JP4049989B2 - ネジ部材用締付ソケットの摩耗判定方法および摩耗判定装置 - Google Patents

ネジ部材用締付ソケットの摩耗判定方法および摩耗判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネジ部材用締付ソケットの摩耗判定方法および摩耗判定装置、特に、ネジ部材用締付ソケットの摩耗判定を容易かつ正確に行うことのできる摩耗判定方法および摩耗判定装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からボルトやナット等の締結用のネジ部材を用いた締結作業を効率的に行うために、ナットランナーと称する締結装置が使用される。このナットランナーは、ネジ部材の形状に対応し、その頭部に着脱自在なネジ部材用締付ソケット(以下、単にソケットという)をモータ等の駆動源により回動させることによりネジ部材の締め付け動作および緩め動作を行う。例えば、正回転により締め付け動作が行われる。この時、駆動源からは、正回転の過大な回転トルクがソケットに伝達され、ネジ部材の最終的な締め付けが確実に行われる。また、駆動源を逆回転することにより、締付完了状態にあるネジ部材の緩め動作を行うことができる。なお、これらの正回転および逆回転は、高速で行われるため締付動作および緩め動作を迅速に行うことができる。特に、自動車等複数の部品の組み立て作業を行う場合には、確実な締結力(締付力)の確保と、迅速な作業が要求されるため、ナットランナーの利用が適している。
【0003】
通常、ソケットの内形寸法は、ネジ部材(例えばボルト)の頭部の外形寸法より僅かに大きく設定されている。これは、ネジ部材の形状とソケットの形状とを一致させた上で、ネジ部材の軸方向に沿って垂直に結合動作を行うことにより係合できる程度のクリアランスである。このクリアランスが広すぎるとソケットの空回りを生じ締結不良等を招き、狭すぎる場合には、ネジ部材とソケットの係合がうまくいかず、作業効率の低下を招くので、適切なクリアランスの維持が重要である。
【0004】
通常、ソケットはネジ部材の材質(特に頭部)より堅い材質(焼入れ鋼等)で形成されているが、ソケットの繰り返し使用によりソケットの締付作用面(ネジ部材の頭部と接触する面)に摩耗が生じ、クリアランスがばらついたり、広くなったりする。クリアランスが増加した場合、ネジ部材頭部の締結作用面(例えば、6角ボルトの場合、2面幅部)にソケットが正確にあたらず、ネジ部材頭部の締結作用面の中間部にソケットのエッジ(ソケット側締結作用面の2面接合部)があたるようになり、ソケットがネジ部材頭部に食い込んでしまう場合がある。前述したように、ネジ部材の締め付け時には過大な回転トルクが付与されるため、前記食い込みが発生した場合、ネジ部材頭部からソケットが外れなくなり、食い込みが激しい場合には、締付作業終了後ナットランナーを退避させて移動させる時に、ネジ部材と共に、被締結物(ワーク)を持ち上げてしまい、ワークの位置決め精度を低下させたり、ワークの落下破損を招いたりする。また、食い込み現象自体、製品の一部であるネジ部材の変形や破損を招き品質低下を招く。さらに、ナットランナーがネジ部材から外れない場合には、製造ラインの停止につながる場合がある。
【0005】
従来このような食い込みを事前に回避するため、例えば、ソケットの使用回数や使用時間に制限を設け摩耗前に交換を促していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ソケットの摩耗状態は、ナットランナーの使用状態により変化する。前述したように、ソケットの使用回数や使用時間により交換判断を行う場合、まだ、良好に使用できるソケットを寿命でありと判断してしまったり、逆にソケットの食い込みによりネジ部材等の破損を招いているにも関わらず、使用可能と判断してしまう場合がある。前者の場合、生産効率の低下や生産コストの増大を招き、後者の場合、製品の品質低下を招いてしまう。