JP2008133275A - トコフェロール配糖体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定性・水溶性に優れ、抗酸化、活性酸素消去、皮膚細胞の抗老化、細胞賦活作用を有する新規なトコフェロール配糖体、及びトコフェロール配糖体の高収率の製造方法を提供すること。
【解決手段】 過アセチル化単糖又は過アセチル化オリゴ糖とトコフェロールとのグリコシド縮合反応を含む、式(1)

〔式中、Rは明細書中に定義するとおり〕で表される化合物の製造方法であって、該グリコシド縮合反応において、主触媒と助触媒の二成分から構成される触媒を使用することを特徴とする、方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、安定性と水溶性に優れたトコフェロール配糖体及びその製造方法に関する。
トコフェロールは、末梢血管拡張作用、ヒスタミン遊離抑制作用などの種々の薬理活性を有することから種々の医薬用途で使用され、ビタミンE(抗不妊ビタミン)及び抗酸化剤としても知られている。トコフェロールはまた、UVBの防御能を有し、皮膚組織内の過酸化脂質生成抑制効果があることから化粧品用途でも使用されている。しかしながらトコフェロールは、不安定な物質であることに加え、脂溶性の物質であるために皮膚や腸管からの吸収が悪いといった問題点が有り、これらの問題点を解決するため、トコフェロール配糖体(ビタミンE配糖体)が数々と合成されている。
例えば、特許文献1及び2にはトコフェリルグルコシド(α体)、特許文献3及び非特許文献1にはトコフェリルグルコシド(β体)、トコフェリルガラクトシド(β体)、トコフェリルマンノシド(β体)、特許文献4にはトコフェリルマルトシド(β体)、特許文献5にはトコフェリルセロビオシド(β体)等が開示されているが、これらのトコフェロール配糖体は安定性の向上は見られたが、水に難溶性のものであった(例えば、特許文献4及び5参照)。
また、これらのトコフェロール配糖体を製造する際には、過アセチル化糖とトコフェロールとのグリコシド縮合反応を経て行う方法が一般的であるが、p−トルエンスルホン酸、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、四塩化チタン、四塩化錫などの酸触媒を単独で用いて、グリコシド縮合反応を行った場合、グリコシド化反応率が低く、それに比例して収率も低いという問題があり(例えば、特許文献4〜6)、さらに製造途中でカラムクロマトグラフィーの操作を経なければ結晶が得られず、工業的製造法の点で問題があった(例えば、特許文献3〜6)。
特開平4−9395号公報 特開平4−5299号公報 特開平2−144151号公報 特開2000−128762号公報 特公平1−55278号公報 特公平2−3800号公報 「Z.Naturforsch.」、2002年、57b、p571−578
本発明は、安定性及び水溶性に優れ、抗酸化、活性酸素消去、皮膚細胞の抗老化、細胞賦活作用を有する新規なトコフェロール配糖体、及び、トコフェロール配糖体の高収率の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、式(4)
〔式中、Yはβ(1,4)−ガラクトシルマルトース、β(1,4)−ガラクトシルマルトトリオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトペンタオースから選ばれるオリゴ糖の残基を示す。〕で表される新規なトコフェロール配糖体が、安定性及び水溶性に優れ、抗酸化、活性酸素消去、皮膚細胞の抗老化、細胞賦活作用を有すること、ならびに、下記式(1)及び(2)で表されるトコフェロール配糖体の合成過程のグリコシド縮合反応において、主触媒と助触媒とを併用することによって、高収率で、下記式(1)及び(2)で表されるトコフェロール配糖体を製造できることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記の製造方法は、式(3)
〔式中、Xはグルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラムノース、及びフコースから選ばれる糖の残基を示す。〕で表されるトコフェロール配糖体の製造をする場合に、式(3)で表される化合物に対する良溶媒に、式(3)で表される化合物を溶解する工程と、該良溶媒に、さらに、式(3)で表される化合物に対する良溶媒と相溶性であって、かつ式(3)で表される化合物に対する貧溶媒を、混合することにより、該式(3)で表される化合物を結晶化する工程と、それにより得られる式(3)で表される化合物の結晶を、式(3)で表される化合物に対する良溶媒と相溶性であって、かつ式(3)で表される化合物に対する貧溶媒で洗浄する工程とを備える、精製工程を含むことによって、さらに高収率でトコフェロール配糖体を製造できることを見出した。
