JP2008124108A - 多層セラミック集合基板および多層セラミック基板並びに多層セラミック集合基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無収縮プロセスによる多層セラミック集合基板で、分割溝下端部への液体の染み込みが少なく、信頼性に優れた多層セラミック集合基板他を提供する。
【解決手段】セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に縦横方向の分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結温度では焼結しない無機粒子を主成分とする拘束層を前記未焼結多層セラミック体の両面又は片面に密着するように設けて積層体となし、当該積層体を未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結した後、前記拘束層を除去してなる多層セラミック集合基板であって、少なくとも一つの分割溝の下方に、分割溝の下方への広がりを抑える抑止領域を設けてなる多層セラミック集合基板である。
【選択図】図3
【解決手段】セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に縦横方向の分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結温度では焼結しない無機粒子を主成分とする拘束層を前記未焼結多層セラミック体の両面又は片面に密着するように設けて積層体となし、当該積層体を未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結した後、前記拘束層を除去してなる多層セラミック集合基板であって、少なくとも一つの分割溝の下方に、分割溝の下方への広がりを抑える抑止領域を設けてなる多層セラミック集合基板である。
【選択図】図3
Description
本発明は、無収縮プロセスを用いた多層セラミック基板に関するもので、特に大型の多層セラミック集合基板と、この集合基板から複数個の小片に分割して得られる多層セラミック基板に関するものである。
今日、LSI・チップ部品等は小型化・軽量化が益々進んでおり、これらを実装する配線基板も小型化・軽量化が望まれている。このような要求に対して、基板内に内部電極等を配した多層セラミック基板は、要求される高密度配線が可能となり、かつ薄型化が可能なことから、多層セラミック基板は、携帯電話等の移動体通信端末機器の分野などにおいて、アンテナスイッチモジュール、PAモジュール基板、フィルタ、チップアンテナ、各種パッケージ部品等の種々の電子部品を構成するのに広く用いられている。
上記多層セラミック基板は、電子部品、半導体集積回路等を高密度に搭載すべく、低温焼成セラミック材料:LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)からなるセラミックグリーンシートにビアホールを開け、その穴に導体を充填し、シート表面には回路を構成する電極パターンを印刷形成し、これらのシートを複数枚積層し、圧着して未焼成の多層セラミック基板を形成する。その後、これを1,000℃以下の温度で焼成することにより製造されている。このとき、未焼結多層セラミック基板の体積が減少し、緻密化する。この収縮はグリーンシート積層体の密度とセラミック体の理論密度との比、すなわち相対密度が通常45〜65%であるのに対し焼成によりその相対密度が約95%以上になるためで避けられない。通常、未焼結多層セラミック基板はセラミック敷板に載せて電気炉で焼成されるが、焼成による収縮率は一般的に線収縮率で10〜25%の範囲にある。この焼成に伴う収縮は、ロットごとに異なるため、高密度の配線を必要とする回路には位置ずれなどが起こり、精密な回路が必要とされる多層セラミック基板において問題である。
そこで、特許文献1(特許第2617643号公報)では未焼結多層セラミック体の焼成中の収縮を減少させる方法である無収縮プロセスについて述べている。
ここで無収縮プロセスは、基板用グリーンシートの焼成温度では焼結しない無機材料(アルミナ等)を有機バインダ中に分散させた無機組成物ペーストからなる拘束グリーンシートを用意し、この拘束グリーンシートを未焼結の多層セラミック基板の上面および下面に対し密着して設け、その上で焼成するものである。このとき拘束層の収縮抑制作用により基板表面の収縮が抑制される。
ここで無収縮プロセスは、基板用グリーンシートの焼成温度では焼結しない無機材料(アルミナ等)を有機バインダ中に分散させた無機組成物ペーストからなる拘束グリーンシートを用意し、この拘束グリーンシートを未焼結の多層セラミック基板の上面および下面に対し密着して設け、その上で焼成するものである。このとき拘束層の収縮抑制作用により基板表面の収縮が抑制される。
ところで、このような多層セラミック基板を製造する際のコスト抑制および小型基板製造のための一つの方法として、大型のセラミック集合基板を得て、それを複数個に分割する、いわゆる多数個取りと言われる方法がある。この方法は、基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に縦方向と横方向の分割溝を交差して形成し、これを焼結して多層セラミック集合基板を作製する。その後、分割溝に沿って破断する、あるいは砥石カッター等で切断するなどして個々小片の多層セラミック基板を得るものである。このような分割溝による多数個取りの方法は無収縮プロセスでも用いられており、例えば特許文献2や特許文献3に開示されている。
