JP2008128663A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池電圧を昇圧器で昇圧した高電圧を、電圧レギュレータで安定化し、安定化した電圧で超音波送受波器を駆動する流量計で、電圧レギュレータの消費電力を減らして電池寿命を延ばす。
【解決手段】電池11の電圧をチャージポンプ式昇圧器10で昇圧し、高電圧を生成する。この高電圧を電圧レギュレータ8で安定化し定電圧とする。制御部7からの信号で送信駆動部5を制御し、前記定電圧を用いて送受波器1又は2を間欠的に短時間駆動して超音波を送信する。制御部7からの信号でスイッチング素子12を開閉し、送受波器による送信直前にスイッチング素子12をオンにし、送信が終了したらオフにする。昇圧器10は昇圧した電圧を蓄電する容量性素子を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体中の超音波の到達時間から流量を求める超音波流量計の改良に関し、電池等の低い電圧の電源を昇圧した高電圧で送信側超音波送受波器を駆動する方式の超音波流量計に係わる。特に水素、ヘリウム等密度の小さな気体の流量計測に好適な超音波流量計である。
電池を電源とする超音波流量計では、送信側の超音波送受波器を駆動するのに、電池電圧を直接使用すると、電池の電圧が3V程度の低い値であるため、得られる受信波が小さくなり、S/Nが悪くなる。そのため、受信ポイントの特定精度が悪く、正しい到達時間が得られない結果、求まる流量精度も悪くなる。
そこで、電池電圧を昇圧して、昇圧した高電圧を超音波送受波器の駆動に使うことが行われている(例えば特許文献1参照)。
昇圧器としてはチャージポンプ式昇圧器が使われる。チャージポンプ式昇圧器では、コンデンサに充電した電荷(電圧)を、回路接続を切り替えることで、元の電池電圧に積み上げて、元の電池電圧の2倍の電圧を得る。これを別のコンデンサに蓄える。このような動作を繰り返すことで2倍の電圧の電源とする。更に、この2倍電圧の電源に積み上げるように接続を切り替えれば3倍の電圧が得られる。この方法を拡張することで、元の電池電圧の複数倍の電圧を作ることが可能である。
チャージポンプ式の他に、ダイオードとコンデンサを各複数個使用するダイオードチャージポンプ式昇圧器もある。
チャージポンプ式昇圧器で生成した高電圧は、昇圧動作によるリップルを含んでいるので、電圧安定性が悪い。この電圧を超音波送受波器の送信駆動に使うと、送信電圧が安定していないため、受信波の波形の違いとなり、ひいては到達時間の誤差となる。
チャージポンプ式昇圧器の出力電圧の変動を小さくするには、チャージポンプに供給するクロックの周波数を高くする方法があるが、消費電流が大きくなって、電池寿命が短くなるという難点がある。
そこで、チャージポンプ式昇圧器で昇圧した高電圧を、電圧レギュレータを用いて、その降圧動作で出力電圧を安定化させ、安定した出力電圧で送波器(振動子)を駆動する流量計が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、送信側の超音波送受波器を十分な駆動電力で、駆動するための高電圧を狙ったときに要求される高電圧用の電圧レギュレータは、消費電流が大きいため、通常の昇圧能力のチャージポンプ式昇圧器では高電圧の出力を維持できないという問題点がある。チャージポンプ式昇圧器の昇圧能力を高めるには、クロック周波数を上げる必要があり、チャージポンプ自体の消費電流が大きくなるという問題がある。
超音波流量計では、送信側超音波送受波器を間欠的に短時間ずつ駆動するが、1回毎の駆動時間は数μsecという非常に短い時間であるため、送信駆動に要する電力は基本的に大きなものではない。そのため、電圧レギュレータの消費電流(電力)が、送信駆動電力に比較して無視できない大きな値となるという問題点があった。
特開2006−217724号公報(7頁、図3)
解決しようとする問題点は、昇圧器により昇圧した高電圧を安定化する電圧レギュレータの消費電流が大きく、電源電池の寿命を長くできないことである。
そこで、本発明は、電圧レギュレータへの高電圧の供給を制御するスイッチング素子を設けて、前記問題点を解消できる超音波流量計を提供することを目的とする。
ところで、被計測流体が、水素、ヘリウムなどの密度の小さな気体では、大きな受信波が得られない。受信波の大きさ(振幅)は流体の密度と音速の積に比例するからである。本発明の第2の目的は、水素、ヘリウムなどの密度の小さな気体の流量を計測できる消費電力の少ない超音波流量計を提供することである。
本発明は、昇圧器と電圧レギュレータの間にスイッチング素子を配設して、電圧レギュレータへの高電圧の供給を制御するようにし、超音波の送信の直前に、スイッチング素子をオンにして高電圧を供給し、送信が終了したらスイッチング素子をオフにして高電圧の供給を断つようにすることを最も主要な特徴とする。
そこで、前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、被計測流体の流路の上流と下流に配置された少なくとも1対の超音波送受波器間で超音波の送受信を行い、流れと同方向と逆方向の両方向の到達時間から流量を求める超音波流量計で、
電源電圧を昇圧して容量性素子に蓄電するように構成した昇圧器により高電圧を生成し、その高電圧をさらに電圧レギュレータで安定化して送信側超音波送受波器の送信駆動用電源として使用するもので、
昇圧器と電圧レギュレータの間にスイッチング素子を配設して、電圧レギュレータへの高電圧の供給を制御するようにし、超音波の送信の直前にスイッチング素子をオンにして高電圧を供給し、送信が終了したらスイッチング素子をオフにして高電圧の供給を断つように構成したことを特徴とする超音波流量計である。
