JP2008127792A - グラウト方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】坑の掘削時における湧水の発生を防止して掘削作業を容易化させることができるとともに、長期間的にみて坑の周囲地盤の難透水性を損なうことがないグラウト方法を提供することを目的としている。
【解決手段】坑2の湧水割れ目部Cをグラウト材5により止水するグラウト方法であって、坑2を掘削する前に、坑2の掘削予定範囲X内にボーリング孔11を設け、掘削予定範囲X内における湧水割れ目部Cの有無を調査するボーリング工程と、ボーリング工程によって掘削予定範囲X内に湧水割れ目部Cが発見されたとき、湧水割れ目部Cが発見されたボーリング孔11から湧水割れ目部Cにグラウト材5を注入するグラウト材注入工程と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、湧水を伴う割れ目部をグラウト材により止水するグラウト方法に関する。
高レベルの放射性廃棄物を地下深部の硬質岩や堆積軟岩の比較的安定した岩盤中に埋設処分する廃棄物処分施設がある。この処分施設としては、地表から所定の岩盤層まで掘られた連絡搬送用坑道の側面から岩盤層に向けて処分坑道を掘り、その処分坑道の底面に処分孔を掘って、この処分孔の中に、放射性廃棄物を収納させた廃棄体を収納させるとともに廃棄体を覆う緩衝材を充填させ、その後、処分坑道及び連絡搬送用坑道を埋め戻すもの(処分孔縦置き方式)がある。また、他の処分施設としては、上記した処分坑道の中に、複数の廃棄体を奥から順に配設させていくとともに廃棄体を覆う緩衝材を充填していき、その後、連絡搬送用坑道を埋め戻すもの(処分坑道横置き方式)もある。
上記した緩衝材は、高密度ベントナイト系材料からなる場合が多く、ベントナイト系材料は水により吸水膨潤するという性質を有する。このため、緩衝材を充填させる処分孔や処分坑道に湧水を伴う割れ目部(以下、湧水割れ目部と記す。)があると、湧水割れ目部からの湧水が緩衝材に接触し、緩衝材が膨潤して緩衝材密度が低下し、緩衝材が劣化することが懸念される。また、緩衝材を充填させる処分孔や処分坑道に湧水割れ目部があると、廃棄体から放射性物質が漏出したとき、湧水割れ目部を経路として放射性物質が拡散することが懸念される。
したがって、従来の処分孔縦置き方式の場合では、処分坑道の掘削段階で湧水割れ目部に遭遇すると、予定位置に処分孔を掘らず、湧水割れ目部から離れた位置に処分孔を配設している。また、処分孔の掘削段階で湧水割れ目部に遭遇する場合があり、この場合、その処分孔には廃棄体を入れず、湧水割れ目部が無い処分孔にだけ廃棄体を収納させている。
また、従来の処分坑道横置き方式の場合でも同様に、処分坑道の掘削段階で湧水割れ目部に遭遇すると、処分坑道のうち、湧水割れ目部が無い区間にだけ廃棄体を配置させ、湧水割れ目部がある区間に廃棄体を配置させない。
しかしながら、湧水割れ目部がある処分孔や処分坑道区間に廃棄体を収納せずに、湧水割れ目部が無い良好な処分孔や処分坑道区間にのみ廃棄体を収納させると、掘削した処分坑道の全区間の一部にしか廃棄体を収納できず、処分施設の収納効率が低くなる。
そこで、従来、上記した湧水割れ目部を止水処理するべく、湧水割れ目部内にグラウト材を注入させるグラウト方法が提案されている。従来のグラウト方法としては、例えば、坑道を掘削した後、坑壁面の湧水割れ目部からエタノールベントナイトスラリーを充填するグラウト方法がある(例えば、特許文献1参照。)。また、従来のグラウト方法として、坑道を掘削した後、坑壁面にボーリング孔を設けて、このボーリング孔から坑道の周囲岩盤中にある湧水割れ目部にエタノールベントナイトスラリーを充填するグラウト方法がある(例えば、特許文献2参照。)。さらに、従来のグラウト方法として、坑道の掘削前に、地表面から坑道設置予定箇所の周囲岩盤に向けてボーリング孔を設けて、このボーリング孔から岩盤中の湧水割れ目部にエタノールベントナイトスラリーを充填するグラウト方法がある(例えば、特許文献3参照。)。
特開2001−323453号公報 特開2003−96763号公報 特開2003−96450号公報
