JP2008130784A - 多層回路基板 - Google Patents

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哲雄 奥山
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武史 吉田
Ri Ri
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Abstract

【課題】 高温加熱などに対する安定性特に寸法安定性に優れ、しかも高周波特性に優れ、導体パターンの基板に対する密着強度が大きい多層回路基板を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層より耐熱性の高い第2樹脂層である多層ポリイミドフィルムとからなる絶縁性層に導体パターンが形成された回路素板が、多層に積層された多層回路基板であって、前記第2樹脂層が多層回路基板内に少なくとも1層含まれており、前記第2樹脂層が4,4’−オキシジフタル酸、芳香族ジアミン類として1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンとを反応させて得られるポリイミドなど接着性熱可塑性ポリイミドである(a)層とピロメリット酸とベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンとを反応させて得られるポリイミドなどの高耐熱性低線膨張係数のポリイミドである(b)層とが少なくとも積層されてなる構成の多層ポリイミドフィルムであることを特徴とする多層回路基板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生産性に優れた製法で作製し得る、寸法安定性に優れた多層回路基板に関する。
熱可塑性樹脂からなるフィルム上に導体パターンが形成された樹脂フィルムを複数枚積層し、加熱加圧により貼り合わせて製造される多層回路基板が開示されている(特許文献1参照)。開示された製造方法とそれにより製造される多層回路基板の例は、熱可塑性樹脂からなるフィルム上に、導体パターンが形成され、またフィルムには、熱可塑性樹脂を貫通し、導体パターンを底面とする有底孔が形成されており、有底孔内には導電ペーストが充填されており、これらの複数枚を加熱しつつ加圧することにより相互に貼り合わされて一体化し、多層回路基板が製造されるものである。尚、この加熱加圧工程により導電ペーストが焼結されて、導体パターンを層間接続する接続導体が形成されるものである。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤層の3層からなるフィルム上に、導体パターンが形成され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤層の3層を貫通し、導体パターンを底面とする有底孔が形成され導電ペーストが充填されて、これらが接着剤層により相互に貼り合わされた多層回路基板も知られている。
さらには、高周波特性に優れ、表面に露出した導体パターンの密着強度が高い多層回路基板とその製造方法が提案されている(特許文献2参照)。ここに開示されているのは、熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層より耐熱性の高い第2樹脂層とを有する絶縁性の樹脂基板に、導体パターンが多層に形成される多層回路基板の製造方法であって、前記第1樹脂層となる熱可塑性樹脂からなるフィルムの一方の面上に、前記導体パターンが形成された第1樹脂フィルムを準備する第1樹脂フィルム準備工程と、前記第2樹脂層となる耐熱性の高いフィルムの一方の面上に、前記導体パターンが形成された第2樹脂フィルムを準備する第2樹脂フィルム準備工程と、前記第1樹脂フィルムと第2樹脂フィルムをそれぞれ所定枚数準備し、前記第2樹脂フィルムを端に配置して、所定枚数の第1樹脂フィルムと第2樹脂フィルムを積層する積層工程と、前記積層された第1樹脂フィルムと第2樹脂フィルムを加熱しつつ加圧することにより、相互に貼り合わせる加熱加圧工程とからなる多層回路基板の製造方法とこの製造方法によって得られた多層回路基板である。
特開2000−038464号公報 特開2005−072187号公報 前記特許文献1の多層回路基板は、フィルム(樹脂基板)が熱可塑性樹脂からなる均一材質でできており、また低誘電率であるため、高周波特性に優れているが、一方、部品実装される表面に露出した導体パターンは、樹脂基板に対する密着強度が低く、部品実装時の半田付けに際して印加される熱と応力により、剥がれが生じ易く、高温高湿環境での回路の寸法安定性に劣る。また特許文献2の多層回路基板も、これらの課題を解決するために提案されたものであるが、使用されている基板樹脂は、その熱的物性や特性に注目されたものではなく、回路作成時や一体成形時、さらに多層回路基板としての使用時における高温加熱などに対する安定性特に寸法安定性における課題を有している。
本発明は、高温加熱などに対する安定性特に寸法安定性に優れ、しかも高周波特性を保持し、導体パターンの基板に対する密着強度が大きい多層回路基板(PA)を提供するため、引張破断強度、引張弾性率が共に大きく、線膨張係数が低めの特定範囲にあり、耐熱性に優れた特定ポリイミドフィルムの優れた機械的特性を持ち、かつ接着性などの表面特性が改良された従来のポリイミドフィルムにない性能を保有した多層ポリイミドフィルムを多層回路基板の表層部に使用し、内層部に第1樹脂層に形成した導体パターンを多層に一括して積層してなる多層回路基板を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、表面改質した特定構造を有するポリイミドフィルムを多層回路基板の表層部に使用することによって、高温加熱などに対する安定性特に寸法安定性に優れ、しかも高周波特性に優れ、導体パターンの基板に対する密着強度が大きい多層回路基板を提供せんとするものである。
すなわち本発明は以下の構成からなる。
