JP2008127345A - ジホスフィンコア型両親媒性デンドリマー、その製造方法、二座ホスフィン配位子及びその配位構造を有する含パラジウム錯体化合物 - Google Patents

ジホスフィンコア型両親媒性デンドリマー、その製造方法、二座ホスフィン配位子及びその配位構造を有する含パラジウム錯体化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】新規二座ホスフィン配位子として有用なジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーを提供する。
【解決手段】一般式(I)
Figure 2008127345

[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(II)
Figure 2008127345

(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZは2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基)で表される基である]で表されるデンドリマーとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なジホスフィンコア型両親媒性デンドリマー、このものを製造する方法、このデンドリマーからなる二座ホスフィン配位子及びこのものの配位構造を有する含パラジウム錯体化合物に関するものである。
デンドリマーは中心核から周囲に樹木状に枝分かれした分子構造を有し、コアと呼ばれる中心部分とデンドロンと呼ばれる枝分かれ繰り返し部分、及び末端基から構成され、分子構造及び分子サイズを高度に制御することが可能な高分子化合物である。この特異な構造に着目し、近年デンドリマーの様々な部位に官能基を導入することにより、機能性高分子としての利用が試みられている(非特許文献1参照)。
デンドリマーに触媒機能をもたせることもその1つで、既にこれまでに多くのデンドリマー固定型触媒が開発され、その殆どはデンドリマー分子の最外殻に触媒を固定化したものや中心核に触媒を固定化したものである(非特許文献2、3参照)。
例えば代表的なデンドリマー固定化有機金属触媒として、デンドリマーの末端に導入したジアミンを二座配位子としたデンドリマー固定型ニッケル錯体触媒(非特許文献4参照)、親油性のデンドリマーのコア部に導入したホスフィン骨格やジホスフィン骨格を配位子としたデンドリマー固定型白金ホスフィン錯体触媒(非特許文献5参照)などが挙げられる。
またデンドリマー固定型有機金属錯体触媒は、そのサイズがナノレベルであることから、液相膜反応器(メンブレンリアクター)への適用により、デンドリマー固定型触媒のリサイクルによる連続反応化も可能である(非特許文献6、7参照)。この場合、特に金属触媒が二座固定化の場合、二座ゆえ金属活性種の離脱が抑制されるため、錯体触媒の効率的なリサイクルが達成される。
「デンドリマーズ・アンド・デンドロンズ(Dendrimers and Dendrons)」、2001年、p.51(WILEY−VCH) 「有機合成化学協会誌」、2000年、第58巻、p.988 「化学工業」、2001年、第52巻、p.933 「ネイチャー(Nature)」、1994年、第372巻、p.659 「オルガノメタリクス(Organometallics)」、2001年、第20巻、p.5342 「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティー(J.Am.Chem.Soc.)」、1996年、第118巻、p.11111 「ジャーナル・オブ・キャタリスト(J.Cat.)」、1999年、第183巻、p.163
本発明の課題は、このような事情のもとで、水中有機合成用の有機金属錯体触媒の原料となる二座ホスフィン配位子として有用である、デンドリマーの末端部に親水性基を有し、コア部にジホスフィン骨格を有するジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーを提供することにある。
本発明者らは、前記したデンドリマーの末端部に親水性基を有するジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーについて鋭意研究を重ねた結果、溶媒中において、対応する両親媒性デンドリマー固定型ジホスフィンオキシドの還元や、ジホスフィンコア型デンドリマー末端のエステル基の加水分解などにより、新規なジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーが容易に得られること、そしてこのジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーは二座配位子として利用でき、このものを二座配位子とし調製される両親媒性デンドリマー固定型パラジウムホスフィン錯体は、パラジウムホスフィン錯体触媒により活性化される有機反応を水中でも効率的に促進させることから、水中有機合成用新規錯体触媒として有用であることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
〈1〉 一般式(I)
Figure 2008127345
[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(II)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
で表される基である]
で表されるデンドリマーであることを特徴とするジホスフィンコア型両親媒性デンドリマー。
〈2〉 一般式(III)
Figure 2008127345
[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、G′は一般式(IV)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、kは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
で表される基である]
で表されるジホスフィンオキシドコア型デンドリマーを、溶媒中で還元することを特徴とする一般式(V)