つまり、ソケットを適切なタイミングで交換することができない、すなわち、適切な摩耗判定を行うことができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ソケットの摩耗判定を容易かつ正確に行うことのできる摩耗判定方法および摩耗判定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明は、駆動源により正逆回転自在で、係合したネジ部材を締め付けるネジ部材用締付ソケットの締付作用面の摩耗判定を行う摩耗判定方法であって、前記ネジ部材用締付ソケットの回転トルクを測定し、測定された回転トルクに基づいて前記ネジ部材の締付方向への締付完了を検出する完了検出ステップと、締付完了後、ネジ部材用締付ソケットの緩め側締結作用面がボルトの緩め側締結作用面と接触し、前記駆動源のトルクが前記回転トルクよりも小さく、かつ前記ネジ部材用締付ソケットの前記ネジ部材への食い込みを解除できるだけの予め設定されたトルクに達するまで、ネジ部材用締付ソケットを逆締付方向へ回転させる逆回転ステップと、前記逆回転時の駆動源の回転角度に基づいて、前記ネジ部材に接触する前記ネジ部材用締付ソケットの締付作用面の摩耗状態の判定を行う判定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、上記のような目的を達成するために、本発明のネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置は、ネジ部材と係合し、当該ネジ部材を正回転および逆回転させるネジ部材用締付ソケットと、前記ネジ部材用締付ソケットを回転させる駆動源の回転制御を行う制御手段と、前記駆動源が正回転および逆回転した場合の駆動源の動作状態を検出する検出手段と、駆動源の正回転により前記ネジ部材を規定トルクに締め付け完了後、ネジ部材用締付ソケットの緩め側締結作用面がボルトの緩め側締結作用面と接触し、前記駆動源のトルクが前記規定トルクよりも小さく、かつ前記ネジ部材用締付ソケットの前記ネジ部材への食い込みを解除できるだけの予め設定されたトルクに達するまで逆回転した場合の当該駆動源の回転角度に基づいて、前記ネジ部材に接触する前記ネジ部材用締付ソケットの締付作用面の摩耗状態の判定を行う判定手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ネジ部材用締付ソケットに摩耗が生じ、食い込みが発生している場合と、摩耗が無く、食い込みが生じていない場合では、逆回転時にネジ部材用締付ソケットを駆動する駆動源の回転推移(例えば、回転角度やその所要時間等)に変動が生じる。
すなわち、摩耗して食い込みが生じている場合には、ネジ部材用締付ソケットが食い込み状態から離脱するために、駆動源の挙動に変動を及ぼす。この変動を検出し、食い込みを検出することにより、ネジ部材用締付ソケットの摩耗の有無がリアルタイム、すなわち使用の度に判定することが可能になる。
【0011】
また、上記のような目的を達成するために、本発明のネジ部材用締付ソケットの摩耗判定方法は、上記構成において、前記判定ステップの判定結果に基づいて、ネジ部材用締付ソケットの使用限界判定を行うことを特徴とする。
【0012】
また、上記のような目的を達成するために、本発明のネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置は、上記構成において、前記判定手段は、前記摩耗状態に基づいて、ネジ部材用締付ソケットの使用限界判定を行うことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ネジ部材用締付ソケットの摩耗状態に応じて、適切なタイミングで使用限界の判定を行い、例えば、交換指示や交換予告等を行うことが可能になり、作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0015】
図1には、締結装置(ナットランナー)10に適用される本実施形態のネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置(以下、単に判定装置という)12の構成概念図が示されている。判定装置12に含まれるナットランナー10は、締結用のネジ部材(例えば、6角穴付きボルト:以下、単にボルトという)14の穴部14aと係合するネジ部材用締付ソケット(以下、単にソケットという)16と、当該ソケット16を着脱自在に支持しソケット16を回転させるホルダー18、および前記ホルダー18を正回転方向および逆回転方向に所定の回転トルクで回転させる駆動源(例えば、モータ)20とを含んでいる。