JP2008128398A - スラスト軸受用軌道輪の製造方法、スラスト軸受の製造装置、スラスト軸受用軌道輪およびスラスト軸受 - Google Patents

スラスト軸受用軌道輪の製造方法、スラスト軸受の製造装置、スラスト軸受用軌道輪およびスラスト軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を安価に、かつ、確実に製造することができるスラスト軸受用軌道輪の製造方法を提供する。
【解決手段】スラスト軸受用軌道輪12の製造方法は、スラスト軸受用軌道輪素材を加熱する加熱工程と、加熱工程の後、スラスト軸受用軌道輪12の軌道面16に凹状の油溜まり19を形成するための凸部が設けられた焼入面を有する焼入用金型を用い、スラスト軸受用軌道輪素材のうち、軌道面16となる面に焼入面を当接させ、焼入用金型でプレスしながらスラスト軸受用軌道輪素材を焼入する焼入工程とを含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、スラスト軸受用軌道輪の製造方法、スラスト軸受の製造装置、スラスト軸受用軌道輪およびスラスト軸受に関し、特に、自動車のエアコン用コンプレッサやトランスミッション等に使用されるスラスト軸受用軌道輪およびスラスト軸受、このようなスラスト軸受用軌道輪を製造するスラスト軸受用軌道輪の製造方法および製造装置に関するものである。
自動車のエアコン用コンプレッサやトランスミッション等に使用されるスラスト軸受は、一般的には、スラスト軸受用軌道輪と、複数のころと、ころを保持する保持器とから構成される。ころはスラスト軸受用軌道輪の軌道面上を転動する。ころと軌道輪とは線接触する構造である。ここで、軸受の回転中心から外径に向かうほど、軌道輪の周速が速くなり、この部分において、ころと軌道輪との間にはすべりが生じている。
昨今、転がり軸受に含まれる軌道輪等の転がり部品には、低粘度、希薄潤滑下においての高出力化や高回転化に対応するため、摩擦損失の低減や耐摩耗性の向上が要求される。ここで、特開平8−232964号公報(特許文献1)によると、軌道面へショットブラスト処理およびバレル処理を施すことにより、潤滑油を溜めるための微小のくぼみを設けている。これにより、軌道面の油膜形成能力を向上し、耐摩耗性を向上している。また、特開2003−184883号公報(特許文献2)によると、サンドブラスト処理あるいはショットピーニング処理により、軸受摺動部材の表面にディンプル状の凹部を設け、摺動抵抗を低減することにしている。
特開平8−232964号公報 特開2003−184883号公報
特許文献1に開示の技術によると、軌道輪等の転がり部品の製造工程において、ショットブラスト処理工程やバレル処理工程を設ける必要がある。また、特許文献2に開示の技術によると、製造工程にサンドブラスト処理工程やショットピーニング処理工程を設ける必要がある。このような処理工程を新たに設けると、加工工程数が増加し、軌道輪を安価に製造することができない。さらに、上記したような処理によると、形成される微小のくぼみの形状や軌道面からの深さ、面積比率等を管理し、所望のくぼみが設けられた軌道輪を確実に得ることは困難である。
この発明の目的は、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を安価に、かつ、確実に製造することができるスラスト軸受用軌道輪の製造方法を提供することである。
この発明の他の目的は、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を、安価に、かつ、確実に製造することができるスラスト軸受用軌道輪の製造装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、長寿命を図ることができるスラスト軸受を提供することである。
この発明に係るスラスト軸受用軌道輪の製造方法は、スラスト軸受用軌道輪素材を加熱する加熱工程と、加熱工程の後、スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりを形成するための凸部が設けられた焼入面を有する焼入用金型を用い、スラスト軸受用軌道輪素材のうち、軌道面となる面に焼入面を当接させ、焼入用金型でプレスしながらスラスト軸受用軌道輪素材を焼入する焼入工程とを含む。
