JP2008131084A - 入力信号処理回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力信号をフィルタ処理すると共に処理された信号の初期及び終期の変化における遅延時間に差が生じないようにする。
【解決手段】電源VBと入力端子I1との間に直列に接続されたコンデンサC1及び抵抗R1からなるローパスフィルタLPFと、そのコンデンサC1と並列に時定数切替回路CTを構成するコンデンサC2及び抵抗R2を設け、コンデンサC2及び抵抗R2の入力端子I1側をダイオードD1を介して抵抗R1及びコンデンサC1のノードに接続し、抵抗R1及びコンデンサC1のノードとトランジスタQ1のベースとをダイオードD2を介して接続する。フィルタ回路による初期変化の応答遅れと略同一の応答遅れとなる入力信号の終期変化とすることができ、入力信号処理回路に対する入力信号と出力信号との信号長さを同じにすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】電源VBと入力端子I1との間に直列に接続されたコンデンサC1及び抵抗R1からなるローパスフィルタLPFと、そのコンデンサC1と並列に時定数切替回路CTを構成するコンデンサC2及び抵抗R2を設け、コンデンサC2及び抵抗R2の入力端子I1側をダイオードD1を介して抵抗R1及びコンデンサC1のノードに接続し、抵抗R1及びコンデンサC1のノードとトランジスタQ1のベースとをダイオードD2を介して接続する。フィルタ回路による初期変化の応答遅れと略同一の応答遅れとなる入力信号の終期変化とすることができ、入力信号処理回路に対する入力信号と出力信号との信号長さを同じにすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、入力される高低の2状態を取り得る入力信号を矩形波に整形して処理する入力信号処理回路に関するものである。
従来、例えば車載用のマイクロコンピュータを用いた制御回路(ECU)において外部の操作スイッチやセンサからの入力信号をマイクロコンピュータで処理できるようにするためのインターフェイス回路を設けている。また、上記したような入力信号にはノイズが含まれており、ノイズとしては高周波成分であることから、インターフェイス回路にローパスフィルタ(LPF)からなるノイズフィルタを設けている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−190732号公報
一方、インターフェイス回路ではマイクロコンピュータでの信号処理を行うために入力信号を矩形波とすることになり、信号の立ち上がり・立ち下がりをトランジスタのオン・オフで対応することができる。また、装置の低廉化のために、ノイズフィルタとしてCR回路により構成されるローパスフィルタ(LPF)を用いるなどしている。
上記トランジスタ及びCR回路を用いたインターフェイス回路の一例を図3に示す。図において、インターフェイス回路IFの入力端子I1には外部の車載機器からのオン・オフ信号が入力し、インターフェイス回路IF内でノイズを除去した平滑な波形となるように整形され、その整形された矩形波が出力端子O1から出力されるようになっている。インターフェイス回路IF内にあっては、電源端子VBと入力端子I1との間にコンデンサC及び抵抗Rを用いたローパスフィルタLPFが設けられ、ローパスフィルタLPFにより処理された電圧信号の大きさに応じてオン・オフするPNP型トランジスタQ1が設けられ、トランジスタQ1のオン・オフに応じてオン・オフするNPN型トランジスタQ2がトランジスタQ1のコレクタ端子に設けられている。なお、トランジスタQ2のオフにより出力端子O1から所定の定電圧Vccが図示されないマイクロコンピュータに出力されるようになっている。
しかしながら、上記回路のようにノイズフィルタとしてCR回路を用いた場合には、その時定数の影響を受けて、入力信号の立ち上がりと立ち下がりとに対して出力信号(インターフェイス回路で処理した信号)において遅延が発生する。また、さらに、出力信号によりトランジスタQ1がオン/オフする際には、トランジスタの特性として、オン時に比べてオフ時に長く遅延が発生する。これは、入力端子の電圧がオフし、トランジスタQ1のベース電流が無くなっても、トランジスタQ1内部のベース・エミッタ間のPN接合に溜まった電荷を放電する間はオンし続け、溜まった電荷を放電したのちにトランジスタQ1がオフするためである。この遅延時間を蓄積時間Tstgといい、トランジスタを多段接続して使用する場合は、それぞれのトランジスタに蓄積時間Tstgが発生する。その状態を図4に示す。図では、1段目に入力信号(ノイズ無し)、2段目にローパスフィルタLPFを通過した信号、3段目にトランジスタQ1の出力信号(トランジスタQ2のベース電圧)、4段目に出力端子O1の出力信号の各波形が示されている。
