JP2017003032A - マイクロバルブ - Google Patents

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菱田 光起
Mitsuki Hishida
光起 菱田
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Abstract

【課題】バルブ開閉用の制御力と横方向の流路にかかる流体の力とが直角に交わる場合に、小さな力でバルブ開閉機能を駆動することができるマイクロバルブを提供する。【解決手段】流体が流れる流路である凹部3と、流路部を上部から覆うように張力によって張られている弾性膜2と、弾性膜をその上方から押さえる球体1と、その球体を支える球体ステー1aと、球体に上下動を与えるアクチュエータ5と、アクチュエータによる上下動を制御する制御部6とを備えるマイクロバルブで構成する。凹部は、湾曲底面3aと、流路側面3bとで規定されており、凹部の湾曲底面は、球体の球面と同じ曲率半径を有し、凹部の側面は、平面であり、凹部の縦断面形状において、湾曲底面と平面との変更点は所定範囲内に位置している。【選択図】図1A

Description

本発明は、マイクロ流路を開閉するマイクロバルブに関する。
従来、マイクロデバイス及びマイクロチップの液流路上では、送液する液体を前後、及び停止(以下:バルブ機構)を制御するバルブ機能を必要としているデバイスである。その送液制御する力を最小限にするため、流路と直交する方向ではなく、流路と同じ方向、又は正反対の方向の力で制御している。これは、流路と同じ方向、又は正反対の方向の力で制御したほうが、力の分散も無く、より少ない力でバルブ機構を機能させるためである。この場合、マイクロデバイス及びマイクロチップでは、基板が薄いため、流路の送液方向は、基板に対し横方向に配置している。このため、バルブ機構では、流路方向を、一旦、基板の表面内で流路の送液方向とは直交する方向に変更し、流路の送液の方向と同方向、又は正反対の方向に加わる力で、弁を動作させ、弁により液体の前進、停止を制御している。
ところが、基板の表面内で流路の送液方向と直交する方向に変更できない場合にバルブ機構を設けるとき、バルブ開閉用の制御力と、流路にかかる流体の力とが直角に交わることになる。
このようなバルブ機構の一例として、図21に示す構成がある。この構成では、流路101の樹脂製の蓋104の上に鋼球102を接着剤103で固定し、鋼球102の上に摺動子106を上下移動可能に配置している。そして、鉤型のストッパ105を摺動子106に係止して、バルブ開閉用の制御力として、流路101の送液方向と直交する下向きの力を発生させる。すると、摺動子106が下向きに押圧付勢され、鋼球102により蓋104を介して流路101を閉鎖する。一方、ストッパ105を摺動子106から外すと、蓋104による流路101の閉鎖を解放して流路101を開くことができる。このような構成のバルブ開閉機構が特許文献1に開示されている。
特開2005−274405号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、バルブ開閉用の制御力と横方向の流路にかかる流体の力とが直角に交わらざるを得ず、非常に大きな力が必要となる、という問題があった。
従って、本発明の目的は、前記問題を解決することにあって、バルブ開閉用の制御力と横方向の流路にかかる流体の力とが直角に交わる場合に、小さな力でバルブ開閉機能を駆動することができるマイクロバルブを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の1つの態様によれば、マイクロ流路を開閉するマイクロバルブであって、
少なくとも下部に球面を有する球体と、
前記球体と接続され、かつ前記球体が上下運動を可能に支持する支持部と、
前記球体の上部と接触するように配置され、かつ伸縮することにより前記球体を上下運動させるアクチュエータと、
前記球体の下部に位置する前記マイクロ流路である凹部を有する第1の平面を備えるバルブ筐体と、
前記球体の前記下部と接触し、かつ前記凹部を覆うように、前記第1の平面上に配置される弾性膜とを具備し、
前記凹部は、湾曲底面と、側面とで規定されており、
前記凹部の前記湾曲底面は、前記球体の前記球面と同じ曲率半径を有し、
前記凹部の前記側面は、平面であり、
前記凹部の縦断面形状において、前記湾曲底面と前記平面との変更点は、前記球体の半径をr、弾性膜の厚さをtとするとき、前記凹部の前記湾曲底面の下端位置からr(1-3^(1/2)/2)+tの距離の位置から、前記凹部の前記湾曲底面の前記下端位置から(5/6)r+tの高さの位置までの範囲内に位置する、マイクロバルブを提供する。
本発明の前記1つの態様によれば、バルブ開閉用の制御力と横方向の流路にかかる流体の力とが直角に交わる場合に、流路側面が平面であることにより、球体によって押された弾性膜に負荷が掛かることなく、小さな力でバルブ開閉機能を駆動することができる。