請求項2の発明は、請求項1記載の超音波流量計において、送信側超音波送受波器を駆動する送信駆動部と電圧レギュレータとの間に第2のスイッチング素子を配置し、前記スイッチング素子がオンされるときは第2のスイッチング素子がオンされ、前記スイッチング素子がオフされるときは第2のスイッチング素子がオフされるように構成したことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1記載の超音波流量計において、受信波検知部が受信検知すると再び送信することを繰返して複数回分の総到達時間をまとめて測定して到達時間を求めるように構成されていて、受信波検知部は特定波の存在を検知する特定波検知点のあと特定波のゼロクロスポイントを受信ポイントとするようになっていて、
特定波検知点で前記スイッチング素子をオンとして、受信ポイントで送信駆動を行い、送信駆動終了後に前記スイッチング素子をオフとするように構成したことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1記載の超音波流量計において、受信波検知部が受信検知すると再び送信することを繰返して複数回分の総到達時間をまとめて測定して到達時間を求めるように構成されていて、受信波検知部は特定波の存在を検知する特定波検知点のあと特定波のゼロクロスポイントを受信ポイントとするようになっていて、
特定波検知点で前記二つのスイッチング素子をオンとして、受信ポイントで送信駆動を行い、送信駆動終了後に前記二つのスイッチング素子をオフとするように構成したことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1記載の超音波流量計において、受信波検知部が受信検知すると再び送信することを繰返して複数回分の総到達時間を測定して到達時間を求めるように構成されていて、
送信駆動部が受信波検知信号または制御部からの測定スタート信号を受けると、前記スイッチング素子をオンとし、そこから一定時間を置いて送信駆動を行い、送信駆動終了後に前記スイッチング素子をオフとするように構成したことを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項2記載の超音波流量計において、受信波検知部が受信検知すると再び送信することを繰り返して複数回分の総到達時間を測定して到達時間を求めるように構成されていて、
送信駆動部が受信波検知信号または制御部からの測定スタート信号を受けると、前記二つのスイッチング素子をオンとし、そこから一定時間を置いて送信駆動を行い、送信駆動終了後に前記二つのスイッチング素子をオフとするように構成したことを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超音波流量計において、少なくとも受信波検知部が到達ポイント検知を行う瞬間は昇圧器の昇圧動作を停止することを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波流量計において、昇圧器としてチャージポンプ式昇圧器を使用したことを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波流量計において、昇圧器としてダイオードチャージポンプ式昇圧器を使用したことを特徴とするものである。
請求項10の発明は、請求項8又は9記載の超音波流量計において、電源が電池であって、該電池の電圧を直接検出する電池電圧検出手段を具備し、電池電圧が所定の電圧以下になったことを検出したときは、昇圧器の昇圧の段数を増やすように構成したことを特徴とするものである。
請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の超音波流量計において、被計測流体が水素やヘリウム等の密度が小さい気体であることを特徴とするものである。
そして、請求項12の発明は、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の超音波流量計において、電源が電池であることを特徴とするものである。
本発明の超音波流量計は、上述のように構成されているので、昇圧器で昇圧した高電圧を送信時のみ短時間の間電圧レギュレータに供給するようにしたため、電圧レギュレータが大きな消費電流のものであっても、消費されるトータルの電力を抑制して、高電圧の電圧低下を最小限に押さえることができ、出力電圧の維持(安定化)が可能となる。また、昇圧器は、昇圧した電圧を容量性素子に蓄えるので、この容量性素子の容量を十分大きくすることで、間欠的な送信駆動時の電圧低下を一定以下になるように定めることで、この面からも超音波送受波器の駆動電圧の安定化ができる。
従って、超音波流量計で、順方向の到達時間と逆方向の到達時間を計測するときの送信駆動時の電圧を極力同じ電圧にすることが可能となり、流量計測の精度が高くできる。
また、電圧レギュレータでの消費電力を最小限に低下できるため、そのぶん、昇圧回路の出力電圧をより高い電圧にしても電圧レギュレータが実用的に許容できる消費電力となり、チャージポンプ式等の消費電流を抑えた昇圧能力の劣る昇圧器を用いて、送信側の超音波送受波器を実用的に十分な電圧で駆動できる高電圧を生成させることができる利点がある。
そのため、水素、ヘリウムなどの密度の小さい気体の超音波流量計の実用化に寄与する。
また、チャージポンプ式昇圧器で昇圧した高電圧のリップルを、電圧レギュレータで安定化して、送信側超音波送受波器を駆動するので、送信駆動電圧が変化することがなくなり、流量計測精度が良い低消費電力の超音波流量計の実用化に寄与する。
更に、チャージポンプ式昇圧器に高い周波数のクロックを使用する必要がなく、その面からも消費電力が少なくてすむ。
更にまた、少ない電池個数で、容易に高電圧駆動の超音波流量計が低コストで実用化できる。
請求項2の発明では、送信駆動部と電圧レギュレータとの間に第2のスイッチング素子を配設し、昇圧器と電圧レギュレータの間の前記(第1の)スイッチング素子のオン・オフに合わせて、第2のスイッチング素子をオン・オフするようにした。
