JP2008133016A - 液体用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の姿勢に影響されることなく、液ダレを防止することのできる液体用容器を提供すること。
【解決手段】液体用容器1が容器本体2とノズル蓋部5を備えている。ノズル蓋部5の筒状部10と容器本体2の内部との間に仕切材16を設け、仕切材16によって流通路14と液体収容室6との間に隔室22を形成した。仕切材16は、ゴム材で形成され開弁部としての切れ目19を形成している。容器本体2の無負荷時において仕切材16を筒状部10の端部から容器本体2の内部側へ突出させ、容器本体への内圧の負荷時に、仕切材16が隔室22側に突出するように進退移動をするように形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器本体の開口に取付けられるノズル部と容器本体内との間に液体が通る隔室を形成した液体用容器に関する。
歯科用接着剤や各種の治療薬等の種々の液体を充填する容器として、容器本体部とノズルとからなる液体用容器が用いられる。このような液体用容器は、容器本体部の可撓性を有する胴部(外周部)を指先で圧縮することにより、容器本体内に充填された液体を、ノズルの先端に設けられた液体流出口より少量ずつ流出させることができる。そして、容器本体を必要角度に傾斜させて使用することにより、液体を目的箇所に所望量だけ塗布や滴下させることができる。
しかしながら、冷蔵庫などに貯蔵していた液体用容器を、使用した後にそのまま室温で放置をしておくと、内部の温度が室温の上昇につれて、容器本体の内部の空気が膨張して、ノズルの内部に残っている液体をノズルの先端部から噴き出してしまい、それが液垂れとなってノズルの先端に付着することがある。
この噴き出し現象を防止するため、図7に示す液体用容器が特許文献1として開示されている。
特許文献1の液体用容器51は、容器本体とノズル蓋部とからなり、容器本体は可撓性を有し、指先で胴部52を狭持して押圧することにより容器本体を圧縮することができる。また、容器本体の開口部に頸部54が形成されており、その開口部にノズル蓋部が差し込まれている。ノズル蓋部には、液体流出口55が開口する突出部56が設けられ、液体流出口55と胴部内空部57とは、液体流通路58により連通している。
小口径の液体流通路58は、容器本体側へ向かって途中で拡径させて隔室60が形成されている。この隔室60には、復動部材61を遊嵌している。この復動部材61は、その上面および側壁に、該部材が隔室60内を上昇して上面が隔室60の上壁に当接した際に、隔室60とこれより上方の液体流通路58とが連通するように液体流通用溝63が形成されている。
このような構造の液体用容器51は、胴部52が押圧されると、胴部内空部57に充填される液体53は液体流通路58内に流入し上方に流れる。このとき、液体53は、液体流通下方路59と支持棒部62の間隙を流れる。
復動部材61は、液体53の液圧に押されて上面が隔室60の上壁に当接するが、隔室60と液体流通路58とが連通するように液体流通用溝63が形成されているため、この液体流通用溝63を通って、液体流通路58に流入し、胴部52の押圧の程度に応じて、液体流出口55から所望量の液体53を流出させることができる。
液体53の注入後は、液体充填用容器51において、胴部52の押圧を弱め液体の流出のため傾斜させていた容器51を垂直に立てようとすると、隔室60内において、上壁に当接していた復動部材61は、すぐに下降を始める。この復動部材61の下降により、隔室60内に溜まっていた液体のほとんどは、液体流通下方路59に押し戻され、この際、上方の液体流通路58内に存在する液体53も、下方に流下する。その結果、使用直後において容器51の液ダレの発生が防止される。
特開2005−138990号公報
