JP2008126113A - 排ガス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】飛灰に対する重金属固定剤の添加量を少なくしても重金属を十分に固定することが可能となる排ガス処理方法を提供する。
【解決手段】燃焼施設において発生する酸性ガスを含有した排ガスを処理する方法において、水噴冷却塔の減温水に水酸化ナトリウムを酸性ガスに対して1当量以下で添加すると共に、水噴冷却塔後の煙道に粉末の炭酸水素ナトリウムを0.3当量以上噴霧した後、集塵機で集塵する。好ましくは、排ガスに対し水酸化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとを合計で0.7〜1.5当量添加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物焼却炉、発電ボイラ、炭化炉等の燃焼施設において発生する有害な塩化水素や硫黄酸化物等の酸性ガスを効率的に処理し、かつ集塵機で集塵された飛灰中の重金属を安定的に処理することができる排ガス処理方法に係り、特に鉛の長期安定的溶出防止に有効な廃棄物処理方法に関するものである。
I. 都市ゴミや産業廃棄物等の廃棄物焼却炉から排出される燃焼排ガスには、炭酸ガスや、水蒸気、酸素、窒素、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素、重金属化合物、煤塵などが含まれていることから、大気放出に先立ち、これらの物質を除去する必要がある。
この燃焼排ガスの処理方法としては、焼却炉から排出された燃焼排ガスを減温装置で冷却した後、消石灰等のアルカリを添加してガス中の塩化水素や亜硫酸ガス等の酸性ガスを中和し、その後、電気集塵器やバグフィルタ等の集塵器でこの中和反応で生成した塩化カルシウム等の固形化合物を煤塵と共に捕集して除去し、処理ガスを排出する処理法がある。特開2001−327833号の0003〜0004段落には、第2図に示す次の排ガス処理方法が記載されている。
溶融炉1の後燃焼室2から排出する排ガスをガス冷却塔3に導き、乾式のガス冷却塔3で冷却水として苛性ソーダ水溶液を噴霧し、排ガスを所定温度に減温するとともに、排ガス中の酸性ガス(HCl、SOX)を中和する。ガス冷却塔3で排ガス中から分離されたダストはガス冷灰として塔外へ排出する。
ガス冷却塔3を通過した排ガスはバグフィルター4に導く。このときバグフィルター4の入口煙道中において排ガス中にアルカリ系薬剤粉末(消石灰粉末等)を吹き込み、ガス冷却塔3で除去しきれなかった酸性ガスをアルカリ系薬剤粉末との反応によって除去する。この反応生成物はバグフィルター4において溶融飛灰とともに捕集除去する。
また、同号の特許請求の範囲及び0018〜0032段落には、第3図に示す排ガス処理方法が記載されている。
溶融炉11の後燃焼室12に接続して排ガス処理系13を設けている。排ガス処理系13には乾式のガス冷却塔14およびバグフィルター15を設けている。ガス冷却塔14には冷却水として苛性ソーダ水溶液を供給する薬液供給系16を接続しており、バグフィルター15の入口煙道に接続してガス冷灰投入系17を接続している。
溶融炉11から排出する排ガスは後燃焼室12で完全燃焼させた後にガス冷却塔14に導く。ガス冷却塔14では薬液供給系16を通して供給する苛性ソーダ水溶液を排ガス中に冷却水として噴霧し、排ガス中の酸性ガスを苛性ソーダ水溶液との反応で中和する。苛性ソーダ水溶液の噴霧量はモル比で規程する。モル比はガス冷却塔14の入口における排ガス中の酸性ガス(HCl、SOX)のモル数と苛性ソーダのモル数との割合で定義するものであり、好ましくはモル比で1〜3程度の苛性ソーダ水溶液を排ガス中に噴霧する。
この苛性ソーダ水溶液が排ガス中の酸性ガス(HCl、SOX)を中和し、反応生成物としてNa2SO3、Na2SO4、NaHSO3、NaClなどの粉末状の塩を析出する。
噴霧した苛性ソーダ水溶液に未反応物が残り、この酸性ガスと未反応の苛性ソーダは排ガス中の二酸化炭素などと反応し、反応生成物としてNa2CO3、NaHCO3などの粉末状の塩(未反応ソーダ)を析出する。これらの粉末状の塩をガス冷灰として塔外へ取り出す。
ガス冷却塔14を通過した排ガスはバグフィルター15へ導く。このとき、塔外へ取り出したガス冷灰をガス冷灰投入系17を通してバグフィルター15の入口煙道に吹き込み、排ガス中に残留する酸性ガスをガス冷灰中の未反応ソーダ(Na2CO3、NaHCO3)との反応で中和する。
