JP2008132444A - 流路構造体 - Google Patents

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良幸 中川
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Abstract

【課題】蓋部材の流路部材に対する押圧力を均一化することにより、流路構造体の流路から流体が漏出することを防止する。
【解決手段】流路構造体1では、流路部材3および蓋部材4の周囲の付勢部6により、第1押圧部材2および第2押圧部材5が、流路部材3および蓋部材4を間に挟んで互いに近づく方向に付勢されることにより、流路10を形成する溝311が設けられた流路部材3の上面31に蓋部材4が押圧される。流路構造体1では、第2押圧部材5の当接部53が蓋部材4の外周縁よりも内側のほぼ全域に亘って蓋部材4に当接し、外周部54が蓋部材4の外周縁と積層方向に関して離間する。これにより、蓋部材4の外周縁近傍に押圧力が集中することを防止して第2押圧部材5の撓みを抑制し、蓋部材4の流路部材3に対する押圧力を均一化することができる。その結果、流路構造体1の流路10から試薬流体が漏出することを確実に防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体が流れる流路が内部に形成された流路構造体に関する。
従来より、化学合成反応や生化学反応等の分野において、微量の試料流体を反応させるための微小容器として、マイクロリアクタ等の微細流路を有する構造体が利用されている。このような構造体は、例えば、流路を形成する溝部が設けられた基板上に、当該溝部の開口を閉塞する他の基板が積層されて固定されることにより形成される。
例えば、特許文献1のマイクロリアクタは、チャネル(流路)が形成されたシリコン基板上に、耐熱ガラス等の平板を陽極接合することにより形成される。特許文献2のマイクロリアクタは、溝部が形成された流路基板の溝部の周囲に自己接着性を有する樹脂薄膜を設け、流路基板と蓋基板とを樹脂薄膜を介して加圧接合することにより形成される。
また、特許文献3のマイクロ流体チップは、溝部が形成されたマイクロ流体チップ本体、当該溝部を閉塞して流路の天井部分を形成する蓋部材、および、マイクロ流体チップ本体を間に挟んで蓋部材に固定されるアダプタを備え、これら3枚のステンレス製の基板が積層されてネジを用いて締結されることにより形成される。当該マイクロ流体チップでは、蓋部材およびアダプタの外周縁に沿って流路の周囲に9個のネジ穴が形成される。
特開平10−337173号公報 特開2005−111567号公報 特開2006−102650号公報
ところで、特許文献1のマイクロリアクタは分解することができないため、内部のチャネルを十分に洗浄することが困難であり、また、チャネルの目詰まり等が発生した場合にも分解してメンテナンスすることができない。特許文献2のマイクロリアクタでは、蓋部材が自己接着性を有する樹脂薄膜を介して流路基板に加圧接合されているため、蓋部材の取り外しは可能ではあるが容易ではなく、また、再組み立ても容易に行うことはできない。
一方、特許文献3のマイクロ流体チップでは、ネジを用いて3枚の基板を締結することにより、マイクロ流体チップの分解および洗浄を容易とすることができる。しかしながら、このようなマイクロ流体チップでは、ネジによる押圧力がマイクロ流体チップの外周部のみに加えられるため、マイクロ流体チップの中央近傍において押圧力が不足してしまい、流路から流体が漏れてしまう恐れがある。そこで、流体の漏れを防止するためにマイクロ流体チップの中央近傍もネジにより締結することが考えられるが、マイクロ流体チップの中央近傍は流路が形成される領域であるため、ネジを配置することは非常に困難である。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、蓋部材の流路部材に対する押圧力を均一化することにより、流路構造体の流路から流体が漏出することを防止することを主な目的としている。
請求項1に記載の発明は、流体が流れる流路が内部に形成された流路構造体であって、流路を形成する溝が一方の主面に設けられた板状の流路部材と、前記流路部材の前記一方の主面上に積層される板状の蓋部材と、前記流路部材の他方の主面上に積層されるとともに前記流路部材の外周縁よりも外側へと広がる第1押圧部材と、前記蓋部材上に積層されるとともに前記蓋部材の外周縁よりも外側へと広がる第2押圧部材と、前記流路部材および前記蓋部材の周囲において前記第1押圧部材と前記第2押圧部材とを互いに近づく方向に付勢する付勢部とを備え、前記第2押圧部材が、前記蓋部材との間の当接領域が、前記蓋部材の前記外周縁よりも所定の距離だけ内側の領域の全体に広がる当接部と、前記当接部から外側に広がるとともに、前記蓋部材の前記外周縁の互いに対向する2つの辺において前記蓋部材に垂直な積層方向に関して前記蓋部材から離間する外周部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流路構造体であって、前記蓋部材の前記外周縁が略長方形であり、前記付勢部が、前記蓋部材の一対の長辺に沿って設けられており、前記第2押圧部材の前記外周部が、前記蓋部材の前記一対の長辺の全長に亘って前記積層方向に関して前記外周縁と離間する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の流路構造体であって、前記第2押圧部材の前記外周部が、前記蓋部材の前記外周縁の全長に亘って前記積層方向に関して前記外周縁と離間する。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の流路構造体であって、前記第2押圧部材の前記外周部に設けられた溝部により、前記外周部と前記蓋部材の前記外周縁の少なくとも一部とが前記積層方向に関して離間する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の流路構造体であって、前記第2押圧部材の前記溝部の内側面が、前記溝部の内底面と滑らかに接続される。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の流路構造体であって、前記第2押圧部材の前記溝部の深さが、前記溝部の幅よりも小さい。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の流路構造体であって、前記蓋部材が透光性を有し、前記第2押圧部材が、前記当接部を前記積層方向に貫通するとともに前記当接部に配列された複数の貫通穴を備える。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の流路構造体であって、前記複数の貫通穴が、格子状またはハニカム状に配列されている。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の流路構造体であって、前記第2押圧部材の前記複数の貫通穴の内側面に、前記蓋部材に照射される光に対する反射率を前記第2押圧部材の母材の反射率よりも向上する処理が施されている。
