JP2008132595A - ロボット制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基準速度演算手段で、現在動作の各軸もしくは直交座標系における各方向の基準速度を算出する。加減速時間・速度上限パラメータ決定手段は、加速開始地点と減速終了地点の直交座標値と関節変位に応答して、動作毎に各軸を駆動するモータの駆動トルクの許容最大値、各軸の伝達機構の作用トルクおよびモーメントの許容最大値の制約を満たす範囲で最短の加速時間、減速時間を算出する。動作パラメータ修正手段は、加速時間、減速時間を修正する。指令曲線生成手段は、修正されたデータに基づいて指令曲線を生成する。
【選択図】図4
Description
ロボットの動作開始点(加速開始地点)と動作終了点(減速終了地点)の座標を教示点として記憶しておく教示点記憶手段を備え、また、各軸もしくは各方向の最高速度パラメータ値等を予め記憶させているパラメータ記憶手段を備えている。教示点記憶手段で移動命令を受信すると、その移動命令を解析してどの点からどの点までロボットを移動させるかの判断を行う。例えば、その移動命令がA点(加速開始地点)からB点(減速終了地点)への直線補間命令である場合、この教示点記憶手段は、A点およびB点の直交座標値および関節変位のデータを出力する。次に、最高速度演算手段により、この直交座標値とパラメータ記憶手段の最高速度パラメータ値に基づいて、その動作における各方向の最高速度を算出する。次に、教示点記憶手段から出力された直交座標値および関節変位と、パラメータ記憶手段に記憶されているトルクもしくは力の許容値等のパラメータと、最高速度演算手段で算出された最高速度に基づいて、加減速時間決定手段で、その動作における最適な加減速時間を決定する。最高速度と加減速時間が算出されると、これらの値に基づいて指令曲線生成手段で速度指令曲線を生成する。この場合、速度指令曲線が速度台形指令曲線になるように位置指令を生成し、その位置指令に対して移動平均フィルタおよび1次遅れフィルタなどによるスムージング処理が行われる。結果として、モータ制御手段は、生成された指令曲線にロボットが追従する動きをとるように各軸の駆動モータを制御する。
まず、加速時間と減速時間の初期値を算出する。次に、加速終了地点および減速開始地点での位置と速度を求め、加速開始地点および加速終了地点で加速時間を算出し直す。そして、加速開始地点で算出した加速時間と加速終了地点で算出した加速時間を比較し、大きい方を加速時間とする。減速時間に関しても同様に、減速開始地点および減速終了地点で減速時間を算出し直す。そして、減速開始地点で算出した減速時間と減速終了地点で算出した減速時間を比較し、大きい方を減速時間とする。上記一連の処理の繰り返し回数が、指定した回数に達したときは、現在の算出結果を加速時間および減速時間として出力する。繰り返し回数が指定した回数に達していなければ、上記一連の処理を繰り返し、現在の加速時間および減速時間に基づいて加速終了地点および減速開始地点の位置と速度を求めて、再度加減速時間の算出を行う。加速開始地点および加速終了地点では以下のようにして加速時間を算出する。
τ=Ma+h (1)
となる。ここで、各方向の速度指令が台形速度指令の場合、加速終了地点の各軸速度から構成されるベクトルをvk,加速時間をtkとすれば、加速区間におけるロボットの運動方程式は、
τ=Mvk/tk+h (2)
となる。式(2)のM、hを加速開始地点の位置と速度に基づいて算出した結果が、いずれの軸においてもそれぞれの軸の許容最大トルク以下となる制約を満たす範囲で最短となる加速時間tk1を算出するとともに、式(2)のM、hを加速終了地点の位置と速度に基づいて算出した結果が、いずれの軸においてもそれぞれの軸の許容最大トルク以下となる制約を満たす範囲で最短となる加速時間tk2を算出する。この算出したtk1とtk2を比較し、大きい方を加速時間tkとして用いる。一方、減速区間の運動方程式は、減速時間をtg、減速開始地点の各軸速度から構成されるベクトルをvgとすると、
τ=−Mvg/tg+h (3)
となるので、式(3)に基づいて減速開始地点および減速終了地点の位置と速度から、加速時間の算出と同様の方法で減速時間を算出する。
