JP2008128062A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャニスターパージ機構と、排気中の炭化水素を吸着および吸着した炭化水素をパージするHC吸着筒とにおける未燃燃料を適切に浄化する。
【解決手段】エンジンECUは、VSVの開時間に基づいて現在のキャニスターパージ率P(CA)を算出するステップ(S3000)と、強制パージ実行時間に基づいて現在のHC吸着筒パージ率P(HC)を算出するステップ(S3010)と、P(CA)<XかつP(HC)<Yであると(S3020にてYES)HC吸着筒のパージを優先するステップ(S3060)と、P(CA)<XかつP(HC)<Yでないと(S3020にてNO)優先比較マップに基づいて現在のP(CA)に対応するHC吸着筒のパージ率のしきい値P(HCTH)を算出するステップ(S3030)と、P(HC)≧P(HCTH)であると(S3040にてYES)キャニスターパージ機構のパージを優先するステップ(S3050)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図9

Description

本発明は、車両に搭載される内燃機関に関し、特に、未燃燃料を適切に浄化する技術に関する。
一般的にエンジンの排気系には、排気中の特定成分を浄化するための排気浄化装置(排気浄化触媒、触媒コンバータ)が設けられている。この触媒コンバータとして、三元触媒コンバータが広く使用されており、これは排気中の特定の三成分である一酸化炭素(CO)および未燃焼の炭化水素(燃料、HC、未燃HC、未燃燃料、蒸発燃料と記載する場合がある)を酸化するとともに酸化窒素(NOx)を還元して、二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)、および窒素(N2)に変換させるものである。
この三元触媒コンバータによる浄化特性は、燃焼室内に形成される混合気の空燃比に依存し、それが理論空燃比近傍である時に三元触媒コンバータは最も有効に機能する。これは、空燃比がリーンであり排気中の酸素量が多いと、酸化作用が活発となるが還元作用が不活発となり、また空燃比がリッチであり排気中の酸素量が少ないと、逆に還元作用が活発となるが酸化作用が不活発となり、前述の三成分をすべて良好に浄化させることができないためである。したがって、三元触媒コンバータを有するエンジンには、その排気通路に出力リニア型酸素センサが設けられ、それにより測定される酸素濃度を使用して燃焼室内の混合気を理論空燃比にフィードバック制御されている。ここで、空燃比がリーンであり排気中の酸素量が多いと還元作用が不活発になり、酸化窒素(NOx)を還元する作用が低下して、NOx浄化機能が低下する。
さらに、この三元触媒コンバータ(HCに限定すれば酸化触媒コンバータでも構わない)においては、特に、HCの浄化に関して、排気温度(触媒温度)が強く影響する。すなわち、貴金属触媒を使用する場合でも、一般に300℃以上の温度を必要とする。そのため、エンジン始動直後等、排気温度の低い時には、HCは三元触媒コンバータによって浄化(酸化)され難い。
このために、エンジンの排気系に配置した、排気中の三元触媒コンバータの上流側に、未燃燃料を吸着するための吸着材を納めた吸着筒を配置した排気浄化装置が提案されている。この排気浄化装置においては、低温時にはHCを吸着筒に捕集して、高温時にHCを吸着筒から排出(脱離(パージ))して三元触媒コンバータで浄化する。
さらに、エンジンの蒸発燃料を処理する装置としてキャニスターパージ機構が知られている。このキャニスターパージ機構は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスターを設け、このキャニスターと吸気通路とを連通させる。エンジンの運転時においては、ガソリンタンク内で発生したキャニスターに吸着された蒸発燃料を、この連通路を介して吸気通路に供給して燃焼に供する。一方、エンジンの停止時にはガソリンタンク内の蒸発燃料をキャニスターに吸着させる。なお、このキャニスターパージ機構で蒸発燃料を吸気通路に供給して燃焼に供する場合には、燃焼室内の燃料量が増加するので、目標空燃比になるようにインジェクタからの燃料噴射量を減じるように制御される(吸入空気量が一定の場合)。
特開平7−97909号公報(特許文献1)は、吸着筒からの脱離HCを確実に燃焼、処理し得るようにしたエンジンの排気浄化装置を開示する。このエンジンの排気浄化装置は、所定温度未満でHCを吸着するとともに所定温度以上では吸着HCを脱離する吸着材を備えた吸着筒がエンジンの排気系に設けられたエンジンの排気浄化装置であって、吸着筒への排気導入を制限する排気導入制限部と、エンジンの吸気系への吸着筒からの脱離HCの導入・遮断を切換可能な脱離制御弁と、吸着筒からのHC脱離開始時には吸着筒への排気導入を制限するとともにエンジンの吸気系への脱離HCの導入を図るべく排気導入制限部および脱離制御部の作動を制御する制御ユニットとを備える。さらに、燃料タンクの蒸発燃料を吸着するキャニスタからのパージガスを吸気系に供給可能であるが脱離制御弁の開弁時にはパージガスの供給を禁止されるようにして制御ユニットで制御されるパージガス供給部を備える。
このエンジンの排気浄化装置によると、吸着筒からの脱離HCを吸気系に導いて確実に燃焼処理することができる。また、吸着筒からの脱離HCの吸気系への導入時には、キャニスターからのパージガスの吸気系への供給が禁止されるので、燃料噴射弁からの噴射燃料に加えて、脱離HCの導入のみを勘案して空燃比制御を実行することができ、空燃比制御が容易となる。
さらに、このキャニスターパージ機構で、蒸発燃料を吸気通路に供給して燃焼に供するのでは空燃比制御に外乱を発生させるため、上述したように燃料噴射量などを補正して空燃比の適正化を図る必要がある。このため、このような補正制御を不要とするために、キャニスターに吸着させた蒸発燃料を三元触媒コンバータによって処理する方法も考えられる。この方法では、この蒸発燃料の処理のために燃料噴射量などを補正する必要がなく安定した空燃比を得られる。ところが、上述したように、三元触媒コンバータの浄化処理能力は、触媒が活性化温度に達した以降のみにおいて有効であるという時間的制約があるため、始動後から触媒が活性化するまでに比較的長時間を要すると、先ず、排気中に含まれる未燃HCを早期に処理しなければならない。その間、キャニスター内には蒸発燃料が蓄積されたままであるため、走行条件によってはキャニスター内の蒸発燃料が十分に処理しきれない可能性がある。
特開平10−121949号公報(特許文献2)は、蒸発燃料を触媒によって浄化する場合において、エンジン始動後、触媒温度を早期かつ効率良く活性化温度まで上昇させ、エンジンから排出される未燃燃料および燃料タンクからの蒸発燃料を効率良く浄化させることができるエンジンの排気浄化装置を開示する。このエンジンの排気浄化装置は、エンジンの排気系に上流側から低温時に炭化水素(HC)を吸着する吸着筒と電気で加熱される酸化触媒と三元触媒とを配設し、吸着筒と電気で加熱される酸化触媒との間に二次空気供給通路と燃料タンク中の蒸発燃料を貯留するキャニスタに連通するキャニスタパージ通路とを通路切換部を介して選択的に切換え自在に連通し、吸着筒が高温となり吸着された炭化水素の脱離中は通路切換部を介して二次空気供給通路を連通し、また、吸着筒に吸着された炭化水素の脱離完了後はキャニスタパージ通路を連通することを特徴とする。
このエンジンの排気浄化装置によると、電気で加熱される酸化触媒が活性化温度以下では、エンジンから排出される未燃HCは吸着筒に一旦保持されるため、たとえ電気で加熱される酸化触媒が活性化温度以下であっても未燃HCが車外に排出されることはない。その後、電気で加熱される酸化触媒が活性化温度以上となった後のHCの処理は一度に行なうのではなく、先ず、吸着筒からの脱離HCの処理を行ない、その後、キャニスターに吸着されたHCの処理を行なう。このため、一度に多量のHCが、電気で加熱される酸化触媒に供給されることなく、吸着筒からの脱離HCとキャニスターに吸着されたHCとは双方とも確実に処理できる。
特開平7−97909号公報 特開平10−121949号公報
エンジンおよびエンジン以外の動力源(モータジェネレータ)を車両の走行源としたハイブリッド車両においては、エンジンの作動および停止の頻度が、エンジンのみを走行源とする車両よりも、高くなる。エンジンが停止すると排気系に配置された三元触媒コンバータの温度も低下して、上述した特許文献のいずれもが課題としている、始動後において排気系の触媒が活性化するまではHCを吸着筒に吸着させる必要性が高い。一方、キャニスターパージ機構を用いて、吸気通路に燃料タンクにおける蒸発燃料を供給して燃焼に供するにしても、触媒に燃料タンクにおける蒸発燃料を供給して浄化処理するにしても、吸着筒に吸着されたHCも触媒で処理しなければならない。
