JP2008126320A - ナット締め方法および組立て体の製造装置 - Google Patents

ナット締め方法および組立て体の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ナット噛み発生の検出を目視によることなく確実に得られ、信頼性の向上を図れるナット締め方法と、このナット締め方法を用いて組立て体を製造する組立て体の製造装置を提供する。
【解決手段】ナット締め方法は、仮締め工程と、本締め工程とを備え、仮締め工程は、ドライバ4の回転速度を検出し回転速度が所定値以上あるか否かを判断する第1の工程と、この第1の工程でドライバの回転速度が所定値以上ある場合、その回転速度が所定時間以上を継続して行われているか否かを判断して、所定時間以上を継続した場合に本締め工程へ進み、所定時間以下の継続である場合に第1の工程に戻るループを一定周期で形成するとともに、ドライバの回転速度が所定値以下の場合に、仮締め工程開始からの時間が所定時間以上であるか否かを判断して、仮締め工程開始からの時間が所定時間以上を経過したとき、ナット噛み異常に対応して動作する第2の工程とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ねじ軸(ボルト)に対してナットを回転して締結するナット締め方法および、このナット締め方法を用いた組立て体の製造装置に関する。
たとえばノート型のパーソナルコンピュータに搭載されるハードディスク装置を製造するのに、スペーサを介して複数の読取りヘッドを積み重ね、これらをねじ軸とナットにより筐体に取付け固定する工程がある。対象とする組立て体が小型であるので、ねじ軸とナットのねじ径が小さいうえに、流れ作業として日々、多数のナット締めを行うこととなるので、人手による作業では工数がかかってしまう。
そこで、この種の組立て体を製造する現場では、ねじ軸に対してナットを自動締結するナット締め装置が多用されていて、生産性の向上および省力化によるコストの低減化が図られている。[特許文献1]に開示されるナット締付け装置(ナットランナー)も上記目的のために提供されている。
特開平 7− 9356号公報
上述の組立て体に用いるナットは、ねじ径は通常(たとえばM4)であるが、締付け対象部位および締付け対象物が特殊であるので、厚みが極く薄く(0.8mm)、かつねじピッチが小さい(0.15mm)ものが多い。そのため、ナットがねじ軸に対して傾いた姿勢となったり、ねじ部に、いわゆるバリが存在しているのを見逃すことがある。
そのままナットを回転すると、ナット噛みの発生に至る。装置自体はナット噛みの発生を認識できず、そのまま仮締めに必要なトルクアップをなし、さらに本締め段階でより高い値のトルクアップを実行してしまう。その結果、ナットの高さ位置が正規のナット締め状態と略同一でありながら、必要な締付けトルクが得られていないこととなる。
従来、複数の部品を積み重ねてナット締めしたあと、ナットの高さ位置を目視により検査し、所定高さあれば良品であり、高い場合にはナット噛みが発生していると認めていた。しかしながら、上述のような必要な締付けトルクが得られない場合でも、トルクアップすることで所定高さになり、不良品でありながら良品と判断されてしまう。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、ナット噛み発生の検出を目視によることなく確実に得られ、信頼性の向上を図れるナット締め方法と、このナット締め方法を用いて組立て体を製造する組立て体の製造装置を提供しようとするものである。
