JP2001166093A - 廃棄物の地層処分方法およびチューブ式地層処分設備 - Google Patents

廃棄物の地層処分方法およびチューブ式地層処分設備

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JP2001166093A
JP2001166093A JP35457199A JP35457199A JP2001166093A JP 2001166093 A JP2001166093 A JP 2001166093A JP 35457199 A JP35457199 A JP 35457199A JP 35457199 A JP35457199 A JP 35457199A JP 2001166093 A JP2001166093 A JP 2001166093A
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tunnel
waste
tube
geological
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Takashi Takamura
尚 高村
Kazuo Okutsu
一夫 奥津
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Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高レベル廃棄物の地層処分方法において、廃
棄体の処理作業を極めて迅速にかつ比較的簡単な構成の
装置で容易に行うことができ、完全な処分坑道設備を容
易に構築でき、かつ処分空洞の安定性の向上および掘削
量の低減を図り、遠隔操作の信頼性の向上させ廃棄体の
再取り出しも可能とする。 【解決手段】 地層処分システムの建設段階において、
処分坑道3を主要坑道4に対して直交するようにTBM
等により掘削形成した後、この処分坑道3内に廃棄体A
を定置収納する収納用チューブ11を配設し、処分坑道
3の内壁面とチューブ11との間の空間に緩衝材(ベン
トナイト等)12を充填し、廃棄体Aを横置き定置する
処分設備を構築する。この建設段階が終了すると、操業
段階に移り、搬送台車13により搬送された廃棄体Aを
チューブ内移送車14によりチューブ11内に押し込み
定置位置まで移送する。同様に中間ブロック15をチュ
ーブ11内に搬入し、廃棄体A,A間に配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高レベル放射性廃
棄物等を地層処分するための地層処分方法およびチュー
ブ式地層処分設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高レベル放射性廃棄物は、使用済核燃料
から未反応のウランや新生のプルトニウムを分離した後
に残る不要な核分裂生成物を硝酸に溶かし出したもので
あり、図6に示すように、液体のままでは取り扱いが困
難となるため、ガラス原料と共に高温で溶かし合わせて
ステンレス鋼製のキャニスターに流し込むことにより、
ガラス固化体A1 として安定化処理し、このガラス固化
体A1 を地上の貯蔵設備で30〜50年程度貯蔵して放
射能の強さと発熱を低減させた後、オーバーパックA2
と称される厚肉鋼板製の密閉容器内に密閉収納し、この
オーバーパックA 2 を地下数百〜千数百mの深さの岩盤
B中に緩衝材Cを介して地層処分することが計画されて
いる。なお、以下において、ガラス固化体A1 を収納し
たオーバーパックA2 を廃棄体Aと称する。
【0003】図7は、地層処分システムの1例の概要を
示したものであり、地上施設1と地下の施設を結ぶアク
セス坑道2(立坑2a,斜坑2b,スパイラル坑道2
c)と、廃棄体Aを定置するための多数の処分坑道3
と、処分坑道を取り囲む主要坑道4と、主要坑道間を結
