JP2008128124A - アルコール燃料内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコール燃料内燃機関に関し、アルコールがオイルに混入することによる潤滑性能の低下を抑えることを可能にする。
【解決手段】内燃機関内を循環するオイルの循環系統として、2つの独立したオイル循環系統を設ける。第1のオイル循環系統(図中に実線の矢印で示すオイルの流れ)には、シリンダ4とピストン20間の潤滑に使用されるオイルを循環させる。第2のオイル循環系統(図中に点線の矢印で示すオイルの流れ)は、循環するオイルが第1のオイル循環系統内のオイルと混じることのないようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルコール若しくはアルコールを含む混合燃料を使用するアルコール燃料内燃機関に関する。
内燃機関は複数の部品から構成され、その部品間の摺動部はオイルによって潤滑されている。オイルはシリンダとピストン間の潤滑にも用いられる。クランクシャフトとコンロッドにはオイル通路が設けられ、オイルはこのオイル通路を通ってシリンダとピストン間に供給される。或いは、オイルジェットによってシリンダとピストン間にオイルが噴射される。オイルは、シリンダブロックの下部に取り付けられたオイルパンに溜められている。オイルパン内のオイルは、オイルポンプによって内燃機関の各所に送られ、摺動部の潤滑に供された後、再びオイルパンに戻るようになっている。
シリンダの壁面では、高温の燃焼ガスに晒されることによって一部のオイルが気化または燃焼する一方、シリンダの壁面に付着した未燃燃料がオイルとともにピストンによって掻き落とされている。掻き落とされた燃料はオイルに混入し、オイルとともに内燃機関の各摺動部を循環することになる。燃料の混入によってオイルが希釈されてしまうと、オイルが有する潤滑性能が低下し、ひいては、内燃機関の運転性能の低下や摺動部の損傷を招いてしまう。
このため、一定期間使用したオイルは新しいオイルに交換することが望ましい。しかし、経済性の観点からは、また、環境負荷の観点からもオイルの交換量は可能なかぎり少なくしたい。潤滑性能の低下を抑えつつオイルの交換量を減らすためには、燃料によるオイルの希釈を防止することが必要となる。そこで、従来、下記の特許文献に開示されるように、燃料によるオイルの希釈を防止するための様々な技術が提案されている。
このうち特許文献1乃至3には、燃料のオイルへの混入を抑制する技術が開示されている。特許文献1に開示された技術は、筒内直噴内燃機関に関するものであり、筒内のスワール流を制御することによって冷間時におけるシリンダ壁面への燃料の付着を防止している。特許文献2に開示された技術は、同じく筒内直噴内燃機関に関するものであり、燃料噴射時期を制御して燃料噴霧をリフト状態の吸気バルブと干渉させることで、燃料のシリンダ壁面への到達を遅らせ、それにより燃料噴霧の気化時間の不足を防止している。また、特許文献3に開示された技術は、同じく筒内直噴内燃機関に関するものであり、始動時にはポート噴射或いは筒内噴射によって気筒内に予混合気を形成し、燃料の微粒化を促進している。これによれば、未燃燃料の発生が抑制される分、燃料噴射量を低減することができ、燃料のオイルへの混入を抑制することができる。
また、特許文献4乃至6には、オイルに混入した燃料を除去するための技術が開示されている。これらの文献に開示された技術は、オイルパン内、或いはオイルパンに接続されるオイル容器にヒータを備え、オイルをヒータで加熱することでオイルに含まれる燃料を気化させている。ガソリンや軽油のような化石燃料(炭化水素燃料)は、潤滑用のオイルに比較して沸点が低いため、オイルを加熱することで燃料のみを気化させることができる。気化した燃料はキャニスタで捕集することができ、捕集した燃料は再び内燃機関の吸気系に戻すことができる。
特開平11−294246号公報 特開平11−294208号公報 特開2005−201208号公報 特開2004−293394号公報 特公平7−65493号公報 実開平1−139199号公報 実開平1−83115号公報 特開2006−257907号公報