請求項10に記載の発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の流路構造体であって、前記複数の貫通穴の開口の合計面積が、前記当接部の前記複数の貫通穴を含む全体面積の80%以上95%以下である。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の流路構造体であって、前記付勢部が、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の一方の部材に係合して前記一方の部材が他方の部材から離れる方向へ移動することを制限する、または、前記一方の部材に固定される複数の第1ネジ部材と、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の前記他方の部材に係合して前記他方の部材が前記一方の部材から離れる方向へ移動することを制限し、前記複数の第1ネジ部材にそれぞれ螺合されて回転することにより前記複数の第1ネジ部材に対して進退する複数の第2ネジ部材と、前記複数の第2ネジ部材と前記他方の部材との間に介在し、前記複数の第2ネジ部材を支点として前記他方の部材を前記一方の部材に向けて付勢する弾性部材とを備える。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の流路構造体であって、前記複数の第1ネジ部材および前記複数の第2ネジ部材の一方が複数の雄ネジ部を有し、前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の前記他方の部材が、前記複数の雄ネジ部がそれぞれ挿入される複数の穴を有し、前記複数の第2ネジ部材が、前記他方の部材の前記一方の部材とは反対側において、前記複数の第1ネジ部材の前記複数の雄ネジ部にそれぞれ螺合される複数のホイールを有し、または、前記複数の雄ネジ部、および、前記他方の部材の前記一方の部材とは反対側において前記複数の雄ネジ部にそれぞれ固定される複数のホイールを有し、前記弾性部材が、前記複数のホイールと前記他方の部材との間にそれぞれ挿入された複数のバネ部材である。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の流路構造体であって、前記複数のバネ部材のそれぞれがダイヤフラムである。
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれかに記載の流路構造体であって、前記第2押圧部材の前記当接部が、前記蓋部材に接するとともに弾性を有するシート状のスペーサを含む。
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の流路構造体であって、前記第1押圧部材が、前記流路から独立したもう1つの流路を備え、前記流路を流れる流体と前記もう1つの流路を流れる流体との間で前記流路部材を介して熱交換が行われる。
本発明では、流路から流体が漏出することを防止することをができる。請求項4の発明では、簡素な構造で蓋部材の外周縁と第2押圧部材の外周部とを離間させることができる。請求項11の発明では、第1押圧部材と第2押圧部材との間に作用する付勢力を容易に調整することができる。請求項12の発明では、付勢部を小型化することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る流路構造体1を示す平面図であり、図2は、流路構造体1を図1中に示すA−Aの位置で切断した断面図である。図1に示すように、流路構造体1は、平面視において略矩形状とされ、内部には流体が流れる微細流路(以下、単に「流路」という。)10が形成される。本実施の形態では、流路10を流れる流体は液状の薬品等であり、以下、「試薬流体」と呼ぶ。なお、図1では、図示の都合上、流路10の幅を実際よりも大きく描いている(図8においても同様)。
図1および図2に示すように、流路構造体1は、図2中における上下方向に積層される第1押圧部材2、流路部材3、蓋部材4および第2押圧部材5を備え、さらに、流路部材3および蓋部材4の周囲において、第1押圧部材2と第2押圧部材5とを互いに近づく方向に付勢する付勢部6を備える。以下の説明では、便宜上、第1押圧部材2、流路部材3、蓋部材4および第2押圧部材5の積層方向(すなわち、これら4つの部材の主面に垂直な方向であり、図2中の上下方向)に沿って第1押圧部材2側を下側、第2押圧部材5側を上側として説明するが、積層方向は必ずしも重力方向と一致する必要はない。
図3は、流路部材3を示す平面図である。流路部材3は、流路10(図2参照)を形成する溝311が、一方の主面31(図2中における上側の主面であり、以下、「上面31」という。)上に設けられた板状の部材である。流路部材3の外周縁は、平面視において略長方形状とされる。流路部材3では、溝311の周囲に、流路部材3の位置決めに利用される複数(本実施の形態では、6つ)の貫通穴33が形成されている。
図2に示すように、蓋部材4は、流路部材3の上面31上に積層される板状の部材であり、図1に示すように、蓋部材4の外周縁は、流路部材3と同様に、平面視において略長方形状とされる。本実施の形態では、流路部材3および蓋部材4は、ステンレスにより形成されている。また、図2に示す蓋部材4の流路部材3に当接する主面(すなわち、下面)42、および、流路部材3の上面31には、鏡面加工が施されている。流路構造体1では、流路部材3の溝311が蓋部材4の下面42により上側から閉塞されることにより流路10が形成される。
