JP2008126529A - 加飾成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】意匠性に優れており、かつ光沢感および高級感を有する加飾成形体を提供すること。
【解決手段】透光性を有する樹脂成形体20に、加飾面22aを有する加飾層22が積層された加飾成形体10であって、樹脂成形体20の少なくとも裏面に加飾層22を積層すると共に、樹脂成形体20において加飾層22と接する面と反対側の面となる表面に微細な凹凸18を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】透光性を有する樹脂成形体20に、加飾面22aを有する加飾層22が積層された加飾成形体10であって、樹脂成形体20の少なくとも裏面に加飾層22を積層すると共に、樹脂成形体20において加飾層22と接する面と反対側の面となる表面に微細な凹凸18を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、加飾層を有する加飾成形体に関する。
近年、携帯電話等の電子機器の分野では、多機能化に伴い、外観におけるデザインの多様化が進んでいる。そのため、携帯電話等においては、他機種との差別化を図るため、意匠性の優れたものが要望されている。それゆえ、携帯電話等の外観を形成するスイッチパネルにおいても意匠性の向上が要望されており、中でも、金属調色やパール調色の光沢感または高級感のあるものが要望されている。
従来から、加飾層を有する加飾成形体として、透明性樹脂からなるパネル成形体の裏面に、文字、記号等のデザインが施された加飾層を接着層を介して積層させた加飾成形体が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている加飾成形体では、パネル成形体の裏面にデザインが施された加飾層が、接着層を介して積層されている。このような構成では、加飾層に金属調色やパール調色の加飾を施した場合でも、ある程度の光沢感を得ることはできるが、あたかも金属から形成されているような光沢感もしくは高級感を得ることはできない。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは意匠性に優れており、かつ光沢感および高級感を有する加飾成形体を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、透光性を有する樹脂成形体に、加飾面を有する加飾層が積層された加飾成形体であって、樹脂成形体の少なくとも裏面には加飾層が積層されると共に、樹脂成形体において加飾層と接する面と反対側の面となる表面には微細な凹凸が形成されているものである。
このように構成した場合には、樹脂成形体の表面には、微細な凹凸が形成されているため、光の乱反射を利用して、外観において優れた意匠性を得ることが可能となる。また、当該凹凸の形成により、加飾成形体の防汚性を向上させることが可能となる。具体的には、加飾成形体の表面に皮脂や汚れが付着しにくくなり、指紋等の痕跡が残るのを防止できる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、加飾面に、金属光沢を有する加飾を施したものである。このように構成した場合には、加飾成形体の外観により光沢感を出すことができると共に、加飾成形体があたかも金属で形成されたかのような金属光沢感を得ることができる。その結果、加飾成形体が美観に優れ、かつ高級感を有するものとなる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、樹脂成形体は、その表面に透光性を有する硬化性樹脂からなる硬化性樹脂層を備えており、当該硬化性樹脂層の表面に凹凸を形成したものである。このように構成した場合には、表面により光沢感を付与することができると共に、表面硬度を向上させることが可能となる。その結果、加飾成形体の意匠性ならびに耐久性および耐傷性が向上する。また、外観の良好な硬化性樹脂層を備えた樹脂成形体を射出成形法で製造するのは困難である。そのため、樹脂成形体を樹脂板等を用いて製造することにより、加飾成形体の薄型化を図ることが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、硬化性樹脂の表面において加飾面に加飾された各キーと対応する位置には、数字、記号等の形状を有する突起が表面方向に向かって突出しているものである。このように構成した場合には、加飾成形体の外観に立体感を付与することができ、意匠性がより向上する。また、操作者が加飾成形体を押圧して操作する場合、その操作性が向上する。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、硬化性樹脂を、紫外線硬化性樹脂としたものである。このように構成した場合には、ランプ等で紫外線を照射して短時間で硬化性樹脂層を硬化できるため、作業性が向上する。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、凹凸を、直径の異なる複数の円を一つの点を中心にして配置した同心円状、または渦巻き状に形成したものである。このように構成した場合には、加飾成形体の外観に立体感を付与することができ、意匠性が向上する。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、凹凸を、複数の直線を並行に配列したヘアライン形状に形成したものである。このように構成した場合には、加飾成形体の外観に立体感を付与することができ、意匠性が向上する。