特許文献2では基板の反りを抑制するために、未焼結多層セラミック体と拘束グリーンシートを圧着して十分な密着強度を得た上で、拘束層の上から多層セラミック体の厚み方向に切り込む分割溝を形成したものである。さらにこのとき、分割溝の終端と多層セラミック体の端縁との距離を3mm以上とることにより反りや変形を抑えることができるとしている。
特許文献3は基板の端面の欠けやクラックを防止するために、基板用セラミックグリーンシートの端縁から3mm以上内側の領域に配線回路層を形成し、未焼結多層セラミック体には前記配線回路層を横切らないように0.01〜1mmの切り込みによる分割溝を形成したものである。これにより端面の中央部がへこむことが防止され欠けやクラックを防止できるとある。
多数個取りを行なうためには、焼結後の多層セラミック集合基板の表面に、分割を容易に行うために分割溝を形成しておく必要がある。上記したように分割溝の形成手段としては、通常は未焼結状態の、つまり生状態の多層セラミック体の表面にナイフカッター等の装置により縦横に切り込み溝を設けることが行われている。しかしながら、無収縮プロセスにおいては、平面方向の収縮が抑制された表面部に対し、分割溝の下端部では平面方向の収縮が抑制されていない状態であるため、そのようにして形成された分割溝の下端部は、焼成前の状態で形成された切込みよりさらに広がるという問題があった。前記分割溝下端部の広がりは、焼成時の収縮によりセラミック体が裂けてできたものであるため液体が染込み易く、後工程でのめっき液の染み込みや大気中の水分の浸入により、信頼性が低下するため、分割溝近傍への導体パターン形成は制限されることになる。
そこで、本発明は分割溝を形成した多層セラミック集合基板において、分割溝の下方の構成に改良を加えることで、分割溝下端部などの分割溝近傍に欠陥のない多層セラミック集合基板とその製造方法、及びその多層セラミック集合基板から得られる多層セラミック基板を提供することを目的とする。
本発明は、セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に縦横方向の分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結してなる多層セラミック集合基板であって、前記多層セラミック集合基板の少なくとも一つの分割溝の下方に、分割溝の下方への広がりを抑える抑止領域が形成されている多層セラミック集合基板である。
このような構成とすることにより分割溝の下方への広がりが抑止され、染み込み現象が抑えられる。また抑止領域は壁のような働きをなして、これ以上の染み込みが防止される。
このような構成とすることにより分割溝の下方への広がりが抑止され、染み込み現象が抑えられる。また抑止領域は壁のような働きをなして、これ以上の染み込みが防止される。
本発明は、セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結してなる多層セラミック集合基板であって、前記多層セラミック集合基板の少なくとも一つの分割溝の下方に、前記セラミックよりもガラスリッチな領域を有する多層セラミック集合基板である。
このガラスリッチな領域は、分割溝の広がりを抑える抑止領域の一手段であり、同様に染み込み現象を抑えるのに効果がある。また、主体となるセラミック材料をベースにガラスリッチな関係であることが好ましく、この場合、材料を起因とする電気的特性変化がなく、また分割のし易さ等の機械的な変化も少ないので好ましい。
このガラスリッチな領域は、分割溝の広がりを抑える抑止領域の一手段であり、同様に染み込み現象を抑えるのに効果がある。また、主体となるセラミック材料をベースにガラスリッチな関係であることが好ましく、この場合、材料を起因とする電気的特性変化がなく、また分割のし易さ等の機械的な変化も少ないので好ましい。
本発明は、セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結してなる多層セラミック集合基板であって、前記多層セラミック集合基板の少なくとも一つの分割溝の下方に、前記セラミックよりもSiリッチな領域を有する多層セラミック集合基板である。
このSiリッチな領域も上記抑止領域の一手段であるが、特にSiがリッチであると、後に製品基板をEDX等で分析した場合に抑止領域を確認することが容易であるので品質確認と管理、維持をする上で好ましい。
このSiリッチな領域も上記抑止領域の一手段であるが、特にSiがリッチであると、後に製品基板をEDX等で分析した場合に抑止領域を確認することが容易であるので品質確認と管理、維持をする上で好ましい。
本発明は、セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結して多層セラミック集合基板となし、当該多層セラミック集合基板を前記分割溝に沿って分割してなる多層セラミック基板であって、前記分割溝の分割跡の下方に、前記セラミックよりもガラスリッチな領域または前記セラミックよりもSiリッチな領域を有する多層セラミック基板である。