特許文献1においては、脱離HCの吸気系への導入時には、キャニスターからのパージガスの吸気系への供給が禁止されることを開示している。特許文献2においては、先ず、吸着筒からの脱離HCの処理を行ない、その後、キャニスターに吸着されたHCの処理することが開示されている。これらは、脱離HCの吸気系への導入を優先していることを示す。
しかしながら、エンジンの作動と停止とを繰り返すハイブリッド車両において、このように、一方のHC処理を優先させてしまうと、他方のHC処理(ここではキャニスターに吸着されたHC処理)が遅れてしまい、キャニスターが飽和してしまう可能性がある。
さらに、排気に未燃燃料が増加する要因の1つとして、アクティブOBD(On Board Diagnosis)と呼ばれる(この称呼には限定されない)、三元触媒コンバータやセンサ(触媒温度センサ、空燃比センサ、酸素センサ等)の異常を自己診断するために、空燃比を故意的に(たとえば)リッチ側になるように燃料噴射量を増加させたり、吸入空気量を減少させたりすることがある。このようなアクティブOBDと、吸着筒からの脱離HCの処理と、キャニスターに吸着されたHCの処理との少なくとも2つが重なると、良好に排気浄化を行なうことができない。上述した特許文献に記載された制御装置は、これらの問題点を開示していない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、未燃燃料を適切に浄化できる、内燃機関の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、燃料タンクに接続されたキャニスターパージ機構と、排気通路の触媒装置の上流に設けられ、排気中の炭化水素を吸着および吸着した炭化水素をパージする吸着機構とを備えた内燃機関を制御する。この制御装置は、キャニスターパージ機構におけるパージの度合いを検出するための手段と、吸着機構におけるパージの度合いを検出するための手段と、触媒装置の活性度合いを算出するための算出手段と、触媒装置の活性度合いが高い状態において、キャニスターパージ機構におけるパージの度合いおよび吸着機構におけるパージの度合いに基づいて、キャニスターパージ機構におけるパージ処理および吸着機構におけるパージ処理のいずれかを優先させて処理するように、キャニスターパージ機構および吸着機構を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、触媒装置の活性度合いが高い状態になると、排気中の炭化水素を浄化できるようになる。このときに、キャニスターパージ機構に吸着された炭化水素のパージ処理と吸着機構に吸着されたパージ処理とを、それぞれのパージの度合いに基づいて、いずれかを優先させてパージ処理する。このため、2つのパージ処理が重なることを回避して、良好に排気浄化を行なうことができる。その結果、未燃燃料を適切に浄化できる、内燃機関の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、優先されて処理されるキャニスターパージ機構におけるパージ処理および吸着機構におけるパージ処理のいずれにも重ならないように、内燃機関の空燃比を変動させて内燃機関の異常を診断するための診断手段をさらに含む。
第2の発明によると、内燃機関の空燃比を変動するために排気の炭化水素が増加する場合があるが、このような場合であっても、この異常診断と、キャニスターパージ機構におけるパージ処理および吸着機構におけるパージ処理が重ならないので、良好に排気浄化を行なうことができる。
第3の発明に係る制御装置は、第1または2の発明の構成に加えて、優先されて処理されたキャニスターパージ機構におけるパージ処理および吸着機構におけるパージ処理の終了後、触媒装置の活性度合いが高い状態になるまでは、優先されなかったパージ処理を禁止するための手段をさらに含む。
第3の発明によると、触媒装置の活性度合いが高い状態になるまでは、優先されなかったパージ処理を禁止するので、優先されなかったパージ処理も良好に浄化することができる。
第4の発明に係る制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、算出手段は、触媒装置の温度に基づいて、活性度合いを算出するための手段を含む。
第4の発明によると、炭化水素を浄化する触媒は高温で活性化するため、検出された触媒温度に基づいて、触媒の活性度合いを算出できる。
第5の発明に係る制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、算出手段は、触媒装置の推定温度に基づいて、活性度合いを算出するための手段を含む。
第5の発明によると、炭化水素を浄化する触媒は高温で活性化するため、推定された触媒温度に基づいて、触媒の活性度合いを算出できる。
第6の発明に係る制御装置においては、第5の発明の構成に加えて、算出手段は、吸着機構におけるパージ処理の状態および吸着機構におけるパージ処理後の内燃機関の状態に基づいて推定された温度に基づいて、活性度合いを算出するための手段を含む。
第6の発明によると、吸着機構におけるパージ処理が行なわれる時には排気が吸着機構を経由して触媒装置に到達するので、触媒装置の温度が低下する傾向がある。このため、パージ処理の状態(たとえば、パージ時間やパージ流量)に基づいて触媒温度の低下を推定する。さらに、パージ処理後には排気が吸着機構を経由せず触媒装置に直接到達するので、触媒装置の温度が上昇する傾向がある。このため、パージ処理後の内燃機関の状態(たとえば、排気流量、点火時期、空燃比)に基づいて触媒温度の上昇を推定する。これらの触媒温度の低下および上昇に基づいて、触媒温度を推定して、この推定された触媒温度に基づいて、活性度合いを算出することができる。
第7の発明に係る制御装置においては、第5の発明の構成に加えて、算出手段は、吸着機構におけるパージ処理の時間および流量ならびに吸着機構におけるパージ処理後の内燃機関の状態に基づいて推定された温度に基づいて、活性度合いを算出するための手段を含む。
第7の発明によると、パージ処理の時間および流量に基づいて推定されたパージ処理時の触媒温度の低下、ならびに、パージ処理後の内燃機関の状態(排気流量、点火時期、空燃比)に基づいて推定された触媒温度の上昇を用いて触媒温度を推定する。この推定された触媒温度に基づいて、活性度合いを算出することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。以下においては、ハイブリッド車両について説明するが、一般的な内燃機関のみを有する車両に本発明が好適に適用されることを積極的に排除するものではない。なお、ハイブリッド車両は、内燃機関の始動と停止とをより頻度高く繰り返す点で本発明を適用したときの作用効果が高い。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置を含む、ハイブリッド車両全体の制御ブロック図を説明する。なお、本発明は図1に示すハイブリッド車両に限定されない。本発明は、動力源としての、たとえばガソリンエンジン等の内燃機関(以下、エンジンとして説明する)が、車両を走行させる駆動源であって、かつ、ジェネレータの駆動源であればよい。さらに、駆動源がエンジンおよびモータジェネレータであって、モータジェネレータの動力により走行可能な車両であればよく(エンジンを停止させても停止させなくても)、走行用のバッテリを搭載した他の態様を有するハイブリッド車両であってもよい(いわゆるシリーズ型やパラレル型等のハイブリッド車両に限定されない)。このバッテリは、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などであって、その種類は特に限定されるものではない。また、バッテリの代わりにキャパシタでも構わない。
ハイブリッド車両は、エンジン120と、モータジェネレータ(MG)140とを含む。なお、以下においては、説明の便宜上、モータジェネレータ140を、モータジェネレータ140A(またはMG(2)140A)と、モータジェネレータ140B(またはMG(1)140B)と表現するが、ハイブリッド車両の走行状態に応じて、モータジェネレータ140Aがジェネレータとして機能したり、モータジェネレータ140Bがモータとして機能したりする。このモータジェネレータがジェネレータとして機能する場合に回生制動が行なわれる。モータジェネレータがジェネレータとして機能するときには、車両の運動エネルギが電気エネルギに変換されて、車両が減速される。