近年、ガソリンや軽油のような化石燃料の代替燃料として、アルコール若しくはアルコールを含む混合燃料が注目されている。特許文献7及び8には、そのような燃料を使用するアルコール燃料内燃機関に関する技術が開示されている。アルコール燃料内燃機関の構造は、基本的には、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関と同じ構造である。このため、燃料の混入によるオイル希釈の問題は、アルコール燃料内燃機関においても生じうる問題である。
しかしながら、上記列挙した従来技術はガソリン或いは軽油を燃料とする内燃機関に適用される技術であって、上記の従来技術をアルコール燃料内燃機関にそのまま適用したとしても十分な効果を得ることができない。それは、アルコールと化石燃料との性質の違いによるものである。具体的には、アルコールと化石燃料とでは単位体積当たりの発熱量に大きな差がある。このため、アルコールを使用して化石燃料と同等のトルクを得るためには、化石燃料を使用する場合よりも格段多くの量の燃料を噴射する必要がある。
燃料噴射量が多くなれば、その分、筒内で気化しない燃料の量も多くなる。このため、アルコール燃料内燃機関では、特許文献1乃至3の従来技術を用いたとしてもシリンダ壁面に付着する燃料量を低減することは難しく、燃料のオイルへの混入を十分に抑制することができない。燃料に含まれるアルコールには潤滑能力が無いため、アルコールのオイルへの混入量が多くなると潤滑性能は顕著に低下してしまう。したがって、アルコール燃料内燃機関におけるオイル希釈の問題は、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関における問題よりも重大である。
また、燃料のオイルへの混入量が多ければ、その分、加熱により燃料を気化させてオイルから除去するためのエネルギも増大することになる。特に、アルコールは化石燃料に比較して気化潜熱が大きいため、オイルへの混入量が同じであっても、気化させるのに必要なエネルギは化石燃料よりもアルコールのほうが大きい。このため、アルコール燃料内燃機関では、特許文献4乃至6の従来技術を用いてオイルに混入した燃料を除去することができたとしても、そのためには多くのエネルギが必要となって燃料消費量を増大させることになる。前述のように、アルコールは化石燃料に比較して発熱量が低いため、結果として燃費率は低く、化石燃料と同じ走行距離を得るには燃料タンクを大きくせざるを得ない。したがって、アルコール燃料内燃機関においても燃料消費量は可能な限り抑えたく、オイルからのアルコールの除去のために多くのエネルギを使用したくはない。
以上のように、アルコールと化石燃料との性質の違いにより、上記列挙した従来技術をアルコール燃料内燃機関にそのまま適用しても、或いは単に寄せ集めて適用してもアルコールによるオイル希釈の問題には十分に対処することができない。したがって、アルコール燃料内燃機関におけるオイル希釈の問題は、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関の場合とは全く別の思想で解決することが求められている。なお、アルコールによるオイル希釈の問題を解決することとは、先ずは、アルコールがオイルに混入することによる潤滑性能の低下を抑えること、それをアルコールによって希釈されたオイルの交換に頼ることなく実現することである。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、アルコールがオイルに混入することによる潤滑性能の低下を抑えることを可能にしたアルコール燃料内燃機関に関する。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、アルコール若しくはアルコールを含む混合燃料を使用するアルコール燃料内燃機関において、
シリンダとピストン間の潤滑に使用されるオイルが循環する第1のオイル循環系統と、
前記第1のオイル循環系統とは独立して設けられ、循環するオイルが前記第1のオイル循環系統内のオイルと混じることのない第2のオイル循環系統と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記第1のオイル循環系統は、シリンダブロック内にある摺動部にオイルを供給するように構成され、前記第2のオイル循環系統は、シリンダヘッド内にある摺動部にオイルを供給するように構成されていることを特徴としている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記第1のオイル循環系統を循環するオイルを溜める第1のオイル貯留部と、