図2に示すように、第1押圧部材2は複数の部位から構成されるが、全体としては、流路部材3の下面32(すなわち、蓋部材4が積層される側とは反対側の主面)上に積層されるとともに、図1に示すように、平面視において流路部材3および蓋部材4の略長方形状の外周縁よりも外側へと(すなわち、流路部材3および蓋部材4の周囲へと)広がる部材でとなっている。
図4は、第1押圧部材2を示す平面図である。図2および図4に示すように、第1押圧部材2は、流路部材3の周囲において付勢部6により第2押圧部材5と締結されるベースプレート23、および、ベースプレート23の略長方形状の外周縁よりも内側において流路部材3の下面32(図2参照)に当接するとともに内部に温度調節用の流路20が形成された温度調節部24を備え、さらに、図2に示すように、ベースプレート23と温度調節部24との間に設けられる断熱部25を備える。本実施の形態では、ベースプレート23および温度調節部24はステンレスにより形成されており、断熱部25はテフロン(登録商標)により形成されている。なお、断熱部25は、テフロン(登録商標)以外の樹脂やその他の材料により形成されてもよく、発泡材とされてもよい。
図4に示すように、ベースプレート23では、付勢部6の複数のボルト62(図7参照)が挿入される複数(本実施の形態では、8つ)の貫通穴231が、温度調節部24の周囲に形成されている。図2に示すように、温度調節部24の流路20は、流路部材3および蓋部材4により形成される流路10とは独立しており、流路10を流れる試薬流体と、流路20を流れる温度調整用の流体との間で温度調節部24および流路部材3を介して熱交換が行われることにより、流路10内の試薬流体の温度が調整される。図4に示すように、第1押圧部材2では、流路部材3の複数の貫通穴33(図3参照)に対応する複数(本実施の形態では、6つ)の突起部241が、温度調節部24の上面に設けられている。
図2に示すように、第2押圧部材5も詳細には複数の部位から構成されるが、全体としては、蓋部材4の上面41上に積層されるとともに、図1に示すように、平面視において流路部材3および蓋部材4の略長方形状の外周縁よりも外側へと(すなわち、流路部材3および蓋部材4の周囲へと)広がる部材でとなっている。
図5は、第2押圧部材5を示す底面図である。図5では、蓋部材4の外周縁も二点鎖線にて併せて描いている。図2および図5に示すように、第2押圧部材5の下面52には矩形枠状の溝部521が形成されており、溝部521は、図5に示すように、平面視において蓋部材4の外周縁と当該外周縁の全長に亘って重なっている。なお、第2押圧部材5では、溝部521の4本の直線部が第2押圧部材5の外周縁に到達するまで直線状に伸ばされることにより、格子状の溝部521が設けられてもよい。また、第2押圧部材5では、溝部521の周囲に付勢部6の複数のボルト62(図7参照)が挿入される複数(本実施の形態では、8つ)の貫通穴522が形成されている。各貫通穴522は、大径部523および小径部524を有する、いわゆるダルマ穴とされる。
第2押圧部材5の下面52では、溝部521よりも内側の略長方形状の領域全体が、蓋部材4の上面41(図2参照)に当接している。すなわち、第2押圧部材5のうち、平面視において溝部521よりも内側の部位53が、蓋部材4の外周縁よりも内側のほぼ全域に亘って蓋部材4に当接している。換言すれば、当該部位53では、蓋部材4との間の当接領域が、蓋部材4の外周縁よりも所定の距離(すなわち、ゼロよりも大きい距離)だけ内側の領域の全体に広がっている。以下の説明では、第2押圧部材5の部位53を、「当接部53」という。また、第2押圧部材5において、当接部53の周囲において当接部53から外側に広がるとともに、図2に示す付勢部6により第1押圧部材2のベースプレート23と締結される部位54を、「外周部54」という。
図2および図5に示すように、第2押圧部材5の当接部53では、蓋部材4と接する部位に、弾性を有するシート状のスペーサ531が設けられる。本実施の形態では、スペーサ531は、耐熱性および耐薬品性が高いETFE(Ethylene−TetraFluoroEthylene)等のフッ素系樹脂により形成されており、ネジ止めにより第2押圧部材5のステンレス部に固定される。なお、スペーサ531はコーティング等によりステンレス部上に形成されてもよい。また、流路構造体1では、第2押圧部材5の外周部54に設けられた矩形枠状の溝部521により、当該外周部54が、蓋部材4の外周縁の全長に亘って(すなわち、略長方形状の外周縁の互いに対向する2つの長辺、および、互いに対向する2つの短辺において)蓋部材4から積層方向に関して離間している。換言すれば、蓋部材4の外周縁と第2押圧部材5とが非接触とされる。
図6は、第2押圧部材5の溝部521近傍を拡大して示す断面図である。図6に示すように、第2押圧部材5では、溝部521の深さが溝部521の幅よりも小さくされる。また、第2押圧部材5の溝部521では、内側面5211がいわゆるR面とされており、両側の内側面5211と内底面5212とが滑らかに接続されている。
本実施の形態では、図1に示す第1押圧部材2のベースプレート23の長さおよび幅(すなわち、図1中の上下方向および左右方向の長さ)は、236mmおよび103mmであり、第2押圧部材5の長さおよび幅は、220mmおよび80mmである。また、図4に示す第1押圧部材2の温度調節部24(および断熱部25(図2参照))、並びに、図1に示す流路部材3の長さおよび幅は、167mmおよび57mmであり、蓋部材4の長さおよび幅は、158mmおよび48mmである。
図2に示す第2押圧部材5の積層方向の厚さは、スペーサ531が設けられている部分(すなわち、当接部53)において14mmであり、蓋部材4および流路部材3の合計厚さは8mmである。図2では、図示の都合上、流路部材3の厚さ、溝311の幅および深さを実際よりも大きく描いている(図7および図9においても同様)。また、第1押圧部材2では、温度調節部24、断熱部25およびベースプレート23のそれぞれの厚さが、12mm,10mm,10mmとされる。第2押圧部材5の下面52に形成される溝部521の深さおよび幅は、2mmおよび6mmであり、溝部521の内側のエッジ(すなわち、第2押圧部材5の当接部53と外周部54との境界)と蓋部材4の外周縁との間の距離は3mmとされる。なお、溝部521の内側のエッジと蓋部材4の外周縁との間の距離は2mm以上とされることが好ましい。