ハイブリッド車両は、この他に、エンジン120やモータジェネレータ140で発生した動力を駆動輪160に伝達したり、駆動輪160の駆動をエンジン120やモータジェネレータ140に伝達したりする減速機180と、エンジン120の発生する動力を駆動輪160とモータジェネレータ140B(MG(1)140B)との2経路に分配する動力分割機構(たとえば、後述する遊星歯車機構)200と、モータジェネレータ140を駆動するための電力を充電する走行用バッテリ220と、走行用バッテリ220の直流とモータジェネレータ140A(MG(2)140A)およびモータジェネレータ140B(MG(1)140B)の交流とを変換しながら電流制御を行なうインバータ240と、走行用バッテリ220の充放電状態(たとえば、SOC(State Of Charge))を管理制御するバッテリ制御ユニット(以下、バッテリECU(Electronic Control Unit)という)260と、エンジン120の動作状態を制御するエンジンECU280と、ハイブリッド車両の状態に応じてモータジェネレータ140およびバッテリECU260、インバータ240等を制御するMG_ECU300と、バッテリECU260、エンジンECU280およびMG_ECU300等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体を制御するHV_ECU320等を含む。
本実施の形態において、走行用バッテリ220とインバータ240との間には昇圧コンバータ242が設けられている。これは、走行用バッテリ220の定格電圧が、モータ140A(MG(2)140A)やモータジェネレータ140B(MG(1)140B)の定格電圧よりも低いので、走行用バッテリ220からモータジェネレータ140A(MG(2)140A)やモータジェネレータ140B(MG(1)140B)に電力を供給するときには、昇圧コンバータ242で電力を昇圧する。
なお、図1においては、各ECUを別構成としているが、2個以上のECUを統合したECUとして構成してもよい(たとえば、図1に、点線で示すように、MG_ECU300とHV_ECU320とを統合したECUとすることがその一例である)。
動力分割機構200は、エンジン120の動力を、駆動輪160とモータジェネレータ140B(MG(1)140B)との両方に振り分けるために、遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。モータジェネレータ140B(MG(1)140B)の回転数を制御することにより、動力分割機構200は無段変速機としても機能する。エンジン120の回転力はキャリア(C)に入力され、それがサンギヤ(S)によってモータジェネレータ140B(MG(1)140B)に、リングギヤ(R)によってモータジェネレータ140A(MG(2)140A)および出力軸(駆動輪160側)に伝えられる。回転中のエンジン120を停止させる時には、エンジン120が回転しているので、この回転の運動エネルギをモータジェネレータ140B(MG(1)140B)で電気エネルギに変換して、エンジン120の回転数を低下させる。
図1に示すようなハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両においては、車両の状態について予め定められた条件が成立すると、HV_ECU320は、モータジェネレータ140のモータジェネレータ140A(MG(2)140A)のみによりハイブリッド車両の走行を行なうようにモータジェネレータ140A(MG(2)140A)およびエンジンECU280を介してエンジン120を制御する。たとえば、予め定められた条件とは、走行用バッテリ220のSOCが予め定められた値以上であるという条件等である。このようにすると、発進時や低速走行時等であってエンジン120の効率が悪い場合に、モータジェネレータ140A(MG(2)140A)のみによりハイブリッド車両の走行を行なうことができる。この結果、走行用バッテリ220のSOCを低下させることができる(その後の車両停止時に走行用バッテリ220を充電することができる)。
また、通常走行時には、たとえば動力分割機構200によりエンジン120の動力を2経路に分け、一方で駆動輪160の直接駆動を行ない、他方でモータジェネレータ140B(MG(1)140B)を駆動して発電を行なう。この時、発生する電力でモータジェネレータ140A(MG(2)140A)を駆動して駆動輪160の駆動補助を行なう。また、高速走行時には、さらに走行用バッテリ220からの電力をモータジェネレータ140A(MG(2)140A)に供給してモータジェネレータ140A(MG(2)140A)の出力を増大させて駆動輪160に対して駆動力の追加を行なう。一方、減速時には、駆動輪160により従動するモータジェネレータ140A(MG(2)140A)がジェネレータとして機能して回生発電を行ない、回収した電力を走行用バッテリ220に蓄える。なお、走行用バッテリ220の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン120の出力を増加してモータジェネレータ140B(MG(1)140B)による発電量を増やして走行用バッテリ220に対する充電量を増加する。
また、走行用バッテリ220の目標SOCはいつ回生が行なわれてもエネルギーが回収できるように、通常は60%程度に設定される。また、SOCの上限値と下限値とは、走行用バッテリ220のバッテリの劣化を抑制するために、たとえば、上限値を80%とし、下限値を30%として設定され、HV_ECU320は、MG_ECU300を介してSOCが上限値および下限値を越えないようにモータジェネレータ140による発電や回生、モータ出力を制御している。なお、ここで挙げた値は、一例であって特に限定される値ではない。
図2を参照して、動力分割機構200についてさらに説明する。動力分割機構200は、サンギヤ(S)202と(以下、単にサンギヤ202と記載する)、ピニオンギヤ204と、キャリア(C)206(以下、単にキャリア206と記載する)と、リングギヤ(R)208(以下、単にリングギヤ208と記載する)とを含む遊星歯車から構成される。
ピニオンギヤ204は、サンギヤ202およびリングギヤ208と係合する。キャリア206は、ピニオンギヤ204が自転可能であるように支持する。サンギヤ202はMG(1)140Bの回転軸に連結される。キャリア206はエンジン120のクランクシャフトに連結される。リングギヤ208はMG(2)140Aの回転軸および減速機180に連結される。
エンジン120、MG(1)140BおよびMG(2)140Aが、遊星歯車からなる動力分割機構200を介して連結されることで、エンジン120、MG(1)140BおよびMG(2)140Aの回転数は、共線図において直線で結ばれる関係になる。
図3を参照して、このハイブリッド車両に搭載されたエンジン120について説明する。図3に示すように、エンジン120には、吸気系1152と、三元触媒コンバータ1400を含む排気系1154とが、接続されている。なお、三元触媒コンバータ1400は、1個に限定されないで2個以上であっても構わない。
吸気系1152は、吸気通路1110と、エアクリーナ1118と、エアーフローメータ1104と、スロットルモータ1114Aと、スロットルバルブ1112と、スロットルポジションセンサ1114Bとを含む。
エアクリーナ1118から吸気された空気は、吸気通路1110を通り、エンジン120に流通する。吸気通路1110の途中には、スロットルバルブ1112が設けられる。スロットルバルブ1112は、エンジンECU280からの制御信号に基づいて動作するスロットルモータ1114Aにより所望の空気量がエンジン120に供給されるように開閉される。このとき、スロットルバルブ1112の開度は、スロットルポジションセンサ1114Bにより検出することが可能である。エアクリーナ1118とスロットルバルブ1112との間における吸気通路には、エアーフローメータ1104が設けられており、吸入された空気量を検出する。エアーフローメータ1104は、吸入吸気量信号としてエンジンECU280に送信する。
エンジン120は、冷却水通路1122と、シリンダブロック1124と、インジェクタ1126と、ピストン1128と、クランクシャフト1130と、水温センサ1106と、クランクポジションセンサ132とを含む。
シリンダブロック1124の気筒数に対応した数のシリンダ内には、それぞれピストン1128が設けられる。ピストン1128上部の燃焼室に吸気通路1110を通って、インジェクタ1126から噴射された燃料と吸気された空気との混合気が導入されて、点火時期が制御された点火プラグの点火により燃焼する。燃焼が生じると、ピストン1128が押し下げられる。このとき、ピストン1128の上下運動は、クランク機構を介して、クランクシャフト1130の回転運動に変換される。なお、エンジン120の回転数NEは、クランクポジションセンサ132により検出された信号に基づいてエンジンECU280が検出する。
シリンダブロック1124内には、冷却水通路1122が設けられており、ウォータポンプ(図示せず)の作動により、冷却水が循環する。この冷却水通路1122内の冷却水は、冷却水通路1122に接続されたラジエータ(図示せず)へと流通して冷却ファン(図示せず)により放熱される。冷却水通路1122の通路上には水温センサ1106が設けられており、冷却水通路1122内の冷却水の温度を検出する。水温センサ1106は、検出した水温を、エンジン冷却水温の検出信号としてエンジンECU280に送信する。