本発明の第1実施形態におけるバルブ機構のバルブ開状態での断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態におけるバルブ機構の上方から見た状態を示す部分拡大平面図 本発明の第1実施形態の変形例におけるバルブ機構の上方から見た状態を示す平面図 図1Cにおけるバルブ機構の縦断面側面図 本発明の第1実施形態におけるバルブ機構のバルブ閉状態での断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態の別の変形例におけるバルブ機構の上方から見た状態を示す部分拡大平面図 図3Aの別の変形例におけるバルブ機構の上方から見た状態を示すバルブ機構全体の平面図 図3Aの別の変形例におけるバルブ機構の縦断面側面図 図3Aの別の変形例において球体ステーを追加した状態でのバルブ機構の斜視図 本発明の第1実施形態のさらに別の変形例におけるバルブ機構の上方から見た状態を示す部分拡大平面図 図4Aのさらに別の変形例におけるバルブ機構の上方から見た状態を示すバルブ機構全体の平面図 図4Aのさらに別の変形例におけるバルブ機構の縦断面側面図 図4Aのさらに別の変形例において球体ステーを追加した状態でのバルブ機構の斜視図 本発明の第1実施形態におけるマイクロチップを上方から見た状態を示す平面図 本発明の第1実施形態におけるマイクロチップの構造を示す図5のA−A’線断面図 本発明の第1実施形態におけるマイクロチップの構造を示す図5のB−B’線断面図 本発明の第1実施形態におけるマイクロチップの断面構造を示す図5のC−C’線断面図 本発明の第1実施形態におけるバルブ機構の断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態におけるバルブ機構の上方から見た状態を示す平面図 本発明の第1実施形態におけるバルブ機構の凹部の縦断面形状において湾曲底面と平面との変更点を説明するための説明図 本発明の第1実施形態におけるバルブ機構の凹部の縦断面形状において湾曲底面と平面との変更点を説明するための説明図 本発明の第1実施形態と比較したバルブ機構の断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態と比較したバルブ機構の断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態の効果を比較した実験結果を示す説明図 本発明の第1実施形態と比較したラインバルブ機構の断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態と比較したラインバルブ機構の上方から見た状態を示す平面図 本発明の第1実施形態と比較したラインバルブ機構の断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態と比較したラインバルブの断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態と比較したラインバルブの断面構造を示す縦断面図 本発明の第1実施形態の効果を比較した実験結果を示す説明図 本発明の第1実施形態の効果を比較した実験結果を示すグラフ 本発明の第1実施形態の効果を比較した実験結果を示すグラフ 本発明の第1実施形態の効果を比較した実験結果を示す説明図 特許文献1のバルブ機構の断面図
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1の態様によれば、マイクロ流路を開閉するマイクロバルブであって、
少なくとも下部に球面を有する球体と
前記球体と接続され、かつ前記球体が上下運動を可能に支持する支持部と、
前記球体の上部と接触するように配置され、かつ伸縮することにより前記球体を上下運動させるアクチュエータと、
前記球体の下部に位置する前記マイクロ流路である凹部を有する第1の平面を備えるバルブ筐体と、
前記球体の前記下部と接触し、かつ前記凹部を覆うように、前記第1の平面上に配置される弾性膜とを具備し、
前記凹部は、湾曲底面と、側面とで規定されており、
前記凹部の前記湾曲底面は、前記球体の前記球面と同じ曲率半径を有し、
前記凹部の前記側面は、平面であり、
前記凹部の縦断面形状において、前記湾曲底面と前記平面との変更点は、前記球体の半径をr、弾性膜をtとするとき、前記凹部の前記湾曲底面の下端位置からr(1-3^(1/2)/2)+tの距離の位置から、前記凹部の前記湾曲底面の前記下端位置から(5/6)r+tの高さの位置までの範囲内に位置する、マイクロバルブを提供する。
前記態様によれば、バルブ開閉用の制御力と横方向の流路にかかる流体の力とが直角に交わる場合に、流路側面が平面であることにより、球体によって押された弾性膜に負荷が掛かることなく、小さな力でバルブ開閉機能を駆動することができる。
本発明の第2の態様によれば、前記球体は、複数個で構成される、第1の態様に記載のマイクロバルブを提供する。
前記態様によれば、前記球体及び前記凹部の形状不良などにより、バルブ開閉機能が低下し、流体がリークした場合でも、複数個で構成された場合では流体の前進、及び停止の制御に確実性が増す。
本発明の第3の態様によれば、前記球体は、3個以上の複数で構成されるマイクロバルブが、前記マイクロ流路に沿って1列に配置されている、第1又は2の態様に記載のマイクロバルブを提供する。