ぶ連絡坑道5などから構成されている。なお、処分パネ
ル6は、処分坑道3とそれを取り囲む主要坑道4からな
る1つの区画であり、廃棄体を処分する領域をいくつか
の独立したパネルに分割することで、処分サイトの地質
環境条件等に応じて柔軟なレイアウトを行うことがで
き、各パネルで建設・操業・閉鎖などの主要作業を独立
に並行して実施できるなどの利点がある。
【0004】建設段階では、地上施設と地下施設の建設
が行われる。操業段階では、主な作業としてガラス固化
体の受け入れ,オーバーバックへの封入,緩衝材の製
作,廃棄体と緩衝材の搬送・定置,処分坑道と主要坑道
の埋め戻しが行われる。閉鎖段階では、主な作業として
連絡坑道とアクセス坑道の埋め戻し,地上施設の解体・
撤去が行われる。
【0005】このような地層処分システムにおいて、廃
棄体を定置埋設するレイアウトとして、基本的に図8に
示すような4つの方式に分類することができる。図8
(a) は、処分坑道横置き方式であり、左右に一対の主要
坑道4,4間に水平あるいは上下方向に傾斜させた処分
坑道3を所定の間隔をおいて平行に掘削形成し、各処分
坑道3内に廃棄体Aを横にして坑道長手方向に所定の間
隔をおいて定置埋設している。図8(b) は、処分立坑竪
置き方式であり、上部の主要坑道4と下部の坑道4’間
に垂直の処分坑道(立坑)3を所定の間隔をおいて平行
に掘削形成し、各処分坑道3内に廃棄体Aを竪にして上
下方向に所定の間隔をおいて定置埋設している。図8
(c) は、処分孔横置き方式であり、処分坑道3の両側壁
部に水平の処分孔7を坑道長手方向に間隔をおいて掘削
形成し、各処分孔7に廃棄体Aを横にして定置埋設して
いる。図8(d) は、処分孔竪置き方式であり、処分坑道
3の底部に垂直の処分孔7を坑道長手方向に間隔をおい
て掘削形成し、各処分孔7内に廃棄体Aを竪にして定置
埋設している。
【0006】これらの方式は、それぞれ特長を有してお
り、例えば、図8(a) の処分坑道横置き方式は坑道の掘
削量や埋め戻し量を小さくでき、図8(d) の処分孔竪置
き方式は廃棄体や緩衝材の定置性等の操業性に優れてい
る。この定置レイアウトは、選定された処分サイトの地
質環境条件等に応じて適宜選択されるが、対照的な特長
を有する図8(a) の処分坑道横置き方式と図8(d) の処
分孔竪置き方式を例にとり、廃棄体の処分方法について
次に説明する。
【0007】図8(a) の処分坑道横置き方式において
は、廃棄体および緩衝材を昇降機(立坑)や搬送車(斜
坑等)により地上施設から地下施設へ搬入し、定置設備
を搭載した定置装置搬送台車に積み替えて処分坑道まで
搬送し、搬送台車から切り離した定置設備を処分坑道内
を移動させ、定置位置においては、定置設備(廃棄体定
置装置+緩衝材ブロックハンドリング装置等)を使用し
て、ブロックに分割されている緩衝材(ベントナイト)
ブロックを処分坑道の下部に積み上げ、次いでこの上に
廃棄体を載せた後、廃棄体の前部・上部・後部を覆うよ
うに緩衝材ブロックを積み上げ、これを順次繰り返すこ
とにより、緩衝材で覆われた廃棄体を処分坑道内に所定
の間隔をおいて定置埋設する方法が考えられている。
【0008】図8(d) の処分孔竪置き方式においては、
廃棄体および緩衝材を処分坑道横置き方式と同様に地上
施設から地下施設へ搬入し、定置設備に積み替えて処分
坑道内まで搬送し、定置設備(廃棄体昇降機+緩衝材ブ
ロックハンドリング装置等)から緩衝材ブロックおよび
廃棄体を処分孔内に吊り降ろし、処分孔内の中央部に位
置する廃棄体の周囲を緩衝材ブロックで覆う方法が考え
られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
廃棄体の定置方式では、廃棄体と緩衝材をそれぞれ地上
施設から処分坑道まで搬送し、処分坑道では廃棄体と緩
衝材をそれぞれ所定の位置に配置する必要があり、廃棄