Figure 2008127345
(式中、U、G′は上記のとおりである)
で表されるジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーの製造方法。
〈3〉 一般式(VI)
Figure 2008127345
[Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、G″は一般式(VII)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Rは炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、mは0以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
で表される基である]
で表されるジホスフィンコア型デンドリマーを、塩基を用いて加水分解した後酸と反応させ、場合によりさらに水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと反応させることを特徴とする一般式(VIII)

Figure 2008127345
[式中、Uは上記のとおりであり、Gは一般式(IX)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R、R、p、q、r、s、t、Y、Z、n、d、e及びfは上記のとおりであり、Mは水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子又はカリウム原子を示す)
で表される基である]
で表されるジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーの製造方法。
〈4〉 前記〈1〉記載のジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーからなる二座ホスフィン配位子。
〈5〉 前記〈4〉記載の二座ホスフィン配位子を含む配位構造を有する一般式(X)

Figure 2008127345
[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(II)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合Xは水素原子以外の前述した官能基である)
で表される基、Lはハロゲン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硝酸イオン又は酢酸イオンを示す]
又は一般式(XI)

Figure 2008127345
[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(II)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
で表される基、L及びLはそれぞれ異なって、ハロゲン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン又はアリルアニオンを示す]
で表される両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ジホスフィン錯体。
〈6〉上記〈5〉に記載の含パラジウム錯体化合物の中から選ばれた少なくとも1種からなる水中での炭素−炭素結合生成反応用触媒。
本発明において、一般式(I)、(X)及び(XI)における置換基OG、一般式(III)及び(V)における置換基OG′、一般式(VI)における置換基OG″及び一般式(VIII)における置換基OGは、フェニル基の2,3,4,5,6位のいずれかに置換される。
本発明の新規なジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーは、下記一般式(I)で表される。

