JP2008122445A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーへの発色情報発色付与を確実に行うと共に、感光体劣化を防止して、長期に渡り高品質の画像が形成可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】異なる波長の光で露光されると、1粒1粒が波長に応じた色に発色する、あるいは発色しない(非発色)状態を維持する機能を有しているトナーを用いる画像形成装置において、感光体10として点状の感光領域73が配列された点状感光体を適用する。そして、配列された隣合う点状の感光領域73の中心同士の距離Rとトナーの体積平均粒径とを同等とする。これにより、一つの点状の感光領域73上に一個のトナーが現像され、トナーが重なり合うことがなく、単層でトナー像Tが形成され、発色情報を付与する露光光が現像されたトナー全てに到達し得る。加えて、発色情報を付与する露光光がトナーの周囲に光がもれても、隣合う点状の感光領域73同士は間隔があいているので、感光領域の劣化が起こらない。
【選択図】図7

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
異なる波長の光を露光することにより異なる色に発色するトナーを用いた記録技術が、提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では図8に示すように、まず、感光体121を、帯電器122を用いて帯電させる。次に、静電潜像形成ヘッド126によって感光体121上に静電潜像を形成する。そして、現像器123内に投入されているフルカラー粒子FMCTを用いて感光体121上の静電潜像を現像しトナー像を得る。
次に、第1光源である3基の発色光書込みヘッド127a,127b,127cから、光異性化可能な波長ν1a,ν1b,ν1cの各成分光を含む第1の光R1a,R1b,R1cを、フルカラー記録データに応じてトナー像に照射し、発色反応を起こさせる。
照射後は、転写装置124により記録媒体129上にトナー像を転写する。その後、定着ローラ125によりトナー像を記録媒体上に定着させる。このフルカラー画像形成装置では、可視光を照射するランプを内蔵した光定着ヘッド128を加熱現像手段である定着ローラ125の下流側に配設してある。この光定着ヘッド128により光定着がなされる。光定着を終え画像が形成された用紙(記録媒体)は、この後、機外に排出される。
この装置では、感光体121上の現像後のトナー像に、該トナーを発色させるため、各色に応じた光R1a,R1b,R1cを照射してカラー像を得ている。このとき、トナーを発色させるためには、光の強度はある程度強くなくてはならない。しかし、図9に示すように、複数のトナーからなるトナー層130が感光体121上に2層程度に重なっていると、下側のトナーには光が当たりにくく、発色しない問題があった。
また、トナーを発色させるために照射する光が強いために、感光体121上にその光が当たった場合、感光層の感光材料が変質したり、感光層の感度や応答速度が変化する等の特性変化をきたして劣化する問題もある。
特開2003−330228号公報
上記問題を防止するためには、感光体上に現像されるトナー層が2層以上に重ならないようにし、かつトナーを発色させる照射光をトナーに確実に当て、感光体上にはその光が当たらないようにすればよい。
しかしながら、従来の感光体を用いて、体積平均粒径が5〜10μmの一般的なトナーで現像した場合、トナーは静電引力によって不規則に感光体表面に付着するため、どうしてもトナーは複数層にわたって重なっていた。また、トナーが不規則に付着しているため、トナー発色用の光を照射した場合、トナーの周辺に光がもれて、感光体上にも光が当たらざるをえなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、トナーへの発色情報発色付与を確実に行うと共に、感光体劣化を防止して、長期に渡り高品質の画像が形成可能な画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
点状の感光領域が配列された感光体と、
前記感光体表面を帯電する帯電手段と、
前記該感光体表面に露光により静電潜像を形成する露光手段と、
トナーを含む現像剤により該静電潜像にトナー像を現像する現像手段と、
前記トナー像に光を照射して発色情報を付与する発色情報付与手段と、