前記第2のオイル循環系統を循環するオイルを溜める第2のオイル貯留部と、
を備えることを特徴としている。
第4の発明は、第3の発明において、
前記第1のオイル貯留部は前記第2のオイル貯留部の内側に設けられていることを特徴としている。
第5の発明は、第3の発明において、
前記第1のオイル貯留部内のオイルを加熱する加熱手段を備えることを特徴としている。
第6の発明は、第5の発明において、
前記加熱手段は前記第1のオイル貯留部内のオイル温度が所定温度以下のときにオイルの加熱を行うことを特徴としている。
第7の発明は、第5の発明において、
前記加熱手段は内燃機関の停止時にオイルの加熱を行うことを特徴としている。
第8の発明は、第3の発明において、
内燃機関の停止時に前記第1のオイル貯留部に水を供給する水供給手段と、
前記水供給手段による水の供給後、前記第1のオイル貯留部から水を回収する水回収手段と、
を備えることを特徴している。
第1の発明によれば、第1のオイル循環系統ではオイルがシリンダとピストン間の潤滑に使用されることでオイルに燃料(アルコール若しくはアルコールを含む混合燃料)が混入する可能性が高いが、燃料が混入したオイルの循環は第1のオイル循環系統に限定され、第2のオイル循環系統を循環するオイルには燃料の混入がない。このため、第2のオイル循環系統においては燃料の混入による潤滑性能の低下はなく、また、燃料の混入を理由とするオイルの交換の必要もない。つまり、第1の発明によれば、オイル循環系統を独立に2つ備えることで、燃料、特にアルコールの混入がオイルに与える悪影響を低減することができる。
第2の発明によれば、シリンダヘッド内にある摺動部には燃料が混入したオイルは供給されないので、当該摺動部の摩擦増に伴う内燃機関の運転性能の低下や当該摺動部の損傷は防止される。
第3の発明によれば、第1及び第2のオイル循環系統のそれぞれにオイル貯留部が設けられることで、摺動部への安定したオイル供給が可能になる。また、オイル循環系統を2系統とすることで、各オイル貯留部の容積はオイル循環系統が1系統の場合よりも小さくすることができる。オイル貯留部の容積が小さければ、オイル交換1回当たりの交換量を少なくすることができる。
第4の発明によれば、第2のオイル貯留部に溜まったオイルによって第1のオイル貯留部内のオイルを保温することができる。第1のオイル貯留部内のオイルには燃料が混入しているが、内燃機関の停止後もオイルが保温されることで、オイルに混入している燃料の気化、特に、低温では気化しにくいアルコールの気化を促進することができる。つまり、第4の発明によれば、内燃機関が停止した後のアルコールの気化を促進することによって、アルコールによるオイルの希釈を抑えることができる。
第5の発明によれば、第1のオイル貯留部内のオイルを加熱することで、オイルに混入している燃料の気化、特に、気化潜熱が大きくて気化しにくいアルコールの気化を促進することができる。また、オイル循環系統を2系統とすることで、各オイル貯留部の容積はオイル循環系統が1系統の場合よりも小さくすることができることから、オイルの加熱に要するエネルギを小さくすることができ、燃料消費量の増大を抑えることができる。つまり、第5の発明によれば、少ないエネルギの投入で効率良くアルコールの気化を促進することができ、アルコールによるオイルの希釈を抑えることができる。
第6の発明によれば、オイル温度が低くアルコールが気化しにくい状況下においてオイルの加熱を行うことで、エネルギを有効に利用しつつアルコールの気化を促進することができる。
第7の発明によれば、内燃機関の停止により燃焼熱が発生しない状況下においてオイルの加熱を行うことで、エネルギを有効に利用しつつアルコールの気化を促進することができる。
第8の発明によれば、内燃機関の停止時に第1のオイル貯留部に水を供給することで、オイル中に分散しているアルコールを水に溶解させることができる。その後、第1のオイル貯留部から水を回収することで、オイルに混入していたアルコールは水とともに第1のオイル貯留部内から除去される。つまり、第8の発明によれば、オイルに混入しているアルコールを水を利用して除去することができ、アルコールによるオイルの希釈を抑えることができる。
実施の形態1.