Figure 2008127345
[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(II)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
で表される基である]
このデンドリマーについて、前記式中の置換基における各符号で示される内容を具体的に説明することにより、その構造をさらに明らかにする。
(1)Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基を示す。2価炭化水素基には、直鎖2価脂肪族基や2価芳香族基が包含される。直鎖2価脂肪族基としては、炭素数1〜10、好ましくは1〜4のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基)が挙げられる。
2価芳香族基としては、1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基及び2,3−ナフチレン基、(1,1′−ビナフタレン)2,2′−ジイル基が挙げられる。
(2)R、R、R及びRは2価炭化水素基を示すが、この基には、2価脂肪族基や2価芳香族基が包含される。2価脂肪族基には鎖状及び環状のものが包含される。2価芳香族基にはアリーレン基及びアラルキレン基が包含される。
2価脂肪族基としては、炭素数1〜10、好ましくは1〜4のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等)や、炭素数3〜8、好ましくは5〜6のシクロアルキレン基(例えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等)が挙げられる。
2価芳香族基としては、炭素数6〜14、好ましくは6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基等)や、炭素数7〜20、好ましくは7〜13のアラルキレン基、例えば一般式(XII)で表される基等が挙げられる。
−(R−Ar−(R− (XII)
(式中、Arはアリーレン基を示し、R及びRは炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキレン基を示し、y及びzは1又は0で、これらのいずれか一方は1である)
(3)Y及びZはO、S、スルフィニル基(−SO−)、スルホニル基(−SO−)、アミド基[−NRCO−、−CONR−(Rは水素原子又はアルキル基)]又はカルボニル基(−CO−)を示すが、好ましくはO、S又はスルホニル基(−SO−)である。
(4)p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1を示すが、好ましくはp、q及びrが1でs及びtは0、あるいはpが1でq、r、s及びtは0である。
(5)mは0以上の整数で好ましくは0〜50である。Xは水素原子、カルボキシル基(COH)、リチウムカルボキシレート基(COLi)、ナトリウムカルボキシレート基(CONa)又はカリウムカルボキシレート基(COK)を示す。但しmが0の場合、Xは水素原子以外の上記官能基に限定される。mが1以上の場合、Xは水素原子が好ましい。
(6)繰り返し構造の世代数nは1以上の整数を示すが、好ましくは1〜6である。
(7)d、e及びfのうち、少なくとも2つが1、残りは0を示す。
符号Gで表される基の一例として、d、e及びfのうち、いずれか2つが1でn=3の場合について示すと次のとおりである。
−(R−(Y)−(R−(Z)−(R−C−[O−(R−(Y)−(R−(Z)−(R−C−[O−(R−(Y)−(R−(Z)−(R−C−[O−(CHCHO)−R−X]
前記一般式(I)のデンドリマーにおいて、繰り返し構造は一般式(XIII)で表される。
Figure 2008127345
(式中、R、R、R、Y、Z、d、e、f、p、q、r、s及びtは、前記と同じ意味を示す。)
この繰り返し構造として好ましくは、化16中の各符号について、d、f及びpが1、e、q、r、s及びtが0、Rがアルキレン基であるものが挙げられる。
本発明のジホスフィンコア型両親媒性デンドリマー(I)の製造について述べる。
i)一般式(II)においてXが水素原子であるものについては、一般式(III)
Figure 2008127345
[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、G′は一般式(IV)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、kは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
で表される基である]
で表されるジホスフィンオキシドコア型デンドリマーを、溶媒中で還元することにより製造することができる。
還元操作は、好ましくはトリエチルアミン等の三級アミン存在下トリクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、クロロジフェニルシランやジクロロフェニルシランを還元剤に用い、また反応条件については、反応温度は、通常室温〜150℃の範囲で選ばれ、また反応時間は、反応温度や使用する溶媒等のその他の条件により異なり、一概に定めることはできないが、好ましくは6〜72時間程度である。また溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリルやトルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素が好ましい。
ii)一般式(II)においてXがカルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基であるものについては、一般式(VI)
Figure 2008127345
[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、G″は一般式(VII)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Rは炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、mは0以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
で表される基である]
で表されるジホスフィンコア型デンドリマーを、溶媒中で水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の塩基を用いて加水分解した後、酸、例えば塩酸または硫酸で処理しカルボキシル基体を得、場合によりさらに塩基、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと中和反応させることにより製造することができる。
本ジホスフィンコア型デンドリマーを二座ホスフィン配位子として、含パラジウム錯体化合物(触媒)を調製する場合、この調製の直前に中和反応を行うのが好ましい。
加水分解操作の溶媒としては、これらの塩基化合物を溶解させる、メタノールやエタノール等のアルコールやジオキサン、テトラヒドロフラン、及びこれらの混合溶媒や、これらと水との混合溶媒が好ましい。酸処理も同様である。塩基との中和反応はこれらの溶媒のみならず、水のみでもよい。
加水分解操作は、通常室温〜100℃の温度で行われる。酸処理や中和反応は、通常室温で行われる。
加水分解操作の反応温度は使用する溶媒等のその他の条件により異なり、一概に定めることはできないが、好ましくは2〜12時間程度である。酸処理や中和反応は、多くの場合反応速度は速く、1分以内程度である。
この場合、原料となる一般式(VI)で表されるジホスフィンコア型デンドリマーは、対応するジホスフィンオキシドコア型デンドリマーを、前記i)の場合と同様に還元することにより製造される。
前記i)における原料物質や前記ii)における原料物質の原料に対応する下記一般式(XIV)
Figure 2008127345
[式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(XV)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Wは水素原子又はエステル基CO(Rは炭化水素基)、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合Wはエステル基COである)
で表される基である]
で表される、ジホスフィンオキシドコア型両親媒性デンドリマーは、一般式(XVI)

