JP2008128323A - 軸受ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】保持器のポケット内の表面のみを粗面加工するとともに、当該ポケット内に潤滑剤貯留部を設けることで、潤滑性能を格段に向上させ、長期に亘って一定の精度で回転させることが可能な耐久性に優れた軸受ユニットを提供する。
【解決手段】車体構成部材に固定される静止輪2と、車輪構成部材に固定されて当該車輪構成部材とともに回転する回転輪4と、当該静止輪及び当該回転輪にそれぞれ形成されて相互に対向する軌道面間へ転動可能に組み込まれた複数の転動体18と、当該転動体を回転自在にポケット10p内に保持する保持器10とを備えた軸受ユニットであって、保持器は、ポケット内の表面粗さが、少なくとも当該保持器の外周部10b及び内周部10cの表面粗さの4倍以上に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車の車輪を支持する軸受ユニットに関し、特に、保持器構造を改良し、潤滑性能の向上を図ることを可能とした軸受ユニットに関する。
この種の軸受ユニットには、例えば、図2に示すように、車体(懸架装置のナックル(図示しない))に固定される静止輪2と、車輪(ディスクホイール(図示しない))に固定されて当該ディスクホイールとともに回転する回転輪4とが備えられている。この場合、かかる軸受ユニットは、一例として、外輪側を静止輪2、内輪側を回転輪4とする自動車の駆動輪(FR車及びRR車の後輪、FF車の前輪及び四輪駆動車の全輪)を支持する軸受ユニットとして構成されている。
また、かかる軸受ユニットには、複数の転動体(玉)18が、静止輪2及び回転輪4にそれぞれ形成された相互に対向する複列(2列)の軌道面間へ転動可能に組み込まれている。この場合、転動体(玉)18は、環状を成す保持器20に形成されたポケット20p内に1つずつ回転自在に保持された状態で、軌道面間を転動している。
図2に示す構成において、静止輪2には、その外周面2aから外方(径を拡大する方向)に向かって突出した固定フランジ2fが一体成形されており、当該固定フランジ2fを貫通する固定孔2hに固定用ボルト(図示しない)を挿入し、これを車体側に締結することで、静止輪2を図示しない懸架装置(サスペンション)のナックルに固定することができる。
また、回転輪4には、略円筒形を成すハブ12が設けられており、当該ハブ12は、制動部材(ブレーキディスク(図示しない))を介して車輪のディスクホイール(図示しない)に固定され、当該ディスクホイールとともに回転するように構成されている。なお、かかるハブ12の軸方向(図2の左右方向)の他方側(同図の左側)には、ディスクホイールのディスク部(図示しない)を固定(外嵌)するためのハブフランジ12fが周方向に沿って連続して突設されている。
この場合、ハブフランジ12fは、静止輪2を越えて外方(ハブ12の径方向外側)に向かって延出しており、その延出縁付近には、周方向に沿って複数の貫通孔(ボルト孔)12hが設けられている。また、ブレーキディスク及びディスクホイールのディスク部にも、それぞれ当該ボルト孔12hと連通可能な貫通孔が周方向に沿って複数個(一例として、ボルト孔12hと同数個)設けられている。そして、複数のハブボルト14をボルト孔12hから当該貫通孔へ挿通し、ハブナット(図示しない)で締結することにより、ブレーキディスク及びディスクホイールをハブフランジ12fに対して位置決めして固定することができる。
また、ハブ12には、その軸方向(図2の左右方向)の一方側(同図の右側)に環状の内輪構成体16(ハブ12とともに回転輪4を構成する部材)が外嵌されるようになっている。
この場合、内輪構成体16は、ハブ12の段部12sまで外嵌された後、ハブ12の一方側(車体内側(図2(b)の右側))の端部12dを加締めることにより、ハブ12に対して固定され、これにより、軸受ユニットに対して所定の予圧が付与されている。