1.絶縁性層に導体パターンが形成された回路素板が、多層に積層された多層回路基板であって、前記絶縁性層は、熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層より耐熱性の高い第2樹脂層である多層ポリイミドフィルムとからなり、前記第2樹脂層が多層回路基板内に少なくとも1層含まれており、前記第2樹脂層が下記(a)層と(b)層とが少なくとも積層されてなる構成の多層ポリイミドフィルムであることを特徴とする多層回路基板。
(a):下記化1の構造のポリイミドであって、少なくもR1が化2から選択される芳香族テトラカルボン酸類の残基およびまたは少なくともR2が化3から選択される芳香族ジアミン類の残基を有するポリイミド、
(b):少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基またはビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基またはフェニレンジアミン残基を有するポリイミド。
2. 多層ポリイミドフィルムの引張破断強度が300MPa以上、引張弾性率が5GPa以上、面方向での線膨張係数が0〜15ppm/℃である1.の多層回路基板。
3. 第1樹脂層が、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン/ポリエーテルイミド混合物のいずれかから選ばれた少なくとも一種以上の樹脂である1.の多層回路基板。
本発明における、(a)層の特定熱可塑性樹脂の層と(b)層の特定熱硬化性ポリイミド樹脂の層とを積層した多層ポリイミドフィルムは、(b)層のポリイミドフィルムの有する高い引張弾性率と引張破断強度と特定範囲の低い線膨張係数とを保持し、かつその金属などと接する表面が(a)層の接着性に優れた熱可塑性樹脂の保有する物性となり両者の優れた点を具備するフィルムとなり、これを多層回路基板の一部に使用し、内層部に第1樹脂層に形成した導体パターンを多層に一括して積層した多層回路基板は、高温加熱などに対する安定性特に寸法安定性に優れ、しかも高周波特性に優れ、導体パターンの基板に対する密着強度が大きい多層回路基板となり、生産性においても優れ、多層回路基板として極めて有用である。
本発明に使用される導体パターン(回路)に用いられる導体としては、例えば銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫等の、厚さ0.5〜70μm程度の金属層(箔)が挙げられるが、より好ましくは、通常銅や銅主体の合金が使用され、さらに表面を黒色酸化処理等の化成処理を施したものである。
本発明における第1樹脂層や第2樹脂層である絶縁性フィルムに導体パターンを形成する方法は、特に限定されず、好ましい例としては接着剤を用いるかまたは用いずに銅箔を張り合わせ、定法であるサブトラクティブ法により回路パターンに加工することである。また、スパッタリング、蒸着などにより、必要に応じて下地金属、導電化金属を形成し、電気メッキで厚付けした導体をエッチング加工して導体パターン(回路パターン)とすることもできる。
さらに、無電解メッキ、あるいはスパッタリング、蒸着、あるいは、キャリアなどを併用して極薄金属箔を貼り付けるなどの方法により、下地層を形成し、セミアディティブ法を用いて導体パターンの形成を行っても良い。
導体パターンの厚さに特に制限はないが、要求される回路密度に応じて0.5〜70μm程度、より好ましくは0.7〜20μm程度の厚さにて作製すればよく、本発明の主旨、プリント配線単板(A)を複数枚一括積層して多層回路基板を作製することからして、導体パターン厚さは20μm以下が好ましく適用されるものである。
第1樹脂層や第2樹脂層である絶縁性フィルムに少なくとも導体パターンを形成した回路素板(プリント配線単板)を多層回路基板に一括して積層する多層回路基板の製造方法は、その熱融着方法として加熱、加圧できる方法であれば公知の方法を採用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、熱プレス法や熱ラミネートロール法、又はこれらを組み合わせた方法を好適に採用することができる。
本発明の多層回路基板においては、回路素板を構成する絶縁性層として第1樹脂層と第2樹脂層とを必須とするものであるが、第1樹脂層は2以上複数存在することが好ましく、また多層回路基板の内層部に存在せしめることが好ましい。
第2樹脂層である多層ポリイミドフィルムは、本発明の骨子からして少なくとも1層多層回路基板に存在せしめることが必須であるが、多層回路基板における最外層(上およびまたは下)に配置することが望ましいが、最外層にある場合のほかに、部品内蔵されるSiチップがある場合には、Siチップに隣接する層(Siチップが積載される層)にある場合が好ましい。
本発明の導体パターンを形成するための第2樹脂層である多層ポリイミドフィルムは、(a)層と(b)層とが少なくとも積層されてなる構成のものであり、代表例として(a)層は少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基として4,4’−オキシジフタル酸残基、芳香族ジアミン類の残基として1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン残基を有する熱可塑性ポリイミドの層からなり、(b)層は少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基を有するポリイミドであるところの多層ポリイミドフィルムである。
本発明における(b)層のポリイミドは、少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基またはビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基またはフェニレンジアミン残基を有するポリイミドであり、好ましくは引張破断強度が300MPa以上、弾性率が5GPa以上、面方向での線膨張係数が0〜15ppm/℃である前記のポリイミド(フィルム)であり、下記の芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸(無水物)類との組み合わせが好ましい例として挙げられる。