排気系1154は、排気通路1108と、三元触媒コンバータ1400とを含む。この三元触媒コンバータ1400の上流側および下流側にそれぞれ空燃比センサ(酸素センサであっても同じ機能を発現できるので酸素センサと記載する場合がある)が設けられる。さらに、三元触媒コンバータ1400の温度を検出する温度センサも設けられる。
エンジン120の排気側に接続された排気通路1108は、三元触媒コンバータ1400に接続される。すなわち、エンジン120において燃焼室内の混合気の燃焼により生じる排気は、三元触媒コンバータ1400に流入する。この三元触媒コンバータ1400に流入した排気中に含まれるHC、COは、三元触媒コンバータ1400において酸化される。また、三元触媒コンバータ1400に流入した排気中に含まれるNOxは、三元触媒コンバータ1400において、還元される。この三元触媒コンバータ1400は、エンジン120の冷間始動時においてもできる限り速やかに昇温されて触媒機能を発現することが好ましい。しかしながら、外気温や、エンジン120の温度(エンジン冷却水温)や、三元触媒コンバータ1400とエンジン120との距離等によっては、冷間始動後のしばらくの時間は、昇温されないで、触媒が活性温度に到達しないために、触媒機能(特に未燃HCの酸化機能)を発現できない場合もあり得る。
三元触媒コンバータ1400の上流側に設けられた酸素センサは、三元触媒コンバータ1400に到達した排気中に含まれる酸素の濃度を検出する。酸素の濃度を検出することにより、排気中に含まれる燃料と空気との比、いわゆる空燃比を検出することができる。検出された空燃比が目標空燃比になるように、エンジンECU280による空燃比制御が行なわれる。
さらに、このエンジン120の排気系1154には、HC吸着筒1300が設けられる。HC吸着筒1300は、排気通路1108から切換弁1310により分岐されたバイパス通路1320およびバイパス通路1340の間に設けられる。切換弁1310は、排気通路1108の排気を、HC吸着筒1300の方向へ流す場合と(切換弁1310Aの状態)、非バイパス通路1330の方向へ流す場合(切換弁1310Bの状態)とを切換える。
バイパス通路1340と非バイパス通路1330との合流点よりも下流側に三元触媒コンバータ1400が設けられる。なお、バイパス通路1320と非バイパス通路1330との分岐点よりも上流側に三元触媒コンバータをさらに設けてもよい。
三元触媒コンバータ1400からの排気は、排気管1410を通って車外に排出される。
このHC吸着筒1300は、たとえば、ハニカム構造の担体に保持される基材(ウオッシュコート)に活性炭を分散させたものや、ゼオライトに金属をイオン交換した材料等からなる。このHC吸着筒1300は、低温時に高いHC吸着能力を示し、高温(たとえば、200℃以上)になると、低温時に吸着したHCを脱離するものであれば、限定されるものではない。
切換弁1310は、三元触媒コンバータ1400によるHCの浄化が不完全な時に(主としてエンジン120の冷間始動時に)、HC吸着筒1300側に排気を流すようにエンジンECU280により制御される(図3の切換弁1310Aの状態)。また、この切換弁1310は、HC吸着筒1300に吸着されたHCをパージするときに、HC吸着筒1300側に排気を流すようにエンジンECU280により制御される(図3の切換弁1310Aの状態)。これら以外の場合には、この切換弁1310は、非バイパス通路1330側に排気を流すようにエンジンECU280により制御される(図3の切換弁1310Bの状態)。
インジェクタ1126への燃料供給は、燃料タンク1220から吸い上げた燃料をフィードポンプ1240により昇圧して供給される。このフィードポンプ1240は電動ポンプである。このエンジン120の吸気系1152にも、キャニスターパージ機構を有する。
燃料タンク1220に発生する燃料蒸発ガスを捕集する捕集容器であるキャニスター1230が、ベーパ通路1260を介して燃料タンク1220に接続されており、さらにキャニスター1230はそこに捕集された燃料蒸発ガスをエンジン120の吸気通路1110に供給するためのパージ通路1280に接続されている。そして、パージ通路1280は、吸気通路1110のスロットルバルブ1112の下流に開口されたパージポート1290に連通されている。
キャニスター1230の内部には、周知のように、燃料蒸発ガスを吸着する吸着剤(活性炭)が充填されている。たとえば、キャニスター1230は、気密性のない仕切壁によって上下三層に区画されており、その中層には表面に燃料蒸発ガスを吸着する活性炭が配置されている。
また、パージ中にキャニスター1230内に逆止弁を介して大気を導入するための大気通路1270が設けられている。さらに、パージ通路1280には、パージ量を制御するパージ制御弁(以下、VSV(Vacuum Switching Valve)と記載する場合がある)1250が設けられており、このパージ制御弁1250の開度がエンジンECU280によりデューティ制御されることで、キャニスター1230内でパージ処理される燃料蒸発ガス量、ひいてはエンジン120に導入される燃料量が制御されるように構成されている。
本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU280は、燃焼されなかったHC(未燃HC)が多く排気に含まれる場合において、三元触媒コンバータ1400のHC浄化機能が発現していない低温時において、切換弁1310をHC吸着筒1300側(切換弁1310Aの状態)に切換えて、排気をHC吸着筒1300に流して、一旦HC吸着筒1300に未燃HCを吸着させる。その後、三元触媒コンバータ1400のHC浄化機能が発現すると、キャニスターパージ処理およびアクティブOBD処理に重ならないように、HC吸着筒1300に吸着されたHCをパージして、排出されたHCを三元触媒コンバータ1400により浄化する。
本実施の形態に係る制御装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、ECUに含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとして制御装置を実現した場合を説明する。なお、このようなプログラムを記録した記録媒体についても本発明の一態様である。
図4および図5を参照して、本実施の形態に係る制御装置を実現するために、ECU280が実行する、プログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、サブルーチンであって、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)1000にて、エンジンECU280は、エンジン120が作動を開始したか(スタートしたか)否かを判断する。一般的には、イグニッションスイッチがスタート位置に切換えられたり、HV_ECU320からのエンジン120の作動指令に基づいて、エンジン120がスタータモータによりクランキングされて、空気が吸入されて燃料が噴射され混合気が継続的に着火するとエンジン120がスタートする。エンジン120がスタートすると(S1000にてYES)、処理はS1010へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、処理はS1000へ戻され、エンジン120がスタートするまで待つ。なお、S1000にてNOの場合には、この処理を終了(処理を図5のリターンに移す)させても構わない。
S1010にて、エンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)を検出する。なお、本実施の形態においては、上述の通り、三元触媒コンバータ1400の触媒温度を計測できる温度センサを備えている。
S1020にて、エンジンECU280は、未燃HCが多く、かつ、触媒温度TH(CA)が活性温度未満であるか否かを判断する。エンジンECU280は、未燃HCが多いか否かは、排気の空燃比等により判断する。未燃HCが多く、かつ、触媒温度TH(CA)が活性温度未満(三元触媒コンバータ1400が浄化作用を発現していない状態)であると(S1020にてYES)、処理はS1030へ移される。もしそうでないと、すなわち、未燃HCが少ないかまたは触媒温度TH(CA)が活性温度以上であると(S1020にてNO)、処理はS1100へ移される。
S1030にて、エンジンECU280は、HC吸着フラグをセット(オン)する。S1040にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300側へ排気が流れるように、切換弁1310Aの状態になる指示信号を切換弁1310へ、出力する。
S1050にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に未燃HCが吸着されている時間である吸着時間T(HC)を積算する。なお、積算値の初期値は、HC吸着筒1300からの強制パージ処理が正常終了した時点で0にリセットされている。
