JP2008126130A - 遠心分離機用ロータとこれを備えた遠心分離機 - Google Patents

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    • B04B9/08Arrangement or disposition of transmission gearing ; Couplings; Brakes
    • B04B2009/085Locking means between drive shaft and rotor

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Abstract

【課題】着脱の容易化を図りつつ、駆動軸との結合力を高めて安定した回転が可能な遠心分離機用ロータを提供すること。
【解決手段】試料を収容して回転するロータ9と、該ロータ9を回転駆動する駆動装置を備え、前記ロータ9をクラウン(駆動装置の駆動軸)8に嵌合させて該ロータ9をクラウン(駆動軸)8に対して上方から着脱可能とするとともに、ロータ8の回転時に互いに当接するロータピン15とクラウンピン11をロータ9とクラウン(駆動軸)8にそれぞれ突設して成る遠心分離機の前記ロータ9のロータピン15に、前記クラウンピン11との間で係合手段を構成する係合部を設ける。例えば、ロータピン15とクラウンピン11を逆テーパの関係で係合するテーパピンで構成する。
【選択図】図8

Description

本発明は、駆動軸に対してワンタッチで着脱される遠心分離機用ロータとこれを備えた遠心分離機に関するものである。
生物試料等を分離するための遠心分離機においては、試料保持容器であるロータを交換して使用するため、ロータの着脱作業は頻繁に行われることが多い。このため、ロータと駆動装置の駆動軸との結合は簡便であるほど使用者にとっては使い勝手が良いことになる。この簡便性を実現するには、ネジによる締結等によらず、ロータを駆動軸に対してワンタッチで容易に着脱可能とする必要がある。
ここで、ロータのワンタッチでの着脱を実現した遠心分離機の従来例を図11〜図16に示す。尚、図11は従来の遠心分離機の破断側面図、図12は同遠心分離機のクラウンの平面図、図13は図12のD−D線断面図、図14はロータの断面図、図15は図14のE部拡大詳細図、図16はロータピンとクラウンピンとの係合状態を示す図である。
図11に示す遠心分離機1は、筐体2内が仕切板3によって上下の空間に仕切られ、上部空間にはロータ室4が収納され、下部空間には駆動装置としてのモータ5が収納されている。ここで、モータ5は、振動等を吸収する防振ゴム等から成るモータ支持部6によって仕切板3に支持されており、該モータ5の上方へ延びる駆動軸7は、前記ロータ室4内へと突出し、その上端にはクラウン(係合部)8が設けられている。そして、クラウン8にはロータ9が着脱可能に装着されている。
又、筐体2の上部には、前記ロータ室4を開閉するためのドア10が設けられており、ロータ9はドア10を図11に破線にて示すように開いた状態でクラウン8に対してワンタッチで着脱される。
ところで、図12及び図13に示すように、前記クラウン8は、上部の円筒部8Aと下部のテーパ部8Bとで構成されており、その軸心(回転中心)にはモータ5の駆動軸7が下方から挿入されて嵌着されている。そして、クラウン8の円筒部8Aの上面には軸心周りにリング状の溝8aが形成されており、この溝8aには複数本(図示例では、6本)の円柱状のクラウンピン11が溝8aと同心となるようにピッチ円直径d3で円状に等角度ピッチ(図示例では60°ピッチ)で垂直に立設されている。
又、クラウン8の円筒部8Aの側部には切欠円状のウェイト溝8bが形成されており、このウェイト溝8b内には同形状のウェイト12が収容されており、このウェイト12はピン13によって半径方向に僅かに移動可能な状態で支持されている。
他方、ロータ9は、図14に示すように、略円錐台状のロータボディ9Aとその上面開口部を覆うカバー9Bとを備え、ロータボディ9Aには、遠心分離すべき試料を収容するための複数のチューブ穴9a(図14には2つのみ図示)が回転軸に対して所定角度だけ傾斜して放射状に形成されている。そして、このロータボディ9Aの上面開口部には前記カバー9Bが被せられ、このカバー9Bは、その中心部に挿通するハンドル14をロータボディ9Aにねじ込むことによってロータボディ9Aに固定されている。
又、ロータボディ9Aの下面側の軸中心部には、当該ロータ9を前記モータ5の駆動軸7に上方から装着するための装着穴9bが形成されている。この装着穴9bは、円筒穴部9b−1と該円筒穴部9b−1から下方に向かって広がるテーパ部9b−2とで構成されおり、円筒穴部9b−1の上部端面には、円柱状の2本のロータピン15が円筒穴部9b−1と同心となるようにピッチ円直径d4で等角度ピッチ(180°ピッチ)で垂直下方に向かって突設されている。ここで、ロータピン15が配置されるピッチ円直径d4は、クラウンピン11が配置されるピッチ円直径d3と同じ値に設定されている(d4=d3)。