体の処理作業に時間がかかり、また操業時には作業員が
入ることができないため装置による自動作業では緩衝材
を処分坑道内に確実に充満させるのが難しく、さらに高
度な遠隔操作ロボット(緩衝材ブロックハンドリング装
置など)を必要とするなどの問題がある。
【0010】また、定置設備を処分坑道内に搬入して定
置作業を行うため、図9(a) に示すように、平面視で主
要坑道4に対して処分坑道3を傾斜させて配設すると共
に、坑道の接続部分には円弧部分50を形成して、定置
設備(操業ロボット)51がスムーズに出入りできるよ
うにする必要があり、空洞の安定性が低下し、掘削量が
増加するなどの問題がある。
【0011】本発明は、前述のような問題点を解消すべ
くなされたもので、その目的は、廃棄体の処理作業を極
めて迅速にかつ比較的簡単な構成の装置で容易に行うこ
とができ、また完全な処分坑道設備を容易に構築するこ
とができると共に、処分空洞の安定性の向上および掘削
量の低減を図ることのできる廃棄物の地層処分方法およ
びチューブ式地層処分設備を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の廃棄物の地層処
分方法は、地下の地盤中に設けた処分坑道内に廃棄体
(例えば、ガラス固化体+オーバーパック)を処分坑道
長手方向に間隔をおいて定置して埋設する廃棄物の地層
処分方法であり、処分坑道を掘削形成した後、この処分
坑道内に、処分坑道長手方向に連続する収納用チューブ
(鋼製あるいは銅製の管やコンクリートセグメントリン
グ等)と、この収納用チューブと処分坑道の内壁面との
隙間を埋める緩衝材(ベントナイト等)とを設置し[建
設段階]、建設段階が全て終了すると、操業段階へ移行
し、前記収納用チューブ内に廃棄体を搬入して定置位置
に定置し、次いで中間ブロック(チューブを長期的に支
持できるブロック)を搬入し、収納用チューブ内に廃棄
体と中間ブロックを交互に定置する[操業段階]ことを
特徴とする(請求項1)。
【0013】本発明の廃棄物のチューブ式地層処分設備
は、地下の地盤中に設けた処分坑道内に廃棄体(例え
ば、ガラス固化体+オーバーパック)を処分坑道長手方
向に間隔をおいて定置して埋設する廃棄物のチューブ式
地層処分設備であり、処分坑道内に、処分坑道長手方向
に連続する収納用チューブ(鋼製あるいは銅製の管やコ
ンクリートセグメントリング等)と、この収納用チュー
ブと処分坑道の内壁面との隙間を埋める緩衝材(ベント
ナイト等)とを設置してなることを特徴とする(請求項
2)。
【0014】本発明は廃棄体を処分坑道内に所定の間隔
をおいて定置埋設する方式を対象としており、左右一対
の主要坑道間にほぼ水平の処分坑道を所定の間隔をおい
て配設してなる処分坑道横置き方式では、収納用チュー
ブ内を自走する移送車を使用し、廃棄体および中間ブロ
ックを定置位置まで押送し、あるいは異常時に牽引して
取り出すことができるようにする。また、処分坑道は主
要坑道に直交するように掘削形成し、収納用チューブは
単位長さのチューブを順次接合しながら形成し、単位長
さのチューブと坑壁岩盤との間に緩衝材を充填してい
く。なお、処分坑道を竪にして配設してなる処分立坑竪
置き方式にも適用可能であり、この場合には、収納用チ
ューブ内を昇降する昇降機等を使用して廃棄体および中
間ブロックを定置位置まで下降させ、あるいは取り出す
ようにする。
【0015】トンネル掘削機等で処分坑道を掘削後、緩
衝材と収納用チューブの設置を行い、地層処分システム
の全ての建設段階が終了すると、操業段階へ移行する。
従来考えられている処分方法では、廃棄体の定置作業と
同時に緩衝材の配置作業を行うため、廃棄体の処理作業
に時間がかかり、また緩衝材を処分坑道内に確実に充満
させるのが難しいが、本発明では、操業前に処分坑道内
に緩衝材および収納用チューブを設置するため、操業時