上記目的を満足するため本発明のナット締め方法は、ナットを保持するドライバを回転駆動して、ナットをねじ軸に仮締めする仮締め工程と、この仮締め工程の後ドライバをトルクアップして、ナットをねじ軸に本締めする本締め工程とを備え、上記仮締め工程は、ドライバの回転速度を検出し回転速度が所定値以上あるか否かを判断する第1の工程と、この第1の工程でドライバの回転速度が所定値以上ある場合、その回転速度が所定時間以上を継続して行われているか否かを判断して所定時間以上を継続した場合に本締め工程へ進み、所定時間以下の継続である場合に第1の工程に戻るループを一定周期で形成するとともに、ドライバの回転速度が所定値以下の場合に仮締め工程開始からの時間が所定時間以上であるか否かを判断して仮締め工程開始からの時間が所定時間以上を経過したとき、ナット噛み異常に対応して動作する第2の工程とを具備する。
さらに、上記目的を満足するため本発明の組立て体の製造装置は、上記ナット締め方法を用いて、ナットをねじ軸にねじ込み、所定の部品を固定して相乗的に組立て体を製造する。
本発明によれば、ナット噛み発生の検出を確実に得られ、信頼性の向上を図れる効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて説明する。
図1(A)は組立て体の製造装置であるナット締め装置Tの概略の構成図、図1(B)はナット締め装置Tで締結されるナットNの斜視図である。
ナット締め装置Tが対象とする組立て体は、たとえばパーソナルコンピュータに搭載されるハードディスク装置である。
はじめに、図1(B)からナットNについて説明すると、たとえばナットNのねじ径はM4であり、厚さは0.8mm、ねじピッチが0.15mmの、ねじ径に比較して厚さが極く薄く、ねじピッチの狭い、特殊なものである。
図1(A)に示すように、上記ナット締め装置Tとしては、多数のナットNを収容するトレイユニット1と、このユニット1からナットNを1個ずつ取出して移載するナット移載ユニット2と、このユニット2から移載されるナットNを受けて搬送するナット搬送ユニット3と、このユニット3から搬送されるナットNを下端の掛合孔aを備えた保持部bに吸着保持する2組(図では1組)のドライバ4を備えている。
さらにナット締め装置Tは、筐体5を支持する2組(図では1組)のステージ6と、これらステージ6を同時に搬送し、かつ往復動するパレット搬送ユニット7を備えている。筐体5の所定部位にはねじ軸(ボルト)8が立設され、スペーサ9を介して複数の読取りヘッド10が積み重ねられた状態で挿通される。ねじ軸8の頭部は積み重ね部品9,10の最上面から突出している。
このようにして構成されるナット締め装置Tであって、パレット搬送ユニット7により同時搬送されるステージ6の一方が、一方の上記ドライバ4の下端部と対向する位置に位置合せして停止する。ついで、ドライバ4が下降駆動され、ドライバ保持部bがねじ軸8頭部に当接する。ドライバ4は図示しない弾性部材(スプリング)を備えていて、ねじ軸8頭部に当接した際の衝撃を効率よく吸収する。
ねじ軸8とナットNのねじ部とが正しく対向し、ドライバ4を回転駆動してドライバ4に保持するナットNをねじ軸8にねじ込み、ナット締めをなす。実際のナット締めフローチャートについては後述するが、概略を説明すると、先にナットNをねじ軸8に対して仮締めする工程をなし、一旦、ドライバ4の回転を停止してナットNを掴み直す。そのあと、再びドライバ4を回転駆動して本締めする工程が行われて終了する。
上記仮締め工程の際には、ナット噛みの有無の検出と、ナット自体の有無の検出が行われる。ナット噛みが検出された筐体5については、ナット締め装置Tから取除かれ廃棄処分される。ナット無しと判断された筐体5については上記したパレット搬送ユニット7に戻され、改めて搬出される。
仮締め工程と本締め工程が終了することで、複数の読取りヘッド10が筐体5に確実に取付け固定される。そのあとパレット搬送ユニット7がステージ6を搬送し、装置T外部へ出して後処理工程に移す。同時に、筐体5を備えた他方のステージ6が、他方のドライバ4下端部と対向する位置に位置合せして停止する。上記ドライバ4が下降駆動され、上述したようにねじ軸8にナットNが締結される。