而して、ロータ9は、前述のようにドア10を図11に破線にて示すように開いた状態で、その下部に形成された装着穴9bをクラウン8に上方から嵌め込むだけでクラウン8にワンタッチで簡単に装着され、このとき、モータ5の駆動軸7との連結も同時になされる。即ち、ロータ9に突設された2本のロータピン15がクラウン8に形成されたリング状の溝8aに突出するクラウンピン11の間に挿入され、この状態でモータ5が駆動されて駆動軸7と共にクラウン8が回転すると、図16に示すように、該クラウン8に立設されたクラウンピン11がロータ9のロータピン15に当接するため、モータ5の回転トルクはクラウンピン11からロータピン15を経てロータ9に伝達され、該ロータ9が駆動軸7及びクラウン8と共に所定の速度で回転駆動され、そのチューブ穴9a内に挿入された不図示の試料がロータ9と共に高速回転して遠心分離処理される。
尚、ロータ9をクラウン8に装着すると、その装着穴9bのテーパ部9b−2はクラウン8外周のテーパ部8Bに当接するため、両者間に発生する摩擦力によってもモータ5の回転トルクはクラウン8からロータ9に伝達される。実際には、ロータ9をクラウン8に装着した状態でロータピン15とクラウンピン11とが離間している状態であっても、起動初期のモータ5の駆動軸7及びクラウン8の加速によってロータ9の装着穴9bのテーパ面9b−2とクラウン8外周のテーパ部8Bとの間には滑りが発生するため、クラウンピン11が図16に示すようにロータピン15に当接し、該クラウンピン11からロータピン15を経てロータ9に駆動力が伝達されてロータ9とクラウン8は一体に回転し、加速時のクラウン8の空転が防がれる。又、モータ5の減速時にもロータ9の慣性力によってロータ9とクラウン8間には回転方向に滑りが発生するが、このときはロータピン15が図16に示すようにクラウンピン11に当接するため、ロータ9の空転が防がれる。
ところで、通常、回転速度が22,000rpm程度までの遠心分離機は大気中で運転されるため、ロータを装着する遠心分離機のロータ室には空気が存在する。このため、ロータが高速回転するとロータ室内の空気が攪拌され、ロータ室内には圧力分布が生じる。この圧力分布はロータの断面形状により様々であるが、ロータの上部と下部の圧力差が大きい場合、軸方向に移動する力が発生する。例えば、図11に示す上部エリアP1の圧力が下部エリアP2の圧力よりも低い場合には、ロータ9を押し上げようとする浮力が作用し、該ロータ9のクラウン8との結合力が低下する。
而して、ロータ9の装着穴9bとクラウン8の外周との間には僅かな隙間が形成されており、この隙間によってロータ9のクラウン8に対する着脱が可能となっている。
そこで、前述のようにクラウン8の円筒部8Aの側部にはウェイト12がピン13によって半径方向に僅かに移動可能に支持されており(図13参照)、このウェイト12がクラウン8と共に回転すると、ウェイト12に作用する遠心力によって該ウェイト12が径方向外方に移動してロータ9の装着穴9b(円筒穴部9b−1)の内周面に押圧される。このため、ウェイト12とロータ9の装着穴9bとの間には摩擦力が発生し、この摩擦力によってロータ9の軸方向の移動(浮き上がり)が抑制され、これによって異常振動の発生が防がれている。
特開2005−111417号公報
しかしながら、上記従来の遠心分離機1において、ロータ9をクラウン8に対して頻繁に着脱すると、ロータロータピン15とクラウンピン11に摩耗が発生することがある。これらのロータピン15とクラウンピン11に摩耗が発生した状態でロータ9に駆動力を伝達した場合、互いに当接するロータピン15とクラウンピン11に押し上げ力が発生してしまう。このようにロータピン15とクラウンピン15に押し上げ力が発生すると、ロータ9とクラウン8との嵌合位置が変わってしまい、遠心力によるウェイト12の押付力だけでは押し上げ力に抗してロータ9の浮き上がりを抑制することができず、ロータ9に浮き上がりが生じて異常振動(自励振動等)が発生してしまう場合があった。
このように、従来の遠心分離機1のロータ9の着脱機構においては、ロータ9のクラウン8に対する着脱容易性は確保できるものの、ロータ9の着脱に伴うロータピン15とクラウンピン11の摩耗によりロータ9とクラウン8との結合力に不足が生じ、これに起因して前記問題が発生する可能性があった。