には廃棄体と中間ブロックの搬入・定置移送作業だけで
よく、廃棄体の処理作業を極めて迅速に行うことができ
る。また、緩衝材および収納用チューブの設置は、操業
前であるため作業員が入って綿密な施工を行うことがで
きると共に、緩衝材を坑壁岩盤に密実に接着させること
ができ、完全な処分坑道設備を容易に構築することがで
きる。
【0016】また、従来考えられている処分方法では、
定置設備としての操業ロボットを処分坑道内に搬入する
ため、処分坑道を主要坑道に対して傾斜させ、主要坑道
と処分坑道の接続部に円弧部分を設けなければならなか
ったが(図9(a) 参照) 、本発明では、収納用チューブ
内に廃棄体等を押し込み移送車等により定置位置まで移
送するようにしたため、主要坑道と処分坑道の接続を9
0°とすることができ(図9(b) 参照) 、空洞の安定性
の向上および掘削量の低減を図ることができる。
【0017】さらに、本発明では、廃棄体等の定置移送
を簡単な機構のチューブ内移送車で行うことができ、遠
隔操作時に異常をきたす確率が小さく、安全で確実な処
理作業を行うことができる。また、従来の高度な遠隔操
作ロボット(ベントナイトブロックハンドリング装置な
ど)を必要とせず、装置コストの低減等を図ることがで
きる。また、直線的な坑道群で構成されるため、主要坑
道にアンテナを設置するだけで良好な遠隔操作が可能と
なり、さらに従来のような長大なレールが不要となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態に基づいて説明する。これは、図8(a) の処分坑道横
置き方式に本発明を適用した例である。図1は、本発明
の高レベル廃棄物の地層処分方法を実施するための処分
坑道設備および装置を示したものである。図2〜図4
は、本発明の地層処分方法を工程順に示したものであ
る。
【0019】図1に示すように、本発明では、地層処分
システムの建設段階において、地下数百mの深さの岩盤
B中に処分坑道3を主要坑道4に対して直交するように
TBM(トンネル掘削機)等により掘削形成した後、こ
の処分坑道3内に廃棄体Aを定置収納する収納用チュー
ブ11を配設し、処分坑道3の内壁面と収納用チューブ
11との間の空間に緩衝材(ベントナイト)12を充填
し、廃棄体Aを横置き定置する地層処分設備を構築す
る。この建設段階が終了すると、操業段階に移り、搬送
台車13により搬送された廃棄体Aをチューブ内移送車
14により収納用チューブ11内に押し込み定置位置ま
で移送する。同様に中間ブロック15を収納用チューブ
11内に搬入し、廃棄体Aと廃棄体Aの間に配設する。
【0020】処分坑道3は、従来通り、水平に横方向に
所定の間隔をおいて(例えば10m前後)平行に掘削形
成する。また、処分坑道3の内壁面は、硬岩系岩盤の場
合にはそのままとし、軟岩系岩盤の場合にはコンクリー
ト等による覆工を施す。収納用チューブ11は、鋼製あ
るいは銅製の管など、緩衝材12の重量と廃棄体Aの走
行重量に抵抗できる程度のものや、厚さ5cm程度のコ
ンクリートセグメントリングでよい。施工に際しては、
単位長さのチューブをねじ接合や溶接接合で接合しなが
ら、あるいはセグメントリング同士をボルト接合しなが
ら、処分坑道3の内壁面との間に緩衝材12を充填して
いく。建設時には、単位長さのチューブは適当な支持部
材で支持し、処分坑道3の横断面中央に位置するように
位置決め固定する。緩衝材12は地下水や岩盤圧の影響
を低減し、核種の移行を遅延させるための材料であり、
ベントナイトを用いるのが好ましい。収納用チューブ内
の廃棄体間に設置する中間ブロック15はベントナイト
である必要はなく収納用チューブ11を長期的に支持で
きるものであればよい。なお、収納用チューブ11の径
は、廃棄体Aとチューブのクリアランスが2cm程度と
なるような大きさとする。
【0021】処分坑道3内に収納用チューブ11・緩衝