ナット締め装置Tにおいては、それぞれがナットNを吸着保持する2組のドライバ4と、それぞれがねじ軸8に取付け部品を挿通させた筐体5を収容する2組のステージ6を備えていて、各組のドライバ4が交互にナット締めを行って部品を締結固定し、装置T外部へ搬出するようになっている。
図2はナット締結時の挙動(速度変動)を示す特性図であり、横軸にナット締結時間[単位:ms]をとり、縦軸にナットの回転速度[単位:rpm]と、トルク[gf・cm]をとっている。
同図において、一点鎖線変化Dは図示しない制御部に記憶されたドライバ4に対する指定トルク、二点鎖線変化Eは同制御部に記憶されたドライバ4に対する指定回転速度、実線変化Fは実測した(実際の)トルク、破線変化Gは実測した(実際の)回転速度を示している。
このナット締め装置Tにおいて、上述したようにナットNをねじ軸8に締結するのに必要な全体時間は約5500ms(5.5秒)である。はじめの仮締め工程が約3500ms(3.5秒)行われ、そのあとの本締め工程が約2000ms(2秒)行われて終了する。
仮締め工程は、ドライバ4を下降駆動し吸着保持するナットNがねじ軸8頭部に当接してナットNの姿勢を合わせる、ナット姿勢合わせの工程から開始される。このときドライバ4を逆回転駆動し、ねじ軸8に対してナットNを正常な姿勢に合わせる。指定回転速度は50rpm、指定トルクは−100gf・cm程度であり、実測の回転速度およびトルクは極く低い値で変化する。
つぎに、ドライバ4を回転駆動する工程を行う。このときの指定回転速度は300rpmであり、指定トルクは300gf・cmである。特にトルクについては、ゼロ値から瞬時に指定トルクを付与すると、ナット噛みがあった場合にナットNとねじ軸8および、ナットNを保持するドライバ4に衝撃がかかるので、徐々に指定トルクを増大する。
ナット噛みが発生しなければ、ドライバ4の回転速度は300rpmもしくは、300rpmの近傍値で変化する。そして、ナットNは円滑に回転して、ナットNにかかるトルクは無く、ゼロ状態を継続する。
ドライバ回転工程の最終段階でナットNがねじ軸8に締め込まれ、ナットNの回転が停止しゼロとなる。引き続いてトルクアップの工程に移る。指定回転速度は変らないが、実際のナットNの回転はゼロである。指定トルクはドライバ回転工程時の値と変りがなく、実測のトルクはトルクアップされた指定トルクと略同一となる。
このトルクアップ工程が所定時間行われた後、トルク抜きの工程を行い、指定回転速度と指定トルクをゼロにする。したがって、実測の回転速度とトルクもゼロになる。そのあとナット掴み直しの工程となり、最初のナット姿勢合わせの工程と同様、ドライバ4を一旦逆回転駆動する。ドライバ4はナットNを正常な状態で保持することとなり、ナット掴み直し工程が終ることで仮締め工程が終了して本締め工程に移る。
上記ナット掴み工程についてなお説明すると、ドライバ4は薄い厚さ(0.8mm)のナットNの外形を、同一形状の掛合孔aに嵌め込んで吸着保持している。保持部bのナットNに対する保持高さは極くわずか(0.6mm程度)であり、ナット締めの際に保持部bは内部に備えた上記弾性部材によって押圧され、ナットNとともに下方に移動する。
ドライバ4の回転にともなって掛合孔aとナットN外形との相対位置がずれてくる。本締め工程では、仮締め工程よりも大きなトルクをナットにかけることから、そのままではナットNが掛合孔aから外れる虞れがある。上記ナット掴み直し工程は、ナットNを弱いトルクで逆回転駆動し、掛合孔aをナットN外形になじませるために行われる。
本締め工程では、本締め1回目の工程なし、そのあと一旦、トルク抜き工程を行ってから、本締め2回目の工程を行う。各回での指定回転速度は仮締め工程時と同様、300rpmであるが、その一方で指定トルクは980gf・cmと、仮締め工程時の3倍強に設定されている。
本締め工程時における本締め各回での実測のトルクも大となり、しかも2回に亘って本締め(いわゆる、増す締め)をなすところから、強固にして確実なナット締めが行われる。最後にドライバ外しの工程を行って、ナットNの締結を終了する。すなわち、組立て体の製造が終了することとなる。