前記態様によれば、前記球体及び前記凹部の形状不良などにより、バルブ開閉機能が低下し、流体がリークした場合でも、前記球体が2個で構成された場合以上に、前記球体が3個以上で構成された場合、更に流体の前進、及び停止の制御に確実性が増す。
□以下、本発明を、一実施形態を用いて、図面を参照しながら具体的に説明する。
□(第1実施形態)
図1Aは、本発明の第1実施形態におけるマイクロバルブの一例としてのバルブ機構100のバルブ開状態での断面構造を示す図であり、図1Bはバルブ機構100を上から見た図である。図2は、バルブ機構100のバルブ閉状態での断面構造を示す図である。
バルブ機構100は、球体1と、一対の球体ステー1aと、弾性膜2と、マイクロ流路3である凹部を有する筐体33と、ピストン5と、ピストン制御部6とを備えて、マイクロ流路3を開閉する。一対の球体ステー1aは支持部の一例として機能する。弾性膜2は弾性体部の一例として機能する。ピストン5はアクチュエータの一例として機能する。ピストン制御部6は、制御部の一例として機能する。
球体1は、少なくとも下部に球面1bを有する。球体1の一例としては、真球の樹脂又は金属などである。球体1は、流路3の直上に、一例として、流路幅方向の中央部に、弾性膜2と接触するように配置されている。球体1の直径は、流路3の幅の値より小さい。
一対の球体ステー1aは、両側から球体1と接続されかつ球体1を上下運動可能に支持している。図1A及び図1Bでは、各球体ステー1aは、一例としてL字状に屈曲しているが、球体1を少なくとも上下運動可能、一例としては球体1を上下及び前後左右に移動の可能に支持できれば、このような形状に限られるものではなく、湾曲していてもよい。
一対の球体ステー1aは、例えば球体ステー1aの材料自体の弾性力により、球体1を流路3から離した上端位置に常時位置するように上向きに付勢し、何らかの外力が球体1に作用すれば、球体ステー1aの付勢力に抗して球体1を流路3に押し付けることができるように構成している。一例として、一対の球体ステー1aは流路3の長手方向と直交する方向沿いに球体1を支持して、球体1の上下運動が、流路3の長手方向と直交する方向沿いとしている。また、球体ステー1aの付勢力により、球体1が少々ずれて下降したとしても、球体ステー1aの弾性力で所定の初期位置に自動的に復元することができるように構成している。
なお、図1C及び図1Dに示すように、球体1を1本のみの球体ステー1aで片持ち支持するようにしてもよい。このように構成すれば、球体ステー1aが1本で良くなり、部品点数を少なくすることができる。
バルブ筐体33は、一例として、第1の平面3cを上端に有し、第1の平面3cに、球体1の下方に位置するマイクロ流路である流路3を直線状に有する板状部材である。流路3は、上面が開口しており、その中を流体が流れる。流路3の縦断面形状は、球体1の下部の球面1bと同じ曲率半径の湾曲面を形成しており、弾性膜2を介して球面1bが流路3の内面に密着して、凹部である流路を閉鎖可能となっている。
詳しくは、流路3の縦断面形状は、流路底面3aと、流路側面3bとで規定されている。流路3の流路底面3aは、球体1の球面1bと同じ曲率半径を有し、流路3の流路側面3bは、平面である。球体1の下向きの運動により、弾性膜2の下面2aが流路3の流路底面3aと接しているときに、弾性膜2の下面の流路3の流路側面3bと接する部分に対向する上面の部分(すなわち、球体1の周囲の部分に対応する部分)2bは、球体1と接触しないように、流路側面3bは、球体1から離れる方向に傾きを有する平面(切断面の場合は直線)により構成される。すなわち、流路側面3bは、流路底面3aと同様の曲率半径を有する面よりも、曲率半径を規定する中心から遠ざかるように位置する。
流路3の縦断面形状において、流路底面3aと平面3bとの変更点は、球体1の半径をr、弾性膜2の厚さtとするとき、凹部3の流路底面3aの下端位置61からr(1−3^(1/2)/2)+tの距離の位置62を起点として、流路3の流路底面3aの下端位置61から(5/6)r+tの高さの位置63までを終点とする範囲内に位置している。これについては、後で詳細に説明する。このように構成すれば、球体1の球面1bで弾性膜2を押圧して、球体1と共に弾性膜2が流路3内に入り込んだとき、弾性膜2で凹部3の流路を、流体漏れがなく、確実に閉塞することができる。
流路3の流路を流れる流体4の液体材料の具体例としては、0.5μMのビオチン修飾DNA、10mg/mLのストレプトアビジン修飾磁性ビーズ、数10μLの緩衝液(緩衝液は、5mMのTris−HCl,pH7.5でかつ1MのKClとの混合液)、又は、数mLの純水が例示できる。
弾性膜2は、流路3を上側から被覆するように張力によって張られて筐体33に固定されている。弾性膜2は、流体が流れる流路3の深さ以下の厚さとしている。よって、弾性膜2は、上面が球体1の下部と常時接触し、球体1の押圧下降時には、弾性変形により流路3内に湾曲して入り込んで流路3の流路底面3aなどに密着して流路3を密閉するように、筐体33の第1の平面3c上に配置されている。球体1の上端位置では、弾性膜2の上面と球体1の下端とが接触しているが、流路3は開いており、バルブ開の状態である。一方、球体1の下端位置では、球体1により弾性膜2が押圧されて流路3内に入り込み、凹部3を閉塞しており、バルブ閉の状態である。弾性膜2は、球体1の押圧下降が解除されると、弾性膜2自体の弾性力で元の位置まで戻ることにより、バルブ開の状態とすることができる。