また本発明は、セラミックを含む低温焼結材よりなる基板用グリーンシートに導体ペーストで所望の導体パターンを形成する工程と、セラミックを含む低温焼結材よりなる基板用グリーンシートの分割溝に対応する位置にガラスを含有するペーストで所望のパターンを形成する工程と、前記導体パターンを適宜形成した基板用グリーンシートを積層、圧着して未焼結多層セラミック体を作製する工程と、前記未焼結多層セラミック体の両面又は片面の縦横方向に分割溝を、平面視で前記ガラス含有ペーストのパターン上に形成する工程と、前記基板用グリーンシートの焼成温度では焼結しない無機粒子を主成分とする拘束層を前記未焼結多層セラミック体の両面又は片面に設ける工程と、前記拘束層を設けた未焼結多層セラミック体を当該未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼成する工程と、焼結された多層セラミック体から前記拘束層を除去する工程とを具備する多層セラミック集合基板の製造方法である。
本発明の多層セラミック集合基板の製造方法は、無収縮プロセスに用いることによってその効果が一層発揮される。
本発明の多層セラミック集合基板の製造方法は、無収縮プロセスに用いることによってその効果が一層発揮される。
また、本発明の多層セラミック集合基板の製造方法において、前記ガラスを含有するペースト中のガラスの軟化点が、前記未焼結多層セラミック体の焼成工程の温度以下とすることが良い。前記ガラスを含有するペースト中のガラスの軟化点を焼成工程より低くすることにより、前記ガラスが焼成中に十分に軟化し、分割溝の広がりを抑える抑止効果を発揮することができる。また、前記ガラスが十分に軟化することによって、前記ガラスを含有する領域が緻密化し、染み込みの進行を止めることに適した領域となる。
本発明によれば、焼結に伴う分割溝の切り込みの広がりを抑制して、分割溝部からの液体の染み込みを低減し、さらに染み込みの進行を止めることが可能な多層セラミック集合基板とその製造方法を提供することができる。また、このような集合基板から分割溝に沿って分割された信頼性の高い多層セラミック基板を提供することができる。
以下、本発明の多層セラミック集合基板について製造方法を含めて説明する。尚、以下では無収縮プロセスを用いた実施の形態を例に説明する。本発明において無収縮プロセスは好ましい形態ではあるが、これに限定されるものではない。
図1は多層セラミック集合基板の製造過程の一例を示す断面図である。工程順序や材料は一例を示しただけで、必ずしも下記である制約は無く、また複数の工程を同時に実施してもよい。場合によっては、不要となる工程は実施しない場合もある。図2は多層セラミック集合基板の斜視図の一例である。但し、多層セラミック集合基板の小片数は任意である。図3は多層セラミック集合基板の分割溝部分を示す断面図である。
図1は多層セラミック集合基板の製造過程の一例を示す断面図である。工程順序や材料は一例を示しただけで、必ずしも下記である制約は無く、また複数の工程を同時に実施してもよい。場合によっては、不要となる工程は実施しない場合もある。図2は多層セラミック集合基板の斜視図の一例である。但し、多層セラミック集合基板の小片数は任意である。図3は多層セラミック集合基板の分割溝部分を示す断面図である。
図1に従って、多層セラミック集合基板の一実施例について説明する。まず、低温焼成可能なセラミック材料の粉末とガラス成分の粉末及び有機バインダ、可塑剤、溶剤の混合物からなるスラリーを有機キャリアフィルム(PETフィルム)上にドクターブレード法により適宜の厚さ、およそ20〜200μmに成形して、複数の基板用グリーンシート1a、1b、1c、1d、1e、1fを準備する。尚、低温焼成可能なセラミックでなるグリーンシートの作製はドクターブレード法に限定されず、例えば圧延法、印刷法等によって作製することもできる。
また、用いる低温焼結可能なセラミック材料としては、800〜1000℃で銀などの導体ペーストと同時焼成できるセラミック材料であって、所謂LTCCセラミックスなら何でも使用できる。一例としては、主成分であるAl、Si、Sr、TiをそれぞれAl2O3、SiO2、SrO、TiO2に換算したとき、Al2O3:10〜60質量%、SiO2:25〜60質量%、SrO:7.5〜50質量%、TiO2:20質量%以下(0を含む)であり、その主成分100質量部に対して、副成分として、Bi、Na、K、Coの群のうちの少なくとも1種をBi2O3換算で0.1〜10質量%、Na2O換算で0.1〜5質量%、K2O換算で0.1〜5質量%、CoO換算で0.1〜5質量%含有し、更に、Cu、Mn、Agの群のうちの少なくとも1種をCuO換算で0.01〜5質量%、MnO2換算で0.01〜5質量%、Agを0.01〜5質量%含有し、その他不可避不純物を含有している混合物を一旦700℃〜850℃で仮焼し、これを粉砕して平均粒径0.6〜2μmの微粉砕粒子からなる誘電体磁器組成物を挙げることができる。
また、分割溝に対応する位置に形成するペースト材料としては、焼成時に軟化する成分を含んでいる必要がある。一例としては、上記の低温焼成可能なセラミック材料と、前記セラミック材料の焼成温度以下の軟化点を持つガラス粉末を混合し、前記混合物を少なくとも有機溶剤、有機バインダからなるビヒクルと混合した後、3本ロールにて混練することによって作製できる。