特許文献1の技術によると、上述にように液ダレが防止されるが、摺動部材の移動によって、液体を胴部内空部に戻すようにしているので、使用後に容器に蓋を被せるようなときに、容器を立てる姿勢にすることなく、特に容器を横向きや下向きにした状態で蓋を被せて、そのまま容器を横置きにして保管したような場合は、摺動部材の移動がなくその役割を果たすことができず、液ダレを生じることがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、容器の姿勢に影響されることなく、液ダレを防止することのできる液体用容器を提供することにある。
本発明の液体用容器は、上記目的を達成するために、胴部が可撓性を有する容器本体と該容器本体の開口部に取付けられるノズル蓋部とを備え、該ノズル蓋部が前記開口部に配設される筒状部と容器本体の外側に配設したノズル部とを備え、前記筒状部に該筒状部を閉塞するようにした隔膜弁を備えた仕切材を設け、該隔膜弁によって前記ノズル部の液体流通路と前記容器本体内との間に隔室を形成した液体用容器において、前記隔膜弁を弾性材で形成するとともに開弁部としての切れ目を形成し、前記容器本体の無負荷時において前記隔膜弁を前記筒状部から前記容器本体の内部側へ突出させ、前記容器本体への内圧の負荷時に、前記隔膜弁を前記隔室側に突出させかつ開弁するようにした。
上記発明は、前記仕切材が周壁部と前記切れ目を形成した底部とからなる有底筒形状の仕切材であって、前記周壁部によって前記筒状部の外周部を覆うようにした。
上記発明は、前記有底筒形状の仕切材の周壁部を筒状部と前記開口部との間に狭着するとよい。
上記発明は、前記切れ目を十字形状に形成することができる。
本発明の液体用容器は、胴部が可撓性を有する容器本体と該容器本体の開口部に取付けられるノズル蓋部とを備え、該ノズル蓋部が前記開口部に配設される筒状部と容器本体の外側に配設したノズル部とを備え、前記筒状部に該筒状部を閉塞するようにした隔膜弁を備えた仕切材を設け、該隔膜弁によって前記ノズル部の液体流通路と前記容器本体内との間に隔室を形成した液体用容器において、
前記隔膜弁を弾性材で形成するとともに開弁部としての切れ目を形成し、前記容器本体の無負荷時において前記隔膜弁を前記筒状部から前記容器本体の内部側へ突出させ、前記容器本体への内圧の負荷時に、前記隔膜弁を前記隔室側に突出させかつ開弁するようにしたので、ノズルの液体流通路に充填されている液体を容器本体側に戻すことができる。
上記液体用容器は、前記仕切材が周壁部と前記切れ目を形成した底部とからなる有底筒形状の仕切材であって、前記周壁部によって前記筒状部の外周部を覆うようにしたので、仕切材の装着が接着剤や他の固定材料を必要としない。
前記有底筒形状の仕切材の周壁部を筒状部と前記開口部との間に狭着するようにしたので、容器本体とノズル蓋部の接続部に対するシール性の向上を図ることができ、特別なシール材及びシール構造を省略することができる。
上記液体用容器は、前記仕切材の前記切れ目を十字形状に形成したので、仕切材の開閉動作を円滑にすることができる。
以下、本発明の第1の実施形態の液体用容器について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る液体用容器を示す。液体用容器1は、液体が充填される容器本体2と容器本体2の開口3に配設されるノズル蓋部5とを備えている。
容器本体2は、胴部が手で挟持して圧縮できる程度の可撓性を備えるものになるものであれは制限なく採択できる。一般には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアセタール;アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン樹脂(ABS樹脂)などの合成樹脂が好ましい。また、遮光性、ガスバリア性を持たせたポリエチレン−ABS−ポリエチレン等の3層構造を有する材質で容器を形成しても良い。上記樹脂で形成された容器本体2は、上部に台形状で中空の円錐部4を形成し、円錐部4よりも下部は円筒状の胴部7を形成し、胴部7の下端に底部8を形成している。この可撓性の容器本体2は、胴部7を指先で挟み込むようにして押すと胴部7が内側に窪み、指先を離すともとに形状に戻る。