Figure 2008127345
(式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、水酸基は、フェニル基の2,3,4,5,6位のいずれかに置換される)
で表される含水酸基ホスフィンオキシドと、一般式(XVII)

Figure 2008127345
(式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Wは水素原子又はエステル基CO(Rは炭化水素基)、Tはハロゲン原子、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はWはエステル基COである)
で表される含ハロゲンデンドロンを、溶媒中で塩基存在下、加熱することにより製造することができる。
塩基としては、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
加熱温度は、通常室温から150℃の範囲で選ばれるが、50℃から100℃が好ましい。また、反応中、反応液は攪拌するのがよい。
前記i)及びii)の方法における反応終了後、溶媒及び未反応物質を分離除去することにより反応生成物が得られ、H−NMR及び31P−NMR測定より目的物の生成が確認される。ただしii)において、カルボキシル基体製造後の水酸化カリウム等を用いた中和反応は、単純な中和反応ゆえ目的とするカルボキシレート体の生成を確認することなく、含パラジウム錯体化合物(触媒)を調製した。
本発明の一般式(I)で表されるジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーは二座配位子としての利用が可能である。このジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーを二座配位子とした金属化合物との反応の1例について、以下に説明する。
脱酸素雰囲気下、前記配位子としてのジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーと一般式(XVIII)又は(XIX)
Pd(L(XVIII)
PdL(XIX)
(式中L、L、及びLは、ハロゲン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、アリルアニオンC を示し、またL及びLはそれぞれ異なる。但しアリルアニオンはL又はLに適用される)
の組成で表されるパラジウム(II)化合物とを溶媒中でそれぞれ反応させ、一般式(X)

Figure 2008127345
(式中、U、Gは前述したものと同じ。Lはハロゲン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硝酸イオン又は酢酸イオンを示す。)
や一般式(XI)

Figure 2008127345
(式中U、Gは前述したものと同じ。LとLはハロゲン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン又はアリルアニオンを示す)
で表される、デンドリマーコア部のジホスフィン骨格を二座配位子とする両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ジホスフィン錯体を製造することができる。
この反応は溶媒に所定のジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーを溶解させ、パラジウム(II)化合物を添加して行われる。溶媒には水や有機溶媒、好ましくはジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶媒が用いられる。
また反応は、格別加熱することなく、室温程度で進行させることができるが、加熱により促進させるようにしてもよい。また、反応中、反応液は攪拌するのがよい。
反応終了後、溶媒の減圧留去により反応生成物が得られ、そのH−NMR及び31P−NMRの測定より目的物の生成が確認される。
このように、上記パラジウム(II)化合物は、二座配位子としての上記デンドリマーで配位されることにより固定化される。この新規な両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ジホスフィン錯体は、各種のパラジウム(II)ホスフィン錯体触媒により活性化される有機反応、例えばSuzuki−Miyaura反応、Tsuji−Trost反応等の炭素−炭素結合生成反応に適用することにより、水中でも反応を促進させることができることから、水中有機合成用のパラジウム(II)ジホスフィン錯体触媒として有用である。
本発明の一般式(X)及び(XI)で表される両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ジホスフィン錯体をこのような水中有機合成用のパラジウム(II)ホスフィン錯体触媒として用いた反応の1例について、以下に説明する。
前記触媒としてのパラジウム(II)ジホスフィン錯体の存在下に、一般式

Figure 2008127345
(式中、R、R、R10、R11及びR12は、水素原子又は炭化水素基であって、R及びR、R及びR10、R11及びR12それぞれにおいて、いずれも炭化水素基の場合、両者は互いに結合して環を形成してもよい。またこれらの炭化水素基には触媒反応において関与しないアルコキシ基やアセチル基等の置換基を有していてもよい)
で表されるホウ酸誘導体と、一般式