しかしながら、坑道掘削後にグラウト材を注入する上記した従来のグラウト方法では、坑道掘削時に湧水割れ目部から湧水が発生するため、掘削作業に困難を伴うことになるという問題が存在する。
また、坑道周囲の岩盤中にボーリング孔を設ける上記した従来のグラウト方法では、ボーリング孔が坑道の外側に配置されているため、ボーリング孔に充填されたグラウト材が1000年以上の長期間の間に劣化或いは地下水に溶出した場合に、このボーリング孔の存在が岩盤の難透水性を損なう要因となるという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、坑の掘削時における湧水の発生を防止して掘削作業を容易化させることができるとともに、長期間的にみて坑の周囲地盤の難透水性を損なうことがないグラウト方法を提供することを目的としている。
本発明は、坑の湧水割れ目部をグラウト材により止水するグラウト方法であって、前記坑を掘削する前に、該坑の掘削予定範囲内にボーリング孔を設け、前記掘削予定範囲内における前記湧水割れ目部の有無を調査するボーリング工程と、該ボーリング工程によって前記掘削予定範囲内に前記湧水割れ目部が発見されたとき、該湧水割れ目部が発見された前記ボーリング孔から前記湧水割れ目部に前記グラウト材を注入するグラウト材注入工程と、を備えることを特徴としている。
このような特徴により、坑の掘削予定範囲内に設けられたボーリング孔から坑の掘削予定範囲内に湧水割れ目部が在るか否かが調査される。そして、湧水割れ目部の存在が確認されると、そのボーリング孔からグラウト材が注入され、湧水割れ目部の中にグラウト材が充填される。その後、掘削予定範囲が掘削されて坑が形成される。
このように、坑の掘削予定範囲内にある湧水割れ目部は、坑の掘削前に、その中に注入されたグラウト材によって止水される。また、ボーリング孔が坑の掘削予定範囲内に設けられているので、坑を掘削する際、ボーリング孔が設けられた部分が掘削されることになり、坑の掘削後にボーリング孔が残らない。
なお、本発明における「湧水割れ目部」とは、湧水を伴う地盤の割れ目部のことをいう。
また、本発明は、前記坑が、地下坑道の底面から掘削される廃棄物埋設用の処分孔であり、前記地下坑道内から前記処分孔の掘削予定範囲内に前記ボーリング孔を設けるようにしてもよい。
これにより、地下坑道の底面にある処分孔の掘削予定範囲にボーリング孔が設けられ、このボーリング孔から掘削予定範囲内にある湧水割れ目部にグラウト材が注入されて湧水割れ目部が止水される。その後、地下坑道の底面の掘削予定範囲が掘削されて処分孔が形成され、その処分孔の中に廃棄物が埋設処分される。
また、本発明は、地下坑道のうちの先行掘削された上部内から前記処分孔の掘削予定範囲内に前記ボーリング孔を設け、前記グラウト材注入工程の後、前記地下坑道の残りの下部を掘削することが好ましい。
これにより、まず、地下坑道の上部を先行掘削し、その後、その上部内からその下方にある掘削予定範囲内にボーリング孔を設ける。そして、このボーリング孔から掘削予定範囲内にある湧水割れ目部にグラウト材が注入されて湧水割れ目部が止水される。その後、地下坑道の下部が掘削されて地下坑道が形成され、さらに、地下坑道の底面の掘削予定範囲が掘削されて処分孔が形成され、その処分孔の中に廃棄物が埋設処分される。
また、本発明は、前記坑が、地下坑道の側面から水平方向に掘削される廃棄物埋設用の処分坑道であり、前記地下坑道内から前記処分坑道の掘削予定範囲内に前記ボーリング孔を設けるようにしてもよい。
これにより、地下坑道の側面にある処分坑道の掘削予定範囲にボーリング孔が設けられ、このボーリング孔から掘削予定範囲内にある湧水割れ目部にグラウト材が注入されて湧水割れ目部が止水される。その後、地下坑道の側面の掘削予定範囲が掘削されて処分坑道が形成され、その処分坑道の中に廃棄物が埋設処分される。
また、本発明は、前記グラウト材に、エタノール水又は無機塩類の水溶液の何れか一方とベントナイトとを混合させたスラリーを用いることが好ましい。
このように、長期間劣化し難い天然の粘土系材料をグラウト材として使用すると、セメント系材料からなるグラウト材に比べて長期間、止水性能が維持される。