そして、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
(1)過アセチル化単糖又は過アセチル化オリゴ糖とトコフェロールとのグリコシド縮合反応を含む、式(1)
〔式中、Rはグルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラムノース、およびフコースから選ばれる単糖の残基、あるいは、マルトース、β(1,4)−ガラクトシルマルトース、マルトトリオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトトリオース、マルトテトラオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオース、マルトペンタオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトペンタオース、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースから選ばれるオリゴ糖の残基を示す。〕で表される化合物の製造方法であって、
該グリコシド縮合反応において、主触媒と助触媒の二成分から構成される触媒を使用することを特徴とする、方法。
(2)過アセチル化単糖又は過アセチル化オリゴ糖とトコフェロールとのグリコシド縮合反応を含む、式(2)
〔式中、Rはグルコース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、およびフコースから選ばれる単糖の残基、あるいは、マルトース、β(1,4)−ガラクトシルマルトース、マルトトリオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトトリオース、マルトテトラオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオース、マルトペンタオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトペンタオース、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースから選ばれるオリゴ糖の残基を示す。〕で表される化合物の製造方法であって、
該グリコシド縮合反応において、主触媒と助触媒の二成分から構成される触媒を使用することを特徴とする、方法。
(3)主触媒が、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩化第二鉄、四塩化チタン及び四塩化錫からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)助触媒が相関移動触媒である、上記(3)に記載の方法。
(5)相間移動触媒が、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドからなる群から選択される、上記(4)に記載の方法。
(6)式(3)
〔式中、Xはグルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラムノース、及びフコースから選ばれる糖の残基を示す。〕で表される化合物の製造方法であって、
式(3)で表される化合物に対する良溶媒に、式(3)で表される化合物を溶解する工程と、
該良溶媒に、さらに、式(3)で表される化合物に対する良溶媒と相溶性であって、かつ式(3)で表される化合物に対する貧溶媒を、混合することにより、該式(3)で表される化合物を結晶化する工程と、
それにより得られる式(3)で表される化合物の結晶を、式(3)で表される化合物に対する良溶媒と相溶性であって、かつ式(3)で表される化合物に対する貧溶媒で洗浄する工程と
を備え、
前記良溶媒が、含水酢酸エチル及び/又は含水エタノールからなり、かつ
前記貧溶媒が、アセトン及び/又はイソプロパノールからなる、
上記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記良溶媒の含水量が、2〜10(w/w)%である上記(6)記載の製造方法。
(8)式(4)
〔式中、Yはβ(1,4)−ガラクトシルマルトース、β(1,4)−ガラクトシルマルトトリオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトペンタオースから選ばれるオリゴ糖の残基を示す。〕で表される化合物。
本発明のトコフェロール配糖体は、優れた安定性及び水溶性を有し、また、抗酸化作用、活性酸素消去作用、皮膚細胞の抗老化作用、細胞賦活作用を有するため、各種医薬用途又は化粧品用途で有用である。また、本発明の製造方法によれば、トコフェロール配糖体を高収率で得ることができる。特に、本発明の製造方法は、単糖類を原料とする場合に、結晶化の際にカラムクロマトグラフィーを必要としないため、工業的製造の面でも優れている。
