JP2003329048A - 軸受軌道部材の製造方法 - Google Patents
軸受軌道部材の製造方法Info
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- JP2003329048A JP2003329048A JP2002138971A JP2002138971A JP2003329048A JP 2003329048 A JP2003329048 A JP 2003329048A JP 2002138971 A JP2002138971 A JP 2002138971A JP 2002138971 A JP2002138971 A JP 2002138971A JP 2003329048 A JP2003329048 A JP 2003329048A
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2240/00—Specified values or numerical ranges of parameters; Relations between them
- F16C2240/12—Force, load, stress, pressure
- F16C2240/18—Stress
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- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 転動体との接触面圧が高い使用条件下でも、
軸受軌道部材の長寿命化を図ることができる軸受軌道部
材の製造方法を提供する。 【解決手段】 所定形状に加工した軌道部材用のブラン
クBを熱処理して少なくとも軌道部1cを硬化させる。
次いで、旋削によって当該軌道部1cの表面の中心線平
均粗さRaを0.35μm以上に仕上げる。その後、当
該軌道部1cの表面にローラバニシング加工を施して、
その中心線平均粗さRaを0.25μm以下、軌道部1
cの表面から少なくとも0.2mmの深さの残留圧縮応
力を1000MPa以上にする。
軸受軌道部材の長寿命化を図ることができる軸受軌道部
材の製造方法を提供する。 【解決手段】 所定形状に加工した軌道部材用のブラン
クBを熱処理して少なくとも軌道部1cを硬化させる。
次いで、旋削によって当該軌道部1cの表面の中心線平
均粗さRaを0.35μm以上に仕上げる。その後、当
該軌道部1cの表面にローラバニシング加工を施して、
その中心線平均粗さRaを0.25μm以下、軌道部1
cの表面から少なくとも0.2mmの深さの残留圧縮応
力を1000MPa以上にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、転動体との接触面圧
が高い条件下で使用される軸受軌道部材の製造方法に関
する。
が高い条件下で使用される軸受軌道部材の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、外
径が240mm以上の中型、大型転がり軸受について
は、軌道輪(軌道部材)用のブランクを熱処理した後、
軌道部を研磨加工でなく旋削加工によって所定の精度に
仕上げる場合がある。しかし、この場合には、軌道部の
表面粗さが粗いので(例えば中心線平均粗さRaが0.
35μm以上)、転動体との接触部の潤滑状態が境界潤
滑とならざるを得ない。しかも、重切削加工であること
から軌道部に引張残留応力が生じるおそれがある。した
がって、前記軌道輪を転動体との接触面圧が高い条件下
で使用すると、軌道部に早期剥離を生じ易いという問題
があった。また、前記切削加工後の仕上げ面をさらに良
好にすべく(例えばRa≧0.2μm)、切削条件を緩
和したり(比較的軽切削加工にしたり)、粗研削加工を
施したりすることもあるが、この場合でも前記と同様な
問題が生じている。この発明は前記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、転動体との接触面圧が高い使用条件下
でも、軸受軌道部材の長寿命化を図ることができる軸受
軌道部材の製造方法を提供することを目的とする。
径が240mm以上の中型、大型転がり軸受について
は、軌道輪(軌道部材)用のブランクを熱処理した後、
軌道部を研磨加工でなく旋削加工によって所定の精度に
仕上げる場合がある。しかし、この場合には、軌道部の
表面粗さが粗いので(例えば中心線平均粗さRaが0.