付勢部6は、図1に示すように、8つの締結構造61を備え、このうち6つの締結構造61は、流路部材3および蓋部材4の一対の長辺に沿って配置されており、残り2つの締結構造61は、流路部材3および蓋部材4の一対の短辺の中央近傍に配置されている。
図7は、1つの締結構造61近傍を拡大して示す断面図である。図7に示すように、締結構造61は、第1押圧部材2の貫通穴231および第2押圧部材5の貫通穴522に雄ネジ部621が挿入されるボルト62(本実施の形態では、六角ボルト)、第1押圧部材2の下側(すなわち、第2押圧部材5とは反対側)においてボルト62に螺合された円筒状のホイール63、ホイール63の内側に収容された円環状のバネ部材64、第1押圧部材2と第2押圧部材5との間においてボルト62に固定されたナット65、および、ナット65と第1押圧部材2との間においてボルト62が挿入されたコイルバネ66を備える。
流路構造体1では、第2押圧部材5の複数の貫通穴522内にそれぞれ収容された複数のボルト62の頭部622が第2押圧部材5に係合することにより、第2押圧部材5が第1押圧部材2から離れる方向へ移動することが制限されている。また、第1押圧部材2の下側において複数のボルト62の雄ネジ部621にそれぞれ螺合された複数のホイール63が第1押圧部材2に係合することにより、第1押圧部材2が第2押圧部材5から離れる方向へ移動することが制限されている。
各バネ部材64は、複数(本実施の形態では、4枚)の略円環板状のダイヤフラム641をボルト62を中心として積層方向に重ねたものであり、ホイール63の円環板状の底部631と第1押圧部材2の下面22との間に挿入されている。本実施の形態では、各ホイール63および各ダイヤフラム641が、ステンレスにより形成されている。また、各ホイール63の外側面には、ローレットが形成されている。
ホイール63は、ボルト62を中心として回転することにより、積層方向においてボルト62に対して相対的に進退する。流路構造体1では、複数のホイール63が回転してボルト62の頭部622に近づく方向へと移動することにより(すなわち、ホイール63が締められることにより)、複数のホイール63と第1押圧部材2との間に介在する複数のバネ部材64が圧縮され、複数のホイール63の底部631を支点として、バネ部材64により第1押圧部材2が第2押圧部材5に向けて付勢される。各ホイール63の内部には、ボルト62とバネ部材64との間に位置する円筒状のストッパ67が収容されており、ホイール63が所定の位置まで締められると、第1押圧部材2の下面22およびホイール63の底部631がストッパ67の上下の端部に当接することにより、ホイール63が過剰に締められることが防止される。本実施の形態では、ストッパ67は、ステンレスまたはアルミニウム(Al)により形成される。
流路構造体1が分解された状態では、複数の締結構造61は、ボルト62にホイール63が螺合した状態で第1押圧部材2に取り付けられている。このとき、各締結構造61では、ナット65と第1押圧部材2との間のコイルバネ66により、ナット65がワッシャ651を介して支持されることにより、ボルト62およびホイール63が第1押圧部材2から下側に大きく離れてしまうことが防止される。
次に、流路構造体1の組み立てについて説明する。流路構造体1が組み立てられる際には、まず、図2に示す第1押圧部材2の温度調節部24上に流路部材3が積層される。このとき、流路部材3の複数の貫通穴33(図3参照)が、温度調節部24の複数の突起部241(図4参照)にそれぞれ嵌合することにより、第1押圧部材2に対する流路部材3の相対位置が正確に決定される。続いて、流路部材3の上面31に上に蓋部材4が積層される。このとき、蓋部材4の外側面が、温度調節部24の複数の突起部241に当接することにより、第1押圧部材2および流路部材3に対する蓋部材4の相対位置が正確に決定される。なお、突起部241の先端は、蓋部材4の上面41よりも低い位置(すなわち、蓋部材4の上面41と下面42との間)に位置する。
次に、付勢部6の複数のボルト62の頭部622(図7参照)を第2押圧部材5の複数の貫通穴522の大径部523(図5参照)にそれぞれ挿入しつつ、第2押圧部材5が蓋部材4の上面41上に載置される。そして、第2押圧部材5を蓋部材4に対して図1中の下方向にスライドすることにより、第2押圧部材5の各貫通穴522内において、ボルト62が大径部523から小径部524(図5参照)へと相対的に移動し、第2押圧部材5と複数のボルト62とが積層方向において係合する。上述のように、各ボルト62はコイルバネ66(図7参照)により第1押圧部材2に対して支持されており、第1押圧部材2とボルト62の頭部622との間の距離は一定に保たれているため、第2押圧部材5を蓋部材4に対して容易にスライドすることができる。
その後、複数のホイール63(図7参照)がそれぞれ回転されてボルト62の頭部622との間の距離が縮められることにより、第1押圧部材2と第2押圧部材5とが互いに近づく方向に付勢され、蓋部材4が流路部材3に対して押圧される。本実施の形態では、流路部材3に対する蓋部材4の押圧力は、約1.5MPaとされる。当該押圧力の大きさは、第1押圧部材2や第2押圧部材5、付勢部6等の温度変化による膨張や収縮、第1押圧部材2の断熱部25や第2押圧部材5のスペーサ531のクリープ等により押圧力が低下する可能性も考慮してマージンを含めて決定されている。
以上に説明したように、流路構造体1では、流路部材3および蓋部材4の周囲に配置された付勢部6により、第1押圧部材2および第2押圧部材5が、流路部材3および蓋部材4を間に挟んで互いに近づく方向に付勢され、これにより、流路10を形成する溝311が設けられた流路部材3の上面31に蓋部材4が押圧される。