本発明によると、意匠性に優れており、かつ光沢感および高級感を有する加飾成形体を提供できる。
以下、本発明の一実施の形態に係る加飾成形体について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、図1、図2および図4〜図7に示す矢示X1方向を上、矢示X2方向を下、矢示Y1方向を左、矢示Y2方向を右、矢示Z1方向を表および矢示Z2方向を裏とそれぞれ規定する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る加飾成形体の一例であるスイッチパネル10の斜視図である。
図1に示すように、スイッチパネル10は、携帯電話の押釦の操作に用いられる略長方形の形状を有する薄肉のパネルである。スイッチパネル10は、数字の「0」から「9」、アスタリスク(*)およびシャープ(#)の形状を有する合計12個の数字部12aを有する。数字部12aにおいて視認される数字および記号は、後述する加飾層22における加飾面22aに施されている。
また、スイッチパネル10には、隣接する数字部12aの区分けをするような波線状の区分孔14が設けられている。区分孔14は、スイッチパネル10を貫通するように形成されている。区分孔14によって、各数字部12aが区分けされることにより、スイッチパネル10には、合計12個の操作領域となるキートップ部16が形成されている。これらのキートップ部16は、操作者が押圧して操作するための領域である。さらに、スイッチパネル10の表面には、直径の異なる複数の円形の溝を、点Pを中心として同心円状に配置した微細な凹凸18が設けられている。この同心円の中心点Pはスイッチパネル10の中央よりやや上方に設定されている。
図2は、図1におけるA−A線で切断した断面を示す図である。
図2に示すように、スイッチパネル10は、樹脂成形体20と、その裏側に積層される加飾層22とから構成されている。また、樹脂成形体20は、樹脂層24と、その表側に積層される硬化性樹脂層26とから構成されている。
樹脂層24は、略長方形の形状をした透光性を有する薄肉状の樹脂板である。樹脂層24の素材としては、例えば、ポリカーボネート(PC)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。その中でも、PC系樹脂、アクリル系樹脂およびABS樹脂は、寸法安定性および透明性に優れ、かつ耐衝撃性に優れているため、樹脂層24の材料として好適である。しかし、樹脂層24の材料は、これらの材料に特に限定されるものではない。樹脂層24の厚みは、0.1mm以上0.5mm以下の範囲であるのが好ましい。
樹脂層24の表面には、硬化性樹脂層26が積層されている。硬化性樹脂層26の表面には、直径の異なる複数の円形の溝が同心円状に配置された、いわゆるスピン加工模様を呈する微細な凹凸18が設けられている(図1を参照)。図2に示すように、凹凸18における凹部18aは、V字状に切り込まれており、凸部18bは、逆V字状に突出している。凹部18aの深さ(凸部18bの高さ)Dの大きさは、1μm以上20μm以下の範囲であるのが好ましい。しかし、Dの値は、かかる範囲内の値に限定されるものではない。また、隣接する凸部18bにおける稜線間の幅Eの大きさは、50μm以上200μm以下の範囲であるのが好ましい。しかし、Eの値は、かかる範囲内の値に限定されるものではない。凸部18bにおける左右の傾斜面19a,19bが樹脂層24と硬化性樹脂層26との境界面となる積層面21と平行の面に対してなす傾斜角α,βの大きさは等しい。硬化性樹脂層26の厚みは、2μm以上15μm以下の範囲であるが好ましい。しかし、硬化性樹脂層26の厚みは、かかる範囲内の値に限定されるものではない。硬化性樹脂層26の材料としては、紫外線硬化性(UV硬化性)樹脂を用いることができる。UV硬化性樹脂として、ポリエステル系、ポリエーテル系、PC系、脂肪族系等からなるウレタン系アクリレートまたはウレタン系メタアクリレート等のアクリレート系樹脂が挙げられる。なお、硬化性樹脂層26の材料はUV硬化性樹脂に限定されるものではなく、例えば、熱硬化性樹脂や電子線硬化性(EB硬化性)樹脂等の他の材料を用いても良い。硬化性樹脂層26は、未硬化状態の硬化性樹脂に高圧水銀ランプ等を用いて、紫外線(UV)を一定量照射し、当該未硬化状態の硬化性樹脂を硬化させることによって形成される。また、硬化性樹脂層26を硬化させる際には、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤として、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系およびチオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。なお、光重合開始剤の選定は、照射するUVの波長領域および各種アクリレート系またはメタアクリレート系の樹脂に基づいて行うのが好ましい。