本発明に係るグラウト方法によれば、坑の掘削前に、坑の掘削予定範囲内にある湧水割れ目部がグラウト材によって止水されるので、坑の掘削時における湧水の発生を防止することができ、掘削作業を容易化させることができる。また、本発明に係るグラウト方法によれば、坑の完成後に坑の周囲地盤にボーリング孔が残らないため、長期間的にみて周囲地盤の難透水性が損なわれることがない。
以下、本発明に係るグラウト方法の第1、第2の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態について説明する。
図1は放射性廃棄物を埋設処分する廃棄物処分施設の処分坑道1を表した斜視図であり、図2〜図7は第1の実施の形態におけるグラウト方法の各工程を表した図である。
図1に示すように、廃棄物処分施設の処分坑道1(地下坑道)は、地山深部の岩盤G内に形成されており、その底面には廃棄体4を埋設処分するための複数の処分孔2が形成されている。処分孔2の中には廃棄体4が収納されているとともに緩衝材3が充填されており、廃棄体4は緩衝材3で覆われた状態で埋設処分されている。
第1の実施の形態におけるグラウト方法は、上記した処分孔2の内周面に在る岩盤Gの湧水割れ目部Cをグラウト材5で止水する方法である。
[坑道上部掘削工程]
まず始めに、図2(a)、図2(b)に示すように、岩盤G内に処分坑道1のうちの上部半断面程度に相当する小断面坑道1Aを掘削する。
[ボーリング工程]
次に、図2(a)、図2(b)に示すように、上記した小断面坑道1A内にボーリング装置10を設置し、このボーリング装置10によって小断面坑道1Aの底面から下に向かってボーリング孔11を削孔する。このボーリング孔11は、処分孔2の掘削予定範囲Xの直上から当該掘削予定範囲Xに向けて削孔する。そして、このボーリング孔11によって、掘削予定範囲X内における湧水割れ目部Cの有無を調査する。このボーリング孔11による調査作業は、各処分孔2の掘削予定範囲Xに対してそれぞれ行う。
なお、1つの処分孔2の掘削予定範囲Xに対して設けるボーリング孔11の本数は、特に限定されるものではなく、1本でも複数本でもよい。例えば、図8(a)に示すように、処分孔2の掘削予定範囲Xの中心位置にだけボーリング孔11を設けてもよく、或いは、図8(b)に示すように、処分孔2の掘削予定範囲Xの外縁に沿って複数のボーリング孔11を設けてもよく、或いは、図8(c)に示すように、処分孔2の掘削予定範囲Xの中心位置にボーリング孔11を設けるとともに処分孔2の掘削予定範囲Xの外縁に沿って複数のボーリング孔11を設けてもよい。
[グラウト注入工程]
次に、図3(a)、図3(b)に示すように、上記したボーリング工程によって掘削予定範囲X内に湧水割れ目部Cが発見されたとき、湧水割れ目部Cが発見されたボーリング孔11に対してグラウト材5(後述する図5に示す。)を注入するグラウト装置20を設置する。具体的に説明すると、湧水割れ目部Cが発見されたボーリング孔11の中に、グラウト材5を注入するための注入管21を挿入する。注入管21は、ボーリング孔11よりも若干径が小さい管状の部材である。この注入管21には、パッカー22が外装されており、また、パッカー22よりも先端(下端)側に吐出口23が形成されている。また、注入管21の基端(上端)部は、グラウト材5を圧送する図示せぬ圧送機に接続されている。
上記したグラウト装置20の設置が完了したところで、図4(a)、図4(b)に示すように、グラウト装置20によってボーリング孔11から湧水割れ目部Cにグラウト材5を注入する。このとき、グラウト装置20によって、湧水割れ目部C周囲の地下水圧よりも高い圧力でグラウト材5をボーリング孔11内に圧入させることで、グラウト材5が湧水割れ目部Cの中に充填される。また、グラウト材5としては、直ぐに固まり難く、且つ、流動性の良い材料を用いることが望ましく、エタノール水にベントナイトを混合させたスラリー、又は、無機塩類の水溶液にベントナイトを混合させたスラリーを用いることが好ましい。
[坑道下部掘削工程]
次に、図5(a)、図5(b)に示すように、湧水割れ目部Cに注入されたグラウト材5が固結した後、処分坑道1の残りの下部1Bを掘削し、処分坑道1を完成させる。