材12の設置を行い、地層処分システムの全ての建設段
階が終了した後、操業に移るため、次のようなメリット
が得られる。即ち、操業時には廃棄体Aと中間ブロッ
ク15の搬入・定置移送作業だけでよく、廃棄体Aの処
理作業を極めて迅速に行うことができ、従来は操業時
に緩衝材の配設作業を行うため、作業員が処分坑道内に
入ることができないが、本発明では操業前であるため作
業員が処分坑道内に入ることができ、かつ収納用チュー
ブ11・緩衝材12の設置を小機械を使用して直接施工
で行うことができるため、綿密な施工が可能となり、か
つ緩衝材12を坑壁岩盤に密実に接着させることがで
き、完全な処分坑道設備を容易に構築することができ、
操業前に全て施工するため、後述するように収納用チ
ューブ11に監視構造や監視機器を設けることで、核種
の漏洩の監視もでき、収納用チューブ11を単位長さ
に分割して組立て緩衝材12を順次充填していくことに
より、施工性の向上およびコストの低減を図ることがで
きる。
【0022】搬送台車13は地上施設から地下施設へ搬
入された廃棄体Aおよび中間ブロック15を自動搬送す
る装置であり、レールに沿って走行する台車13aと、
廃棄体A等が載置される断面半円弧状の受け台13bか
らなる。この受け台13bは台車13a上に水平旋回可
能に設置されており、収納用チューブ11の入口で90
°旋回させることにより廃棄体A等を収納用チューブ1
1内へ移載することができる。収納用チューブ11の入
口には、90°旋回した受け台13bと連続する断面半
円弧状の導入部11aを設けておく。
【0023】チューブ内移送車14は、収納用チューブ
11内を自動走行して廃棄体Aあるいは中間ブロック1
5を定置位置まで押送し、あるいは廃棄体A等を牽引し
て取り出しする装置であり、チューブ内を安定して走行
できるように円筒状の本体の円周方向の4箇所に駆動輪
14aを設けている。駆動源は、水平走行であるため、
低馬力のものを使用することができる。
【0024】廃棄体(ガラス固化体+オーバーパック)
Aは、直径が1m前後,長さが2m前後の大きさで、数
トンの重量を有する円筒形容器であるため、廃棄体(オ
ーバーパック)Aには車輪を設け、円滑な移送ができる
ようにする。また、異常時の取り出しを行えるように、
チューブ内移送車14には着脱装置を設け、廃棄体Aあ
るいは中間ブロック15の前面部分を把持して牽引でき
るようにする。
【0025】収納用チューブ11内に廃棄体A等を押し
込みチューブ内移送車14により定置位置まで移送する
ため、次のようなメリットが得られる。即ち、図9
(b) に示すように、主要坑道4と処分坑道3の接続を9
0°とすることができ、図9(a) のような傾斜配置や円
弧部分を無くすことができ、空洞の安定性の向上および
掘削量の低減を図ることができ、廃棄体A等の定置移
送を簡単な機構のチューブ内移送車14で行うことがで
き、遠隔操作時に異常をきたす確率が小さく、安全で確
実な処理作業を行うことができ、従来のベントナイト
ブロックハンドリング装置などの高度な遠隔操作ロボッ
トを必要とせず、装置コストの低減等を図ることがで
き、従来の傾斜配置で円弧部分を有する処分坑道では
処分坑道内にも遠隔操作用のアンテナが必要であるが、
本発明は直線的な坑道群で構成されるため、主要坑道4
にアンテナを設置するだけで良好な遠隔操作が可能とな
り、従来のように処分坑道内にレールを配置する必要
がないため、長大なレールが不要となる。
【0026】以上のような構成において、収納用チュー
ブ11と緩衝材12からなる処分坑道の構築やその他の
施設の構築が完了し、地層処分システムの建設段階が終
了すると、操業段階に移行し、次のような手順で廃棄体
の定置作業が行われる(図2〜4参照)。なお、建設段
階では、作業員が出入りできるが、操業段階では、作業
員は出入りできないため、各装置は無線により自動制御
される。