図1はこの発明の実施の形態1によるロボット制御装置の構成を示すブロック図である。図において、教示点記憶手段1は、ロボットの加速開始地点および減速終了地点の直交座標を記憶しており、例えばA点からB点に移動する移動命令を受信したときにA点およびB点の直交座標値および関節変位を出力する手段である。ロボットパラメータ記憶手段6は、ロボットの機種毎に定められている各軸の許容最高速度、直交座標系における基準最高速度、各軸を駆動するモータの駆動トルクの許容最大値、各軸の伝達機構の作用トルクおよびモーメントの許容最大値等の制約条件と、質量、重心位置等のロボットの動力学特性を表現するためのパラメータ値を予め記憶している手段である。基準速度演算手段2は、ロボットパラメータ記憶手段6に記憶されているロボットの各軸毎の許容最高速度もしくは直交座標系における基準最高速度に基づいて、ロボットの現在動作についての各軸もしくは直交座標系における各方向の動作開始から加速時間だけ経過したときに達する基準速度を算出する手段である。
教示点記憶手段1が、例えばA点(加速開始地点)からB点(減速終了地点)まで直線補間で移動する命令を受け取ると、教示点記憶手段1からは、A点およびB点の直交座標値および関節変位が読み出され、基準速度演算手段2と加減速時間・速度上限パラメータ決定手段7に与えられる。基準速度演算手段2では、これらデータとロボットパラメータ記憶手段6に記憶されている直交座標系の各方向における基準最高速度に基づいて、当該動作における各方向の基準速度が算出され、加減速時間・速度上限パラメータ決定手段7と指令曲線生成手段3に与えられる。
まず、当該動作の加速時間と減速時間の初期値と、基準速度に乗じる倍率許容値、すなわち速度上限パラメータの初期値を設定する(ステップST11)。次に、繰り返し回数nを初期値1に設定する(ステップST12)。教示点記憶手段1から与えられたA点およびB点の直交座標値と、基準速度演算手段2で算出された当該動作における各方向の基準速度と、現在動作における加減速時間および速度上限パラメータとから、加速終了地点および減速開始地点における直交座標値、関節変位、各方向での速度、各軸の速度を算出する(ステップST13)。
同様にして減速時間も求める。まず、減速開始地点でモータおよび伝達機構の許容トルクの制約を満たす範囲で最短の減速時間t2ai(i=1〜j、jはロボットの軸数)をそれぞれ算出し、得られたt2aiの最大値をt2aとする。同様に減速終了地点でモータおよび伝達機構の許容トルクの制約を満たす範囲で最短の減速時間t2biをそれぞれ算出し、得られたt2biの最大値をt2bとする(ステップST16)。これらの算出された最大値t2a、t2bの中で、大きい方の値を今回の減速時間t2として決定する(ステップST17)。
まず、ステップST13では、基準速度v0、速度上限パラメータvmaxから、この動作の直線速度vlを式(4)で算出する。
vl=vmax*v0 (4)
次に、直線速度vl、動作開始地点の直交座標値および動作終了地点の直交座標値、現在の加速時間、減速時間から、加速終了地点(C点)および減速開始地点(D点)での直交座標値を算出する。算出した直交座標値から加速終了地点の関節変位qcと減速開始地点での関節変位qdを算出する。加速終了地点から微小時間Δtだけ、直線速度vlで動作終了地点Bへ進んだ地点(C2点)の直交座標値と関節変位qc2を算出する。また、減速開始地点から微小時間Δtだけ直線速度vlで動作開始地点Aへ戻った地点(D2点)の直交座標値と関節変位qd2を算出する。
v1a=(qa2−qa)/Δt (5)
v1b=(qc2−qc)/Δt (6)
v2a=(qd−qd2)/Δt (7)
v2b=(qb−qb2)/Δt (8)
τl=Mla+hl (9)
式(1)、(9)で計算されるモータおよび減速機のトルクが許容値以下となるように加速開始地点、加速終了地点で加速時間を算出する。速度vまで加速時間tkで加速する場合は、式(1)、(9)においてa=v/tkとすればよい。加速開始地点では、関節変位がqa、現在の速度を0とし、速度v1aまで等加速度で加速を行うとしたときの式(1)、(9)の算出結果がいずれの軸においてもモータおよび減速機の許容トルク以下となる制約を満たす範囲で最短となる加速時間t1aを算出する。加速終了地点では、関節変位がqc、現在の速度をv1bとし、速度v1bまで等加速度で加速を行うとしたときの式(1)、(9)の算出結果がいずれの軸においてもモータおよび減速機の許容トルク以下となる制約を満たす範囲で最短となる加速時間t1bを算出する。
v1c=(qc−qc3)/Δt (10)
v2c=(qd3−qd)/Δt (11)