また、モータ20には、後述する締付完了検出や摩耗判定を行うときに利用できるトルクセンサ22が接続され、ソケット16の近傍には、ソケット16の回転角度を検出する回転検出センサ24が配置されている。また、制御部26は、前記モータ20およびトルクセンサ22、回転検出センサ24と接続され、モータ20の正回転・逆回転制御および、ナットランナー10の位置決め(図示しない移動機構を用いた上下左右方向の位置決め)制御等を行っている。また、判定装置12はさらに、トルクセンサ22、回転検出センサ24からの情報および制御部26からの情報に基づきソケット16の摩耗判定を行う判定部28、判定部28の判定結果を作業者等に提示(表示メッセージや音声メッセージ等)したり、ナットランナー10が接続される上位システムに対して判定情報を出力する出力部30を含んでいる。
【0016】
まず、ナットランナー10によるボルト14の締付サイクルを図1、図2(a)〜(e)および図3のフローチャートを用いて説明する。
【0017】
図2(a)に示すように、制御部26は、図示しない移動機構を制御しボルト14の穴部14aの中心軸上にナットランナー10のソケット16を位置決めし(穴部14aの形状とソケット16の形状を一致させた状態)、降下させる(S100)。なお、降下前に、ソケット16の回転方向の正確な位置決めを行わず、ソケット16を僅かに回転させながら降下させ、ボルト14の穴部14aにはめ込むようにいしてもよい。
【0018】
ソケット16とボルト14との係合が確認できたら制御部26は、図2(b)に示すように、ソケット16をボルト14の締付方向(正回転方向)に回転させる。そして、ソケット16の締付側締結作用面がボルト14の締結側締結作用面と接触し、締付動作を開始する(S101)。この時、制御部26はトルクセンサ22を介して、モータ20のトルクが規定トルクAに達したか否かの監視を常時行っている(S102)。この規定トルクAとは、被ネジ部材(ワーク)が必要とする締結強度を実現するための回転トルクであり、ボルト14を回転させるトルクに対して過剰なトルクであり、例えば6Nmである。ボルト14の締め付けを行う場合、締め付け過程においては、単に雌ネジに沿って雄ネジを回転させるのみであるので、モータ20のトルクは回転に必要な量のみであり、ほぼ一定の低い値になる。従って、規定トルクAに達していない場合には、(S101)に戻りモータ20の回転を継続する。一方、ボルト14の締め付けが完了に近づくとボルト14の回転に抵抗が生じ、続いて、それ以上回転できなくなるので、モータ20の出力トルクが増加する。この時、モータ20は過剰なトルクでボルト14を回転させようとするため、当該ボルト14を締め込むことが可能になり、確実な締付動作を行うことが可能であり、規定トルクA以上になることにより、締付動作を完了する。
【0019】
しかし、前述したように、ボルト14の穴部14aとソケット16との間にソケット16の摩耗等に起因して必要以上のクリアランスが存在する場合、図2(c)に示すように、締結終了時に食い付き現象が発生する。この状態で、ソケット16をボルト14から抜き取ろうとするとボルト14と共に、ワークを持ち上げてしまうおそれがある。そこで、制御部26は、(S102)で規定トルクAに達していることが確認できた場合、締付作業が完了したと判断し、図2(d)で示すように、ボルト14を逆締付方向に回転させるようにモータ20に指令を出す(S103)。この時も制御部26はトルクセンサ22を介して、モータ20の出力トルクが規定トルクBに達したか否かの監視を行う(S104)。この時の逆回転は、あくまでもソケット16の食い込みを解除することを目的とするもので、ボルト14の緩みが発生しない、単に食い込み解除に必要なトルク、すなわち、前記規定トルクA(例えば6Nm)より小さい規定トルクB(例えば2Nm:正回転時を+、逆回転時を−とした場合、−2Nm)である。なお、この時の規定トルクBは食い込み解除時に必要なトルクを過去のデータから求め設定することが望ましい。
【0020】