【0027】(1) 図2に示すように、地上設備からアク
セス坑道により搬入された廃棄体Aを搬送台車13に移
載し、所定の処分坑道3まで搬送する(図2(i))。搬
送台車13の受け台13bを90°水平旋回させて収納
用チューブ11の導入部11aと連続させ、搬送台車1
3に設けた押送装置等により廃棄体Aを若干押し込む
(図2(ii))。主要坑道4等に予め設置してあるチュー
ブ内移送車14を移載装置等により受け台13b上に載
せ(図2(iii))、チューブ内移送車14を駆動させ廃
棄体Aを定置位置まで移送する(図2(iv))。廃棄体A
を定置後、チューブ内移送車14を逆走させ、主要坑道
4等の所定の位置へ戻す。
【0028】(2) 図3に示すように、中間ブロック15
を廃棄体Aの場合と同様に所定の処分坑道3まで搬送す
る(図3(i))。廃棄体Aの場合と同様に、廃棄体Aを
若干押し込み(図3(ii))、チューブ内移送車14によ
り中間ブロック15を既に定置されている廃棄体Aの手
前の定置位置まで移送する(図3(iii),(iv ))。
【0029】(3) 図4に示すように、次の廃棄体Aの搬
送・定置を行う(図4(i))。以上のような廃棄体Aお
よび中間ブロック15の搬送・定置を順次繰り返し、処
分坑道の1本分の定置作業が終了すると(図4(ii))、
永久閉鎖まで後述するモニタリングを継続する。モニタ
リングを終了し、収納用チューブ11の入口を閉鎖用ベ
ントナイトブロック16により閉鎖する(図4(ii
i))。
【0030】なお、廃棄体Aおよび中間ブロック15の
定置移送は、収納用チューブ11の片側から行ってもよ
いし、両側から行うようにしてもよい。前述のモニタリ
ングは、図5に示すように、収納用チューブ11に排水
用溝20を予め加工しておき、収納用チューブを流れて
くる水Wを監視し、廃棄体からの核種の漏洩がないかを
監視する。また、収納用チューブ11の端部付近に熱電
対・応力計21を設置し、土水圧・温度を監視すること
で行う。異常が検出されると、廃棄体Aおよび中間ブロ
ック15をチューブ内移送車14を用いて取り出し、必
要な処置を施す。
【0031】処分坑道3の入口が閉鎖用ベントナイトブ
ロック16により閉鎖されると、主要坑道4・連絡坑道
5・アクセス坑道2を埋め戻し材(掘削された岩盤のず
り+膨潤性ベントナイト)で埋め戻し、地上施設1の解
体・撤去を行い、地層処分が完了する。
【0032】なお、以上は図8(a) の処分坑道横置き方
式に本発明を適用した例であるが、これに限らず、図8
(b) に示す処分立坑竪置き方式にも本発明を適用するこ
とが可能である。この場合、チューブ内移送車に代えて
廃棄体昇降装置を用いればよい。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成からなるの
で、次のような効果を奏することができる。 (1) 操業前に処分坑道内に緩衝材および収納用チューブ
を設置するため、操業時には廃棄体と中間ブロックの搬
入・定置移送作業だけでよく、廃棄体の処理作業を極め
て迅速に行うことができ、作業能率向上によるコストの
低減を図ることができる。
【0034】(2) 緩衝材および収納用チューブの設置
は、操業前であるため作業員が入って綿密な施工を行う
ことができると共に、緩衝材を坑壁岩盤に密実に接着さ
せることができ、完全な処分坑道設備を容易に構築する
ことができる。 (3) 収納用チューブ内に廃棄体等を押し込み移送車等に
より定置位置まで移送するため、主要坑道と処分坑道と
を直交させることができ、空洞の安定性の向上および掘
削量の低減を図ることができる。
【0035】(4) 廃棄体等の定置移送を簡単な機構のチ
ューブ内移送車で行うことができ、遠隔操作時に異常を
きたす確率が小さく、安全で確実な処理作業を行うこと
ができる。 (5) 高度な遠隔操作ロボット(ベントナイトブロックハ
