JP2008130924A - 溶液、めっき用材料及びプリント配線板 - Google Patents

溶液、めっき用材料及びプリント配線板 Download PDF

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寛司 下大迫
Taku Ito
卓 伊藤
Shigeru Tanaka
田中  滋
Masaru Nishinaka
賢 西中
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Abstract

【課題】プリント配線板の製造等に好適に用いることができるめっき用材料であり、該材料表面の表面粗度が小さい場合にも、該表面に形成した無電解めっき皮膜との接着性に優れためっき用材料と溶液、それを用いてなるプリント配線板を提供する。
【解決手段】無電解めっきを施すための表面aを少なくとも有する無電解めっき用材料であって、表面aの表面粗度は、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下となっており、かつ表面aは、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有することを特徴とするめっき用材料によって上記課題を解決しうる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無電解めっきを施す際に好適に使用することができる溶液及びめっき用材料であり、特にはプリント配線板用の製造等に好適に用いることができる溶液及びめっき用材料とそれを用いてなるプリント配線板に関するものである。
電気エネルギーを用いずに、金属塩の水溶液中に還元剤を入れておき、その分解による還元作用で金属を基材上に析出せしめる無電解めっきは、各種プラスチック、ガラス、セラミック、木材などの絶縁性材料表面の機能化のために広く適用されている技術である。例えば、ABS樹脂やポリプロピレン樹脂に無電解めっきを施し、自動車のグリルやマーク類、家電製品のツマミ類などの部品とする装飾めっきや、プリント配線板のスルーホールめっきのような機能めっきを挙げることができる。
しかし、無電解めっきは上記各種材料表面との接着性が低い場合が多い。特に、上述したプリント配線板の製造に適用した場合、無電解めっき皮膜と絶縁材料との接着性は低いというのが課題であった。特に、絶縁材料に直接金属層を形成する方法として、無電解めっき皮膜を形成する方法を用いた場合、表面粗度が小さい平滑な表面を有する絶縁材料に対して、無電解めっきを強固に接着するのは非常に困難であった。
これは、無電解めっきが、主にパラジウム等の触媒を介して堆積するように形成されるためであると考えられるからである。
一方、例えば表面に配線を形成したプリント配線板などを製造する際、絶縁材料上に無電解めっき皮膜を形成する場合、できるだけ平滑な表面に、強固に無電解めっき皮膜が形成されていることが非常に望ましい。
これまで知られているプリント配線板に用いられる絶縁シートは、様々な手法で表面を粗化させ、いわゆるアンカー効果によって無電解めっき皮膜との接着性を得ていた(例えば特許文献1参照)。しかし、表面粗度が小さい場合には無電解めっき皮膜と樹脂材料との接着性は低く、微細配線形成には限界があった。
表面粗度が小さい樹脂表面に形成した回路配線の接着性を改善するためには、ポリイミドフィルム表面に何らかの下地金属層を蒸着、スパッタリング等の物理的方法で形成し、その上に良導電材である銅を形成する必要があった (特許文献2参照)。この方法を用いると、下地金属層とポリイミドフィルムとは優れた接着強度を有している。ただし、これはポリイミドフィルムと金属との化学的な結合力によるものではなく、ミクロの下地層がミクロに基材表面に投錨され、一方で銅とは金属/金属結合により、下地層を介することにより接着力が発現している。しかし、この方法は、下地層に銅以外の金属を用いており、下地層が銅のエッチング液で完全に除去できない場合がある。その結果、配線間の耐マイグレーション性を低下することが懸念される。また、真空プロセスを用いる為、コストが高くなる、生産性に劣るという欠点を有している。
一方、ポリイミドシロキサンを含有する接着剤を用いた層間絶縁接着技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。しかし、特許文献2に記載されている技術は、シロキサン構造を有するポリイミドを層間接着剤として用いるもので、回路基板との張り合わせなどに用いるためのものである。従って、無電解めっき皮膜を形成するための層として用いることは開示されていない。
また、シロキサン構造を有するポリイミド前駆体を塗布後、金属メッキ層を積層した樹脂付き金属箔が開示されている(特許文献4)。しかし、特許文献4では、金属層の形成方法について、クロムスパッタ法などと無電解めっき法が並列で記載されており、絶縁材料との接着性が低いと考えられている無電解めっき皮膜の接着強度と、無電解めっきを形成したい表面の表面粗度との関係については確認していない。
特開2000−198907 特開平08−330728 特開2000−290606 特開2002−264255
背景技術で説明したように、表面粗度が小さい場合でも樹脂材料と無電解めっき皮膜との接着性が高い材料は未だ見出されていない。
従って、本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、無電解めっきを施す各種材料表面に形成することにより、無電解めっきと各種材料間との接着性を向上させるためのめっき用材料を提供することにあり、各種プラスチック、ガラス、セラミック、木材などへの機能めっき、自動車のグリルやマーク類、家電製品のツマミ類などの部品への装飾めっき、特には各種プリント配線板の製造等に好適に用いることができ、さらには微細配線形成が要求されるフレキシブルプリント配線板、リジッドプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板、多層リジッド配線板やビルドアップ配線板等のプリント配線板用の製造等に好適に用いることができる溶液、めっき用材料とそれを用いてなるプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、下記のめっき用材料により、上記課題が解決しうることを見出した。すなわち、
1)無電解めっきを施すための表面aを少なくとも有する無電解めっき用材料であって、表面aの表面粗度は、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下となっており、かつ表面aは、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有することを特徴とするめっき用材料。
2)シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂が、トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体成分と、下記一般式(1)で表されるジアミンを含むジアミン成分を原料とするポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする1)記載のめっき用材料。
Figure 2008130924