S1060にて、エンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)を検出する。
S1070にて、エンジンECU280は、未燃HCが少ない、または、触媒温度TH(CA)が活性温度以上であるか否かを判断する。HC吸着筒1300側へ排気が流れるように制御されているので、排気が、三元触媒コンバータ1400に直接到達しないで、HC吸着筒1300を経由して三元触媒コンバータ1400に到達するので、触媒温度TH(CA)が上昇しにくい。しかしながら、エンジン120の作動後は、エンジン120自体も排気の温度も次第に高くなり、三元触媒コンバータ1400の温度TH(CA)も上昇する。未燃HCが少なくなるか、または、触媒温度TH(CA)が活性温度以上であると(S1070にてYES)、処理はS1080へ移される。もしそうでないと、すなわち、未燃HCが多くかつ触媒温度TH(CA)が活性温度未満であると(S1070にてNO)、処理はS1050へ戻されて、未燃HCをHC吸着筒1300に吸着させる。このS1070の処理においては、HC吸着筒1300への未燃HCの吸着完了を判断している。この未燃HCの量および触媒温度TH(CA)についての条件に加えて、HC吸着筒1300が飽和したことをHC吸着筒1300への未燃HCの吸着完了の条件として加えるようにしても構わない。
S1080にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に未燃HCが吸着されている時間である吸着時間T(HC)を確定する。後述するように、HC吸着筒1300に未燃HCの量は、この吸着時間T(HC)に相関するので、この時間に基づいて、HC吸着筒1300からの未燃HCの強制パージ時間が設定される。
S1090にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300側へ排気が流れないように、切換弁1310Bの状態になる指示信号を切換弁1310へ出力する。このとき、HC吸着筒1300には未燃HCは吸着されている。その後、処理は図5のS1120へ移される、
S1100にて、エンジンECU280は、HC吸着フラグをリセット(オフ)する。S1110にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300側へ排気が流れないように、切換弁1310Bの状態になる指示信号を切換弁1310へ出力する。なお、切換弁1300が切換弁1310Bの状態であるときには、このような指示信号を受けた切換弁1310はその状態を保持することになる。このとき、HC吸着筒1300には未燃HCは吸着されていない。その後、処理は図5のS1120へ移される、
図5のS1120にて、エンジンECU280は、HC吸着フラグがセット(オン)されているか否かを判断する。HC吸着フラグがセット(オン)されていると(S1120にてYES)、処理はS1130へ移される。もしそうでないと(S1120にてNO)、この処理は終了する。
S1130にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300からの強制パージ条件が成立したか否かを判断する。この条件には、少なくとも三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)が活性温度に到達していることが含まれる。HC吸着筒1300からの強制パージ条件が成立すると(S1130にてYES)、処理はS1140へ移される。もしそうでないと(S1130にてNO)、この処理は終了する。
S1140にて、エンジンECU280は、キャニスター1230からのパージを実行中であるかまたはアクティブOBD実行中であるか否かを判断する。キャニスター1230からのパージを実行中であるかまたはアクティブOBD実行中であると(S1140にてYES)、この処理は終了する。もしそうでなく、キャニスター1230からのパージが実行中でなくかつアクティブOBDが実行中でないと(S1140にてNO)、処理はS1150へ移される。
S1150にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300側へ排気が流れるように、切換弁1310Aの状態になる指示信号を切換弁1310へ、出力する。S1160にて、エンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)を検出する。
S1170にて、エンジンECU280は、触媒温度TH(CA)が活性温度以上であるか否かを判断する。触媒温度TH(CA)が活性温度以上であると(S1170にてYES)、処理はS1180へ移される。もしそうでないと、すなわち、触媒温度TH(CA)が活性温度未満であると(S1170にてNO)、処理はS1190へ移される。
S1180にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に未燃HCが吸着されていた時間である吸着時間T(HC)に対応する強制パージ時間が経過したか否かを判断する。吸着時間T(HC)が長いほど吸着HCの量が多くなるので、強制パージ時間が長くなる。吸着時間T(HC)に対応する強制パージ時間が経過すると(S1180にてYES)、処理はS1200へ移される。もしそうでないと(S1180にてNO)、処理はS1160へ戻される。
S1190にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージを中断する(三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)が何らかの原因で活性温度未満になったためである)。その後、処理はS1210へ移される。
S1200にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージを正常終了する(強制パージ時間内に三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)が活性温度未満にならなかったためである)。
S1210にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300側へ排気が流れないように、切換弁1310Bの状態になる指示信号を切換弁1310へ出力する。これにより、排気はHC吸着筒1300を経由しないで、三元触媒コンバータ1400に直接到達するので、三元触媒コンバータ1400の温度TH(CA)は上昇し易くなる。
S1220にて、エンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)を検出する。
S1230にて、エンジンECU280は、触媒温度TH(CA)が活性温度以上であるか否かを判断する。触媒温度TH(CA)が活性温度以上であると(S1230にてYES)、処理はS1240へ移される。もしそうでないと、すなわち、触媒温度TH(CA)が活性温度未満であると(S1230にてNO)、処理はS1220に戻される。
S1240にて、エンジンECU280は、キャニスター1230からのパージ処理(VSV1250を開く)またはアクティブOBDの実行を許可する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU280により制御されるエンジン120の動作について説明する。
[エンジン始動後の触媒温度が低くかつ未燃HCが多い場合]
エンジン120がスタートして(S1000にてYES)、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)が検出されて(S1010)、未燃HCが多くかつ触媒温度TH(CA)が活性温度未満であると(S1020にてYES)、未燃HCを三元触媒コンバータ1400で浄化できない。このため、HC吸着フラグがセットされて(S1030)、切換弁1310Aの状態になりHC吸着筒1300側へ排気が流れるように切換弁1310が制御される(S1040)。
HC吸着筒1300により未燃HCが吸着されている時間T(HC)が積算される(S1050)。また、HC吸着筒1300により未燃HCが吸着されているときには、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)が検出されており(S1060)、未燃HCが少なくなるかまたは触媒温度TH(CA)が活性温度以上になると(S1070にてYES)、HC吸着筒1300による未燃HCの吸着が終了する。
HC吸着筒1300により未燃HCが吸着されている時間T(HC)が確定されて(S1080)、切換弁1310Bの状態になりHC吸着筒1300側へ排気が流れないように切換弁1310が制御される(S1090)。
以上のように、三元触媒コンバータ1400はHC浄化機能を発現しない冷間時においては、排気をHC吸着筒1300に流して、未燃HCを吸着させて、車外に未燃HCを放出することを回避できる。
