JP2008132554A - ブラシ研磨装置 - Google Patents

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良晴 渡部
Fumitaka Haga
文孝 芳賀
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Abstract

【課題】研磨ブラシをその根元部から毛足方向の所定の長さにわたって位置ずれなく確実に拘束して、全長の初期寸法を長くしても十分な腰の強さが得られ、また、研磨ブラシの磨耗が進んだときにも拘束の解除を容易に行うことができるブラシ研削装置を提供する。
【解決手段】ブラシホルダ2の下面側に研磨ブラシ3の根元側を支持し、ブラシホルダ2の下方に設けた支持板4の挿通孔10に研磨ブラシ3の先端側を挿通させる。ブラシホルダ2と支持板4とを一体に回転させて、研磨ブラシ3の先端で研磨又は研削加工を行う。研磨ブラシ3の根元部からブラシホルダ2と支持板4との間における毛足方向の所定の長さにわたって研磨ブラシ3に熱収縮性チューブからなる拘束部材18を装着し、拘束部材18によって研磨ブラシ3の根元側を拘束する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシを用いてワークの研磨や研削を行うブラシ研磨装置に関する。
従来、回転駆動されるブラシホルダと、ブラシホルダの下面に着脱自在に取り付けたブラシと、ブラシホルダの下方にブラシホルダと一体に回転され、且つ、ブラシホルダに対し上下方向に相対的に位置調整自在となるように配置した支持板とを備えるブラシ研磨装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
支持板にはブラシを挿通する挿通孔が形成されており、この挿通孔によってブラシの中間部を規制することによりブラシの横反りや広がりを防止している。そして、研磨作業を長時間行うことによりブラシが磨耗してその全長が短くなったときには、ブラシホルダを支持板に対して相対的に下降させる。これにより、支持板の下方に突出するブラシの下端部(毛先部)の長さ(トリム長)を一定に維持することができる。
ところで、この種のブラシは、多数のブラシ素線が根元で束ねられており、ブラシの毛足方向の全長の長短によって、ブラシの腰が変化し、その影響でブラシの毛先部がワークに当接した際の弾性力が変化する。即ち、ブラシの毛足方向の全長の初期寸法が比較的大である場合には、毛先部の磨耗に対する許容範囲が大となりブラシの交換頻度を少なくすることができる反面、ブラシの腰が弱く全長にわたって撓み易くなるためにワークの加工効率が低下し、また、ワークを所望の形状に研削するといった比較的加工量の大きい研削加工に用いると、研削が不十分となるため加工精度が低い。一方、ブラシの毛足方向の全長の初期寸法が比較的小である場合には、ブラシの腰が強く全長にわたる撓みが少ないのでワークの加工効率が向上し、比較的加工量の大きい研削加工にも好適に用いることができるが、毛先部の磨耗に対する許容範囲が小となるために頻繁にブラシを交換しなければならず、交換作業による効率低下が生じる。
そこで、ブラシの全長の初期寸法を長くしても十分な腰の強さが得られるように、図4(a)乃至図4(d)に示すように、ブラシ20の上部側を拘束することが考えられる。即ち、図4(a)に示すように、ブラシ20の全長の初期寸法aを長くして、十分な腰の強さが得られる長さcを毛先側に残した位置に、弾性を有するリング状のインシュロック21を装着してブラシ20を拘束することが考えられる。また、図4(b)に示すように、二分割されるブロック状の拘束部材22を用いて、ボルト23によって締結することによりブラシ20を拘束することが考えられる。更に、それ以外には、図4(c)に示すように、二分割される円筒状の拘束部材24を用いて、弾性を有するリング状のインシュロック25を外周に装着することによりブラシ20を拘束することが考えられる。
しかし、図4(a)に示すものは、ブラシ20の根元部からインシュロック21までの間が拘束されていないために、ブラシ20の根元部とインシュロック21との間にも撓みが生じ、十分な加工精度を得ることができない。しかも、インシュロック21はブラシ20の振動によって位置ずれが生じる不都合がある。また、図4(b)に示すものは、拘束部材22をボルト締めしているので、ブラシ20に強固に固定できるが、ブラシ20の磨耗が進んで拘束部材22を取り外すときに、ボルト23による締結を解除する作業が極めて煩わしい不都合がある。また、図4(c)に示すものは、ブラシ20の磨耗が進んだときに、インシュロック25を切断するだけで容易に拘束部材24を取り外すことができるが、インシュロック25が弾性を有しているために拘束部材24の締結力に緩みが生じ易く、しかも、拘束部材24の重量の影響も受けてブラシ20の振動によって位置ずれが生じる不都合がある。
特開平8−317608号公報
