める。その後、実着火時期CAFMの検出を行うことにより、アイドル状態へ移行する直前のエンジン運転状態に拘わらず、燃焼室内の温度がほぼ一定の状態で、実着火時期CAFMを検出し、正確な推定セタン価CETを得ることができる。なお、燃焼室内の温度が約1000℃の状態における着火遅れ時間TDFMと、セタン価CETと関係が、CETテーブルとして、予め記憶されている。
図9は、セタン価推定処理の実行条件の判定、セタン価推定処理実行時のエンジン運転パラメータの変更、及び切換制御信号SCTLの設定を行う処理の手順を示すフローチャートである。図9に示す処理は、CPU14において所定時間毎に実行される。
ステップS11では、エンジン1がアイドル状態にあるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、セタン価推定を安定して実行するための所定実行条件が成立するか否かを判別する。この所定実行条件は、例えば還流排気温度TEGRが所定温度TE0(例えば約90℃)以上であり、かつエンジン1の暖機状態を示す冷却水温TWまたは油温TOILが所定温度TWUP(例えば80℃)以上であるとき成立する。
ステップS11またはS12の答が否定(NO)であるときは、切換制御信号SCTLを「0」に設定する(ステップS19)。
ステップS12で所定実行条件が成立するときは、グロープラグ24の通電制御を行う(ステップS13)。具体的には、グロープラグ24に電力を供給し、印加される電圧VGL及び供給される電流IGLから抵抗値RGLを算出し、抵抗値RGLに応じてプラグ温度TGLを算出する。そしてプラグ温度TGLが目標温度TGTとなるように、グロープラグ24に供給する電力を制御する。
ステップS14では、プラグ温度TGLが目標温度TGTに達したか否かを判別する。この答が否定(NO)であるときは、前記ステップS19に進む。TGL≧TGTであるときは、パイロット噴射を停止し、主噴射のみ実行するシングル噴射とし(ステップS15)、さらに主噴射時期を通常より進角方向に変更する(ステップS16)。このように燃料噴射をシングル噴射として、燃料噴射時期を通常より進角させることにより、セタン価の違いによる着火時期の差を大きくし、着火時期に基づくセタン価推定の精度を向上させることができる。ステップS17では、EGR弁26を閉弁し、排気還流を停止する。これにより、還流される排気の影響で着火時期が変化することが防止され、セタン価の推定精度を高めることができる。
ステップS18では、切換制御信号SCTLを「1」に設定し、本処理を終了する。
図10は、エンジン1の特定の気筒における熱発生率HRRの推移を示す図であり、実線が高セタン価(例えば57)の燃料に対応し、破線が低セタン価(例えば41)の燃料に対応する。横軸はクランク角度CAである(ピストンが圧縮上死点にあるときを「0」度とする)。同図(a)は、パイロット噴射及び主噴射を実行する場合に対応し、この場合には、燃料噴射はクランク角度0度(圧縮上死点)近傍で行われ、上死点後5〜10度で熱発生率HRRがピークに達する。セタン価の差による、ピーク位置の差は1度程度である。同図(b)は、燃料噴射時期を進角させて主噴射のみ実行する場合に対応し、この場合には、燃料噴射はクランク角度−20度(圧縮上死点前20度)近傍で行われ、上死点前5〜10度で熱発生率HRRがピークに達する。セタン価の差による、ピーク位置の差は8度程度となる。すなわち、燃料噴射を主噴射のみ(シングル噴射)とし、かつ噴射時期を進角させることにより、セタン価の違いによる着火時期の差がより顕著となり、セタン価CETの算出精度を向上させることができる。
本実施形態では、燃料噴射6が燃料噴射手段に相当し、グロープラグ24が発熱手段に相当し、筒内圧センサ2が着火遅れ検出手段の一部を構成し、ECU4が着火遅れ検出手段の一部、温度制御手段、及び燃料性状推定手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、エンジン1の全ての気筒に筒内圧センサ2を設け、それらのセンサの検出信号をすべて使用してセタン価の推定を行うようにしたが、いずれか1つの特定気筒のみに筒内圧センサを設け、その筒内圧センサの検出出力に基づいてセタン価の推定を行うようにしてもよい。その場合には、セタン価推定の実行条件が成立したとき、その特定気筒についてのみシングル噴射への変更(パイロット噴射の停止)及び主噴射時期の進角を行うことが望ましい。
また上述した実施形態では、エンジン1のアイドル状態でセタン価推定処理を実行するようにしたが、図11に示す予混合燃焼領域で実行するようにしてもよい。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの制御にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 図1に示す制御装置の一部の構成をより具体的に示す図である。 主噴射時期(CAIM)及び目標排気還流量(GEGR)を算出するモジュールの構成を示すブロック図である。 図3に示す着火時期検出部の構成を示すブロック図である。 着火時期の検出手法を説明するためのタイムチャートである。 着火遅れ時間(TDFM)からセタン価(CET)を算出するためのテーブルを示す図である。 セタン価学習値(CETLRN)に応じて判定セタン価パラメータ(CETD)を設定する手法を説明するための図である。 アイドル状態移行直前に高負荷運転が行われた場合の問題点を説明するためのタイムチャートである。 図3に示した切換制御信号(SCTL)の設定を行う処理のフローチャートである。 特定の気筒における熱発生率(HRR)の推移を示す図である。 予混合燃焼領域を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 筒内圧センサ(着火遅れ検出手段)
4 電子制御ユニット(着火遅れ検出手段、温度制御手段、燃料性状推定手段)
6 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
62 着火時期検出部(着火遅れ検出手段)
61 目標主噴射着火時期算出部(着火遅れ検出手段)
63 減算部(着火遅れ検出手段)
69 セタン価推定部(燃料性状推定手段)

Claims (3)

  1. 内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射手段を備え、前記燃焼室内の混合気を圧縮することにより前記燃料を燃焼させる内燃機関の制御装置において、
    前記燃焼室の近傍に設けられ、前記燃焼室内を加熱する発熱手段と、
    前記機関の所定運転状態において、前記燃焼室内に噴射された燃料の着火遅れを検出する着火遅れ検出手段と、
    前記発熱手段による加熱を制御する温度制御手段と、
    前記発熱手段による加熱を実行した後に検出される着火遅れに基づいて、前記燃料の性状を推定する燃料性状推定手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記温度制御手段は、前記発熱手段の温度が所定の目標温度となるように前記発熱手段の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記所定運転状態は、前記機関のアイドル状態であることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
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