A.ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類特にピロメリット酸との組み合わせ。
B.フェニレンジアミン骨格を有する芳香族ジアミン類とビフェニルテトラカルボン酸骨格を有する芳香族テトラカルボン酸類との組み合わせ。
C.上記のA.B.の任意組成の組み合わせ。
本発明における(b)層のポリイミドはこれらのポリイミドから作製されるフィルムが好ましい形態であり、フィルムは、例えば芳香族テトラカルボン酸類(無水物、誘導体も含む)であるピロメリット酸およびまたはビフェニルテトラカルボン酸と芳香族ジアミン類であるベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンおよびまたはフェニレンジアミンと溶媒中で反応せしめそのポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を得て、該溶液を支持体上に流延し、乾燥してポリイミドの前駆体フィルム(グリーンフィルムともいう)を得て、該前駆体フィルムを((a)層と積層するなどして)さらに熱処理してイミド化しポリイミドフィルムを得る方法で製造することができる。
本発明で使用するベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類(芳香族ジアミン、芳香族ジアミンのアミド結合性誘導体などを総称する、以下単に芳香族ジアミンともいう)として、下記の化合物が例示できる。
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化4」〜「化7」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明における、フェニレンジアミンは、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミンなどが挙げられるが好ましくはp−フェニレンジアミンである。
本発明においては、芳香族テトラカルボン酸類(酸、無水物、アミド結合性誘導体を総称する、以下芳香族テトラカルボン酸ともいう)として、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸(ビフェニルテトラカルボン酸およびその二無水物(PMDA)ならびにそれらの低級アルコールエステル)が使用される。ビフェニルテトラカルボン酸のうち3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸又はその二無水物がより好ましい。
本発明においては、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンおよびまたはフェニレンジアミンをイミド構成の全ジアミンの70モル%以上、好ましくは85モル%以上使用することが好ましい。
また、本発明においては、芳香族テトラカルボン酸類として、ピロメリット酸およびまたはビフェニルテトラカルボン酸を全カルボン酸の70モル%以上、好ましくは85モル%以上使用することが好ましい。
前記ジアミンに限定されず下記のジアミン類を全ジアミンの30モル%未満であれば使用することができる。これらのジアミン類としては、例えば、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
本発明の(b)における芳香族テトラカルボン酸類としてのピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸としては、下記化17、化18で例示することができる。
本発明においては、全カルボン酸類の30モル%未満であれば下記に例示される芳香族テトラカルボン酸類を使用してもよい。
本発明においては、全カルボン酸類の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上、適宜併用してもよい。
非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。
重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の濃度は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが、引張弾性率、引張破断強度、引張破断伸度を向上するために3.0以上が好ましく、4.0以上がさらに好ましい。
本発明における(b)層においては、そのポリイミド中に滑剤を添加・含有せしめて、層(フィルム)表面に微細な凹凸を付与し層(フィルム)の接着性などを改善することが好ましい。滑剤としては、無機や有機の0.03μm〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
これらの微粒子はフィルムに対して好ましくは、0.20〜2.0質量%の範囲で含有させることが必要である。微粒子の含有量が0.20質量%未満であるときは、接着性の向上がそれほどなく好ましくない。一方2.0質量%を超えると表面凹凸が大きくなり過ぎ接着性の向上が見られても平滑性の低下を招くなどによる課題を残し好ましくない。これらの滑剤の添加・含有は(a)層においても同様に摘要してもよい。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミド層(フィルム)を形成する方法としては、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥するなどによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラムまたはベルト状回転体などが挙げられる。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にする、あるいは梨地状に加工することができる。またポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどの高分子フィルムを支持体として用いることも可能である。