バグフィルター15では、ガス冷灰がフィルター表面に付着してガス冷灰中の未反応ソーダが反応層を形成し、この反応層を排ガスが通過することで気固接触効率が高くなるので、排ガス中の酸性ガスと未反応ソーダとの反応効率が高くなり、排ガス中に残留する酸性ガスを十分に除去することができる。
II. 集塵器で捕集された飛灰は、最終処分場に廃棄されるが、それに先立ち、最終処分場で飛灰中の重金属が溶出するのを防止するために、飛灰中の重金属の固定化(不溶化)のための中間処理を行うことが義務付けられている。この固定化処理法としては、リン酸系薬剤等の重金属固定剤を飛灰に添加、混練する薬剤処理法が最も簡便な処理法として知られている。
特開2001−327833号
上記特開2001−327833号では、水酸化ナトリウムを排ガス中の酸性ガス当量に対し1〜3倍と多量に添加している。そのため、バグフィルターで集塵される飛灰のアルカリ度が非常に高いものとなり、重金属固定剤を飛灰に多量に添加することが必要となる。
本発明は、飛灰に対する重金属固定剤の添加量を少なくしても重金属を十分に固定することが可能となる排ガス処理方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の排ガス処理方法は、燃焼施設において発生する、酸性ガスを含有した排ガスを、水噴冷却塔で減温水を噴霧して処理する方法において、該水噴冷却塔の減温水に水酸化ナトリウムを酸性ガスに対して1当量以下で添加すると共に、水噴冷却塔後の煙道に粉末の炭酸水素ナトリウムを0.3当量以上添加した後、集塵機で集塵することを特徴とするものである。
請求項2の排ガス処理方法は、請求項1において、排ガスに添加する水酸化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを合算した当量が0.7〜1.5当量であることを特徴とするものである。
請求項3の排ガス処理方法は、請求項1又は2において、該集塵機で集塵した飛灰に少なくともリン酸及び/又はリン酸塩を含有する無機重金属固定剤を添加して重金属の溶出を防止することを特徴とするものである。
請求項4の排ガス処理方法は、請求項3において、無機重金属固定剤が正リン酸とアルカリ剤を配合した水溶液であり、そのpHが3〜11であることを特徴とするものである。
請求項5の排ガス処理方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、減温水の水酸化ナトリウム濃度を3wt%以下とすることを特徴とするものである。
請求項6の排ガス処理方法は、請求項1ないし5のいずれか1項において、減温水の配管に水酸化ナトリウム水溶液をライン注入し、水酸化ナトリウム水溶液の添加後、減温水の噴霧までの滞留時間を2分以内とすることを特徴とするものである。
本発明では、水噴冷却塔(水噴式ガス冷却塔)で排ガスに水酸化ナトリウム水溶液を噴霧することにより、排ガスの減温と酸性ガスの中和とが行われる。この際の水酸化ナトリウムの添加量を酸性ガスの1当量以下と少なくしているので、集塵機で集塵される飛灰のアルカリ度が低くなる。なお、水酸化ナトリウムの添加量を少なくしても、その後段で炭酸水素ナトリウムを添加するので、酸性ガスは十分に中和される。炭酸水素ナトリウムは飛灰のアルカリ度を高める作用が水酸化ナトリウムに比べて弱いので、炭酸水素ナトリウムを酸性ガスの0.3当量以上添加しても、飛灰のアルカリ度はそれ程高くはならない。
このようなことから、本発明によると、酸性ガスを十分に中和することができると共に、飛灰への重金属固定剤添加を多くしなくても飛灰からの重金属溶出を十分に抑制することができる。
本発明によれば、酸性ガス並びに飛灰重金属等の有害物質を安価にかつ安定的に処理し、特に最終処分場における鉛等の長期安定的固定を実施する方法において飛灰混練機の腐食防止などを含めたトータルの処理コストが低減される。また、産業廃棄物などのごみ質の変動による酸性ガス濃度の負荷が高くなった場合でも、排ガス及び飛灰を安定して処理することができる。