このように構成することにより、スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりを形成するための凸部が設けられた焼入面を有する焼入用金型によって、軌道面に凹状の油溜まりが設けられたスラスト軸受用軌道輪を製造することができる。この場合、スラスト軸受用軌道輪を加熱して柔らかくした状態で、焼入と共にプレスして油溜まりを形成するため、確実に油溜まりを設けることができる。また、焼入用金型によって凹状の油溜まりを設けているため、所望の凹状の油溜まりを形成することができる。さらに、油溜まりを形成する工程は、焼入工程と共に行うことができるため、加工工程数を増加させる必要はない。したがって、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を安価に、かつ、確実に製造することができる。
この発明の他の局面においては、スラスト軸受用軌道輪の製造装置は、スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりを形成するための凸部が設けられた焼入面を有し、スラスト軸受用軌道輪素材をプレスしながら焼入する焼入用金型と、スラスト軸受用軌道輪素材を支持する支持台とを備える。
このようなスラスト軸受用軌道輪の製造装置を用いると、スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりが設けられたスラスト軸受用軌道輪を製造することができる。凹状の油溜まりは焼入用金型の焼入面によって形成されるため、安価に、かつ、確実に形成することができる。したがって、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を安価に、かつ、確実に製造することができる。
この発明のさらに他の局面においては、スラスト軸受用軌道輪は、軌道面に、焼入用金型の凸部によって形成された凹状の油溜まりを備える。
このようなスラスト軸受用軌道輪は、その軌道面に、油膜形成に適切な凹状の油溜まりが形成されるため、潤滑油を適切に溜めることができる。そうすると、軌道面の油膜形成能力を高めることができる。したがって、スラスト軸受用軌道輪の潤滑性を向上することができる。
好ましくは、スラスト軸受用軌道輪は、両面に軌道面を有し、油溜まりは、両面の軌道面に備えられる。こうすることにより、両面に軌道面を有する場合でも、潤滑性を向上することができる。
この発明のさらに他の局面においては、スラスト軸受は、上記したいずれかのスラスト軸受用軌道輪を含む。
このようなスラスト軸受は、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を含むため、潤滑不良による摩耗や剥離に起因する破損の恐れが低減される。したがって、長寿命を図ることができる。
この発明によれば、凸部が設けられた焼入面を有する焼入用金型によって、軌道面に凹状の油溜まりが設けられたスラスト軸受用軌道輪を確実に製造することができる。また、油溜まりを形成する工程は、焼入と共に行うことができるため、加工工程数を増加させる必要はない。したがって、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を安価に、かつ、確実に製造することができる。
また、このようなスラスト軸受用軌道輪の製造装置を用いると、スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりが設けられたスラスト軸受用軌道輪を製造することができる。ここで、凹状の油溜まりは焼入用金型の焼入面によって形成されるため、安価に、かつ、確実に形成することができる。したがって、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を安価に、かつ、確実に製造することができる。
また、このようなスラスト軸受用軌道輪は、その軌道面に油膜形成に適切な凹状の油溜まりが形成されるため、潤滑油を適切に溜めることができる。そうすると、軌道面の油膜形成能力を高めることができる。したがって、スラスト軸受用軌道輪の潤滑性を向上することができる。
また、このようなスラスト軸受は、潤滑性を向上したスラスト軸受用軌道輪を含むため、潤滑不良による摩耗や剥離に起因する破損の恐れが低減される。したがって、長寿命を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図2は、この発明の一実施形態に係るスラスト軸受を示す断面図である。図2を参照して、スラスト軸受11は、2つのスラスト軸受用軌道輪12、13と、複数のころ14と、ころ14を保持する保持器15とを備える。スラスト軸受用軌道輪12、13は同じ構成であり、それぞれ一方の面に軌道面16、17を有する。スラスト軸受用軌道輪12、13は、それぞれの軌道面16、17が対向するように配置される。ころ14は、2つのスラスト軸受用軌道輪12、13の間に配置され、軌道面16、17を転動する。