この時、実際に、ソケット16の食い込みが発生していた場合には、規定トルクBまで逆回転を継続することにより食い込み解除を行うことができる。つまり、逆回転によりソケット16の食い込みが解除されソケット16が逆締付方向に回転し、ソケット16の緩め側締結作用面がボルト14の緩め側締結作用面と接触し、モータ20のトルクが規定トルクBに達する。従って、モータ20のトルクが規定トルクBに達したことで、食い込み解除を確認することができる。また、食い込みが発生していない場合、逆回転によりソケット16のみが逆締付方向に回転し、ソケット16の緩め側締結作用面がボルト14の緩め側締結作用面と接触し、モータ20のトルクが規定トルクBに達する。従って、食い込みの発生の有無に関わらず、規定トルクBに達したか否かを検出することにより、逆回転停止のトリガーとすることができる。
【0021】
なお、(S103)で、締付側締付作用面の食い込みを解除するために逆回転した場合、緩め側締付作用面で再食い込みを発生する可能性がある。そこで、図3のフローチャートの場合、制御部26は、モータ20を正回転させ、再度ボルト14(ソケット16)を正回転させ、食い込みからの解除を行うようにしている(S105)。この場合も制御部26はトルクセンサ22を介して、モータ20の出力トルクが規定トルクCに達したか否かの監視を行う(S106)。この時の逆正転も、あくまでもソケット16の食い込みを解除することを目的とするものであるが、(S103)の逆回転のトルクは、(S101)の正回転のトルクより小さいため、仮に食い込みが発生している場合も軽度であると見なすことができるので、軽度の食い込み解除に必要なトルク、すなわち、前記規定トルクB(例えば2Nm)より小さい規定トルクC(例えば1Nm)である。なお、この時の規定トルクCも食い込み解除時に必要なトルクを過去のデータから求め設定することが望ましい。
【0022】
制御部26はトルクセンサ22からの情報に基づき、モータ20のトルクが規定トルクCに達するまでソケット16の正回転を行い、規定トルクCに達した場合に、食い込み解除動作を含む締付動作が終了したと判断して、ソケット16をボルト14の穴部14aから抜くために、ナットランナー10を上昇させて(S107)、一連の締付作業を終了する。
【0023】
ところで、ソケット16のボルト14の穴部14aに対する食い込み現象は、製品の一部であるボルト14の傷の付与(破損)につながり品質の低下につながる。また、頻繁な食い込みの発生は、締付作業の効率低下を招く。このような場合、従来のように使用回数や使用時間でソケット16の交換を行っても、必ずしも適切なタイミングでソケット16の交換を行うことができず、前述したような不具合を完全に防止することはできず、また、不経済なソケット16の交換を指示してしまうおそれもある。そこで、本実施形態においては、食い込みの原因であるソケット16の摩耗判定を適切に行い、さらに、適切なタイミングでソケット16の交換を実施させることにより、前述した不都合を解消している。
【0024】
図1、図4〜6を用いて、具体的な摩耗判定手順を説明する。なお、摩耗判定は、図3のフローチャートで示した締付作業の間に行われるため、図4に示す摩耗判定を示すフローチャートの前半部分の(S100)〜(S103)は、図3のフローチャートの前半部分の(S100)〜(S103)と同じであり、その説明は省略する。
【0025】
まず、ソケット16の摩耗が存在せず、判定部28がまだ使用限界に達していないと判断する場合について説明する。図5は、摩耗が存在しない場合のトルクセンサ22が検出する締付トルクと、回転角度センサ24が検出するソケット16の回転角度の関係を示している。(S101)および(S102)の動作により、締付トルクは徐々に上昇し、規定トルクAに達し締付を完了する(a点:完了検出ステップ)。正回転が停止しトルク伝達が解放されると、締つ付けの結果ソケット16の捻れていた部分が戻り、逆回転方向に僅かに回転する(b点)。
【0026】