さらに加速終了地点および減速開始地点での加速度ac、adは、それぞれ式(12)、(13)により算出できる。
ac=(v1b−v1c)/Δt (12)
ad=(v2c−v2b)/Δt (13)
したがって、加速終了地点でのモータトルクτc、減速機トルクτlcはそれぞれ式(14)、(15)となる。
τc=Mcac+hc (14)
τlc=Mlcac+hlc (15)
ここでMc、hc、Mlc、hlcはそれぞれ加速終了地点の関節変位qcおよび関節速度v1bから算出した式(1)のM、h、式(9)のMl、hlである。
τc=k*(Mcac+fvc)+h2c (16)
τlc=k*Mlcac+hlc (17)
kmi=(τmmaxi−hi)/mi (18)
また、mi<0の場合は(19)となる。
kmi=(−τmmaxi−hi)/mi (19)
また、mi=0の場合は任意のkでモータトルクの制限τmmaxiを満たすので、予め定めた正の大きな値とする。全ての軸のモータトルク制限を満たすkの最大値と減速機のトルク制限を満たすkの最大値の中から最小値を速度倍率kaとして算出する。
減速開始地点でも減速開始地点での加速度、速度、関節変位から、加速開始地点での演算と全く同様にして、いずれの軸においてもモータおよび減速機の許容トルク以下となる制約を満たす範囲で最大のkである速度倍率kbを算出する。
va=vmax*ka (20)
さらに現在の速度上限パラメータvmaxとkbから減速開始地点での速度上限パラメータを式(21)で算出する。
vb=vmax*kb (21)
実施の形態2によるロボット制御装置の構成も図1で表され、加減速時間・速度上限パラメータ決定手段7の内部における加速時間、減速時間および速度上限パラメータ決定までの処理の流れも図2のフローチャートで表される。実施の形態1とは、ステップST18における速度上限パラメータの算出方法のみが異なるので、ステップST18の動作について説明する。
ステップST18の内部でも加速終了地点での加速度ac、減速開始地点での加速度adの算出までは実施の形態1と同一である。実施の形態1では速度がk倍されたときに遠心・コリオリ力が変化する影響は無視していたが、実施の形態2の場合は、遠心・コリオリ力の変化も考慮してモータおよび減速機の許容トルクの制約を満たす範囲で最大となる速度倍率を算出するようにしたものである。
τc=k2*cc+k*(Mcac+fvc)+(gc+fcc) (22)
τlc=k2*cc+k*Mlcac+gc (23)
式(22)、(23)は速度倍率kの2次式なので、k2およびkの係数の符号毎に場合わけを行い、各軸のモータのトルク許容値を満たす範囲で最大の速度倍率kと、各軸の減速機の許容トルクの制約を満たす範囲で最大となる速度倍率kを算出し、その中の最小値をkaとすれば、いずれの軸においてもモータおよび減速機の許容トルク以下となる制約を満たす範囲で最大の速度倍率kaが算出される。
τd=k2*cd+k*(Mdad+fvd)+(gd+fcd) (24)
τld=k2*cd+k*Mldad+gd (25)
式(24)、(25)は速度倍率kの2次式なので、k2およびkの係数の符号毎に場合わけを行い、各軸のモータトルク許容値を満たす範囲で最大の速度倍率kと、各軸の減速機の許容トルクの制約を満たす範囲で最大となる速度倍率kを算出し、その中の最小値を速度倍率kaとすれば、いずれの軸においてもモータおよび減速機の許容トルク以下となる制約を満たす範囲で最大の速度倍率kbが算出される。
以上のようにして算出された速度倍率ka、kbからは、実施の形態1と同様に式(20)、(21)を用いて加速終了地点での速度上限パラメータvaと減速開始地点での速度上限パラメータvbが算出される。
実施の形態3によるロボット制御装置の構成も図1で表される。加減速時間・速度上限パラメータ決定手段7の内部における加速時間、減速時間および速度上限パラメータ決定までの処理の流れは図3のフローチャートで表される。図3において、この実施の形態3は、実施の形態1および実施の形態2の場合とはステップST18における速度上限パラメータの算出方法が異なり、また、ステップST22およびステップST23が新たに追加されている点で異なっている。したがって、異なる点を中心にして説明する。
まず、ステップST18では、加速終了地点で全てのモータおよび減速機の許容トルクの制約を満たす範囲で最大となる速度倍率kaを算出し、減速開始地点で全てのモータおよび減速機の許容トルクの制約を満たす範囲で最大となる速度倍率kbを算出する。これら速度倍率kaおよびkbの算出方法は、実施の形態2と全く同様とする。