[エンジン始動後の触媒温度が高いまたは未燃HCが少ない場合]
エンジン120がスタートして(S1000にてYES)、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)が検出されて(S1010)、未燃HCが少ないか、または、触媒温度TH(CA)が活性温度以上であると(S1020にてNO)、そもそも未燃HCが少なくて三元触媒コンバータ1400の浄化機能が発現できなくても問題を生じないか、未燃HCを三元触媒コンバータ1400により浄化できる。このため、HC吸着フラグがリセットされて(S1100)、切換弁1310Bの状態になりHC吸着筒1300側へ排気が流れないように切換弁1310が制御される(S1110)。
このときには、HC吸着フラグがセットされていないので(S1120にてNO)、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理は実行されない。
[HC吸着筒に吸着されたHCの強制パージ処理]
HCフラグがセットされており(S1120にてYES)、強制パージ条件が成立すると(S1130)、キャニスター1230からパージされておらず(VSV1250が開いていない、かつ、アクティブOBDも実行されていないときに(S1140にてNO)、HC吸着筒1300に吸着されたHCが強制パージされる。このため、切換弁1310Aの状態になりHC吸着筒1300側へ排気が流れるように切換弁1310が制御される(S1150)。これにより、HC吸着筒1300側へ排気が流れ、HC吸着筒1300から吸着したHCがパージされて、このHCは、三元触媒コンバータ1400で浄化される。なお、このときの排気温度はHC吸着筒1300からHCを脱離できるほどに十分に高いものとする。
このような強制パージ処理は、触媒温度TH(CA)が活性温度以上である限り(S1170にてYES)、HC吸着筒1300に未燃HCが吸着されている時間である吸着時間T(HC)に対応する強制パージ時間の間(S1180にてYESになるまでの間)、継続して行なわれる。
一方、このような強制パージ処理は、HC吸着筒1300に未燃HCが吸着されている時間である吸着時間T(HC)に対応する強制パージ時間の間(S1180にてYESになるまでの間)に、万一、触媒温度TH(CA)が活性温度未満になると(S1170にてNO)、HC吸着筒1300から強制パージされたHCが三元触媒コンバータ1400で浄化できなくなるので、強制パージ処理を中断する(S1190)。
強制パージ処理が終了すると(S1190、S1200)、切換弁1310Bの状態になりHC吸着筒1300側へ排気が流れないように切換弁1310が制御される(S1210)。
[HC吸着筒に吸着されたHCの強制パージ処理後の判断]
強制パージ処理が終了すると(S1190、S1200)、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)が検出される(S1220)。ここで、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理中においては、HC吸着筒1300側へ排気が流れるように制御されているので、排気が、三元触媒コンバータ1400に直接到達しないで、HC吸着筒1300を経由して三元触媒コンバータ1400に到達するので、触媒温度TH(CA)が低下する。しかしながら、エンジン120の作動後は、エンジン120自体も排気の温度も次第に高くなり、三元触媒コンバータ1400の温度TH(CA)も上昇する。これらの観点から、三元触媒コンバータ1400の触媒温度TH(CA)が活性温度以上であると(S1230にてYES)、キャニスター1230からのパージ処理(VSV1250を開く)や、または、アクティブOBDの処理の実行が許可される(S1240)。なお、後述する優先順位に従い、HC吸着筒に吸着されたHCの強制パージ処理およびキャニスター1230からのパージ処理が同時に実行されることはない。さらに、これらのいずれかとアクティブOBD処理とが同時に実行されることもない。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUによると、三元触媒コンバータで浄化できないHCを一旦HC吸着筒に吸着させて、その後、強制パージ条件のみならず、キャニスターパージ処理やアクティブOBD処理に重ならないように、HC吸着筒に吸着させたHCをパージして、三元触媒コンバータで浄化することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態において説明した図5のS1150以降の「HC吸着筒に吸着されたHCの強制パージ処理後の判断処理」が、本実施の形態では異なる判断処理を実行する。
詳しくは、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400に設けられた温度センサからの触媒温度TH(CA)を用いることなく、S1240の「キャニスター1230からのパージ処理(VSV1250を開く)またはアクティブOBDの実行を許可する判断処理」を実行する。
それ以外のハードウェア構成は、前述の第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、エンジンECU280については、後述するプログラムのみが異なり、ハードウェア構成は同じであるため、本実施の形態においても上述した第1の実施の形態と同じ参照符号を付してある。
図6を参照して、本実施の形態に係る制御装置を実現するために、ECU280が実行する、プログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、サブルーチンであって、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。なお、図6のフローチャートにおいて、図5のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
S2000にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理中において、強制パージ実行時間T(P)を積算する。なお、積算値の初期値は、HC吸着筒1300からの強制パージ処理が開始された時点を起点(0)としている。
S2010にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理中において、強制パージ流量FL(P)を積算する。なお、積算値の初期値は、HC吸着筒1300からの強制パージ処理が開始された時点を起点(0)としている。また、この流量は、たとえば、エアーフローメータ1104からの吸入吸気量信号に基づいて検出されて、積算される。
S2020にて、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理が終了すると、通常流量FL(N)の積算を開始する。なお、積算値の初期値は、HC吸着筒1300からの強制パージ処理が終了された時点を起点(0)としている。また、この流量は、たとえば、エアーフローメータ1104からの吸入吸気量信号に基づいて検出されて、積算される。
S2030にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理中の、強制パージ実行時間T(P)を確定する。S2040にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理中の、強制パージ流量FL(P)を確定する。
S2050にて、エンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400の温度低下TH(DN)(<0)を、HC吸着筒1300からの強制パージ処理中の強制パージ実行時間T(P)および/または強制パージ流量FL(P)に基づいて、推定する。なお、これらのHC吸着筒1300からの強制パージ実行時間T(P)および強制パージ流量FL(P)以外の因子を用いて三元触媒コンバータ1400の温度低下TH(DN)を推定しても構わない。
S2060にて、エンジンECU280は、通常流量FL(N)の積算値、エンジン120の点火時期(遅角側に制御されていると排気の温度が上昇する傾向)、空燃比を検出する。
S2070にて、エンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400の温度上昇TH(UP)(>0)を、通常流量FL(N)の積算値、エンジン120の点火時期、空燃比に基づいて、推定する。なお、これらの通常流量FL(N)の積算値、エンジン120の点火時期、空燃比以外の因子を用いて三元触媒コンバータ1400の温度上昇TH(UP)を推定しても構わない。