本発明で原料として使用されるβ(1,4)−ガラクトシルマルトース、β(1,4)−ガラクトシルマルトトリオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトペンタオースは、それぞれマルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオースと乳糖を、β−ガラクトシダーゼ存在下反応させることにより製造することができる(例えば、Agric.Biol.Chem.、1991年、55(9)、p2433−2434;特開平3−264596号公報;特開平4−279596号公報及び特開平6−56870号公報参照)。
本発明の式(1)〜(4)で表される化合物は、例えば、以下のようにして合成することができる。
トコフェロールと、過アセチル化単糖又は過アセチル化オリゴ糖(過アセチル化ガラクトシルマルトオリゴ糖又は過アセチル化マルトオリゴ糖)とを、触媒(主触媒及び助触媒)の存在下、適当な溶媒中でグリコシド縮合させる。この反応により、式(1)〜(4)のいずれか1式で表される化合物の製造中間体で、基R、R、X及びYが過アセチル化単糖残基又は過アセチル化オリゴ糖残基である、過アセチル化単糖誘導体又は過アセチル化オリゴ糖誘導体が得られる。
この反応における好適な溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等が用いられ、好ましくはトルエン、エチルベンゼンが用いられる。
主触媒としては、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化銅、塩化第二鉄、四塩化錫、四塩化チタン、ポリリン酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等が用いられ、好ましくは、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩化第二鉄、四塩化チタン、四塩化錫が用いられる。その使用量はトコフェロールの3〜50モル%が好ましい。
助触媒としては、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等の相間移動触媒が用いられ、好ましくは、硫酸水素テトラブチルアンモニウム又はトリオクチルメチルアンモニウムクロリドが用いられる。その使用量は主触媒の10〜70重量%が好ましい。
反応の温度及び時間は、用いる溶媒及び触媒(主触媒及び助触媒)の種類によって異なるが、通常、減圧下、60〜130℃程度で2〜10時間加熱することにより目的の反応を達成することができる。
原料として用いられるトコフェロールは、α−、β−、γ−又はδ−トコフェロールのいずれであってもよい。また、単糖及びオリゴ糖残基とトコフェロールのクロマン環の6位の−O−との結合はα−結合及びβ−結合のいずれであってもよい。
原料として用いられる過アセチル化単糖、過アセチル化ガラクトシルマルトオリゴ糖及び過アセチル化マルトオリゴ糖は、それぞれ、所望の単糖、ガラクトシルマルトオリゴ糖及びマルトオリゴ糖を、無水酢酸、酢酸ソーダ、塩化アセチル等を用いる公知のアセチル化法によってアセチル化することにより製造することができる。
以上のようにして得られた過アセチル化単糖誘導体又は過アセチル化オリゴ糖誘導体を、常法により脱アセチル化後、精製することにより、式(1)又は(2)で表される化合物へ導くことができる。例えば、メタノール中、ナトリウムメトキシドの存在下、15〜63℃で30分〜5時間反応させ、酢酸で中和した後、脱色ろ過を行い、公知の精製法、例えば、カラムクロマトグラフィー、晶析、活性炭等による脱色、再結晶等で精製して目的の反応を達成することができる。
さらに、上記過アセチル化単糖誘導体の脱アセチル化体(以下、粗トコフェロール配糖体とする)については、カラムクロマトグラフィーによらずとも、精製することができるが、特に下記の工程により精製する場合は、より優れた収率で、式(3)で表される化合物へ導くことができる
すなわち、粗トコフェロール配糖体を、優れた収率で、式(3)で表される化合物(トコフェロール配糖体)へ導くことができる精製工程とは、含水酢酸エチル及び/又は含水エタノールからなる、式(3)で表されるトコフェロール配糖体に対する良溶媒に、式(3)で表されるトコフェロール配糖体を溶解する工程と、アセトン及び/又はイソプロパノールからなる、前記良溶媒と相溶性であって、かつ式(3)で表されるトコフェロール配糖体に対する貧溶媒を、式(3)で表されるトコフェロール配糖体を含有する前記良溶媒からなる溶液に混合することにより、該式(3)で表されるトコフェロール配糖体を結晶化する工程と、得られた式(3)で表されるトコフェロール配糖体の結晶を、前記貧溶媒で洗浄する工程とを備える精製工程である。なお、本発明において、「良溶媒」とは、トコフェロール配糖体を少しでも溶解することができる溶媒をいう。良溶媒の具体例としては、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶媒が挙げられる。また「貧溶媒」とは、トコフェロール配糖体の溶解を阻害する溶媒をいう。貧溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒が挙げられる。医薬品用途、化粧品用途のトコフェロール配糖体を製造する場合は、医薬品、化粧品用途基準において禁止されていない溶媒を選択することが望ましい。また「相溶性」であるとは、撹拌により良溶媒と貧溶媒が均一に混ざることをいう。