vri=abs(v1bi)/veli (26)
ここで、abs( )は絶対値を意味する。加速開始地点でのvriの最大値をvrmaxaとすれば、モータ速度の制限を満たす範囲で最大となる倍率ka2は次式(27)により算出できる。
ka2=1/vrmaxa (27)
同様に、減速開始地点の速度v2aからモータ速度の制限を満たす範囲で最大となる倍率kb2を算出する。
kaとka2の小さい方をka3、またkbとkb2の小さい方をkb3とし、加速終了地点での速度上限パラメータva、vbをそれぞれ現在の速度上限パラメータvmaxから次式(28)、(29)で算出する。
va=vmax*ka3 (28)
vb=vmax*kb3 (29)
まず、ステップST20までで算出した加速時間、減速時間および速度上限値を用いた場合に、等速区間があるかどうかの判別を行う(ステップST22)。この等速区間の有無の判別では、加速区間と減速区間の移動距離の和がその動作の移動距離よりも短い場合は等速区間が有り、一方、長い場合は等速区間が無いと判別できる。
vm=(qm2−qm)/Δt (30)
vm2=(qm−qm3)/Δt (31)
am=(vm−vm2)/Δt (32)
なお、ステップST22で「等速区間は無し」との判定がなされた場合には、パラメータの修正は必要なく動作を終了する。
図4はこの発明の実施の形態4によるロボット制御装置の構成を示すブロック図である。図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明を省略する。
この実施の形態4における基準速度演算手段20は、図1の基準速度演算手段2と同様に、ロボットの現在動作についての各軸もしくは直交座標系における各方向の基準速度を演算する手段であるが、A点からB点に移動する移動命令が各関節を同期して動作させる関節補間の場合には、ロボットの各軸毎の許容最高速度に基づいて当該動作についての各軸における基準速度を演算する。また、A点からB点に移動する移動命令が直線上を動作する直線補間の場合には、直交座標系における基準最高速度に基づいて当該動作についての直交座標系における各方向の基準速度を算出する。指令曲線生成手段30は、図1の指令曲線生成手段3と同様に指令曲線を生成する手段であるが、この場合には基準速度演算手段20で算出された当該動作の最高速度と、動作パラメータ補正手段12で補正された動作パラメータに基づいて指令曲線の生成を行う。
trateki=ktmi/kt (33)
同様に、各軸のモータトルク制限を満たす範囲で最短となる減速時間gtmi、加減速時間・速度上限パラメータ決定手段70で最終的に求めた減速時間gtから各軸の減速区間のトルク使用率trategiを次式(34)で算出する。
trategi=gtmi/gt (34)
arateki=trateki *100/hosei (35)
算出された補正候補値aratekiの中から最大値aratekmaxを求める。ここで、aratekmax≦1の場合は加速時間を補正せず、aratekmax>1の場合は加速時間ktをkt*aratekmaxに書き換える。
同様に、減速区間の各軸のトルク使用率と補正率の設定値から補正候補値arategiを次式(36)で算出する。
arategi=trategi *100/hosei (36)
算出された補正候補値arategiの中から最大値arategmaxを求める。arategmax≦1の場合、減速時間は補正しない。arategmax>1の場合は減速時間gtをgt*arategmaxに書き換える。なお、直線補間の場合に加減速時間・速度上限パラメータ決定手段70が算出する速度上限パラメータは補正せずそのまま指令曲線生成手段に出力する。
実施の形態5によるロボット制御装置の構成も図4で表される。実施の形態4とは動作パラメータ補正手段12と指令曲線生成手段30の動作が異なるので、その異なる部分についてのみ説明する。
まず、動作パラメータ補正手段12では、加速区間のトルク使用率と補正率の設定値から補正候補値vratekiを次式(37)で算出する。
vrateki=trateki *100/hosei (37)
算出された補正候補値vratekiの中から最大値vratekmaxを求める。
同様に減速区間のトルク使用率と補正率の設定値から補正候補値vrategiを次式(38)で算出する。