ここで、第2押圧部材が蓋部材の上面の外周縁に当接している流路構造体を仮に想定した場合、第2押圧部材を第1押圧部材に近づける方向に働く付勢力が蓋部材の外周縁近傍に集中してしまい、蓋部材の中央近傍(すなわち、流路が形成される領域)において、第2押圧部材が上向きに凸となるように撓んでしまう。その結果、蓋部材の流路部材に対する押圧力が、蓋部材の中央近傍において外周縁近傍の数分の1となり、流路が形成される領域における押圧力が不足して流路から試薬流体が漏出してしまう。
これに対し、本実施の形態に係る流路構造体1では、第2押圧部材5の当接部53が、蓋部材4の外周縁よりも内側のほぼ全域に亘って蓋部材4の上面41に当接する(すなわち、当接部53の蓋部材4との当接領域が、蓋部材4の外周縁よりも所定の距離だけ内側の領域の全体に広がっている)とともに、外周部54が、蓋部材4の外周縁と積層方向に関して離間する。これにより、蓋部材4の外周縁近傍に押圧力が集中することを防止して第2押圧部材5の中央近傍における撓みを抑制し、蓋部材4の流路部材3に対する押圧力を均一化することができる。その結果、流路構造体1の流路10から試薬流体が漏出することを確実に防止することができる。
また、流路構造体1では、付勢部6が、平面視において略長方形状である蓋部材4の外周縁の一対の長辺に沿って設けられており、第2押圧部材5の外周部54が、当該一対の長辺の全長に亘って蓋部材4の外周縁と積層方向に関して離間している。これにより、長手方向(すなわち、長辺に平行な方向)よりも第2押圧部材5の撓みが生じやすい幅方向(すなわち、短辺に平行な方向)において、第2押圧部材5の撓みを防止することができる。その結果、蓋部材4の流路部材3に対する押圧力をより均一化することができ、流路10からの試薬流体の漏出をより確実に防止することができる。さらには、第2押圧部材5の外周部54が、蓋部材4の外周縁の全長に亘って当該外周縁と積層方向に関して離間していることにより、蓋部材4の流路部材3に対する押圧力をさらに均一化することができ、流路10からの試薬流体の漏出をさらに確実に防止することができる。
流路構造体1では、第2押圧部材5の下面52に形成された溝部521により、第2押圧部材5の外周部54と蓋部材4の外周縁とを簡素な構造で積層方向に関して離間することができる。第2押圧部材5では、溝部521の深さが、第2押圧部材5の大きさに基づいて適正な範囲に設定されており、溝部521の幅が溝部521の深さよりも大きくされることにより、溝部521の幅の第2押圧部材5の大きさに対する割合が比較的大きくなっている。このため、蓋部材4上に第2押圧部材5を積層する際に、蓋部材4に対する第2押圧部材5の相対的な位置が所定の位置より多少ずれた場合であっても、溝部521を蓋部材4の外周縁と確実に重ねることができ、第2押圧部材5の外周部54を蓋部材4の外周縁から確実に離間させることができる。
第2押圧部材5では、溝部521の内側面5211と内底面5212とが滑らかに接続されることにより、溝部521近傍における第2押圧部材5の応力集中を緩和して第2押圧部材5の変形を抑制することができる。このため、蓋部材4を流路部材3に対してより強く押圧することができ、流路10からの試薬流体の漏出をより確実に防止することができる。
また、第2押圧部材5の当接部53が、蓋部材4に接するとともに弾性を有するシート状のスペーサ531を含むことにより、付勢部6からの力により当接部53に僅かな撓みが生じた場合であっても、当接部53全体を蓋部材4に密着させることができ、蓋部材4の流路部材3に対する押圧力を均一化することができる。その結果、流路構造体1の流路10から試薬流体が漏出することをさらに確実に防止することができる。
第2押圧部材5では、スペーサ531が、第2押圧部材5の下面52全体(すなわち、当接部53および外周部54の第1押圧部材2側全体)に設けられてもよい。この場合、溝部521の開口はスペーサ531により閉塞され、蓋部材4の外周縁にはスペーサ531が当接するが、第2押圧部材5が第1押圧部材2に対して付勢される際には、蓋部材4の外周縁上のスペーサ531は容易に変形して溝部521内へと撓むため、上記と同様に、蓋部材4の外周縁近傍に押圧力が集中することを防止することができる。その結果、蓋部材4の流路部材3に対する押圧力を均一化することができ、流路構造体1の流路10から試薬流体が漏出することを確実に防止することができる。なお、スペーサ531は、ポリエチレンやポリプロピレンにより形成されてもよい。
流路構造体1では、付勢部6の各締結構造61が、第1押圧部材2および第2押圧部材5にそれぞれ係合するホイール63およびボルト62、並びに、ホイール63と第1押圧部材2との間に介在して第1押圧部材2を第2押圧部材5に向けて付勢するバネ部材64を備える。そして、ボルト62に螺合されたホイール63を回転して進退させることにより、第1押圧部材2と第2押圧部材5との間に作用する付勢力を容易に調整することができる。また、第1押圧部材2の下面22側において、第1押圧部材2および第2押圧部材5を貫通するボルト62に螺合されたホイール63にバネ部材64が収容されることにより、各締結構造61および付勢部6を小型化することができる。さらには、バネ部材64をダイヤフラム641とすることにより、バネ部材64を積層方向において小型化することができるため、各締結構造61および付勢部6を積層方向においてさらに小型化することができる。
流路構造体1では、第1押圧部材2の温度調節部24により流路10を流れる試薬流体の温度を容易かつ精度良く調整することができる。その結果、流路10内において行われる試薬流体の反応速度や反応の程度等を、容易かつ精度良くコントロールすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る流路構造体について説明する。図8は、第2の実施の形態に係る流路構造体1aを示す平面図であり、図9は、流路構造体1aを図8中に示すB−Bの位置で切断した断面図である。図8に示すように、流路構造体1aは、図1および図2に示す第2押圧部材5に代えて、当接部53を積層方向に貫通する複数の貫通穴55が形成された第2押圧部材5aを備える。また、図8および図9に示す流路構造体1aは、図1および図2に示すステンレス製の蓋部材4に代えて、透光性を有するガラス製の蓋部材4aを備える。その他の構成は、図1ないし図7に示す流路構造体1と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