[処分孔掘削工程]
次に、図6(a)、図6(b)に示すように、完成した処分坑道1の底面から複数の処分孔2(掘削予定範囲X)をそれぞれ掘削する。
[廃棄体埋設工程]
次に、図7(a)、図7(b)に示すように、掘削された処分孔2の中に廃棄体4を収納させるとともにその周りに緩衝材3を充填する。
上記した構成からなる第1の実施の形態におけるグラウト方法によれば、処分孔2の掘削前に、処分孔2の掘削予定範囲X内にある湧水割れ目部Cは、その中に注入されたグラウト材5によって止水される。これにより、処分孔2の掘削時における湧水の発生を防止することができ、掘削作業を容易化させることができる。
また、ボーリング孔11が処分孔2の掘削予定範囲X内に設けられているので、処分孔2を掘削する際、ボーリング孔11が設けられた部分が掘削されることになり、処分孔2の掘削後にボーリング孔11が残らない。これにより、処分孔2の掘削完了後に処分孔2の周囲の岩盤Gにボーリング孔11が残らないため、長期間的にみて周囲岩盤Gの難透水性が損なわれることがない。
また、処分孔2の掘削前に、処分坑道1の底面にある処分孔2の掘削予定範囲Xにボーリング孔11が設けられ、このボーリング孔11から掘削予定範囲X内にある湧水割れ目部Cにグラウト材5が注入されて湧水割れ目部Cが止水されるため、処分孔2の掘削予定範囲Xに湧水割れ目部Cがあっても、処分孔2の掘削時に、その湧水割れ目部Cから湧水が生じない。このため、湧水割れ目部Cがある処分孔2の中にも廃棄体4を埋設処分させることができる。したがって、処分坑道1の全区間に亘って廃棄体4を埋設処分させることができ、廃棄物処分施設の収納効率を向上させることができる。
また、セメント系材料からなるグラウト材では100年以上の止水性維持を保証することは難しいが、上記したグラウト方法におけるグラウト材5として用いられる、エタノール水とベントナイトとを混合させたスラリー、又は無機塩類の水溶液とベントナイトとを混合させたスラリーは、長期間劣化し難い天然の粘土系材料であるため、セメント系材料からなるグラウト材に比べて長期間、止水性能が維持される。このため、湧水割れ目部Cに充填されたグラウト材5について、1000年を超える長期間での止水性能を担保することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係るグラウト方法の第2の実施の形態について説明する。なお、下記する第2の実施の形態の説明において、上述した第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図9は放射性廃棄物を埋設処分する廃棄物処分施設の処分坑道100を表した斜視図であり、図10〜図14は第2の実施の形態におけるグラウト方法の各工程を表した図である。
図9に示すように、廃棄物処分施設の処分坑道100は、地山深部の岩盤G内に形成された連絡搬送用坑道101の側面から岩盤G内に水平方向に掘削された坑道である。連絡搬送用坑道101(地下坑道)には複数の処分坑道100が連通されており、複数の処分坑道100は間隔を置いて並列に配列されている。この処分坑道100の中には、複数の廃棄体4が直列に並べて収納されているとともに緩衝材3が充填されており、廃棄体4は緩衝材3で覆われた状態で埋設処分されている。
第2の実施の形態におけるグラウト方法は、上記した処分坑道100の内周面に在る岩盤Gの湧水割れ目部Cをグラウト材5で止水する方法である。
[連絡搬送用坑道掘削工程]
まず始めに、図10に示すように、岩盤G内に連絡搬送用坑道101を掘削する。
[ボーリング工程]
次に、図10に示すように、上記した連絡搬送用坑道101内にボーリング装置10を設置し、このボーリング装置10によって連絡搬送用坑道101の側面から略水平にボーリング孔11を削孔する。このボーリング孔11は、処分坑道100の掘削予定範囲X´内に削孔する。そして、このボーリング孔11によって、掘削予定範囲X´内における湧水割れ目部Cの有無を調査する。このボーリング孔11による調査作業は、各処分坑道100の掘削予定範囲X´に対してそれぞれ行う。