Figure 2008127345
(式中、Jはハロゲン原子、ヒドロキシル基、アセトキシ基(OCOCH)、炭酸エステル基(OCOR R:炭化水素基)、トリフルオロメタンスルホニル基(OSOCF)又はメタンスルホニル基(OSOCH)、R13、R14及びR15は、水素原子又は炭化水素基であって、R13及びR14、R13及びR15それぞれにおいて、いずれも炭化水素基の場合、両者は互いに結合して環を形成してもよい。またR13、R14及びR15それぞれが炭化水素基の場合、これらの炭化水素基には触媒反応において関与しないアルコキシ基やアセチル基等の置換基を有していてもよい。iは0又は1を示すが、0の場合、Jはヒドロキシル基、アセトキシ基及び炭酸エステル基以外の置換基である)
で表される有機化合物を、水中で反応させ、一般式

Figure 2008127345
(式中、R、R、R10、R13、R14及びR15は前記と同じ意味を示し、iは0又は1を示す)
で表されるカップリング化合物を製造することができる。
この反応は、触媒を溶媒である水に溶解又は懸濁させ、原料物質を添加させて行われる。溶媒としてジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン等の有機溶媒を用いてもよい。
また反応は、室温程度で進行させることもできるが、加熱により反応を促進させるのが好ましい。反応中、反応液は攪拌するのがよい。
反応終了後反応液を抽出し、分離精製、例えばシリカゲルカラムクロマトグラフィー等でのそれにより目的物質を得ることができる。
本発明の両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ジホスフィン錯体触媒は、デンドリマーの世代数を大きくすることによりナノフィルター(NF膜)での濾別分離が可能となる。そのため本触媒の液相膜反応器(メンブレンリアクター)への適用により、デンドリマー固定型触媒のリサイクルによる連続反応化が可能となり、とりわけ二座固定化故金属活性種の離脱が抑制され高効率的な錯体触媒のリサイクルが可能となり、膜分離に基づく省エネ型化学プロセスが達成される。それ故本パラジウム(II)ジホスフィン錯体触媒は水中プロセス化のみならず、触媒反応プロセスの省エネ化にも資するものである。
このように、前記一般式(X)、(XI)で表される両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ジホスフィン錯体は、パラジウム(II)ホスフィン錯体触媒として有用であり、本触媒を用いることにより水中でも効率的に、パラジウム(II)ホスフィン錯体触媒により活性化される炭素−炭素結合生成反応を促進させることができる。
本発明によれば、新規なジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーを得ることができ、本化合物は両親媒性二座ホスフィン配位子として有用である。また、本発明によれば、このものを配位子とする新規な両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ジホスフィン錯体が得られる。この錯体は、水中有機合成用のパラジウム(II)錯体触媒として有効であり、Suzuki−Miyaura反応などの種々の炭素−炭素結合生成反応を水中で効率よく進行させ、さらに膜分離により錯体触媒の高効率的なリサイクルに資するものである。
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例において、脱酸素無水キシレン溶液、脱酸素無水ベンゼン溶液、脱酸素水溶液等における脱酸素溶媒は、アルゴンで脱気させて調製されたものである。
アルゴン雰囲気下、以下の構造式
Figure 2008127345
で表されるジホスフィンオキシドコア型デンドリマー199mgの脱酸素無水キシレン溶液(9.3ml)に0℃にてトリエチルアミン148mgと、トリクロロシラン172mgの脱酸素キシレン溶液(0.9ml)を順次加え、室温で5分攪拌後120℃で21時間攪拌し反応させた。
このようにして得られた反応溶液を、0℃にて炭酸水素ナトリウム435mgの脱酸素水(2ml)とジクロロメタン(30ml)の混合溶液に加え攪拌した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いでセライトろ過し、ろ液を減圧下で溶媒留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製した(無色油状、収量170mg、収率86.7%)。
この生成物の核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
H−NMR(500MHz,C)δ/ppm 7.36(dt,8H,J=8.5,3.0Hz),6.83(d,8H,J=8.5Hz),6.64(bs,8H),6.54(s,4H),4.68(s,8H),3.78(t,16H,J=4.9Hz),3.52(t,16H,J=4.9Hz),3.48−3.40(m,48H),3.33(t,16H,J=4.9Hz),3.11(s,24H),2.27(t,4H,J=3.8Hz)
31P−NMR(202MHz,C)δ/ppm −16.0
これらの分析結果より、この生成物は以下の構造式で表される化合物と同定された。