球体1と、流路3を構成するバルブ筐体33とは、それぞれ、例えば、樹脂又は金属などで形成されている。球体1とバルブ筐体33との、より具体的な材料としては、PDMS(ジメチルポリシロキサン(dimethylpolysiloxane))、PC(ポリカーボネート(polycarbonate))、又は、アクリル樹脂(acrylic resin)などが例示できる。1つの実施例では、ポリカーボネートで球体1とバルブ筐体33とを形成した。球体1とバルブ筐体33との材料としては、タンパク阻害剤の影響、及び、接着の容易さから、PDMSを採用することもできる。球体ステー1aの材料は、弾性体であることが望ましく、PDMS、PC、アクリル樹脂などが例示できるが、球体1と同様の材料で形成されると製造上容易に形成できる場合がある。
弾性膜2は、例えば、シリコーン等のような収縮可能な素材で作成されている。なお、弾性膜2としては、シリコーンと成分が殆ど同じ、シリコーンの1種であるPDMSも使用可能である。弾性膜2の厚さの一例としては50μmであり、筐体33の厚さの一例としては3000μmである。
ピストン5は、球体1の上端部と接触するように例えば球体1の直上に配置された形状記憶金属性の円柱部材であり、かつ制御部6による加熱又は冷却制御により、形状記憶金属製のピストン5を上下方向に伸縮させる。このピストン5が下方向に伸びることにより、球体1を下向きに押圧してバルブ閉状態とする。一方、ピストン5が上方向に縮むことにより、球体1の下向きの押圧を解除してバルブ開状態とする。このように、ピストン5の上下方向の伸縮により、バルブ開閉制御している。
流路3に流れる流体4は、流路である凹部3と弾性膜2との間に挟まれた空間の中で流れる。流体4は、図1BのEからF方向、又はFからE方向へ流路3に沿って流れる。弾性膜2は、流路3上に張力が加わって引っ張られた状態で流路3内に弛むことなく、筐体33の第1の平面3cに固定されている。すなわち、弾性膜2は、流路3の第1の平面3cと密着設置されており、流路3に形成された流路底面3aと、平坦な流路側面3bとにより流体4が流される空間を確保している。流路3に流される流体4は、流路3の周囲が弾性膜2で密閉されて、流体の入口と出口以外からは流体4は流れ出ない構造となっている。
球体1は、弾性膜2を介して流路3上に、1つ又は、複数設置される。球体1が複数設置される場合には、各球体1は、流路3に沿って直線上に間隔をあけて設置される。図3Aは、別の変形例として、球体1が2つ、流路3に沿って直線上に設置された場合を表した平面図である。この図3Aの別の変形例の場合、図3B及び図3Cに示すように、2つの球体1は、Y字状の球体ステー1aaの先端にそれぞれ接続され、Y字状の球体ステー1aaの基部が矩形枠状部1dに連結されている。Ψ字状の球体ステー1acは一直線ではなく屈曲又は湾曲した構造となっている。さらに、図3Dに示すように、2つの球体1は、Y字状の球体ステー1aaとは90度異なる方向から、別の屈曲した球体ステー1abで矩形枠状部1dに連結するようにしてもよい。いずれの場合でも、前後左右上下に自由に動くことが出来る様に、Y字状の球体ステー1aa及び別の球体ステー1abは一直線ではなく屈曲又は湾曲した構造としている。
また、図4Aは、さらに別の変形例として、球体1が3つ、流路3に沿って直線上に設置された場合を表した平面図である。この図4Aのさらに別の変形例の場合、図4B及び図4Cに示すように、3つの球体1は、Ψ字状の球体ステー1acの先端にそれぞれ接続され、Ψ字状の球体ステー1acの基部が矩形枠状部1dに連結されている。中央の球体1は、Ψ字状の球体ステー1acとは90度異なる方向から、別の直線状の球体ステー1adが突出して、両端の球体1に接続されている。さらに、図4Dに示すように、両端の球体1は、別の直線状の球体ステー1adと同軸方向沿いに、さらに別の直線状の球体ステー1aeで矩形枠状部1dに連結するようにしてもよい。いずれの場合でも、前後左右上下に自由に動くことが出来る様にしている。各球体ステーは、図示を簡略化するために直線状に示しているが、具体的な例としては、屈曲又は湾曲した形状とする。また、剛性が強くフレキシブルに動作出来にくい場合には、球体ステー1ae又は球体ステー1acのいずれか又はその一部を省略してもよい。
このような構成によれば、複数球体1を配置する事により、筐体凹部に位置ズレ無く配置する確率を向上させることができる。
