JP2008129953A - 管路内流れの圧力損失の評価方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】散逸エネルギの算出条件を入力し(S100)、管路をメッシュに分割して(S105)流体の挙動を計算する(S110)。そして、メッシュが第1層であるか否かを判定する(S115)。メッシュが第1層であれば、壁関数で近似した流速で速度勾配を算出する(S120)とともに、渦粘性係数νtをCebecci&Smithの式で近似して(S125)、第2総圧損失式で散逸エネルギを算出する(S130)。メッシュが第1層以外のときは第1総圧損失式で散逸エネルギを算出する(S160)。全てのメッシュで散逸エネルギを算出したら算出結果を表示装置に表示する(S140)。以上の処理を管路形状や散逸エネルギの算出条件を変更させて繰り返す。
【選択図】図3
Description
ν:流体の動粘性係数、V:流体の体積、Sin:流体入口面積、Sout:流体出口面積、
ave:平均値を表す添字、total:総圧(Total Pressure)のTotalを示す添字
の右辺第4項にブジネスク近似を導入して、第1総圧損失式(式1)の右辺第3項及び第4項をまとめて得られる式を下記式2に示す第2総圧損失式
第2総圧損失式(式2)における管路内壁面からの距離に応じた流体の渦粘性係数νtを管路内壁面からの距離及び管路内壁面からの距離に応じた流体の速度勾配に関する近似式に基づいて算出し、算出した流体の速度勾配及び渦粘性係数νtを第2総圧損失式(式2)に代入して解析要素における流体のエネルギ散逸量を求め、判定において解析要素が管路内の第1層でないと判定された場合には、第1総圧損失式(式1)により解析要素における流体のエネルギ散逸量を求めることにより圧力損失を評価することを特徴とする。
ここで、第2総圧損失式(式1)における速度勾配(式3)を算出するための近似式における流体の速度を表す式としては、種々の式が考えられるが、請求項2に記載のように下記式4に示す壁関数
また、第2総圧損失式(式2)における渦粘性係数νtを算出するための近似式として、請求項3に記載のように下記式5に示すCebecci&Smithの式
A:定数、 y:管路内壁面からの距離を示す無次元数
を用いると、管路内壁面からの距離に応じた流体の渦粘性係数νtを精度良く近似することができるので、第1層におけるエネルギ散逸量を正確に算出することができる。
速度勾配算出手段は、層判定手段において、解析要素が管路内の第1層であると判定された場合、レイノルズ・アベレージ・ナビエ・ストークス方程式と流体の平均流速uaveとの内積をとることによって得られる流体の平均運動エネルギの輸送方程式において、管路内壁面での流体の平均流速uaveを0として得られる前述の第1総圧損失式(式1)の右辺第4項にブジネスク近似を導入して、第1総圧損失式(式1)の右辺第3項及び第4項をまとめて得られる式を前述の第2総圧損失式(式2)とし、第2総圧損失式(式2)における管路内壁面からの距離に応じた、前述の式3で示される流体の速度勾配を管路内壁面からの距離に関する近似式に基づいて算出する。
さらに、請求項6に記載のように、第1エネルギ散逸量算出手段又は第2エネルギ散逸量算出手段における計算結果を表示するための表示手段を備え、エネルギ散逸量出力手段は、表示手段に第1エネルギ散逸量算出手段又は第2エネルギ散逸量算出手段における算出結果を表示装置において表示可能に出力するとよい。
第1総圧損失式右辺第1項は出入り口面での分子粘性応力による仕事を示し、第2項は、出入り口面での乱流粘性応力による仕事を示している。
一方、判定において解析要素が前記管路内の第1層でないと判定された場合には、第1総圧損失式(式1)により前記解析要素における流体のエネルギ散逸量を求めることにより圧力損失を評価する。
以上のように導出した第1総圧損失式(式1)及び第2総圧損失式(式2)により管路の圧力損失を評価するための圧力損失評価装置1について図2及び図3に基づいて説明する。図2は、圧力損失評価装置1の構成を示すブロック図であり、図3は、圧力損失評価装置1のCPUで実行される圧力損失評価処理のフローチャートである。
CPU10は、演算処理を行うものであり、入力装置30から入力された算出条件に基づいて圧力損失評価処理を実行する。CPU10で実行される圧力損失評価処理は、後述するように評価対象となる管路内部をメッシュに分割したり、分割した各メッシュが第1層であるか否かを判定したり、速度勾配や渦粘性係数νtを算出したり、散逸エネルギを算出したりする処理である。
表示装置20は、CPU10で算出された管路内の散逸エネルギを表示するためのものであり、CRTや液晶ディスプレイなどである。
続くS115では、S105において分割されたメッシュのうち散逸エネルギの算出対象となる1つのメッシュがダクト50内壁面に最も近いメッシュである第1層であるか否かが判定される。メッシュが第1層であると判定された場合(S115:Yes)、S120へ処理が移行され、第1層以外であると判定された場合(S115:No)、S160へ処理が移行される。