ところで、かかる軸受ユニットに対しては、当該軸受ユニットを長期に亘って一定の精度で回転させ続けることを目的として、潤滑剤による潤滑が行われている。この場合、潤滑方法としては、グリース潤滑と油潤滑に大別することができるが、上述したような自動車の車輪を支持する軸受ユニットの場合、メンテナンスフリーであるなど、その優れたメンテナンス性を考慮し、一般的にグリース潤滑が行われている。
このように、グリースを軸受ユニットの内部に封入して潤滑を行うことで、そのメンテナンス作業を簡略化しながら、当該軸受ユニットを長期に亘って一定の精度で回転させ続けることが可能となる。
その一方で、上述したように、かかる軸受ユニットは、ブレーキ部品であるブレーキディスク及びディスクホイールに近接して配置されているため、軸受ユニットの内部に封入したグリースが外部に漏洩(飛散)し、これらのブレーキ部品に付着した場合、ブレーキ性能に著しい悪影響を及ぼしてしまう虞がある。
このため、グリース潤滑を行う際、かかるグリースの軸受ユニットの外部への漏洩(飛散)を確実に防止するため、当該軸受ユニットの内部へ封入するグリースの量は、通常の場合、潤滑のために必要となる最小限の量に限定されている。
さらに、図2に示すように、かかる軸受ユニットには、静止輪2と回転輪4との間に、転動体(玉)18を挟んでその両側(図2の左側と右側)へ、軸受ユニットを密封するための密封部材22がそれぞれ設けられている。このように密封部材22を設けることで、軸受ユニットの内部に封入されたグリースの外部への漏洩(飛散)を防止することができる。また、かかる密封部材22を設けることで、軸受ユニットの外部から異物(例えば、泥水、塵埃)が内部に侵入することも併せて防止している。
なお、かかる密封部材に関し、例えば、特許文献1〜3にそれぞれ開示されているように、軸受ユニットの密封効果を高めるため、材質や構造に特徴を有する各種の構成例が知られている。
ここで、近年、自動車の性能が向上し、軸受ユニットの潤滑条件(例えば、耐用期間や耐用温度など)が厳しくなり、グリース潤滑における潤滑性能の向上が求められている。
また、同時に、自動車の性能向上に伴って、軸受ユニットにおける温度変化(例えば、最高温度の上昇や上限温度と下限温度との温度較差など)も顕著となる傾向にある。このような軸受ユニットの温度変化は、例えば、当該軸受ユニットの内圧の変化によるグリースの攪拌及び剪断を招き、グリースの状態変化(特に、軟化)を助長するため、グリースの外部への漏洩(飛散)を誘発する要因となる。
これらの事情を踏まえた上で、例えば、軸受ユニットの潤滑性能を向上させるための1つの方策として、内部へ封入するグリースの量を増加させ、潤滑を積極的に促す方策がある。しかしながら、軸受ユニットの内部へのグリース封入量を増加した場合、当該軸受ユニットの温度変化がグリースに対して与える影響は大きくなり、封入したグリースが軸受ユニットの内圧変化によって活発に攪拌及び剪断され、軟化などのグリース状態変化がより一層、起こりやすくなってしまう。結果として、グリースの外部への漏洩(飛散)が誘発される虞がある。
以上を考慮すれば、グリースの封入量を増加する方策は、必ずしも最善策とはならない場合がある。そこで、これまでのグリース封入量を維持しつつ潤滑効率を高める、すなわち、封入したグリースを転動体(玉)18の表面、回転輪2と静止輪4の軌道面、及び保持器20のポケットの近傍に集中的に作用させ、効率的に活用するための方策が求められている。
上述した自動車の車輪を支持する軸受ユニットの場合、その組立上の制約から、転動体(玉)18を保持する保持器20としては、図2に示すような台形形状の冠型の保持器が一般的に適用されており、当該保持器20は、転動体(玉)18を回転自在に保持するポケットを、当該転動体(玉)18の径よりも若干大きな凹球面状に形成して構成されている。
このため、自動車が直進、若しくはそれに近い状態で走行している場合、すなわち、軸受ユニットが負荷するモーメント荷重が小さい場合、当該軸受ユニットの内部に封入されたグリースは、図3(a)に示すように、転動体(玉)18の自転により、当該転動体(玉)18と保持器20のポケット20pとの間に巻き込まれていく。
