JP2012093300A - 放射性廃棄物の埋設方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝材ブロックの設置の際に処分孔の内壁から湧き出た地下水を遮断する放射性廃棄物の埋設方法を提供すること。
【解決手段】放射性廃棄物を封入した廃棄体を定置する処分孔を掘削する掘削工程(ステップS1)と、掘削した処分孔の内壁面を遮水性部材で覆う被覆工程(ステップS2)と、内壁面を遮水性部材で覆った処分孔に土質材料を締め固めた緩衝材ブロックを設置する工程(ステップS3)と、緩衝材ブロックを設置した処分孔から遮水性部材を取り除く工程(ステップS4)とを有するので、処分孔の内壁から湧き出た地下水を緩衝材ブロックの設置の際に遮断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射性廃棄物の埋設方法に関し、特に、処分坑道の床面に処分孔を掘削し、その孔内に放射性廃棄物を封入した廃棄体を定置する放射性廃棄物の埋設方法に関する。
原子力の利用に伴い発生する放射性廃棄物は、安全に管理するために適切な方法で処理が行われた後、最終処分される。たとえば、再処理で使用済燃料からウラン、プルトニウム等の有用物を分離した後に残存する放射能レベルの高い廃棄物(高レベル放射性廃棄物)は、ガラスで固化した後、30〜50年間冷却のために貯蔵され、その後、地下深く埋設される。
ガラスで固化した放射性廃棄物(ガラス固化体)を埋設する埋設処分施設(地下施設)は、地上施設から廃棄体(ガラス固化体をオーバーパック(金属製の容器)に封入したもの)や建設資材などを搬送するためのアクセス坑道や連絡坑道、廃棄体を埋設するための処分坑道や処分孔などから構成される。
廃棄体の埋設方法には、処分孔竪置き方式と、処分坑道横置き方式とがある。処分孔竪置き方式は、処分坑道の床面に処分孔を掘削し、その孔内に廃棄体を埋設するもので、予めブロック状に締め固められた緩衝材ブロックを設置することにより、廃棄体のまわりを緩衝材が囲繞する。緩衝材ブロックは、ベントナイトと砂とを混合したベントナイト系土質材料を締め固めることにより作成され、地震等の外力が加わって処分孔が変形した場合に廃棄体に加わる力を低減するとともに、地下水の侵入を阻止する(たとえば、非特許文献1参照)。
原子力発電環境整備機構、"高レベル放射性廃棄物処分の技術と安全性"、[平成22年10月1日検索]、インターネット<http://www.numo.or.jp/library/technical_report/tr0401.html>
しかしながら、上述した放射性廃棄物の埋設方法では、緩衝材ブロックの設置の際に処分孔の内壁から湧き出た地下水を遮断することができない。これにより、緩衝材ブロックの設置の際に処分孔の内壁から湧き出た地下水が緩衝材ブロックに浸透し、緩衝材ブロックが吸水膨潤することになり、緩衝材ブロックの形状が損なわれ、緩衝材ブロックの設置位置を維持することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、処分孔の内壁から湧き出た地下水を緩衝材ブロックの設置の際に遮断する放射性廃棄物の埋設方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、放射性廃棄物を封入した廃棄体を定置する処分孔を掘削する掘削工程と、掘削した処分孔の内壁面を遮水性部材で覆う被覆工程と、内壁面を遮水性部材で覆った処分孔に土質材料を締め固めた緩衝材ブロックを設置する設置工程と、前記緩衝材ブロックを設置した処分孔から前記遮水性部材を取り除く除去工程とを有することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記遮水性部材が円筒形の自立する管であり、前記掘削工程において処分孔を掘削する地層に前記管を挿入することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記管の下端に地層を掘削するビットを設け、前記掘削工程において前記管を回転させることにより、処分孔を掘削する地層に前記管を圧入することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明の被覆工程において、処分孔の底壁面を遮水性部材で覆うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記遮水性部材を取り除いた隙間にペレット状またはスラリー状の土質材料を充填する充填工程を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記遮水性部材を複数回に分けて段階的に取り除き、かつ、それにより生じた隙間にその都度土質材料を充填することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記充填工程において充填した土質材料が前記緩衝材ブロックのまわりに該緩衝材ブロックの密度と同等または小さな密度の外層を形成することを特徴とする。