なお、集塵機で集塵される飛灰がアルカリ度の高いものであると、これを重金属固定化剤で処理した処理物からの鉛等の重金属の溶出量が多い。また高アルカリ域ではリン酸等の無機系重金属固定剤は、重金属固定効果が発揮できないか、もしくは多量の添加量を必要とする。本発明によれば、水噴冷却塔で減温水に伴って添加される水酸化ナトリウムの量が少ないので飛灰中のアルカリ成分が少なくなり、この飛灰を重金属固定処理した処理物からの、鉛等の重金属の溶出量を低減することができる。また、重金属固定剤を飛灰に添加して重金属を固定化する場合において、リン酸等の無機系重金属固定剤が良好な重金属固定効果を発揮することができ、薬剤の必要添加量も低減させることができる。
本発明では、水噴冷却塔で排ガスに添加する水酸化ナトリウム水溶液の濃度を3wt%以下とすることにより、減温水の供給配管や噴霧ノズルでのカルシウムスケールの析出を抑制することができる。
この水酸化ナトリウムを減温水に添加した場合、添加後、2分以内に減温水を排ガスに添加するようにすることによっても、カルシウムスケールの析出を抑制することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の方法においては、燃焼施設例えば第1図に示すように、都市ゴミや産業廃棄物等の廃棄物焼却炉20から排出された燃焼排ガスを水噴冷却塔21に導き、水酸化ナトリウム水溶液よりなる減温水を噴霧等により添加して減温する。その後、炭酸水素ナトリウムを添加した後、バグフィルター又は電気集塵機などの集塵機22によって集塵し、煙突23から放出する。集塵機22の後段に、脱硝又はダイオキシン分解用の触媒塔などが配置されてもよい。
集塵機22で集塵した飛灰については、重金属固定剤を添加し、混練機24にて混練ないし混合することにより重金属固定処理する。
上記の水酸化ナトリウム水溶液よりなる減温水としては、水に対し濃度0.1〜5wt%程度の水酸化ナトリウム水溶液を添加して調製されたものが好ましい。この減温水中での水中のカルシウム濃度にもよるが、カルシウムスケールの析出防止のために、一般的には減温水の水酸化ナトリウム濃度は3wt%以下、例えば0.1〜3wt%とすることが好ましい。また、同様に、カルシウムスケール析出防止のために、水酸化ナトリウム水溶液を水に添加した後、2分以内に排ガスに噴霧することが好ましい。
この排ガスに添加される減温水の水酸化ナトリウムの量は、排ガス中の酸性ガスの1当量以下、好ましくは0.1〜1当量、特に好ましくは0.3〜0.7当量とする。
このように水酸化ナトリウムの添加当量を少なくすることにより、飛灰のアルカリ度を低くし、重金属固定処理後の重金属溶出を抑制することが可能となる。
水酸化ナトリウム水溶液よりなる減温水の添加は、施設規模にもよるが、水噴冷却塔内部にクリンカを生成させる可能性がある。そのため、排ガスに対する水酸化ナトリウムの添加量は純分で1kg/h〜30kg/h程度が好ましく、特に2〜20kg/hが好ましい。
水酸化ナトリウム水溶液よりなる減温水は二流体ノズル等のノズルで噴霧される。この噴霧の粒子径は細かいほど接触効率が高いので、10〜200μmが好ましい。また、水酸化ナトリウムを添加した減温水の噴霧量は、減温すべき排ガス量と冷却塔前後の温度に応じて決定される。なお、減温水の量が多い場合には、蒸発しきれない余剰水によってクリンカを発生させる可能性があるため、バグフィルターの温度が170℃〜190℃となる程度の減温水噴霧量とすることが好ましい。バグフィルター出口に脱硝、ダイオキシン分解の触媒塔が設置されている場合には再加熱の熱的ロスを防ぐ為にバグフィルター温度が200〜230℃となるように減温水噴霧量を調整することが好ましい。
本発明では、排ガスに減温水を噴霧した後、この排ガスに炭酸水素ナトリウムを添加する。炭酸水素ナトリウムは粒径5〜20μm程度の粉末として添加されることが好ましい。炭酸水素ナトリウムの添加量は、燃焼施設からの排ガス中の酸性ガスに対し0.3当量以上、好ましくは0.3〜0.8当量、特に好ましくは0.4〜0.6当量である。
なお、減温水中の水酸化ナトリウムと、この炭酸水素ナトリウムとの合計量は、酸性ガスに対し0.7〜1.5当量、特に0.8〜1.2当量であることが好ましい。
本発明では、集塵機で集塵して飛灰に重金属固定剤を添加することにより、重金属の溶出を防止する。前述の通り、本発明ではこの飛灰のアルカリ度が低いので、重金属固定剤によって処理した処理物からの重金属溶出が抑制される。
本発明において用いる重金属固定剤は、無機系重金属固定剤が好ましいが有機系重金属固定剤であっても良い。無機系重金属固定剤としては、処理物の長期安定性に優れたリン酸及び/又はリン酸塩が好適であり、例えば次のようなものが例示できる。