(式中、gは1以上の整数を表す。また、R11及びR22は、同一、または異なっていてよく、アルキレン基またはフェニレン基を表す。R33〜R66は、同一、または異なっていてよく、アルキル基、またはフェニル基、またはフェノキシ基、またはアルコキシ基を表す。)
3)無電解めっきが、無電解銅めっきであることを特徴とする1)または2)に記載のめっき用材料。
4)無電解めっきを施すための表面aを有し、かつ、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有する単層シートであって、表面aの表面粗度はカットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下となっていることを特徴とする単層シート。
5)無電解めっきが、無電解銅めっきであることを特徴とする4)記載の単層シート。
6)少なくとも無電解めっきを施すための表面aを有する層Aを含む2層以上の層から構成された絶縁シートであって、表面aの表面粗度はカットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下となっており、かつ層Aは、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有することを特徴とする絶縁シート。
7)無電解めっきが、無電解銅めっきであることを特徴とする6)記載の絶縁シート。
8)4)記載の単層シートまたは、6)記載の絶縁シートの、層A上に無電解めっき皮膜が形成されていることを特徴とする積層体。
9)4)記載の単層シートまたは、6)記載の絶縁シートを用いてなるプリント配線板。
10)シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有する溶液であって、1)に記載の表面aを形成するために用いられることを特徴とするポリアミドイミド樹脂を含有する溶液。
11)シロキサン構造を有するポリアミドイミド前駆体を含有する溶液であって、1)に記載の表面aを形成するために用いられることを特徴とするポリアミドイミド前駆体を含有する溶液。
本発明では、無電解めっきを施すための表面aを有し、且つ表面aに特定の構造を有するポリアミドイミド樹脂を用いることにより、めっきを施す表面の表面粗度が小さいにもかかわらず無電解めっき層との接着強度が高い。また本発明のめっき用材料は他の各種材料との接着性にも優れる。よって、無電解めっきを施したい材料表面に、まず本発明のめっき用材料を形成し、その後無電解めっきを施せば、本発明のめっき用材料と無電解めっきとが強固に接着するという利点を有する。
また、本発明のめっき用材料はポリアミドイミド樹脂を含有することにより耐熱性に優れたものとなるため、各種プリント配線板の製造に好適に用いることができ、さらには、特に表面粗化を実施せずとも無電解めっき層との接着強度が高いという利点を生かして、微細配線形成が要求されるフレキシブルプリント配線板、リジッドプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板、多層リジッド配線板やビルドアップ配線板等のプリント配線板用の製造等に好適に用いることができるという効果も奏する。
本発明の実施の一形態について以下に詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
[本発明のめっき用材料の構成]
本発明のめっき用材料は、無電解めっきを施すための表面aを少なくとも有する無電解めっき用材料であって、表面aの表面粗度は、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下となっており、かつ表面aは、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有することを特徴とするめっき用材料である。
上記表面aにシロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を用いることにより、表面粗度がカットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下と極めて小さい場合でも無電解めっき層が強固に形成することができる。
シロキサン構造を有するポリアミドイミドを無電解めっき形成するための層として用いた場合の、表面粗度と無電解めっき皮膜との接着強度について着目したのは本発明者らが初めてである。本発明者らは、層間接着剤に用いる場合には通常考慮しない、表面粗度と無電解めっき皮膜との接着性を検討し、表面粗度が小さい場合であっても十分な接着性が得られることを見出したものである。
本発明のめっき用材料は、表面aを有しさえすればいかなる構成からなる材料、形態であっても構わない。例えば、本発明のめっき用材料をプリント配線板用に用いる場合には、表面aを構成する、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含む材料のみからなるフィルム状材料であっても良いし、表面aを有する層Aと、形成された回路と対向させるための層Bとから構成される材料であっても良いし、表面aを有する層A/高分子フィルムC/層Bとから構成される材料であっても良い。また、表面aを有する層Aと高分子Cとから構成される材料であっても良いし、表面aを有する層A/高分子フィルムC/表面aを有する層Aとから構成される材料であっても良い。また、表面aを有する層Aと繊維と樹脂との複合体Dとから構成される材料であっても良い。
本発明のめっき用材料は、少なくとも無電解めっきを施すための表面Aを有していればよいが、無電解めっきを施したい材料表面に、まず本発明のめっき用材料を形成し、その後無電解めっきを施す方法が好ましく用いられる。これにより、本発明のめっき用材料が層間接着剤の役割を果たすことにより、無電解めっきと材料間とが強固に接着するという利点を生かし、各種装飾めっき用途や、機能めっき用途に適用することが可能である。その中でも、耐熱性をも併せ持ち、表面粗度が小さい場合でも無電解めっき層を強固に形成できるという利点を生かし、プリント配線板用のめっき用材料として好適に用いることができる。
以下に本発明のめっき用材料について、特にプリント配線板に適用した場合について説明する。
[表面aに含有されるポリイミド樹脂]
本発明のシロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂は、シロキサン構造を有していれば、いかなるポリアミドイミド樹脂を用いても良い。ここで、シロキサン構造を有するジアミンは比較的容易に入手することが可能であるため、トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体成分と、シロキサン構造を有するジアミンを反応させて目的とするポリアミドイミド樹脂を製造することが好ましく、シロキサン構造を有するジアミンとして、下記一般式(1)で表されるジアミンを用いることが好ましい。
Figure 2008130924
(式中、gは1以上の整数を表す。また、R11及びR22は、同一、または異なっていてよく、アルキレン基またはフェニレン基を表す。R33〜R66は、同一、または異なっていてよく、アルキル基、またはフェニル基、またはフェノキシ基、またはアルコキシ基を表す。)
上記一般式(1)において、好ましくは、gは1以上100以下である。またR11及びR22は、炭素数が1〜20のアルキレン基またはフェニレン基であることが好ましい。さらにR33〜R66は、炭素数1〜20のアルキル基、またはフェニル基、またはフェノキシ基、またはアルコキシ基であることが好ましい。