ノズル蓋部5も、上記容器本体2と同様の材料(合成樹脂)で形成される。液切れ性を向上させる観点からは、フッ素系樹脂を使用するのも好ましい態様である。また、液体の滴下位置の正確性を高める観点からは実質的に変形をしない剛性のものとするのが好ましいため、ノズル蓋部5の壁の厚さは、該容器本体2よりも厚くするのが好適である。このノズル蓋部5は、一体成形により形成され、基端側に断面が円形の筒状部10が形成され、先端側にノズル11が形成され、これらの筒状部10とノズル11の間にフランジ部12が形成されている。
これらのうち、筒状部10の外径は、容器本体2の開口3の内径に等しく、筒状部10を開口3に差し込むことによって、ノズル蓋部5が容器本体2に組み付けることができる。フランジ部12は、筒状部10の上端縁から筒状部10の半径方向外側に突出する環状部であり、開口3よりも大きな径を有し、フランジ部12と筒状部10の上端部とで、ノズル蓋部5と容器本体2との境界部が気密になるようにシール性を維持させる。
ノズル11は、先細りのテーパー形状であって、中間部に小径の流通路14がノズル11の中央位置を貫通し、流通路14の先端部には先端部に向かって徐々に拡径する注出口15が設けられている。流通路14の径は、通常状態で液体の毛細管現象が起きるような径に形成されている。
筒状部10には、図2に示すように、ほぼ円筒有底形状の仕切材16が取付けられている。仕切材16は、弾性を有する部材を用い、隔膜弁18の進退移動のし易さの観点から、JIS6253記載の硬さ試験方法に準拠した方法で測定した硬さが30〜60(国際ゴム硬さ:IRHD)、より好ましくは40〜50(IRHD)であり、JIS6253記載の引っ張り試験方法に準拠した方法で測定した引っ張り強さが80〜120(kgf/cm)、より好ましくは、90〜100(kgf/cm)である合成ゴムが好適である。
仕切材16は、周壁部17と底部からなる円形の隔膜弁18とからなり、周壁部17は、筒状部10の周囲を包むように、内径を筒状部10の外周径よりもやや小さく形成し、ゴムの弾性力で取付けることができる。仕切材16の隔膜弁18は、筒状部10の下端部開口に対応する位置に配置され、容器本体2の内部とノズル蓋部5との間を仕切っている。この隔膜弁18は、筒状部10の下端部開口に対して、20〜40°の傾斜を持たせ、該隔膜弁18の中心側が容器本体2の底部8にむけて突出するように形成されている。隔膜弁18の中心部には、直線状の切れ目19が形成され、この切れ目19が弁体の開弁部として形成されている。隔膜弁18が進退移動の繰り返した際の形状保持性を保つためには、該隔膜弁18は一定の厚みが必要であり、特に周壁部17との連結基部付近は0.8〜1.2mm程度の厚さを有するのが好適であるが、切れ目19の付近はそれよりも少し薄くするのが、容器本体2の胴部7を押して容器本体2の内部圧力を上昇させた時に該切れ目19が開弁しやすくなり、液の出入りが容易になり、液の滴下性能を向上させることができる為好適である。一般には、切れ目19の付近の厚みは、周壁部17との連結基部付近の厚みの40〜60%とするのが望ましい。
容器本体2に外力が負荷されていない状態(以下、無負荷状態という)では、仕切材16は閉弁状態にあり、容器本体2の無負荷状態において、図1の実線で示すように、隔膜弁18は中心側が容器本体2の底部8に向けて突出するように形成されている。容器本体2の胴部7を押圧して容器本体2の内部圧力を上昇させて負荷状態にすると、仕切材16の隔膜弁18が筒状部10の内方側に押圧され、図1の想像線で示すように、筒状部10の内部側に突出する。そして、再び無負荷状態にすると、胴部7がもとの初期形状に戻り、内圧が減少して、隔膜弁18も実線で示す状態に戻る。このように、隔膜弁18は容器本体2の内圧に依存して、容器本体2の軸方向へ進退移動することができる。
この隔膜弁18の進退移動のストローク量については、図1に示す、無負荷状態で切れ目19が閉弁状態の隔膜弁18の位置と、容器本体2が負荷状態になり、該隔膜弁18が、その切れ目19の閉弁が開始される状態まで、筒状部10の内部側に突出した際の位置との間で形成される、隔膜弁18のストローク量の容積S1が、ノズル11の注出口15から流通路14の下端部までの通路の容積S2よりも大きく(S1>S2)形成することが好ましい。