図5は、第1実施形態のバルブ機構100を装着したマイクロチップ91を示す図である。マイクロチップ91は、マイクロチップ91の筐体33B内に、上方に突出した円筒状部1eとして設けられた入口側開口Iと、入口側開口Iと連通した空間チャンバーXと、上方に突出した円筒状部1eとして設けられた出口側開口Oと、出口側開口Oと連通したチャンバーYと、チャンバーXとチャンバーYとを結ぶ直線状の流路3とを備えている。流路3の長手方向の中間部の上方には、第1実施形態のバルブ機構100が設置されている。球体1を支持する一対の球体ステー1aのそれぞれの基部は、矩形枠状部1dに連結されている。矩形枠状部1dの下端は、板状の球体ステープレート1cに固定されている。球体ステープレート1cは、筐体33Bの上面及び筐体33Bの上面上の弾性膜2を覆っている。球体ステープレート1cは、筐体33Bと同じ材料で構成されていてもよい。
流体4をマイクロチップ91に挿入し又はマイクロチップ91から挿出するには、チャンバーXの上部に円筒状部1eで突出して設けられた入口側開口Iから挿入し、チャンバーYの上部に円筒状部1eで突出して設けられた出口側開口Oから挿出する構造となっている。流路3を流れる流体4は、入口側開口I又は出口側開口O以外からは、流体4が漏れ出ない構造となっている。マイクロチップ91に装着されている第1実施形態にかかるバルブ機構100のA−A’線の断面構造と、流路3のB−B’線の断面構造と、チャンバーX又はチャンバーYの部分のC−C’線の断面構造とを、それぞれ、図6、図7、図8に示す。
球体1は、バルブ機構100上で、図9Aに示すC又はD方向に動作させて作動したときに、前後左右上下に自由に動くことが出来る様に、一直線ではない屈曲又は湾曲した構造の球体ステー1aで支えられている。この球体ステー1aは、1つ又は複数個で構成されている。図6に示すように、球体ステー1aは、弾性膜2上に設けられた球体ステープレート1cより支えられた構造となっている。球体ステー1aは1つの球体1に対し、1つ又は複数個で構成されている。球体1は、図2では1つで表現されているが、図3、図4の様に2つ、又は3つと複数設けてもよい。その場合、流路の流れ方向と同一方向に配置され、それぞれの球体1は、独立して前後左右に動作可能な状態となっている。また、球体1の設置位置は、弾性膜2のすぐ直上にあり、流路の流れと垂直方向の幅方向のほぼ中心に配置されている。前記球体1である効果として、下記に示す効果2及び効果3で具体的に実験結果を示す。
流路3の流路底面3aは、前述したように、球体1と一部が同じ曲線形状で形成され、またこの曲線は、すべてが球体1と同じ形状ではなく、上方に形成する途中より、球体1から離れる上方向に広がるような平面で形成された流路側面3bが形成されている。流路側面3bは、球体1の球面1bと同形状部分の流路底面3aから、外側に広がるような平面で形成された流路側面3bは、流路底面3aの境目では段差無く、滑らかに形成されている。流路側面3bのさらに広がった先には、第1の平面3cがあり、第1の平面3cは、弾性膜2の下面と常に接触した状態となっており、流路3に流れる流体4は浸入しない構造となっている。前記流路3の流路底面3aと流路側面3bとのこのような特徴による効果として、下記に示す効果1に具体的に実験結果として示す。
バルブ機構100を動作させるアクチュエータの具体的な一例として、図9Aに示すように、球体1にC又はD方向に作用する円柱形状のピストン5が設置されている。ピストン5は、球体1の直上に配置され、C又はD方向に作用することにより、球体1は、同時にC又はD方向に移動が可能となる。図9Bは、ピストン5を、バルブ機構100に設置したとき、上から見た図である。ピストン5は、円柱の中心と、球体1の中心とが同一な場所に設置されるのが理想であるが、ピストン5は底面が平らな円柱構造になっているため、球体1とピストン5との位置が中心でなく、ピストン5の底面内でズレが生じても、球体1をC方向に作用させることが可能である。
バルブ機構100の開閉動作を行う場合、ピストン5がC方向に動作することにより、球体1はC方向(すなわち、図9Aの下向き)に力が加わり、C方向に押される。
球体1は、ピストン5によりC方向に押されたことにより、弾性膜2が同時にC方向に押される。押された弾性膜2は、収縮性があるため、球体1によりC方向に伸びながら押される。球体1の設置場所は、流路3の流路幅方向の真ん中に設置されるのが理想であるが、そうでない場合でも、前記したように流路底面3a及び流路側面3bは傾斜が掛かっているとともに球体1が球体ステー1aにより前後左右に移動可能であるため、ピストン5で押された球体1は、流路幅の真ん中に最終的に収まる構造に工夫されている。
球体1によりC方向に押された弾性膜2は、流路3の流路底面3a又は流路側面3bと接触する位置まで押され、弾性膜2の一部は球体1と流路3の流路底面3aとで挟まれた状態で止まり、一部のみ弾性膜2に接触している。
弾性膜2は、流路側面3bは、斜め上方に平面で形成されていたため、弾性膜2が流路底面3aで接触した部分から、第1の平面3cに張力を持って張られており、弾性膜2と、流路側面3bは接触した状態となる。第1の平面3cと、弾性膜2とは初めから接触した状態であったため、流路底面3aと流路側面3bとで構成される流路3と、弾性膜2との間には空間が無くなり、バルブ機構100の閉状態を作成できる。この状態を表した断面図が、先の図2である。