ポリイミド樹脂は、トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体成分とジアミン成分とを反応させて得られる。以下、トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体成分について説明する。
トリカルボン酸としては特に限定はなく、トリメリット酸、3,3,4´−ベンゾフェノントリカルボン酸、2,3,4´−ジフェニルトリカルボン酸、2,3,6−ピリジントリカルボン酸、3,4,4´−ベンズアニリドトリカルボン酸、1,4,5−ナフタリントリカルボン酸、2−メトキシ−3,4,4´−ジフェニルエーテルトリカルボン酸、2´−クロロベンズアニリド−3,4,4´−トリカルボン酸、等を挙げることができる。また、トリカルボン酸の反応性誘導体とは、前記トリカルボン酸の無水物、ハライド、エステル、アミド、アンモニウム塩等を意味する。これらの例としては、トリメリット酸無水物、トリメリット酸モノクロライド、1,4−ジカルボキシ−3−N,N−ジメチルカルバモイルベンゼン、1,4−ジカルボメトキシ−3−カルボキシベンゼン、1,4−ジカルボキシ−3−カルボフェノキシベンゼン、2,6−ジカルボキシ−3−カルボメトキシピリジン、1,6−ジカルボキシ−5−カルバモイルナフタリン、上記トリカルボン酸類とアンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミン等からなるアンモニウム塩、等が挙げられる。これらのうち、トリメリット酸無水物、トリメリット酸モノクロライドは、得られるポリアミドイミド樹脂の無電解めっき層との接着性が良く、また入手が容易で廉価であるため好ましく用いることができる。
上記トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
続いて、ジアミン成分について説明する。本発明においては、ジアミン成分として、下記一般式(1)で表されるジアミン成分を含むことが好ましい。
Figure 2008130924
(式中、gは1以上の整数を表す。また、R11及びR22は、同一、または異なっていてよく、アルキレン基またはフェニレン基を表す。R33〜R66は、同一、または異なっていてよく、アルキル基、またはフェニル基、またはフェノキシ基、またはアルコキシ基を表す。)
上記一般式(1)において、好ましくは、gは1以上100以下である。またR11及びR22は、炭素数が1〜20のアルキレン基またはフェニレン基であることが好ましい。さらにR33〜R66は、炭素数1〜20のアルキル基、またはフェニル基、またはフェノキシ基、またはアルコキシ基であることが好ましい。
一般式(1)で表されるジアミン成分を用いることにより、得られるポリアミドイミド樹脂は、無電解めっき層と強固に接着するという特徴を有するようになる。
一般式(1)で表されるジアミンとしては、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(3−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(3−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5,−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、等が挙げられる。また、一般式(1)で表される、比較的入手しやすいジアミンとして、信越化学工業株式会社製のKF−8010、X−22−161A、X−22−161B、X−22−1660B−3、KF−8008、KF−8012、Xー22−9362、等を挙げることができる。上記ジアミンは単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
表面aの耐熱性向上等を目的として、上述のジアミンと他のジアミンとを組み合わせて使用することも好ましく用いられる。他のジアミン成分としては、あらゆるジアミンを使用することが可能であり、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルなどを挙げることができる。
一般式(1)で表されるジアミンは、全ジアミン成分に対して2〜100モル%が好ましく、より好ましくは5〜100モル%である。一般式(1)で表されるジアミンが、全ジアミン成分に対して2モル%より少ない場合、表面aと無電解めっき皮膜との接着強度が低くなる場合がある。
本発明において、ポリアミドイミドの製造方法としては、イソシアネート法(たとえば,特公昭44−19274号公報)、酸クロライド法(たとえば特公昭42−15637号公報)、直接重縮合法(たとえば特公昭49−4077号公報)、溶融重縮合法(たとえば特公昭40−8910号公報)等既知の製造法により重縮合させて得ることができるが、コスト、原料調達が比較的容易なこと、容易に高分子量体が得られること、及び得られた重合体の有機溶媒への溶解性等を考慮すると、酸クロライド法と直接重縮合法が好ましく適用される。
以下、酸クロライド法について次に説明する。
実質的に当量の、上記のシロキサン構造を有するジアミンを含むジアミン成分と、トリカルボン酸無水物モノクロライドとを、非反応性極性有機溶媒中で−50℃〜100℃、好ましくは−20℃〜50℃で数分間から数日間反応させることにより,ポリアミドイミド前駆体を中間体として得る。このとき、無機酸受容剤を反応途中から加えてもよい。この無機酸受容剤としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ピリジン等の第3級アミン、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド等の1,2−エポキサイドなどである。また、非反応性有機溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、クレゾール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどであり、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールジメチルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミドとN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。次いで、このポリアミドイミド前駆体からポリアミドイミドを得るには,脱水環化法を用いればよい。脱水環化法としては,(1)一度,重合体を単離したのち熱により環化する方法,(2)溶液状態で熱により環化する方法,および(3)溶液状態で化学的脱水剤により環化する方法がある。
(1)については加熱温度が100〜400℃で加熱するのが好ましい。さらに詳しくは、得られた反応液を、反応溶媒に相溶性であって、樹脂に対して貧溶媒である溶剤の大過剰に注いで、樹脂を単離したのち、100〜400℃に加熱するか、得られた反応液を所望の厚さに流延したのち、溶媒を蒸発乾燥させ樹脂をフイルム状に単離したのち100〜400℃に加熱することにより行なわれる。
(2)の方法においては80〜400℃、好ましくは100〜250℃に溶液を加熱することによつて行われる。この時、ベンゼン、トルエン、キシレンのような水と共沸する溶媒を併用するのが好ましい。