(1)上記実施形態では、第1総圧損失式(式1)や第2総圧損失式(式2)によって算出されたエネルギ散逸量の算出結果を表示装置20に表示させていたが、算出結果を記憶装置に記憶させておいてもよい。
また、S150においてダクト50の形状変更の入力の有無を判定し、続くS155にて算出条件変更の入力の有無を判定していたが、それらの判定処理の順番を逆にしてもよい。
Claims (8)
- ナビエ・ストークス方程式及び流体の連続の式を満足する管路内の流体の流れを有限個の解析要素において計算し、前記管路内の流体の流れの圧力損失を評価する圧力損失評価方法であって、
前記有限個の解析要素において、前記解析要素が前記管路内の第1層であるか否かを判定し、
前記判定において前記解析要素が前記管路内の第1層であると判定された場合、レイノルズ・アベレージ・ナビエ・ストークス方程式と前記流体の平均流速uaveとの内積をとることによって得られる流体の平均運動エネルギの輸送方程式において、前記管路の内壁面での前記流体の平均流速uaveを0として得られる下記式1に示す第1総圧損失式
前記第2総圧損失式(式2)における前記管路内壁面からの距離に応じた、下記式3に示す前記流体の速度勾配
前記第2総圧損失式(式2)における前記管路内壁面からの距離に応じた前記流体の渦粘性係数νtを前記管路内壁面からの距離及び前記管路内壁面からの距離に応じた前記流体の速度勾配に関する近似式に基づいて算出し、
前記算出した前記流体の速度勾配及び渦粘性係数νtを前記第2総圧損失式(式2)に代入して前記解析要素における前記流体のエネルギ散逸量を求め、
前記判定において前記解析要素が前記管路内の第1層でないと判定された場合には、前記第1総圧損失式(式1)により前記解析要素における前記流体のエネルギ散逸量を求めることにより圧力損失を評価することを特徴とする圧力損失評価方法。 - 請求項1に記載の圧力損失評価方法において、
前記式3に示す速度勾配を算出するための近似式における流体の速度は、下記式4に示す壁関数
- 請求項1又は請求項2に記載の圧力損失評価方法において、
前記渦粘性係数νtを算出するための近似式は、下記式5に示すCebecci&Smithの式
- 請求項1〜請求項3の何れかに記載の圧力損失評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- ナビエ・ストークス方程式及び流体の連続の式を満足する管路内の流体の流れを有限個の解析要素において計算し、前記管路内の流体の流れの圧力損失を評価する圧力損失評価装置であって、
有限個の解析要素において、前記解析要素が前記管路内の第1層であるか否かを判定する層判定手段と、
前記層判定手段において、前記解析要素が前記管路内の第1層であると判定された場合、レイノルズ・アベレージ・ナビエ・ストークス方程式と前記流体の平均流速uaveとの内積をとることによって得られる前記流体の平均運動エネルギの輸送方程式において、前記管路内壁面での前記流体の平均流速uaveを0として得られる下記式1に示す第1総圧損失式
前記層判定手段において前記解析要素が前記管路内の第1層であると判定された場合、前記第2総圧損失式(式2)における前記管路内壁面からの距離に応じた前記流体の渦粘性係数νtを前記管路内壁面からの距離及び前記管路内壁面からの距離に応じた前記流体の速度勾配に関する近似式に基づいて算出する渦粘性係数算出手段と、
前記速度勾配算出手段で算出した前記流体の速度勾配及び前記渦粘性係数算出手段で算出した前記流体の渦粘性係数νtを前記第2総圧損失式(式2)に代入して前記解析要素における前記流体のエネルギ散逸量を求める第1エネルギ散逸量算出手段と、
前記層判定手段において前記解析要素が前記管路内の第1層でないと判定された場合、前記第1総圧損失式(式1)から前記解析要素における前記流体のエネルギ散逸量を求める第2エネルギ散逸量算出手段と、
を備えたことを特徴とする圧力損失評価装置。 - 請求項5に記載の圧力損失評価装置において、
前記第1エネルギ散逸量算出手段又は前記第2エネルギ散逸量算出手段における計算結果を表示するための表示装置を備え、
前記エネルギ散逸量出力手段は、前記表示手段に前記第1エネルギ散逸量算出手段又は前記第2エネルギ散逸量算出手段における算出結果を前記表示装置において表示可能に出力することを特徴とする圧力損失評価装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の圧力損失評価装置において、
前記算出手段は、前記式3で示される流体の速度勾配を算出するための近似式における流体の速度として下記式4に示す壁関数
- 請求項5〜請求項7の何れかに記載の圧力損失評価装置において、
前記渦粘性係数算出手段は、前記渦粘性係数νtを算出するための近似式として下記式5に示すCebecci&Smithの式
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