また、用いる低温焼結可能なセラミック材料としては、800〜1000℃で銀などの導体ペーストと同時焼成できるセラミック材料であって、所謂LTCCセラミックスなら何でも使用できる。一例としては、主成分であるAl、Si、Sr、TiをそれぞれAl2O3、SiO2、SrO、TiO2に換算したとき、Al2O3:10〜60質量%、SiO2:25〜60質量%、SrO:7.5〜50質量%、TiO2:20質量%以下(0を含む)であり、その主成分100質量部に対して、副成分として、Bi、Na、K、Coの群のうちの少なくとも1種をBi2O3換算で0.1〜10質量%、Na2O換算で0.1〜5質量%、K2O換算で0.1〜5質量%、CoO換算で0.1〜5質量%含有し、更に、Cu、Mn、Agの群のうちの少なくとも1種をCuO換算で0.01〜5質量%、MnO2換算で0.01〜5質量%、Agを0.01〜5質量%含有し、その他不可避不純物を含有している混合物を一旦700℃〜850℃で仮焼し、これを粉砕して平均粒径0.6〜2μmの微粉砕粒子からなる誘電体磁器組成物を挙げることができる。
また、分割溝に対応する位置に形成するペースト材料としては、焼成時に軟化する成分を含んでいる必要がある。一例としては、上記の低温焼成可能なセラミック材料と、前記セラミック材料の焼成温度以下の軟化点を持つガラス粉末を混合し、前記混合物を少なくとも有機溶剤、有機バインダからなるビヒクルと混合した後、3本ロールにて混練することによって作製できる。
上記基板用グリーンシート1a、1b、1c、1d、1e、1fに適宜ビアホールを作製し、ビアホールにAg等の導体ペーストでビア導体3を作製する。また所望の基板用グリーンシートの表面に同じ導体ペーストで導体パターン2を印刷により5〜35μm厚さに形成する。これらの導体パターンによりインダクタ、伝送線路、コンデンサ、グランド電極等を形成し、上記ビア導体により接続して適宜回路を構成する。尚、所望の基板用グリーンシートとは、多層セラミック集合基板の回路設計の必要に応じてビア導体3や導体パターン2を形成するグリーンシートをいう。この例では、全ての基板用グリーンシートにビア導体や導体パターンを形成した。
導体パターンを形成した後、分割溝を形成する箇所に対応する位置(平面視で分割溝と重なる位置)に、例えば上述したようにガラス粉末などの焼成時に軟化する成分を含んだペーストを印刷(厚み10〜20μm程度)することでパターンを形成した。染み込みの防止の効果をより確実にするため、焼成時に軟化する成分を含んだペーストは、多層セラミック集合基板を構成する内層のうちの1層だけでなく複数層に形成してもよい。しかし少なくとも分割溝の切込み端より下方であって、その広がりや染み込みを防止する為の層に設ける必要がある。なお、このパターン形成法は、印刷法に限定されず、例えば焼成時に軟化する成分を含んだグリーンシートを該当する箇所に搭載する方法によっても形成することができる。即ち、当該グリーンシートを細長い短冊状に加工して、それを分割溝の下方の位置に配置し、圧着するなどして形成することもできる。
導体パターンを形成した後、分割溝を形成する箇所に対応する位置(平面視で分割溝と重なる位置)に、例えば上述したようにガラス粉末などの焼成時に軟化する成分を含んだペーストを印刷(厚み10〜20μm程度)することでパターンを形成した。染み込みの防止の効果をより確実にするため、焼成時に軟化する成分を含んだペーストは、多層セラミック集合基板を構成する内層のうちの1層だけでなく複数層に形成してもよい。しかし少なくとも分割溝の切込み端より下方であって、その広がりや染み込みを防止する為の層に設ける必要がある。なお、このパターン形成法は、印刷法に限定されず、例えば焼成時に軟化する成分を含んだグリーンシートを該当する箇所に搭載する方法によっても形成することができる。即ち、当該グリーンシートを細長い短冊状に加工して、それを分割溝の下方の位置に配置し、圧着するなどして形成することもできる。
次に、ビア導体3及び/又は導体パターン2及び/又は分割溝に対応する位置に焼成時に軟化する成分を含んだパターンを形成した複数の基板用グリーンシート1a、1b、1c、1d、1e、1fをプレスによる圧着、キャリアフィルムの剥離工程を繰り返して積層し未焼結多層セラミック体8を作製する。
先ず、未焼結多層セラミック体8の表層となる基板用グリーンシート1aを、固定用フィルム上にセットし、上側の金型で所定の圧力、温度、時間でプレスし圧着する。例えば、圧力10〜50kg/cm2、温度30〜60℃、時間3〜15秒である。熱圧着上下の金型はヒーターを内蔵した単純な平板形状でよい。プレスによる圧着が終わると、基板用グリーンシート1aのキャリアフィルムを剥離する。この時、グリーンシートは固定用フィルムに強固に固定されており、キャリアフィルムの剥離に際して一緒に剥離されることはない。
次に、第2層目の基板用グリーンシート1bを積層する。基板用グリーンシート1bには、内層に所定の内部回路を構成する導体パターン2が印刷されている。基板用グリーンシート1bの主面が第1層の基板用グリーンシート1aに当接するようにセットし、第1層の基板用グリーンシート1aの場合と同様に、プレスし圧着する。この時、プレス温度を印刷ペースト内の粘着剤が軟化固着する温度とすれば、加圧力により印刷部が相手側の基板用グリーンシートと接合する。従って、基板用グリーンシート同士は、印刷導体ペーストを介して結合される。また、電極が無くセラミック層同士が直接接触するところも、電極を介する場合と同様に軟化して固着し結合する。このときの圧着温度は粘着剤の種類にもよるが、通常40〜90℃程度の低温でよく、接合強度は加圧力を変えることにより調整できる。圧着後、基板用グリーンシート1bのキャリアフィルムを剥離する。第3層の基板用グリーンシート1c以降は、第2層目の基板用グリーンシート1bの積層で述べたものと同様な一連の作業を繰り返す。また、積層体を強力に一体化させるために、さらに圧着工程を行ってもよい。ここでは6層としているが、積層数は特定できず、回路構成によって異なり10層以上の未焼結多層セラミック体とする場合もある。