樹脂層24の裏側には、その表面に加飾面22aを有する加飾層22が積層されている。加飾層22は、高反射性インクもしくは光輝性インク等を樹脂層24の裏面にスクリーン印刷、オフセット印刷あるいはグラビア輪転印刷等の方法で印刷することにより形成される。しかしながら、加飾層22を、印刷に限ることなく、蒸着法、スパッタ法、メッキ法、マスク法あるいはホットスタンプ等の他の方法によって形成しても良い。加飾面22aには、数字の「0」から「9」、アスタリスク(*)およびシャープ(#)の合計12個の数字および記号を含む加飾が施されている。そのため、操作者が、スイッチパネル10を表側からみた場合、加飾面22aに施された色彩を視認することが可能となる。本実施の形態では、加飾層22の素材として、金属光沢色を有するインジウムが採用されている。しかしながら、加飾層22の素材は、この材料に限定されるものではない。加飾層22の厚みは、0.01μm以上10μm以下の範囲であるのが好ましい。しかしながら、加飾層22の厚みは、これらの範囲内の値に限定されるものではない。また、図2に示すように、区分孔14がスイッチパネル10を貫通するように設けられることで、操作領域となるキートップ部16が形成されている。
次に、スイッチパネル10の製造方法について説明する。
図3は、スイッチパネル10の製造方法を示すフローチャートである。図4は、スイッチパネル10の製造に用いられる金型31の構成を示す斜視図である。図5は、スイッチパネル10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、金型31に硬化性樹脂42を充填した状態を示す断面図であり、(B)は、硬化性樹脂42が充填された金型31の表側に樹脂成形板44を配置した状態を示す断面図である。図6は、スイッチパネル10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、UV照射工程を説明するための図であり、(B)は、加飾成形板49の構成を示す断面図である。図7は、スイッチパネル10の製造方法を説明するための図であり、(A)は、雌型62に加飾成形板49を配置した状態を示す図であり、(B)は、打ち抜き工程を説明するための図である。
まず、スピン加工用の金型31を用意する。図4に示すように、金型31は、その中央にキャビティ32を有する。キャビティ32の外側は、平滑な平面33を有する外枠部34となっている。また、キャビティ32の底面は成型面38となっている。成型面38には、直径の異なる複数の円形状の溝を同心円状に配置した、いわゆるスピン加工模様を呈する微細な凹凸を有する成型溝40が設けられている。成型溝40の同心円の中心は、成型面38の中心よりやや上方に位置している。
次に、図5(A)に示すように、金型31のキャビティ32に液状の硬化性樹脂42を充填する(充填工程:S101)。硬化性樹脂42としては、ポリエステル系、ポリエーテル系、PC系、脂肪族系等からなるウレタン系アクリレートまたはウレタン系メタアクリレート等のアクリレート系樹脂等のUV硬化性樹脂が用いられる。なお、硬化性樹脂42はUV硬化性樹脂に限定されるものではなく、例えば、熱硬化性樹脂やEB硬化性樹脂等の他の材料を用いても良い。
次に、図5(B)に示すように、硬化性樹脂42が充填された金型31の表側に樹脂成形板44を配置する(配置工程:S102)。樹脂成形板44は、略長方形の形状をした透光性を有する薄肉状の樹脂板である。樹脂成形板44の素材としては、例えば、PC系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。その中でも、PC系樹脂、アクリル系樹脂およびABS樹脂は、寸法安定性および透明性に優れ、かつ耐衝撃性に優れているため、樹脂成形板44の材料として好適である。しかし、樹脂成形板44の材料は、これらの材料に特に限定されるものではない。