図8に示すように、第2押圧部材5aでは、開口が矩形状の複数の貫通穴55が当接部53において格子状に配列されている。流路構造体1aでは、第2押圧部材5aの複数の貫通穴55を介して蓋部材4aに光(例えば、紫外線)が照射され、当該光が蓋部材4aを透過して流路10を流れる試薬流体に照射される。これにより、試薬流体の反応速度を増大させたり、試薬流体に光化学反応を生じさせることができる。また、貫通穴55および蓋部材4aを介して、流路10内における試薬流体の反応等の様子を観察することもできる。第2押圧部材5aでは、複数の貫通穴55が格子状に規則的に配列されているため、第2押圧部材5aの製作を簡素化することができる。
本実施の形態では、第2押圧部材5aの32個の貫通穴55のうち、最外周に位置する20個を除く12個の貫通穴55の長さおよび幅(すなわち、図8中の上下方向および左右方向の長さ)が、22mmおよび14mmとされる。また、図8に示す第2押圧部材5aでは、複数の貫通穴55の間に伸びる複数のリブ56のそれぞれの幅(すなわち、図8中において各リブ56が伸びる上下方向および左右方向に垂直な方向の幅)は、2mmとされる。流路構造体1aでは、リブ56の幅は1mm以上とされることが好ましい。これにより、リブ56の強度を十分に確保することができる。また、図9に示すリブ56の下部に設けられるスペーサ531としてフッ素系樹脂等を利用した場合であっても、当該スペーサ531の強度を十分に確保することができる。
図10は、第2押圧部材5aを示す底面図である。図10では、蓋部材4aの外周縁も二点鎖線にて併せて描いている。図9および図10に示すように、第2押圧部材5aの下面52では、複数のリブ56において、図5に示す矩形枠状の溝部521に対応する部分(すなわち、複数のリブ56の矩形枠状の溝部521と重なる部分)に複数の溝部521a(本実施の形態では、溝状ではない凹部であるが、第1の実施の形態と同様に、「溝部」と呼ぶ。)が形成されている。複数の溝部521aは、平面視において蓋部材4aの外周縁と重なっており、当該外周縁の溝部521aと重なっていない部分は、第2押圧部材5aの複数の貫通穴55と重なっている。また、第2押圧部材5aの当接部53(の複数のリブ56)は、蓋部材4aの外周縁よりも内側のほぼ全域に亘って蓋部材4aの上面41(図9参照)に当接する(すなわち、当接部53の蓋部材4aとの当接領域が、蓋部材4aの外周縁よりも所定の距離だけ内側の領域の全体に広がっている。)。もちろん、当接部53と蓋部材4aとが物理的に当接する領域の間には非当接の領域が存在する。
流路構造体1aでは、第1の実施の形態と同様に、第2押圧部材5aの外周部54が、蓋部材4aの外周縁と積層方向に関して離間することにより、蓋部材4aの外周縁近傍に押圧力が集中することを防止し、蓋部材4aの流路部材3に対する押圧力を均一化することができる。その結果、流路構造体1aの流路10から試薬流体が漏出することを確実に防止することができる。
第2押圧部材5aでは、平面視における複数の貫通穴55の開口の合計面積が、当接部53の複数の貫通穴55を含む全体面積の約91%とされる。当接部53の全体面積に対する複数の貫通穴55の開口の合計面積の割合(以下、「開口率」という。)は、80%以上95%以下とされることが好ましい。第2押圧部材5aの当接部53における開口率が80%以上とされることにより、流路10に対して照射される光量を十分に確保することができる。また、開口率が95%以下とされることにより、リブ56の本数およびリブ56の幅を十分に確保することができ、蓋部材4aの流路部材3に対する押圧力を十分に確保することができる。
第2押圧部材5aでは、また、複数の貫通穴55の内側面(すなわち、複数のリブ56の側面)に、貫通穴55を介して蓋部材4aに照射される光に対する反射率を、第2押圧部材5aの母材(本実施の形態では、ステンレス)よりも向上する処理が施されている。例えば、貫通穴55を介して照射される光が紫外線である場合、貫通穴55の内側面やリブ56の上面に誘電体多層膜コーティングやアルミニウム蒸着等の紫外線反射処理が行われる。貫通穴55の内側面にアルミニウム膜が形成される場合には、フッ化マグネシウム(MgF)の保護膜が、アルミニウム膜上に形成される。これにより、流路10に照射される光の光量を増大させる(すなわち、第2押圧部材5aおよび蓋部材4aの光の透過効率を向上する)ことができ、流路10内における試薬流体の反応速度をさらに増大させたり、試薬流体の光化学反応を促進することができる。また、流路10内の観察を容易とすることもできる。
図11は、第2押圧部材の他の好ましい例を示す平面図である。図11に示す第2押圧部材5bでは、開口が六角形の貫通穴55aが第2押圧部材5bの当接部53においてハニカム状に配列されている。ただし、最外周に位置する貫通穴55aの開口形状は、六角形の一部となっている。このように、第2押圧部材5bの当接部53において複数の貫通穴55aがハニカム状に規則的に配列されることにより、上述の流路構造体1aと同様に、流路構造体の流路に光を照射することができ、試薬流体の反応速度を増大させたり、試薬流体に光化学反応を生じさせることができる。また、流路内における試薬流体の反応等の様子を観察することもできる。さらには、第2押圧部材5bの形成を簡素化することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態に係る流路構造体では、蓋部材の下面42に、平面視において流路部材3の溝311と重なる他の溝が形成され、当該溝と流路部材3の溝311とにより流路10が形成されてもよい。また、蓋部材の下面42に、平面視において流路10が形成される領域の周囲を囲む他の溝が形成され、当該溝に断面が円形のテフロン(登録商標)等により形成されたシール材が設けられてもよい。これにより、流路部材3と蓋部材との間において、流路10が形成される領域の周囲がシールされるため、万一、ホイール63の締め忘れ等により流路10から試薬流体が漏出した場合であっても、流路構造体の外部に試薬流体が漏出することを確実に防止することができる。
第2の実施の形態に係る流路構造体1aでは、第2押圧部材5aに形成される複数の貫通穴55は、必ずしも格子状またはハニカム状に配列される必要はなく、様々な態様にて配列されてよい。また、これらの貫通穴55を介して透光性の蓋部材4aに照射される光は、紫外線以外の他の波長帯の光であってもよい。