この結果、ポケット20p内でグリースが循環されることで、当該ポケット20p内に保持された転動体(玉)18は、その潤滑状態が非常に良好に保たれ、当該ポケット20p内で滑らかに回転することができる。
これに対し、自動車が旋回、若しくはそれに近い状態で走行している場合、軸受ユニットに対しては各種の荷重が作用するが、その中でも、負荷するモーメント荷重が増大することで、転動体(玉)18の公転軌道が楕円状に変化してしまう場合がある。この場合、転動体(玉)18は、保持器20のポケット20pに押し付けられた状態で回転することになる。このように公転軌道が楕円状に変化した状態で転動体(玉)18がポケット20p内で回転し続けると、当該転動体(玉)18の表面に付着したグリースは、図3(b)に示すように、保持器20のポケット20pの周縁部(エッジ)20eで掻き取られてしまう。
この結果、ポケット20p内でグリースが十分に循環されず、当該ポケット20p内に保持された転動体(玉)18は、潤滑不足となってその潤滑状態が悪化し、当該ポケット20p内で滑らかに回転することができなくなってしまう。
特開2003−202028号公報 特開2006−220269号公報 特開2006−220270号公報
このように、転動体(玉)18の表面に付着したグリースが保持器20のポケット20pの周縁部(エッジ)20eで掻き取られてしまう現象は、ポケット20pを含めた保持器20の表面粗さが小さい滑面状態の場合、並びに、ポケット20pの周縁部(エッジ)20eの輪郭がはっきりした(シャープな)場合に発生しやすい。
このため、ポケット20pを含めた保持器20の表面を粗面状態にするとともに、ポケット20pの周縁部(エッジ)20eの輪郭をぼかした(シャープでない)状態とすることで、上記グリースの掻き取り現象を回避することができる。
しかしながら、保持器20が樹脂製の場合、当該樹脂製保持器は、例えば、ポリアミドなどの結晶性の樹脂を加熱して軟化させ、当該樹脂を所定の金型の中へ射出することで成形する、射出成形により製造される。したがって、例えば、上述した台形形状の冠型のように、複雑な形状を成す保持器20を射出成形した場合、引けが発生したり、巣(成形品内部の空洞)が形成されたりする場合がある。この場合、保持器の表面全体を粗面状態としていると、成形後の保持器の寸法を正確且つ容易に測定することができなくなってしまうとともに、その透明度が悪化し、内部に巣が形成されているか否かを容易に検査することができなくなってしまう。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、保持器のポケット内の表面のみを粗面加工するとともに、当該ポケット内に潤滑剤貯留部を設けることで、潤滑性能を格段に向上させ、長期に亘って一定の精度で回転させることが可能な耐久性に優れた軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る軸受ユニットは、車体構成部材に固定される静止輪と、車輪構成部材に固定されて当該車輪構成部材とともに回転する回転輪と、当該静止輪及び当該回転輪にそれぞれ形成されて相互に対向する軌道面間へ転動可能に組み込まれた複数の転動体と、当該転動体を回転自在にポケット内に保持する保持器とを備えている。かかる軸受ユニットにおいて、保持器は、ポケット内の表面粗さが、少なくとも当該保持器の外周部及び内周部の表面粗さの4倍以上に設定されている。
この場合、保持器には、軸受ユニット内部に封入された潤滑剤を貯留するための凹状を成す貯留部がポケット内に形成されている。
なお、貯留部は、複数の穴あるいは溝として形成されており、これらの穴及び溝の少なくとも一部は、ポケットの周縁部に部分的にかかった状態で形成されている。
本発明によれば、保持器のポケット内の表面のみを粗面加工するとともに、当該ポケット内に潤滑剤貯留部を設けることで、潤滑性能を格段に向上させ、長期に亘って一定の精度で回転させることが可能な耐久性に優れた軸受ユニットを実現することができる。