S2080にて、エンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400の推定触媒温度TH(EST)を、基準温度+TH(DN)+TH(UP)により算出する。S2090にて、エンジンECU280は、三元触媒コンバータ1400の推定触媒温度TH(EST)が活性温度以上であるか否かを判断する。推定触媒温度TH(EST)が活性温度以上であると(S2090にてYES)、処理はS1240へ移される。もしそうでないと、すなわち、推定触媒温度TH(EST)が活性温度未満であると(S2090にてNO)、処理はS2060に戻される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU280により制御されるエンジン120の動作について、図7を参照して、説明する。なお、第1の実施の形態と同じ動作についての説明はここでは繰り返さない。
図7の時刻T(1)において、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理が開始される。このため、切換弁1310Aの状態になりHC吸着筒1300側へ排気が流れるように切換弁1310が制御される(S1150)。これにより、HC吸着筒1300側へ排気が流れ、HC吸着筒1300に吸着されたHCがパージされて、このHCは、三元触媒コンバータ1400で浄化される。
このような強制パージ処理は、触媒温度TH(CA)が活性温度以上である限り(S1170にてYES)、HC吸着筒1300に未燃HCが吸着されている時間である吸着時間T(HC)に対応する強制パージ時間の間(S1180にてYESになるまでの間)、継続して行なわれる。
図7の時刻T(2)において、強制パージ処理が終了すると(S1200)、切換弁1310Bの状態になりHC吸着筒1300側へ排気が流れないように切換弁1310が制御される(S1210)。これにより、排気は、HC吸着筒1300側ではなく、非バイパス通路1330側に流れる。
ここで、HC吸着筒1300に吸着されたHCの強制パージ処理中である、図7の時刻T(1)〜時刻T(2)においては、HC吸着筒1300側へ排気が流れるように制御されているので、排気が、三元触媒コンバータ1400に直接到達しないで、HC吸着筒1300を経由して三元触媒コンバータ1400に到達するので、触媒温度TH(CA)が低下する。この触媒温度の低下を以下のように推定する。強制パージ処理中に積算して(S2000)強制パージ処理が終了すると確定させた強制パージ実行時間T(P)(S2030)および/または強制パージ処理中に積算して(S2010)強制パージ処理が終了すると確定させた強制パージ流量FL(P)(S2040)を用いて、三元触媒コンバータ1400の触媒の温度低下TH(DN)が推定される。なお、この温度低下TH(DN)は、負値であるとする。
しかしながら、強制パージ処理の終了後である、図7の時刻T(2)〜時刻T(3)においては、エンジン120の排気は、非バイパス通路1330を通って三元触媒コンバータ1400に直接流れ込むので、触媒温度TH(CA)が低下から上昇に転じる。この触媒温度の上昇を以下のように推定する。強制パージ処理後から積算した通常流量積算値、エンジン120の点火時期、空燃比等の排気および排気温度に関係がある因子を用いて、三元触媒コンバータ1400の触媒の温度上昇TH(UP)が推定される。なお、この温度上昇TH(UP)は、正値であるとする。
基準温度に温度低下TH(DN)および温度上昇TH(UP)を加算(温度低下TH(DN)は負値であるので減算)して、推定触媒温度TH(EST)が算出される(S2080)。図7の時刻T(3)において、この三元触媒コンバータ1400の推定触媒温度TH(EST)が活性温度以上になり(S2090にてYES)、キャニスター1230からのパージ処理(VSV1250を開く)や、または、アクティブOBDの処理の実行が許可される(S1240)。なお、第1の実施の形態と同様に、後述する優先順位に従い、HC吸着筒に吸着されたHCの強制パージ処理およびキャニスター1230からのパージ処理が同時に実行されることはない。さらに、これらのいずれかとアクティブOBD処理とが同時に実行されることもない。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUによると、三元触媒コンバータで浄化できないHCを一旦HC吸着筒に吸着させた後のパージ処理後に、推定された触媒温度を用いて、キャニスターパージ処理やアクティブOBD処理の実行可否を判断できる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、HC吸着筒1300からのHC強制パージ処理およびキャニスター1230からのパージ処理のいずれを優先させるのかを判断する点が特徴である。
それ以外のハードウェア構成は、前述の第1の実施の形態と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、エンジンECU280については、後述するプログラムのみが異なり、ハードウェア構成は同じであるため、本実施の形態においても上述した第1の実施の形態と同じ参照符号を付してある。
図8を参照して、本実施の形態に係る制御装置を実現するために、ECU280に備えたれたメモリに記憶される優先比較マップについて説明する。
図8に示す優先比較マップは、その上段には、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)(%)が、下段には、上段のP(CA)(%)に対応する、HC吸着筒1300のパージ率P(HC)のしきい値P(HCTH)(%)が記憶されている。パージ率とは、どの程度パージが進んでいるかの度合いを示す指標である。そのため、パージ率が小さい値であるとパージが進んでおらず、吸着HCが多い状態である。逆にパージ率が大きい値であるとパージが進んでおり、吸着HCが少ない状態である。
図8に示すように、上段の現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)に基づいて、下段のしきい値P(HCTH)が算出できる。たとえば、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)が40%であると、しきい値P(HCTH)は60%と算出できる。
図8を大略的に説明すると以下のようになる。キャニスター1230のパージ率P(CA)が40%しか進んでいない場合であっても、HC吸着筒1300のパージ率が60%がしきい値となる。HC吸着筒1300のパージ率が60%を越えるまでは、HC吸着筒1300のパージが優先される。すなわち、HC吸着筒1300のパージがキャニスター1230のパージより進むまでは、HC吸着筒1300のパージ処理が優先されることを示す。なお、この図8に示すマップは一例であって、本発明がこのマップに限定されるものではない。
図9を参照して、本実施の形態に係る制御装置を実現するために、ECU280が実行する、プログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、サブルーチンであって、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。なお、図9のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
S3000にて、エンジンECU280は、VSV1250が開いていた時間等に基づいて、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)を算出する。確認的に記載するが、VSV1250が開いていた時間が長いほど、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)は小さく算出される。
S3010にて、エンジンECU280は、強制パージ実行時間T(P)等に基づいて、現在のHC吸着筒1300のパージ率P(HC)を算出する。確認的に記載するが、強制パージ実行時間T(P)が長いほど、現在のHC吸着筒1300のパージ率P(HC)は小さく算出される。
S3020にて、エンジンECU280は、パージ率P(CA)<Xかつパージ率P(HC)<Yであるか否かを判断する。なお、しきい値Xおよびしきい値Yは、適宜設定される。パージ率P(CA)<Xかつパージ率P(HC)<Yであると(S3020にてYES)、処理はS3060へ移される。もしそうでないと(S3020にてNO)、処理はS3030へ移される。
S3030にて、エンジンECU280は、図8にその一例を示した優先比較マップに基づいて、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)に基づいて、HC吸着筒1300のパージ率P(HC)のしきい値P(HCTH)を算出する。
S3040にて、エンジンECU280は、現在のHC吸着筒1300のパージ率P(HC)がしきい値P(HCTH)以上であるか(HC吸着筒1300のパージが進んでいるか)否か(HC吸着筒1300のパージが進んでいないか)を判断する。パージ率P(HC)がしきい値P(HCTH)以上であると(S3040にてYES)、処理はS3050へ移される。もしそうでないと(S3040にてNO)、処理はS3060へ移される。