前記発色情報が付与されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、
前記発色情報が付与されたトナー像を発色させる発色手段と、
を有し、
且つ前記感光体に配列された隣合う前記点状の感光領域の中心同士の距離と、前記トナーの体積平均粒径と、が同等であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に係る発明では、感光体の点状の感光領域が配列されて形成されていると、静電潜像は点状の感光領域上だけに形成されるので、トナーで現像すると、トナーは感光領域が設けられている部分にしか現像されないので、やはり点状に現像される。このとき、隣合う前記点状の感光領域の中心同士の距離と、前記トナーの体積平均粒径と、が同等であると、一つの点状の感光領域上には、一個のトナーが現像されることになり、トナーが重なり合うことがなく、発色情報を付与する光が現像されたトナー全てに到達し得る。加えて、発色情報を付与する光がトナーの周囲に光がもれても、隣合う点状の感光領域同士は間隔があいているので、感光領域の劣化が起こらない。
請求項2に係る発明は、
前記トナーが、互いに隔離された状態で存在し、互いに反応した際に発色する第1成分及び第2成分と、該第1成分及び第2成分のいずれかを含む光硬化性組成物と、を有し、光による発色情報の付与により前記光硬化性組成物が硬化又は未硬化の状態を維持して、前記発色のための反応が制御されるトナーであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置である。
請求項2に係る発明では、発色情報付与メカニズムが可逆反応ではないことより、加熱による発色までに時間的制約がないというメリットを有する結果、低速域までのプリントも可能、すなわち、広いスピードレンジに対応可能となり、加えて、加熱による発色が行われる定着器などの配置場所についても自由度が高いというメリットがある。
本発明の画像記録装置によれば、トナーへの発色情報発色付与を確実に行うと共に感光体劣化を防止して、長期に渡り高品質の画像が形成可能な画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1は、実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
第1実施形態に係る画像形成装置は、感光体10と、帯電装置(帯電手段)12、露光装置(露光手段)14、感光体10表面にトナーを供給してトナー像Tを形成する現像装置(トナー像形成手段)16、任意の電荷除去装置18、後述する発色情報が付与されたトナー像を記録媒体上に転写する転写装置(転写手段)20、記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着装置(定着手段)22、及び任意のクリーナ24を有している。
また、現像後のトナー像Tに感光体10の表面から光により発色情報を付与する発色情報付与装置30が設けられており、定着装置22はトナー像を発色させる発色装置(発色手段)を兼ねている。さらに、定着装置22の下流側にはトナーの発色を固定化するための記録媒体26への光照射を行う光照射装置(光照射手段)32が設けられている。
トナーとして、異なる波長の光で露光されると、1粒1粒が波長に応じた色に発色する、あるいは発色しない(非発色)状態を維持する機能を有しているトナーを使用する。これは、光による発色情報の付与により発色可能な発色性物質(さらにはこれを含む発色部)を内部に有しており、前記光による発色情報の付与により、発色又は非発色の状態を維持するように制御されるトナーである。このトナーは構成要素を多く含むので、一般的なトナーより大きく、好適には体積平均粒径は15〜20μmである。トナーの詳細については、後述する。
ここで、前記「発色情報を付与する」とは、個々のトナー粒子単位で発色/非発色状態や、発色した際の色調を制御するために、トナー像の所望の領域に対して選択的に1種類以上の特定波長の光を付与する、あるいは、何らの光を付与しないことを意味する。