35μm以上)、転動体との接触部の潤滑状態が境界潤
滑とならざるを得ない。しかも、重切削加工であること
から軌道部に引張残留応力が生じるおそれがある。した
がって、前記軌道輪を転動体との接触面圧が高い条件下
で使用すると、軌道部に早期剥離を生じ易いという問題
があった。また、前記切削加工後の仕上げ面をさらに良
好にすべく(例えばRa≧0.2μm)、切削条件を緩
和したり(比較的軽切削加工にしたり)、粗研削加工を
施したりすることもあるが、この場合でも前記と同様な
問題が生じている。この発明は前記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、転動体との接触面圧が高い使用条件下
でも、軸受軌道部材の長寿命化を図ることができる軸受
軌道部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明の軸受軌道部材の製造方法は、軌道部と転動
体との最大接触面圧が300MPa以上の条件下で使用
される転がり軸受の軌道部材を製造する方法であって、
所定形状に加工した軌道部材用のブランクを熱処理して
少なくとも軌道部を硬化させた後、旋削によって当該軌
道部の表面の中心線平均粗さRaを0.35μm以上に
仕上げ、さらに当該軌道部の表面にローラバニシング加
工を施して、その中心線平均粗さRaを0.25μm以
下、軌道部の表面から少なくとも0.2mmの深さの残
留圧縮応力を1000MPa以上にすることを特徴とし
ている(請求項1)。
のこの発明の軸受軌道部材の製造方法は、軌道部と転動
体との最大接触面圧が300MPa以上の条件下で使用
される転がり軸受の軌道部材を製造する方法であって、
所定形状に加工した軌道部材用のブランクを熱処理して
少なくとも軌道部を硬化させた後、旋削によって当該軌
道部の表面の中心線平均粗さRaを0.35μm以上に
仕上げ、さらに当該軌道部の表面にローラバニシング加
工を施して、その中心線平均粗さRaを0.25μm以
下、軌道部の表面から少なくとも0.2mmの深さの残
留圧縮応力を1000MPa以上にすることを特徴とし
ている(請求項1)。
【0004】この軸受軌道部材の製造方法によれば、ロ
ーラバニシング加工によって軌道部の表面の中心線平均
粗さRaを0.25μm以下にしているので、当該軌道
部と転動体との最大接触面圧が300MPa以上の使用
条件下であっても、両者間の潤滑状態を良好に維持する
ことができる。また、軌道部の表面から少なくとも0.
2mmの深さの残留圧縮応力を1000MPa以上にし
ているので、軌道部に引張残留応力が生じる危険性を排
除することができる。
ーラバニシング加工によって軌道部の表面の中心線平均
粗さRaを0.25μm以下にしているので、当該軌道
部と転動体との最大接触面圧が300MPa以上の使用
条件下であっても、両者間の潤滑状態を良好に維持する
ことができる。また、軌道部の表面から少なくとも0.
2mmの深さの残留圧縮応力を1000MPa以上にし
ているので、軌道部に引張残留応力が生じる危険性を排
除することができる。
【0005】また、この発明の他の軸受軌道部材の製造
方法は、軌道部と転動体との最大接触面圧が300MP
a以上の条件下で使用される転がり軸受の軌道部材を製
造する方法であって、所定形状に加工した軌道部材用の
ブランクを熱処理して少なくとも軌道部を硬化させた
後、旋削又は研削によって当該軌道部の表面の中心線平
均粗さRaを0.2μm以上に仕上げ、さらに当該軌道
部の表面にローラバニシング加工を施して、その中心線
平均粗さRaを0.15μm以下、軌道部の表面から少
なくとも0.2mmの深さの残留圧縮応力を1000M
Pa以上にすることを特徴としている(請求項2)。
方法は、軌道部と転動体との最大接触面圧が300MP
a以上の条件下で使用される転がり軸受の軌道部材を製
造する方法であって、所定形状に加工した軌道部材用の
ブランクを熱処理して少なくとも軌道部を硬化させた
後、旋削又は研削によって当該軌道部の表面の中心線平
均粗さRaを0.2μm以上に仕上げ、さらに当該軌道
部の表面にローラバニシング加工を施して、その中心線
平均粗さRaを0.15μm以下、軌道部の表面から少
なくとも0.2mmの深さの残留圧縮応力を1000M
Pa以上にすることを特徴としている(請求項2)。
【0006】この軸受軌道部材の製造方法によれば、ロ
ーラバニシング加工によって軌道部の表面の中心線平均
粗さRaを0.15μm以下にしているので、当該軌道
部と転動体との最大接触面圧が300MPa以上の使用
条件下であっても、両者間の潤滑状態を良好に維持する
ことができる。また、軌道部の表面から少なくとも0.