本発明にかかる放射性廃棄物の埋設方法は、掘削した処分孔の内壁面を遮水性部材で覆うので、処分孔の内壁から湧き出た地下水を緩衝材ブロックの設置の際に遮断する。これにより、緩衝材ブロックの設置の際に処分孔の内壁から湧き出た地下水が緩衝材ブロックに浸透することもなければ、緩衝材ブロックが吸水膨潤することもない。したがって、緩衝材ブロックの形状が損なわれることがなく、緩衝材ブロックの設置位置を維持できる。
また、深部地圧に対して十分な強度を有しない軟岩系岩盤であっても、管が支保工として機能するので、作業員の安全を確保でき、また、処分孔周囲の岩盤のゆるみやそれに伴う劣化を抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態である放射性廃棄物の埋設方法により、放射性廃棄物を埋設した放射性廃棄物の埋設施設の要部を示す模式図である。 図2は、本発明の実施の形態である放射性廃棄物の埋設方法を示す工程図である。 図3は、図2に示した掘削工程および被覆工程の詳細を示す図である。 図4は、図2に示した掘削工程および被覆工程の詳細を示す図である。 図5−1は、図2に示した掘削工程および被覆工程の詳細を示す図である。 図5−2は、地層を掘削するビットを示す図である。 図6は、図2に示した掘削工程および被覆工程の詳細を示す図である。 図7は、図2に示した設置工程の詳細を示す図である。 図8は、図2に示した設置工程の詳細を示す図である。 図9は、図2に示した除去工程および充填工程の詳細を示す図である。 図10は、図2に示した除去工程および充填工程の詳細を示す図である。
以下に、本発明にかかる放射性廃棄物の埋設方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態である放射性廃棄物の埋設方法により、放射性廃棄物を埋設した放射性廃棄物の埋設施設の要部を示す模式図である。また、図2は、本発明の実施の形態である放射性廃棄物の埋設方法を示す工程図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態である放射性廃棄物の埋設方法は、処分坑道1の床面に処分孔2を掘削し、その孔内に廃棄体3を定置する処分孔竪置き方式によるものである。原子力の利用に伴い発生する放射性廃棄物は、ガラスで固化された後、オーバーパックと称される金属製の容器に封入された廃棄体3となり、処分孔2に埋設される。
図2に示すように、本発明の実施の形態である放射性廃棄物の埋設方法は、掘削工程(ステップS1)、被覆工程(ステップS2)、設置工程(ステップS3)、除去工程(ステップS4)、充填工程(ステップS5)を有している。
まず、図3〜図6に基づいて、掘削工程(ステップS1)と被覆工程(ステップS2)とについて説明する。図3〜図6は、図2に示した掘削工程および被覆工程の詳細を示す図である。
掘削工程(ステップS1)は、放射性廃棄物を封入した廃棄体3を定置する処分孔2を掘削する工程であり、被覆工程(ステップS2)は、掘削した処分孔2の内壁面を遮水性部材4で覆う工程である。
遮水性部材4は、円筒形の自立する管や短冊状の鋼矢板を連結したものを用いることができる。円筒形の自立した管は、鋼管、アルミ管などの金属製の管のほか、塩化ビニル管などの樹脂製の管を用いることができる。
図3は、軟岩系岩盤(軟質岩)により構成された地層に処分孔2を掘削する例を示したものであり、支保工および遮水性部材4として大口径の鋼管40(以下、「大口径鋼管40」という)を用いる。図3に示すように、軟岩系岩盤により構成された地層に処分孔2を掘削する場合には、局部掘削、床付け掘削、大口径鋼管40の挿入を繰り返すとともに、大口径鋼管40を継ぎ足すことにより、掘削した処分孔2の内壁面を連続した大口径鋼管40で覆う。なお、大口径鋼管40の継ぎ足しには、溶接、接着、印籠継手などの機械的な接合などを採用し、水密性と一体性を確保する。また、掘削した処分孔2の内壁面から突出した岩は、大口径鋼管40を降ろす際に削り取られるが、これは、大口径鋼管40の自重が大きいことによるものである。管の自重が小さい場合(たとえば、大口径鋼管40に代えて大口径の樹脂製の管を用いた場合)には、処分坑道1の坑道床面に設置した管挿入装置(図示せず)を用いて下向きに押し下げることにより、処分孔2の内壁面から突出した岩を削り取ることができる。
