JP2008131716A - 電源バックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の電源バックアップ装置では、キャパシタ部3が電源1に直接接続されているので、突入電流により周辺回路に悪影響を及ぼすことが心配され、突入電流を防ぐために制限抵抗を介在させた場合はロスが発生し消費電力が大きくなる。
【解決手段】電源1から電力供給対象2への方向が順方向の第1ダイオード50からなる主系回路5と、電源1からの入力電圧を所定電圧に降圧し安定化するレギュレーション部60、制限抵抗4、キャパシタ部3、及びキャパシタ部3から電力供給対象2への方向が順方向の第2ダイオード61からなる補系回路6とを、電源1と電力供給対象2との間に並列に介在させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源瞬断時に電源バックアップを行う電源バックアップ装置に関し、特に、全体を主系回路と補系回路とに分け、レギュレーション部、制限抵抗、及びキャパシタ部を補系回路に組み込むとともに、ダイオードを用いて主系回路と補系回路とをOR回路とすることで、突入電流の発生を防ぎつつ、電源正常時の消費電力を小さく抑えることができる新規な改良に関するものである。
図2に示す構成は社内技術で特に特許出願していないため文献名を挙げていないが、従来用いられていたこの種の電源バックアップ装置は図2に示す構成となっている。すなわち、電源1と電力供給対象2との間、すなわち電力供給対象2の入力部分に容量の大きなキャパシタ部3を組み込み、電源1からの入力電圧Vinでキャパシタ部3を充電しておくことで、電源瞬断時にもキャパシタ部3の電力が電力供給対象2に供給される。
上記のような従来の電源バックアップ装置では、キャパシタ部3は電源1に直接接続されているので、電源投入時に突入電流が流れ込み、特に、入力電圧が高い場合にはその突入電流が過大となり、例えば接点等の周辺回路に悪影響を及ぼすことが心配される。また、突入電流を防ぐために、電源1とキャパシタ部3との間に制限抵抗4を介在させた場合、電流が常時流れるので、ロスが発生し消費電力が大きくなる。
本発明に係る電源バックアップ装置は、電源と電力供給対象との間に介在され、前記電源から前記電力供給対象への方向が順方向の第1ダイオードからなる主系回路と、前記電源からの入力電圧を所定電圧に降圧するレギュレーション部、前記レギュレーション部に接続された制限抵抗、前記制限抵抗を介して前記レギュレーション部に接続されたキャパシタ部、及び前記キャパシタ部に接続され前記電力供給対象への方向が順方向の第2ダイオードからなり、前記電源と前記電力供給対象との間で前記主系回路に並列に接続された補系回路とを備え、前記電源が正常な場合、前記電源の入力電圧である前記主系回路の第1出力電圧が前記第1ダイオードを経て前記電力供給対象に供給され、前記電源に瞬断が発生した場合、該瞬断によって前記補系回路の第2出力電圧が前記主系回路の第1出力電圧よりも高くなり、該第2出力電圧が前記第2ダイオードを経て前記電力供給対象に供給されバックアップが行われる構成としたことを特徴とする電源バックアップ装置。
また、前記レギュレーション部は、シャントレギュレータが用いられたレギュレーション回路である。
本発明の電源バックアップ装置によれば、前記電源が正常な場合、前記電源の入力電圧である前記主系回路の第1出力電圧が前記第1ダイオードを経て前記電力供給対象に供給され、前記電源に瞬断が発生した場合、該瞬断によって前記補系回路の第2出力電圧が前記主系回路の第1出力電圧よりも高くなり、該第2出力電圧が前記第2ダイオードを経て前記電力供給対象に供給されバックアップが行われるので、電源正常時に補系回路に流れる電流を小さく抑えることができ、突入電流の発生を防ぎつつ、電源正常時の消費電力を小さく抑えることができる。
また、前記レギュレーション部は、シャントレギュレータが用いられたレギュレーション回路であるので、自由に電圧を設定できるとともに精度が良く、さらに部品点数も少なく抑えることができ、コストを抑えつつ、必要な条件により柔軟に対応できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による電源バックアップ装置を示す回路図である。なお、従来の電源バックアップ装置と同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。図において、電源1と電力供給対象2との間には、主系回路5と補系回路6とが介在されており、それら主系回路5と補系回路6とは互いに並列に接続されている。主系回路5は、前記電源1から前記電力供給対象2への方向が順方向の第1ダイオード50から構成されている。
補系回路6は、前記電源1からの入力電圧Vinを所定電圧に降圧し安定化するレギュレーション部60、このレギュレーション部60に接続され突入電流を抑える制限抵抗4、この制限抵抗4を介して前記レギュレーション部60に接続され蓄電するキャパシタ部3、及び前記キャパシタ部3に接続され前記電力供給対象2への方向が順方向の第2ダイオード61から構成されている。尚、前記レギュレーション部60は、例えばTL431等のシャントレギュレータ603(プログラマブルシャントレギュレータ)が用いられたレギュレーション回路であり、詳細に説明すると、電源1がコレクタに接続されたトランジスタ600と、このトランジスタ600のエミッタとグラウンドとの間に接続された第1及び第2抵抗601,602と、カソードが前記トランジスタ600のベースに接続されるとともに、アノードが前記グラウンドに接続され、リファレンスが前記第1抵抗601と前記第2抵抗602との間に接続されたシャントレギュレータ603と、前記トランジスタ600のコレクタと前記シャントレギュレータ603のカソードとの間に接続された第3抵抗604と、前記第1及び第2抵抗間601,602と前記前記シャントレギュレータ603のカソードとの間に接続されたキャパシタ605とから構成されている。前記制限抵抗4及び前記キャパシタ部3は、前記第1及び第2抵抗601,602に並列に接続されている。