2mmの深さの残留圧縮応力を1000MPa以上にし
ているので、軌道部に引張残留応力が生じる危険性を排
除することができる。
ーラバニシング加工によって軌道部の表面の中心線平均
粗さRaを0.15μm以下にしているので、当該軌道
部と転動体との最大接触面圧が300MPa以上の使用
条件下であっても、両者間の潤滑状態を良好に維持する
ことができる。また、軌道部の表面から少なくとも0.
2mmの深さの残留圧縮応力を1000MPa以上にし
ているので、軌道部に引張残留応力が生じる危険性を排
除することができる。
【0007】前記軸受軌道部材の製造方法においては、
前記ローラバニシング加工によって、軌道部の表面から
少なくとも0.2mmの深さの硬さをHv700以上に
加工硬化させるのが好ましい(請求項3)。これによ
り、前記軌道部の疲労強度を効果的に高めることができ
る。
前記ローラバニシング加工によって、軌道部の表面から
少なくとも0.2mmの深さの硬さをHv700以上に
加工硬化させるのが好ましい(請求項3)。これによ
り、前記軌道部の疲労強度を効果的に高めることができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、添付図面を参照しながら説明する。図1は、この
発明の一実施形態にかかる軸受軌道部材の製造方法を示
す工程図である。この製造方法は、玉軸受の軌道部材と
しての内輪1の製造に適用されるものであり、まず、浸
炭鋼(SAE4320相当材)からなる環状素材A(図
1(a)参照)に旋削加工を施して、端面1a、外周1
b、軌道部1c及び内周1d等を所定形状に加工する
(図1(b)参照)。次に、この旋削加工されたブランク
Bに浸炭焼入を含む熱処理を施して、その表面の硬さが
例えばHRC60以上となるように硬化させる(図1
(c)参照)。その後、熱処理が完了したブランクBの端
面1a、軌道部1c及び内周1dを、旋削加工によって
所定精度に仕上げる(図1(d)参照)。この旋削加工は
従来と同様にして行うものであり、したがって、軌道部
1cの表面の中心線平均粗さRaは0.35μm以上で
ある。なお、前記ブランクBの端面1a及び内周1dの
仕上げ加工については、研磨加工で行ってもよい。
いて、添付図面を参照しながら説明する。図1は、この
発明の一実施形態にかかる軸受軌道部材の製造方法を示
す工程図である。この製造方法は、玉軸受の軌道部材と
しての内輪1の製造に適用されるものであり、まず、浸
炭鋼(SAE4320相当材)からなる環状素材A(図
1(a)参照)に旋削加工を施して、端面1a、外周1
b、軌道部1c及び内周1d等を所定形状に加工する
(図1(b)参照)。次に、この旋削加工されたブランク
Bに浸炭焼入を含む熱処理を施して、その表面の硬さが
例えばHRC60以上となるように硬化させる(図1
(c)参照)。その後、熱処理が完了したブランクBの端
面1a、軌道部1c及び内周1dを、旋削加工によって
所定精度に仕上げる(図1(d)参照)。この旋削加工は
従来と同様にして行うものであり、したがって、軌道部
1cの表面の中心線平均粗さRaは0.35μm以上で
ある。なお、前記ブランクBの端面1a及び内周1dの
仕上げ加工については、研磨加工で行ってもよい。
【0009】仕上げ加工が完了すると、前記軌道部1c
の表面にローラバニシング加工(ディープローリング加
工)を施す(図1(e)参照)。このローラバニシング加
工は、油圧で保持されたセラミックス製の鏡面ボールC
を、軌道部1cに強圧で押し付けて転がり接触させなが
ら、軌道部1cの軸方向断面に沿って移動させるもので
ある。このローラバニシング加工においては、軌道部1
cの表面の中心線平均粗さRaが0.25μm以下、軌
道部1cの表面から少なくとも0.2mmの深さの残留
圧縮応力が1000MPa以上、軌道部1cの表面から
少なくとも0.2mmの深さの硬さがHv700以上に
なるように、そのバニシング量や加圧力等の加工条件を
選択する。
の表面にローラバニシング加工(ディープローリング加
工)を施す(図1(e)参照)。このローラバニシング加
工は、油圧で保持されたセラミックス製の鏡面ボールC
を、軌道部1cに強圧で押し付けて転がり接触させなが
ら、軌道部1cの軸方向断面に沿って移動させるもので
ある。このローラバニシング加工においては、軌道部1