図3はナット噛みが発生した際の挙動(速度変動)を示す特性図である。横軸にナット締結時間[単位:ms]、縦軸にナットの回転速度[単位:rpm]と、トルク[gf・cm]をとっていることには変りがない。
仮締め工程における最初の工程であるナット姿勢合わせの工程が同様の条件で行われる。このとき、何らかの理由によりナットNの姿勢をねじ軸8に対して正しく合わせることができず、傾いた状態となる。あるいは、ナットNのねじ孔もしくはねじ軸8のねじ部にバリが発生しているのを見逃して、ナット締め装置Tへ送ってしまうことがある。
この状態で、先に説明した正常なナット締結作業と同様、ドライバ回転の工程に移行して、指定速度と指定トルクをドライバ4に付与する。指定速度については一挙に指定値である300rpmに上昇させるが、指定トルクは徐々に指定値の300gf・cmまで上昇させる。
上記状態により、ねじ軸8にナットNを締め付けることができず、ナット噛みが発生してしまう。しかしながら、実測のトルクはドライバ回転工程開始からトルクアップの工程に至るまで、ほぼ指定トルクの上昇に沿って上昇していく。トルクアップの工程で指定トルクに到達したときには、実測のトルクは一旦落ち込むがすぐに指定トルクに沿う。
これに対して、ナット噛み発生時における実測の回転速度は、指定回転速度とは大きくかけ離れた状態で変動を繰り返す。ときには、指定回転速度よりも速くなることもあり、また遅くなり、あるいはゼロになる状態を不安定に繰り返す。トルクアップの工程になると、一旦は指定速度よりも上昇するが、そのあと回転停止(ゼロ)の状態となる。
すなわち、仮締め工程時にナット噛みが発生しても、実測のトルクは指定トルクにほとんど沿った状態で変化する。これに対して、実測の回転速度は図3に丸印Hで示す範囲のように、ドライバ回転の工程開始からトルクアップの工程まで大きく速度変動して、指定回転速度とは全く相違することが判明した。
これらの結果から、たとえナット噛みが発生してもトルクアップが可能であり、実測のトルクからはナット噛みの有無を検出できない。しかしながら、従来はトルクアップをしたことで仮締め終了を判断していたので、実際にはナット噛みが発生している場合もあり得る。
ナット噛みが発生すると、図3に丸印Hの範囲で示すように、ドライバ回転の開始からトルクアップまで実測の回転速度の変動が大であることが分かった。そこで本発明においては、上記の条件を利用し後述するように仮締め工程中において、ドライバ回転速度のしきい値の設定と、しきい値に係る連続時間との関係から、ナット噛み発生を検出する。
図4は仮締め工程のフローチャート図であり、図5は図4の仮締め工程の後に行われる本締め工程のフローチャート図である。
図4の仮締め工程から説明すると、スタートから仮締め工程開始(ステップS1)のつぎに、ナットNを吸着保持するドライバ4を降下する工程(ステップS2)を行う。ドライバ4の保持部bは位置合わせしたねじ軸8に当接し、ナットNの外形に掛合孔aが嵌め込まれ、よってナット回転が可能な状態になる。
実際には、はじめドライバ4を高速で降下させ、短時間でナットNをねじ軸8に近接させる。そのまま高速降下するとドライバ保持部bがねじ軸8に衝突する虞れがあり、ナットNとねじ軸8の位置が互いにずれてねじ締めができない、あるいはドライバ4とねじ軸8が変形破壊する。これらの危険を避けるため、ナットNがねじ軸8に近接するとドライバ4を低速降下させて安全を確保し、当接時の衝撃をより抑制化する。
ついで、仮締めタイマ(T1)の測定を開始する工程(ステップS3)をなす。この仮締めタイマ(T1)は、仮締め工程開始から終了までの仮締め全体に使う時間を測定するものである。つぎに、ドライバ4を逆回転する工程(ステップS4)を行って、先に図2で説明したナットNの姿勢合わせをなす。