以下、本発明の軸受ユニットについて、添付図面を参照して説明する。なお、本発明に係る軸受ユニットは、例えば、自動車や鉄道車両など、各種の車両の車輪を回転自在に支持する軸受ユニットとして適用することができるが、ここでは、自動車の車輪を支持する軸受ユニットを一例として想定する。特にこの場合、かかる軸受ユニットは、自動車の駆動輪(FR車及びRR車の後輪、FF車の前輪及び四輪駆動車の全輪)を支持する軸受ユニット、並びに従動輪(FR車及びRR車の前輪、FF車の後輪)を支持する軸受ユニットのいずれにも適用することができる。このため、本実施形態に係る軸受ユニット及びその周辺部材の基本的構成は、一例として、上述した従来の軸受ユニット及びその周辺部材の構成(図2参照)と同様である場合を想定し、以下においては、これらの基本的構成についての説明は省略し、本発明の特徴的部分についての説明に止める。
図1(a)〜(c)には、本発明の一実施形態に係る軸受ユニットに組み込まれる保持器10のポケット10p部分の構成が示されている。
この場合、かかる保持器10は、台形形状、具体的には、軸方向(図2の左右方向に相当)の一方側から他方側に亘って、同心状を成して徐々に縮径した略円すい台形の環状に構成されている。なお、保持器10は、このような軸方向の一方側が大径、他方側が小径を成す略円すい台形の他、例えば、軸方向の全幅に亘って略同一径を成す円筒状に構成してもよい。
また、保持器10は、転動体(玉)18を保持するポケット10pと、隣り合うポケット10pを連結する柱部10aとが周方向に沿って交互に配設され、前記軸方向の一方側(大径側)に各転動体(玉)18をポケット10pに挿入するための開口10gを有し、前記他方側(小径側)が閉塞された冠型を成して構成されている。この場合、保持器10の柱部10aには、開口10gを一部覆うように突出した一対の爪部10tが設けられており、各ポケット10pに挿入された転動体(玉)18は、これら爪部10tにより挟持された状態で当該ポケット10p内に保持されている。なお、保持器10は、このような冠型の他、例えば、軸方向の両側が閉塞され、ポケットとして外周部から内周部までを貫通する所定の貫通孔が形成された、いわゆるもみ抜き型や打ち抜き型に構成してもよい。
このように構成された保持器10は、転動体(玉)18を1つずつポケット10p内に回転自在に保持した状態で、静止輪2及び回転輪4の間に組み込まれ、当該転動体(玉)18とともに回転する。これにより、各転動体(玉)18は、その転動面が相互に接触することなく、静止輪2及び回転輪4の間(軌道面間)を転動することができる。この結果、各転動体(玉)6が相互に接触して摩擦が生じることによる回転抵抗の増大や、焼付きなどを防止することができる。
なお、保持器10は、金属製(例えば、黄銅製やステンレス鋼製など)、及び非金属製(例えば、樹脂製やセラミック製など)のいずれであってもよいが、図1(a)〜(c)に示す構成においては、一例として、各種の樹脂材(例えば、ポリアミド系樹脂など)で形成された樹脂製の保持器10が適用されている場合を想定する。
また、保持器10の成形方法は、特に限定されないが、本実施形態においては、一例として、保持器10が射出成形により形成されている場合を想定する。
図1(a)〜(c)に示す構成において、保持器10は、ポケット10p内の表面粗さが、少なくとも当該保持器10の外周部10b及び内周部10cの表面粗さの4倍以上に設定されている。この場合、一例として、保持器10は、66ポリアミドを材料として形成されており、保持器10の外周部10b及び内周部10cの表面粗さを6.3s(JIS
B 0601規格による最大高さRyの標準数列の値。以下、同じ)に設定しているのに対し、ポケット10p内の表面粗さを25s(同標準数列値。以下、同じ)に設定して構成されている。
このように、保持器10の外周部10b及び内周部10cの表面粗さを6.3sに設定することで、かかる保持器10の外周部10bの寸法、及び内周部10cの寸法を、例えば、ノギスや投影器などを用いて正確且つ容易に測定することができる。また、保持器10の内部に巣が形成されているか否かを容易に検査することが可能なだけの透明度を、外周部10b及び内周部10cに対して確保することができる。