図1は、図2に示すスラスト軸受11に備えられ、この発明の一実施形態に係るスラスト軸受用軌道輪12を矢印Iの方向から見た図である。図1および図2を参照して、スラスト軸受用軌道輪12は、円板状であり、その中央に貫通孔18を有する。ここで、軌道面16には、凹状に凹んだ略半球状の油溜まり19が設けられている。油溜まり19は微小であり、軌道面16の全面にわたって複数設けられている。油溜まり19の軌道面16からの凹み量は、スラスト軸受用軌道輪12の外径寸法等から比較すると非常に小さく、数μm〜数十μm程度である。この油溜まり19は、後述する焼入工程において形成される。なお、理解の容易の観点から、図1においては、軌道面16に設けられた油溜まり19の一部のみを図示しており、かつ、油溜まり19の形状を大きく図示している。また、図2において、油溜まり19は図示していない。
次に、図1に示すスラスト軸受用軌道輪12の製造方法について説明する。図3は、スラスト軸受用軌道輪12の代表的な製造工程を示すフローチャートである。図1〜図3を参照して、まず、鋼板等に代表されるスラスト軸受用軌道輪の素材を準備する。次に、この鋼板を、スラスト軸受用軌道輪の外形形状となるように円板状に打ち抜き、その中央に貫通孔を設ける(図3(A))。その後、このスラスト軸受用軌道輪素材の熱処理を行う。熱処理工程は、スラスト軸受用軌道輪素材を所定の温度まで加熱する加熱工程(図3(B))と、加熱工程の後、スラスト軸受用軌道輪素材に焼入を施す焼入工程(図3(C))とを含む。なお、ここでは、焼入は、特開2005−113186号公報に開示された技術と同様に、金型による焼入である。
加熱工程においては、上記した工程で準備されたスラスト軸受用軌道輪素材を所定の温度まで加熱する。図4は、この工程で使用される加熱装置の概略断面図である。図4を参照して、加熱装置21の構成について簡単に説明する。加熱装置21は、コイル22と、加熱するスラスト軸受用軌道輪素材27を保持する台座23と、台座23を支持する支持部24と、台座23に取り付けられる複数のセラミックボール26とを備える。コイル22は、通電することにより発熱し、スラスト軸受用軌道輪素材27を加熱することができる。コイル22は、台座23の上方側に配置される。台座23の下部には、支持部24が取り付けられており、台座23を支持する。支持部24は図4中の矢印Aの方向に回転可能である。複数のセラミックボール26は、台座23の上部側の面25から突出するように取り付けられる。すなわち、複数のセラミックボール26が取り付けられた台座23の上部側の面25が、コイル22と対向する構成である。台座23は、セラミックボール26を介して、スラスト軸受用軌道輪素材27を保持する。
ここで、スラスト軸受用軌道輪素材27を加熱する加熱工程について説明する。まず、スラスト軸受用軌道輪素材27をセラミックボール26上に配置し、台座23に保持させる。次に、支持部24を回転させる。そうすると、この回転に伴って、台座23、セラミックボール26およびセラミックボール26上に配置されたスラスト軸受用軌道輪素材27も回転する。ここで、コイル22に通電し、スラスト軸受用軌道輪素材27をA変態点の温度まで誘導加熱する。この場合、スラスト軸受用軌道輪素材27は、支持部24によって回転しているため、均等に加熱することができる。なお、コイル22による加熱であるため、高速で加熱することができる。
次に、このように加熱されたスラスト軸受用軌道輪素材27に焼入を施す。この焼入工程は、凹状の油溜まりを形成する油溜まり形成工程でもある。図5は、焼入工程および油溜まり形成工程に使用される焼入装置31を示す概略断面図である。図6は、図5に示す焼入装置31に備えられる焼入用金型32を、図6中の矢印Bの方向と逆の方向から見た図である。この焼入装置31は、この発明の一実施形態に係るスラスト軸受用軌道輪の製造装置に備えられる。図5および図6を参照して、焼入装置31の構成について簡単に説明する。焼入装置31は、焼入用金型32と、スラスト軸受用軌道輪素材27を配置する支持台33とを備える。支持台33の上部側の面36は平らであり、その上に上記した加熱工程において加熱されたスラスト軸受用軌道輪素材27が配置される。
焼入用金型32は鋼製であり、加熱されたスラスト軸受用軌道輪素材27を所定の温度まで冷却し、スラスト軸受用軌道輪素材27をプレスしながら焼入することができる。焼入用金型32は、焼入面34が支持台33に対向するように配置される。焼入用金型32は、図5中の上下方向、すなわち、図5中の矢印Bの方向またはその逆の方向に移動可能である。プレス時において、焼入用金型32の焼入面34は、スラスト軸受用軌道輪素材27のうち、軌道面となる側の面28と当接する。