cの表面の中心線平均粗さRaが0.25μm以下、軌
道部1cの表面から少なくとも0.2mmの深さの残留
圧縮応力が1000MPa以上、軌道部1cの表面から
少なくとも0.2mmの深さの硬さがHv700以上に
なるように、そのバニシング量や加圧力等の加工条件を
選択する。
【0010】図2は前記ローラバニシング加工後におけ
る軌道部1cの表面からの各深さにおける残留圧縮応力
を測定した結果を示すグラフ図である。比較のためにロ
ーラバニシング加工を施す前のもの、及び旋削仕上げさ
れた軌道部にショットピーニングを施したものの測定結
果も同図に併せて記載している。図2より明らかなよう
に、ローラバニシング加工後の軌道部1cは、その表面
から少なくとも0.2mmの深さにおいて、1000M
Pa以上の残留圧縮応力が生じており、しかも、ショッ
トピーニング品に比べて約2倍の深さまで加工硬化が生
じている。
る軌道部1cの表面からの各深さにおける残留圧縮応力
を測定した結果を示すグラフ図である。比較のためにロ
ーラバニシング加工を施す前のもの、及び旋削仕上げさ
れた軌道部にショットピーニングを施したものの測定結
果も同図に併せて記載している。図2より明らかなよう
に、ローラバニシング加工後の軌道部1cは、その表面
から少なくとも0.2mmの深さにおいて、1000M
Pa以上の残留圧縮応力が生じており、しかも、ショッ
トピーニング品に比べて約2倍の深さまで加工硬化が生
じている。
【0011】図3は前記ローラバニシング加工後におけ
る軌道部1cの表面からの各深さにおける硬さを測定し
た結果を示すグラフ図である。比較のためにローラバニ
シング加工を施す前のもの、及び旋削仕上げされた軌道
部にショットピーニングを施したものの測定結果も同図
に併せて記載している。図3より明らかなように、ロー
ラバニシング加工された軌道部1cは、その表面から少
なくとも0.2mmの深さにおいて、Hv700以上の
硬さが確保されており、ローラバニシング加工を施す前
のもの及びショットピーニングを施したものよりも大幅
に硬くなっている。したがって、軌道部1cの疲労強度
を効果的に高めることができる。
る軌道部1cの表面からの各深さにおける硬さを測定し
た結果を示すグラフ図である。比較のためにローラバニ
シング加工を施す前のもの、及び旋削仕上げされた軌道
部にショットピーニングを施したものの測定結果も同図
に併せて記載している。図3より明らかなように、ロー
ラバニシング加工された軌道部1cは、その表面から少
なくとも0.2mmの深さにおいて、Hv700以上の
硬さが確保されており、ローラバニシング加工を施す前
のもの及びショットピーニングを施したものよりも大幅
に硬くなっている。したがって、軌道部1cの疲労強度
を効果的に高めることができる。
【0012】以上により得られた内輪1は、ローラバニ
シング加工によって軌道部1cの表面の中心線平均粗さ
Raを0.25μm以下にしているので、当該軌道部1
cの表面と転動体としてのボールとの最大接触面圧が3
00MPa以上の使用条件下であっても、両者間の潤滑
状態を良好に維持することができる。また、軌道部1c
の表面から少なくとも0.2mmの深さの残留圧縮応力
を1000MPa以上にしているので、軌道部1cの表
面に引張残留応力が生じる危険性を排除することができ
る。したがって、ローラバニシング加工によって軌道部
1cの硬さが深部まで硬くなっている点と相まって、前
記内輪1を組み込んだ玉軸受の寿命を従来品に比べて大
幅に延ばすことができる。具体的には、前記内輪1を軸
受型番6206の内輪に適用し、接触面圧350MPa
にて寿命試験を行った結果、従来品と比べて3.5倍の
寿命を発揮できることが確認されている。
シング加工によって軌道部1cの表面の中心線平均粗さ
Raを0.25μm以下にしているので、当該軌道部1
cの表面と転動体としてのボールとの最大接触面圧が3
00MPa以上の使用条件下であっても、両者間の潤滑
状態を良好に維持することができる。また、軌道部1c
の表面から少なくとも0.2mmの深さの残留圧縮応力
を1000MPa以上にしているので、軌道部1cの表
面に引張残留応力が生じる危険性を排除することができ
る。したがって、ローラバニシング加工によって軌道部
1cの硬さが深部まで硬くなっている点と相まって、前
記内輪1を組み込んだ玉軸受の寿命を従来品に比べて大