vrategi=trategi *100/hosei (38)
算出された補正候補値vrategiの中から最大値vrategmaxを求める。
ovrd=1/vratemax (39)
また、vratemax≦1のときはovrd=1とする。指令曲線生成手段30へは、基準速度修正率ovrdと加減速時間・速度上限パラメータ決定手段70で算出した加速時間、減速時間および速度上限パラメータを出力する。
指令曲線生成手段30では、基準速度演算手段20で演算した基準速度に動作パラメータ補正手段12で算出した基準速度修正率ovrdを乗じた値を基準速度として指令曲線を生成する。
実施の形態6によるロボット制御装置の構成も図4で表される。実施の形態4とは動作パラメータ補正手段12および指令曲線生成手段30の動作が異なるので、その異なる部分についてのみ説明する。
まず、動作パラメータ補正手段12では、加速区間のトルク使用率と補正率の設定値から補正候補値dratekiを次式(40)から算出する。
drateki=trateki *100/hosei (40)
算出された補正候補値dratekiの最大値dratekmaxを求める。同様に減速区間のトルク使用率と補正率の設定値から次式(41)から補正候補値drategiを算出する。
drategi=trategi *100/hosei (41)
算出された補正候補値drategiの最大値drategmaxを求める。
次に、dratekmax、drategmaxの中で大きい方をdratemaxとする。dratemax>1の時に、待ち時間修正率rdelayを
rdelay=dratemax (42)
で算出する。また、dratemax≦1のときはrdelay=1とする。
実施の形態7によるロボット制御装置の構成も図4で表わされる。実施の形態4とはトルク使用率演算手段10での動作が異なるので、その異なる部分についてのみ説明する。
トルク使用率演算手段10は、加減速時間・速度上限パラメータ決定手段70内部で計算した加速終了地点における慣性行列Mc、関節速度v1b、遠心・コリオリ力、重力、摩擦力の和hcと加速時間ktから、加速終了地点でのモータトルクτmkを次式(43)で算出する。
τmk=Mcv1b/kt+hc (43)
加速終了地点でのモータトルクτmkの第i軸要素をτmkiとし、各軸の加速区間のトルク使用率tratekiを次式(44)から算出する。
trateki=abs(τmki)/τmaxmi (44)
ここで、τmaxmiは各軸モータの許容最大トルクである。同様に、加減速時間・速度上限パラメータ決定手段70内部で計算した減速開始地点における慣性行列Md、関節速度v2a、遠心・コリオリ力、重力、摩擦力の和hdと減速時間gtから、減速開始地点でのモータトルクτmgを次式(45)で算出する。
τmg=−Mdv2a/gt+hd (45)
減速開始地点でのモータトルクτmgの第i軸要素をτmgiとし、各軸の減速区間のトルク使用率trategiを次式(46)から算出する。
trategi=abs(τmgi)/τmaxmi (46)
算出された各軸の加速区間のトルク使用率および減速区間のトルク使用率は、動作パラメータ補正手段12に出力され、動作パラメータ補正手段12において実施の形態4のように加速時間および減速時間の修正に用いられる。
Claims (3)
- ロボットの各軸の許容最高速度、直交座標系における基準最高速度、各軸を駆動するモータの駆動トルクの許容最大値、各軸の伝達機構の作用トルクおよびモーメントの許容最大値を予め記憶しているロボットパラメータ記憶手段と、
入力される加速開始地点と減速終了地点の直交座標値と関節変位に応答して、加速開始地点から減速終了地点への移動が関節補間の場合には、前記ロボットの各軸の許容最高速度に基づいて現在動作の各軸の動作開始から加速時間経過したときに達する基準速度を算出し、また、加速開始地点から減速終了地点への移動が直線補間の場合には、前記直交座標系における基準最高速度に基づいて現在動作の直交座標系の各方向の動作開始から加速時間経過したときに達する基準速度を算出する基準速度演算手段と、
入力される加速開始地点と減速終了地点の直交座標値と関節変位の少なくとも一方に応答して、動作毎に前記各軸を駆動するモータの駆動トルクの許容最大値、前記各軸の伝達機構の作用トルクおよびモーメントの許容最大値の少なくとも1つの制約を満たす範囲で最短の加速時間および減速時間を算出する加減速時間決定手段と、