従来のロータピン15とクラウンピン11は何れもストレートピンであるため、図16に示すように、クラウンピン11からロータピン15に伝達される駆動力Fには軸方向(上下方向)の分力は発生せず、軸方向に対して垂直方向(水平方向)の力だけが作用するため、駆動力がロータ9とクラウン8との結合力を高めることはなかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、着脱の容易化を図りつつ、駆動軸との結合力を高めて安定した回転が可能な遠心分離機用ロータとこれを備えた遠心分離機を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、試料を収容して回転するロータと、該ロータを回転駆動する駆動装置を備え、前記ロータを前記駆動装置の駆動軸に嵌合させて該ロータを駆動軸に対して上方から着脱可能とするとともに、ロータ回転時に互いに当接するロータピンとクラウンピンをロータと駆動軸にそれぞれ突設して成る遠心分離機の前記ロータのロータピンに、前記クラウンピンとの間で係合手段を構成する係合部を設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ロータピンを下方に向かって拡径するテーパピンで構成し、該テーパピンのテーパ面で前記係合部を構成するとともに、該ロータピンと上方に向かって拡径するテーパピンで構成される前記クラウンピンとの係合面に駆動力の分力が下向きに作用するよう構成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記係合部を、前記クラウンピンに形成された段部と係合する段部で構成したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記段部にテーパ面を形成し、該テーパ面と前記クラウンピンの段部に形成されたテーパ面との係合面に駆動力の分力が下向きに作用するよう構成したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4に何れかに記載のロータと、該ロータを回転駆動する駆動装置を含んで遠心分離機を構成したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ロータが駆動軸に装着されると、該ロータのロータピンに設けられた係合部がクラウンピンとの間で係合手段を構成するため、該係合手段によってロータと駆動軸との結合力が高められ、回転中におけるロータの浮き上がりが防がれて該ロータの安定した回転が可能となる。又、ロータは、駆動装置の駆動軸との嵌合によって駆動軸に対して上方からワンタッチで容易に着脱されるため、その着脱の容易化が図られる。
請求項2記載の発明によれば、ロータピンとクラウンピンを共にテーパピンで構成し、両テーパピンの係合面に駆動力の分力が下向きに作用するよう構成したため、この分力によってロータと駆動軸との結合力が高められ、回転中におけるロータの浮き上がりが防がれて該ロータの安定した回転が可能となる。
請求項3記載の発明によれば、ロータピンとクラウンピンにそれぞれ形成された段部同士の係合によってロータと駆動軸との結合力が高められ、回転中におけるロータの浮き上がりが防がれて該ロータの安定した回転が可能となる。
請求項4記載の発明によれば、ロータピンとクラウンピンの各段部にテーパ面を形成し、該テーパ面同士の係合面に駆動力の分力が下向きに作用するよう構成したため、この分力によってロータと駆動軸との結合力が高められ、回転中におけるロータの浮き上がりが防がれて該ロータの安定した回転が可能となる。
請求項5記載の発明によれば、ロータの着脱の容易化を図りつつ、ロータの駆動軸との結合力を高めて該ロータの安定した回転を実現し、試料の遠心分離を安定的に行うことができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1は本発明に係る遠心分離機の破断側面図、図2は同遠心分離機のクラウンの平面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図3のB部拡大詳細図、図5は本発明に係る遠心分離機用ロータの側断面図、図6は同ロータの底面図、図7は図5のC部拡大詳細図、図8はロータピンとクラウンピンとの係合状態を示す図である。
図1に示す本発明に係る遠心分離機1、図2及び図3に示すクラウン(係合部)8及び図5及び図6に示す本発明に係る遠心分離機用ロータ9の基本構成は、図11に示した従来の遠心分離機1、図12及び図13に示した従来のクラウン8、図14に示した遠心分離機用ロータ9と同じであり、従って、図1〜図8においては図11〜図16に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略し、本発明の要旨についてのみ説明する。
本発明は、ロータ9に立設されたロータピン15に、クラウン8に突設されたクラウンピン11との間で係合手段を構成する係合部を設けたことを特徴とし、本実施の形態では、その係合部をテーパ面で構成している。より具体的には、ロータピン15とクラウンピン11を互いに逆テーパのテーパピンで構成している。