Figure 2008127345
アルゴン雰囲気下、以下の構造式
Figure 2008127345
で表されるジホスフィンコア型デンドリマー1.06gのテトラヒドロフラン溶液(安定剤含有;30ml)に、水酸化カリウム722mgの無水メタノール溶液(10ml)を加え、50℃にて24時間撹拌した。生成したカルボン酸塩を溶解させるため、反応開始後白色沈殿が生成するたびに1mlずつ脱酸素水を加えた(計3ml)。
反応後、反応液を減圧下で溶媒留去し、得られた油状物質を1mol/l塩酸(24ml)に滴下して目的生成物を沈降させ、これを濾別し55℃で12時間真空乾燥した(白色粉体、934mg、収率93.0%)。
この生成物の核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
H−NMR(500MHz,DMF−d)δ/ppm 13.34(bs,8H),8.08(d,16H,J=8.2Hz),7.65(d,16H,J=8.2Hz),7.38(dt,8H,J=8.4,3.4Hz),7.08(d,8H,J=8.4Hz),6.87(d,8H,J=2.1Hz),6.78(t,4H,J=2.1Hz),5.27(s,16H),5.12(s,8H),2.08(bs,4H)
31P−NMR(202MHz,DMF−d)δ/ppm −16.74
これらの分析結果より、この生成物は以下の構造式で表される化合物と同定された。
Figure 2008127345
アルゴン雰囲気下、以下の構造式
Figure 2008127345
で表されるジホスフィンコア型デンドリマー1.84gのテトラヒドロフラン溶液(安定剤含有;30ml)に、水酸化カリウム1.27gの無水メタノール溶液(10ml)を加え、50℃にて24時間撹拌した。生成したカルボン酸塩を溶解させるため、反応開始後白色沈殿が生成するたびに1mlずつ脱酸素水を加えた(計3ml)。
反応後、反応液を減圧下で溶媒留去し、得られた油状物質を1mol/l塩酸(48ml)に滴下して目的生成物を沈降させ、これを濾別し55℃で12時間真空乾燥した(白色粉体、1.62g、収率72.3%)。
この生成物の核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
H−NMR(500MHz,DMF−d)δ/ppm 13.34(bs,16H),8.06(d,32H,J=8.2Hz),7.63(d,32H,J=8.2Hz),7.34(dt,8H,J=8.5,3.4Hz),7.06(d,8H,J=8.5Hz),6.85(d,16H、J=1.8Hz),6.82(d,8H,J=1.5Hz),6.76(bs,8H),6.72(bs,4H),5.25(s,32H),5.11(s,24H),2.05(bs,4H)
31P−NMR(202MHz,DMF−d)δ/ppm −19.0
これらの分析結果より、この生成物は以下の構造式で表される化合物と同定された。
Figure 2008127345
アルゴン雰囲気下、実施例3で得られたジホスフィンコア型デンドリマー36.0mgのN、N−ジメチルホルムアミド溶液(0.75ml)に、ビス(π−アリル)ジクロロジパラジウム(II)[PdClC1.6mgを加え、室温で5分間攪拌し反応させた。
このようにして得られた溶液を減圧下で溶媒留去し、50℃で4日間真空乾燥し、目的生成物40.9mgを得た。
このものの核磁気共鳴スペクトル分析結果は次の通りである。
H−NMR(500MHz,DMF−d)δ/ppm 13.35(s,16H),8.08(d,32H,J=8.2Hz),7.73(t,8H,J=8.2Hz),7.64(d,32H,J=8.2Hz),7.21(d,8H,J=8.2Hz),6.90−6.75(m,36H),6.04(quin,1H,J=10.5Hz),5.27(s,32H),5.18(s,8H),5.14(s,16H),4.37(bs,2H)3.62(d,1H,J=6.7Hz),2.79(bs,4H),2.64(d,1H,J=11.9Hz))
31P−NMR(202MHz,DMF−d)δ/ppm 50.1
これらの分析結果より、この生成物は式(XX)
Figure 2008127345
で表される含パラジウム化合物であることが確認された。
アルゴン雰囲気下脱酸素水中(2.5ml)、実施例2で得られたジホスフィンコア型デンドリマー74.8mgと水酸化カリウム19.8mgよりカリウムカルボキシレート体を調製し、このものにビス(π−アリル)ジクロロジパラジウム(II)[PdClC7.2mgを加え室温で15分攪拌し、式(XXI)
Figure 2008127345
で表される含パラジウム化合物からなるパラジウム(II)ホスフィン錯体触媒含有溶液を調製した。この溶液にヨードベンゼン681mg、4−アセチルフェニルホウ酸821mg、炭酸カリウム2.07g、及び脱酸素水6.7mlを順次加え、60℃にて36時間攪拌し反応させた。
反応終了後、反応液をジエチルエーテルで4回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後濾液を減圧下で溶媒留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)で分離精製して以下の構造式
Figure 2008127345
で表されるカップリング生成物389mg(収率59%)を得た。