S3050にて、エンジンECU280は、キャニスター1230のパージ処理を優先する。
S3060にて、エンジンECU280は、HC吸着筒1300のパージ処理を優先する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECU280により制御されるエンジン120の動作について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ動作についての説明はここでは繰り返さない。
[パージ率P(CA)<Xかつパージ率P(HC)<Y]
現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)を算出され(S3000)、現在のHC吸着筒1300のパージ率P(HC)を算出される(S3010)。
パージ率P(CA)<Xかつパージ率P(HC)<Yであると(S3020にてYES)、キャニスター1230のパージ処理も、HC吸着筒1300のパージ処理も、進んでいない。この場合には、HC吸着筒1300のパージ処理が優先される(S3060)。
[パージ率P(HC)<しきい値P(HCTH)]
パージ率P(CA)<Xかつパージ率P(HC)<Yでないと(S3020にてNO)、キャニスター1230のパージ処理およびHC吸着筒1300のパージ処理の少なくともいずれかは進んでいる。この場合には、キャニスター1230のパージ処理およびHC吸着筒1300のパージ処理の優先順位が判断される。
このような場合においては、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)に基づいて、HC吸着筒1300のパージ率P(HC)のしきい値P(HCTH)を算出される(S3030)。たとえば、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)が40%であると、しきい値P(HCTH)は60%と算出される。
たとえば、現在のHC吸着筒1300のパージ率P(HC)が55%であると(S3040にてNO)、現在のHC吸着筒1300のパージ率P(HC)が60%に到達するまでは、HC吸着筒1300のパージ処理が優先される(S3060)。すなわち、キャニスター1230のパージ率P(CA)が40%とパージ処理が進んでいなくて吸着しているHCが多くても、HC吸着筒1300のパージ率P(HC)が60%に到達する(パージ処理が進んでいる)までは、HC吸着筒1300のパージ処理が優先される。
[パージ率P(HC)<しきい値P(HCTH)]
パージ率P(CA)<Xかつパージ率P(HC)<Yでないと(S3020にてNO)、キャニスター1230のパージ処理およびHC吸着筒1300のパージ処理の少なくともいずれかは進んでいる。この場合には、キャニスター1230のパージ処理およびHC吸着筒1300のパージ処理の優先順位が判断される。
このような場合においては、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)に基づいて、HC吸着筒1300のパージ率P(HC)のしきい値P(HCTH)を算出される(S3030)。たとえば、現在のキャニスター1230のパージ率P(CA)が40%であると、しきい値P(HCTH)は60%と算出される。
たとえば、現在のHC吸着筒1300のパージ率P(HC)が70%であると(S3040にてYES)、現在のHC吸着筒1300のパージ率P(HC)が60%に到達するしている(十分にHC吸着筒1300は進んでいる)。このため、キャニスター1230のパージ処理が優先される(S3050)。すなわち、キャニスター1230のパージ率P(CA)が40%とパージ処理が進んでいなくて吸着しているHCが多いが、HC吸着筒1300のパージ率P(HC)もしきい値である60%に到達している(パージ処理が進んでいる)ので、キャニスター1230のパージ処理が優先される。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUによると、HC吸着筒のパージ処理と、キャニスターのパージ処理との優先順位を決定して、パージ処理が重ならないように処理することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を含む、ハイブリッド車両全体の制御ブロック図である。 動力分割機構を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUの制御対象であるエンジンの制御ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図6に示すフローチャートが実行された場合のエンジンの状態の時間的変化を示すタイミングチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUに記憶される優先比較マップを示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る制御装置であるエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
120 エンジン、140 モータジェネレータ、160 駆動輪、180 減速機、200 動力分割機構、220 走行用バッテリ、240 インバータ、242 昇圧コンバータ、260 バッテリECU、280 エンジンECU、300 MG_ECU、320 HV_ECU、1104 エアーフローメータ、1106 水温センサ、1108 排気通路、1110 吸気通路、1112 スロットルバルブ、1114A スロットルモータ、1114B スロットルポジションセンサ、1118 エアクリーナ、1122 冷却水通路、1124 シリンダブロック、1126 インジェクタ、1128 ピストン、1130 クランクシャフト、1132 クランクポジションセンサ、1152 吸気系、1154 排気系、1230 キャニスター、1300 HC吸着筒、1310 切換弁、1400 三元触媒コンバータ。

Claims (7)

  1. 燃料タンクに接続されたキャニスターパージ機構と、排気通路の触媒装置の上流に設けられ、排気中の炭化水素を吸着および吸着した炭化水素をパージする吸着機構とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記キャニスターパージ機構におけるパージの度合いを検出するための手段と、
    前記吸着機構におけるパージの度合いを検出するための手段と、
    前記触媒装置の活性度合いを算出するための算出手段と、
    前記触媒装置の活性度合いが高い状態において、前記キャニスターパージ機構におけるパージの度合いおよび前記吸着機構におけるパージの度合いに基づいて、前記キャニスターパージ機構におけるパージ処理および前記吸着機構におけるパージ処理のいずれかを優先させて処理するように、前記キャニスターパージ機構および前記吸着機構を制御するための制御手段とを含む、制御装置。
  2. 前記制御装置は、優先されて処理されるキャニスターパージ機構におけるパージ処理および吸着機構におけるパージ処理のいずれにも重ならないように、前記内燃機関の空燃比を変動させて前記内燃機関の異常を診断するための診断手段をさらに含む、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御装置は、優先されて処理されたキャニスターパージ機構におけるパージ処理および吸着機構におけるパージ処理の終了後、前記触媒装置の活性度合いが高い状態になるまでは、優先されなかったパージ処理を禁止するための手段をさらに含む、請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記算出手段は、前記触媒装置の温度に基づいて、前記活性度合いを算出するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
  5. 前記算出手段は、前記触媒装置の推定温度に基づいて、前記活性度合いを算出するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
  6. 前記算出手段は、前記吸着機構におけるパージ処理の状態および前記吸着機構におけるパージ処理後の内燃機関の状態に基づいて推定された温度に基づいて、前記活性度合いを算出するための手段を含む、請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記算出手段は、前記吸着機構におけるパージ処理の時間および流量ならびに前記吸着機構におけるパージ処理後の内燃機関の状態に基づいて推定された温度に基づいて、前記活性度合いを算出するための手段を含む、請求項5に記載の制御装置。
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