なお、この場合、保持器10のポケット10p内の表面粗さが25sに設定されているため、当該ポケット10pの寸法(例えば、その径)を投影器などで直接測定することは困難となってしまうが、所定の直径(玉径)に設定した基準玉を当該ポケット10p内に挿入し、その動き量を測定することで、当該ポケット10pの寸法が規定範囲内にあるか否かを容易に判定することができる。
また、保持器10のポケット10p内の表面粗さを25sに設定するとともに、外周部10b及び内周部10cの表面粗さを6.3sに設定することで、かかるポケット10p内の表面を粗面状態とすることができるとともに、ポケット10pの周縁部(エッジ)10eの輪郭をぼかした(シャープでない)状態とすることができる。
この結果、例えば、軸受ユニットに対して作用するモーメント荷重が増大し、転動体(玉)18の公転軌道が楕円状に変化した場合であっても、当該転動体(玉)18の表面に付着したグリースが保持器10のポケット10pの周縁部(エッジ)10eで掻き取られてしまうことがなく、当該ポケット10p内でグリースが循環され、当該ポケット10p内に保持された転動体(玉)18の潤滑状態を常に良好に保つことができる。これにより、ポケット10p内に保持された転動体(玉)18を、当該ポケット10p内で長期に亘って滑らかに回転させ続けることができる。
なお、保持器10のポケット10p内の表面粗さ、及び外周部10b及び内周部10cの表面粗さの具体的な値は、上述した値には特に限定されず、例えば、保持器10の材質や使用条件などに応じて、ポケット10p内の表面粗さが、少なくとも当該保持器10の外周部10b及び内周部10cの表面粗さの4倍以上となる所定値にそれぞれ任意に設定すればよい。
また、図1(a)〜(c)に示す構成において、保持器10には、軸受ユニット内部に封入された潤滑剤(一例として、グリース)を貯留するための凹状を成す貯留部10dがポケット10p内に形成されている。この場合、貯留部10dの形状、大きさ(長さ、幅及び深さ)、並びに数などは、例えば、保持器10の大きさなどに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
例えば、図1(a)に示す構成において、貯留部10dは、複数のディンプル状の穴(以下、便宜上かかる穴をディンプル穴d1という)として形成されており、同図(b)及び同図(c)に示す構成において、貯留部10dは、複数の溝d2,d3として形成されている。
そして、これらの複数のディンプル穴d1及び溝d2,d3は、その少なくとも一部が、ポケット10pの周縁部(エッジ)10eに部分的にかかった状態で形成されている。
なお、図1(b)に示す構成において、貯留部10dとしての溝d2は、保持器10の軸方向の一方側(例えば、大径側)から他方側(例えば、小径側)まで、すなわち保持器10の軸方向の幅に相当する長さで、その両端部がポケット10pの周縁部(エッジ)10eで切り欠かれて形成されている。そして、このような溝d2をポケット10pの周面に沿って所定間隔で平行を成して並設することで、貯留部10dは、いわゆるストライプ状に構成されている(以下、便宜上かかる溝をストライプ溝d2という)。
これに対し、図1(c)に示す構成において、貯留部10dは、保持器10の軸方向の幅よりも若干長い2本の溝が、その両端部をポケット10pの周縁部(エッジ)10eで切り欠いた状態で形成されているとともに、保持器10の径方向の所定位置(例えば、中間位置)で交差して形成されている。そして、このような交差する溝d3をポケット10pの周面に沿って所定間隔で並設することで、貯留部10dは、いわゆるクロスハッチ状に構成されている(以下、便宜上かかる溝をクロスハッチ溝d3という)。
また、貯留部10dとしてのディンプル穴d1は、例えば、球状、楕円球状、円筒状、円すい状及び矩形状など、各種の形状から任意に選択して構成することができる。これらのディンプル穴d1を保持器10のポケット10pに対して複数形成するとともに、そのうちの一部のディンプル穴d1が、当該ポケット10pの周縁部(エッジ)10eに部分的にかかる状態となるように形成して、貯留部10dを構成すればよい。