支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形して前駆体フィルム(グリーンフィルム)を得て、これをイミド化して、(b)層であるポリイミドフィルムを得る。その具体的なイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができるが、ポリイミドフィルム表裏面のイミド化率や物性の差が小さいポリイミドフィルムを得るためには、熱閉環法が好ましい。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃が例示され、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
本発明における(a)層のポリイミドは、前記化1で示される構造のポリイミドであって少なくともR1が化2から選択される芳香族テトラカルボン酸類の残基およびまたはR2が化3で示される芳香族ジアミン類の残基を有するポリイミドであり、例えば芳香族テトラカルボン酸類として4,4’−オキシジフタル酸、芳香族ジアミン類として1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンとを反応させて得られるポリイミドは、4,4’−オキシジフタル酸二無水物とTPER:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、TPEQ:1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの一種以上とを反応させてポリアミド酸を得て、このポリアミド酸を前記の(b)層のポリイミド作製と同様にしてポリアミド酸を作製しそれをイミド化することで得ることができる。
(a)層のポリイミドは前記化1の構造のポリイミドであって、少なくもR1が化2から選択される芳香族テトラカルボン酸類の残基およびまたは少なくともR2が化3から選択される芳香族ジアミン類の残基を有するポリイミドであり、具体的には、芳香族テトラカルボン酸類として化2から選択される芳香族テトラカルボン酸類の残基を有しかつR2が化3から選択される芳香族ジアミン類の残基を有するポリイミドが最も好ましい例だが、芳香族テトラカルボン酸類として化2から選択される芳香族テトラカルボン酸類の残基を有し芳香族ジアミン類の残基としては前記(b)層のポリアミド作製で述べた種々の芳香族ジアミン類の残基を有するポリイミドでもよく、またR2が化3から選択される芳香族ジアミン類の残基を有し芳香族テトラカルボン酸類の残基として前記(b)層のポリアミド酸溶液作製で述べた種々の芳香族テトラカルボン酸類の残基を有するポリイミドでもよい。
本発明における(b)層ポリイミドの表面に薄く(a)層のポリイミド層を形成した多層ポリイミドフィルムは、(b)層ポリイミドフィルムの持つ高引張破断強度、高引張弾性率、低線膨張係数をほぼそのまま維持して、かつ表面が接着性を改良されたものであり、得られた多層ポリイミドフィルムは、好ましい態様として、引張破断強度が300MPa以上、引張弾性率が5GPa以上であり、面方向での線膨張係数が0〜15ppm/℃である優れた性能の多層ポリイミドフィルムである。
本発明の多層ポリイミドフィルムは、構成が二層構造である(a)/(b)でもよいが、三層構造(a)/(b)/(a)であることがより好ましく、(a)/(b)の厚さの比(この厚さの比における(a)層の厚さは、(a)/(b)/(a)の場合は両(a)層の合計を示す)は、0.01〜0.5より好ましくは0.05〜0.4であり、(b)層の厚さが3〜50μmである多層ポリイミドフィルムが好ましい。この比が0.01に満たない時は(a)層による多層化時の導体パターン埋め込み性や、接着性の効果が低く、また0.5を超える場合には(b)層の折角の高引張破断強度、高引張弾性率および低線膨張係数の保持が損なわれてしまう。
かかる多層ポリイミドフィルムの物性を得るためには、(b)層のポリイミドフィルムの引張破断強度が300MPa以上、引張弾性率が5GPa以上、面方向での線膨張係数が0ppm/℃〜15ppm/℃であることが好ましく、(a)層との積層による多層ポリイミドフィルムが前記物性を保有することになる。
多層ポリイミドフィルムの面方向での線膨張係数がこの範囲を超えると多層ポリイミドフィルムの寸法安定性が低下し、かつ例えばこの多層ポリイミドフィルムに導体(金属)層を接着積層した場合に、金属層を構成する銅などの金属の線膨張係数との乖離が大きくなり、反りや剥離などの問題が発生し易くなる。
本発明の多層ポリイミドフィルムの多層化(積層)方法は、両層の密着に問題が生じなければ、特に限定されるものではなく、例えば、共押し出しによる方法、一方の層である(b)層のポリイミドフィルム上に他方の(a)層のポリイミドのポリアミド酸溶液を流延してこれをイミド化する方法、一方の層である(b)層のポリイミドフィルムの前駆体フィルム上に他方の(a)層ポリイミドの前駆体フィルムを積層し共にイミド化する方法、(b)層上に(a)のポリイミドのポリアミド酸溶液をスプレーコートなどで塗布してイミド化する方法などが挙げられるが、特に好ましい製造方法は、(a)層と(b)層とを、両者の残留揮発成分率が共に10%以上の状態で、200℃以下で積層する多層ポリイミドフィルムの製造方法であり、この方法の採用により(a)層と(b)
層との界面が不明確に成る程層間の接着に優れたものとなる。
本発明における、第1樹脂層としては、本発明の多層ポリイミドフィルムにおける(a)層に使用されるポリイミド(特定ポリエーテルイミド)、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン/ポリエーテルイミド混合物のいずれかであることが好ましい。これらの材料を用いた第1樹脂層は、低誘電率で高周波損失も小さく、内部に埋め込まれる導体パターンと共に用いられて、高周波特性に優れる多層回路基板とすることができる。