本実施形態に係る画像形成装置では、まず、感光体10を帯電させた後(帯電工程)、帯電された感光体10に対し、露光装置例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の3つの色の画像形成情報の論理和で露光を行い、感光体10上に静電潜像を形成する(露光工程)。その後、該静電潜像を該トナーで現像してトナー像とし(現像工程)、しかる後、色情報に応じた波長の光で該トナー像を露光して該トナーに発色情報を付与する(発色情報付与工程)。その後、発色情報を付与された前記トナーを記録媒体に転写し(転写工程)、その後、熱と圧力により記録媒体に定着される(定着工程)。この時、前記熱によりトナーの発色反応が行なわれ(発色工程)、さらに、定着後の記録媒体26表面に光を照射してバックグランド色の除去・漂白される(光照射工程)。このようにして、画像を得る。
従って、1つの感光体10と1つの現像装置16で単色からフルカラーの画像を得ることができるので、画像記録装置本体の大きさは、単色プリンタ並みの小型化が可能となる。また、カラー画像の形成に際して、色毎にトナーを積層する必要がないために、画像表面の凸凹が小さく、画像表面の光沢を均一にすることができ、更に、トナーに顔料等の着色剤を使わないため、銀塩写真のような画像を得ることも可能である。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の構成を、画像形成プロセスにおける各工程に沿って説明する。
<帯電工程>
帯電工程では、帯電装置12により感光体10の表面を帯電させる。
まず、感光体10について説明する。感光体10としては、表面に点状の感光領域が配列された感光体10(以下、点状感光体10と称する)を適用する。
点状感光体10は、点状(例えば、円状、四角状、三角状等)に形成された複数の感光領域を表面に所定間隔で配列(例えば、格子状配列、千鳥状配列等)して点在させたものである。このような点状感光体10としては、特開平11-258837号に記載の格子状感光体、特開2005−99078号や特開2005−331691号に記載のドット状感光体など、公知の感光体が適用され得る。
点状感光体10として具体的には、例えば、図4に示すように、基体70と、基体70上に格子状配列して形成された点状(本例では円形状)の電荷発生層71と、当該電荷発生層71を覆うように基体70上に形成された電荷輸送層72と、を有し、点状の電荷発生層71の配置位置に応じて、点状(本例では円形状)の感光領域73が格子状配列して形成された構成が挙げられる。なお、図4は、点状感光体の一部拡大図であり、(A)は、感光体の平面図であり、(B)は(A)のA−A断面図である。
なお、電荷発生層71を点状に且つ格子状配列させて設けるには、上記特開2005−99078号や特開2005−331691号に記載の如く、電荷発生材料の塗料(CGL塗料)をインクジェット法により所定位置に噴射して形成することができる。
電荷発生層71(CGL)は、電荷発生剤(CGM)を、バインダー樹脂(例えばポリビニルブチラール等)に分散したものである。電荷発生剤(CGM)には、例えば、ガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が用いられる。電荷発生剤(CGM)の感光波長は、後述の発色露光の波長に感度がない方が、劣化防止のために好ましい。
電荷発生層71の厚さは、通常の電荷発生層と同じく0.1〜1μm程度であればよい。電荷発生層71の膜厚を薄くすると、画像露光に対する感度は低下するが、トナー発色用の強い光に対する劣化は小さくなる。電荷発生層71の直径は、トナーの体積平均粒径の1/4から1/2程度が好ましい。
電荷輸送層72(CTL)は、電荷輸送剤(CTM)を、バインダー樹脂(例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等)と混合して塗布形成される。電荷輸送層72の厚さは、例えば10〜50μm程度が好ましい。電荷発生層71厚に対して電荷輸送層72は十分に厚いので、電荷発生層71がある部分とない部分で、CTLの厚さが影響を受けることはない。
点状感光体10においては、隣合う点状の電荷発生層71の中心同士の間隔、即ち、これにより点状感光体10の表面に形成される隣合う点状の感光領域73の中心同士の距離Rはトナーの体積平均粒径と同等としている。すなわち、トナーの体積平均粒径が20μmならば、隣合う点状の感光領域73の中心同士の距離Rも20μmとする。
隣合う点状の感光領域73の中心同士の距離Rとして具体的には、トナーの体積平均粒径にもよるが、例えば、12〜40μm(好ましくは 14 〜30 μm、より好ましくは15〜20μm)の範囲とすることができる。