同様に、貯留部10dとしてのストライプ溝d2、及びクロスハッチ溝d3は、例えば、その延出方向に対する横断面の輪郭形状が円弧状、矩形状、U字状及びV字状など、任意の各種形状となるように構成することができる。これらのストライプ溝d2、及びクロスハッチ溝d3をポケット10pに対して複数形成するとともに、そのうちの少なくとも一部の溝d2,d3が、当該ポケット10pの周縁部(エッジ)10eに部分的にかかる状態、具体的には、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3の両端部が、ポケット10pの周縁部(エッジ)10eで切り欠かれた状態となるように形成して、貯留部10dを構成すればよい。
ここで、図1(a)〜(c)には、1つのポケット10pに対して、同種の貯留部10dを形成した保持器10の構成を示しているが、ポケット10pに対して形成する貯留部10dは、ポケット毎に異なっていてもよいし、1つのポケット10pに対して複数種類の貯留部10dを形成してもよい。例えば、貯留部10dとしてディンプル穴d1を形成したポケット10pと、ストライプ溝d2又はクロスハッチ溝d3を形成したポケット10pとを周方向に交互に配設して保持器10を構成してもよい。また、例えば、貯留部10dとしてディンプル穴d1及び、ストライプ溝d2若しくはクロスハッチ溝d3を各ポケット10pに混在させて保持器10を構成してもよい。
なお、いずれの場合においても、貯留部10d(ディンプル穴d1、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3)の形成方法は、特に限定されないが、上述した射出成形により保持器10を形成する場合、成形用の金型の所定位置に、当該ディンプル穴d1、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3の内郭形状に相当し、これらと係合する外郭形状を有する凸状部を予め形成しておけばよい。これにより、射出成形による保持器10の形成と同時に、当該保持器10のポケット10pに対して、ディンプル穴d1、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3を容易に形成することができる。
このように、保持器10の射出成形時に、当該保持器10のポケット10pに対してディンプル穴d1、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3を同時に形成することで、成形後の当該保持器10のポケット10p内の表面粗さと、外周部10b及び内周部10cの表面粗さとに差異を生じさせる、具体的には、ポケット10p内の表面を外周部10b及び内周部10cの表面よりも粗面とすることができる。これにより、射出成形後において、保持器10を容易に型から取り外すことができる。
また、射出成形により、保持器10のポケット10pに対してディンプル穴d1、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3を形成する、すなわち、ポケット10p内の表面を粗面状態とすることで、当該保持器10を成形する金型は、そのキャビティ面やコア面を高精度に表面加工(例えば、鏡面仕上げなど)するとともに、常にその加工状態を維持しておく必要がなくなる。この結果、かかる金型自体を頻繁にメンテナンスする必要がなくなり、ひいては、保持器10の製造コストを低減させることも可能となる。
なお、貯留部10d(ディンプル穴d1、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3)は、このような射出成形の他、例えば、保持器10の成形後、当該保持器10のポケット10pの表面に対して切削加工を施すことで形成してもよい。
また、保持器10のポケット10pの表面全体に対して、ディンプル穴d1、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3を形成することで、ポケット10p内を全体に亘って粗面状態とすることができるとともに、ポケット10pの周縁部(エッジ)10eの輪郭全体をぼかした(シャープでない)状態とすることができる。