本発明において、式(3)で表されるトコフェロール配糖体に対する良溶媒は、含水酢酸エチル及び/又は含水エタノールからなる溶液であるが、含水酢酸エチルの単独溶液が特に好ましい。含水酢酸エチル、含水エタノールの含水量は、通常2〜10(w/w)%が好ましい。
本発明において、粗トコフェロール配糖体を良溶媒に溶解した溶液(以下、粗トコフェロール配糖体溶液という。)の濃度(良溶媒1kg当たりの粗トコフェロール配糖体の重量)は、使用する溶媒(溶液)や温度条件によって異なるが、通常、60℃において約300g/1kg〜約400g/1kgの範囲であり、特に約340g/1kg〜約380g/1kgの範囲であることが好ましい。
本発明において、粗トコフェロール配糖体を、式(3)で表されるトコフェロール配糖体に対する良溶媒に溶解するときの温度は、室温〜良溶媒の沸点の範囲から作業上問題のない温度条件であれば、特に限定はないが、通常約40℃〜約65℃の範囲であり、特に約50℃〜約60℃の範囲であることが好ましい。また、粗トコフェロール配糖体溶液を調製する際に不溶物を除去する目的で必要に応じて、常法により、ろ過を行っても良い。
本発明において、式(3)で表されるトコフェロール配糖体を析出させるために用いる、当該良溶媒と相溶性の溶媒であって、かつ式(3)で表されるトコフェロール配糖体に対する貧溶媒(以下、析出溶媒という。)は、例えば、アセトン及び/又はイソプロパノールからなる溶媒が挙げられるが、アセトンの単独溶媒が特に好ましい。
析出溶媒の量は、良溶媒と混合し得る量であれば、特に限定はないが、通常、良溶媒に対し重量比で0.7倍〜1.3倍の範囲であり、高純度かつ良好な収率で結晶が得られる点で、0.9倍〜1.1倍の範囲であることが特に好ましい。なお該重量比が、0.7倍未満であると、高純度の結晶が得られるが、収率は低くなる。また1.3倍を超えると、高い収率で結晶が得られるが、純度は低くなる。
本発明において、粗トコフェロール配糖体溶液と析出溶媒との混合操作は、通常、攪拌下で行われ、攪拌装置及び操作条件が好適に使用される。攪拌スピードは、通常50〜200rpmの範囲で、特に90〜160rpmの範囲が好ましい。混合する順序は、粗トコフェロール配糖体溶液を析出溶媒に添加してもよいし、その逆に析出溶媒を粗トコフェロール配糖体溶液に添加してもよい。粗トコフェロール配糖体溶液と析出溶媒とを混合するときの温度は、特に限定はないが、約50℃〜約60℃が好ましい。混合終了後溶解確認を行った後、90〜160rpmの攪拌スピード下、0℃まで10〜14時間かけて冷却し、結晶を析出させる。
本発明の方法によると、式(3)で表されるトコフェロール配糖体の結晶は、粗トコフェロール配糖体溶液と析出溶媒とを混合すれば析出するが、析出までの時間及び析出時の温度は粗トコフェロール配糖体溶液の溶媒種(溶液種)とその濃度及び析出溶媒種とその量により異なる。本発明の方法により析出した式(3)で表されるトコフェロール配糖体の結晶は、常法(遠心分離又はろ過等)により、混合液から分離・採取することができる。結晶の洗浄溶媒は、トコフェロール配糖体の貧溶媒であって、例えばアセトン及び/又はイソプロパノールからなる溶媒が挙げられるが、アセトンの単独溶媒が特に好ましい。
結晶の洗浄溶媒の使用量は、結晶の溶解によるロスを生じさせることなく、混合液から結晶を分離できる量であれば、特に限定はないが、通常、良溶媒に対し、重量比で0.7倍〜1.3倍の範囲であり、特に0.9倍〜1.1倍の範囲であることが好ましい。なお該重量比が、0.7倍未満であると、結晶の間に混合溶媒の残液が残るため、トコフェロール結晶の純度が低下し、1.3倍を超えると、結晶の溶解によるロスが生じるため、収率が低下する。該洗浄溶媒は、通常5〜10℃まで冷却して使用する。
本発明において、洗浄操作は、式(3)で表されるトコフェロール配糖体の結晶を分離・採取中に洗浄溶媒をトコフェロール配糖体結晶にかけることにより行っても、また、トコフェロール配糖体の結晶を分離・採取後にトコフェロール配糖体の結晶を洗浄溶媒に懸濁させ、再度分離・採取することにより行ってもよい。
得られたトコフェロール配糖体結晶は、所望により乾燥させてもよい。乾燥方法には、特に限定はなく、常法(例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、風乾等)により、適宜実施すればよい。