先ず、未焼結多層セラミック体8の表層となる基板用グリーンシート1aを、固定用フィルム上にセットし、上側の金型で所定の圧力、温度、時間でプレスし圧着する。例えば、圧力10〜50kg/cm2、温度30〜60℃、時間3〜15秒である。熱圧着上下の金型はヒーターを内蔵した単純な平板形状でよい。プレスによる圧着が終わると、基板用グリーンシート1aのキャリアフィルムを剥離する。この時、グリーンシートは固定用フィルムに強固に固定されており、キャリアフィルムの剥離に際して一緒に剥離されることはない。
次に、第2層目の基板用グリーンシート1bを積層する。基板用グリーンシート1bには、内層に所定の内部回路を構成する導体パターン2が印刷されている。基板用グリーンシート1bの主面が第1層の基板用グリーンシート1aに当接するようにセットし、第1層の基板用グリーンシート1aの場合と同様に、プレスし圧着する。この時、プレス温度を印刷ペースト内の粘着剤が軟化固着する温度とすれば、加圧力により印刷部が相手側の基板用グリーンシートと接合する。従って、基板用グリーンシート同士は、印刷導体ペーストを介して結合される。また、電極が無くセラミック層同士が直接接触するところも、電極を介する場合と同様に軟化して固着し結合する。このときの圧着温度は粘着剤の種類にもよるが、通常40〜90℃程度の低温でよく、接合強度は加圧力を変えることにより調整できる。圧着後、基板用グリーンシート1bのキャリアフィルムを剥離する。第3層の基板用グリーンシート1c以降は、第2層目の基板用グリーンシート1bの積層で述べたものと同様な一連の作業を繰り返す。また、積層体を強力に一体化させるために、さらに圧着工程を行ってもよい。ここでは6層としているが、積層数は特定できず、回路構成によって異なり10層以上の未焼結多層セラミック体とする場合もある。
この未焼結多層セラミック体の上下面(基板表面)に、適宜Agを主体とする導体ペーストを用いて、外部電極5、外部端子電極7を印刷形成する。さらに基板表面の導体パターン5、7の周囲にはオーバーコート材6を適宜形成する。このオーバーコート材の材質としては、焼結収縮特性や熱膨張特性が未焼結多層セラミック体の素材と近似していることが望ましい。例えば、基板用シートと同材質のスラリーにコート部分の視認性を向上するような機能を付与するための添加成分を加えたものが挙げられる。表面導体パターンの周縁にオーバーコートを被覆して電極被覆領域を形成することにより、表面の導体パターンの機械的保護と、後の工程で導体パターンの上に設けた半田が流れ出して導電部と接するなどの短絡防止ができる。尚、基体表面の導体パターンとオーバコート材は必ずしも未焼結多層セラミック体の状態で設ける必要はなく、焼結後の多層セラミック体に対して形成するのでも良い。
次に、CIP装置にて、100〜400kg/cm2、85℃で熱圧着し、各層が一体化した未焼結多層セラミック体8となす(図1(a))。
その後、図4に示すように、上記未焼結多層セラミック体8の表面、通常は上面と下面の両面にナイフカッター等の治具により縦方向と横方向に交差する切り込み溝を形成し、分割溝13を形成する。この分割溝は、集合基板の大きさや製品基板のサイズによって分割数は異なるが、回路を構成する導体パターンに悪影響がでないように隣り合う基板同士が干渉しない位置、概ね2〜15mm程度の距離を置いて切り込み溝を入れる。また、分割溝は両面でなく、上面か下面の何れか一方でも良い。
その後、図4に示すように、上記未焼結多層セラミック体8の表面、通常は上面と下面の両面にナイフカッター等の治具により縦方向と横方向に交差する切り込み溝を形成し、分割溝13を形成する。この分割溝は、集合基板の大きさや製品基板のサイズによって分割数は異なるが、回路を構成する導体パターンに悪影響がでないように隣り合う基板同士が干渉しない位置、概ね2〜15mm程度の距離を置いて切り込み溝を入れる。また、分割溝は両面でなく、上面か下面の何れか一方でも良い。
一方で前記未焼結多層セラミック体8の焼成温度では焼結しない無機材料に有機バインダ、可塑剤、溶剤を加えたセラミックスラリーを作製し、これをドクターブレード法でキャリアフィルム上に所定厚(例えば100〜200μm)で拘束グリーンシートを作製する。拘束グリーンシートに用いるセラミック材料は、上記基板用グリーンシートに用いたガラスセラミック材料の焼成温度(800〜1000℃程度)では焼結しないもので未焼結多層セラミック体の表面を収縮させない機能があるものであればよい。無機材料としては様々な種類のアルミナが安価に入手できるのでアルミナを用いることが一般的である。また、有機バインダ、可塑剤、溶剤は基板用グリーンシートに用いたものと同様なものが使用可能である。
そして、上記未焼結多層セラミック体8の上面及び下面に、上記で用意した拘束グリーンシートを位置合わせして、その拘束用グリーンシートの厚さが200μm程度になるように積層し、CIP装置にて、100〜400kg/cm2、85℃で熱圧着し拘束層と未焼結多層セラミック体を一体化した積層体を得る(図1(b))。