なお、上記「同等」とは、距離Rとトナー径とを全く同じであることが困難なため、距離Rに対するトナーの体積平均粒径の割合が±10%異なることも含む概念を意味する。また、「距離R」とは、隣合う点状の感光領域73の中心同士の最短距離を意味する。
一方、点状感光体10の他の例としては、例えば、図5、図6に示す構成の点状感光体10が挙げられる。図5に示す点状感光体10は、例えば、基体70と、基体70上に形成された電荷発生層71と、電荷発生層71上に形成された電荷輸送層72と、電荷輸送層72に形成され、点状(本例でも円形状)の開口74が格子状配列して設けられた遮光層75と、を有し、点状の開口74の配置位置に応じて、点状(本例では円形状)の感光領域73が格子状配列して形成された構成である。なお、図5は、点状感光体の一部拡大断面図である。
遮光層75は、例えば、光吸収剤(例えばカーボンブラック等)をバインダー樹脂(例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等)に分散してなる層が挙げられる。光吸収剤は、例えばバインダー樹脂に対し5〜15重量部程度混合して、静電荷を保持できるような抵抗範囲で分散されていることがよい。このような遮光層75もやはりインクジェット法により形成することができる。
なお、図5に示す点状感光体10では、表面を帯電させると、遮光層75で覆われた感光領域以外の部分は電荷が除電されることがないが、電位が低い方を現像する反転現像に供するのであれば、残留電荷の問題はない。
また、図6に示す点状感光体10は、例えば、基体70と、基体70上に形成され、点状(本例でも円形状)の開口74が格子状配列して設けられた保持層76と、保持層76開口74に埋め込まれた単層型感光層77と、を有し、点状の開口74の配置位置に応じて、点状(本例では円形状)の感光領域73が格子状配列して形成された構成である。なお、図6は、点状感光体の一部概略断面図である。
単層型感光層77としては、例えば、電荷輸送剤中に電荷発生剤を分散してなる層が挙げられる。
なお、図6に示す点状感光体10は、正規現像に供する場合、保持層76として導電性の層を用いることがよい。導電性の保持層76としては、例えば、例えば、アルミニウム、銅、真鍮等の薄い金属層が挙げられる。導電性の保持層76を有する点状感光体10を帯電すると、保持層76の部分は帯電されないので、正規現像をすると、保持層76の部分にトナーが付着することはない。
また、図6に示す点状感光体10は、反転現像に供する場合には、保持層として絶縁性の層を用いることがよい。絶縁性の保持層76としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムが挙げられる。また、絶縁性の保持層76は、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等の樹脂溶液をインクジェット法により形成してもよい。この場合、噴射ヘッドを2つ用いて、感光層溶液もインクジェット法により同時に形成することもできる。
ここで、本実施形態では、点状感光体10は、表面から画像情報の露光光を照射する形態を説明しているが、当該露光光の照射を、点状感光体10における基体側から、即ち基板背面から行うこともできる。この場合、点状感光体10の基体70には、光を透過できる透明なものを用いる。ここで、「透明」とは入射した光に対して出射した光の透過率(出射光/入射光)が、使用する波長域において50%以上であることをいう。
透明基体としては、ガラス、プラスチック等の透明材料を用いたものがある。プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が好ましい。その肉厚は必要とされる機械強度から決められ、約0.1mmから5mm程度である。
なお、PI又はPAI樹脂は、一般的には黄褐色に着色しているが、この場合は、透明なものを用いることが好ましい。PI又はPAI樹脂として透明なのは、分子内の電荷移動が起こりにくいものであり、酸又はジアミン成分にフッ素化したものやジアミノジフェニルスルホンを用いたもの、酸又はジアミン成分に脂環構造を用いたもの、等がある。
基体70の形状は円筒体のほか、ベルトであってもよい。基体がベルトの場合、その厚みは該ベルトを張架するロールの径、張力等の設計事項から決められ、30μmから200μm程度である。また、継ぎ目があるものよりは、継ぎ目がない無端ベルトであるのが好ましい。