算出された前記最短の加速時間に基づいて各軸の加速区間のトルク使用率を算出し、前記最短となる減速時間に基づいて各軸の減速区間のトルク使用率を算出するトルク使用率演算手段と、
ロボットの各軸の補正率を予め記憶する補正率記憶手段と、
各軸のトルク使用率を各軸の補正率の設定値で除算して得られる各軸の補正候補値を算出し、算出した補正候補値の最大値が1より大きくなる場合に、加速時間及び減速時間を補正候補値の最大値を乗じた値に修正する動作パラメータ修正手段と、
算出された基準速度、加速時間、減速時間と修正された加速時間、減速時間に基づいてロボットの各軸を駆動するモータを制御する指令曲線を生成する指令曲線生成手段とを備えたロボット制御装置。 - ロボットの各軸の許容最高速度、直交座標系における基準最高速度、各軸を駆動するモータの駆動トルクの許容最大値、各軸の伝達機構の作用トルクおよびモーメントの許容最大値を予め記憶しているロボットパラメータ記憶手段と、
入力される加速開始地点と減速終了地点の直交座標値と関節変位に応答して、加速開始地点から減速終了地点への移動が関節補間の場合には、前記ロボットの各軸の許容最高速度に基づいて現在動作の各軸の動作開始から加速時間経過したときに達する基準速度を算出し、また、加速開始地点から減速終了地点への移動が直線補間の場合には、前記直交座標系における基準最高速度に基づいて現在動作の直交座標系の各方向の動作開始から加速時間経過したときに達する基準速度を算出する基準速度演算手段と、
入力される加速開始地点と減速終了地点の直交座標値と関節変位の少なくとも一方に応答して、動作毎に前記各軸を駆動するモータの駆動トルクの許容最大値、前記各軸の伝達機構の作用トルクおよびモーメントの許容最大値の少なくとも1つの制約を満たす範囲で最短の加速時間および減速時間を算出する加減速時間決定手段と、
算出された前記最短の加速時間に基づいて各軸の加速区間のトルク使用率を算出し、前記最短となる減速時間に基づいて各軸の減速区間のトルク使用率を算出するトルク使用率演算手段と、
ロボットの各軸の補正率を予め記憶する補正率記憶手段と、
各軸のトルク使用率を各軸の補正率の設定値で除算して得られる各軸の補正候補値を算出し、算出した補正候補値の最大値が1より大きくなる場合に、基準速度に乗じる基準速度修正率を補正候補値の最大値で除算した値に修正する動作パラメータ修正手段と、
算出された基準速度、加速時間、減速時間と修正された基準速度修正率に基づいてロボットの各軸を駆動するモータを制御する指令曲線を生成する指令曲線生成手段とを備えたロボット制御装置。 - ロボットの各軸の許容最高速度、直交座標系における基準最高速度、各軸を駆動するモータの駆動トルクの許容最大値、各軸の伝達機構の作用トルクおよびモーメントの許容最大値を予め記憶しているロボットパラメータ記憶手段と、
入力される加速開始地点と減速終了地点の直交座標値と関節変位に応答して、加速開始地点から減速終了地点への移動が関節補間の場合には、前記ロボットの各軸の許容最高速度に基づいて現在動作の各軸の動作開始から加速時間経過したときに達する基準速度を算出し、また、加速開始地点から減速終了地点への移動が直線補間の場合には、前記直交座標系における基準最高速度に基づいて現在動作の直交座標系の各方向の動作開始から加速時間経過したときに達する基準速度を算出する基準速度演算手段と、
入力される加速開始地点と減速終了地点の直交座標値と関節変位の少なくとも一方に応答して、動作毎に前記各軸を駆動するモータの駆動トルクの許容最大値、前記各軸の伝達機構の作用トルクおよびモーメントの許容最大値の少なくとも1つの制約を満たす範囲で最短の加速時間および減速時間を算出する加減速時間決定手段と、
算出された前記最短の加速時間に基づいて各軸の加速区間のトルク使用率を算出し、前記最短となる減速時間に基づいて各軸の減速区間のトルク使用率を算出するトルク使用率演算手段と、
ロボットの各軸の補正率を予め記憶する補正率記憶手段と、
各軸のトルク使用率を各軸の補正率の設定値で除算して得られる各軸の補正候補値を算出し、算出した補正候補値の最大値が1より大きくなる場合に、待ち時間修正率を補正候補値の最大値に修正する動作パラメータ修正手段と、
算出された基準速度、加速時間、減速時間と修正された待ち時間修正率に基づいてロボットの各軸を駆動するモータを制御する指令曲線を生成する指令曲線生成手段とを備えたロボット制御装置。
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