図4に示されるように、図示例ではオフ時に高電圧(電源電圧)となり、オン時に低電圧(接地)となる入力信号が入力端子I1に入力される。入力端子I1を通過する入力信号がオフからオンに立ち下がるのに対して、ローパスフィルタLPFを通過した信号は立ち下がり時のCR時定数に応じて徐々に電圧低下するため、入力信号のオンを判定するしきい値に達するまでに初期遅延時間T1が発生する。その判定による入力信号のオンに応じてトランジスタQ1がオフからオンに変わり、同時にトランジスタQ2もオフからオンに変わって、出力端子O1からの出力信号が0V状態から所定値Vccになり、マイクロコンピュータではその時点から入力信号がオンになったと判断する。
次に、入力信号がオフになると、ローパスフィルタLPFを通過した信号は今度は立ち上がり時のCR時定数に応じて電圧上昇する。この時も入力信号のオフを判定するしきい値に達するまでに遅延が発生する。さらに、上述したトランジスタの特性により、トランジスタQ1のオン時に比べてオフ時には蓄積時間による遅延Tstgが発生し、同様にトランジスタQ2にも遅延Tstgが発生するため、I1とO2の波形を比べると入力オン時間の波形の幅に両トランジスタQ1・Q2の蓄積時間による遅延(Tstg+Ttsg)分を加えた終期遅延時間T2が発生してしまう。パルス幅制御(PWM)などでは、オン時間とオフ時間の比をデューティ比としているため、このような遅延が発生するとデューティ比が変化し、正確に制御を行えなくなるといった問題が生じる。また、シリアル信号の入力に応じて制御を行うような回路の場合には、高速でスイッチング動作する入力信号に対応するようになり、ジッタによる通信信号の波形劣化が生じると、通信エラーが発生することが考えられる。そのような制御を必要とする場合にはノイズフィルタの高精度化やプログラム処理するなどして対応できるが、装置が高騰化するという問題があった。
このような課題を解決して、入力信号をフィルタ処理すると共に処理された信号の初期及び終期の変化における遅延時間に差が生じないようにすることを実現するために、本発明においては、入力される高低の2状態を取り得る入力信号を矩形波に整形して制御手段に出力すると共に、前記入力信号のノイズを除去するためのフィルタ回路を設けた入力信号処理回路であって、前記フィルタ回路による前記入力信号の初期変化における応答遅れと同一の応答遅れをもって前記入力信号の終期変化を生じさせるための時定数切替回路と、前記入力信号の終期変化に応じて前記時定数切替回路を前記フィルタ回路に接続するためのスイッチ手段とを設けたものとした。
特に、前記フィルタ回路が、電源と前記入力信号が入力される入力端子との間にコンデンサ及び抵抗が直列に接続された第1のCR回路からなり、前記時定数切替回路が、前記電源と、前記第1のCR回路の前記コンデンサ及び前記抵抗のノードに向けて順方向に接続されたダイオードとの間に設けられた第2のCR回路からなり、前記フィルタ回路の出力信号が、前記第1のCR回路の前記コンデンサ及び前記抵抗のノードに向けて順方向に接続されたダイオードを介して出力されると良い。
また、第一のレベルと第二のレベルとに変化する信号が供給される入力端子と、前記入力端子に接続された第一の抵抗と、前記第一の抵抗に入力電極が接続され、前記入力信号が第一のレベルになるとオン状態になり、前記入力信号が第二のレベルになるとオフ状態となるトランジスタと、前記第一の抵抗と共通電位に接続された第一のコンデンサと、前記第一のコンデンサに並列に接続された第二の抵抗と、を有する入力信号処理回路において、前記共通電位と前記第一の抵抗に接続された時定数切替回路を持ち、前記時定数切替回路は前記入力信号が第一のレベルになるとオン状態になり、入力信号が第二のレベルになるとオフ状態となるスイッチ素子と、前記スイッチ素子に直列に接続された第二のコンデンサと、前記第二のコンデンサに並列に接続された第三の抵抗を有しているものとした。特に、スイッチ素子としてダイオードを用いると良い。