正リン酸(オルソリン酸)、ポリリン酸、メタリン酸、次リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、過リン酸、第一リン酸ソーダ、第二リン酸ソーダ、第三リン酸ソーダ、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸カリウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、過燐酸石灰、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等。
なお、必要に応じ、硫酸バンドや塩化鉄;焼き石膏、ポルトランドセメント、早強セメント、ジェットセメント、高炉セメント、アルミナセメント等のセメント類;各種活性白土、合成珪酸、天然珪酸加工物等の無機吸着剤;汎用の珪酸ソーダ、珪酸カリウム等の水溶性珪酸塩等の水ガラスなどをさらに添加してもよい。
また、リン酸及び/又はリン酸塩は、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を加えてpH3〜11特にpH7〜10とした水溶液として飛灰に添加されるのが好ましい。
重金属固定剤の添加量は用いる薬剤の種類や処理する飛灰の性状により異なるが、通常の場合、無機系重金属固定剤の添加量は飛灰に対して有効成分量として0.1〜50重量%、特に1〜20重量%とするのが好ましい。
以下、実施例及び比較例について説明する。
比較例1
燃焼時に発生する塩化水素濃度が310ppm、硫黄酸化物濃度が23ppm(3回測定値平均)、発生する排ガス量が8,000Nm/hであった廃棄物焼却炉排ガスを水噴冷却塔で180℃に冷却した後、バグフィルターを通すようにした施設において、消石灰をバグフィルター(BF)前排ガスに10kg/h(2.1当量)噴霧した。このバグフィルター後段の排ガスの塩化水素濃度並びに硫黄酸化物濃度を測定し、酸性ガス除去効果を評価した(表1)。また、本試験時に採取した飛灰に重金属固定剤としてキレート又はリン酸を添加して混練し、PbとCdの溶出濃度(環境庁告示13号試験)から重金属固定剤の必要量を求めた(表2)。
その結果、塩化水素の除去率は79%であり、飛灰重金属固定剤の必要量はキレートで5%、リン酸においては15%であった。なお、キレートとしては40%ピペラジンジチオカルバミン酸カリウム水溶液を用いた。
Figure 2008126113
Figure 2008126113
比較例2
比較例1と同施設において、水酸化ナトリウム水溶液をNaOH純分で7.6kg/h(1.5当量)で水噴冷却塔の減温水にライン注入し噴霧した。飛灰には正リン酸を添加した。同様に酸性ガス除去効果(表1)とリン酸の必要添加量を評価した(表3)。
その結果、塩化水素の除去率は71%、リン酸の必要添加量5%であった。
Figure 2008126113
実施例1
比較例1と同施設において、水酸化ナトリウム水溶液をNaOH純分で2kg/h(0.4当量)で水噴冷却塔の減温水にライン注入すると共に水噴冷却塔後の煙道に平均粒径(D50)10μmの炭酸水素ナトリウムを12kg/h(1.1当量)噴霧し、飛灰には正リン酸、又は正リン酸と水酸化ナトリウムとの水溶液(pH3.5)を添加した。同様に酸性ガス除去効果(表1)とリン酸の必要添加量を評価した(表4)。その結果、塩化水素の除去率は98%、リン酸の必要添加量は1%となった。また、腐食性の低いリン酸と水酸化ナトリウム配合水溶液(pH3.5)においても1〜2%で十分な効果が得られた。
Figure 2008126113
実施例2
比較例1と同施設において、水酸化ナトリウム水溶液をNaOH純分で4kg/h(0.8当量)で水噴冷却塔の減温水にライン注入すると共に水噴冷却塔後の煙道に平均粒径10μmの炭酸水素ナトリウムを7.5kg/h(0.7当量)噴霧し、飛灰には正リン酸、又は正リン酸と水酸化ナトリウムとの水溶液(pH3.5)を添加した。同様に酸性ガス除去効果(表1)とリン酸の必要添加量を評価した(表5)。その結果、同様に塩化水素の除去率は98%、リン酸等の必要添加量は1%程度と良好な結果であった。
Figure 2008126113
比較例3
