JP2008126278A - ガイド装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】H形鋼10のフランジ幅圧下を行うエッジング圧延機の入側及び出側に設置され、パスラインに沿って延びると共に当該ウェブ10aを挟んで対向配置される一対のガイド3によって、H形鋼10のウェブ10aをエッジャーロール107間に案内するガイド装置を備える。このガイド装置は、ガイド3の先端部に対し、回転可能に支持されると共にガイド3よりもウェブ10a側に突出したウェブ拘束用のローラ2を設けた。
【選択図】 図1
Description
H形鋼の圧延設備100の構成は、図7に示すように、パスラインPに沿ってブレークダウン圧延機101、粗ユニバーサル圧延機102、エッジング圧延機103、および仕上げユニバーサル圧延機104の組み合わせからなるのが普通であって、スラブやブルーム、あるいはビームブランク等の素材を順次に圧延することによって、目標とする断面寸法のH形鋼が製造される。
また、粗ユニバーサル圧延機102は、図8(a)に示すように、水平ロール105と垂直ロール106とによって、ブレークダウン圧延によって得られた粗形鋼片の圧延を更に進める。すなわち、水平ロール105では形鋼10のウェブがその厚さ方向に、水平ロール105と垂直ロール106とによって形鋼10のフランジがその厚さ方向に圧下される。
上記の粗圧延では、素材が所定の断面寸法になるまで複数回繰り返され、その後、フランジ、ウェブの厚み圧下に加えフランジの角度おこしを行う仕上げユニバーサル圧延機104によって、図8(c)に示すように、最終製品寸法に仕上げられる。
ここで、上述のような圧延工程で圧延製造されたH形鋼10には、中心偏りSが生じていることがある。この中心偏りSは、図9に示す上下フランジ10bの脚長b1、b2の差の1/2で定義されるものであるが、素材段階での上下左右フランジ10bの非対称性やユニバーサル圧延での非対称性要因(例えば、パスラインずれ、ロール位置ずれ、噛み込み姿勢不良)などによって生じる。その中心偏りSには許容公差があり、例えばJIS−G3136では、フランジ幅300mm以下で±2.5mm以内と定められている。この公差を外れる場合には、脚長の手入れ等によって修正する別の工程が要求されたり、不合格となり製品にならなかったりする。いずれにせよ、生産性・歩留まりを低下させる要因となっていた。
一般に、図8(b)に示されるような通常のエッジング圧延機103においては、エッジャーロール107の中央部に位置する大径部がウェブ10aとは接触しないように設計されている。これは、製品の脚長に合わせて、エッジャーロール107の脚長を設計すればいいのであるが、同一圧延チャンス(=同一ロール)で製品脚長が異なる断面を作り分ける必要があることから、完全には製品脚長とエッジャーロール107の脚長を合わることができない事情があるためである。このため、中心偏りSが特に大きい(上下フランジの脚長の一方が特に短い)場合についてのみ、脚長の短い側のロールとウェブ面とが接触して、中心偏りSをある程度矯正する効果があった。
例えば、特許文献1には、ウェブ圧下ロールとフランジ端圧下ロールの両方を有するエッジング圧延機において、フランジ圧下ロールもしくはウェブ圧下ロールが、ロール主軸に回転および固定自在に嵌合された偏心中間リングと、前記偏心リングの外側に嵌合されたロールリングとを有してなるエッジング圧延機が開示されている。この圧延設備では、フランジ端の圧下と同時にウェブを圧下・保持することが可能であり、H形鋼の中心偏りを効率よく矯正(抑制)することができる。
一方、特許文献2に開示されたエッジング圧延設備は、ある程度の中心偏りSの抑制効果が期待できる設備となっている。ここで、その効果を発揮するために、特許文献2には、ウェブをガイドする横型ローラはエッジャーロールの前後に極力近接すべきとの記述がある(第3頁左下欄の下から9行目)。しかしながら、極力近接させるための具体的な方法については特に記述が無く、その実施例を見る限り、ウェブをガイドするローラはエッジャーロールの直径の大きさぐらい、エッジャーロールから離れた位置に設置されている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、H形鋼の中心偏りを効率よく抑制する圧延設備を提供することを課題とする。
上記ガイドに、回転可能に支持され且つ当該ガイドよりもウェブ側に突出したウェブ拘束用ローラを設けたことを特徴とするものである。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記ガイドに回転可能に支持されると共に、上記エッジング圧延機のエッジャーロールの外周面と当接可能な位置保持用ローラを備えることを特徴とするものである。