このように本発明によれば、入力信号をフィルタ処理した場合の信号の初期変化(例えば立ち下がり)と終期変化(立ち下がりに対する立ち上がり)とにおいて遅延時間に差を生じさせ、トランジスタがオンする際の遅延とオフする際の遅延の長さの違いを考慮することにより、立ち上がりの遅延と立ち下りの遅延を一致させることができ、入力信号処理回路に対する入力信号と出力信号との信号長さを同じにすることができる。
特に、フィルタ回路及び時定数切替回路をCR回路で構成すると共にスイッチ手段にダイオードを用いることにより、簡単な回路により安価で回路を構成でき、かつ入力信号に対してジッタの無いフィルタ処理を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1(a)は本発明が適用された自動車用電装品の制御装置における入力信号処理回路を示す図である。なお、従来技術として説明した図3に示したものと同等の動作をする部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図1(a)に示される本発明に基づく回路にあっては、PNP型のトランジスタQ1が接続された電源端子VBと入力端子I1との間に、従来回路(図3)と同様に電源VBと、第一レベルと第二レベルとに変化する信号としてのオン・オフ信号が供給される入力端子I1との間に、直列に接続された第一のコンデンサC1及び第一の抵抗R1からなるローパスフィルタLPFが設けられていると共に、そのコンデンサC1と並列に第二の抵抗R2が接続され、さらに時定数切替回路CTが設けられている。図示例の時定数切替回路CTにあっては、入力端子I1の入力信号が第一のレベルになるとオン状態になり入力信号が第二のレベルになるとオフ状態になるスイッチ素子としてのダイオードD1と、ダイオードD1に直列に接続された第二のコンデンサC2と、コンデンサC2に並列に接続された第三の抵抗R3とにより構成されている。なお、トランジスタQ1・Q2及び出力端子O1の配置や作用は従来回路と同じであって良い。
そして、上記コンデンサC2及び抵抗R2の入力端子I1側は、スイッチ手段としてのダイオードD1を介して、抵抗R1及びコンデンサC1のノードに接続されている。ダイオードD1は抵抗R1及びコンデンサC1のノードに向けて順方向となる向きに設けられている。また、トランジスタQ1のベースがダイオードD2を介して抵抗R1及びコンデンサC1のノードに接続されている。このダイオードD2も抵抗R1及びコンデンサC1のノードに向けて順方向となる向きに設けられている。
次に、上記本発明に基づく入力信号処理回路における入力信号をフィルタ処理した出力信号の生成要領について図2を参照して以下に示す。この図においては、1段目に入力信号(ノイズ無し)の波形が示されているが、2段目にはローパスフィルタLPF及び時定数切替回路CTを通過した信号の波形が示され、3段目にトランジスタQ1の出力信号(トランジスタQ2のベース電圧)及び4段目に出力端子O1の出力信号の各波形が示されている。
入力端子I1に入力される入力信号の波形は従来技術の図4で示したものと同じである。その入力信号のオフからオンに変わる初期変化に対してはローパスフィルタLPFおよび時定数切替回路CTによるフィルタ処理が行われる。すなわち、図示例では入力端子I1の電圧がVBで両コンデンサC1・C2が満充電されており、入力信号がオンして電圧が0レベルになることによりコンデンサC1の放電は抵抗R1を介して行われ、それに対してコンデンサC2は抵抗R3を介してダイオードD1を通じて放電を行う。したがって、ローパスフィルタLPFおよび時定数切替回路CTの時定数に応じて図2に示されるように遅延時間T1となる出力波形になる。
入力信号がオフして入力端子I1の電圧がVBレベルになると、両コンデンサC1・C2が充電されるようになる。入力端子I1に対する入力電圧の上昇は両ダイオードD1・D2によりトランジスタQ1のベースには印加されないため、両コンデンサC1・C2の充電電圧がトランジスタQ1のオンレベルとなるしきい値に達するまでトランジスタQ1はオフのままである。これらダイオードD1・D2により、入力信号の初期変化における時定数切替回路CTを作用させるというスイッチ作用が行われる。