以下、図を用いて本発明の実施の形態1について説明する。
[アルコール燃料内燃機関の構造の説明]
図1は本発明の実施の形態1としてのアルコール燃料内燃機関の構造を模式的に示す図である。アルコール燃料内燃機関は、燃料としてアルコール、若しくはアルコールを含む混合燃料(例えばアルコールとガソリンの混合燃料)を使用する内燃機関である。以下では、アルコール及びアルコールを含む混合燃料の総称としてアルコール燃料という言葉を使用する。
図1に示すように、本実施の形態のアルコール燃料内燃機関は、内部にシリンダ4が形成されたシリンダブロック2を備えている。シリンダブロック2の上部にはシリンダヘッド12が組みつけられている。シリンダ4内にはピストン20が配置されている。このピストン20の頂面とシリンダヘッド12の下面との間で燃焼室18が形成されている。シリンダヘッド12には、燃焼室18と連通した吸気ポート12及び排気ポート14が形成されている。吸気ポート12は吸気バルブ(図示略)によって開閉され、排気ポート14は排気バルブ(図示略)によって開閉される。シリンダヘッド12内には、これら吸排気バルブを動作させるための動弁機構が配置されている。
シリンダブロック2の下部には2つのオイルパン6、8が組み付けられている。オイルパン6、8は内外に二重に設けられている。内側のオイルパン8は、シリンダブロック2の内壁とともにクランクケース26を形成している。つまり、このオイルパン8はクランクケース26の内側に位置する。クランクケース26には、クランクシャフト22が収容されている。クランクシャフト22はコンロッド24によってピストン20に連結されている。外側のオイルパン6は、シリンダブロック2の外壁とともにアルコール燃料内燃機関の外形を形作っている。このオイルパン6はクランクケース26の外側に位置する。
クランクケース26は、ケース内オイルパン8のオイル(オイルA)とケース外オイルパン6のオイル(オイルB)とが混じり合うことのないよう、密封されている。ただし、クランクケース26内で発生した蒸発燃料を捕集するため、クランクケース26の内部はクランクケース26の外に配置されたキャニスタ40に接続されている。キャニスタ40に吸着された蒸発燃料は、吸気通路にパージされて処理される。
ケース内オイルパン8は、オイル通路32によってオイルポンプ30に接続されている。ケース内オイルパン8に溜められたオイルAは、オイルポンプ30によって吸い上げられ、シリンダブロック2内にある摺動部に供給される。具体的には、オイルAはシリンダ4とピストン20間の潤滑に用いられる。クランクシャフト22とコンロッド24にはオイル通路(図示しない)が設けられ、オイルはこのオイル通路を通ってシリンダ4とピストン20間に供給される。或いは、クランクケース26内に設けられたオイルジェット(図示略)によってシリンダ4とピストン20間にオイルが噴射される。また、このオイルAは、クランクシャフト22と軸受けとの間の摺動部にも供給されている。シリンダブロック2内にある摺動部の潤滑に供されたオイルAは、そのまま滴下して、或いは、クランクケース26の内壁を伝って、再びケース内オイルパン8に戻るようになっている。