バルブ機構100の開状態は、ピストン5がD方向に動作されたとき、球体1は、球体ステー1aの自力によりD方向に動き、元の位置に戻る。また、弾性膜2は、球体1が元の位置に戻ることにより、弾性膜2は張力が働いていたため、再び流路3の接触状態から離れ、流路底面3a、流路側面3b、からは離れ、流路3には空間が出来、第1の平面3cと同レベルに近い状態に戻る。この状態では、流体の通路が出来るため、バルブ機構100の開状態に戻る。この状態を表した断面図が、図9Aである。
前記したように、流路3の縦断面形状において、球体1の半径をr、弾性膜2の厚さをtとするとき、流路3の流路底面3aの下端位置61からr(1-3^(1/2)/2)+tの距離の位置62を起点として、流路3の流路底面3aの下端位置61から(5/6)r+tの高さの位置63までを終点とする範囲内に、流路底面3aと平面3bとの変更点が位置するとする。その理由について、図10A及び図10Bを参照しながら、以下に説明する。
まず、球体1と弾性膜2との接触範囲のうち、流路底面3aの下端位置61からの最大接触位置としては、球体1の最低点tから(5/6)r+tの高さの位置63まで接する。
ここで、弾性体2により狭められた部分を除く流路3の半分の幅は、図10Aより、流路3の中心FOから(a+b)の長さである。ここで、aは球体1の中心から弾性体2が接触している所までの幅であり、bは弾性体2により狭められた部分を除く流路3の幅から球体1と弾性体2の接触している幅を引いて2で割った値である。これをr(=球体1の半径)及びθ(=球体1と弾性体2の接触している最上面の点と中心FOを結ぶ線と、水平面とで形成される角度)で定義すると、以下となる。
θ=180/π×arcsin(1/6) ・・・式(1)
であるため、
cosθ=a/rとなる。よって、
a=r×cosθ
式(1)を代入すると、
a=r×cos(180/π×(arcsin(1/6))・・・・式(2)
(≒r×0.986013 ・・・式(2)')
また、bとθの関係は、
tanθ=b/((1/6)r) ・・・式(3)
b=(1/6)r×tanθ
式(1)を式(3)に代入すると、
b=(1/6)r×tan(180/π×arcsin(1/6)) ・・・式(4)
(≒r×0.02817 ・・・式(4)' )
更に、弾性膜2の最大化開口部の水平方向距離は、角度θが付いているので、
t/cosθとなる。
よって、流路の半分の幅は、
a+b+t/cosθ
=r×cos(180/π×(arcsin(1/6))+(1/6)r×tan(180/π×arcsin(1/6)) t/cos(180/π×arcsin(1/6))
(≒r×1.014183+1.014t)
となる。
最小接触場所は、流路底面3aの下端位置61から、r(1-3^(1/2)/2)+tの位置まで接する。ただし、r=球体1の半径、t=弾性膜2の厚さとする。
流路3の幅(弾性膜2の厚さで狭まった幅は含まない)は、図10Bより中心から2rの幅である。
(弾性膜2の厚さを含まない)流路3の幅は、図10Bより中心から2r+t(3^(1/2))の幅である。ただし、弾性膜2の厚さtは、t≒(1/6)rとする。
<効果1>
前記したように、流路3の流路底面3aの形状は、一部は球体1の球面1bと同形状であり、その他の流路側面3bは平面で形成されている。
このように、流路側面3bが平面であることにより、球体1によって押された弾性膜2に負荷が掛かることなく、流路3に流れる流体4を少ない力で堰き止めることが出来る。以下、これについて説明する。
たとえば、球体1と同形状の流路底面3aと滑らかに接続されているが、流路側面3bが平面ではなく、図11Aの様に下に凸の湾曲した形状6bである場合、及び、図11Bの様に上に凸の湾曲した形状6cである場合では、球体1によって押された弾性膜2に負荷が掛かるため、球体1を押す力としては、流体4を少ない力で堰き止めることが出来ない。
この流路側面の違いを確認した比較実験を実験1とする。
実験1では、第1実施形態の形状である流路側面3bが平面である場合の他に、流路側面が上に凸の湾曲した形状を持った流路側面6b(図11A参照)である場合と、流路側面が下に凸の湾曲した形状を持った流路側面6b(図11B参照)である場合との3つの場合における比較実験を行い、その結果を、図12示す。
実験1の方法として、流路3の断面積が同じとし、第1実施形態にかかる流路側面3bの形状が平面の流路と、上に凸の湾曲した形状を持った流路側面6b(図11A参照)と、流路側面が下に凸の湾曲した形状を持った流路側面6c(図11B参照)との3種類の筐体を作成した。各3種類の流路3に、同じ形状の球体1を上下可能なバルブ機構として設置し、ピストン5を用い、バルブ機構を閉状態にしておく。この状態で、各流路3の入口側開口Iから水圧力を加えた状態にする。ピストン5に力を加え、流路3に流れる流体が無くなるまでのピストン5の力を測定し、そのピストンの力がこの流路における限界値とし、その値を比較した。この比較には、各流路3の入口側開口Iから水圧力を加える水圧の圧力は、0.005(Mpa)、0.007(Mpa)0.01(Mpa)の3種類行っている。