電圧レギュレータの出力側には、出力の安定化を目的にコンデンサを付けることが一般的に行われている。また、電圧レギュレータの負荷に相当する送信駆動部や、送受波器の切り替え部、送受波器にも容量が存在する。(第1)のスイッチング素子をオフ(開)にして、昇圧器から電圧レギュレータへの高電圧の供給を断った時、電圧レギュレータの出力側に溜まっていた電荷が電圧レギュレータを介して放電する可能性がある。通常電圧レギュレータは入力側の電圧のほうが出力側の電圧より大きい。負荷に容量分があり、電圧レギュレータの入力側が(前記第1のスイッチング素子がオフとなることで)開放となると電圧の逆転現象が起きるためである。また、負荷側の容量分に(若干でも)蓄積された電荷を捨てることにもなる。
本発明では、電圧レギュレータと負荷の接続を第2のスイッチング素子で断つことにより、負荷側の容量分に蓄えられた電荷が電圧レギュレータを介して放電することが防止され、電荷が残ることになり、低消費電流化に寄与する等の効果がある。
なお、電圧レギュレータの出力側の(第2の)スイッチング素子を入力側の(第1の)スイッチング素子に対して早くオフにして遅くオンすることで、より消費電流を小さくできるし、電圧レギュレータ内部の素子の破壊も防止できる。
請求項3と4では、到達時間の測定精度を上げるため、超音波の送受信を連続して所定回数(複数回)繰り返して、所定回数分の総到達時間をまとめて測定する。本発明では、特定波のゼロクロスポイントの直前である特定波検知点でスイッチング素子をオンして昇圧器の出力電圧を電圧レギュレータへ供給するようにしたので、受信ポイントの直前のタイミングを確実に検知することが可能となり、電圧レギュレータの消費電流(電力)を最小限に低減することが可能となる。そして、温度変化による音速の変化や、流速の変化があっても、それらの変化に対応して自動的にスイッチング素子のオン時点が定まるので、この面からも消費電力を極小にできる利点がある。
請求項5と6では、電圧レギュレータへの高電圧の供給開始、即ち(第1の)スイッチング素子オンから送信駆動時までの時間を電圧レギュレータの出力が安定する必要十分な時間とすることが可能となり、しかも電圧レギュレータによる消費電流を最小限にすることができる。受信検知からの送信駆動までの時間の繰返し回数分だけ総到達時間が長くなるが、1回の到達時間の長くなる分を予め理論的にあるいは実測して明らかにし、この分を、総到達時間から求めた到達時間から差し引いて補正すればよい。切り替え部以前の順方向逆方向共通部で生成する時間であるため、この長くなる分で流速零のときの順・逆方向の到達時間の差が生じることはなく、ゼロドリフトは生じない。
請求項7の発明では、昇圧動作により、受信波にノイズが混入して到達ポイントの検知精度が悪くなる虞がなくなり、到達時間測定の精度が向上し、その分流量計測精度が高くなる。
請求項8の発明では、コンデンサに蓄積して得た電圧を別の電圧に積み上げるように接続を変更する方法で昇圧を実現するため効率が良く、より低消費電流の超音波流量計が実現できる。なお、接続の切り替えにはクロックを使うが、このクロックを速くすれば昇圧能力が上がるし、クロックを止めれば昇圧動作を停止することができる。
請求項9の発明では、コンデンサとダイオードのみで昇圧回路を構成できるため、チャージポンプ式昇圧器を使用する請求項8の発明と比較して、回路構成が簡単になる利点がある。
請求項10の発明では、電池電圧を直接検出する電池電圧検出手段を具備したもので、電池電圧を監視するための昇圧電圧を使用する必要がない。よって昇圧電圧の余分な消費がない。また、検出した電池電圧に応じて、昇圧器の昇圧段数を加減するので、一定以下の電池電圧では昇圧段数を増やして必要な電圧を確保し、一定値を超える通常の電池電圧では昇圧段数を小さくするため、電圧が高くなりすぎることはない。
請求項11の発明は、密度の小さい水素、ヘリウムなどの気体の流量を計測できる超音波流量計の実用化に寄与する。
請求項12の発明では、商用電源を要しないので、可搬型の超音波流量計を実用化できる。
次に発明を実施するための最良の形態を図の実施例に基づいて説明する。
本実施例は、請求項1の発明に対応する。図1において、1対の超音波送受波器1、2が被計測流体の流れる流路3内に配置され、送受波器1は上流側に、送受波器2は下流側に、相対して配設されている。二つの送受波器1と2は切り替え部4を介して送信駆動部5か受信波検知部6に接続されるようになっていて、一方の送受波器が送信側として作用するときは、他方の送受波器は受信側として作用する。
送信駆動部5は制御部7からの測定スタート信号を入力すると、接続されている送信側送受波器、例えば1を電圧レギュレータ8からの送信駆動用の電圧を用いて短時間(瞬間)駆動する。送信側送受波器、例えば1からの超音波パルスは、流路3内の被計測流体中を対向する他方の受信側送受波器、例えば2に向かって伝搬する。受信側送受波器、例えば2が超音波パルスを受信すると、受信波検知部6は受信側送受波器からの受信波信号を入力し、超音波の到達ポイントを検知して受信波検知信号を出力する。
時間計測部9は制御部7からの測定スタート信号で時間計測を零から開始し、受信波検知部6からの受信波検知信号を入力すると時間計測を停止し、超音波の到達時間を求める。
また、昇圧部10が電源用の電池11の電圧を昇圧してコンデンサなどの容量性素子33に蓄積して、これを高圧電源として出力している(図2)。この実施例では、電池電源として3Vのリチウム電池を用い、この電圧を昇圧部10の昇圧機能で昇圧して容量性素子33のコンデンサに蓄積して20Vの高電圧を得、これを高圧電源として出力している。
この高圧電源は、制御部7からのレギュレータ制御信号で開閉制御される(第1の)スイッチング素子12を介して電圧レギュレータ8へ供給される。電圧レギュレータ8は、スイッチング素子12が閉じている間に昇圧部10から供給された高電圧(前記高圧電源の20V)を少し降圧して安定化する。