ソケット16の食い付きがない場合、つまり、ソケット16が摩耗していない場合、ソケット16とボルト14の穴部14aとのクリアランスは、僅かであり、(S103)でボルト14の逆回転を行っても(逆回転ステップ)、すぐに規定トルクBに達して(c点)、その後、サイクル終了点(d点)に達する(図5のグラフにおいては図3の(S105)、(S106)の動作は省略している)。この時、判定部28は、回転検出センサ24の検出結果に基づいて、ソケット16の回転角度が規定角度Pをこえたか否かの監視を行う(S200)。ここで規定角度Pとは、前述したソケット16とボルト14の穴部14aとのクリアランスのみで回転可能な角度である。すなわち、食い込みが発生していないため、逆回転が与えられると、直ちにソケット16のみが回転し、ソケット16の緩め側締結作用面がボルト14の緩め側締結作用面と接触する。その結果、モータ20のトルクが規定トルクBに達する。このように、サイクルの終了が規定角度P以内で行われた場合(回転角度>Pでない場合)、食い込みが発生していない、すなわち締結作用面同士は適切に接触できる状態に、ソケット16の形状が維持されていると判断され、判定部28はソケット16に摩耗が全く発生していないと判断し(判定ステップ)、締結作業を終了する(S201)。このとき、判定部28は出力部30を介して『OK』等の表示をおこなうようにしてもい。
【0027】
一方、(S200)で、回転角度>Pの場合、判定部28は、さらに、回転検出センサ24の検出結果に基づいて、ソケット16の回転角度が規定角度Q(P<Q)をこえたか否かの監視を行う(S202)。図6は、ソケット16に摩耗が発生し始めた場合の締付トルクと回転角度の関係を示している。ソケット16に摩耗が発生し、食い込みが発生すると、ソケット16が食い込みから解放される過程でボルト14と共にワークを僅かに回転させる(ワークとワーク固定台との間のクリアランス分)。その結果、ソケット16の緩め側締結作用面がボルト14の緩め側締結作用面とが接触する前に回転を生じ、ソケット16は、前記規定角度Pより多く回転するようになる。もちろん、クリアランスが広くなったのみで、食い込みが発生しない場合でもソケット16は、前記規定角度Pより多く回転するようになる。つまり、ソケット16に摩耗が発生しても、食い込みが発生しないレベル、または、食い込みが発生しても品質上および作業上問題にならないレベルに対応する量に規定回転角度Qの設定を行っておけば、ソケット16の使用限界の判断を行うことができる。
【0028】
すなわち、ソケット16の回転角度がPとQの間である場合は、ソケット16に摩耗が生じているが、使用限界には至っていないと判断することが可能であり、判定部28は、ソケット16の交換予報を出力部30を介して行う(S203)。この場合、交換予報が発生し始めてから実際に使用限界に達するまでの時間や使用回数は過去のデータより予測することができるので、『あと、〜時間以内に交換してください。』とか『あと、〜サイクル以内に交換してください。』等のメッセージを出力する。前述したように、この場合、品質上および作業上問題がないレベルなので、締付作業自体は、通常通り終了する(S201)。
【0029】
一方、ソケット16の回転角度が規定回転角度Qを越えた場合、もはや摩耗が進行し、ソケット16の使用限界に達したと判断し、判定部28は出力部30を介して、ソケット交換指示、例えば、『ソケットの摩耗が限界値を超えました。早急に交換してください』等のメッセージを出力する。この時、締結装置(設備)全体の停止指示を含んでもよく(S204)、一連の摩耗判定処理および締付処理を終了する。
【0030】
このように、本実施形態においては、ソケット16の使用の度に摩耗状態をリアルタイムで検出するので、適切なタイミングで、ソケット16の交換指示を行い、締付作業の質の低下を防止すると共に、ソケット16の必要以上に早い交換指示を防止し経済的な使い方を行うことができる。
【0031】
お、本実施形態ではソケット16回転角度を直接検出する例を示しているが、締付完了後の逆回転完了までの時間で回転量を検出するようにしてもよい。
【0032】
本実施形態においては、ネジ部材の一例として6角穴付きボルトおよび、ソケット16として、6角穴付きボルトの穴部に係合する6角の棒状部材を例にとり説明したが、ネジ部材は、穴部のない6角ボルトでもよく、またソケット16は、6角頭部を包含する袋ナット形状のものでもよく、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、ネジ部材用締付ソケットが摩耗して食い込みが生じている場合に生じる駆動源の挙動変動を検出することによりネジ部材用締付ソケットの摩耗の有無がリアルタイム、すなわち使用の度に判定することが可能になり、ネジ部材用締付ソケットの摩耗判定を容易かつ正確に行うことが可能になり、適切なタイミングで、ネジ部材用締付ソケットの交換指示を行い、締付作業の質の低下を防止すると共に、ネジ部材用締付ソケットの必要以上に早い交換指示を防止し経済的な使い方を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置を締結装置に接続した場合の構成概念図が示されている。