式(1)及び(2)で表される化合物には、式(3)及び式(4)で表される化合物が包含されるが、特に式(4)で表される化合物は新規である。本明細書において、式(1)〜(4)で表される化合物を、まとめて単に本発明の化合物ともいう。
本発明の式(4)で表される化合物としては、dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトシド、dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトトリオシド、dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトテトラオシド、dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトペンタオシド、dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシド、dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトトリオシド、dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトテトラオシド、dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトペンタオシド、等が挙げられる。
本発明の化合物は、強い抗酸化作用、活性酸素消去作用、細胞賦活作用を有しており、皮膚外用剤又は皮膚外用化粧品の製造に通常用いられる種々の基剤に、一種のみ又は二種以上を組み合せて、常法に従い配合することにより、皮膚細胞の抗老化作用、活性酸素消去作用、皮膚の色素沈着防止作用を有する皮膚外用剤又は皮膚外用化粧品(以下、まとめて皮膚外用剤とだけ記載する)として、優れた効果を発揮することができる。
本発明の化合物の皮膚外用剤への配合量は、基剤に対して、一般的には0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。本発明の化合物を皮膚外用剤とする場合、その形態は特に限定されるものではなく、例えば、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ジェル、石鹸、洗顔フォーム、パック、ファンデーション等の各種医薬品剤形及び化粧品形態が挙げられる。また、本発明の化合物に期待する作用を損なわない範囲で、精製水、油分、界面活性剤、増粘剤、低級アルコール、多価アルコール、pH調整剤、安定化剤、金属捕捉剤、粉体、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、活性酸素除去剤、美白剤、色素、顔料、香料等の一般的に皮膚外用剤に用いられる種々の成分を組み合せて配合することができる。
さらに本発明の化合物は、点眼剤の製造に通常用いられる種々の溶剤及び添加剤と常法に従い配合することにより、老化に伴う眼疾患(例えば、白内障等の眼疾患)の予防・治療用の点眼剤としても有用である。
白内障とは、水晶体の基質が変形又は何らかの物質沈着により光学的透過性が低下した状態をいい、その結果、眼底に達する光量が低下して視力が低下する。加齢と共に白内障による視力低下を訴える患者は、高齢化社会が進むにつれて増加傾向にある。その成因は複雑であり、現在では、水晶体に対する酸化物質沈着や紫外線による酸化障害が大きな原因の1つではないかと考えられている。従って、抗老化作用と紫外線に対する保護作用を併せ持つ本発明の化合物を配合した点眼剤は白内障の開始又は進行を防止又は低減させることができる。
点眼剤とする場合、本発明の化合物の配合量は適宜選択されるが、点眼剤全体の通常0.05%〜5重量%、好ましくは0.01〜1%配合される。本発明の化合物を有効成分として配合される点眼剤は、それ以外の成分として、通常点眼剤に配合される各種成分を添加することができる。例えば、グルタチオン、ビタミンC、E、B6等のビタミン類、イプシロンアミノカプロン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ナファゾリン、アスパラギン酸カリウム、硫酸亜鉛、スルファメトキサゾール、アラントイン、塩化リゾチーム等の薬剤、塩化カリウム、塩化ナトリウム、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の等張化剤、クエン酸、ホウ酸、リン酸水素ナトリウム、酢酸等の緩衝剤、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸等の防腐剤、マンニトール等の糖類、1−メントール、カンファー、ボルネオール等の清涼化剤や香料などを配合することができる。これらの使用量は、製剤学的に許容される範囲で、適宜設定することができる。
また、本発明の化合物を有効成分として配合される点眼剤のpHは4〜9の範囲にあることが好ましく、6〜8の範囲にあることがより好ましい。