即ち、ロータピン15は、図7に示すように、ロータボディ9Aから下方へ突出する部分が直径d2から直径d1(d1>d2)まで下方に向かって拡径するテーパピンで構成されており、クラウンピン11は、図4に示すように、溝8a内に突出する部分が直径d2から直径d1(d1>d2)まで上方に向かって拡径するテーパピンで構成されている。尚、これらのロータピン15及びクラウンピン11の各先端部は円錐状に成形されている。これはロータ9をクラウン8に装着する際にロータピン15がクラウンピン11に対して滑り易くすることによって該ロータ9の装着を容易化するためであって、両ピン11,15の先端部を半球状としても同様の効果が得られる。
ところで、通常、クラウン8は耐食性も考慮する必要があるため、材料にステンレス合金を用いて機械加工により製作される場合が多い。この場合、製作の容易性も考えて円筒部8Aにクラウンピン11の直径d2よりも僅かに小さな穴を加工し、この穴に別部品として製作したクラウンピン11を圧入する方法が採用される。この方法以外にロストワックス等の精密鋳造法によってクラウンピン11を一体成形する方法を採用しても良い。
而して、試料の遠心分離に際しては、ドア10を図1に破線にて示すように開いた状態で、ロータ9がその下部に形成された装着穴9bをクラウン8に上方から嵌め込むだけでクラウン8にワンタッチで簡単に装着されるとともに、該ロータ9のモータ5の駆動軸7との連結も同時になされる。即ち、ロータ9に突設された2本のロータピン15がクラウン8に形成されたリング状の溝8aに突出するクラウンピン11の間に挿入され、この状態でモータ5が駆動されて駆動軸7と共にクラウン8が回転すると、図8に示すように、該クラウンピン11がロータピン15に当接するため、モータ5の回転トルクはクラウンピン11からロータピン15を経てロータ9に伝達され、該ロータ9が駆動軸7及びクラウン8と共に所定の速度で回転駆動され、そのチューブ穴9a内に挿入された不図示の試料がロータ9と共に高速回転して遠心分離処理される。
上述のようにロータ9が回転している状態においては、図8に示すように、クラウンピン11からロータピン15に水平方向の駆動力Fが作用するが、本実施の形態では、テーパピンから成るロータピン15とクラウンピン11は図示のように逆テーパの状態で係合するため、これらのロータピン15とクラウンピン11の係合面には駆動力Fの分力F1が斜め下向きに作用する。
而して、上記分力F1は、ロータ9の自重とウェイト12の押圧による摩擦力と共にロータ9のクラウン8との結合力を高めるため、回転中におけるロータ9の浮き上がりが確実に防がれ、該ロータ9が振動することなく安定して回転する。
そして、ロータ9と共に回転する試料の遠心分離が完了すると、図1に破線にて示すようにドア10が開けられてロータ室4が開放され、ロータ9がそのまま上方へと持ち上げられてクラウン8から容易に取り外される。
従って、本実施の形態によれば、ロータ9の着脱の容易化を図りつつ、駆動力Fの分力F1によってロータ9のクラウン8との結合力を高めて該ロータ9の安定した回転を実現することができ、試料の遠心分離を安定的に行うことができる。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図9(a),(b)に基づいて説明する。
図9(a),(b)は本実施の形態におけるロータピン15とクラウンピン11の係合前後の状態を示す図であり、本実施の形態は、ロータ9に立設されたロータピン15に、クラウン8に突設されたクラウンピン11に形成された水平な段部11aとの間で係合手段を構成する係合部として水平な段部11aを形成したことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態1のそれと同じである。
而して、本実施の形態では、ロータ9をクラウン8に装着した状態で図9(a)に示すように互いに離間して非係合状態にあるロータピン15とクラウンピン11は、モータ5が駆動されて駆動軸7と共にクラウン8が回転すると図9(b)に示すように係合し、両者に形成された段部11a,15a同士も互いに係合する。このため、回転中におけるロータ9の浮き上がり(抜け)が確実に防がれ、該ロータ9が異常振動(自励振動等)することなく安定して回転する。
従って、本実施の形態においても、ロータ9の着脱の容易化を図りつつ、ロータ9のクラウン8との結合力を高めて該ロータ9の安定した回転を実現することができ、試料の遠心分離を安定的に行うことができるという効果が得られる。
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図10(a),(b)に基づいて説明する。
図10(a),(b)は本実施の形態におけるロータピン15とクラウンピン11の係合前後の状態を示す図であり、本実施の形態は、ロータ9に立設されたロータピン15に、クラウン8に突設されたクラウンピン11に形成されたテーパ状の段部11bとの間で係合手段を構成する係合部としてテーパ状の段部15bを形成したことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態1のそれと同じである。