ここで、焼入用金型32の焼入面34には、上記したスラスト軸受用軌道輪12の軌道面16に凹状の油溜まり19を形成するための凸部35が設けられている。凸部35は微小であり、焼入面34の全面にわたって複数設けられている。凸部35は焼入面34から突出した略半球状である。凸部35の突出量は非常に小さく、数μm〜数十μm程度である。このような凸部35は、機械加工や腐食により形成される。なお、図1と同様に、理解の容易の観点から、図5および図6においては、凸部35の一部のみを図示しており、凸部35の形状を大きく図示している。
ここで、スラスト軸受用軌道輪素材27に焼入を施す方法について説明する。まず、支持台33の上部側の面36上に、加熱されたスラスト軸受用軌道輪素材27を配置する。この場合、後に軌道面となる側の面28を上側、すなわち、焼入面34に対向するようにして配置する。次に、焼入用金型32を矢印Bの方向に移動させ、焼入面34をスラスト軸受用軌道輪素材27の面28に当接させる。その後、焼入用金型32により、スラスト軸受用軌道輪素材27をプレスするようにしてスラスト軸受用軌道輪素材27を冷却し、スラスト軸受用軌道輪素材27に焼入を行う。
こうすることにより、スラスト軸受用軌道輪素材27の軌道面となる側の面28に、凹状の油溜まり19を設けることができる。この場合、スラスト軸受用軌道輪素材27を加熱して柔らかくなった状態で、焼入と共に油溜まり19を形成するため、確実に油溜まり19を形成することができる。
また、油溜まり形成工程は、焼入工程と共に行うため、新たに油溜まり19を形成する工程を設ける必要はない。したがって、加工工程数を増加させる必要はなくなり、安価に製造することができる。
さらに、このような製造方法によると、同じ凸部35のパターンが転写され、同一の油溜まり19の形状を有するスラスト軸受用軌道輪12を大量に製造することができる。したがって、効率的に、潤滑性が向上されたスラスト軸受用軌道輪12を製造することができる。
一方、このようにして製造されたスラスト軸受用軌道輪12は、その軌道面16に凹状の油溜まり19が形成されるため、潤滑油を適切に溜めることができる。この油溜まり19は焼入用金型32により設けられているため、その形状や凹み量、面積比率等、所望の凹状の油溜まり19を形成することができる。そうすると、軌道面16の油膜形成能力を高めることができる。したがって、スラスト軸受用軌道輪12の潤滑性を向上することができる。
なお、最後に洗浄等の仕上げを行い(図3(D))、スラスト軸受用軌道輪12を製造する。また、このようにして製造されたスラスト軸受用軌道輪12、ころおよび保持器を組合わせて、スラスト軸受11を製造する。
このようなスラスト軸受用軌道輪12を含む図2に示すようなスラスト軸受11は、スラスト軸受用軌道輪12の潤滑性が向上されているため、潤滑不良による摩耗や剥離に起因する破損の恐れが低減される。したがって、長寿命を図ることができる。
ここで、上記の実施の形態においては、軌道面に略半球状の油溜まりを設けることにしたが、これに限らず、溝状の油溜まりを設けることにしてもよい。図7は、この場合におけるスラスト軸受用軌道輪を示す図であり、図1に対応する。図7を参照して、スラスト軸受用軌道輪41は、基本的には、図1に示すスラスト軸受用軌道輪12と同じ構成である。ここで、軌道面42には、溝状に凹んだ油溜まり43が設けられている。なお、溝状の油溜まり43は、図7における縦横方向に延びる形状である。このような油溜まり43は、溝状に凹んだ油溜まり43の形状に対応し、溝状に突出した凸部を有する焼入面を備える焼入用金型によって形成することができる。こうすることによっても、溝状に凹んだ油溜まり43に潤滑油を溜めることができるため、油膜形成能力を高め、潤滑性を向上することができる。
また、図7において、縦横方向に延びる溝状の油溜まりを設けることにしたが、これに限らず、図8に示すスラスト軸受用軌道輪51のように、軌道面52に、網目状に延びる油溜まり53を設けることにしてもよい。こうすることによっても、潤滑性を向上することができる。また、このような形状の油溜まり53は、これに対応する形状の凸部を有する焼入面を備える焼入用金型によって形成することができる。
さらに、上記の実施の形態においては、スラスト軸受用軌道輪の一方の面にのみ軌道面を含む構成としたが、これに限らず、スラスト軸受用軌道輪の両方の面に軌道面を含み、この両方の軌道面に凹状の油溜まりを設けることにしてもよい。図9はこの場合のスラスト軸受用軌道輪を示す断面図である。図9を参照して、スラスト軸受用軌道輪61は、円板状であって、その中央に貫通孔62を有する。また、両面に軌道面63a、63bを有する。ここで、両方の軌道面63a、63bには、凹状の油溜まり(図示せず)が設けられる。こうすることにより、両面に軌道面63a、63bを有するスラスト軸受用軌道輪61のそれぞれの軌道面63a、63bにおける潤滑性を向上することができる。なお、このようなスラスト軸受用軌道輪61は、凹状の油溜まりに対応する形状の凸部を有し、上下方向に配置された2つの焼入用金型でスラスト軸受用軌道輪素材を挟み込むようにしてプレスし、焼入を施すことにより形成することができる。