そして、処分孔2をあらかじめ定めた深度まで掘り下げたら、処分孔2の底壁面をセメント系または金属製の遮水性部材で覆う。図3に示す例では、処分孔2の掘削面にモルタルMを打設するとともに水平に敷き均すことにより、処分孔2の底となる岩盤から湧き出る地下水を遮断するとともに緩衝材ブロック5の設置に適した底面を形成する。なお、掘削面に打設するモルタルMは、長期にわたり緩衝材を変質させにくい低アルカリセメントを配合したものが好ましい。
図3に例示した掘削工程は、支保工および遮水性部材4として大口径鋼管40を用いるので、遮水性が担保され、掘削した処分孔2の内壁から湧き出る地下水を遮断できる。また、掘削面にモルタルMを打設するので、処分孔2の底となる岩盤から湧き出る地下水も遮断できる。これにより、大口径鋼管40の内部空間をドライ環境に保つことができる。また、大口径鋼管40の肉厚は、必要に応じて任意の厚みに設定するが、大型機械により上げ下ろしをするので、重量が大きくなっても処分孔2の掘削工程に支障が生じることはない。また、深部地圧に対して十分な強度を有しない軟岩系岩盤であっても大口径鋼管40が支保工として機能するので、作業員の安全を確保でき、また、処分孔周囲の岩盤のゆるみやそれに伴う劣化を抑制できる。なお、図3に示す例では、遮水性部材4に鋼管40を用いる例を示したが、鋼製に限られるものではなく、アルミ製、銅製などの金属製、または、塩化ビニルなどの樹脂製であっても同様の効果が期待できる。
図4は、大口径鋼管40を挿入する部位にラッパ状に拡開した溝21を先行掘削する例を示したものである。図4に示すように、処分孔2を掘削する場合には、先行掘削(ラインドリリング)、大口径鋼管40の挿入、床付け掘削を繰り返すとともに、大口径鋼管40を継ぎ足すことにより、掘削した処分孔2の内壁面を連続した大口径鋼管40で覆う。溝21は、ボーリング装置(図示せず)あるいは削岩機(図示せず)により掘削されるが、軟岩系岩盤(軟質岩)の場合には、チェーンソウに類似した切削装置で掘削することもできる。また、大口径鋼管40の挿入、床付け掘削の順番に代えて、床付け掘削、大口径鋼管40の挿入の順番にしてもよい。
図4に例示した掘削工程は、大口径鋼管40の挿入部位にラッパ状に拡開した溝21を先行掘削することにより、大口径鋼管40の挿入が処分孔2の掘削よりも先行するので、地山安定性が向上する。
図5−1は、回転圧入装置Jを用いて、大口径鋼管40を地層に圧入する例を示したものであり、図5−2に示すように、先端(下端)に地層を掘削するビット41を設けた大口径鋼管40を用いる。図5−1に示すように、回転圧入装置Jが大口径鋼管40を回転させると、大口径鋼管40の先端に設けたビット41が地層を掘削し、大口径鋼管40を地層に圧入する。そして、大口径鋼管40が所定量圧入された時点で大口径鋼管40を継ぎ足すことにより、さらに深く大口径鋼管40を圧入する。なお、処分孔2は、大口径鋼管40を所定量圧入するごとに地層を掘削することにより形成してもよいし、あらかじめ決めた深度まで大口径鋼管40を圧入した後に地層を掘削することにより形成してもよい。
図5−1に例示した掘削工程は、回転圧入装置Jが大口径鋼管40を回転させることにより、大口径鋼管40の先端に設けたビット41が地層を掘削するので、地層に硬い岩盤がある場合であっても効率的に掘削できる。
図6は、遮水性部材4に短冊状の鋼矢板(シートパイル)42を連結したものを用いた例を示したものであり、処分孔2を掘削した後に、掘削した処分孔2の内壁面を鋼矢板42を連結したもので覆う。なお、鋼矢板42と鋼矢板42との連結部の遮水性は完全(水密)ではないので、処分孔2の内壁面と鋼矢板42の外周面との間にベントナイトスラリー22の注入あるいはベントナイトペレットの充填により、裏込め、遮水することが好ましい。
図6に例示した短冊状の鋼矢板42は、狭い坑道内空間での作業に好適であり、短冊状であるため、より小さい力で鋼矢板42を除去できる。
つぎに、図7または図8に基づいて、設置工程について説明する。図7および図8は、図2に示した設置工程の詳細を示す図である。