ここで、本発明者らは、図10に示すような特許文献2に開示される技術、つまりH形鋼のウェブを上下に挟み込む、対をなす横型ローラをエッジング圧延機の入側及び出側にそれぞれ設置して、中心偏りSの抑制効果について調査した。その結果、多少の改善は認められるものの、十分な効果は得られなかった。
ここで、図5(パスラインPよりも下側のみ図示)に示すように、実際にウェブ拘束用ローラ2をスクレーパーガイド3に取り付けてエッジング圧延機に組み込み、H形鋼の圧延を行った結果、中心偏りSの抑制効果が図10に示したローラ対による場合に比べて、大きな抑制効果が得られた(後述の実施例を参照)。
また、請求項2の発明によれば、簡単な機構によって、ガイドのたわみ変形を防止することができるので、中心偏りの抑制効果がさらに向上する。
さらに、請求項3の発明によれば、ガイドの上下方向(エッジング圧延機での圧下方向)の剛性を損ねることなく、ローラ位置の上下方向の調整を簡便に行うことができる。
図1は、本実施形態に係るエッジング圧延設備1の模式的側面図である。図2は、圧延機出側からみて、主要な部品の配置関係を示す図、すなわち、H形鋼10、エッジャーロール107、ウェブ拘束用ローラ2、位置保持用ローラ4の位置関係を示す(ガイド3、レストバー5などは表示していない。)。また、図3に、パスラインよりも下側のガイド装置の斜視図を示す。
入側及び出側のガイド装置は同じ構成であるので、出側ガイド装置を例に次に説明する。
ガイド装置は、いわゆるスクレーパーガイドであって、H形鋼10のウェブ10aを挟んで上下で対向配置される上ガイド3′及び下ガイド3が対を成して配置されている。
次に、上記ガイド装置の使用方法について説明する。
図4に示すように、位置保持用ローラ4をエッジャーロール107の大径部107aに当接した状態で、油圧シリンダ装置6によって、当該位置保持用ローラ4の進退位置を調整することで、ウェブ拘束用ローラ2の高さ位置が調節される。図4は、下側ガイドを例示しているが、上側ガイドについても同様なことを行うことで上側ガイドおウェブ拘束用ローラ2の高さ位置も調整されて、上下のウェブ拘束用ローラ2間の間隙が所定の隙間に調整される。
しかもパスラインに沿って延びるガイド本体3aの先端部にウェブ拘束用ローラ2を配置することで、よりエッジャーロール107に近接した位置でウェブ10aを保持拘束することが可能となる。
ここで、ウェブ拘束用ローラ2はウェブ10aの位置を保持・拘束することが目的なので、上下のウェブ拘束用ローラ2間の隙間は、対象とするウェブ厚みにほぼ等しいことが望ましいが、 許容公差内、例えば1mm程度広めの隙間に設定しても構わない。
また、製品あるいは圧延途中での段階での材料の中心偏りSの状況に応じ、ウェブ拘束用ローラ2の位置を上下エッジャーロ−ルの丁度中間位置から、脚長の長い側にずらして圧延することも可能である。
ここで、上記実施形態では、ウェブ拘束用ローラ2の高さ位置を簡易な機構で保持させるために、位置保持用ローラ4と調整手段とを設けたが、ウェブ拘束用ローラ2の高さ位置を調整した位置で保持可能であれば、他の機構を採用しても良い。ウェブ拘束用ローラ2の高さ位置の調整についても同様である。
また、上記実施形態では、エッジング圧延機の入側及び出側にウェブ拘束用のローラ2を配置しているが、どちらか一方に配置するようにしても良い。
エッジング圧延機に組み込んだエッジャーロール107は最大径φ1100mm、フランジ端圧下部の径φ918mmであり、ロールの脚長寸法は91mmである。
このように、本発明を採用することで中心偏りSの抑制効果が向上することが確認された。
3 ガイド
3a ガイド本体
4 位置保持用ローラ
6 油圧シリンダ装置(調整手段)
10 形鋼
10a ウェブ
10b フランジ
103 エッジング圧延機
107 エッジャーロール
107b 小径部
107a 大径部
S 中心偏り
Claims (3)
- H形鋼のフランジ幅圧下を行うエッジング圧延機の入側及び出側の少なく一方に設置され、パスラインに沿って延びると共にH形鋼のウェブを挟んで対向配置される一対のガイドによって、H形鋼のウェブを案内するガイド装置であって、
上記ガイドに、回転可能に支持され且つ当該ガイドよりもウェブ側に突出したウェブ拘束用ローラを設けたことを特徴とするガイド装置。 - 上記ガイドに回転可能に支持されると共に、上記エッジング圧延機のエッジャーロールの外周面と当接可能な位置保持用ローラを備えることを特徴とする請求項1に記載したガイド装置。
- 上記ガイドは、上記ウェブ拘束用のローラがウェブに対して接近離隔する方向へ移動可能に支持されており、且つガイドに対する上記位置保持用ローラの位置を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項2に記載したガイド装置。
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