なお、上記の実施の形態においては、加熱工程において、コイルによる誘導加熱によりスラスト軸受用軌道輪素材を加熱することにしたが、これに限らず、電気炉や雰囲気炉等によって加熱することにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、スラスト軸受用軌道輪は、その中央に貫通孔を有することにしたが、これに限らず、貫通孔を有しないタイプのスラスト軸受用軌道輪についても適用される。
なお、上記の実施の形態においては、スラスト軸受として、ころを含む構成としたが、これに限らず、滑り軸受、すなわち、ころを含まない構成のスラスト軸受にも適用される。
また、本発明は、焼入工程において、スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりを形成するための凸部が設けられた焼入用金型を用いて、スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりを設ける点で、特開2005−113186号公報に開示の技術とは異なるものである。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るスラスト軸受用軌道輪の製造方法は、長寿命が要求されるスラスト軸受用軌道輪を製造する場合に有効に利用される。
また、この発明に係るスラスト軸受用軌道輪の製造装置は、長寿命が要求されるスラスト軸受用軌道輪を製造する場合に有効に利用される。
また、この発明に係るスラスト軸受用軌道輪は、長寿命が要求される場合に有効に利用される。
また、この発明に係るスラスト軸受は、長寿命が要求される場合に有効に利用される。
この発明の一実施形態に係るスラスト軸受用軌道輪を示す図である。 この発明の一実施形態に係るスラスト軸受を示す断面図である。 図1に示すスラスト軸受用軌道輪の代表的な製造工程を示すフローチャートである。 スラスト軸受用軌道輪素材を加熱する加熱装置を示す概略断面図である。 スラスト軸受用軌道輪素材を焼入する焼入装置を示す概略断面図である。 焼入装置に含まれる焼入用冶具を示す図である。 この発明の他の実施形態に係るスラスト軸受用軌道輪を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るスラスト軸受用軌道輪を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るスラスト軸受用軌道輪を示す断面図である。
符号の説明
11 スラスト軸受、12,13,41,51,61 スラスト軸受用軌道輪、14 ころ、15 保持器、16,17,42,52,63a,63b 軌道面、18,62 貫通孔、19,43,53 油溜まり、21 加熱装置、22 コイル、23 台座、24 支持部、25,28,36 面、26 セラミックボール、27 スラスト軸受用軌道輪素材、31 焼入装置、32 焼入用金型、33 支持台、34 焼入面、35 凸部。

Claims (5)

  1. スラスト軸受用軌道輪素材を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程の後、スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりを形成するための凸部が設けられた焼入面を有する焼入用金型を用い、前記スラスト軸受用軌道輪素材のうち、軌道面となる面に前記焼入面を当接させ、前記焼入用金型でプレスしながら前記スラスト軸受用軌道輪素材を焼入する焼入工程とを含む、スラスト軸受用軌道輪の製造方法。
  2. スラスト軸受用軌道輪の軌道面に凹状の油溜まりを形成するための凸部が設けられた焼入面を有し、スラスト軸受用軌道輪素材をプレスしながら焼入する焼入用金型と、
    前記スラスト軸受用軌道輪素材を支持する支持台とを備える、スラスト軸受用軌道輪の製造装置。
  3. 軌道面に、焼入用金型の凸部によって形成された凹状の油溜まりを備える、スラスト軸受用軌道輪。
  4. 前記スラスト軸受用軌道輪は、両面に軌道面を有し、
    前記油溜まりは、両面の前記軌道面に備えられる、請求項3に記載のスラスト軸受用軌道輪。
  5. 請求項3または4に記載のスラスト軸受用軌道輪を含む、スラスト軸受。
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