本発明における面方向での線膨張係数(CTE)の測定は下記による。
<(b)層のフィルムおよび多層ポリイミドフィルムの面方向での線膨張係数>
測定対象のフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、90〜100℃、100〜110℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を400℃まで行い、100℃から350℃までの全測定値の平均値をCTE(平均値)として算出した。MD方向、TD方向の意味は、流れ方向(MD方向;長尺フィルムの長さ方向)および幅方向(TD方向;長尺フィルムの幅方向)を示すものである。
面方向の線膨張係数はMD方向、TD方向の値の平均値である。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/分
雰囲気 ; アルゴン
<ポリイミドフィルムおよび多層ポリイミドフィルムの引張破断強度、引張弾性率の測定>
引張破断強度、引張弾性率の測定は下記による。
測定対象のフィルムを、MD方向およびTD方向にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(商品名)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は前記した以外は以下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(またはジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。
2.フィルム(層)の厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
3.残留揮発成分率
TGA装置(MACサイエンス社製TG−DTA2000S)を用い、被測定物(フィルム)を、窒素気流中にて、室温から10℃/分にて400℃まで昇温、400℃にて30分間保持した後の加熱質量減を測定し、その質量減少率を、揮発成分率(質量%)とした。
4.耐ヒートサイクル性評価
モジュールを、ステンレスメッシュ性の籠に入れ、−50℃のメタノール浴と+120℃のシリコーンオイル浴に各々30分ずつ交互に10回浸積処理を行い、試験後チップの異常の外観検査を行った。100チップのうち割れ、かけ、剥がれの無かった枚数を結果として表1に示す。
5.半田耐熱性評価
リフロー半田装置を用いて240℃×3分間の加熱処理を行い、モジュールの異常、特にフィルム貼り付け面の外観検査を行った。結果を表1に示す。
〔重合例1〕(PMDA−DAMBO)
<ベンゾオキサゾール構造を有するジアミンからなるポリアミド酸の重合>
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、N,N−ジメチルアセトアミド5000質量部を加えて完全に溶解させた後,コロイダルシリカをN,N−ジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(商品名)DMAC−Zl(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)を加え,ピロメリット酸二無水物485質量部を加え,25℃の反応温度で48時間攪拌すると、淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(1)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.2dl/gであった。
〔重合例2〕 (PMDA−DAMBO、ODA)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール279質量部と、4,4’―ジアミノジフェニルエーテル28質量部を4446質量部のN,N−ジメチルアセトアミドに完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物300質量部を加え,20℃の反応温度で24時間攪拌すると,淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(2)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.0であった。
〔重合例3〕 (ODPA−TPER)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン930質量部を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド15000質量部を導入し、均一になるようによく攪拌した後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(商品名)DMAC−Zl(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)を加え,この溶液を0度まで冷やし、4,4’−オキシジフタル酸無水物990質量部を添加、17時間攪拌した。薄黄色で粘調なポリアミド酸溶液(3)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは3.1dl/gであった。
〔重合例4〕 (BTDA−TPER)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン821質量部を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド13500質量部を導入し、均一になるようによく攪拌した後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(商品名)DMAC−Zl(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)を加え,この溶液を0度まで冷やし、3,3’,4,4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物900質量部を添加、20時間攪拌した。薄黄色で粘調なポリアミド酸溶液(4)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは3.15dl/gであった。