そのあと、ドライバ4を回転する工程(ステップS5)に移り、ドライバ4を上述した設定条件で動作させる。ナットNがねじ軸8にねじ込まれるのにともなって、ドライバ4の保持部bが一定量降下する工程(ステップS6)となり、速度検出タイマ(T3)測定の工程(ステップS7)が開始する。
この工程(ステップS7)では、ドライバ4を駆動するモータの回転数をエンコーダで計測し、その出力を図示しない制御部がドライバ4の回転数に換算するとともに、タイマ機能を作用させて時間のカウントを開始する。さらに、上記制御部には、予めドライバ回転速度のしきい値(所定値)が設定されていて、その値はたとえば200rpmである。
つぎに、ドライバ4の回転速度がしきい値200rpm以上であるか否かを判断する第1の工程(ステップS8)となる。回転速度が200rpm以上あることを確認(Yes)したら、回転速度200rpm以上の状態が所定時間(0.5秒)以上継続しているか否か(T2>0.5秒)を判断する工程(ステップS9)となる。
この工程(ステップS9)で200rpm以上の回転が0.5秒以上を継続していることを確認(Yes)したら、つぎのステップに移るが、200rpm以上の回転が0.5秒以下の継続(No)でしかない場合は、再び第1の工程(ステップS8)に戻ることになる。
このように、第1の工程(ステップS8)のしきい値以上の回転(Yes)から、次の工程(ステップS9)の所定時間以下の継続(No)を経て、再び第1の工程(ステップS8)に戻るループが形成されていて、一定周期(たとえば、10ms周期)で繰り返される。
実際には、ドライバ4の回転を開始(ステップS5)しても、ドライバ4の回転速度はゼロから瞬時に、しきい値以上にまで上昇することはない。速度検出タイマ(T2)が測定を開始(ステップS7)した当初は、ドライバ4の回転速度はゼロから徐々に上昇している最中であるから、第1の工程(ステップS8)での判断がNoとなることが多い。
この場合は、一旦、速度検出タイマ(T2)の測定をリセット(測定し直し)する工程(ステップS10)が行われ、引き続いて、仮締めタイマ(T1)の測定開始から所定時間(T1)である10秒以上を経過しているか否か(T1>10秒)を判断する工程(ステップS11)に移る。
ここでも、ドライバ4の回転を開始(ステップS5)してから間もない状態であるから仮締め工程を開始してから10秒を経過していない場合(No)が多く、このとき第1の工程(ステップS8)に戻ってドライバの回転速度が200rpm以上であるか否かを判断する。
すなわち、ドライバ4の回転速度がしきい値である200rpmに到達するまでは、第1の工程(ステップS8)のNoから、T2をリセットする工程(ステップS10)と、(T1>10秒)を判断する工程(ステップS11)のNoを経て、第1の工程(ステップS8)に戻るループが形成され、一定周期(10ms)で繰り返される。
また、上述したように、第1の工程(ステップS8)でドライバ4の回転速度が200rpmに到達し、それ以上になった状態では、次の工程(ステップS9)に移り、所定時間T2が経過していないNoの場合に第1の工程(ステップS8)に戻るループが一定周期(10ms)で繰り返される。
第1の工程(ステップS8)でドライバ4の回転速度が200rpm以上にならず(No)、速度検出タイマ(T2)をリセット(ステップS10)してから、次の工程(ステップS11)で仮締めタイマ(T1)の測定開始から10秒以上を経過(Yes)した場合は、ナット噛み異常に対応して動作する工程(ステップS12)となる。
すなわち、上述したナット姿勢合わせの工程を行ってもなお、ナットNがねじ軸8に対して傾いている、あるいは、ナットNとねじ軸8の間にバリを噛み込んでいる他の原因で、ドライバ4の回転速度がしきい値以下を継続する。この状態が、仮締め工程を開始してから10秒以上が経過しているときに、ナット噛み異常と認めて装置を停止する工程(ステップS12)となる。