本発明の化合物を配合した点眼剤の調製方法は、製剤分野で慣用の方法を用いればよいため特に限定されないが、例えば、本発明の化合物を水に溶解するか、又はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートなどにより水に可溶化し、次いでクエン酸などの緩衝剤を加えてpHを調整することにより水可溶化点眼薬を得る方法、あるいは、本発明の化合物を流動パラフィンなどに溶解し、又は懸濁して油性点眼薬を得る方法等を採用することができる。
以下、実施例、精製例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
dl−α−トコフェリル β−D−グルコピラノシドの合成
(式中、Acはアセチル基。以下同様)
ペンタアセチル−β−D−グルコース(15g)、dl−α−トコフェロール(11g)、メタンスルホン酸(0.25g)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(0.1g)及びトルエン(400ml)を四つ口フラスコに入れ、150〜250hPaの減圧下、外浴85〜95℃で5時間撹拌した。その後、トルエン200ml及び活性炭(強力白鷺)2gを加えて、脱色ろ過(PTFEフィルター:0.45μm)を行った後、1N水酸化ナトリウム水150mlで2回、次に蒸留水150mlで3回、分液洗浄を行った。その後、トルエン層を減圧濃縮するとグリコシド体24gが得られた。グリコシド体24gをメタノール150mlに加熱溶解し、28%ソジュームメチラート−メタノール溶液(0.8ml)とともに温度計を付した四つ口フラスコに入れ、外浴57〜63℃で2時間脱アセチル化反応を行った。反応終了後、酢酸0.5mlを加えて中和し、活性炭(強力白鷺)2gを加え、脱色ろ過(PTFEフィルター:0.45μm)を行った。濾液を減圧濃縮すると、脱アセチル体20gが得られた。
上記脱アセチル体20gを酢酸プロピル100mlに加熱溶解し、蒸留水50mlで3回分液洗浄を行い、酢酸プロピル層を濃縮乾固すると濃縮物が15.2g得られた。濃縮物15.2gを酢酸プロピル25ml及びアセトン25mlの混合液に60℃で溶解し、40℃まで徐々に冷却して結晶を熟成させ、さらに2℃まで徐々に冷却して結晶を晶出させた。得られた結晶をろ別し乾燥させると、微黄色の粗結晶9.8gが得られた。粗結晶9.8gをエタノール50mlに60℃で溶解し、40℃まで徐々に冷却して結晶を熟成させ、さらに10℃まで徐々に冷却して結晶を晶出させた。得られた結晶を、エタノールをかけることにより洗浄しながら、ろ別し、乾燥させると、白色のdl−α−トコフェリル β−D−グルコピラノシド6.7gが得られた(収率44%)。
FAB−MS(POS測定):m/z=615⇒〔M+Na〕
H−NMR(CDOD)δ:0.79−0.93(12H,m)、1.02−1.63(24H,m)、1.72−1.85(2H,m)、2.04(3H,s)、2.18(3H,s)、2.22(3H,s)、2.52−2.67(2H,m)、3.08−3.77(6H,m)、4.51(1H,d,J=7.5Hz)
精製例
実施例1と同様の方法で得られた、脱アセチル体37.5gに92.5(w/w)%含水酢酸エチル66gを加えて、攪拌下内温55℃で溶解させ、アセトン66gを加え、攪拌下、内温60℃に30分間保ち溶解確認を行った。その後、100rpmの攪拌スピードで攪拌下、内温45℃まで3時間かけて冷却し、内温45℃に2時間保ち、攪拌下結晶の熟成を行った。そしてさらに、攪拌下、9時間かけて内温0℃まで冷却し、結晶を晶出させた。得られた結晶を、7℃のアセトン66gをかけることにより洗浄しながら、ろ別し、乾燥させると、白色のdl−α−トコフェリル β−D−グルコピラノシド19.3gが得られた(収率68%)。
結晶の純度をHPLC(UV290nm)で分析するとdl−α−トコフェリル β−D−グルコピラノシド:99.3面積%、dl−α−トコフェロール:未検出で0.001面積%以下であった。
融点:154−156℃
FAB−MS(POS測定):m/z=615⇒〔M+Na〕
H−NMR(CDOD)δ:0.79−0.93(12H,m)、1.02−1.63(24H,m)、1.72−1.85(2H,m)、2.04(3H,s)、2.18(3H,s)、2.22(3H,s)、2.52−2.67(2H,m)、3.08−3.77(6H,m)、4.51(1H,d,J=7.5Hz)
したがって、本発明に係る精製工程を含む製造方法によって、dl−α−トコフェリル β−D−グルコピラノシドを合成した場合は、優れた収率で得られることが分かった。
実施例2
dl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトシドの合成