〔重合例5〕 (ODPA−ODA)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、4,4’ジアミノジフェニルエーテル639質量部を入れ、N,N−ジメチルアセトアミド12000質量部を導入し、均一になるようによく攪拌した後、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(商品名)DMAC−Zl(日産化学工業株式会社製)40.5質量部(シリカを8.1質量部含む)を加え,この溶液を0度まで冷やし、4,4’−オキシジフタル酸無水物990質量部を添加、24時間攪拌した。薄黄色で粘調なポリアミド酸溶液(5)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは2.28dl/gであった。
〔実施例1〕
ポリアミド酸溶液(3)を、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。
得られたポリアミド酸フィルムを製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液(1)を、コンマコーターを用いてポリアミド酸フィルム面にコーティングし、110℃にて20分間乾燥することで、(a)/(b)2層構成のポリアミド酸フィルムを得た。
この多層ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、500mm幅にスリットして、多層ポリイミドフィルムを得た。

得られた多層フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面が観察できるようにミクロトームで切断し透過型電子顕微鏡にて断面を観察した。断面の電子顕微鏡画像においては組成の異なる層の境目が縞状に観察でき、その厚さ比率は塗布厚から求めた厚さ比率とほぼ一致していた。得られた多層ポリイミドフィルムを第2樹脂層として使用した。 図1に示すように、第一銅張り板1と第2銅張り板2をそれぞれ準備する。第一銅張り板1は、三菱樹脂製熱可塑樹脂、商品名「IBUKI」の50μm厚フィルムを使いこの熱可塑性樹脂からなるフィルム1fの一方の面上に、銅箔3が貼り合わされた樹脂フィルム銅張り板である。第2銅張り板2は、上記フィルム1fより耐熱性の高いフィルムである上記の多層ポリイミドフィルムを使用し、このフィルムの一方の面上に銅箔3が形成され、他方の面上に重合例3の樹脂層を有する樹脂フィルムである。
また、第2銅張り板2におけるフィルム1faは、後述する図2の工程で第一銅張り板1と第2銅張り板2を一括して貼り合わせる場合に、貼り合わせを確実にするために形成されたものである。第2銅張り板2におけるフィルム2の厚さは、第一銅張り板1におけるフィルム1fの厚さに較べて小さい。これによって、2層のフィルム2f/1faからなる第2の銅張り板2の厚さを、第一銅張り板1の厚さと同程度にすることができる。
このため、後述する図3の第1銅張り板1と第2銅張り板2へのレーザ加工による孔形成を同じ条件にすることができ、多層回路基板の製造が容易になって、製造コストを低減するこ
とができる。尚、第1銅張り板1は、フィルム1fと銅箔3を積層し、加熱加圧することにより両者を貼り合わせて作られたものを使った。また、第2銅張り板2を準備する場合には、上記の多層ポリイミドフィルムを用い、そのフィルムにスパッタリング、めっき法によって銅箔を作製する。
スパッタリング、めっきは以下のようにして行った。
酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した。処理時の条件は酸素(O)ガス圧2×10−3Torr、流量50SCCM、放電周波数13.56MHz、出力250W、処理時間は、フィルム送り速度0.1m/分で有効プラズマ照射幅が10cm程度の為1箇所のプラズマ照射時間が1分となる。この後、表面処理装置より取り出し、フィルムの(b)層の露出した面上に、NiCr合金をターゲットとしてアルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ15nmのNiCr下地薄膜層を形成させた。薄膜層作製時の真空度は3×10−3Torrである。その後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。ターゲットのNiCr合金の組成は、Ni80質量%、Cr20質量%純度3Nのものを用いた。ターゲットのCuは純度4Nのものを用いた。
次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施した。得られた金属化フィルムをプラスチック製の枠に固定し直し、硫酸銅メッキ浴をもちいて、厚さ5μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成した。
次に、図2に示すように、第1銅張り板1と第2銅張り板2の銅箔3をパターニングして、それぞれ所定の形状の導体パターン3cを形成する。
次に、図3に示すように、第1銅張り板1および第2銅張り板2において、それぞれ、導体パターン3cを底とする有底孔1fh,1fa2fhをレーザ加工により形成する。
次に、図4に示すように、図3で形成した有底孔1fh,1fa2fh内に、導電ペースト4pを充填する。導電ペースト4pには、例えば、銀と錫を導電性フィラーとする導電ペーストが用いられる。
以上で、第1銅張り板1と第2銅張り板2の加工が完了する。