ケース外オイルパン6は、オイル通路36によってオイルポンプ34に接続されている。ケース外オイルパン6に溜められたオイルBは、オイルポンプ34によって吸い上げられ、シリンダブロック2外にある摺動部、主としてシリンダヘッド10内の摺動部に供給される。シリンダヘッド10内には、カムシャフト(図示略)を含む動弁機構が配置されている。オイルBは、動弁機構の摺動部に供給されている。シリンダヘッド10内にある摺動部の潤滑に供されたオイルBは、クランクケース26の外を通って、再びケース外オイルパン6に戻るようになっている。ケース外オイルパン6には、ケース内オイルパン8がその側面までケース外オイルパン6内のオイルBに浸るように、十分な量のオイルBが溜められている。
上記のように、本実施の形態のアルコール燃料内燃機関は、ケース内オイルパン(第1のオイル貯留部)8のオイルAを循環させるオイル循環系統(第1のオイル循環系統)と、ケース外オイルパン(第2のオイル貯留部)6のオイルBを循環させるオイル循環系統(第2のオイル循環系統)とを備えている。図1中に実線の矢印で示すオイルの流れは第1のオイル循環系統を表し、図1中に点線の矢印で示すオイルの流れは第2のオイル循環系統を表している。アルコール燃料内燃機関において潤滑が必要とされる摺動部は、いずれかのオイル循環系統を循環するオイルによって潤滑される。循環するオイルが混じり合うことのないよう、第1のオイル循環系統と第2のオイル循環系統とは完全に独立して設けられている。
[上記構造による効果の説明]
第1のオイル循環系統では、オイルAがシリンダ4とピストン20間の潤滑に使用されることでオイルAにアルコール燃料が混入する可能性が高い。アルコール燃料内燃機関は、化石燃料を使用する内燃機関に比較して燃料噴射量が多いため、必然的に未燃のままシリンダ4に付着する燃料量も多くなるためである。
しかし、上記構造によれば、アルコール燃料が混入したオイルAの循環は第1のオイル循環系統に限定され、第2のオイル循環系統を循環するオイルBにはアルコール燃料の混入はない。このため、第2のオイル循環系統においてはアルコール燃料の混入による潤滑性能の低下はなく、シリンダヘッド10内にある摺動部の摩擦増に伴ってアルコール燃料内燃機関の運転性能が低下したり、当該摺動部が損傷したりすることは防止される。
また、上記構造によれば、オイル循環系統を2系統とすることで、各オイルパン6、8の容積はオイル循環系統が1系統の場合よりも小さくすることができる。第2のオイル循環系統においては、アルコール燃料の混入を理由とするオイルBの交換の必要はない。一方、第1のオイル循環系統においては、アルコール燃料による希釈によってオイルAの交換が必要となる場合であっても、ケース内オイルパン8の容積は小さくて済むのでオイル交換1回当たりの交換量は少なくて済む。つまり、上記構造によれば、アルコールがオイルに混入することによる潤滑性能の低下を抑えつつ、アルコールによって希釈されたオイルの交換量を減らすことができる。
また、上記の構造によれば、ケース外オイルパン6に溜まったオイルBによってケース内オイルパン8のオイルAを保温することができる。ケース内オイルパン8のオイルAにはアルコール燃料が混入しているが、アルコール燃料内燃機関の停止後もオイルAが保温されることで、オイルAに混入しているアルコールの気化を促進することができる。つまり、上記の構造によれば、機関停止時のアルコールの気化を促進することによって、アルコールによるオイルの希釈を抑えることもできる。なお、ここでいう機関停止時とは、車両の停車中はもちろんのこと、搭載車両がハイブリッド車であればモータによる走行中も含まれる。
実施の形態2.