次に、図6(A)に示すように、硬化性樹脂42が充填された金型31の表側に樹脂成形板44が配置された状態で、樹脂成形板44の表側からUVを照射する(UV照射工程:103)。UVの照射は、樹脂成形板44を金型31の方向に押圧し、樹脂成形板44と硬化性樹脂42とを密着させた状態で行う。UVは、高圧水銀ランプ等を用いて、一定量照射される。UVが樹脂成形板44を透過して硬化性樹脂42に照射されると、未硬化状態の硬化性樹脂42が硬化する。硬化性樹脂42が硬化すると、当該硬化性樹脂42は樹脂成形板44と接着し、一体化する。また、硬化性樹脂42を硬化させる際には、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤として、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系およびチオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。
次に、硬化性樹脂42が一体化した樹脂成形板44(以下、硬化性成形板46という。)を金型31から取り出す。そして、図6(B)に示すように、硬化性成形板46における樹脂成形板44の裏面に、加飾面22aを有する加飾層22を積層させる(加飾工程:S104)。加飾層22は、高反射性インクもしくは光輝性インク等を硬化性成形板46の裏面にスクリーン印刷、オフセット印刷あるいはグラビア輪転印刷等の印刷法を用いて積層される。しかしながら、加飾層22を、印刷に限ることなく、蒸着法、スパッタ法、メッキ法、マスク法あるいはホットスタンプ等の他の方法によって積層させても良い。加飾面22aには、数字の「0」から「9」、アスタリスク(*)およびシャープ(#)の合計12個の数字および記号を含む加飾が施されている。本実施の形態では、加飾層22の素材として、金属光沢色を有するインジウムが採用されている。しかしながら、加飾層22の素材は、この材料に限定されるものではない。
次に、図7(A),(B)に示すように、加飾層22が積層された硬化性成形板46(以下、加飾成形板49という。)に区分孔14を形成すると共に、該加飾成形板49を所定の大きさに切断するためのプレス金型60を用意する。プレス金型60は、雄型61と雌型62とを有する。雄型61は、裏側に向かって突出する複数の打ち抜きピン61aと、加飾成形板49を所定の大きさに切断するための切断刃61bとを有している。また、雌型62は、該打ち抜きピン61aが嵌まるための複数のピン用貫通孔62aと、切断刃61bが嵌まるための刃用貫通孔62bとを有している。まず、図7(A)に示すように、加飾成形板49を雌型62の上に配置する。そして、各打ち抜きピン61aおよび切断刃61bのそれぞれがピン用貫通孔62aおよび刃用貫通孔62bのそれぞれに嵌まるように、雄型61を雌型62に対して対向配置させ、雄型61を裏側に向かって降下させる。雄型61を下降させると、図7(B)に示すように、打ち抜きピン61aが加飾成形板49を貫通すると共に、切断刃61bが加飾成形板49を所定の大きさに切断する。そして、打ち抜きピン61aおよび切断刃61bのそれぞれがピン用貫通孔62aおよび刃用貫通孔62bのそれぞれの内部に収まり、雄型61の裏面61cが硬化性樹脂42の表面に当接する(打ち抜き工程:S105)。硬化性樹脂42は高い硬度を有しているため、雄型61の裏面61cが硬化性樹脂42の表面に当接しても、凹凸18が押し潰されることはない。その後、雄型61と雌型62とを加飾成形板49から引き離し、加飾成形板49をプレス金型60から取り出す。その結果、加飾成形体となるスイッチパネル10が得られる。
以上のように構成されたスイッチパネル10では、硬化性樹脂層26の表面に、微細な凹凸18が形成されているため、光の乱反射を利用して、外観において優れた意匠性を得ることが可能となる。また、凹凸18により、スイッチパネル10の防汚性を向上させることが可能となる。具体的には、スイッチパネル10の表面に皮脂や汚れが付着しにくくなり、指紋等の痕跡が残るのを防止できる。また、樹脂成形体20は、その表面に硬化性樹脂層26を備えているため、表面にいっそう光沢感を付与することができると共に、表面硬度を向上させることが可能となる。その結果、加飾成形体の意匠性ならびに耐久性および耐傷性が向上する。また、凹凸18は、スピン加工模様を呈しているため、スイッチパネルの外観に立体感を付与することができ、外観においてより優れた意匠性を得ることが可能となる。また、加飾層22の素材として、金属光沢色を有するインジウムが採用されているため、スイッチパネル10があたかも金属で形成されたかのような金属光沢感を得ることができる。その結果、スイッチパネル10が美観に優れ、かつ高級感を有するものとなる。
また、スイッチパネル10では、硬化性樹脂層26はUV硬化性樹脂から形成されている。したがって、ランプ等でUVを照射して短時間で硬化性樹脂層26を硬化できるため、作業性が向上する。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
上述の実施の形態では、凹凸18の形状は、同心円状に形成されているが、この形状に限定されるものではなく、渦巻状としても良いし、非常に細かい複数の直線を並行に配列したヘアライン形状としても良い。ヘアライン形状を形成する方法として、ヘアライン形状の成型面を有する金型により型押しする方法やブラシロールや表面を粗面とした粗面ロール、サンドペーパー等により粗面加工する方法が挙げられる。また、それぞれの線を蛇行させたり、線を途中で不連続にしたスクラッチヘアライン形状としても良い。また、ヘアライン形状とスピン加工模様のそれぞれを同時に形成し、それぞれの形状が混合した模様を形成するようにしても良い。