ンドリング装置など)を必要とせず、装置コストの低減
等を図ることができる。
【0036】(6) 直線的な坑道群で構成されるため、主
要坑道にアンテナを設置するだけで良好な遠隔操作が可
能となる。 (7) 廃棄体等をチューブ内の定置位置に押送するため、
処分坑道内にレールを配置する必要がなく、長大なレー
ルが不要となる。
【0037】(8) 廃棄体定置後から閉鎖までの廃棄体近
くのモニタリングが可能となる。 (9) 以上により、信頼性の高い地層処分システムを低コ
ストで構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高レベル廃棄物の地層処分方法を示し
たものであり、(a) は処分坑道設備の一部を示す部分断
面斜視図、(b) は処分坑道設備の全体を示す平面図、
(c) は廃棄体等の定置作業に用いるチューブ内移送車の
斜視図である。
【図2】本発明の高レベル廃棄物の地層処分方法(その
1)を工程順に示した部分断面斜視図である。
【図3】本発明の高レベル廃棄物の地層処分方法(その
2)を工程順に示した部分断面斜視図である。
【図4】本発明の高レベル廃棄物の地層処分方法(その
3)を工程順に示した部分断面斜視図である。
【図5】本発明の高レベル廃棄物の地層処分方法におけ
る処分坑道モニタリングシステムを示す処分坑道の縦断
面図である。
【図6】高レベル廃棄体の構成を示す正面図である。
【図7】高レベル廃棄物の地層処分システムの1例を示
す概略斜視図である。
【図8】高レベル廃棄物の地層処分システムにおける基
本的な廃棄体の定置埋設方式を示す概略斜視図である。
【図9】高レベル廃棄物の地層処分システムにおける処
分空洞の形状を示す概略平面図であり、(a) は従来の場
合、(b) は本発明の場合を示す。
【符号の説明】
A……廃棄体 A1 …ガラス固化体 A2 …オーバーパック B……岩盤 C……緩衝材 1……地上設備 2……アクセス坑道 2a…立坑 2b…斜坑 2c…スパイラル坑道 3……処分坑道 4……主要坑道 5……連絡坑道 6……処分パネル 7……処分孔 11……収納用チューブ 11a…導入部 12……緩衝材(ベントナイト等) 13……搬送台車 13a…台車 13b…受け台 14……チューブ内移送車 14a…駆動輪 15……中間ブロック 16……閉鎖用ベントナイトブロック 20……排水用溝 21……熱電対・応力計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下の地盤中に設けた処分坑道内に廃棄
    体を処分坑道長手方向に間隔をおいて定置して埋設する
    廃棄物の地層処分方法であり、処分坑道を掘削形成した
    後、この処分坑道内に、処分坑道長手方向に連続する収
    納用チューブと、この収納用チューブと処分坑道の内壁
    面との隙間を埋める緩衝材とを設置し、前記収納用チュ
    ーブ内に廃棄体を搬入して定置位置に定置し、次いで中
    間ブロックを搬入し、収納用チューブ内に廃棄体と中間
    ブロックを交互に定置することを特徴とする廃棄物の地
    層処分方法。
  2. 【請求項2】 地下の地盤中に設けた処分坑道内に廃棄
    体を処分坑道長手方向に間隔をおいて定置して埋設する
    廃棄物の地層処分設備であり、処分坑道内に、処分坑道
    長手方向に連続する収納用チューブと、この収納用チュ
    ーブと処分坑道の内壁面との隙間を埋める緩衝材とを設
    置してなることを特徴とする廃棄物のチューブ式地層処
    分設備。
JP35457199A 1999-12-14 1999-12-14 廃棄物の地層処分方法およびチューブ式地層処分設備 Withdrawn JP2001166093A (ja)

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