各流路3の入口側開口Iにかかる力0.005(MPa)の場合、上に凸の湾曲した形状を持った流路側面6bでは、1.38(N)であり、また流路側面が下に凸の湾曲した形状を持った流路側面6cでは1.32(N)であったのに対し、第1実施形態にかかる流路3bが平面の場合では、1.29(N)と少ないピストン5の力でバルブ機構が閉状態にすることが出来た。
同様に、各流路3の入口側開口Iにかかる力を0.007(MPa)の場合と、0.01(MPa)との場合とで圧力を変え、同様の実験を行った。が、第1実施形態にかかる流路側面3bが平面の場合の流路が、ピストン5の力が最も小さい状態で流路を堰き止めることが出来る結果が得られた。流路側面3bが上方に広がるような平面で形成されることにより、弾性膜2に負荷が掛からない形状でバルブが堰き止められる工夫がされていたことが、この実験結果の図12に示されている。
<効果2>
流路3の流路底面3aは、球体1の球面1bと一部分が同じ形状で形作られるが、流路側面3bは、球体1と同じ形状ではなく、真直ぐに広がるような平面で形成されており、球体1と、弾性膜2と、流路底面3aとが連続して接している部分51(図2の参照符号51を参照)と、弾性膜2と流路側面3bとが接していて、球体1が接していない部分52(図2の参照符号52を参照)を有するように構成している。
このような構成のバルブ機構100では、球体1の球面1bで押されて弾性膜2が接触している流路底面3aと、球体1の球面1bでは押されていないが弾性膜2が接触している第1の平面3cとの間で、弾性膜2が引っ張られて流路側面3bと接触することにより流路3を塞ぎ、バルブ機構100の閉状態を作り出す。
このように、弾性膜2と流路側面3bとが接していて、球体1が接していない部分52を有する効果を、弾性膜2と流路側面3bと球体1とが連続して接している部分のみを有するバルブ機構と比較した実験結果を、図17及び図18に示す。
効果2での比較実験では、弾性膜2と流路底面3aと流路側面3bとは全て接触する部分のみを持つような構成の、球形状ではなく流路幅方向沿いに長いラインバルブ7a,7b、7cを図13、図16A、図16Bに示すように形成し、弾性膜2と流路側面3bとが接していて、球体1が接していない部分52を有する第1実施形態にかかるバルブ機構100の球体1との比較実験を行った。ラインバルブ7a,7b、7cを使用したときのバルブ機構の断面図を図13に示し、上部から見た状態を図14に示す。なお、図13及び図14は、代表的な例としてラインバルブ7aについて図示しているが、ラインバルブ自体の縦断面形状を除いて、ラインバルブ7b、7cも同様である。
ラインバルブ7a,7b、7cが弾性膜2とそれぞれ接触する形状は、流路3の流路底面3aと、流路側面3bと、第1の平面3cの一部と同じ形状で作成した。使用する流路は、効果1で使用した、流路側面3bが平面と、流路側面が上に凸の湾曲した形状を持った流路側面6bと、流路側面が下に凸の湾曲した形状を持った流路側面6cとにそれぞれ合わせるため、それぞれ、流路側面3bが平面に対応した平面部7dを有するラインバルブ7a(図15参照)と、流路側面が上に凸の湾曲した形状に対応した湾曲凹部7eを有するラインバルブ7b(図16A参照)と、流路側面が下に凸の湾曲した形状に対応した湾曲凸部7fを有するラインバルブ7c(図16B参照)とをそれぞれ作成して比較した。
各ラインバルブ7a,7b、7cと球体1とは、それぞれ,ピストン5で下向きのC方向に押され、押された弾性膜2は、図15の様に、流路3が接触するまでC方向に下げられ、バルブ機構の閉状態を作り出す。この状態で、効果1のように、各流路3の入口側開口Iから水圧力を加えた状態にする。ピストン5に力を加え、流路3に流れる流体が無くなるまでのピストン5の力を測定し、そのピストン5の力がこの流路における限界値とした。この比較には、各流路3の入口側開口Iから水圧力を加える水圧の圧力は、0.005(Mpa)、0.01(Mpa)0.012(Mpa)の3種類行っている。
球体1で押さえたときは、バルブ機構100は、流路形状が平面である状態の流路3において、流入される水圧が0.005(Mpa)のとき、1.29(N)で流入した流体を制止できたのに対し、ラインバルブ7aでは、ピストン5で2.13(N)の力が、流体を制止するまで必要であった。この結果より、弾性膜2を部分的に押さえる第1実施形態にかかるバルブ機構100の方が、少ない力で流体を抑制できる結果が得られた。
同様に、上に凸の湾曲した形状を持った流路側面6bとそれに則したラインバルブ7b、及び、流路側面が下に凸の湾曲した形状を持った流路側面6cとそれに則したラインバルブ7cでの比較と、それぞれのバルブ形状で、流路を流れる水圧0.001、0.012(Mpa)でも確認したところでも、全てにおいて球体1でバルブ機構を持たせたほうが、少ない力で、流入する水圧を抑えられる結果が得られた。
第1実施形態にかかるバルブ機構100では、流路側面を平面として、球体によって押された弾性膜2に負荷が掛からないようにして、部分的に弾性膜2を押さえる機構の方が、弾性膜2に負荷が掛からず、C方向に力が効率良く加わり、流路3に流れる流体4を制御できることが確認された。
<効果3>
弾性膜2を押さえる球体1は、1つに限らず、複数個あってもよい。球体1が複数個ある場合、バルブ機構の効果がより効率的に高まることを確認する。