なお、1つの処分坑道100の掘削予定範囲X´に対して設けるボーリング孔11の本数は、特に限定されるものではなく、図8(a)、図8(b)、図8(c)に示す第1の実施の形態の場合と同様に、1本でも複数本でもよい。
[グラウト注入工程]
次に、図11に示すように、上記したボーリング工程によって掘削予定範囲X´内に湧水割れ目部Cが発見されたとき、湧水割れ目部Cが発見されたボーリング孔11に対してグラウト材5(後述する図5に示す。)を注入するグラウト装置120を設置する。具体的に説明すると、湧水割れ目部Cが発見されたボーリング孔11の中に、グラウト材5を注入するための注入管121を挿入する。注入管121は、ボーリング孔11よりも若干径が小さい管状の部材である。この注入管121には、間隔をあけて配設された一対のパッカー122,122が外装されており、また、これら一対のパッカー122,122の間に吐出口123が形成されている。なお、注入管121の基端部は、グラウト材5を圧送する図示せぬ圧送機に接続されている。
上記したグラウト装置120の設置が完了したところで、図12に示すように、グラウト装置120によってボーリング孔11から湧水割れ目部Cにグラウト材5を注入する。
[処分孔掘削工程]
次に、図13に示すように、連絡搬送用坑道101の側面から掘削装置130で複数の処分坑道100(掘削予定範囲X´)をそれぞれ掘削する。なお、図13には、全断面トンネル掘削機による掘削例を図示したが、発破工法等の他の掘削工法で掘削してもよい。
[廃棄体埋設工程]
次に、図14に示すように、掘削された処分坑道100の中に複数の廃棄体4を直列に並べて収納させるとともにその周りに緩衝材3を充填する。
上記した構成からなる第2の実施の形態におけるグラウト方法によれば、上述した第1の実施の形態と同様に、処分坑道100の掘削時における湧水の発生を防止することができ、掘削作業を容易化させることができる。処分坑道100の掘削完了後に処分坑道100の周囲の岩盤Gにボーリング孔11が残らないため、長期間的にみて周囲岩盤Gの難透水性が損なわれることがない。また、湧水割れ目部Cに充填されたグラウト材5についてエタノール水にベントナイトを混合させたスラリー又は無機塩類の水溶液にベントナイトを混合させたスラリーを用いるならば、1000年を超える長期間での止水性能を担保することができる。
また、上記した構成からなる第2の実施の形態におけるグラウト方法によれば、処分坑道100の掘削前に、連絡搬送用坑道101の側面にある処分坑道100の掘削予定範囲X´にボーリング孔11が設けられ、このボーリング孔11から掘削予定範囲X´内にある湧水割れ目部Cにグラウト材5が注入されて湧水割れ目部Cが止水されるため、処分坑道100の掘削予定範囲X´に湧水割れ目部Cがあっても、処分坑道100の掘削時に、その湧水割れ目部Cから湧水が生じない。このため、処分坑道100のうち、湧水割れ目部Cがある区間にも廃棄体4を埋設処分させることができる。したがって、処分坑道100の全区間に亘って廃棄体4を埋設処分させることができ、廃棄物処分施設の収納効率を向上させることができる。
以上、本発明に係るグラウト方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した第1、第2の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した第1の実施の形態では、処分坑道1の上部(小断面坑道1A)を先行掘削し、その小断面坑道1A内からボーリング工程を行い、グラウト材注入工程の後、残りの処分坑道1の下部1Bを掘削しているが、本発明は、処分坑道1を2回に分けて掘削しなくてもよい。すなわち、処分坑道1を一度に掘削して処分坑道1を完成させた後、処分坑道1の底面からボーリング孔11を設けてもよい。
また、上記した第1の実施の形態では、処分孔2を掘削する前に、処分孔2の掘削予定範囲Xにボーリング工程及びグラウト材注入工程を行っているが、本発明は、処分坑道1を掘削する前に、処分坑道1に連通される図示せぬ連絡搬送用坑道内から処分坑道1の掘削予定範囲にボーリング工程及びグラウト材注入工程を行ってもよい。