比較例1と同施設において水酸化ナトリウム水溶液をNaOH純分で6.6kg/h(1.3当量)で水噴冷却塔の減温水にライン注入すると共に水噴冷却塔後の煙道に平均粒径10μmの炭酸水素ナトリウムを2kg/h(0.2当量)噴霧し、同様に酸性ガス除去効果(表1)とリン酸の必要添加量を評価した(表6)。その結果、塩化水素の除去率は90%、リン酸の必要添加量は5%必要であった。
Figure 2008126113
本結果からリン酸等の無機重金属固定剤による重金属固定を考えた場合、排ガスへの水酸化ナトリウムの噴霧当量は酸性ガスに対し1当量以下が好ましいことがわかる。
実施例3,4、比較例4
炭酸水素ナトリウムの添加当量を一定として水酸化ナトリウムの添加当量を変え、BF出口HCl濃度から試算したHClの除去率を第4図に示す。
実施例3は、平均粒径10μmの炭酸水素ナトリウムの添加当量0.6で固定し、水酸化ナトリウムとの合算当量を0.7、1、1.5当量とした際のHCl除去率である。
実施例4は同様に炭酸水素ナトリウムの添加当量を0.4で固定し、同様に水酸化ナトリウムとの合算当量を変えた際のHCl除去率である。
比較例4は炭酸水素ナトリウムの添加当量を0.2で固定し、同様に水酸化ナトリウムとの合算当量を変えた際のHCl除去率である。
その他の条件は実施例1と同じである。
第4図に示したHCl除去率からわかるように、炭酸水素ナトリウムの添加当量は0.2では不十分でHCl除去効率が悪化した。本結果から炭酸水素ナトリウムは0.3当量以上添加するのが効率的であることがわかる。また、水酸化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの合算当量は求められる酸性ガス処理レベルにもよるが0.7〜1.5当量とするのが好ましい。
参考例1
水噴冷却塔減温水(pH7.6,Mアルカリ度41mg/L,全硬度302mg/L,Ca硬度268mg/L)に水酸化ナトリウムを添加した際の性状変化を観察した結果を表7に示す。本減温水の場合、1.3〜2.5wt%asNaOHでは5分間スケール析出は起きていなかった。一方、3.6wt%asNaOHと濃度を濃くした場合には、明らかに白い粒子が析出しスケールが発生する環境であった。ただし、スケールの析出には2分程度を要しており、減温水中NaOH濃度3wt%以下、減温水の水噴までの滞留時間を2分以下とすることにより、スケールの析出は防止できる。
Figure 2008126113
本発明方法の一例を示す系統図である。 従来例の系統図である。 別の従来例の系統図である。 実施例及び比較例の結果を示すグラフである。
符号の説明
20 焼却炉
21 水噴式ガス冷却塔
22 集塵機
23 煙突
24 混練機

Claims (6)

  1. 燃焼施設において発生する、酸性ガスを含有した排ガスを、水噴冷却塔で減温水を噴霧して処理する方法において、
    該水噴冷却塔の減温水に水酸化ナトリウムを酸性ガスに対して1当量以下で添加すると共に、
    水噴冷却塔後の煙道に粉末の炭酸水素ナトリウムを0.3当量以上添加した後、集塵機で集塵することを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 請求項1において、排ガスに添加する水酸化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを合算した当量が酸性ガスに対して0.7〜1.5当量であることを特徴とする排ガス処理方法。
  3. 請求項1又は2において、該集塵機で集塵した飛灰に少なくともリン酸及び/又はリン酸塩を含有する無機重金属固定剤を添加して重金属の溶出を防止することを特徴とする排ガス処理方法。
  4. 請求項3において、無機重金属固定剤が正リン酸とアルカリ剤を配合した水溶液であり、そのpHが3〜11であることを特徴とする排ガス処理方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、減温水の水酸化ナトリウム濃度を3wt%以下とすることを特徴とする排ガス処理方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、減温水の配管に水酸化ナトリウム水溶液をライン注入し、水酸化ナトリウム水溶液の添加後、減温水の噴霧までの滞留時間を2分以内とすることを特徴とする排ガス処理方法。
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