基体70は電荷を流すために導電性である必要であり、透明導電材を分散する方法のほか、基体70上に透明電極を形成する方法がある。それには、ITOやSnO等の透明金属酸化物の蒸着又はスパッタリング薄膜や、該金属酸化物の粒子をバインダー樹脂に分散した溶液、又はポリピロールなどの導電性ポリマーの溶液を塗布して作製する薄層、あるいは銀や金などの超粒子を媒体に分散した溶液を塗布して焼き付けた薄層等が挙げられる。その厚みは、必要とされる導電度と透過性から決められ、およそ0.01μmから10μm程度である。
基体70と感光層(電荷発生層71、電荷輸送層72、単層型感光層77)との間には、必要に応じて下引き層を設けてもよい。下引き層は、透明な樹脂(例えば酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アルコール可溶性ナイロン樹脂、等)及びこれらの共重合体、又は、硬化性金属有機化合物(例えばジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカップリング剤等)を、単独又は複数混合して塗布形成した層である。感光層の上には、さらに感光層を保護するための層を設けてもよい。
次に、帯電装置12について説明する。帯電装置12としては、公知の帯電手段が使用できる。接触方式である場合は、ロール、ブラシ、磁気ブラシ、ブレード等の導電性部材が使用でき、非接触の場合は、コロトロン、スコロトロン等が使用できる。帯電手段としてはこれらに限られるものではない。
接触帯電においては、導電性部材に電圧を印加するが、印加電圧は直流電圧、あるいは直流電圧に交流電圧を重畳したものが好ましい。電圧の範囲としては、直流電圧は要求される感光体帯電電位に応じて正又は負の50〜2000Vが好ましく、100〜1500Vがより好ましく、100〜600Vがさらに好ましい。交流電圧を重畳する場合は、ピーク間電圧(Vpp)が400〜1800V、好ましくは800〜1600V、交流電圧の周波数は50〜20000Hz、好ましくは100〜5000Hzであり、サイン波、方形波、三角波がいずれも使用可能である。点状感光体に対する帯電電位は平均値で表すと、電位の絶対値で100〜600Vの範囲に設定することが好ましい。
<露光工程>
露光工程では、画像情報に従って露光装置14により点状感光体10表面を露光し、静電潜像を形成する。
点状感光体10に露光を行うと、点状の感光領域73のみに静電潜像が形成される。静電潜像の形成に使用する露光装置14としては、例えばレーザスキャニングシステム、LEDイメージバーシステム、アナログ露光手段、などを用いることができる。
光源の波長は、感光体10の分光感度領域にあるものが使用される。これまで、半導体レーザの波長として780nmm付近に発振波長を有する近赤外が主流であるが、CGMの分光感度に応じて、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400〜450nm近傍に発振波長を有するレーザも利用が可能である。また、カラー画像記録のためにはマルチビーム出力が可能な面発光型レーザ光源も有効である。
点状感光体10に対する露光は、反転現像の場合はトナーを現像する位置に、正規現像の場合はトナーを現像する以外に位置に、前記4つの色の画像形成情報の論理和として行なわれる。露光スポット径は、20〜60μmの範囲となるようにすることが好ましい。本実施形態では、点状の感光領域73ごとに画像情報用露光スポットを当てることが好ましいが、画像情報用露光スポット80が隣合う点状の感光領域の中心同士の間隔より大きい場合(図7参照)、複数の点状の感光領域73を同時に露光してもよい。露光量は、露光後電位が前記帯電電位の5〜20%程度となるようにするのが好ましい。
なお、点状の感光領域73には、一点ずつトナーがのるかのらないかを制御すればよいので、露光量に階調を付ける必要はない。なお、画像に階調を付けるには、発光用の光の強度に階調を持たせて行われる。
<現像工程>
現像工程では、トナーを含む現像剤を現像装置16により供給して、当該現像剤をより静電潜像を現像して、トナー像Tを形成する。
点状の感光領域73に静電潜像が形成された点状感光体10に対して現像を行うと、図7に示すように、各点状の感光領域73に一つずつトナーが付着することとなり、トナーが多層に重なることなく、単層のトナー像Tが形成される。
このような静電潜像に対する現像に用いる現像装置16には、公知の現像装置が使用できる。現像法としては、トナーを担持するためのキャリアと呼ばれる微小粒子とトナーからなる二成分現像法、又はトナーのみからなる一成分現像法、またこれらの現像法において、さらに現像その他の特性改善のために、別の構成物質が添加されることもある全ての現像方法が使用できる。