設置工程(ステップS3)は、内壁面を遮水性部材4(たとえば、大口径鋼管40)で覆った処分孔2に土質材料を締め固めた緩衝材ブロック5を設置する工程である。緩衝材ブロック5は、ベントナイトと砂とを混合したベントナイト系土質材料を締め固めることにより作成され、その乾燥密度を1.6g/cm以上とする。そして、緩衝材ブロック5が設置された処分孔2は、地震等の外力が加わって変形した場合に廃棄体3に加わる力を低減するとともに、地下水の侵入を阻止する。
図7は、軟岩系岩盤(軟質岩)により構成された地層に掘削した処分孔2に緩衝材ブロック5を設置する例を示したものであり、緩衝材ブロック5に、円盤状の緩衝材ブロック51と円環状の緩衝材ブロック52とを用いる。
円盤状の緩衝材ブロック51は、その外径が遮水性部材4の内径よりも小さく形成してあり、その設置の際に遮水性部材4と干渉することがない。円環状の緩衝材ブロック52は、その外径が遮水性部材4の内径よりも小さく、その内径が廃棄体3の外径よりも大きく形成してあり、その設置の際に遮水性部材4と干渉することがなく、また、その内部に収納する廃棄体3と干渉することもない。
図7に示すように、設置工程(ステップS3)では、円盤状の緩衝材ブロック51の上に複数の円環状の緩衝材ブロック52を積み重ねて設置することにより、緩衝材ブロック5(円環状の緩衝材ブロック52)の内部に収納領域Sを設ける。そして、この収納領域Sに廃棄体3を収納する。その後、収納領域Sと廃棄体3との間に生じる隙間には、粒状に成型されたベントナイトペレット60を密実に充填することにより、隙間における有効ベントナイト乾燥密度(砂の体積を除去した領域に存在するベントナイトの密度を乾燥密度で表示した値)が緩衝材ブロック5の有効ベントナイト乾燥密度に同等程度となるように充填する。たとえば、緩衝材がベントナイト70%砂30%の配合率で乾燥密度が1.6g/cmである場合には有効ベントナイト乾燥密度は約1.4g/cmとする。その後さらに、円環状の緩衝材ブロック52の上に円盤状の緩衝材ブロック51を積み重ねて設置することにより、収納領域Sを閉鎖する。
なお、本実施の形態では、緩衝材ブロック5に、円盤状の緩衝材ブロック51と円環状の緩衝材ブロック52とを用いたが、中央をくり抜いた円環状のブロックを等分した扇形の緩衝材ブロックとくり抜いた中央を埋める円柱形の緩衝材ブロックとを用いてもよい。
図7に例示した設置工程は、上述した被覆工程において処分孔2の内壁面を遮水性部材4で覆ってあるので、ドライ環境下で緩衝材ブロック5を設置できる。これにより、吸水膨潤性の大きな緩衝材ブロック5の吸水膨潤を回避できる。また、遮水性部材4は、緩衝材ブロック5を降ろす際のガイドとしても機能するので、緩衝材ブロック5が処分孔2の内壁面から突出した岩に衝突することがなく、緩衝材ブロック5の損傷を最小限に抑えることができる。
図8は、硬岩系岩盤(硬質岩)により構成された地層に掘削した処分孔2に緩衝材ブロック5を設置する例を示したものである。図8に示すように、硬岩系岩盤では、支保工を必要としない場合もあるが、そのような場合には掘削工程(ステップS1)と設置工程(ステップS3)との間に遮水性部材4を設置する。なお、この場合には、打設したモルタルMと遮水性部材4との間にゴムパッキンなどのシール部材を介在させ、遮水性能を高めることが好ましい。
つぎに、図9または図10に基づいて、除去工程(ステップS4)と充填構造(ステップS5)とについて説明する。図9および図10は、図2に示した除去工程および充填工程の詳細を示す図である。
除去工程(ステップS4)は、緩衝材ブロック5を設置した処分孔2から遮水性部材4を取り除く工程であり、充填工程(ステップS5)は、遮水性部材4を取り除いた隙間にペレット状またはスラリー状の土質材料6を充填する工程である。
図9は、遮水性部材4を取り除いた隙間に粒状に成型されたベントナイトペレット60を密実に充填する例を示したものである。このようにベントナイトペレット60を充填することにより、隙間における有効ベントナイト乾燥密度を1.4g/cmとする。
このように、隙間における有効ベントナイト乾燥密度を1.4g/cmとすれば、ベントナイトが有する吸水膨潤性により緩衝材ブロック5と同程度の自己シール性を発揮し、緩衝材ブロック5への地下水の浸透を抑制できる。
図10は、遮水性部材4を複数回に分けて段階的に取り除き、かつ、それにより生じた隙間にその都度ベントナイトペレット60を充填する例を示したものである。