そして、上記未焼結多層セラミック体8の上面及び下面に、上記で用意した拘束グリーンシートを位置合わせして、その拘束用グリーンシートの厚さが200μm程度になるように積層し、CIP装置にて、100〜400kg/cm2、85℃で熱圧着し拘束層と未焼結多層セラミック体を一体化した積層体を得る(図1(b))。
次に、上記拘束層が一体化した積層体を焼成炉内で熱処理し拘束層のバインダーの脱気を適宜行いながら未焼結多層セラミック体が焼結する温度である800〜1000℃で一体焼成を行う。
焼成後、焼結した多層セラミック体の拘束層を超音波洗浄やブラスト処理等により取り除き、多層セラミック集合基板12を得る(図1(c))。
多層セラミック集合基板12の一例を図2に示す。このように大型の基板12には縦方向および横方向に分割溝13が形成されており、この分割溝に沿って破断して小片の多層セラミック基板を得ることができる。
焼成後、焼結した多層セラミック体の拘束層を超音波洗浄やブラスト処理等により取り除き、多層セラミック集合基板12を得る(図1(c))。
多層セラミック集合基板12の一例を図2に示す。このように大型の基板12には縦方向および横方向に分割溝13が形成されており、この分割溝に沿って破断して小片の多層セラミック基板を得ることができる。
さて、このようにして得られた多層セラミック集合基板の分割溝部分の断面図を図3に示す。図3(a)は、本発明の実施例の一例であり、多層セラミック集合基板12の上下面に分割溝13が形成され、この分割溝13の下方に抑止領域が形成されている。抑止領域としては、焼成時に軟化する成分を含む組成で形成する必要があり、望ましくはガラスリッチな領域また或いはSiリッチな領域として形成することができる。なお領域としているのは複数層に亘ってパターンを設ける場合や拡散の程度がある為はっきりと区別された、またある厚みを持った層にはならない場合があるからである。また、この領域は製造面、また電気的及び機械的な特性面を考慮するとセラミック基板を構成する主体のセラミック材料をベースとすることが望ましい。このペーストには、焼成時に軟化する異なる成分を加えるので、例えばSEM、EPMA、EDX等により分析することで異質の成分形態を確認することが出来る。具体的には、焼成時に軟化する成分を構成する元素を確認すればよい。多くのガラスではSiO2を含んでいるため、Siをチェックすることで容易に確認できる。
本発明では、この焼成時に軟化する成分を含む組成の領域が軟化することにより、未焼結多層セラミック体に形成された分割溝の切込み部が平面方向に収縮しようとする力は、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域より下方には伝えられないため、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域より下方への裂けは抑制される、あるいは、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域が軟化し緻密化するため、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域より上方に裂けがあっても、めっき液や水分等の浸入は、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域で止めることができる。また、分割溝の側面は、拘束グリーンシートによる収縮抑制効果は働かず、焼結時に収縮し緻密化する。このため、分割溝側面からのめっき液や水分等の浸入も抑制される。
分割溝の下方の構成をこのようにして構成することにより、焼結後は、分割溝近傍、特に分割溝下端部への液体の染み込みを制限できる。
分割溝の下方の構成をこのようにして構成することにより、焼結後は、分割溝近傍、特に分割溝下端部への液体の染み込みを制限できる。
さらに図面を基に説明を加える。本発明の分割溝の未焼結多層セラミック体に形成した分割溝の一例を図4に示した。ここで、未焼結多層セラミック体8に形成した分割溝13は、その分割溝の下方に分割溝の下方への広がりを制限する抑止領域が設けられている。この分割溝13は未焼結多層セラミック体8を焼結した後には、図3に示すような分割溝13となる。即ち、分割溝13は、当初はV字状であるが、図3の矢印で示すように焼結時の収縮差により横方向に広がりながら下方にも裂け目が進行し、U字状あるいはΩ状を呈してくる。しかし、抑止領域4があることにより、その下方への広がりが防止される。図3(a)は抑止領域4に到達して広がりが切られた場合を示し、図3(b)の場合は、抑止領域4の手前で広がりが止まった例を示している。上述したように焼成時に軟化する成分を含む組成の領域が軟化することにより、未焼結多層セラミック体に形成された分割溝の切込み部が平面方向に収縮しようとする力は、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域より下方には伝えられないため、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域より下方への裂けは抑制される、あるいは、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域が軟化し緻密化するため、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域より上方に裂けがあっても、めっき液や水分等の浸入は、焼成時に軟化する成分を含む組成の領域で止めることができる。このように図3(a)の場合では分割溝の下端部も水分の染み込みも抑止領域(焼成時に軟化する成分を含む組成の領域)で止めることができる。また図3(b)のように、抑止領域の手前で広がりが止まった場合でも、水分の染み込みは抑止領域で確実に止めることができる。