(3)の方法は化学的脱水剤の存在下0〜120℃、好ましくは10〜80℃で反応させる。化学的脱水剤としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等の酸無水物等があり、この時、環化反応を促進する物質としてピリジン等を併用することが好ましい。化学的脱水剤はジアミンの総量に対して好ましくは90〜600モル%使用される。環化反応を促進する物質はジアミンの総量に対して好ましくは40〜300モル%使用される。
次に、直接重縮合法について次に説明する。
実質的に当量の、上記のシロキサン構造を有するジアミンを含むジアミン成分と、トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体(ただし酸ハライド誘導体は除く)とを、非反応性極性有機溶媒中で160〜350℃、好ましくは200〜270℃で反応させる。
脱水触媒としては、トリフエニルホスフアイト、トリシクロヘキシルホスフアイト、リン酸、トリフエニルホスフエート、五酸化リン等のリン化合物及びホウ酸、無水ホウ酸などがあげられる。非反応性有機溶媒としてはN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−カプロラクタム、クレゾール、キシレノール、クロロフエノール等が例示できる。特にN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
以上のようにして得られた反応液を、メタノール等の低級アルコール、水等の上記有機溶剤と相溶性であって、樹脂に対して貧溶媒である溶剤の大過剰に注いで、沈殿物を得、これをろ別し、乾燥することによって、本発明に係るポリアミドイミド樹脂を回収することができる。
[表面aを有する層A]
表面aを有する層には、上述のシロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂が必ず含有されているが、表面aを有する層には、他の成分を含有させることも可能である。他の成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂を適宜使用することができる。これによって、無電解めっき皮膜との接着性を損なうことなく、耐熱性を向上させることが可能となる。特に、熱硬化性樹脂を使用することは、層Aの耐熱性が向上するとともに、層Bや、高分子フィルムCとの接着性が向上するという利点も有するため、好ましい。熱硬化性樹脂は、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂100重量部に対して、3〜100重量部含むことが、耐熱性や接着性のバランスの取れた特性が得られることから好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂等を挙げることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、フェノール樹脂、シアナート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、トリアジン樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などをあげることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。また、前記熱硬化性樹脂以外に、高分子鎖の側鎖または末端に、エポキシ基、アリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を使用することも可能である。
また、表面aと無電解めっき皮膜との接着性をより向上させる目的で、各種添加剤を高分子材料に添加、高分子材料表面に塗布等の方法で存在させることも可能である。具体的には有機チオール化合物などを挙げることができるが、これに限定されない。
また、表面A表面に微細配線形成を阻害しない程度の表面粗度を形成し、無電解めっき皮膜との接着性を高める目的で、各種有機フィラー、無機フィラーを添加することもできる。
上述の他の成分は、微細配線形成に悪影響を及ぼす程に表面Aの表面粗度を大きくしない、また、表面aと無電解めっき皮膜との接着性を低下させない範囲で組み合わせることが重要であり、この点には注意を要する。
表面aに含まれるシロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂の割合は、30重量%〜100重量%であることが、表面粗度と無電解めっき皮膜との接着性とのバランスが優れるという点から好ましい。
尚、本発明の表面aとは、厚さが10Å以上を有する表面のことをいう。
本発明の表面aは、表面粗度が小さい場合でも無電解めっき層との接着強度が高いという利点を有する。ここで、本発明でいう表面粗度は、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さRaで表すことができる。算術平均粗さRaとは、JIS B 0601(平成6年2月1日改正版)に定義されている。特に本発明の算術平均粗さRaの数値は、光干渉式の表面構造解析装置で表面を観察により求められた数値を示す。本発明のカットオフ値とは、上記JIS B 0601に記載されているが、断面曲線(実測データ)から粗さ曲線を得る際に設定する波長を示す。即ち、カットオフ値が0.002mmで測定した値Raとは、実測データから0.002mmよりも長い波長を有する凹凸を除去した粗さ曲線から算出された算術平均粗さである。
本発明の表面aの表面粗度は、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さRaで0.5μm未満であることが好ましい。従って、本発明における表面aは、微少な範囲の表面の粗さを観察した場合、非常に平滑な表面を有しているといえる。よって、例えばライン アンド スペースが10μm/10μm以下であるような微細配線を形成する場合でも、悪影響を及ぼすことはない。
この条件を満たす場合、特に本発明のめっき用材料をプリント配線板用途で使用する際には、良好な微細配線形成性を有する。このような表面を有する層Aを形成するには、例えば、
(1)表面処理を行わない。
(2)支持体、あるいは合紙などの材料の、無電解めっきを施すための層aと接する面の表面粗度を適切に選択する。
(3)少なくとも無電解めっきを施すための表面aを有する層Aを含む2層以上の層から構成されたシートの場合は、層Aに接する層の表面粗度を適切に選択する。
(4)層Aに含まれるポリアミドイミド樹脂の組成や、層Aを形成する際の乾燥条件を適切に選択する。
などの方法を、適宜組み合わせればよい。
具体的には、サンドブラスト等の物理的な表面粗化や、アルカリ可溶性成分を配合し、アルカリ溶液で処理する等の化学的な表面粗化を実施しないことが好ましい。
また、本発明のめっき用材料が支持体上に形成されたシートである場合は、支持体の表面粗度は十分に小さくすることが好ましい。さらに、該シートを用いて内層配線板と積層する場合は、積層の際に該シート上に対向させる合紙の表面粗度も十分に小さくすることが好ましい。従って、支持体あるいは合紙の表面粗度は、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下であることが好ましい。