幅に延ばすことができる。具体的には、前記内輪1を軸
受型番6206の内輪に適用し、接触面圧350MPa
にて寿命試験を行った結果、従来品と比べて3.5倍の
寿命を発揮できることが確認されている。
【0013】前記実施の形態においては、熱処理硬化さ
せたブランクBの軌道面1cを、旋削加工によって所定
精度に仕上げているが、この旋削加工に代えて粗研削加
工を施すか或いは旋削条件を緩和することにより、当該
軌道部1cの表面の中心線平均粗さRaを0.2μm以
上としてもよく、この場合には、前記軌道面1cを仕上
げた後、その表面に前期と同様なローラバニシング加工
して、軌道部1cの表面の中心線平均粗さRaが0.1
5μm以下、軌道部1cの表面から少なくとも0.2m
mの深さの残留圧縮応力が1000MPa以上、軌道部
1cの表面から少なくとも0.2mmの深さの硬さがH
v700以上にする。この実施の形態についても、前記
と同様に軸受寿命を向上させ得ることが確認されてい
る。
せたブランクBの軌道面1cを、旋削加工によって所定
精度に仕上げているが、この旋削加工に代えて粗研削加
工を施すか或いは旋削条件を緩和することにより、当該
軌道部1cの表面の中心線平均粗さRaを0.2μm以
上としてもよく、この場合には、前記軌道面1cを仕上
げた後、その表面に前期と同様なローラバニシング加工
して、軌道部1cの表面の中心線平均粗さRaが0.1
5μm以下、軌道部1cの表面から少なくとも0.2m
mの深さの残留圧縮応力が1000MPa以上、軌道部
1cの表面から少なくとも0.2mmの深さの硬さがH
v700以上にする。この実施の形態についても、前記
と同様に軸受寿命を向上させ得ることが確認されてい
る。
【0014】前記実施の形態の形態においては、軌道部
材の素材として浸炭鋼を用いているが、これに限定され
るものではなく、SUJ−2等の軸受鋼を用いて実施し
てもよい。また、ブランクの焼入は高周波焼入で行って
もよく、この場合には、少なくとも軌道部を焼入硬化さ
せればよい。また、前記の実施の形態においては、接触
条件が厳しく短寿命となり易い内輪のみについてローラ
バニシングを施した場合について示したが、この発明の
製造方法は、転がり軸受の内輪だけでなく、外輪の製造
方法としても勿論適用して実施することができる。さら
に、この発明は、例えば鉄鋼機械用のドライブシャフト
に用いられる十字継手の内輪としての十字軸や外輪とし
てのカップのような、高圧条件で使用される軌道部を備
える種々の軸受軌道部材の製造方法として好適に用いら
れる。
材の素材として浸炭鋼を用いているが、これに限定され
るものではなく、SUJ−2等の軸受鋼を用いて実施し
てもよい。また、ブランクの焼入は高周波焼入で行って
もよく、この場合には、少なくとも軌道部を焼入硬化さ
せればよい。また、前記の実施の形態においては、接触
条件が厳しく短寿命となり易い内輪のみについてローラ
バニシングを施した場合について示したが、この発明の
製造方法は、転がり軸受の内輪だけでなく、外輪の製造
方法としても勿論適用して実施することができる。さら
に、この発明は、例えば鉄鋼機械用のドライブシャフト
に用いられる十字継手の内輪としての十字軸や外輪とし
てのカップのような、高圧条件で使用される軌道部を備
える種々の軸受軌道部材の製造方法として好適に用いら
れる。
【0015】
【発明の効果】以上のように、この発明の軸受軌道部材
の製造方法によれば、軌道部と転動体との最大接触面圧
が300MPa以上の使用条件下であっても、両者間の
潤滑状態を良好に維持することができるとともに、軌道
部に引張残留応力が生じる危険性を排除することがで
き、ひいては軸受用軌道部材の長寿命化を図ることがで
きる。
の製造方法によれば、軌道部と転動体との最大接触面圧
が300MPa以上の使用条件下であっても、両者間の
潤滑状態を良好に維持することができるとともに、軌道
部に引張残留応力が生じる危険性を排除することがで
き、ひいては軸受用軌道部材の長寿命化を図ることがで
きる。
【0016】特に、前記ローラバニシング加工によっ
て、軌道部の表面から少なくとも0.2mmの深さの硬
さをHv700以上に加工硬化させる場合には、前記軌
道部の疲労強度を効果的に高めることができるので、軸
受用軌道部材の長寿命化をより効果的に図ることができ
る。
て、軌道部の表面から少なくとも0.2mmの深さの硬