第1の実施の形態に係る流路構造体1では、第2押圧部材5の外周部54に設けられた溝部521は、必ずしも、蓋部材4の外周縁の全長において当該外周縁と重なる必要はなく、溝部521により当該外周部54と蓋部材4の外周縁の少なくとも一部とが積層方向に関して離間していればよい。これにより、第2押圧部材5の外周部54と蓋部材4の外周縁とを簡素な構造で積層方向に関して離間することができるとともに蓋部材4の流路部材3に対する押圧力を均一化して流路10からの試薬流体の漏出を防止することができる。
ただし、試薬流体の漏出をより確実に防止するという観点からは、蓋部材4の外周縁が略長方形状である場合には、少なくとも、当該外周縁の一対の長辺の全長に亘って、第2押圧部材5の外周部54と蓋部材4の外周縁とが離間していることが好ましい。また、蓋部材4の外周縁が略正方形状である場合には、当該外周縁の全長に亘って第2押圧部材5の外周部54と蓋部材4の外周縁とが離間していることが好ましい。なお、蓋部材4の外周縁が、例えば、六角形等の多角形状とされる場合には、少なくとも、当該外周縁の互いに対向する2つの辺において、第2押圧部材5の外周部54と蓋部材4の外周縁とが積層方向に関して離間される。
上記実施の形態に係る流路構造体では、必ずしも、第2押圧部材の下面52に溝部が形成される必要はなく、例えば、図12に示す第2押圧部材5cのように、外周部54の積層方向の厚さが当接部53の厚さよりも小さくされることにより、外周部54と蓋部材4の外周縁とが積層方向に関して離間されてもよい。この場合も、蓋部材4の流路部材3に対する押圧力を均一化して流路10からの試薬流体の漏出を防止することができる。
上記実施の形態に係る付勢部6の各締結構造61では、ホイール63と第1押圧部材2との間に挿入されるバネ部材64として、例えば、ダイヤフラムが1枚のみ利用されてもよく、積層方向に凹凸を有する金属板やコイルバネが利用されてもよい。また、付勢部6では、複数のバネ部材64に代えて、例えば、複数のボルト62をそれぞれ中心とする複数の円筒状のゴム部材等の弾性部材が設けられてもよい。さらには、第1押圧部材2の複数の貫通穴231に対応する複数の貫通穴が設けられた1枚のシート状の弾性部材が、第1押圧部材2の下面22上に積層されてもよい。
各締結構造61では、ボルト62の頭部622が第2押圧部材に固定されてもよい。この場合、流路構造体を分解する際には、ホイール63がボルト62から取り外される。第1の実施の形態に係る流路構造体1の付勢部6では、複数のホイール63が第2押圧部材5の上側にて第2押圧部材5に係合し、ボルト62の頭部622が第1押圧部材2の下側にて第1押圧部材2に係合することにより、第1押圧部材2と第2押圧部材5とが互いに離れる方向に移動することが制限されてもよい。このとき、ボルト62の頭部622は、第1押圧部材2に固定されてもよい。
付勢部6では、各締結構造61のボルト62およびホイール63を第1ネジ部材および第2ネジ部材と捉えた場合、第1ネジ部材が雄ネジ部を有し、第2ネジ部材が第1ネジ部材の雄ネジ部に螺合されるが、雄ネジ部は、必ずしも第1ネジ部材に設けられる必要はなく、第1ネジ部材および第2ネジ部材の一方に設けられていればよい。締結構造61は、例えば、第2ネジ部材が、第1押圧部材2および第2押圧部材を貫通する雄ネジ部、並びに、第1押圧部材2の下側において当該雄ネジ部に固定されるホイールを備え、第1ネジ部材が、第2押圧部材の上側において第2ネジ部材の雄ネジ部に螺合されるナットを備える構造とされてもよい。
流路構造体では、付勢部6として、必ずしもボルト等のネジ部材が利用される必要はなく、例えば、第1押圧部材2のベースプレート23に一体的に形成された係合部と、第2押圧部材の外周部54に一体的に形成されたもう1つの係合部が係合することにより、第1押圧部材2および第2押圧部材が互いに近づく方向に付勢されてもよい。
上記実施の形態に係る流路構造体は、様々な種類の流体(例えば、化学薬品、化粧品、化学調味料、塗料等であり、液体であっても気体であってもよい。)の反応や混合が行われるマイクロチップ、マイクロリアクタ、ケミカルリアクタ、マイクロデバイス等として利用される。流路構造体において流体の混合が行われる場合、例えば、組成が異なる2種類(あるいは、3種類以上)の流体が混合されてもよく、状態が異なる(例えば、液体と気体)2種類の流体が混合されてもよい。また、流路構造体は、複数の流体の混合による化学反応、化学反応を伴わない単なる混合、液体と気体の混合による微粒子化や霧化、あるいは、泡化等、流体の混合を伴う様々な目的に利用可能である。流路構造体は、また、燃料電池等にも利用可能である。流路構造体の流路10の平面視における形状や断面形状は、上記実施の形態にて示されたものには限定されず、流路構造体の利用目的により適宜決定される。
上記実施の形態では、微細流路が内部に形成された流路構造体について説明しているが、本発明に係る流路構造体では、流路は必ずしも微細なもの(例えば、0.1mm〜2mm程度の横幅のもの)には限定されず、例えば、横幅が20mm程度の流路が内部に設けられてもよい。
第1の実施の形態に係る流路構造体の平面図である。 流路構造体の断面図である。 流路部材の平面図である。 第1押圧部材の平面図である。 第2押圧部材の底面図である。 第2押圧部材の溝部近傍を拡大して示す断面図である。 締結構造近傍を拡大して示す断面図である。 第2の実施の形態に係る流路構造体の平面図である。 流路構造体の断面図である。 第2押圧部材の底面図である。 第2押圧部材の他の例を示す平面図である。 流路構造体の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1,1a 流路構造体
2 第1押圧部材
3 流路部材
4,4a 蓋部材
5,5a〜5c 第2押圧部材
6 付勢部
10 流路
20 流路
31 上面
32 下面
53 当接部
54 外周部
55,55a 貫通穴
62 ボルト
63 ホイール
64 バネ部材
231 貫通穴
311 溝
521,521a 溝部
522 貫通穴
531 スペーサ
621 雄ネジ部
641 ダイヤフラム
5211 内側面
5212 内底面

Claims (15)