入力信号のオンからオフに変わる終期変化にあっては、ローパスフィルタLPFに加えて時定数切替回路CTも作用することになり、両CR回路による時定数で変化する。したがって、時定数切替回路CTの時定数の設定を適宜設計することにより、トランジスタの蓄積時間Tstgによる遅延時間を考慮して終期変化時の遅延時間T2を初期変化時の遅延時間T1と同じにすることができる。入力信号の初期変化の遅延時間と終期変化の遅延時間とが同じ(T1)になることにより、入力信号とフィルタ処理された出力信号とのオン時間が同一となり、ノイズ及びジッタのない信号による正確な制御を行うことができる。例えば、シリアル信号の入力に応じて制御を行うような回路に適用することにより、高速でスイッチング動作する入力信号に対してジッタによる通信信号の波形劣化を防止でき、通信エラーの発生を防止できる。特に、PWM制御などのデューティ制御を行う場合に、遅延時間による影響を受けることがないため有効である。また、本発明は上記実施の形態に限らず、例えばトランジスタQ1をNPN型トランジスタ、トランジスタQ2をPNP型トランジスタとした、図1(b)の構成でも構わない。この場合、入力信号の波形、出力信号の波形、LPF・CTの波形、及びトランジスタQ1・Q2の波形は図2を参照に反転するが、T1・T2の遅延時間が等しくなることは変わりない。
このように、上記フィルタ処理と遅延時間の同一化とをCR回路及びダイオードを用いた簡単な回路で構成できるため、回路を安価に提供でき、汎用性が高いものとなる。
本発明にかかる入力信号処理回路は、入力信号とフィルタ処理された出力信号との初期及び終期変化に対する遅延時間の差を無くすことができ、信号の長さに影響を受ける制御を行う場合の信号処理回路等として有用である。
CT 時定数切替回路
D1 ダイオード(スイッチ手段・スイッチ素子)
I1 入力端子
LPF ローパスフィルタ
O1 出力端子
D1 ダイオード(スイッチ手段・スイッチ素子)
I1 入力端子
LPF ローパスフィルタ
O1 出力端子
Claims (4)
- 入力される高低の2状態を取り得る入力信号を矩形波に整形して制御手段に出力すると共に、前記入力信号のノイズを除去するためのフィルタ回路を設けた入力信号処理回路であって、
前記フィルタ回路による前記入力信号の初期変化における応答遅れと同一の応答遅れをもって前記入力信号の終期変化を生じさせるための時定数切替回路と、前記入力信号の終期変化に応じて前記時定数切替回路を前記フィルタ回路に接続するためのスイッチ手段とを設けたことを特徴とする入力信号処理回路。 - 前記フィルタ回路が、電源と前記入力信号が入力される入力端子との間にコンデンサ及び抵抗が直列に接続された第1のCR回路からなり、
前記時定数切替回路が、前記電源と、前記第1のCR回路の前記コンデンサ及び前記抵抗のノードに向けて順方向に接続されたダイオードとの間に設けられた第2のCR回路からなり、
前記フィルタ回路の出力信号が、前記第1のCR回路の前記コンデンサ及び前記抵抗のノードに向けて順方向に接続されたダイオードを介して出力されることを特徴とする請求項1に記載の入力信号処理回路。 - 第一のレベルと第二のレベルとに変化する信号が供給される入力端子と、前記入力端子に接続された第一の抵抗と、前記第一の抵抗に入力電極が接続され、前記入力信号が第一のレベルになるとオン状態になり、前記入力信号が第二のレベルになるとオフ状態になるトランジスタと、前記第一の抵抗と共通電位に接続された第一のコンデンサと、前記第一のコンデンサに並列に接続された第二の抵抗とを有する入力信号処理回路において、
前記共通電位と前記第一の抵抗に接続された時定数切替回路を持ち、
前記時定数切替回路は、前記入力信号が第一のレベルになるとオン状態になり、入力信号が第二のレベルになるとオフ状態になるスイッチ素子と、前記スイッチ素子に直列に接続された第二のコンデンサと、前記第二のコンデンサに並列に接続された第三の抵抗とを有していることを特徴とする入力信号処理回路。 - 前記スイッチ素子はダイオードであることを特徴とする請求項3記載の入力信号処理回路。
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JP2006310389A JP2008131084A (ja) | 2006-11-16 | 2006-11-16 | 入力信号処理回路 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109075778A (zh) * | 2016-05-02 | 2018-12-21 | 罗伯特·博世有限公司 | 具有至少一个输入接头的集成半导体电路 |
-
2006
- 2006-11-16 JP JP2006310389A patent/JP2008131084A/ja active Pending
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