制御部7は、一定時間間隔で順方向及び逆方向の超音波到達時間の測定を次のように行う。先ず、切り替え部4を図示されていない制御信号によって順方向にセットして送受波器1を送信側の役割分担とし、レギュレータ制御信号をオン(“High”)として、一定時間後、例えば、3μsec後に測定スタート信号を出力する。送信駆動部5はこの測定スタート信号を受けて送受波器1を数μsecの短時間(瞬間的)に駆動する。そして、測定スタート信号の頭から、さらに、8μsec後にレギュレータ制御信号をオフ(“Low”)とする。前記8μsecは送信のために送受波器を駆動するのに必要な時間より少し長目に設定してある。そして制御部7は超音波が受信側の送受波器2に到達する十分な時間後(実施例では100μsec後)時間計測部9が出力する計測時間を読み取り、順方向到達時間として記憶する。
次に、制御部7は、切り替え部4を逆方向にセットし、上記順方向到達時間の測定と同様に送受波器2から1への超音波の到達時間を測定して、逆方向到達時間を記憶する。
そして、これら二つの到達時間から流量を制御部7のコンピュータで演算する。なお、受信波検知信号を制御部7に入力することで測定終了を検知することも可能である。
こうして、昇圧部10が生成した高電圧を電圧レギュレータ8が消費する時間が最小限に押さえられ、昇圧部10の出力電圧の低下が抑制される。従って、電圧レギュレータ8も出力電圧(例えば15V)の維持が可能となる。また、電圧が低下した分は、次の流量測定までの時間間隔の間で復活するように構成されている。
昇圧部10には、周知のダイオードチャージポンプ式昇圧器の昇圧回路を用いている。アナログスイッチを用いて回路接続を切り替え、コンデンサに蓄えられた電圧を縦に積む形で昇圧を行うチャージポンプ式の場合では、アナログスイッチとその制御回路を必要とするが、ダイオードチャージポンプ式では、クロックを入力するだけで良く、回路構成が簡単である。
また、電圧レギュレータとして、この実施例では、直列に接続した電圧降下用抵抗の抵抗値を調整することで出力電圧を一定値に安定化させる、いわゆるシリーズレギュレータを用いた。この方式のレギュレータは、いわゆるスイッチングレギュレータに比べて、ノイズが小さいので、到達時間測定、ひいては流量計測に与える悪影響が少ない利点がある。
図3の実施例2は、請求項2の発明に対応する。この実施例2の構成は、図1で説明した実施例1と殆ど同じであるので、同じ機能の要素は同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施例では、電圧レギュレータ8と送信駆動部5との間に第2のスイッチング素子13が挿入配設され、この第2のスイッチング素子13は、昇圧部10と電圧レギュレータ8の間に配設した(第1の)スイッチング素子と同様にオン・オフされるように、制御部7からの(実施例1で説明した)前記レギュレータ制御信号で開閉制御される。このレギュレータ制御信号を図3で符号14を付して示す。
こうすることで、(第1の)スイッチング素子12がオフして(開いて)電圧レギュレータ8が昇圧部10から切り離されたときでも、送信駆動部など電圧レギュレータの出力側から電圧レギュレータ8側へ逆流電流が流れることがないため、逆流電流によって電圧レギュレータ8の構成素子が壊される虞がなく、また、消費電流の面からも有利となる。
なお、この実施例2では、第2のスイッチング素子13がオンする時期を(第1の)スイッチング素子12がオンする時期よりわずかに遅くし、第2のスイッチング素子13がオフする時期を(第1の)スイッチング素子がオフする時期よりわずかに早くするように定めている。
第2のスイッチング素子13がオンする時期を(第1の)スイッチング素子12がオンする時期より少し遅れ気味とし、第2のスイッチング素子13がオフする時期を(第1の)スイッチング素子12がオフする時期より少し早目にすることで、上述の構成素子が壊される虞れがなることと、消費電流の面からも有利となることの効果がより確実となる。
図4の実施例3は、請求項4の発明に対応し、到達時間の計測精度を向上するために、超音波の送受信を、各方向毎に、連続して所定の複数回ずつ繰返して行うようにしている。この場合も、前記実施例1、2と同じ機能を有する構成要素には、図1、図3と同じ符号を付し、その説明を省略し、図1の実施例1や図3の実施例2と異なる点を主に説明する。
受信波検知部6からの受信波検知信号は送信駆動部5とカウンタ部15に入力する。カウンタ15は制御部7からの測定スタート信号入力時から受信検知信号を計数して、所定の繰り返しが終了したことを示す繰り返し終了信号を時間計測部9に出力する。時間計測部9は制御部7からの測定スタート信号から時間計測を開始し、カウンタ部15からの繰り返し終了信号までの時間、つまり総到達時間を計測するように構成されている。この総到達時間は制御部7に記憶される。
こうして一方向、例えば順方向の総到達時間を計測したあと、制御部7は切り替え部4を他方向にセットし、上記の総到達時間の計測と同様に他方向での所定の繰り返し送受信回数の総到達時間を計測する。そして、計測した各方向の総到達時間から各方向毎の到達時間を求め、求めた両方向の到達時間に基づいて流量を演算する。
受信波検知部6は、受信波を検知するのに、次のようにして検知し、受信波のうちの特定波のゼロクロスポイントを定める。これを図5の受信波の波形図を参考にして説明する。
受信波検知部6は、図5の受信波の第3波のゼロクロス点bを受信ポイント(到達ポイント)として、この時点で受信波検知信号を送信駆動部5とカウンタ部15へ出力する。受信波検知部6は第3波のゼロクロス点bを検知する前に、予め定めた基準レベルThを最初に超えた波を第3波と認識し、この点aを第3波検知点とし、この第3波検知点直後のゼロクロス点bを第3波の受信ポイント(到達ポイント)とする。従って、第3波検知点aは、受信ポイント(到達ポイント)bよりも1〜2μsec早い(前の)時点となる。