次に、図4に示すように、上記図1〜4の工程を用いて準備した第1銅張り板1、1’と第2銅張り板2,2’を、図に示す向きと配列で積層する。すなわち、図4に示す積層では、一組の隣り合う第1銅張り板1、1’同士は、導体パターン3cが形成されていない面同士が向かい合うように反転して積層され、残りの隣り合う第1銅張り板1、1’と第2銅張り板の組11/2,1’/2’は、導体パターン3cが形成された面と導体パターン3cが形成されていない面とが向かい合うように反転せずに積層されている。これにより、第2銅張り板の導体パターン3cが両側の表面に露出する多層回路基板を製造することができる。
また、図4の積層では、第2銅張り板2,2’に形成された熱可塑性樹脂からなるフィルム1faと、第1銅張り板1,1’のフィルム1fとを対向させている。この2つのフィルム1fa,1fは、ともに熱可塑性樹脂からできているため、次の加熱加圧により一括して行う積層体の貼り合わせが確実になる。
次に、図4の向きと配列で積層配置した第一銅張り板1,1’、第2銅張り板2,2’を、付着防止フィルム、緩衝材、金属板を介して、ヒータが埋設された一対の熱プレス板の間に挿入して、加熱しつつ加圧する。尚、付着防止フィルムは、熱可塑性樹脂からなるフィルム1fが周りの部材へ付着するのと導体パターン3cが傷つくのを防止するためのもので、例えばポリイミドフィルム等が用いられる。緩衝材は均等に加圧するためのもので、例えばステンレス等の金属を繊維状に裁断し、その繊維状金属を成形したものが用いられる。金属板は、熱プレス板に傷が入るのを防止するためのもので、例えばステンレス(SUS)やチタン(Ti)の板が用いられる。緩衝材と金属板の積層順序を逆にしてもよい。
上記の加熱加圧により、図4の第2銅張り板1,1’における熱可塑性樹脂からなるフィルム1fは、軟化して相互に貼り合わされ、図5に示す多層回路基板5の第1樹脂層6が形成される。また、図1の第2銅張り板2,2’におけるフィルム2fは、それぞれ、図5に示す多層回路基板5の第2樹脂層7、7’となる。このようにして、各銅張り板1,1’、2,2’が一括して貼り合わされ、絶縁性の多層回路基板5が第2樹脂層7/第1樹脂層6/第2樹脂層7’で構成される図5の多層回路基板5が製造される。尚、上記加熱加圧により導電ペースト4pは焼結されて、導体パターン3cを層間接続する接続導体8となる。
得られた基板に、Siウェハーを100μm厚にバックグラインド加工してダイシングすることによって得られた、10mm×10mmのシリコンチップを日立化成製ダイボンドフィルム商品名HS−230によって貼り付け、熱硬化させたものをモジュール(テスト用半導体装置)とした。
このモジュールの耐ヒートサイクル性評価、半田耐熱性評価を行った結果を表1に示す。
〔実施例2〜5〕
ポリアミド酸溶液(3)を、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし(塗工幅700mm)、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルム(前駆体フィルム)を巻き取った。
得られたポリアミド酸フィルムを製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液(1)を、コンマコーターを用いて支持体としてのポリアミド酸フィルム面にコーティングし(塗工幅700mm)、110℃にて20分間乾燥後、支持体から剥がさずに積層ポリアミド酸フィルムを巻き取った。
得られた積層ポリアミド酸フィルムを再度製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液(3)を、コンマコーターを用いて積層ポリアミド酸フィルム(3)が積層されている面と異なる他面にコーティングし(塗工幅700mm)、110℃にて5分間乾燥することで、表1に示す各(a)/(b)/(a)の3層構成の多層ポリアミド酸フィルムを得た。
上記の各多層ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、500mm幅にスリットして、各多層ポリイミドフィルムを得た。
得られた多層ポリイミドフィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面が観察できるようにミクロトームで切断し透過型電子顕微鏡にて断面を観察した。断面の電子顕微鏡画像においては組成の異なる層の境目が縞状に観察でき、その厚さ比率は塗布厚から求めた厚さ比率とほぼ一致していた。塗工のギャップは、表1の厚さとなるようそれぞれ調整した。
得られた各フィルムを使用して、実施例1と同様にしてモジュール(テスト用半導体装置)とした。
このモジュールの耐ヒートサイクル性評価、半田耐熱性評価を行った結果を表1に示す。
〔実施例6〜7〕
実施例2と同様の作製法で、ポリアミド酸溶液(1)の代わりにポリアミド酸溶液(2)を使用した。塗工のギャップは、表1、2の厚さとなるようそれぞれ調整した。
得られたフィルムを使用して、実施例1と同様にしてモジュール(テスト用半導体装置)とした。
このモジュールの耐ヒートサイクル性評価、半田耐熱性評価を行った結果を表1、2に示す。
〔実施例8〕
実施例3と同様の作製法で、ポリアミド酸溶液(3)の代わりにポリアミド酸溶液(4)を使用した。塗工のギャップは実施例3とほぼ同じであるが、表2の厚さとなるようそれぞれ調整した。
得られたフィルムを使用して、実施例1と同様にしてモジュール(テスト用半導体装置)とした。
このモジュールの耐ヒートサイクル性評価、半田耐熱性評価を行った結果を表2に示す。
〔実施例9〕
実施例3と同様の作製法で、ポリアミド酸溶液(3)の代わりにポリアミド酸溶液(5)を使用した。塗工のギャップは実施例3とほぼ同じであるが、表2の厚さとなるようそれぞれ調整した。
得られたフィルムを使用して、実施例1と同様にしてモジュール(テスト用半導体装置)とした。
このモジュールの耐ヒートサイクル性評価、半田耐熱性評価を行った結果を表2に示す。
〔比較例1〕
〔重合例6〕