而して、本実施の形態では、ロータ9をクラウン8に装着した状態で図10(a)に示すように互いに離間して非係合状態にあるロータピン15とクラウンピン11は、モータ5が駆動されて駆動軸7と共にクラウン8が回転すると図10(b)に示すように係合し、両者に形成されたテーパ状の段部11b,15b同士も互いに係合する。
上述のようにロータ9が回転している状態においては、図10(b)に示すように、クラウンピン11からロータピン15に水平方向の駆動力Fが作用するが、本実施の形態では、両段部11b,15bのテーパ面は図示のように逆テーパの状態で係合するため、両段部11b,15bのテーパ面には駆動力Fの分力F1が斜め下向きに作用する。
上記分力F1は、ロータ9の自重とウェイト12の押圧による摩擦力と共にロータ9のクラウン8との結合力を高めるため、回転中におけるロータ9の浮き上がりが確実に防がれ、該ロータ9が振動することなく安定して回転する。従って、本実施の形態においても、ロータ9の着脱の容易化を図りつつ、ロータ9のクラウン8との結合力を高めて該ロータ9の安定した回転を実現することができ、試料の遠心分離を安定的に行うことができるという効果が得られる。
尚、以上の実施の形態では、アングルロータを例に挙げて説明したが、スイングロータやバーチカルロータに対して本発明を適用しても良い。
本発明に係る遠心分離機の破断側面図である。 本発明に係る遠心分離機のクラウンの平面図である。 図2のA−A線断面図である。 図3のB部拡大詳細図である。 本発明に係る遠心分離機用ロータの側断面図である。 本発明に係る遠心分離機用ロータの底面図である。 図5のC部拡大詳細図である。 本発明に係る遠心分離機のロータピンとクラウンピンとの係合状態を示す図である。 (a),(b)は本発明の実施の形態2におけるロータピンとクラウンピンの係合前後の状態を示す図である。 (a),(b)は本発明の実施の形態3におけるロータピンとクラウンピンの係合前後の状態を示す図である。 従来の遠心分離機の破断側面図である。 従来の遠心分離機のクラウンの平面図である。 図12のD−D線断面図である。 従来の遠心分離機用ロータの側断面図である。 図14のE部拡大詳細図である。 従来の遠心分離機のロータピンとクラウンピンとの係合状態を示す図である。
符号の説明
1 遠心分離機
2 筐体
3 仕切板
4 ロータ室
5 モータ(駆動装置)
6 モータ支持部
7 駆動軸
8 クラウン
8A クラウンの円筒部
8B クラウンのテーパ部
8a クラウンの溝
8b クラウンのウェイト溝
9 ロータ
9A ロータボディ
9B ロータのカバー
9a チューブ穴
9b 装着穴
9b−1 装着穴の円筒穴部
9b−2 装着穴のテーパ面
10 ドア
11 クラウンピン
11a クラウンピンの水平段部
11b クラウンピンのテーパ状段部
12 ウェイト
13 ピン
14 ハンドル
15 ロータピン
15a ロータピンの水平段部
15b ロータピンのテーパ状段部
F 駆動力
F1 駆動力の分力

Claims (5)

  1. 試料を収容して回転するロータと、該ロータを回転駆動する駆動装置を備え、前記ロータを前記駆動装置の駆動軸に嵌合させて該ロータを駆動軸に対して上方から着脱可能とするとともに、ロータ回転時に互いに当接するロータピンとクラウンピンをロータと駆動軸にそれぞれ突設して成る遠心分離機の前記ロータであって、
    前記ロータピンに、前記クラウンピンとの間で係合手段を構成する係合部を設けたことを特徴とする遠心分離機用ロータ。
  2. 前記ロータピンを下方に向かって拡径するテーパピンで構成し、該テーパピンのテーパ面で前記係合部を構成するとともに、該ロータピンと上方に向かって拡径するテーパピンで構成される前記クラウンピンとの係合面に駆動力の分力が下向きに作用するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の遠心分離機用ロータ。
  3. 前記係合部を、前記クラウンピンに形成された段部と係合する段部で構成したことを特徴とする請求項1記載の遠心分離機用ロータ。
  4. 前記段部にテーパ面を形成し、該テーパ面と前記クラウンピンの段部に形成されたテーパ面との係合面に駆動力の分力が下向きに作用するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の遠心分離機用ロータ。
  5. 請求項1〜4に何れかに記載のロータと、該ロータを回転駆動する駆動装置を備えて成ることを特徴とする遠心分離機。
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