次に、作用について説明する。ここで、主系回路5の出力電圧を第1出力電圧Vout1とし補系回路6の出力電圧を第2出力電圧Vout2とすると、電源1が正常な時には、第1出力電圧Vout1は前記電源1からの入力電圧Vinであり、Vout2はキャパシタ部3の充電電圧である。尚、周知のように第1及び第2ダイオード50,61でも電圧降下が発生するが、ここでは該電圧降下を無視して説明する。キャパシタ部3の充電電圧は、入力電圧Vinがレギュレーション部60及び制限抵抗4で降圧された後の電圧であるので、電源1が正常な時にはVout1>Vout2となる。ここで、2つの回路5,6が第1及び第2ダイオード50,62によってOR回路となっている。従って、電源1が正常であり、キャパシタ部3が充電された後には、第1出力電圧Vout1が電力供給対象2に印加される。レギュレーション部60の出力電圧Vrは、次の式によって表すことができる。但し、R1は第1抵抗601の抵抗値、R2は第2抵抗602の抵抗値、Vrefはシャントレギュレータ603のリファレンスに印加される電圧値である。
Vr={1+(R1/R2)}×Vref
尚、Vout2は電力供給対象2の作動に影響を及ぼさない程度に設定される。
これに対して、電源1に瞬断が発生した場合、該瞬断によって前記補系回路6の第2出力電圧Vout2が前記主系回路5の第1出力電圧Vout1よりも高くなり、該第2出力電圧Vout2が前記第2ダイオード61を経て前記電力供給対象2に供給されバックアップが行われる。すなわち、キャパシタ部3にチャージされた電荷分の電力が供給され、瞬断に対して短時間のバックアップが行われる。尚、実施の形態1では、レギュレーション部60は、シャントレギュレータ603を用いたレギュレーション回路であると説明したが、例えばツェナーダイオードを用いたレギュレーション回路等も適用可能である。
このような電源バックアップ装置では、電源1が正常な場合、前記電源1の入力電圧Vinである前記主系回路5の第1出力電圧Vout1が前記第1ダイオード50を経て前記電力供給対象2に供給され、前記電源1に瞬断が発生した場合、前記補系回路6の第2出力電圧Vout2が前記主系回路5の第1出力電圧Vout1よりも高くなり、該第2出力電圧Vout2が前記第2ダイオード61を経て前記電力供給対象2に供給されバックアップが行われるので、電源1正常時に補系回路6に流れる電流を小さく抑えることができ、突入電流の発生を防ぎつつ、電源正常時の消費電力を小さく抑えることができる。
具体的には、従来装置のように電源ラインに制限抵抗4を入れた場合、その部分で電流に比例した電圧降下が生じてしまいロスとなるが、この実施の形態の装置では、主系回路5での発生する電圧降下はダイオード50の順方向電圧0.6V程度であり、抵抗4でのロスに比べ少ない。さらに、制限抵抗4の作用に加えて、キャパシタ部3の入力をレギュレーションするので、耐サージにすぐれ、突入電流をより確実に減らすことができる。従って、この電源バックアップ装置は、信頼度が要求される電子機器(航空用途等)、入力電圧が不安定な回路、及び負荷変動が大きい電源回路に特に有効である。
また、レギュレーション部は、レギュレーション部60は、シャントレギュレータ603を用いたレギュレーション回路であるので、例えばツェナーダイオードを用いたレギュレーション回路等に比べて自由に電圧を設定できるとともに精度が良く、さらに、例えばDC−DCコンバータ等を用いる場合に比べて部品点数も少なく抑えることができ、コストを抑えつつ、必要な条件により柔軟に対応できる。
本発明の実施の形態1による電源バックアップ装置を示す回路図である。 従来の電源バックアップ装置を示す回路図である。
符号の説明
1 電源、2 電力供給対象、3 キャパシタ部、4 制限抵抗、5 主系回路、6 補系回路、50 第1ダイオード、60 レギュレーション部、61 第2ダイオード。

Claims (2)

  1. 電源(1)と電力供給対象(2)との間に介在され、前記電源(1)から前記電力供給対象(2)への方向が順方向の第1ダイオード(50)からなる主系回路(5)と、
    前記電源(1)からの入力電圧を所定電圧に降圧するレギュレーション部(60)、前記レギュレーション部(60)に接続された制限抵抗(4)、前記制限抵抗(4)を介して前記レギュレーション部(60)に接続されたキャパシタ部(3)、及び前記キャパシタ部(3)に接続され前記電力供給対象(2)への方向が順方向の第2ダイオード(61)からなり、前記電源(1)と前記電力供給対象(2)との間で前記主系回路(5)に並列に接続された補系回路(6)と
    を備え、
    前記電源(1)が正常な場合、前記電源(1)の入力電圧(Vin)である前記主系回路(5)の第1出力電圧(Vout1)が前記第1ダイオード(50)を経て前記電力供給対象(2)に供給され、前記電源(1)に瞬断が発生した場合、該瞬断によって前記補系回路(6)の第2出力電圧(Vout2)が前記主系回路(5)の第1出力電圧(Vout1)よりも高くなり、該第2出力電圧(Vout2)が前記第2ダイオード(61)を経て前記電力供給対象(2)に供給されバックアップが行われる構成としたことを特徴とする電源バックアップ装置。
  2. 前記レギュレーション部(60)は、シャントレギュレータ(603)が用いられたレギュレーション回路であることを特徴とする請求項1記載の電源バックアップ装置。
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