β(1,4)−ガラクトシルマルトース(東洋紡製)(16g)、無水酢酸(80ml)及び酢酸ナトリウム(無水)(6.1g)を温度計を付した四つ口フラスコに入れ、外浴120〜125℃で90分間撹拌した。反応終了後、トルエン(250ml)でアセチル体の抽出を行い、150ml蒸留水で6回分液洗浄を行った。トルエン層を濃縮乾固するとアセチル体29.2gが得られた。アセチル体(29.2g)、dl−α−トコフェロール(10.6g)、メタンスルホン酸(0.3g)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(0.15g)及びトルエン(500ml)を四つ口フラスコに入れ、150〜250hPaの減圧下、外浴85〜95℃で撹拌反応を5時間行った後、活性炭(強力白鷺)3gを加えて、脱色ろ過(PTFEフィルター:0.45μm)を行った。ろ液にトルエン200mlを加え、1N水酸化ナトリウム水200mlで2回、次に蒸留水200mlで3回、分液洗浄を行った。その後、トルエン層を濃縮乾固するとグリコシド体26.5gが得られた。グリコシド体26.5g、メタノール200ml、及び28%ソジュームメチラート−メタノール溶液1mlを四つ口フラスコに加え、外浴57〜63℃で2時間撹拌反応を行った。脱アセチル化反応終了後、酢酸0.5mlを加えて中和を行い、活性炭(強力白鷺)1gを加えて、脱色ろ過(PTFEフィルター:0.45μm)を行い、濃縮乾固すると脱アセチル体18.6gが得られた。脱アセチル体18.6gを30%アセトニトリル水溶液100mlに溶解し、ODS(オクタデシルシリル化シリカゲル)を350g充填したカラム(カラム容量620ml)にチャージし、最初30%アセトニトリル水溶液2500ml、次に40%アセトニトリル水溶液2500mlを、低圧で流した(1フラクションは100ml取得した)。フラクション36から41までを回収して濃縮し、微黄色の濃縮物13.2gが得られた。濃縮物13.2gを40%エタノール水溶液90mlに外浴65℃で溶解し、40℃まで徐々に冷却後、40℃で結晶を熟成させた。さらに5℃まで徐々に冷却した後、結晶をろ別し乾燥すると、白色のdl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトシド9.7gが得られた。
FAB−MS(NEG測定):m/z=916⇒〔M−H〕
H−NMR(CDOD)δ:0.78−0.92(12H,m)、1.01−1.62(24H,m)、1.73−1.86(2H,m)、2.04(3H,s)、2.18(3H,s)、2.22(3H,s)、2.54−2.66(2H,m)、3.22−3.78(18H,m)、4.36(1H,d,J=7.5Hz)、4.57(1H,d,J=7.7Hz)、5.25(1H,d,J=3.9Hz)
実施例3
dl−α−トコフェリル β−マルトトリオシドの合成
原料のβ(1,4)−ガラクトシルマルトースをマルトトリオース(東洋紡製)に変更して、実施例2と同様の方法により、dl−α−トコフェリル β−マルトトリオシドを合成した。
FAB−MS(NEG測定):m/z=916⇒〔M−H〕
H−NMR(CDOD)δ:0.78−0.91(12H,m),1.03−1.64(24H,m)、1.74−1.87(2H,m)、2.06(3H,s)、2.19(3H,s)、2.24(3H,s)、2.55−2.67(2H,m)、3.28−3.84(18H,m)、4.52(1H,d,J=7.7Hz)、5.12(1H,d,J=3.9Hz)、5.18(1H,d,J=3.9Hz)
実施例4
dl−α−トコフェリル β−マルトシドの合成
原料のペンタアセチル−β−D−グルコースをオクタ−O−アセチル−D−マルトースに変更して、実施例2と同様の方法により、dl−α−トコフェリル β−マルトシドを合成した。
FAB−MS(POS測定):m/z=778⇒〔M+Na〕
H−NMR(CDOD)δ:0.78−0.93(12H,m)、1.01−1.63(24H,m)、1.73−1.86(2H,m)、2.05(3H,s)、2.19(3H,s)、2.23(3H,s)、2.53−2.66(2H,m)、3.12−3.81(12H,m)、4.50(1H,d,J=7.7Hz)、5.16(1H,d,J=3.9Hz)
(溶解性試験)
実施例2で得られたdl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトシドの結晶1.2g、実施例3で得られたdl−α−トコフェリル β−マルトトリオシドの結晶0.7g、及び実施例4で得られたdl−α−トコフェリル β−マルトシドの結晶1gを、それぞれ三角フラスコ(200ml)に移し、蒸留水を100ml加え、室温で撹拌した。
その結果、実施例2で得られたdl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトシドの結晶は、10分間以上撹拌すると溶解した。これに対し、実施例3で得られたdl−α−トコフェリル β−マルトトリオシドの結晶は、溶解するのに50分間以上かかり、実施例4で得られたdl−α−トコフェリル β−マルトシドの結晶は、ほとんど溶解しなかった。