以下、図を用いて本発明の実施の形態2について説明する。
[アルコール燃料内燃機関の構造の説明]
図2は本発明の実施の形態2としてのアルコール燃料内燃機関の構造を模式的に示す図である。図2に示す構造において実施の形態1の構造(図1に示す構造)と共通する要素については同一の符号を付している。
図2に示すように、本実施の形態のアルコール燃料内燃機関は、ケース内オイルタンク8のオイルAを加熱するための手段としてヒータ44を備えている。このヒータ44はバッテリ(図示略)からの電力の投入によって発熱し、その熱によってオイルAを温める。バッテリからヒータ44への電力の投入は、オイルAの温度が所定温度を下回ったときに行われる。また、オイルAの温度が所定温度を上回ったら、ヒータ44への通電は停止される。この通電の開始/停止を決めるオイル温度は、アルコールの気化のしやすさを基準にして設定されている。図2に示す構造と図1に示す構造とは、図示表現上の多少の違いはあるが、ヒータ44以外の他の構造は全く共通している。
[上記構造による効果の説明]
上記構造によれば、ヒータ44によりケース内オイルタンク8のオイルAを加熱することで、オイルAに混入しているアルコール燃料の気化、特に、気化潜熱が大きくて気化しにくいアルコールの気化を促進することができる。また、前述の通り、オイル循環系統を2系統とすることで、ケース内オイルタンク8の容積は小さくて済むことから、オイルAの加熱に要するエネルギも小さくて済み、燃料消費量の増大を抑えることができる。つまり、上記構造によれば、少ないエネルギの投入で効率良くアルコールの気化を促進することができ、アルコールによるオイル希釈を抑えることができる。
また、ヒータ44への通電をアルコールが気化しにくい低温下に限定して行うことで、バッテリの電力消費を抑えることができる。つまり、エネルギを有効に利用しつつアルコールの気化を促進することができる。なお、ヒータ44への通電の開始/停止のロジックとしては、本実施の形態のアルコール燃料内燃機関が搭載される車両の種別に応じて次のようなロジックを選択することもできる。
まず、搭載車両の種別によらないロジックとして、内燃機関の停止時にはヒータ44に通電し、バッテリの蓄電量が所定量まで低下したら通電を停止する。これによれば、内燃機関の停止により燃焼熱が発生しない状況下においても、オイルAからのアルコールの除去を促進することができる。
搭載車両がハイブリッド車であれば、さらに、内燃機関が停止されるモータ走行中はヒータ44への通電を行い、内燃機関による走行に切り替わったらヒータ44への通電を停止するようにしてもよい。ハイブリッド車では、内燃機関の運転/停止の切替は頻繁に行われるので、このロジックによれば、アルコールによるオイルAの希釈をより確実に抑えることができる。
搭載車両がプラグインハイブリッド車であれば、さらに、外部電源の供給が受けられるときにはヒータ44への通電を行うようにしてもよい。この場合、バッテリが外部電源に接続されたらヒータ44への通電を開始し、バッテリが外部電源から外されたらヒータ44への通電を停止すればよい。これによれば、車両が有するエネルギを消費することなく、オイルAからのアルコールの除去を促進することができる。
実施の形態3.
以下、図を用いて本発明の実施の形態2について説明する。
[アルコール燃料内燃機関の構造の説明]
図3は本発明の実施の形態3としてのアルコール燃料内燃機関の構造を模式的に示す図である。図3に示す構造において実施の形態1の構造(図1に示す構造)と共通する要素については同一の符号を付している。
図3に示すように、本実施の形態のアルコール燃料内燃機関は、クランクケース26の外部に水タンク50を備えている。水タンク50の内部には水が溜められている。水タンク50は、ケース内オイルパン8のオイルAの液面よりも高い位置に設けられている。水タンク50には、内部の水をクランクケース26内に放出するための水供給弁52が取り付けられている。消費された水タンク50内の水は、水タンク50の蓋54を開けてそこから補充することができる。ケース内オイルパン8の底には、水回収タンク56が取り付けられている。水回収タンク56の天井には水ドレン弁58が取り付けられ、水回収タンク56の底にはドレン弁60が取り付けられている。図3に示す構造と図1に示す構造とは、図示表現上の多少の違いはあるが、上記要素50、52、54、56、58、60以外の他の構造は全く共通している。
[上記構造による効果の説明]