また、少なくとも無電解めっきを施すための表面aを有する層Aを含む2層以上の層から構成されたシートの場合は、層Aに接する層の表面粗度が、層Aの表面に影響する場合があるので、層Aに接する層の表面粗度も十分に小さくすることが好ましい。従って、層Aに接する層の表面粗度は、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下であることが好ましい。
また、無電解めっきを施すための表面aの表面粗度は、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂に用いられる、トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体成分やジアミン成分の種類や、配合比により変動する。例えば、シロキサン構造を有するジアミンを多く用いた場合、組み合わせるトリカルボン酸若しくはその反応性誘導体成分あるいはその他のジアミン成分の種類によっては、相分離を起こしてRaが大きくなる場合がある。また、乾燥条件などもRaに影響を与える場合があるので、この点も考慮する。本発明の無電解めっきを施すための表面aの表面粗度は、微少な範囲の表面の粗さが小さいものであるので、層Aに含まれるシロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂の組成や、層Aの乾燥条件を組み合わせによって、その表面粗度は変動する。従って、ポリアミドイミド樹脂の組成や、層Aの乾燥条件を種々変更してみて、目的とする表面粗度が得られていることを確認すればよい。
また、その他の成分を含有させた場合にも、配合量や樹脂の組み合わせによっては相分離を起こしてRaが大きくなる場合があるので、含有される他の成分の配合量や樹脂を種々変更してみて、目的とする表面粗度が得られていることを確認すればよい。
本発明のめっき用材料あるいは絶縁シートには、無電解めっき皮膜の形成を行う前に、デスミアなどのアルカリ処理を施す場合がある。従来公知の材料である、エポキシ樹脂材料などは、デスミアなどのアルカリ処理によって表面が粗化されてしまうのに対して、本発明の無電解めっきを施すための表面aには、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂が存在するので、デスミアなどのアルカリ処理をしても、表面が粗化されずに平滑に保つことができ、かつ、強固に無電解めっき皮膜が形成される。
[表面aを有する単層シート]
無電解めっきを施すための表面aを有し、かつシロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有する単層シートについて説明する。例えば、無電解めっきを施す表面aを形成する溶液を支持体上に流延塗布し、その後乾燥せしめることにより表面aを有するシートを製造する。このシートを内層配線板や高分子フィルム等の所望の材料上に積層することにより表面aを形成することができる。表面aを形成する溶液として、ポリアミドイミド樹脂を含有する溶液を用いる場合は、該溶液を支持体上に流延塗布し、その後熱風オーブン等を用いて乾燥する。乾燥条件は特に制限はないが、樹脂を溶解している溶媒が十分に揮発するような条件で乾燥することが好ましい。また、シートの発泡を抑えるために、温度を段階的に変化させて乾燥させても良い。
表面aを形成する溶液として、ポリアミドイミド前駆体を含有する溶液を用いる場合は、該溶液を支持体上に流延塗布し、その後熱風オーブン等を用いて乾燥する。この場合は、乾燥の際に脱水環化まで行うのが製造効率がよく好ましいため、最終的に150〜400℃の温度で乾燥と脱水環化を行うのが好ましい。
単層シートの厚みは、無電解めっきとの接着性や、回路埋め込み性の観点から、2〜100μmであることが好ましい。
(その他の層)
本発明のめっき用材料は、表面aを有しさえすればいかなる構成からなる材料であっても構わない。例えば、本発明のめっき用材料をプリント配線板、特にビルドアップ配線板等のリジッドプリント配線板に適用する場合、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有する単層シートであっても良いし、表面aを有する層Aと、形成された回路と対向させるための層Bとから構成される材料であっても良いし、表面aを有する層A/高分子フィルムC/層Bとから構成される材料であっても良い。また、本発明のめっき用材料をプリント配線板、特にフレキシブルプリント配線板に適用する場合、表面Aを有する層/高分子Cとから構成される材料であっても良いし、表面aを有する層A/高分子フィルムC/表面aを有する層Aとから構成される材料であっても良い。
層Bは、形成された回路を有する表面に対して積層する際、回路間に層Bが流動して、回路を埋め込むことができる、優れた加工性が必要である。一般に、熱硬化性樹脂は上記加工性に優れており、層Bには熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。この熱硬化性樹脂組成物としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、シアナートエステル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖または末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を適切な熱硬化剤、硬化触媒と組み合わせた熱硬化性樹脂組成物として適用可能である。これらの熱硬化性樹脂組成物に更に熱可塑性高分子を添加することも好ましく実施可能であり、例えばエポキシ樹脂とフェノキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物やエポキシ樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物、シアナート樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物、エポキシ樹脂と熱可塑性ポリアミドイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物等は好ましく実施可能である。この中でも、めっき用材料として要求される諸特性バランスに優れるエポキシ樹脂と熱可塑性ポリイミド樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物が最も好ましい。また、低熱膨張性発現のため、各種フィラーを組み合わせることも可能である。
高分子フィルムCとしては、特に限定はなく、あらゆる高分子フィルムを使用することが可能であるが、耐熱性、低熱膨張性の観点から非熱可塑性ポリイミドフィルムが好ましい。
(無電解めっき)
本発明に係る無電解めっきとしては、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解金めっき、無電解銀めっき、無電解錫めっき、等を挙げる事ができ本発明に使用可能であるが、工業的観点、耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっきが好ましく、特に好ましくは無電解銅めっきである。本発明の積層体に無電解めっきをする場合、積層体に直接無電解めっきを施してもよいし、デスミア処理を施した後、無電解めっきを施してもよい。
(本発明の溶液)