この実施例3では、第3波検知点で立ち上がるパルス幅10μsecの矩形波信号をレギュレータ制御信号14Aとし、このレギュレータ制御信号14Aで、(第1の)スイッチング素子12と第2のスイッチング素子13の開閉制御を行っている。このレギュレータ制御信号の存在で、両スイッチング素子12、13をオンとして閉じる。なお、電圧レギュレータ8は、1μsec以内に15Vまで立ち上がる応答性のものを使用している。この実施例3では、第3波の検知点aで両スイッチング素子12、13をオンとし、第3波の受信ポイントbで両スイッチング素子12、13をオフとするようにしたが、第3波に限ることはなく、他の波としてもよく、請求項3記載の発明では、特定波と表現している。特定波検知点(a)や受信ポイント(b)の検知方法についても、この実施例3の検知方法に限定するものではなく、他の検知方法、検知手段を活用することができ、これらも本発明の請求範囲に含まれる。
この実施例では、送信の直前に電圧レギュレータ8への電圧供給がオンできるため、電圧レギュレータ8の消費電流を最小にすることが可能となる。また、スイッチング素子12がオフとなって開き、昇圧部10から電圧レギュレータ8が切り離されたときでも、電圧レギュレータ8の出力につながる負荷側から電圧レギュレータ8への逆流電流が流れることがないため、電圧レギュレータ8を構成する回路素子が逆流電流によって破壊されることが防止される。そのため、消費電流が小さく信頼性が高い電池駆動の超音波流量計の実用化に寄与する。
この実施例4は請求項6の発明に対応し、前記実施例と同様に、到達時間の計測精度を向上するために、超音波の送受信を、各方向毎に、連続して所定の複数回ずつ繰返して行うようにしたものである。この場合も、実施例1、2、3と同じ機能を有する構成要素には、図1、図3、図4と同じ符号を付し、その説明を省略し、図6に従って、前記実施例と異なる点を主に説明する。
この実施例4は、実施例3の図4とは、レギュレータ制御信号14Bが出力される箇所が異なる。実施例3の図4では、レギュレータ制御信号14Aが受信波検知部6から出力されている。さらに詳しくは、図5の第3波検知点aで立ち上がるパルス幅10μsecの信号をレギュレータ制御信号14Aとしている。本実施例4の図6では、両スイッチング素子12、13をオン・オフするレギュレータ制御信号14Bは、送信駆動部5から出力される。図7に送信駆動部5の構成を示すブロック線図を、図8にその入力信号と出力信号のタイミング図を示す。
送信駆動部5は制御部7からの測定スタート信号16あるいは送信波検知部6からの受信波検知信号17が入力されると、そのタイミングで、図7、図8の駆動指示信号18が立ち下がり、レギュレータ制御信号14Bを“High”とするようになっている。また遅延部19を介して一定時間後、例えば4μsec後に送信駆動部5の図7に示すスイッチング部20が図8に示す二つの駆動パルス26、27を出力する。こられの二つの駆動パルスは、電圧レギュレータ8で安定化された+15Vの送信駆動用電圧を用いて送信駆動部5のスイッチング部20で生成される。こうして生成された図8の二つの駆動パルスが図6の切り替え部4を介して送信側送受波器、例えば1の両端に印加されるようになっている。本実施例の場合、各駆動パルス26、27は、ベースが0Vで電圧は15V、パルス幅は超音波送受波器の半周期に相当するものである。
図7の送信駆動部5中のスイッチング部20の詳細を、図7〜図9に従って次に説明する。
図7で(立ち下りが検知ポイントである)受信波検知信号17と(立ち下りが測定スタートポイントである)測定スタート信号の倫理和(OR)である駆動指示信号18が立ち下がる点が駆動指示ポイント21となる(図8(a)の駆動指示信号18の波形も参考)。
図7で遅延部19からスイッチング部20へ入力される遅延信号22は、図8(a)(c)に示すように、駆動指示ポイント21で立ち上がる幅4μsecのパルスである。この遅延信号の立ち下がり23で実際の駆動が次のように送信駆動用電圧を用いて行われる。
図9で、遅延信号22は単安定回路MM1に、単安定回路MM1の出力は単安定回路MM2に入力されていて、単安定回路MM1は遅延信号22の立ち下がり23をトリガにしてワンショットパルスを出力して、単安定回路MM2は単安定回路MM1の出力のワンショットパルスの立下りをトリガにして別のワンショットパルスを出力するようになっている。これら二つのワンショットパルスの幅は、共に超音波の半周期に相当する2.2μsecのパルス幅に設定されている。さらに、この二つのワンショットパルスはそれぞれアナログスイッチSW1、SW2の制御信号となっている。
従って、単安定回路MM1の出力のワンショットパルスによってアナログスイッチSW1が図9の状態から短時間切り替えることによって、このスイッチSW1を介して送信駆動用電圧の+15Vがライン24にパルス幅2.2μsecの駆動パルス26として出力される(図8)。また、単安定回路MM2の出力の別のワンショットパルスによってアナログスイッチSW2が図9の状態から短時間切り替えることによって、このスイッチSW2を介して送信駆動用電圧の+15Vがライン25にパルス幅2.2μsecの駆動パルス27として出力される(図8)。これにより、送信側の超音波送受波器、例えば1には、図8(e)に示すように、等価的に±15Vの駆動パルスが印加され、送受波器、例えば1を1周期4.4μsecの間励振する。こうして、送受波器、例えば1から他方の送受波器へ超音波パルスが送信される。
前記実施例3の場合、送信駆動に対してどれくらい早く電圧レギュレータ8への高電圧供給用スイッチング素子12をオンにするかは自由に設定できなく、超音波の周期の1/4〜1/2の範囲となる。従って、電圧レギュレータ8の立ち上がり時間、出力電流や出力側の負荷によっては時間が足りない虞れがある。