また、上記した第1、第2の実施の形態では、本発明に係るグラウト方法を、廃棄体4を埋設処分する処分孔2や処分坑道100に適用する場合について説明しているが、本発明に係るグラウト方法を、道路、鉄道、水路等に供されるトンネルに適用してもよい。すなわち、トンネルを掘削する前に、トンネルの切羽面にボーリング工程及びグラウト注入工程を行ってもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態を説明するための処分坑道の斜視図である。 本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第1の実施の形態を説明するための処分孔の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第2の実施の形態を説明するための処分坑道の斜視図である。 本発明に係るグラウト方法の第2の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第2の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第2の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第2の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。 本発明に係るグラウト方法の第2の実施の形態を説明するための処分坑道の断面図である。
符号の説明
1 処分坑道(地下坑道)
1A 小断面坑道(地下坑道の上部)
1B 処分坑道の下部(地下坑道の下部)
2 処分孔(坑)
5 グラウト材
11 ボーリング孔
100 処分坑道(坑)
101 連絡搬送用坑道(地下坑道)
C 湧水割れ目部
X,X´ 掘削予定範囲

Claims (5)

  1. 坑の湧水割れ目部をグラウト材により止水するグラウト方法であって、
    前記坑を掘削する前に、該坑の掘削予定範囲内にボーリング孔を設け、前記掘削予定範囲内における前記湧水割れ目部の有無を調査するボーリング工程と、
    該ボーリング工程によって前記掘削予定範囲内に前記湧水割れ目部が発見されたとき、該湧水割れ目部が発見された前記ボーリング孔から前記湧水割れ目部に前記グラウト材を注入するグラウト材注入工程と、
    を備えることを特徴とするグラウト方法。
  2. 請求項1記載のグラウト方法において、
    前記坑が、地下坑道の底面から掘削される廃棄物埋設用の処分孔であり、
    前記地下坑道内から前記処分孔の掘削予定範囲内に前記ボーリング孔を設けることを特徴とするグラウト方法。
  3. 請求項2記載のグラウト方法において、
    前記地下坑道のうちの先行掘削された上部内から前記処分孔の掘削予定範囲内に前記ボーリング孔を設け、
    前記グラウト材注入工程の後、前記地下坑道の残りの下部を掘削することを特徴とするグラウト方法。
  4. 請求項1記載のグラウト方法において、
    前記坑が、地下坑道の側面から水平方向に掘削される廃棄物埋設用の処分坑道であり、
    前記地下坑道内から前記処分坑道の掘削予定範囲内に前記ボーリング孔を設けることを特徴とするグラウト方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のグラウト方法において、
    前記グラウト材に、エタノール水又は無機塩類の水溶液の何れか一方とベントナイトとを混合させたスラリーを用いることを特徴とするグラウト方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001166093A (ja) * 1999-12-14 2001-06-22 Kajima Corp 廃棄物の地層処分方法およびチューブ式地層処分設備
JP2003096763A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Shimizu Corp 水密構造を有する地下施設の構築方法、及び補修方法
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