本発明の溶液は、表面aを形成するために用いられることを特徴とするポリアミドイミド樹脂を含有する溶液である。該溶液は、上述したように、ポリアミドイミド溶液以外にも他の成分を含んでいても良く、またこれら樹脂成分を溶解するいかなる溶媒をも使用することができる。ここで溶解するとは、溶媒に対して樹脂成分が1重量%以上溶解することをいう。
該溶液は、所望の材料上に浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート等公知の方法により塗布、乾燥することにより表面aを形成することができる。
また、本発明の溶液は、表面aを形成するために用いられることを特徴とするポリアミドイミド前駆体を含有する溶液である。該溶液は、上述したように、ポリアミドイミド前駆体溶液以外にも他の成分を含んでいても良く、またこれら樹脂成分を溶解するいかなる溶媒をも使用することができる。ここで溶解するとは、溶媒に対して樹脂成分が1重量%以上溶解することをいう。
該溶液は、所望の材料上に公知の方法により浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート等公知の方法により塗布、脱水環化することにより表面Aを形成することができる。脱水環化は、上述したように、100〜400℃に加熱することにより行うことができる。
(本発明のめっき用材料の形態と製造方法)
次に本発明のめっき用材料の製造方法について説明する
本発明の、めっき用材料の形態の1つは、ポリアミドイミド樹脂を含有する溶液である。例えば、無電解めっきを施すための表面Aを形成する上記溶液を製造し、該溶液を浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート等の公知の方法により、内層配線板や高分子フィルム等の所望の材料上に塗布、乾燥せしめて表面aを形成することができる。
本発明の、めっき用材料の形態の1つは、ポリアミドイミド前駆体溶液である。例えば、無電解めっきを施すための表面Aを形成する上記溶液を製造し、該溶液を浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート等の公知の方法により、内層配線板や高分子フィルム等の所望の材料上に塗布、脱水環化せしめて表面aを形成することができる。
本発明のめっき用材料の別の形態は、シートである。例えば、無電解めっきを施す表面Aを形成する溶液を支持体上に流延塗布し、その後乾燥せしめることにより表面aを有するシートを製造する。このシートを内層配線板や高分子フィルム等の所望の材料上に積層することにより表面aを形成することができる。
尚、上述したように、本発明の表面Aとは、厚さが10Å以上を有する表面のことをいう。例えば、表面aを有する本発明のめっき材料がシート状である場合、表面aを構成する、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有する材料からなるシートであってもよいし、少なくとも片方の表面aがシロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂であるシートであってもよい。
以上、本発明のめっき用材料の形態と使用方法について例示したが、これに限定されるものではない。
<プリント配線板>
本発明のめっき用材料は、プリント配線板用途に好ましく用いる事ができる。ここで、本発明のシート状のめっき用材料を用いたプリント配線板を製造する方法として、順に、樹脂フィルム基材の付いたシート状のめっき用材料、回路パターンが形成された内層基板を積層し、樹脂フィルム基材を剥離することにより露出する表面A表面に対し無電解めっきを行い、回路パターン用の金属層を得る事が可能である。
上記において内層基板にフレキシブルプリント配線板を用いた場合、多層フレキシブル配線板を製造する事になり、また、ガラス−エポキシ基材等を用いたプリント配線板を用いた場合、多層リジッド配線板やビルドアップ配線板を製造する事になる。また、多層プリント配線板には垂直方向の電気的接続の為にヴィアの形成が必要であるが、本発明のプリント配線板においては、レーザー、メカニカルドリル、パンチング等の公知の方法でヴィアを形成し、無電解めっき等の公知の方法で導電化することが可能であり、好ましく実施される。
積層に際しては、熱プレス処理、真空プレス処理、ラミネート処理(熱ラミネート処理)、真空ラミネート処理、熱ロールラミネート処理、真空熱ロールラミネート処理等の熱圧着処理を行うことができる。中でも真空下での処理、すなわち真空プレス処理、真空ラミネート処理、真空熱ロールラミネート処理がより良好に回路間をボイド無く埋め込むことが可能であり、好ましく実施可能である。
また、表面aを有する層Aと無電解めっき層との接着性を向上させる目的で、無電解めっき層を形成後に加熱処理を施すことも可能である。
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、本発明にかかるめっき用材料の特性として、無電解めっき銅との接着性、表面粗さRaは以下のように評価または算出した。
〔接着性評価〕
表面aを有する層A/支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)からなる絶縁シートを作製し、層Aとガラスエポキシ基板FR−4(商品番号:MCL−E−67、日立化成工業(株)社製;銅箔の厚さ50μm、全体の厚さ1.2mm)とを対向させ、温度170℃、圧力1MPa、真空下の条件で6分の加熱加圧を行った後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がして、130℃で10分、150℃で10分、180℃で30分加熱して、表面aを有する層A/FR−4からなる積層体を得た。その後、露出する表面aに銅層の形成を行った。銅層の形成は、デスミアおよび無電解銅めっきを行なった後、無電解めっき銅上に厚さ18μmの電解めっき銅層を形成して行った。その後、180℃、30分の乾燥処理を行った後、JPCA−BU01−1998(社団法人日本プリント回路工業会発行)に従い、常態の接着強度を測定した。尚、デスミアおよび無電解銅めっきは以下の表1〜2に記載のプロセスで実施した。
常態接着強度:温度25℃、湿度50%の雰囲気下、24時間放置した後に測定した接着強度。
Figure 2008130924
Figure 2008130924
〔表面粗度Ra測定〕
上記接着性測定項目のサンプル作製手順において、無電解めっきをする前の状態(デスミアまで行った状態)のサンプルを用い、表面aの表面粗度Raの測定を行った。測定は、光波干渉式表面粗さ計(ZYGO社製NewView5030システム)を用いて下記の条件で表面Aの算術平均粗さを測定した。
(測定条件)
対物レンズ:50倍ミラウ イメージズーム:2
FDA Res:Normal
解析条件:
Remove:Cylinder
Filter:High Pass
Filter Low Waven:0.002mm