図10に示すように、遮水性部材4を段階的に取り除く(引き抜く)工程と、隙間にベントナイトペレット60を充填する工程とを交互に繰り返すことにより、遮水性部材4を取り除くとともに、隙間にベントナイトペレット60を充填する。このように、遮水性部材4を引き抜いた直後に隙間にベントナイトペレット60を充填すると、岩盤の変形や崩壊によって隙間にベントナイトペレット60を充填できなくなることがない。
ここで、処分孔2の内壁面と緩衝材ブロック5の外周面との間に生じた隙間に粒状に成型されたベントナイトペレット60の代わりにベントナイトスラリー(懸濁液)を充填してもよいし、ベントナイトペレット60とベントナイトスラリーとを併用して充填してもよい。このように材料を適宜選択することにより、隙間における有効ベントナイト乾燥密度を0.6から1.6g/cmの範囲の任意の密度とすることができる。
これらの材料を適宜選択することによって、隙間における有効ベントナイト乾燥密度を緩衝材ブロック5の有効ベントナイト乾燥密度よりも小さくすると、緩衝材ブロックの5のまわりに緩衝材ブロック5よりも若干大きな透水性の外層が形成される。この外層は、早期に地下水を吸水膨潤するので、緩衝材ブロック5のまわりに早期に、かつ、均等に難透水性層を形成する。これにより、緩衝材ブロック5と緩衝材ブロック5との継ぎ目から先行して地下水が浸透する事態が回避されるので、緩衝材ブロック5の中心部へ向かう地下水の浸潤領域が均等に進展して、バランスよい膨潤圧や変形の分布をもたらす。このような手段を用いることは、放射性廃棄物の処分の安全性を実証するために行う実物大の模擬実験において、均等な地下水浸潤領域の進展と均等な膨潤圧の発生を維持できるので、実験の試験体である模擬緩衝材の境界条件を適切に制御でき、結果として、より有効な計測データを取得できる。
上述した本発明の実施の形態である放射性廃棄物の埋設方法は、掘削した処分孔2の内壁面を処分孔2の内壁から湧き出た地下水を遮断する遮水性部材4で覆うので、処分孔2の内壁から湧き出た地下水を緩衝材ブロック5の設置の際に遮断する。これにより、緩衝材ブロック5の設置の際に処分孔2の内壁から湧き出た地下水が緩衝材ブロック5に浸透することもなければ、吸水膨潤することもない。したがって、緩衝材ブロック5の形状が損なわれることがなく、緩衝材ブロック5の設置位置を維持できる。
1 処分坑道
2 処分孔
21 溝
22 ベントナイトスラリー
3 廃棄体
4 遮水性部材
40 大口径鋼管
41 ビット
42 鋼矢板
5 緩衝材ブロック
51 円盤状の緩衝材ブロック
52 円環状の緩衝材ブロック
6 土質材料
60 ベントナイトペレット
J 回転圧入装置
M モルタル
S 収納領域

Claims (7)

  1. 放射性廃棄物を封入した廃棄体を定置する処分孔を掘削する掘削工程と、
    掘削した処分孔の内壁面を遮水性部材で覆う被覆工程と、
    内壁面を遮水性部材で覆った処分孔に土質材料を締め固めた緩衝材ブロックを設置する設置工程と、
    前記緩衝材ブロックを設置した処分孔から前記遮水性部材を取り除く除去工程と
    を有することを特徴とする放射性廃棄物の埋設方法。
  2. 前記遮水性部材が円筒形の自立する管であり、前記掘削工程において処分孔を掘削する地層に前記管を挿入することを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物の埋設方法。
  3. 前記管の下端に地層を掘削するビットを設け、前記掘削工程において前記管を回転させることにより、処分孔を掘削する地層に前記管を圧入することを特徴とする請求項2に記載の放射性廃棄物の埋設方法。
  4. 前記被覆工程において、処分孔の底壁面を遮水性部材で覆うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の放射性廃棄物の埋設方法。
  5. 前記遮水性部材を取り除いた隙間にペレット状またはスラリー状の土質材料を充填する充填工程を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の放射性廃棄物の埋設方法。
  6. 前記遮水性部材を複数回に分けて段階的に取り除き、かつ、それにより生じた隙間にその都度土質材料を充填することを特徴とする請求項5に記載の放射性廃棄物の埋設方法。
  7. 隙間に充填した土質材料が前記緩衝材ブロックのまわりに該緩衝材ブロックの密度と同等または小さな密度の外層を形成することを特徴とする請求項5または6に記載の放射性廃棄物の埋設方法。
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