Claims (6)

  1. 一般式(I)
    Figure 2008127345
    [式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(II)

    Figure 2008127345
    (式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
    で表される基である]
    で表されるデンドリマーであることを特徴とするジホスフィンコア型両親媒性デンドリマー。
  2. 一般式(III)
    Figure 2008127345
    [式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、G′は一般式(IV)

    Figure 2008127345
    (式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、kは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
    で表される基である]
    で表されるジホスフィンオキシドコア型デンドリマーを、溶媒中で還元することを特徴とする一般式(V)

    Figure 2008127345
    (式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、G′は上記のとおりである)
    で表されるジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーの製造方法。
  3. 一般式(VI)
    Figure 2008127345
    [式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、G″は一般式(VII)

    Figure 2008127345
    (式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Rは炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、mは0以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示す)
    で表される基である]
    で表されるジホスフィンコア型デンドリマーを、溶媒中で塩基を用いて加水分解した後酸と反応させ、場合によりさらに水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムと反応させることを特徴とする一般式(VIII)

    Figure 2008127345
    [式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(IX)

    Figure 2008127345
    (式中、R、R、R、R、p、q、r、s、t、Y、Z、n、d、e及びfは上記のとおりであり、Mは水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子又はカリウム原子を示す)
    で表される基である]
    で表されるジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーの製造方法。
  4. 請求項1記載のジホスフィンコア型両親媒性デンドリマーからなる二座ホスフィン配位子。
  5. 請求項4記載の二座ホスフィン配位子を含む配位構造を有する一般式(X)
    Figure 2008127345
    [式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(II)

    Figure 2008127345
    (式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
    で表される基、Lはハロゲン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硝酸イオン又は酢酸イオンを示す]
    又は一般式(XI)

    Figure 2008127345
    [式中、Uは2価炭化水素基または1,1′−フェロセニレン基、Gは一般式(II)

    Figure 2008127345
    (式中、R、R、R及びRは2価炭化水素基、Y及びZはO、S、SO、SO、アミド基又はカルボニル基から成る2価連結基、Xは水素原子、カルボキシル基、リチウムカルボキシレート基、ナトリウムカルボキシレート基又はカリウムカルボキシレート基、p、q、r、s及びtはそれぞれ0又は1、nは1以上の整数、d、e及びfのうち少なくとも2つが1、残りは0を示し、mは0以上の整数であるが、mが0の場合はXは水素原子以外の前述した官能基である)
    で表される基、L及びLはそれぞれ異なって、ハロゲン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン又はアリルアニオンを示す]
    で表される両親媒性デンドリマー固定型パラジウム(II)ジホスフィン錯体。
  6. 請求項5に記載の含パラジウム錯体化合物の中から選ばれた少なくとも1種からなる水中での炭素−炭素結合生成反応用触媒。
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