液体用容器1には、上述の隔膜弁18とノズル蓋部5の筒状部10及びノズル11の下部壁21によって区画されている隔室22を設けている。隔室22は、上述した隔膜弁18の進退移動により内部容積が変動する。隔室22は、流通路14と連通し、隔室22の容積は、流通路14よりも十分に大きく、容器本体2の内部空間よりも小さく形成されている。
なお、この液体用容器1には、ノズル蓋部5にキャップが配設されるが、図面では省略されている。また、液体用容器2に入れられる液体は、水、薬品、接着剤などの液状のものである。
次に、本実施形態における液体用容器の作用について説明する。
この液体用容器1を使用するときは、図示しないキャップを外し、図3に示すように、液体用容器1の上下を反対にしてノズル11の注出口15が下向きになるようにして使用する。容器本体2の胴部7を押すことなしに、実質的に容器本体2を把持している状態では、隔膜弁18は底部8側に突出した状態で変動はしない。液体を排出するには、容器本体2の胴部7を指先で押圧する。この際、隔膜弁18は閉弁状態にあるので、容器本体2の内部空間である液体収容室6の内部圧力が上昇するにつれて、隔膜弁18が筒状部10の内方側に押されて隔室22側に前進する。そして隔膜弁18が隔室22側に突出し、さらに内圧が上昇すると切れ目19が開口して隔膜弁18が開弁状態になる。こうして、隔室22に液体が流入し、さらに胴部7を押圧すると流通路14を通り注出口15に液体が供給される。この際、液体が注出口15にて滴になったときに、指先で押圧力を調整しながら、必要滴数だけ所望部分に、液体などを滴下することができる。
液体の滴下作業が終了した状態では、図4に示すように、指先の押圧力を解除することにより液体収容室6の内圧が下がり、弾性材からなる隔膜弁18が弾性力によって、もとの下方の後退位置まで戻る。このとき、ノズル11の流通路14の内部に残った液体を隔室22に引き戻すことができる。例えば、液体を排出しようとして、そのまま液体を吐出することなく、もとに戻したような場合にも、隔膜弁18のストロークの容積S1がノズル11の流通路14及び注出口15の容積S2よりも大きく、流通路14の液体を隔室22側に戻すことができる。そして、容器本体2の胴部7がもとの円筒形状に戻ることによって、隔室22内の液体が容器本体2の内部に流入する。同時に、容器本体2側から吐出された液体の容積分と同じ容積の空気が容器本体2に流入する。
容器本体2の内部圧力がもとに戻ると、隔膜弁18の切れ目19が閉じることにより、仕切材としての隔膜弁18が閉じる。このように、隔膜弁18が進退移動するときのストロークと隔膜弁18の開閉作用によって、液体を流通路14から隔室22側に排出させることができる。
本実施形態の液体用容器1は、隔膜弁18のストロークと切れ目19の開弁作用により、液体を容器本体2の内部に戻すことから、液体用容器1が上下反対の状態にあっても、横向きにおいても、液体を容器本体2の内部に戻す作用が行われるので、使い勝手がよい。液体用容器1を冷蔵庫内で保存した状態でも、ノズル11の流通路14に液体が残っておらず、未使用時におけるノズル11からの液噴き出しを防止することができる。
さらに、ノズル11から液体を滴下するときには、胴部7を押圧する際に、隔膜弁18を介在させて、液体を排出するので、微妙な押圧力の調整が可能になり、液切れ性も向上するようになった。
さらに、本実施形態では、仕切材16の形状を周壁部17とこの周壁部17の底部である隔膜弁18とによって形成されているので、周壁部17を筒状部10に被せる際に、該周壁部17の内径を調製することにより、隔膜弁18に適当な張力を負荷させて、張力の差異によって隔膜弁18の進退移動を調整できる利点がある。特に、この周壁部17の内径を、筒状部10の外周径に対して60〜90%、より好ましくは65〜75%の大きさにして、該周壁部17を筒状部10に被せた場合には、隔膜弁18に張力の負荷が大きくなり、隔膜弁18の進退移動が強められて、液ダレの防止効果が高まるため好ましい。また、仕切材16のゴムの材質を適宜変更するようなことがあるが、このような場合は、適宜、切れ目19の長さを変更することによって、隔膜弁18が開放する内圧を適宜、調整することができる。