実験3では、球体1の個数の違いで、バルブ機構の能力が異なることを確認した実験結果を示す。
第1実施形態にかかる構造の、流路側面3bの形状が平面の流路3に、球体1が1つ、2つ、3つ備えている3種類の形態のバルブ機構の効果を確認した。3種類のバルブ機構の形態は、それぞれ、図2、図3、図4で示す。複数個の場合、各球体1はそれぞれ独立して上下左右前後に動くことが可能となるように一対の球体ステー1aで両側から支持する構造としている。球体1を押さえるピストン5は、ピストン5の一つの円柱の円形底面で、1つ、2つ、3つの全ての球体1を押さえられるように円柱の大きさを異ならせている。
バルブ機構の確認方法は、効果1及び効果2と同様に、ピストン5でC方向に押され、押された弾性膜2は、図9Aの様に、流路3が弾性膜2と接触するまでC方向に下げられ、バルブ機構の閉状態を作り出す。この状態で、効果1のように、各流路3の入口側開口Iから水圧力を加えた状態にする。ピストン5に力を加え、流路3に流れる流体が無くなるまでのピストン5の力を測定し、そのピストンの力がこの流路における限界値とした。また、各流路3の入口側開口Iから水圧力を加える水圧の圧力は、0.005(Mpa)、0.007(Mpa)0.01(Mpa)の3種類行い、各流路での実験結果を、図19及び図20に示す。
球体1が1つの場合、流路3に0.005(Mpa)で流入する水圧を、ピストン5で10.90(N)でバルブ機構の閉効果を出せるのに対し、球体1が2つの場合は、ピストン5は1.38(N)の力でバルブ機構の閉効果を出せ、更に球体1が3つの場合は、ピストン5は0.21(N)の力でバルブ機構の閉効果を出せる事を確認できた。すなわち、球体1の設置数を多くすればするほど、少ない力で、流入する水圧を抑えられる結果が得られる事が確認できた。
前記実施形態によれば、バルブ開閉用の制御力と横方向の流路3にかかる流体の力とが直角に交わる場合に、流路側面3bが平面であることにより、球体1によって押された弾性膜2部に負荷が掛かることなく、小さな力でバルブ開閉機能を駆動することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、カム構造で球体1を押し込んでも良いし、液体を使用する容器に限定するのではなく、気体を供給及び停止するためのバルブなどにも応用できる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明にかかるマイクロバルブは、球体によって押された弾性体部に負荷が掛かることなく、小さな力でバルブ開閉機能を駆動することができて、マイクロデバイス及びマイクロチップに含まれるマイクロバルブに有用であると共に、より一般的に流体を用いるデバイスにも有用である。
1 球体
1a 球体ステー
1aa Y字状の球体ステー
1ab 別の球体ステー
1b 球面
1c 球体ステープレート
1d 球体ステー支持部
1e 円筒状部
2 弾性膜
2a 弾性膜の上面
2b 弾性膜の下面の凹部の側面と接する部分に対向する上面の部分
3 流路
3a 流路底面
3b 流路側面
3c 第1の平面
4 流体
5 ピストン
6 ピストン制御部
6b 上に凸の湾曲した形状を持った流路側面
6c 下に凸の湾曲した形状を持った流路側面
7a,7b,7c ラインバルブ
7d 平面部
7e 湾曲凹部
7f 湾曲凸部
33 筐体、
51 球体と弾性膜と流路底面とが連続して接している部分
52 弾性膜と流路側面とが接していて、球体が接していない部分
100 バルブ機構
91 マイクロチップ
I 入口側開口
O 出口側開口
X チャンバー
Y チャンバー

Claims (3)

  1. マイクロ流路を開閉するマイクロバルブであって、
    少なくとも下部に球面を有する球体と、
    前記球体と接続され、かつ前記球体が上下運動を可能に支持する支持部と、
    前記球体の上部と接触するように配置され、かつ伸縮することにより前記球体を上下運動させるアクチュエータと、
    前記球体の下部に位置する前記マイクロ流路である凹部を有する第1の平面を備えるバルブ筐体と、
    前記球体の前記下部と接触し、かつ前記凹部を覆うように、前記第1の平面上に配置される弾性膜とを具備し、
    前記凹部は、湾曲底面と、側面とで規定されており、
    前記凹部の前記湾曲底面は、前記球体の前記球面と同じ曲率半径を有し、
    前記凹部の前記側面は、平面であり、
    前記凹部の縦断面形状において、前記湾曲底面と前記平面との変更点は、前記球体の半径をrとするとき、前記凹部の前記湾曲底面の下端位置からr(1-3^(1/2)/2)の距離の位置を起点として、前記凹部の前記湾曲底面の前記下端位置から(5/6)rの高さの位置までを終点とする範囲内に位置する、マイクロバルブ。
  2. 前記球体は、複数個で構成される、請求項1に記載のマイクロバルブ。
  3. 前記球体は、3個以上の複数で構成されるマイクロバルブが、前記マイクロ流路に沿って1列に配置されている、請求項1又は2に記載のマイクロバルブ。
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