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器を窒素置換した後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を入れた。次いで、ジメチルアセトアミド(DMAC)を加えて完全に溶解させてから、ピロメリット酸二無水物(PMDA)を加えて、モノマーとしてのODAとPMDAとが1/1のモル比でDMAC中重合し、モノマー仕込濃度が、15質量%となるようにし、25℃にて5時間攪拌すると、褐色の粘調なポリアミド酸溶液が得られた。
得られた重合例6のポリアミド酸溶液100質量部に対して無水酢酸(AA)を15質量部、イソキノリン(IQ)を3質量部の割合で混合し、これをステンレスベルト上にコーティングし、所定の方法で乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムをステンレスベルトから剥離して、グリーンフィルムを得た。
得られたポリアミド酸フィルムを製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液(3)を、コンマコーターを用いてポリアミド酸フィルム面にコーティングし、110℃にて20分間乾燥することで、(a)/(b)2層構成のポリアミド酸フィルムを得た。
この多層ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、500mm幅にスリットして、多層ポリイミドフィルムを得た。

得られた多層フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面が観察できるようにミクロトームで切断し透過型電子顕微鏡にて断面を観察した。断面の電子顕微鏡画像においては組成の異なる層の境目が縞状に観察でき、その厚さ比率は塗布厚から求めた厚さ比率とほぼ一致していた。得られた多層ポリイミドフィルムを第2樹脂層として使用した、この多層ポリイミドフィルムの性状などを表2に示す。 得られたフィルムを使用して、実施例1と同様にしてモジュール(テスト用半導体装置)とした。
このモジュールの耐ヒートサイクル性評価、半田耐熱性評価を行った結果を表2に示す。
〔比較例2〕
ポリアミド酸溶液(1)を、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡績株式会社製)の無滑剤面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。
このポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、500mm幅にスリットして、PMDA/DAMBO単層フィルムポリイミドフィルムを得た。
得られた単層ポリイミドフィルムを第2樹脂層として使用して、実施例1と同様にしてモジュール(テスト用半導体装置)としたが第2樹脂層が接着されず、すぐに剥がれてしまった。
本発明の熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層より耐熱性の高い第2樹脂層である多層ポリイミドフィルムとからなる絶縁性層に導体パターンが形成された回路素板が、多層に積層された多層回路基板であって、前記第2樹脂層が多層回路基板内に少なくとも1層含まれており、前記第2樹脂層が4,4’−オキシジフタル酸、芳香族ジアミン類として1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンとを反応させて得られるポリイミドなど接着性熱可塑性ポリイミドである(a)層とピロメリット酸とベンゾオキサゾール骨格を有するジアミンとを反応させて得られるポリイミドなどの高耐熱性低線膨張係数のポリイミドである(b)層とが少なくとも積層されてなる構成の多層ポリイミドフィルムであることを特徴とする多層回路基板は、耐ヒートサイクル性、はんだ耐熱性に優れた、高温加熱などに対する安定性特に寸法安定性に優れ、しかも高周波特性に優れ、導体パターンの基板に対する密着強度が大きい多層回路基板となり、生産性においても優れ、多層回路基板として極めて有用である。
多層回路基板の作製工程の概略を示す。 多層回路基板の作製工程の概略を示す。 多層回路基板の作製工程の概略を示す。 多層回路基板の作製工程の概略を示す。 多層回路基板の概略を示す。
符号の説明
1 :第一銅張り板
2 :第2銅張り板
3 :銅箔(銅層)
4P:導電ペースト
5 :多層回路基板
6 :第1樹脂層
7 :第2樹脂層
8 :導体パターン

Claims (3)

  1. 絶縁性層に導体パターンが形成された回路素板が、多層に積層された多層回路基板であって、前記絶縁性層は、熱可塑性樹脂からなる第1樹脂層と、前記第1樹脂層より耐熱性の高い第2樹脂層である多層ポリイミドフィルムとからなり、前記第2樹脂層が多層回路基板内に少なくとも1層含まれており、前記第2樹脂層が下記(a)層と(b)層とが少なくとも積層されてなる構成の多層ポリイミドフィルムであることを特徴とする多層回路基板。
    (a):下記化1の構造のポリイミドであって、少なくもR1が化2から選択される芳香族テトラカルボン酸類の残基およびまたは少なくともR2が化3から選択される芳香族ジアミン類の残基を有するポリイミド、
    (b):少なくとも芳香族テトラカルボン酸類の残基としてピロメリット酸残基またはビフェニルテトラカルボン酸残基、芳香族ジアミン類の残基としてベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン残基またはフェニレンジアミン残基を有するポリイミド。
  2. 多層ポリイミドフィルムの引張破断強度が300MPa以上、引張弾性率が5GPa以上、面方向での線膨張係数が0〜15ppm/℃である請求項1記載の多層回路基板。
  3. 第1樹脂層が、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン/ポリエーテルイミド混合物のいずれかから選ばれた少なくとも一種以上の樹脂である請求項1記載の多層回路基板。
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