  1. 流体が流れる流路が内部に形成された流路構造体であって、
    流路を形成する溝が一方の主面に設けられた板状の流路部材と、
    前記流路部材の前記一方の主面上に積層される板状の蓋部材と、
    前記流路部材の他方の主面上に積層されるとともに前記流路部材の外周縁よりも外側へと広がる第1押圧部材と、
    前記蓋部材上に積層されるとともに前記蓋部材の外周縁よりも外側へと広がる第2押圧部材と、
    前記流路部材および前記蓋部材の周囲において前記第1押圧部材と前記第2押圧部材とを互いに近づく方向に付勢する付勢部と、
    を備え、
    前記第2押圧部材が、
    前記蓋部材との間の当接領域が、前記蓋部材の前記外周縁よりも所定の距離だけ内側の領域の全体に広がる当接部と、
    前記当接部から外側に広がるとともに、前記蓋部材の前記外周縁の互いに対向する2つの辺において前記蓋部材に垂直な積層方向に関して前記蓋部材から離間する外周部と、
    を備えることを特徴とする流路構造体。
  2. 請求項1に記載の流路構造体であって、
    前記蓋部材の前記外周縁が略長方形であり、
    前記付勢部が、前記蓋部材の一対の長辺に沿って設けられており、
    前記第2押圧部材の前記外周部が、前記蓋部材の前記一対の長辺の全長に亘って前記積層方向に関して前記外周縁と離間することを特徴とする流路構造体。
  3. 請求項1または2に記載の流路構造体であって、
    前記第2押圧部材の前記外周部が、前記蓋部材の前記外周縁の全長に亘って前記積層方向に関して前記外周縁と離間することを特徴とする流路構造体。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の流路構造体であって、
    前記第2押圧部材の前記外周部に設けられた溝部により、前記外周部と前記蓋部材の前記外周縁の少なくとも一部とが前記積層方向に関して離間することを特徴とする流路構造体。
  5. 請求項4に記載の流路構造体であって、
    前記第2押圧部材の前記溝部の内側面が、前記溝部の内底面と滑らかに接続されることを特徴とする流路構造体。
  6. 請求項4または5に記載の流路構造体であって、
    前記第2押圧部材の前記溝部の深さが、前記溝部の幅よりも小さいことを特徴とする流路構造体。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の流路構造体であって、
    前記蓋部材が透光性を有し、
    前記第2押圧部材が、前記当接部を前記積層方向に貫通するとともに前記当接部に配列された複数の貫通穴を備えることを特徴とする流路構造体。
  8. 請求項7に記載の流路構造体であって、
    前記複数の貫通穴が、格子状またはハニカム状に配列されていることを特徴とする流路構造体。
  9. 請求項7または8に記載の流路構造体であって、
    前記第2押圧部材の前記複数の貫通穴の内側面に、前記蓋部材に照射される光に対する反射率を前記第2押圧部材の母材の反射率よりも向上する処理が施されていることを特徴とする流路構造体。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の流路構造体であって、
    前記複数の貫通穴の開口の合計面積が、前記当接部の前記複数の貫通穴を含む全体面積の80%以上95%以下であることを特徴とする流路構造体。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の流路構造体であって、
    前記付勢部が、
    前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の一方の部材に係合して前記一方の部材が他方の部材から離れる方向へ移動することを制限する、または、前記一方の部材に固定される複数の第1ネジ部材と、
    前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の前記他方の部材に係合して前記他方の部材が前記一方の部材から離れる方向へ移動することを制限し、前記複数の第1ネジ部材にそれぞれ螺合されて回転することにより前記複数の第1ネジ部材に対して進退する複数の第2ネジ部材と、
    前記複数の第2ネジ部材と前記他方の部材との間に介在し、前記複数の第2ネジ部材を支点として前記他方の部材を前記一方の部材に向けて付勢する弾性部材と、
    を備えることを特徴とする流路構造体。
  12. 請求項11に記載の流路構造体であって、
    前記複数の第1ネジ部材および前記複数の第2ネジ部材の一方が複数の雄ネジ部を有し、
    前記第1押圧部材および前記第2押圧部材の前記他方の部材が、前記複数の雄ネジ部がそれぞれ挿入される複数の穴を有し、
    前記複数の第2ネジ部材が、前記他方の部材の前記一方の部材とは反対側において、前記複数の第1ネジ部材の前記複数の雄ネジ部にそれぞれ螺合される複数のホイールを有し、または、前記複数の雄ネジ部、および、前記他方の部材の前記一方の部材とは反対側において前記複数の雄ネジ部にそれぞれ固定される複数のホイールを有し、
    前記弾性部材が、前記複数のホイールと前記他方の部材との間にそれぞれ挿入された複数のバネ部材であることを特徴とする流路構造体。
  13. 請求項12に記載の流路構造体であって、
    前記複数のバネ部材のそれぞれがダイヤフラムであることを特徴とする流路構造体。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の流路構造体であって、
    前記第2押圧部材の前記当接部が、前記蓋部材に接するとともに弾性を有するシート状のスペーサを含むことを特徴とする流路構造体。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の流路構造体であって、
    前記第1押圧部材が、前記流路から独立したもう1つの流路を備え、
    前記流路を流れる流体と前記もう1つの流路を流れる流体との間で前記流路部材を介して熱交換が行われることを特徴とする流路構造体。
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