ところが、本実施例4は、その時間をある程度自由に設定できる。なお、受信波検知信号から送信駆動までの遅延させた時間分は、計測される到達時間が長くなるので、その他の遅れ時間、例えば受信点を第3波のゼロクロスポイントとしたことによって遅れる分や、回路での遅れ等を合算して、合算値を、計測された到達時間から差し引くことを行っている。これらの遅れ分は、順方向計測時と逆方向計測時に共通して遅れるものであるから、順方向計測値と逆方向計測値の差を生じる原因にはならない。従って、流量計としてのゼロ点のドリフトという不具合の原因にもならない。
実施例3の図4と、実施例4の図6は、何れもレギュレータ制御信号が1本の線14A、14Bで示してあり、(第1の)スイッチング素子と第2のスイッチング素子を全く同タイミングで制御しているように見えるが、実際には、実施例2の説明での記述のように、オンする時には(第1の)スイッチング素子12がわずかに早くオンし、オフするときには逆に第2のスイッチング素子13の方が早くオフするようになっている。実施例3、4の場合、実際にはレギュレータ制御信号が(第1の)スイッチング素子用と第2のスイッチング素子用にそれぞれ1本の線で、合計2本の線で構成されている。
この制御信号を1本とし、スイッチング素子側に遅延素子を設けて、(第1の)スイッチング素子コントロール入力部では立ち下りを遅らせ、第2のスイッチング素子部では立ち上がりを遅らせる方法で、上記のスイッチングのタイミングを作ることも可能である。
この実施例5は、正側の昇圧に加えて、更に(絶対値的に)負側にも昇圧することで、より高い電圧で送信側超音波送受波器を駆動し、より強い超音波パルスを流路中に送信するようにしたものである。
チャージポンプ式やダイオードチャージポンプ式の昇圧回路は、負側にも絶対値の昇圧が可能である。正側の高電圧と負側の絶対値として高電圧の正負電源を使用することで、より大きな電圧で超音波送受波器を駆動できる。
図10が、その概念を示す要部ブロック図で、該ブロック図における送信駆動部5の詳細を図11に示す。電圧が3Vの電池11から正側の昇圧部10Aで約+20Vの高電圧を得、同じ電池11から負側の昇圧部10Bで約−20Vの高電圧を得て、正の電圧レギュレータ8Aで安定した+15Vの電圧を、負の電圧レギュレータ8Bで安定した−15Vの電圧を得る。この二つの電圧+15Vと−15Vを送信駆動部5に入力して、図12(b)のような駆動パルスを生成し、切り替え部4を介して、それぞれ送信側送受波器の端子に印加する。こうして、送信側送受波器の両端子を実質±30Vで駆動している。本実施例5における流量計全体の構成は、請求項1の発明の図1と類似であって、この実施例5は請求項1に対応する。
図10で得た正の電圧レギュレータ8A出力+15Vと、負の電圧レギュレータ8Bの出力−15Vは、図11に示すように送信駆動部5へ入力される。この送信駆動部5の構成は前記実施例4における図9のスイッチング部20とほぼ同じである。異なる箇所は図9のGNDレベル0Vが、本実施例5の図11で−15Vとなっているところである。図11のライン24Aと25Aに、それぞれ、図12(b)の駆動パルス26A、27Aが出力される。図10〜12では、駆動タイミングを知らせる信号を駆動トリガ信号28としているが、この駆動トリガ信号28は、実施例1、2における測定スタート信号、実施例3における受信波検知信号、実施例4における遅延信号に相当するものである。
実際の例では、上記昇圧部10A、10Bを実施例1の流量計に組み合わせる形としている。従って、全体構成は、図1と同じである。昇圧部と電圧レギュレータが、正側と負側にそれぞれ設けられ、図13のように、正の昇圧部10Aと正の電圧レギュレータ8Aとの間にスイッチング素子12Aを配設し、さらに負の昇圧部10Bと負の電圧レギュレータ8Bとの間に別のスイッチング素子12Bを配設して、これらのスイッチング素子12A、12Bをレギュレータ制御信号で開閉制御している。測定の流れは実施例1と同じである。
また、図14に示すように、各電圧レギュレータ8A、8Bと送信駆動部5との間に、それぞれ第2のスイッチング素子13A、13Bを配設して、これらの第2のスイッチング素子13A、13Bをレギュレータ制御信号14で開閉制御するようにして、実施例2と同様に動作させることも可能である。
また、昇圧は正負の一方、例えば負側のみとして、例えば0Vと−15V、あるいは電池電圧の3Vと−15Vの組み合わせで、18Vの電圧で送信駆動することも可能である。
この実施例6は、請求項7の発明に対応する。本実施例のブロック図を図15に示す。全体の構成は実施例4の図6とほぼ同じであるが、昇圧部の動作によるノイズが受信信号に乗ることを防止するために、昇圧動作を停止させる時間を設けることなどが異なる。
制御部7からの測定スタート信号16は受信波検知部6にも入力されている。また、受信波検知部6からは、受信予知信号31が、送信駆動部5からは送信終了信号32が昇圧部10に出力されている。受信予知信号31は、測定スタート信号16から一定時間後で受信波を受信する時よりも確実に前となる時点に出力されるもので、受信する時と受信予知信号との間の時間は、想定される超音波の音速と、1対の送受波器1、2間の距離から定める。送信終了信号32は送信駆動が終了すると出力される。昇圧部10は受信予知信号31が入力されると昇圧動作を停止し、送信終了信号32が入力されると昇圧動作を再開するように構成されている。こうして、受信時に昇圧部の動作に基因するノイズが受信信号に乗ることがなく、受信ポイントの正確な検知が可能となり、流量計測の精度が向上する。
図16にチャージポンプ式昇圧器、図17に正側に昇圧するダイオードチャージポンプ式昇圧器、図18に負側に昇圧するダイオードチャージポンプ式昇圧器の電気回路の例を示した。何れの昇圧器も3倍電圧を狙った昇圧回路で、これらの回路構成が作用(動作)は周知の一般的なものであるので、動作の詳細説明は省略する。