さをHv700以上に加工硬化させる場合には、前記軌
道部の疲労強度を効果的に高めることができるので、軸
受用軌道部材の長寿命化をより効果的に図ることができ
る。
【図1】この発明の軸受軌道部材の製造方法の一実施形
態を示す工程図である。
態を示す工程図である。
【図2】軌道部の表面からの各深さにおける残留圧縮応
力を測定した結果を示すグラフ図である。
力を測定した結果を示すグラフ図である。
【図3】軌道部の表面からの各深さにおける硬さを測定
した結果を示すグラフ図である。
した結果を示すグラフ図である。
1 内輪
1c 軌道部
B ブランク
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 原田 久
大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋
精工株式会社内
Fターム(参考) 3J101 AA03 AA42 BA53 BA54 BA55
DA02 DA20 EA02 EA04 FA31
Claims (3)
- 【請求項1】軌道部と転動体との最大接触面圧が300
MPa以上の条件下で使用される転がり軸受の軌道部材
を製造する方法であって、 所定形状に加工した軌道部材用のブランクを熱処理して
少なくとも軌道部を硬化させた後、旋削によって当該軌
道部の表面の中心線平均粗さRaを0.35μm以上に
仕上げ、さらに当該軌道部の表面にローラバニシング加
工を施して、その中心線平均粗さRaを0.25μm以
下、軌道部の表面から少なくとも0.2mmの深さの残
留圧縮応力を1000MPa以上にすることを特徴とす
る軸受軌道部材の製造方法。 - 【請求項2】軌道部と転動体との最大接触面圧が300
MPa以上の条件下で使用される転がり軸受の軌道部材
を製造する方法であって、 所定形状に加工した軌道部材用のブランクを熱処理して
少なくとも軌道部を硬化させた後、旋削又は研削によっ
て当該軌道部の表面の中心線平均粗さRaを0.2μm
以上に仕上げ、さらに当該軌道部の表面にローラバニシ
ング加工を施して、その中心線平均粗さRaを0.15
μm以下、軌道部の表面から少なくとも0.2mmの深
さの残留圧縮応力を1000MPa以上にすることを特
徴とする軸受軌道部材の製造方法。 - 【請求項3】前記ローラバニシング加工によって、軌道
部の表面から少なくとも0.2mmの深さの硬さをHv
700以上に加工硬化させる請求項1又は2記載の軸受
軌道部材の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002138971A JP2003329048A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | 軸受軌道部材の製造方法 |
PCT/JP2003/006032 WO2003095855A1 (fr) | 2002-05-14 | 2003-05-14 | Procede de fabrication de chemin de roulement |
KR10-2004-7017999A KR20050004843A (ko) | 2002-05-14 | 2003-05-14 | 베어링 궤도 부재의 제조 방법 |
EP03749996A EP1505306A4 (en) | 2002-05-14 | 2003-05-14 | METHOD FOR MANUFACTURING THE RUNWAY |
US10/514,115 US7685717B2 (en) | 2002-05-14 | 2003-05-14 | Method for manufacturing a bearing raceway member |
CNB038107457A CN100339606C (zh) | 2002-05-14 | 2003-05-14 | 轴承轨道部件的制造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002138971A JP2003329048A (ja) | 2002-05-14 | 2002-05-14 | 軸受軌道部材の製造方法 |
Publications (1)
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