したがって、新規化合物である、実施例2で得られたdl−α−トコフェリル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−β−マルトシドは、水溶性に優れることが、分かった。該化合物は、水溶性に優れるため、特に容易に製剤化が可能である。

Claims (8)

  1. 過アセチル化単糖又は過アセチル化オリゴ糖とトコフェロールとのグリコシド縮合反応を含む、式(1)

    〔式中、Rはグルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラムノース、およびフコースから選ばれる単糖の残基、あるいは、マルトース、β(1,4)−ガラクトシルマルトース、マルトトリオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトトリオース、マルトテトラオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオース、マルトペンタオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトペンタオース、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースから選ばれるオリゴ糖の残基を示す。〕で表される化合物の製造方法であって、
    該グリコシド縮合反応において、主触媒と助触媒の二成分から構成される触媒を使用することを特徴とする、方法。
  2. 過アセチル化単糖又は過アセチル化オリゴ糖とトコフェロールとのグリコシド縮合反応を含む、式(2)

    〔式中、Rはグルコース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、およびフコースから選ばれる単糖の残基、あるいは、マルトース、β(1,4)−ガラクトシルマルトース、マルトトリオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトトリオース、マルトテトラオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオース、マルトペンタオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトペンタオース、マルトヘキサオース及びマルトヘプタオースから選ばれるオリゴ糖の残基を示す。〕で表される化合物の製造方法であって、
    該グリコシド縮合反応において、主触媒と助触媒の二成分から構成される触媒を使用することを特徴とする、方法。
  3. 主触媒が、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩化第二鉄、四塩化チタン及び四塩化錫からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 助触媒が相関移動触媒である、請求項3に記載の方法。
  5. 相間移動触媒が、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 式(3)

    〔式中、Xはグルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラムノース、及びフコースから選ばれる糖の残基を示す。〕で表される化合物の製造方法であって、
    式(3)で表される化合物に対する良溶媒に、式(3)で表される化合物を溶解する工程と、
    該良溶媒に、さらに、式(3)で表される化合物に対する良溶媒と相溶性であって、かつ式(3)で表される化合物に対する貧溶媒を、混合することにより、該式(3)で表される化合物を結晶化する工程と、
    それにより得られる式(3)で表される化合物の結晶を、式(3)で表される化合物に対する良溶媒と相溶性であって、かつ式(3)で表される化合物に対する貧溶媒で洗浄する工程と
    を備え、
    前記良溶媒が、含水酢酸エチル及び/又は含水エタノールからなり、かつ
    前記貧溶媒が、アセトン及び/又はイソプロパノールからなる、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記良溶媒の含水量が、2〜10(w/w)%である請求項6記載の製造方法。
  8. 式(4)

    〔式中、Yはβ(1,4)−ガラクトシルマルトース、β(1,4)−ガラクトシルマルトトリオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオース、β(1,4)−ガラクトシルマルトペンタオースから選ばれるオリゴ糖の残基を示す。〕で表される化合物。
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