なお、ダイオードチャージポンプ式昇圧器の場合、ダイオードの順方向電圧分が狙い値より低くなるため、順方向電圧の小さいショットキーダイオードを使うことが望ましい。
チャージポンプ式やダイオードチャージポンプ式の昇圧器による昇圧動作は、元の電圧を積み重ねるようにして電圧を上げ、基本的には元の(電池)電圧の整数倍の高電圧を生成する。
ところが、元の電圧は一定ではない。電池駆動の超音波流量計を実現する場合、元の電池電圧は長期間の使用で電池の消耗と共に電圧が低下する。仮に電池電圧が3Vから2.7Vに0.3V低下した場合、7倍の昇圧回路を使用していたとすると、昇圧後の高電圧は0.3×7=2.1V低下する。そこで、電圧が低下したときに必要な電圧を出力できるように昇圧の段数を決めることが行われる。ところが、高電圧の場合、昇圧した高電圧を供給する電圧レギュレータの素子の耐圧にそれほど余裕がない場合が多い。つまり、電池電圧が低下したときでも必要な高電圧が得られるように昇圧段数を決めると、初期の電池電圧では昇圧後の電圧が高くなり過ぎるという問題がある。
昇圧後の高電圧を監視していて、一定の電圧を超えると昇圧を停止する方法や、元の電池電圧から一旦定電圧を生成し、その電圧を昇圧して高電圧を得る方法が考えられるが、前者の場合電圧監視を行うために昇圧後の電圧を使うため効率に問題がある。後者の場合、定電圧化のために、一旦電圧を下げることになり、目的の高電圧を得るためには昇圧段数を大きく増やす必要があり、回路構成が複雑になるだけでなく、効率的にも問題となる。
請求項10の発明は、かかる問題も解消するもので、本実施例7はそのための実施例である。
図19は実施例7の流量計のブロック図で、実施例1に応用した例であるため、全体の構成は実施例1の図1と類似している。従って、実施例1と違う部分を主に説明する。電池部11Aには電池及びこの電池の電圧監視して電池電圧が一定値以下に低下したら制御部7に電池電圧低下信号34を出力して伝える電池電圧監視機能を備えている。
制御部7は電池電圧低下信号34を受けると、昇圧部10Cへ昇圧段数増加指示信号35を出力する。この実施例では、2.85V以下で電池電圧低下信号34が出力され、続いて制御部7から昇圧段数増加指示信号35が出力され、昇圧部10Cの昇圧段数が7段から8段に増加する仕組みにしてある。
本実施例の場合昇圧部10Cの出力電圧は、19.5V〜23Vの範囲に維持する必要があるが、電池電圧が2.85Vに下がると7段昇圧から8段昇圧に切り替えられるため、電池使用時の初期電圧が仮に3.2Vであっても昇圧後の電圧は3.2×7=22.4Vで23V以下であり、最低動作電圧と設定している2.5Vの電池電圧でも8段昇圧で2.5×8=20Vとなり19.5V以上を確保できる。
因みに、電池電圧が2.85Vの時は7段昇圧で19.5V、8段昇圧なら22.8Vで、19.5V以上23V以下の値を満足している。こうして、電池電圧が3.2Vから2.5Vまで変化(低下)しても昇圧後の電圧を要求される所定範囲内に維持することができる。
なお、本実施例では、7段昇圧と8段昇圧の2段階の切り替えとしたが、2段階に限らず3段階以上の切り替えとすることもできる。
また、電池交換等で電池電圧が復帰することがある場合、所定値以上の電池電圧を検知したら昇圧段数を減らすように構成することも可能であり、電圧範囲を3つ(仕切りの電圧を2つ)以上として各電圧範囲に決められた昇圧段数に選択切り替えるように、電池電圧に合わせて昇圧段数を切り替えることもできる。
次に昇圧部の具体例について説明する。前述の実施例7では、7段と8段の切り替えについて説明したが、図20は、3段または4段の切り替え機能付きのダイオードチャージポンプ式昇圧器の具体例の電気回路である。スイッチSWを第1段目に配置して1段目をパスするかしないかを選択するようにしている。スイッチSWが図示の位置2にあるときは1段目を生かす形になり、出力電圧は電池電圧の4倍となる(厳密にはダイオードの順方向電圧分低くなる)。スイッチSWが1の位置に切り替わると1段目をパスすることになり、出力電圧は電池電圧のほぼ4倍となる。なおスイッチSWは制御部7からの図示されていない信号で操作される。
図21はチャージポンプ式昇圧器で昇圧段数を切り替えるようにした電気回路の具体例である。先ず、第1フェーズでスイッチS1とS2をオンしてコンデンサC1に電池11の電圧3Vを充電し、第2フェーズでスイッチS3とS4をオンしてコンデンサC1を電池電圧に積み上げる接続とする。この動作の繰り返しでコンデンサC2の電圧には電池電圧の2倍の電圧が充電される。第2フェーズの次にスイッチS5とS6をオンする第3フェーズを実行するとコンデンサC2の電圧にコンデンサC1の電圧を積み上げる形になりコンデンサC3に電池電圧の3倍の電圧が蓄積される。第1フェーズでコンデンサC1に充電した電圧を、スイッチS7とS8をオンする第4フェーズでコンデンサC3に積み上げて電池電圧の4倍の電圧を容量性素子の位置づけのコンデンサC4に蓄える。これらの第1〜第4フェーズを適当に割振ることで4段の4倍昇圧を行うことができる。
それに対して、3段の3倍昇圧は、第3フェーズにおいて、スイッチS5とS6の代わりに、スイッチS5とS8をオンにする。こうすると、コンデンサC1に蓄えられた電圧がコンデンサC2に縦積みされてコンデンサC4に充電されることになり、昇圧器の出力として電池電圧の3倍の電圧が得られる。
計測精度向上のために送信側の超音波送受波器を高電圧で駆動する超音波流量計で、より計測精度を高め、かつ消費電力を低減したい用途に適用でき、電池駆動の超音波流量計や水素、ヘリウムなどの密度の小さい気体の流量計測の用途にも適用できる。