次に、本発明の第2の実施形態による液体用容器について説明する。なお、上記第1の実施形態と同じ部材については同一の符合を付して説明する。
図5に示す液体容器は、上記第1の実施形態で説明した液体用容器1の容器本体2と、仕切材16の形状が異なり、ノズル蓋部5の形状は同じ形状である。
本実施形態の容器本体2は、容器本体2のやや上部側に台形状の中空の円錐部4を形成し、円錐部4よりも下部は円筒状の胴部7を形成し、胴部7の下端に底部8を形成している。容器本体2の円錐部4よりも上の部位は、円錐部4の上部から上方に突出する円筒形状の頸部9が形成されている。本実施形態では、頸部9の軸方向長さはノズル蓋部5の筒状部10の長さにほぼ等しく、筒状部10の下端は容器本体2の内部に突出していない。そして、頸部9の上端部がフランジ部12の下面に当接している。
仕切材16は、上記第1の実施形態と同様に、周壁部17と底部である円形の隔膜弁18とからなり、上記実施形態と異なるのは、切れ目の形状のみが異なっている。図5に示すように、本実施形態では、線状の十字形状の切れ目20を隔膜弁18の中心部に形成している。この切れ目20が弁体の開弁部として形成されている。仕切材16が、容器本体2に組み込まれるときは、周壁部17が容器本体2の頸部9の内周面とノズル蓋部5の筒状部10の外周面との間に狭着されるようにして配設される。この仕切材16を配設することにより、ノズル蓋部5の流通路14と容器本体2の内部との間に隔室22を形成している。
その他の説明を省略した部分については、上記実施形態と同じ形状である。
本実施形態の液体用容器1についての基本的な効果に付いては、上記実施形態と同じであり、使用時に、液体収容室6の内部圧力が上昇するにつれて、隔膜弁18が筒状部10の内方側に押されて隔室22側に前進し、さらに内圧が上昇すると切れ目20が開口して隔膜弁18が開弁状態になり、流通路14を通り注出口15に液体が注出される。
容器本体2の内圧が解除されたときは、ゴム製の隔膜弁18の弾性力によって、隔膜弁18が前進位置からもとの下方の後退位置まで戻り、このときの隔膜弁18のストロークと隔膜弁18の開閉作用によって、液体を流通路14から隔室22側に戻すことができる。
本実施形態では、さらに、弾性を有する仕切材16の周壁部17が容器本体2の頸部9の内周面とノズル蓋部5の筒状部10の外周面との間に狭着されているので、容器本体2とノズル蓋部5の接続部に対するシール性の向上を図ることができ、これらの接続部において特別なシール材及びシール構造を要することなく、液体の漏れを防止できる。
隔膜弁18の切れ目20については、十字形状に形成したが、隔膜弁18の開弁圧力を小さくするような場合により効果がある。なお、線状の切れ目20の数について、適宜変更することができる。
その他、効果については上記実施形態と同じである。
次に、本発明の第3の実施形態による液体用容器について説明する。なお、上記第1の実施形態と同じ部材については同一の符合を付して説明する。
図6に示す液体容器は、上記第1及び第2の実施形態で説明した液体用容器1と、仕切材16を取り付ける位置が、上記実施形態では筒状部10に配設したが、本実施形態では、開口3部に配設したことが異なる。
すなわち、本実施形態の容器本体2は、容器本体2のやや上部側に台形状の中空の円錐部4を形成し、円錐部4よりも下部は円筒状の胴部7を形成し、胴部7の下端に底部8を形成している。容器本体2の円錐部4よりも上の部位は、円錐部4の上部から上方に突出する円筒形状の頸部9が形成されている。
仕切材16は、上記第1の実施形態と同様に、周壁部17と底部である円形の隔膜弁18とからなり、本実施形態では、直線状の切れ目19を隔膜弁18の中心部に形成している。この切れ目19が弁体の開弁部として形成されている。仕切材16が、容器本体2に組み込まれるときは、仕切材16を開口3部に被せるようにして、周壁部17が容器本体2の頸部9の外周面とノズル蓋部5の筒状部10の内周面との間に狭着されるようにして配設される。この仕切材16を配設することにより、ノズル蓋部5の流通路14と容器本体2の内部との間に隔室22を形成している。