かかる不都合を解消して、本発明は、研磨ブラシをその根元部から毛足方向の所定の長さにわたって位置ずれなく確実に拘束して、全長の初期寸法を長くしても十分な腰の強さが得られ、また、研磨ブラシの磨耗が進んだときにも拘束の解除を容易に行うことができるブラシ研削装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、回転駆動されるブラシホルダと、毛足方向を上下方向に向けて根元部が該ブラシホルダの下面側に着脱自在に支持された研磨ブラシと、前記ブラシホルダの下方に、該ブラシホルダと一体に回転され、且つ、該ブラシホルダに対し上下方向に相対的に位置調整自在となるように配置された支持板とを備え、該支持板に形成された挿通孔に前記研磨ブラシを挿通させて、研磨ブラシの中間部の広がりを該支持板の挿通孔で規制するようにしたブラシ研磨装置において、前記研磨ブラシの根元部から前記ブラシホルダと前記支持板との間における毛足方向の所定の長さにわたって該研磨ブラシに装着して該研磨ブラシを拘束する熱収縮性チューブからなる拘束部材を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、熱収縮性チューブからなる拘束部材によって、研磨ブラシの根元部から前記ブラシホルダと前記支持板との間における毛足方向の所定の長さにわたって拘束するので、ブラシの全長の初期寸法を長くしても、毛先側に十分な腰の強さを得ることができる。これにより、研磨だけでなく研磨よりも加工量の大きい研削加工を行う場合であっても、効率良く高精度な研削加工を行うことができる。
そして、拘束部材が熱収縮性チューブであることにより、非加熱状態の熱収縮性チューブを研磨ブラシに装着して加熱するだけで、研磨ブラシに取り付けることができる。更に、研磨ブラシの磨耗が進んで拘束を解除する際には、例えば、カッター等により拘束部材の周壁に破断線を入れるだけで、極めて容易に拘束部材を破断して研磨ブラシから取り除くことができる。また、拘束部材は熱収縮性チューブであることにより比較的薄く軽量であり、研磨ブラシを拘束している状態であるときに、研磨ブラシの径方向への張り出しも極めて少ないので、例えば、ブラシホルダに複数の研磨ブラシを隣接して保持させても、互いに隣り合う研磨ブラシに装着された拘束部材同士の干渉も確実に防止することができる。そして更に、熱収縮性チューブは加熱収縮したとき、研磨ブラシの外周に位置する複数のブラシ素線外周面による凹凸形状に対応して研磨ブラシに密着するので、極めて強固に研磨ブラシの外周に保持され、しかも軽量であることから、研磨や研削加工時に研磨ブラシに生じる振動等の影響を受け難く、拘束位置の位置ずれを防止して研磨や研削加工を効率良く高精度に行うことができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態のブラシ研削装置を模式的に示す説明図、図2は研磨ブラシ及び拘束部材を示す説明的側面図、図3は研磨ブラシ及び拘束部材の一部を横断面視して示す説明図である。
本実施形態のブラシ研磨装置1は、図1に示すように、円盤状のブラシホルダ2と、ブラシホルダ2の下側に周方向の間隔を存して着脱自在に取り付けた複数本の研磨ブラシ3と、ブラシホルダ2の下方に配置された円盤状の支持板4とを備えている。
研磨ブラシ3は、図2(a)に示すように、研磨材を付着或いは混合させた合成繊維製線材(例えばナイロン線材)で形成された複数のブラシ素線5を束ね、これらのブラシ素線5の根元をキャップ状の結束具6により結束して構成される。
図1に示すように、ブラシホルダ2の下側の外周部には、研磨ブラシ3の結束具6を挿入するための取付穴7が周方向に間隔を存して複数形成されている。また、ブラシホルダ2には、その外周面から各取付穴7に達するねじ孔8が形成されている。研磨ブラシ3は、結束具6を取付穴7に挿入し、止めねじ9をねじ孔8に螺入させ、止めねじ9の先端を結束具6に圧接させることにより、ブラシホルダ2に固定される。
支持板4は、研磨ブラシ3を挿通する挿通孔10を備え、該挿通孔10の内部にはテーパ孔11が形成されたブッシュ12が挿着されている。ブッシュ12のテーパ孔11は、下方に向かって次第に縮径する形状に形成されている。研磨ブラシ3をブラシホルダ2に取り付けるときには、研磨ブラシ3の先端側からブッシュ12を介して挿通孔10に挿通させる。このとき、研磨ブラシ3の先端側がテーパ孔11に案内され、研磨ブラシ3をブラシホルダ2に取り付けた後には、研磨ブラシ3の中間部の広がりが挿通孔10のブッシュ12により規制される。
また、支持板4には、上方に延びる連結ロッド13が連設されている。連結ロッド13は、ブラシホルダ2に形成された摺動孔14を介して上下方向に貫通し、ブラシホルダ2の上方に配置されている筒状の回転軸15に、その鍔部16を介して連結されている。回転軸15は図示しない駆動モータにより回転駆動される。回転軸15の回転は連結ロッド13によりブラシホルダ2と支持板4とに伝達され、両者一体となって回転駆動される。