また、凹凸18は、V字状の溝が連続形成されているが、このような形状に限定されることなく、図8(A)に示すように、隣接する凹部18a,18aの間に平滑な面28を形成するようにしても良い。また、図8(B)に示すように、凹凸18の凹部18aおよび凸部18bの形状を四角形状としても良いし、丸みを帯びた凹凸形状としても良い。また、凸部18bの傾斜角α,βの大きさを異なるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、凹凸18における同心円の中心点Pは、スイッチパネル10の中央よりやや上方に偏芯しているが、これに限定されるものではなく、同心円の中心点Pをスイッチパネル10の中央に形成するようにしても良いし、スイッチパネル10の下方または左右方向に偏芯させるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、区分孔14は隣接する数字部12aの区分けをするように設けられているが、区分孔14の位置は、この位置に限定されるものではない。また、区分孔14を設けないようにしても良い。また、区分孔14は、波線状の形態を有しているが、この形状に限定されるものではなく、例えば、円弧状や直線状等の他の形状としても良い。
また、上述の実施の形態では、加飾層22は、樹脂層24の裏面のみに形成されているが、樹脂層24の表面にも裏面に施されている加飾を補うような加飾層を形成するようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、硬化性樹脂層26の表面には、加飾面22aに表記されている文字や記号等に対応した形状の突起が形成されていないが、金型31の成型面38に当該文字や記号の形状を有する凹部を形成し、充填工程においてスピン加工模様と同時に上記突起を設けるようにしても良い。また、硬化性樹脂層26の表面において加飾面22aに表記されている特定のキー(例えば、5番キー)と対応する位置に、表面側に向かって突出する円柱状等の所定形状の突起を設けるようにしても良い。このような突起を設けることにより、操作者が加飾成形体10の操作を行いやすくなる。
また、上述の実施の形態では、金型31のキャビティ32に液状の硬化性樹脂42を充填した後、金型31の表側に樹脂成形板44を配置し、当該樹脂成形板44の表側からUVを照射することによって、硬化性成形板46を製造しているが、この製造方法に限定されることなく、金型31の表側に樹脂成形板44を配置した状態で、金型31の成形面38を貫通するように設けられた注入口から液状の硬化性樹脂を注入し、該硬化性樹脂を成形することによって樹脂成形板44を製造するようにしても良い。
本発明の加飾成形体は、携帯電話等の各種電子機器の入力部または筐体において利用することができる。
10…スイッチパネル(加飾成形体)
18…凹凸
20…樹脂成形体
22…加飾層
22a…加飾面
26…硬化性樹脂層
18…凹凸
20…樹脂成形体
22…加飾層
22a…加飾面
26…硬化性樹脂層
Claims (7)
- 透光性を有する樹脂成形体に、加飾面を有する加飾層が積層された加飾成形体であって、
上記樹脂成形体の少なくとも裏面には加飾層が積層されると共に、上記樹脂成形体において上記加飾層と接する面と反対側の面となる表面には微細な凹凸が形成されていることを特徴とする加飾成形体。 - 前記加飾面には、金属光沢を有する加飾が施されていることを特徴とする請求項1記載の加飾成形体。
- 前記樹脂成形体は、その表面に透光性を有する硬化性樹脂からなる硬化性樹脂層を備えており、当該硬化性樹脂層の表面に前記凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の加飾成形体。
- 前記硬化性樹脂の表面において前記加飾面に加飾された各キーと対応する位置には、数字、記号等の形状を有する突起が表面方向に向かって突出していることを特徴とする請求項3記載の加飾成形体。
- 前記硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項3または4記載の加飾成形体。
- 前記凹凸は、直径の異なる複数の円を一つの点を中心にして配置した同心円状、または渦巻き状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の加飾成形体。
- 前記凹凸は、複数の直線を並行に配列したヘアライン形状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の加飾成形体。
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