その他の説明を省略した部分については、上記実施形態と同じ形状である。
本実施形態の液体用容器1についての基本的な効果に付いては、上記第1の実施形態と同じであり、使用時に、液体収容室6の内部圧力が上昇するにつれて、隔膜弁18が筒状部10の内方側に押されて隔室22側に前進し、さらに内圧が上昇すると切れ目19が開口して隔膜弁18が開弁状態になり、流通路14を通り注出口15に液体が注出される。
容器本体2の内圧が解除されたときは、ゴム製の隔膜弁18の弾性力によって、隔膜弁18が前進位置からもとの下方の後退位置まで戻り、このときの隔膜弁18のストロークと隔膜弁18の開閉作用によって、液体を流通路14から隔室22側に戻すことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、仕切材16について、周壁部17と隔膜弁18とで構成したが、周壁部17を削除し底部である隔膜弁18のみで構成し、円形の隔膜弁の外周部を筒状部の下端若しくは開口3縁部に接着剤などで固定してもよい。
隔膜弁18を容器本体2の内部側へ突出させたが、このときの、隔膜弁18の断面形状につては、図1で示すように、円錐形状でもよいし、段上に突出させたものであってもよい。
切れ目19,20の部分については、肉厚を厚くし若しくは薄くして、適宜、開弁圧力を変更することができる。
本発明の第1の実施形態の液体用容器を上下方向に切断した断面図(液体用容器の下部には仕切材の底面図を示す)である。 図1の仕切材を仕切材の底部方向から見た断面図である。 図1の液体用容器の胴部に外側から内側への内圧を負荷した状態の断面図である。 図1の液体用容器の胴部の内圧を解除した状態の断面図である。 本発明の第2の実施形態の液体用容器(頸部付き)を上下方向に切断した断面図(液体用容器の下部には仕切材の底面図を示す)である。 本発明の第3の実施形態の液体用容器を上下方向に切断した断面図(液体用容器の下部には仕切材の底面図を示す)である。 従来例における液体用容器を上下方向に切断した断面図である。
符号の説明
1 液体用容器
2 容器本体
3 開口
5 ノズル蓋部
9 頸部
10 筒状部
11 ノズル
14 流通路
16 仕切材
17 周壁部
18 隔膜弁
19,20 切れ目
22 隔室

Claims (4)

  1. 胴部が可撓性を有する容器本体と該容器本体の開口部に取付けられるノズル蓋部とを備え、該ノズル蓋部が前記開口部に配設される筒状部と容器本体の外側に配設したノズル部とを備え、前記筒状部に該筒状部を閉塞するようにした隔膜弁を備えた仕切材を設け、該隔膜弁によって前記ノズル部の液体流通路と前記容器本体内との間に隔室を形成した液体用容器において、
    前記隔膜弁を弾性材で形成するとともに開弁部としての切れ目を形成し、前記容器本体の無負荷時において前記隔膜弁を前記筒状部から前記容器本体の内部側へ突出させ、前記容器本体への内圧の負荷時に、前記隔膜弁を前記隔室側に突出させかつ開弁するようにしたことを特徴とする液体用容器。
  2. 前記仕切材が周壁部と前記切れ目を形成した隔膜弁とからなる有底筒形状の仕切材であって、前記周壁部によって前記筒状部の外周部を覆うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の液体用容器。
  3. 前記容器本体の開口部に形成された筒状の頸部と、前記ノズル蓋部の筒状部との間に前記有底筒形状の仕切材の周壁部を狭着するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の液体用容器。
  4. 前記隔膜弁の切れ目を十字形状に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体用容器。
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