ブラシホルダ2には、筒状の回転軸15内に摺動自在に挿通された略円柱状の昇降軸17が連結されている。ブラシホルダ2は、昇降軸17が図示しない昇降手段により軸線方向に摺動されることで、それに伴って昇降する。ブラシホルダ2が昇降することにより、ブラシホルダ2に対し相対的に支持板4が上下方向に位置調整自在になる。
研磨ブラシ3は、図2(b)に示すように、全長が比較的長い初期寸法a(例えば約100mm)のものが用いられ、根元部から毛足方向の所定の長さb(例えば約30mm)にわたって筒状の拘束部材18により結束されている。これにより、拘束部材18の下端から研磨ブラシ3の先端までは十分な腰の強さとなる長さc(例えば約70mm)が露出される。
拘束部材18は、合成樹脂製(例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレンプロピレンゴム等が挙げられる)の熱収縮性チューブにより形成されている。拘束部材18を研磨ブラシ3に取り付ける場合には、非加熱状態の拘束部材18に研磨ブラシ3を挿通させ、拘束部材18の上端を研磨ブラシ3の結束具6の下端に当接させて拘束部材18を加熱する。これにより、拘束部材18が熱収縮して、研磨ブラシ3を拘束する。このとき、拘束部材18が熱収縮性チューブであることにより、図3に示すように、研磨ブラシ3の外周に密着する。即ち、研磨ブラシ3の外周面は、研磨ブラシ3の外周に位置する複数のブラシ素線5によって凹凸状態にあるところ、拘束部材18が各ブラシ素線5による凹凸面に対応する形状に熱収縮して研磨ブラシ3の外周に密着する。これにより、拘束部材18が密着する面積が比較的広くなり、強固な取り付け状態で研磨ブラシ3を拘束する。
以上のようにして拘束部材18によって根元部から所定の長さbにわたって結束された研磨ブラシ3を、図1に示すように、ブラシホルダ2に取り付けて、支持板4の下方に延びる研磨ブラシ3の先端部で研磨或いは研削加工を行うことで、研磨ブラシ3の初期寸法aが比較的長くても、研磨ブラシ3の全長にわたる撓みが防止され、研磨ブラシ3の先端部によって効率良く高精度な加工を行うことができる。また、拘束部材18が熱収縮性チューブであることにより、強固な取り付け状態で研磨ブラシ3を拘束し且つ拘束部材18が極めて軽量であるので、研磨或いは研削加工を行うことにより研磨ブラシ3に振動が生じても、拘束部材18が位置ずれすることはない。
そして、研磨或いは研削により研磨ブラシ3が磨耗し、支持板4の下方に延出する研磨ブラシ3の先端部の長さ(トリム長)が短くなったときには、昇降軸17によりブラシホルダ2を下降させ、支持板4の下方に研磨ブラシ3の先端部を進出させる。
その後、更に研磨ブラシ3が磨耗した時には、拘束部材18をカッター等により切断し除去することで、研磨ブラシ3の根元側の拘束を解除し、研磨ブラシ3の先端部を更に進出させる。拘束部材18を除去するときには、カッター等により毛足方向に沿って拘束部材18の外面に破断線を形成するだけでも、容易に破断させて迅速に取り除くことができる。
このように、研磨ブラシ3の根元側を拘束部材18で拘束し、磨耗の進行により拘束部材18を取り除くことにより、腰の強さが付与された状態を確実に維持することができ、高い加工精度を長時間にわたって持続させることができる。従って、全長が比較的長い研磨ブラシ3を採用して、磨耗に伴う交換回数を少なくすることができ、研磨ブラシ3の無駄を低減することができる。
なお、研磨ブラシ3において、前述した初期寸法a、拘束部材18の長さ、即ち拘束部材18により拘束する根元部から毛足方向の所定の長さb、及び、拘束部材18の下端から研磨ブラシ3の先端までの長さは十分な腰の強さとなる長さcは、研磨ブラシ3を構成するブラシ素線の材質や太さに応じて適宜選択されるものであり、本実施形態において例示した長さ寸法に限られるものではない。
本発明の一実施形態のブラシ研削装置を模式的に示す説明図。 本実施形態における研磨ブラシ及び拘束部材を示す説明的側面図。 本実施形態における研磨ブラシ及び拘束部材の一部を横断面視して示す説明図。 従来におけるブラシの結束状態を示す説明的側面図。
符号の説明
1…ブラシ研磨装置、2…ブラシホルダ、3…研磨ブラシ、4…支持板、10…挿通孔、18…拘束部材。

Claims (1)

  1. 回転駆動されるブラシホルダと、毛足方向を上下方向に向けて根元部が該ブラシホルダの下面側に着脱自在に支持された研磨ブラシと、前記ブラシホルダの下方に、該ブラシホルダと一体に回転され、且つ、該ブラシホルダに対し上下方向に相対的に位置調整自在となるように配置された支持板とを備え、該支持板に形成された挿通孔に前記研磨ブラシを挿通させて、研磨ブラシの中間部の広がりを該支持板の挿通孔で規制するようにしたブラシ研磨装置において、
    前記研磨ブラシの根元部から前記ブラシホルダと前記支持板との間における毛足方向の所定の長さにわたって該研磨ブラシに装着して該研磨ブラシを拘束する熱収縮性チューブからなる拘束部材を設けたことを特徴とするブラシ研磨装置。
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