このように、ドライバ4の回転速度が所定速度(しきい値:200rpm)以上であって、その速度が所定時間(T2:0.5秒)以上の間継続している場合にのみ、つぎのトルクアップの工程に移るが、回転速度が所定速度以下しかない状態では、時間(T2)のカウント開始は無用である。
繰り返し説明するように、速度検出タイマ(T2)をリセット(ステップS10)した上で仮締めタイマ(T1)の時間をチェック(ステップS11)し、仮締め工程開始から所定時間(10秒)を経過していれば、ナット噛み異常に対応して動作する工程(ステップS12)となる。
以上述べたように、第1の工程(ステップS8)でドライバ4の回転速度が所定値(200rpm)以上ある場合、その回転速度が所定時間(T2)以上を継続して行われているか否かを判断(ステップS9)して、所定時間以上を継続した場合に後述するように本締め工程へ進み、所定時間以下の継続である場合に第1の工程(ステップS8)に戻るループを一定周期で形成するとともに、第1の工程(ステップS8)でドライバ4の回転速度が所定値以下の場合に、速度検出タイマ(T2)をリセット(ステップS10)し、仮締め工程開始からの時間が所定時間(T1)以上であるか否かを判断(ステップS11)して、仮締め工程開始からの時間が所定時間以上を経過したとき、ナット噛み異常に対応して動作する(ステップS12)とで第2の工程が構成される。
再びステップS9の工程に戻って、速度検出タイマ(T2)が所定速度以上と所定時間以上を検出(Yes)した場合は、トルクアップタイマ(T3)の測定を開始する工程(ステップS13)に移る。先に説明したように、ドライバ4に対して所定値(300gf・cm)までトルクアップし、同時にドライバ4に備えられる図示しないトルク検出手段が測定を開始するとともに、時間のカウントを開始する。
つぎに、実際にドライバ4に対してトルクアップが行われているか否かを判断する工程(ステップS14)となる。トルクアップが行われていることを確認(Yes)したら、その状態が所定時間(0.2秒)以上の間、継続しているか否かを判断する工程(ステップS15)となる。
トルクアップの状態が0.2秒以上を継続していることを確認(Yes)したら、つぎのステップに移るが、0.2秒以下の継続(No)の場合は、再びトルクアップを判断する工程(ステップS14)に戻る。
ここでも、トルクアップを判断する工程(ステップS14)のYesから、T3>0.2秒を判断する工程(ステップS15)のNoを経て、上記工程(ステップS14)に戻るループが形成され、一定周期(10ms)で繰り返される。
トルクアップを判断する工程(ステップS14)でトルクアップしていない状態を確認(No)したら、一旦、トルクアップタイマ(T3)の測定をリセット(測定し直す)する工程(ステップS16)が行われ、引き続いて、仮締めタイマ(T1)の測定開始から10秒以上を経過しているか否かを判断する工程(ステップS17)が行われる。
通常、測定開始から10秒以下(No)であり、トルクアップを判断する工程(ステップS14)に戻ってトルクアップされているか否かを判断する。この工程からT3をリセットする工程(ステップS16)とT1>10秒を判断する工程(ステップS17)を経て、再びトルクアップを判断する工程(ステップS14)に戻るループが形成され、一定周期(10ms)で繰り返される。
また、トルクアップを判断する工程(ステップS14)でトルクアップしていないことを確認(No)し、T3をリセットする工程(ステップS16)でトルクアップタイマ(T3)をリセットしてから、T1>10秒以上を判断する工程(ステップS17)でYesの場合は、ナット無し異常を検出するる工程(ステップS18)となる。
すなわち、ドライバ4の保持部bは図示しない真空ポンプにホースを介して連通されていて、ナットNを掛合孔aに真空吸着している。何らかの原因により、ドライバ4の保持部bがナット搬送ユニット3からナットNを受け取ることなく仮締め工程が開始してしまう場合がある。