【図2】 ネジ部材用締付ソケットがネジ部材に食い込んだ場合に食い込みから離脱する手順を説明する説明図である。
【図3】 ネジ部材用締付ソケットがネジ部材に食い込んだ場合に食い込みから離脱する手順を説明するフローチャートである。
【図4】 本発明の実施形態に係るネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置の判定手順を説明するフローチャートである。
【図5】 本発明の実施形態に係るネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置の判定において、食い込みが発生していない場合の締付トルクと回転角度の変動を説明する説明図である。
【図6】 本発明の実施形態に係るネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置の判定において、食い込みが発生している場合の締付トルクと回転角度の変動を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 締結装置(ナットランナー)、12 ネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置(判定装置)、14 ネジ部材(ボルト)、16 ネジ部材用締付ソケット(ソケット)、18 ホルダー、20 駆動源(モータ)、22 トルクセンサ、24 回転検出センサ、26 制御部、28 判定部、30 出力部。

Claims (4)

  1. 駆動源により正逆回転自在で、係合したネジ部材を締め付けるネジ部材用締付ソケットの締付作用面の摩耗判定を行う摩耗判定方法であって、
    前記ネジ部材用締付ソケットの回転トルクを測定し、測定された回転トルクに基づいて前記ネジ部材の締付方向への締付完了を検出する完了検出ステップと、
    締付完了後、ネジ部材用締付ソケットの緩め側締結作用面がボルトの緩め側締結作用面と接触し、前記駆動源のトルクが前記回転トルクよりも小さく、かつ前記ネジ部材用締付ソケットの前記ネジ部材への食い込みを解除できるだけの予め設定されたトルクに達するまで、ネジ部材用締付ソケットを逆締付方向へ回転させる逆回転ステップと、
    前記逆回転時の駆動源の回転角度に基づいて、前記ネジ部材に接触する前記ネジ部材用締付ソケットの締付作用面の摩耗状態の判定を行う判定ステップと、
    を含むことを特徴とするネジ部材用締付ソケットの摩耗判定方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記判定ステップの判定結果に基づいて、ネジ部材用締付ソケットの使用限界判定を行うことを特徴とするネジ部材用締付ソケットの摩耗判定方法。
  3. ネジ部材と係合し、当該ネジ部材を正回転および逆回転させるネジ部材用締付ソケットと、
    前記ネジ部材用締付ソケットを回転させる駆動源の回転制御を行う制御手段と、
    前記駆動源が正回転および逆回転した場合の駆動源の動作状態を検出する検出手段と、
    駆動源の正回転により前記ネジ部材を規定トルクに締め付け完了後、ネジ部材用締付ソケットの緩め側締結作用面がボルトの緩め側締結作用面と接触し、前記駆動源のトルクが前記規定トルクよりも小さく、かつ前記ネジ部材用締付ソケットの前記ネジ部材への食い込みを解除できるだけの予め設定されたトルクに達するまで逆回転した場合の当該駆動源の回転角度に基づいて、前記ネジ部材に接触する前記ネジ部材用締付ソケットの締付作用面の摩耗状態の判定を行う判定手段と、
    を含むことを特徴とするネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記判定手段は、
    前記摩耗状態に基づいて、ネジ部材用締付ソケットの使用限界判定を行うことを特徴とするネジ部材用締付ソケットの摩耗判定装置。
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