この結果、例えば、軸受ユニットに対して作用するモーメント荷重が増大し、転動体(玉)18の公転軌道が楕円状に変化した場合であっても、当該転動体(玉)18の表面に付着したグリースが保持器10のポケット10pの周縁部(エッジ)10eで掻き取られてしまうことを有効に抑止することができる。これにより、転動体(玉)18の自転によって、グリースを当該転動体(玉)18とポケット10pとの間に巻き込ませることができる。
その際、転動体(玉)18とポケット10pとの間に巻き込まれたグリースは、その一部が、ディンプル穴d1、ストライプ溝d2及びクロスハッチ溝d3に貯留されるとともに、当該ポケット10p内で長期に亘って循環される。この結果、当該ポケット10p内に保持された転動体(玉)18の潤滑状態を常に良好に保つことができるとともに、軸受ユニットの潤滑性能を格段に向上させることができる。
なお、貯留部10dのグリース貯留効果に着目した場合、クロスハッチ溝d3は、ストライプ溝d2よりもその貯留効果が高い。したがって、保持器10のポケット10pに対し、貯留部10dとして溝を形成する場合には、ストライプ溝d2ではなく、クロスハッチ溝d3を形成した構成とすることがより好ましい。
これにより、ポケット10p内に保持された転動体(玉)18を、当該ポケット10p内でさらに長期に亘って滑らかに回転させ続けることができる。
以上のように、保持器10のポケット10p内の表面のみを粗面加工するとともに、当該ポケット10p内に潤滑剤の貯留部10dを設けることで、軸受ユニットの潤滑性能を格段に向上させることができる。これにより、軸受ユニットを長期に亘って一定の精度で回転させることができ、その耐久性を格段に向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る軸受ユニットに組み込まれる保持器のポケットの構成例を示す図であって、(a)は、貯留部としてディンプル穴を形成した場合の要部斜視図、(b)は、貯留部としてストライプ溝を形成した場合の要部斜視図、(c)は、貯留部としてクロスハッチ溝を形成した場合の要部斜視図。 軸受ユニットの全体構成例を示す断面図。 軸受ユニットの内部に封入され転動体(玉)の表面に付着したグリースの状態を示す図であって、(a)は、グリースが転動体(玉)と保持器のポケットとの間に巻き込まれていく状態を示す図、(b)は、グリースが保持器のポケットの周縁部(エッジ)で掻き取られていく状態を示す図。
符号の説明
2 静止輪
4 回転輪
10 保持器
10a 保持器柱部
10b 保持器外周部
10c 保持器内周部
10d 貯留部
10e ポケット周縁部
10g 保持器開口
10p 保持器ポケット
10t 保持器爪部
d1 ディンプル穴
d2 ストライプ溝
d3 クロスハッチ溝

Claims (3)

  1. 車体構成部材に固定される静止輪と、車輪構成部材に固定されて当該車輪構成部材とともに回転する回転輪と、当該静止輪及び当該回転輪にそれぞれ形成されて相互に対向する軌道面間へ転動可能に組み込まれた複数の転動体と、当該転動体を回転自在にポケット内に保持する保持器とを備えた軸受ユニットであって、
    保持器は、ポケット内の表面粗さが、少なくとも当該保持器の外周部及び内周部の表面粗さの4倍以上に設定されていることを特徴とする軸受ユニット。
  2. 保持器には、軸受ユニット内部に封入された潤滑剤を貯留するための凹状を成す貯留部がポケット内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受ユニット。
  3. 貯留部は、複数の穴あるいは溝として形成されており、これらの穴及び溝の少なくとも一部は、ポケットの周縁部に部分的にかかった状態で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の軸受ユニット。
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