〔ポリアミドイミド樹脂の合成例1〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、2,2−ビスー(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン147.8g(0.36mol)、信越化学工業株式会社製KF−8010を33.2g(0.04mol)、プロピレンオキサイド34.8g(0.6mol)、N,N−ジメチルアセトアミド617gを計りとり、攪拌、溶解した。この溶液を0℃に冷却し、この温度でトリメリット酸モノクロライド84.2g(0.4mol)を添加した。室温で3時間攪拌後、無水酢酸200g、ピリジン50gを加え、60℃で24時間攪拌した。得られた溶液をメタノール中に投入して固形分を得た。得られた固形分を乾燥した後、再びN,N−ジメチルアセトアミドに溶解、これをメタノールに投入、得られた固形分を乾燥させる工程を3回繰り返して、ポリアミドイミド樹脂1を得た。
〔ポリアミドイミド樹脂の合成例2〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、2,2−ビスー(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン114.9g(0.28mol)、信越化学工業株式会社製KF−8010を99.6g(0.12mol)、プロピレンオキサイド34.8g(0.6mol)、N,N−ジメチルアセトアミド691gを計りとり、攪拌、溶解した。この溶液を0℃に冷却し、この温度でトリメリット酸モノクロライド84.2g(0.4mol)を添加した。室温で3時間攪拌後、無水酢酸200g、ピリジン50gを加え、60℃で24時間攪拌した。得られた溶液をメタノール中に投入して固形分を得た。得られた固形分を乾燥した後、再びN,N−ジメチルアセトアミドに溶解、これをメタノールに投入、得られた固形分を乾燥させる工程を3回繰り返して、ポリアミドイミド樹脂2を得た。
〔ポリアミドイミド樹脂の合成例3〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、2,2−ビスー(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン82.1g(0.20mol)、信越化学工業株式会社製KF−8010を166.0g(0.20mol)、プロピレンオキサイド34.8g(0.6mol)、N,N−ジメチルアセトアミド766gを計りとり、攪拌、溶解した。この溶液を0℃に冷却し、この温度でトリメリット酸モノクロライド84.2g(0.4mol)を添加した。室温で3時間攪拌後、無水酢酸200g、ピリジン50gを加え、60℃で24時間攪拌した。得られた溶液をメタノール中に投入して固形分を得た。得られた固形分を乾燥した後、再びN,N−ジメチルアセトアミドに溶解、これをメタノールに投入、得られた固形分を乾燥させる工程を3回繰り返して、ポリアミドイミド樹脂3を得た。
〔ポリイミド樹脂の合成例1〕
容量2000mlのガラス製フラスコに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン41g(0.143mol)と、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル1.6g(0.007mol)と、DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、4,4´−(4,4´−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)78g(0.15mol)を添加、20℃で約1時間撹拌し、固形分濃度30%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン(登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、200℃、180分、665Paで減圧加熱し、ポリイミド樹脂1を得た。
〔層Aを形成する溶液の調合例1〕
ポリアミドイミド樹脂1をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(1)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔層Aを形成する調合例2〕
ポリアミドイミド樹脂2をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(2)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔層Aを形成する調合例3〕
ポリアミドイミド樹脂3をジオキソランに溶解させ、層Aを形成する溶液(3)を得た。固形分濃度は15重量%となるようにした。
〔層Aを形成する溶液の調合例4〕
ジャパンエポキシレジン(株)社製ビフェニル型エポキシ樹脂のYX4000H32.1g、和歌山精化工業(株)社製ジアミンのビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン17.9g、四国化成工業(株)社製のエポキシ硬化剤、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]ーエチル−s−トリアジン0.2gをジオキソランに溶解させ、溶液(4)を得た。該溶液の固形分濃度は50重量%とした。溶液(2)20gと溶液(4)0.6gを混合して層Aを形成する溶液(5)を得た。
〔層Aを形成する溶液の調合例5〕
溶液(4)27gと日本石油化学製エポキシ変性ポリブタジエンゴム(E1000−8)10gとを混合し、層Aを形成する溶液(6)を得た。
〔層Bを形成する溶液の調合例1〕
ポリイミド樹脂1をジオキソランに溶解させ、固形分濃度が25%のポリイミド樹脂溶液(7)を得た。溶液(4)25gと溶液(7)50gと(株)龍森社製のシリカ(アドマファインS0−C5、平均粒径=1.5μm)7.5gとを混合し、層Bを形成する溶液(8)を得た。
〔非熱可塑ポリイミドフィルムの製造例1〕
高分子フィルムとして、25μmの非熱可塑ポリイミドフィルムを作製して用いた。セパラブルフラスコ中でパラフェニレンジアミン(以下PDA)と4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(以下ODA)各1当量をDMFに溶解し、その後p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)(以下TMHQ)1当量を加え30分間攪拌した。その後、ピロメリット酸二無水物(以下PMDA)0.9当量を加え30分間攪拌した。次いで粘度上昇に注意しながらPMDAのDMF溶液(濃度7%)を加え23℃での粘度が2000〜3000ポイズになるように調整し、ポリアミド酸重合体のDMF溶液を得た。なおDMFの使用量はジアミン成分およびテトラカルボン酸二無水物成分のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。また、重合は40℃で行った。上記ポリアミド酸溶液100gに対して、無水酢酸10gとイソキノリン10gを添加し均一に攪拌した後、脱泡を行い、ガラス板上に流延塗布し、約110℃に約5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、自己支持性を持つゲルフィルムを得た。該ゲルフィルムをフレームに固定して、その後約200℃で約1分間、約300℃で約1分間、約400℃で約1分間、約500℃で約1分間加熱し、脱水閉環乾燥し、厚み約25μmの非熱可塑ポリイミドフィルム(a)を得た。このフィルムの熱膨張係数は12ppmであった。また、圧縮モード(プローブ径3mmφ、荷重5g)の熱機械分析測定(TMA)において、10〜400℃(昇温速度:10℃/min)の温度範囲で永久圧縮変形を起こさなかったため、非熱可塑ポリイミドと判定した。また、得られた非熱可塑ポリイミドフィルムの表面粗度Raは0.01μmであった。