上記構造によれば、水供給弁52を開くことで、ケース内オイルパン8に水を供給することができる。アルコール燃料内燃機関で使用されるアルコールは、水に溶解しやすい低分子量のアルコールである。したがって、ケース内オイルパン8に水を供給すれば、オイルA中に分散しているアルコールを水に溶解させて、オイルAからアルコールを分離させることができる。ただし、内燃機関の故障を防止するため、水供給弁52を開くのは内燃機関の停止時、さらに言えば、オイルポンプ30の停止時に限られる。水はオイルよりも比重が大きいことから、供給された水はアルコールを取り込んでやがてケース内オイルパン8の底に沈殿する。
水の供給から一定時間が経過した時点で水ドレン弁58を開ければ、ケース内オイルパン8の底に沈殿した水がアルコールとともに水回収タンク56に排出される。水ドレン弁58の開放時間は、水供給弁52の開放時間に応じて調整すればよい。これにより、オイルAに混入していたアルコールは水とともにケース内オイルパン8から除去されることになる。つまり、上記の構造によれば、オイルAに混入しているアルコールを水を利用して除去することができ、アルコールによるオイルAの希釈を抑えることができる。なお、水回収タンク56に回収されたアルコール混じりの水は、ドレン弁60を開くことによって内燃機関の外へ排出することができる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上記実施の形態では、第2のオイル循環系統を循環するオイルを溜めるオイルパン6の内側に第1のオイル循環系統を循環するオイルを溜めるオイルパン8を配置しているが、必ずしもそうである必要は無い。例えば、2つのオイルパン6、8を横に並置してもよい。前述のように、オイル循環系統を2つに分けるだけでも、アルコールがオイルに混入することによる潤滑性能の低下を抑えつつ、アルコールによって希釈されたオイルの交換量を減らすことが可能になるからである。
本発明の実施の形態1としてのアルコール燃料内燃機関の構造を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2としてのアルコール燃料内燃機関の構造を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態3としてのアルコール燃料内燃機関の構造を模式的に示す図である。
符号の説明
2 シリンダブロック
4 シリンダ
6 オイルパン
8 内側オイルパン
10 外側シリンダブロック
18 燃焼室
20 ピストン
22 クランクシャフト
28 クランクケース
30 第1循環系統オイルポンプ
34 第2循環系統オイルポンプ
40 キャニスタ
44 ヒータ
50 水タンク
52 水供給弁
54 水タンク蓋
56 水受けタンク
58 水ドレン弁
60 ドレン弁

Claims (8)

  1. アルコール若しくはアルコールを含む混合燃料を使用するアルコール燃料内燃機関において、
    シリンダとピストン間の潤滑に使用されるオイルが循環する第1のオイル循環系統と、
    前記第1のオイル循環系統とは独立して設けられ、循環するオイルが前記第1のオイル循環系統内のオイルと混じることのない第2のオイル循環系統と、
    を備えることを特徴とするアルコール燃料内燃機関。
  2. 前記第1のオイル循環系統は、シリンダブロック内にある摺動部にオイルを供給するように構成され、前記第2のオイル循環系統は、シリンダヘッド内にある摺動部にオイルを供給するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のアルコール燃料内燃機関。
  3. 前記第1のオイル循環系統を循環するオイルを溜める第1のオイル貯留部と、
    前記第2のオイル循環系統を循環するオイルを溜める第2のオイル貯留部と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のアルコール燃料内燃機関。
  4. 前記第1のオイル貯留部は前記第2のオイル貯留部の内側に設けられていることを特徴とする請求項3記載のアルコール燃料内燃機関。
  5. 前記第1のオイル貯留部内のオイルを加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項3載のアルコール燃料内燃機関。
  6. 前記加熱手段は前記第1のオイル貯留部内のオイル温度が所定温度以下のときにオイルの加熱を行うことを特徴とする請求項5載のアルコール燃料内燃機関。
  7. 前記加熱手段は内燃機関の停止時にオイルの加熱を行うことを特徴とする請求項5載のアルコール燃料内燃機関。
  8. 内燃機関の停止時に前記第1のオイル貯留部に水を供給する水供給手段と、
    前記水供給手段による水の供給後、前記第1のオイル貯留部から水を回収する水回収手段と、
    を備えることを特徴とする請求項3記載のアルコール燃料内燃機関。
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