本発明の超音波流量計の実施例のブロック図。 図1の昇圧部の構成を示すブロック図。 本発明の超音波流量計の実施例のブロック図。 本発明の超音波流量計の実施例のブロック図。 図4の実施例の受信波の波形図。 本発明の超音波流量計の実施例のブロック図。 図6の送信駆動部の構成を示すブロック図。 図6と図7のブロック図の動作を説明するタイミング図。 図7のブロック図におけるスイッチング部の電気回路図。 本発明の超音波流量計の実施例の要部ブロック図。 図10の送信駆動部の電気回路図。 図10と図11の動作を説明するタイミング図。 本発明の超音波流量計の実施例の要部ブロック図。 本発明の超音波流量計の実施例の要部ブロック図。 本発明の超音波流量計の実施例のブロック図。 本発明の超音波流量計に用いる昇圧回路の回路例を示す図。 昇圧回路の具体例の回路図。 昇圧回路の具体例の回路図。 本発明の超音波流量計の実施例のブロック図。 昇圧回路の具体例の回路図。 昇圧回路の具体例の回路図。
符号の説明
1、2 送受波器
3 流路
5 送信駆動部
6 受信波検知部
7 制御部
8、8A、8B 電圧レギュレータ
10、10A、10B 昇圧部(昇圧器)
11 電池
11A 電池部
12、12A、12B (第1の)スイッチング素子
13、13A、13B 第2のスイッチング素子
14、14A、14B、14C レギュレータ制御信号
15 カウンタ部
16 測定スタート信号
17 受信波検知信号
19 遅延部
33 容量性素子


Claims (12)

  1. 被計測流体の流路の上流と下流に配置された少なくとも1対の超音波送受波器間で超音波の送受信を行い、流れと同方向と逆方向の両方向の到達時間から流量を求める超音波流量計で、
    電源電圧を昇圧して容量性素子に蓄電するように構成した昇圧器により高電圧を生成し、その高電圧をさらに電圧レギュレータで安定化して送信側超音波送受波器の送信駆動用電源として使用するもので、
    昇圧器と電圧レギュレータの間にスイッチング素子を配設して、電圧レギュレータへの高電圧の供給を制御するようにし、超音波の送信の直前にスイッチング素子をオンにして高電圧を供給し、送信が終了したらスイッチング素子をオフにして高電圧の供給を断つように構成したことを特徴とする超音波流量計。
  2. 送信側超音波送受波器を駆動する送信駆動部と電圧レギュレータとの間に第2のスイッチング素子を配置し、前記スイッチング素子がオンされるときは第2のスイッチング素子がオンされ、前記スイッチング素子がオフされるときは第2のスイッチング素子がオフされるように構成したことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
  3. 受信波検知部が受信検知すると再び送信することを繰返して複数回分の総到達時間をまとめて測定して到達時間を求めるように構成されていて、受信波検知部は特定波の存在を検知する特定波検知点のあと特定波のゼロクロスポイントを受信ポイントとするようになっていて、
    特定波検知点で前記スイッチング素子をオンとして、受信ポイントで送信駆動を行い、送信駆動終了後に前記スイッチング素子をオフとするように構成したことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
  4. 受信波検知部が受信検知すると再び送信することを繰返して複数回分の総到達時間をまとめて測定して到達時間を求めるように構成されていて、受信波検知部は特定波の存在を検知する特定波検知点のあと特定波のゼロクロスポイントを受信ポイントとするようになっていて、
    特定波検知点で前記二つのスイッチング素子をオンとして、受信ポイントで送信駆動を行い、送信駆動終了後に前記二つのスイッチング素子をオフとするように構成したことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
  5. 受信波検知部が受信検知すると再び送信することを繰返して複数回分の総到達時間を測定して到達時間を求めるように構成されていて、
    送信駆動部が受信波検知信号または制御部からの測定スタート信号を受けると、前記スイッチング素子をオンとし、そこから一定時間を置いて送信駆動を行い、送信駆動終了後に前記スイッチング素子をオフとするように構成したことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計。
  6. 受信波検知部が受信検知すると再び送信することを繰り返して複数回分の総到達時間を測定して到達時間を求めるように構成されていて、
    送信駆動部が受信波検知信号または制御部からの測定スタート信号を受けると、前記二つのスイッチング素子をオンとし、そこから一定時間を置いて送信駆動を行い、送信駆動終了後に前記二つのスイッチング素子をオフとするように構成したことを特徴とする請求項2記載の超音波流量計。
  7. 少なくとも受信波検知部が到達ポイント検知を行う瞬間は昇圧器の昇圧動作を停止することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  8. 昇圧器としてチャージポンプ式昇圧器を使用したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  9. 昇圧器としてダイオードチャージポンプ式昇圧器を使用したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  10. 電源が電池であって、該電池の電圧を直接検出する電池電圧検出手段を具備し、電池電圧が所定の電圧以下になったことを検出したときは、昇圧器の昇圧の段数を増やすように構成したことを特徴とする請求項8又は9記載の超音波流量計。
  11. 被計測流体が水素やヘリウム等の密度が小さい気体であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  12. 電源が電池であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波流量計。
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