Al2O3:48質量%、SiO2:38質量%、SrO:10質量%、TiO2:4質量%、さらに主成分100質量部に対して、Bi2O3:2.5質量%、Na2O:2質量%、K2O:0.5質量%、CuO:0.3質量%、MnO2:0.5質量%の組成のセラミック材を800℃×2時間で仮焼きし、これを微粉砕した平均粒径約1μmのセラミック粉100質量部に対して有機バインダとしてPVBを15質量部、可塑剤としてDOP(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル))を10質量部加えて、更に溶剤として、エタノールとブタノールの混合物を使用し、ボールミルにて20時間分散した。得られたスラリーを、減圧下にて脱泡し一部溶剤を揮発させて、ドクターブレード法にてシート成形した。得られた基体用グリーンシート(厚さ:60μm)を、キャリアフィルムと一緒に所定の大きさに裁断し、所定の導体パターンをAgペーストにてスクリーン印刷して形成した。
次に、上記セラミック材と旭硝子社製ガラス粉末ASF−103(軟化点820℃)の混合粉末を、田中貴金属社製ビヒクルTMC−108とを乳鉢にて混合した後、さらに3本ロールにて混練し、分割溝に対応する位置に形成する抑止領域形成用のペーストを作製し、前記基体用グリーンシート上の分割溝に対応する位置に、前記ペーストを印刷して形成した。尚、積層体は9層からなり、ガラスを含有するペーストはその内の表側と裏側の3層ずつに形成した。
前記基体用グリーンシートの各層を順次、位置合わせ後、約50℃、圧力40kg/cm2(3.9MPa)で熱圧着し、仮圧着状態の積層体を得た。その後、表層導体パターンやオーバコート材を形成し、CIP装置にて100Kg/cm2(9.8MPa)、85℃で熱圧着し、各層が一体化した未焼結多層セラミック体を得た。その後、ナイフカッターにより積層体の表面に表1に示す分割溝を形成した。
次に、上記セラミック材と旭硝子社製ガラス粉末ASF−103(軟化点820℃)の混合粉末を、田中貴金属社製ビヒクルTMC−108とを乳鉢にて混合した後、さらに3本ロールにて混練し、分割溝に対応する位置に形成する抑止領域形成用のペーストを作製し、前記基体用グリーンシート上の分割溝に対応する位置に、前記ペーストを印刷して形成した。尚、積層体は9層からなり、ガラスを含有するペーストはその内の表側と裏側の3層ずつに形成した。
前記基体用グリーンシートの各層を順次、位置合わせ後、約50℃、圧力40kg/cm2(3.9MPa)で熱圧着し、仮圧着状態の積層体を得た。その後、表層導体パターンやオーバコート材を形成し、CIP装置にて100Kg/cm2(9.8MPa)、85℃で熱圧着し、各層が一体化した未焼結多層セラミック体を得た。その後、ナイフカッターにより積層体の表面に表1に示す分割溝を形成した。
次に、拘束グリーンシートとして、平均粒径1.5μmのアルミナ粉100質量部に対して有機バインダとしてPVBを5質量部、可塑剤としてDOPを3質量部加えて、更に溶剤として、エタノールとブタノールの混合物を使用して、ボールミルにて10時間分散した。得られたスラリーを、減圧下にて脱泡し一部溶剤を揮発させて、ドクターブレード法にてシート成形し、厚さ約200μmの拘束グリーンシートを得た。得られた拘束用グリーンシートを、キャリアフィルムから剥離し、上記未焼結多層セラミック体と同一な大きさに裁断した。この拘束用グリーンシートを未焼結多層セラミック体の両面に対しCIP装置にて200kg/cm2(19.6Mpa)、85℃で熱圧着し、拘束層と未焼結多層セラミック体を一体化した。
この積層体を脱バインダを行い、900℃で2時間保持し焼結体となした。この焼結体の拘束層を除去し、超音波洗浄を行い、残存アルミナを除去して、多層セラミック集合基板を得た。
この積層体を脱バインダを行い、900℃で2時間保持し焼結体となした。この焼結体の拘束層を除去し、超音波洗浄を行い、残存アルミナを除去して、多層セラミック集合基板を得た。
焼成後の多層セラミック集合基板の表面に、インク等で着色した液体を塗布し、乾燥した後に、前記多層セラミック集合基板の分割溝部の断面観察を行い、インクの染み込み深さを評価した。 また、断面観察より、分割溝の基板表面からの深さ・分割溝の最も広い箇所の幅の評価も行った。
以上の結果を表1に示す。試料No1は抑止領域を形成しない比較例を示し、試料No2、3、4は夫々本発明の実施例を示す。試料No2〜4は夫々ガラスの含有率を変えている。
以上の結果を表1に示す。試料No1は抑止領域を形成しない比較例を示し、試料No2、3、4は夫々本発明の実施例を示す。試料No2〜4は夫々ガラスの含有率を変えている。