ナット無しの状態であっても、第1の工程(ステップS8)と、速度200rpm以上?を判断する工程(ステップS9)のループを含む工程および、第1の工程(ステップS8)からT2をリセットする工程(ステップS10)と、Ti>10秒を判断する工程(ステップS11)を経て第1の工程(ステップS8)に戻るループの工程は、全てドライバ4を対象として制御されるので、少しの支障もなく行われてしまう。
そこで、実際にドライバ保持部bにナットNを吸着保持していない状態では、T1>10秒を判断する工程(ステップS17)で10秒以上(Yes)の場合に、ナット無し異常に対応して動作する工程(ステップS18)に移る。すなわち、対象となる筐体5は、作業者がパレット搬送ユニット7に戻して再びナット締めを行う。
T3>0.2秒を判断する工程(ステップS15)に戻って、トルクアップタイマ(T3)が所定時間(0.2秒)以上を測定(Yes)した場合は、ドライバ4の保持部bの下降が完了しているか否かを判断する工程(ステップS19)に移る。
すなわち、ドライバ4がトルクアップした状態を確認し、その状態が所定時間(0.2秒)以上経過したうえでドライバ保持部bの下降が完了したら、ナット4の仮締めが完了したものと結論付けられる。この工程(ステップS19)でドライバ保持部bの下降が完了せず、さらに下降中であれば元の工程(ステップS19)に戻る。
上記工程(ステップS19)でドライバ4の下降が完了したことを確認(Yes)したら、ドライバ4を逆回転(ステップS20)して、ドライバ4のナットNに対する掴み直しを行い、これで仮締め工程が終了(ステップS21)する。
このように仮締め工程中に、ナット噛み異常を検出して、異常のあったワークは廃棄処分とする。ナット噛み異常が無くても、つぎにナット無し異常の検出を行い、ナット無し異常の対象となったワークについてはパレット搬送ユニット7に戻し、仮締め工程からし直す。ナット噛み異常およびナット無し異常のないもののみ、本締め工程に移る。
なお、ナット噛み異常は必ずしも仮締め工程の初期の段階であるドライバ回転の工程中に発生するばかりでなく、仮締め終了間際の最後の締め込み時に発生することも考えられる。しかしながら、ナット噛みがあると仮締め工程の初期の段階で抵抗があり、回転速度のバラツキが大となるので、ナット噛み異常を検出できる。
全ての仮締め工程を経過したワークについては、本締め工程に移る。
つぎに、図5にもとづき、本締め工程について説明する。
仮締め工程終了(ステップS21)から引き続いて、ドライバ4に所定のトルク(980gf・cm)を付与して本締め(増す締め)1回目を行うドライバ回転1回目の工程(ステップS22)を行う。
つぎに、ドライバ4が実際にトルクアップしているか否かを判断する工程(ステップS23)となり、否(No)であれば同工程(ステップS23)に戻るが、トルクアップしていることを確認(Yes)したら、つぎの本締め間ディレーの工程(ステップS24)となり、ドライバ4に対してトルク抜きを行う。
そして、再びドライバ4に本締め1回目と同様値のトルクを付与して2回目の本締め(増す締め)を行う、ドライバ回転2回目の工程(ステップS25)となる。つぎに、実際にドライバ4がトルクアップしているか否かを判断する工程(ステップS26)となり、否(No)であれば、再び同工程(ステップS26)に戻る。
トルクアップしていることを確認(Yes)したら、ドライバ4を逆回転する工程(ステップS27)をなし、ナットNに対してドライバ4を外し易い状態とする。つぎに、ドライバ4を上昇する工程(ステップS28)となり、ドライバ保持部bがナットNから外され、本締め工程が終了する。すなわち、全てのナット締め作業が終了する。
繰り返し述べるように、本締め工程時において、2回に亘って本締め(いわゆる、増す締め)をなすところから、強固にして確実なナット締めが行われ、組立て体の製造が終了する。