〔実施例1〕
表3に示す層Aを形成する溶液を、支持体となる樹脂フィルム(商品名セラピールHP、東洋メタライジング社製、表面粗度Ra=0.02μm)の表面上に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて60℃、100℃、150℃の温度で各1分加熱乾燥させ、厚み25μmの層Aを有する支持体つき絶縁シートを得た。得られたシートを用いて、各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
〔実施例2〜4〕
表3に示す層Aを形成する溶液に従い、実施例1と同様の手順で層Aを有する支持体付き絶縁シートを得た。得られたシートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
〔実施例5〕
表3に示す層Aを形成する溶液を、支持体となる樹脂フィルム(商品名セラピールHP、東洋メタライジング社製、表面粗度Ra=0.02μm)の表面上に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて60℃の温度で1分加熱乾燥させ、厚み2μmの層Aを有する支持体つき絶縁シートを得た。
続いて層Aに層Bを形成する溶液(8)を流延塗布し、熱風オーブンにて80℃、100℃、100℃、110℃の温度で、各1分ずつ加熱乾燥させ、層Aと層B両者を併せた厚みが40μmの支持体つき絶縁シートを得た。得られたシートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
〔実施例6〕
表3に示す層Aを形成する溶液を、25μmのポリイミドフィルム(a)に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて60℃の温度で1分加熱乾燥させ、厚み2μmの表面Aを有するポリイミドフィルムを得た。
続いて形成した層Aと反対のポリイミドフィルム面に層Bを形成する溶液(8)を流延塗布し、熱風オーブンにて80℃、100℃、120℃、150℃、170℃の温度で、各1分ずつ加熱乾燥させ、2μmの表面A/25μmのポリイミドフィルム/23μmの層Bからなる構成の絶縁シートを得た。得られた絶縁シートを各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表3に示す。
〔比較例1〕
溶液(6)を用い、デスミア処理を行わなかった以外は実施例1と同様の手順で各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表4に示す。表4から分かるように、表面粗度は充分小さいが、接着強度が低い。
〔比較例2〕
溶液(6)を用い、デスミア処理を行った以外は比較例1と同様の手順で各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表4に示す。表4から分かるように、接着強度は高いが、表面粗度が大きい。
Figure 2008130924
Figure 2008130924
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明にかかるめっき用材料は、各種材料との接着性のみならず、無電解めっき皮膜との接着性が高い。さらには、本発明の表面粗度が小さい場合でも無電解めっき皮膜との接着性が高いことから、特にプリント配線板の製造等に好適に用いることができる。それゆえ、本発明は、樹脂組成物や接着剤等の素材加工産業や各種化学産業だけでなく、各種電子部品の産業分野に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 無電解めっきを施すための表面aを少なくとも有する無電解めっき用材料であって、表面aの表面粗度は、カットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下となっており、かつ表面aは、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有することを特徴とするめっき用材料。
  2. シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂が、トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体成分と、下記一般式(1)で表されるジアミンを含むジアミン成分を原料とするポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする請求項1記載のめっき用材料。
    Figure 2008130924
    (式中、gは1以上の整数を表す。また、R11及びR22は、同一、または異なっていてよく、アルキレン基またはフェニレン基を表す。R33〜R66は、同一、または異なっていてよく、アルキル基、またはフェニル基、またはフェノキシ基、またはアルコキシ基を表す。)
  3. 無電解めっきが、無電解銅めっきであることを特徴とする請求項1または2に記載のめっき用材料。
  4. 無電解めっきを施すための表面aを有し、かつ、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有する単層シートであって、表面aの表面粗度はカットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下となっていることを特徴とする単層シート。
  5. 無電解めっきが、無電解銅めっきであることを特徴とする請求項4記載の単層シート。
  6. 少なくとも無電解めっきを施すための表面aを有する層Aを含む2層以上の層から構成された絶縁シートであって、表面aの表面粗度はカットオフ値0.002mmで測定した算術平均粗さで0.5μm以下となっており、かつ層Aは、シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有することを特徴とする絶縁シート。
  7. 無電解めっきが、無電解銅めっきであることを特徴とする請求項6記載の絶縁シート。
  8. 請求項4記載の単層シートまたは、請求項6記載の絶縁シートの、層A上に無電解めっき皮膜が形成されていることを特徴とする積層体。
  9. 請求項4記載の単層シートまたは、請求項6記載の絶縁シートを用いてなるプリント配線板。
  10. シロキサン構造を有するポリアミドイミド樹脂を含有する溶液であって、請求項1に記載の表面aを形成するために用いられることを特徴とするポリアミドイミド樹脂を含有する溶液。
  11. シロキサン構造を有するポリアミドイミド前駆体を含有する溶液であって、請求項1に記載の表面aを形成するために用いられることを特徴とするポリアミドイミド前駆体を含有する溶液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024084906A1 (ja) * 2022-10-17 2024-04-25 株式会社カネカ 金属化樹脂フィルム、プリント配線板、リチウムイオン電池用集電体フィルム及び金属化樹脂フィルムの製造方法

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