表1の試料No1とNo2〜4の比較検討を行うと、ガラス含有ペーストを印刷し抑止領域を形成したものは、インクの染み込みを抑止領域の深さで止めることができることことが分かる。また、No1〜4の比較によると、抑止領域を形成した場合、分割溝の幅が広くなること、さらに、ガラス含有量が大きくなるに従って分割溝の幅が広くなる傾向にあることが分かる。
以上のことより、ガラスを含有するペーストを印刷し抑止領域を形成した場合は、インクの染み込みは、焼成時に軟化する成分を含む組成の層の深さ(領域の端部位)までで止まり、液体の染み込む深さが制限されることが分かった。また、ガラスの含有率の多いペーストでは、同様の効果が得られるものの、焼成後の分割溝の幅が大きくなり、多層セラミック基板の端部の配線に影響を及ぼす可能性があるため、適正なガラスの含有率は、焼結体へのインク染み込みが焼成時に軟化する成分を含む領域の深さまでであることや、焼成後の分割溝の幅より判断することが望ましい。
以上のことより、ガラスを含有するペーストを印刷し抑止領域を形成した場合は、インクの染み込みは、焼成時に軟化する成分を含む組成の層の深さ(領域の端部位)までで止まり、液体の染み込む深さが制限されることが分かった。また、ガラスの含有率の多いペーストでは、同様の効果が得られるものの、焼成後の分割溝の幅が大きくなり、多層セラミック基板の端部の配線に影響を及ぼす可能性があるため、適正なガラスの含有率は、焼結体へのインク染み込みが焼成時に軟化する成分を含む領域の深さまでであることや、焼成後の分割溝の幅より判断することが望ましい。
また、多層セラミック基板においては、EPMA、EDX等で断面を分析し、ガラスを含有するペーストに含まれる元素、例えばSiを確認することで抑止領域が正常に形成できていることを確認できる。さらに、ガラス成分に多く含まれている元素についてマッピングすることによって、抑止領域が形成されている位置を確認することができる。
1a〜1f:セラミックグリーンシート
2:内部電極
3:ビアホール
4:焼成時に軟化する成分を含む組成の層
5:外部電極
6:オーバーコート層
7:外部端子電極
8:未焼結多層セラミック体
9:シート状上面拘束層
10:シート状下面拘束層
11:拘束層を設けた未焼結多層セラミック体(積層体)
12:多層セラミック集合基板
13:分割溝
2:内部電極
3:ビアホール
4:焼成時に軟化する成分を含む組成の層
5:外部電極
6:オーバーコート層
7:外部端子電極
8:未焼結多層セラミック体
9:シート状上面拘束層
10:シート状下面拘束層
11:拘束層を設けた未焼結多層セラミック体(積層体)
12:多層セラミック集合基板
13:分割溝
Claims (6)
- セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結してなる多層セラミック集合基板であって、前記多層セラミック集合基板の少なくとも一つの分割溝の下方に、分割溝の下方への広がりを抑える抑止領域を有することを特徴とする多層セラミック集合基板。
- セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結してなる多層セラミック集合基板であって、前記多層セラミック集合基板の少なくとも一つの分割溝の下方に、前記セラミックよりもガラスリッチな領域を有することを特徴とする多層セラミック集合基板。
- セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結してなる多層セラミック集合基板であって、前記多層セラミック集合基板の少なくとも一つの分割溝の下方に、前記セラミックよりもSiリッチな領域を有することを特徴とする多層セラミック集合基板。
- セラミックを含む低温焼結材からなる基板用グリーンシートを積層した未焼結多層セラミック体の両面又は片面に分割溝を形成し、前記未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼結して多層セラミック集合基板となし、当該多層セラミック集合基板を前記分割溝に沿って分割してなる多層セラミック基板であって、前記分割溝の分割跡の下方に、前記セラミックよりもガラスリッチな領域または前記セラミックよりもSiリッチな領域を有することを特徴とする多層セラミック基板。
- セラミックを含む低温焼結材よりなる基板用グリーンシートに導体ペーストで所望の導体パターンを形成する工程と、セラミックを含む低温焼結材よりなる基板用グリーンシートの分割溝に対応する位置にガラスを含有するペーストで所望のパターンを形成する工程と、前記導体パターンを適宜形成した基板用グリーンシートを積層、圧着して未焼結多層セラミック体を作製する工程と、前記未焼結多層セラミック体の両面又は片面の縦横方向に分割溝を、平面視で前記ガラス含有ペーストのパターン上に形成する工程と、前記基板用グリーンシートの焼成温度では焼結しない無機粒子を主成分とする拘束層を前記未焼結多層セラミック体の両面又は片面に設ける工程と、前記拘束層を設けた未焼結多層セラミック体を当該未焼結多層セラミック体の焼結する温度で焼成する工程と、焼結された多層セラミック体から前記拘束層を除去する工程とを具備することを特徴とする多層セラミック集合基板の製造方法。
- 前記ガラスを含有するペースト中のガラスの軟化点が、前記未焼結多層セラミック体の焼成工程の温度以下であることを特徴とする請求項5に記載の多層セラミック集合基板の製造方法。
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