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
本発明における実施の形態に係る、ナット締め装置の概略の構成図と、ナットの斜視図。 同実施の形態に係る、正常な状態でのナット締結時の挙動(速度変動)を示す特性図。 同実施の形態に係る、ナット噛み異常が発生した場合の挙動(速度変動)を示す特性図。 同実施の形態に係る、仮締め工程のフローチャート図。 同実施の形態に係る、本締め工程のフローチャート図。
符号の説明
N…ナット、4…ドライバ、8…ねじ軸、T…ナット締め装置。

Claims (5)

  1. ナットを保持するドライバを回転駆動して、ナットをねじ軸に仮締めする仮締め工程と、この仮締め工程の後、ドライバをトルクアップして、ナットをねじ軸に本締めする本締め工程とを備えたナット締め方法であって、
    上記仮締め工程は、
    ドライバの回転速度を検出し、回転速度が所定値以上あるか否かを判断する第1の工程と、
    この第1の工程でドライバの回転速度が所定値以上ある場合、その回転速度が所定時間以上を継続して行われているか否かを判断して、所定時間以上を継続した場合に上記本締め工程へ進み、所定時間以下の継続である場合に上記第1の工程に戻るループを一定周期で形成するとともに、ドライバの回転速度が所定値以下の場合に、仮締め工程開始からの時間が所定時間以上であるか否かを判断して、仮締め工程開始からの時間が所定時間以上を経過したとき、ナット噛み異常に対応して動作する第2の工程と
    を具備することを特徴とするナット締め方法。
  2. 上記第2の工程で仮締め工程開始からの時間が所定時間以下であるとき、上記ドライバの回転速度を検出し、回転速度が所定値以上あるか否かを判断する第1の工程に戻るループを一定周期で形成することを特徴とする請求項1記載のナット締め方法。
  3. 上記第2の工程で、ドライバの回転速度が所定値以上で、かつ回転速度が所定時間以上を継続した場合、上記本締め工程へ進む前に、ナット無し異常を検出する工程を備えたことを特徴とする請求項1記載のナット締め方法。
  4. 上記仮締め工程は、
    ドライバを逆回転して、ドライバに保持するナットをねじ軸に対して正しい姿勢に合わせる、ナット姿勢合わせの工程と、
    ナットの姿勢を合わせた後、ドライバを回転駆動してナットをねじ軸にねじ込む、ドライバ回転の工程と、
    ナットがねじ軸にねじ込まれた状態で、ドライバに対してトルクアップをなす工程と、
    トルクアップした後、ドライバに対するトルクをゼロにするトルク抜きの工程と、
    ドライバを逆回転して、ドライバがナットを掴み直す工程とを具備し、
    上記第1の工程から第4の工程は、上記ドライバ回転の工程中に行われることを特徴とする請求項1記載のナット締め方法。
  5. 上記請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のナット締め方法を用いて、ナットをねじ軸にねじ込み、所定の部品を固定して相乗的に組立て体を製造することを特徴とする組立て体の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013166212A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Honda Motor Co Ltd 締付異常検出方法及び装置
JP2015085471A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 Tone株式会社 締付装置
JP2017189410A (ja) * 2016-04-14 2017-10-19 株式会社ユニバーサルエンターテインメント 遊技機の調整装置及び製造方法

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