また、現像方法によっては感光体10へ現像剤が接触又は非接触で現像を行うもの、あるいはそれらの組み合わせのいずれもが使用可能である。さらに、前記一成分現像法と二成分現像法とを組み合わせたハイブリッド現像方法も使用可能である。
なお、後述するトナー(Fトナー)を使用する場合、トナーとしては、例えばY色に発色可能な発色部(Y発色部)、M色に発色可能な発色部(M発色部)及びC色に発色可能な発色部(C発色部)を1つのトナー粒子中に含むものであってもよいし、前記Y発色部、M発色部、C発色部を各々トナーごとに別々に含むものであってもよい。
<発色情報付与工程>
発色情報付与工程では、トナー像Tに対して、発色情報付与装置30より、点状感光体10の表面から矢印のような露光光による発色情報が付与される。
各点状の感光領域73毎に一つのトナーが付着し且つ単層のトナー像Tに対して、発色情報を付与する露光光としての発色情報用露光スポット81を照射すると、図7に示すように、トナーが多層に重なっていないので、確実に各トナーに露光光が到達する。加えて、発色情報用露光スポット81がトナー像Tのトナー同士の間隙や周囲に漏れても、各点状の感光領域73毎に一つのトナーが付着すると共に、各点状の感光領域73は所定の間隙を有するので、当該間隙に露光光が当たりトナーが付着していない点状の感光領域73には光が当たることがない。本実施形態では、点状の感光領域73に付着したトナーごとに発色情報用露光スポット81を当てることが好ましいが、発色情報用露光スポット81が隣合う点状の感光領域73の中心同士の間隔より大きい場合、発色情報用露光スポット81が隣合う点状の感光領域の中心同士の間隔より大きい場合、複数の点状の感光領域73に付着したトナーを同時に露光してもよい。
このような発色情報を付与する発色情報付与装置30としては、発色させるトナー粒子が特定色に発色するための波長の光を所定の解像度と強度とで照射することができるものであれば任意であり、例えば、LEDイメージバー、レーザROS等を使用することが可能である。その光の照射スポット径は、現像されたトナー像と同じであればよいので、画像露光スポット径と同等にすることが好ましい。
発色あるいは非発色状態維持のために供される光の波長は、使用されるトナーの材料設計により決まるが、例えば、特定波長の光照射により発色するトナー(光発色型トナー)を用いる場合、イエロー(Y色)に発色させるときは405nmの光(λ光とする)を、マゼンタ(M色)に発色させるときは535nmの光(λ光とする)を、シアン(C色)に発色させるときは657nmの光(λ光とする)を、その発色させるトナーにそれぞれ照射する。
また、二次色に発色させる時には、前記光の組み合わせになり、レッド(R色)に発色させる時はλ光及びλ光を、グリーン(G色)に発色させる時はλ光及びλ光を、ブルー(B色)に発色させる時はλ光及びλ光を、その発色させる所望の位置にそれぞれ照射する。さらに、三次色であるブラック(K色)に発色させるときは上記λ光、λ光及びλ光をその発色させる所望の位置に重ねて照射する。
一方、特定波長の光照射により非発色状態を維持するトナー(光非発色型トナー)の場合には、例えば、イエロー(Y色)を発色させないようにするときは405nmの光(λ光)を、マゼンタ(M色)に発色させないようにするときは535nmの光(λ光)を、シアン(C色)に発色させないようにするときは657nmの光(λ光)を、その発色させる所望の位置にそれぞれ照射する。したがって、Y色に発色させる時はλ光及びλ光を、M色に発色させる時はλ光及びλ光を、C色に発色させる時はλ光及びλ光を、その発色させる所望の位置にそれぞれ照射することとなる。
また、二次色に発色させる時には、前記光の組み合わせになり、レッド(R色)に発色させる時はλ光を、グリーン(G色)に発色させる時はλ光を、ブルー(B色)に発色させる時はλ光を、その発色させる所望の位置にそれぞれ照射する。さらに、三次色であるブラック(K色)に発色させるときはその発色させる所望の位置には露光しないようにする。
発色情報付与装置30からの光は、必要に応じてパルス巾変調、強度変調、左記2つを組み合わせたものなど、公知の画像変調方法が使用可能である。また、光の露光量はそれぞれの合計で、0.05〜0.8mJ/cmの範囲とすることが好ましく、0.1〜0.6mJ/cmの範囲とすることがより好ましい。
以下に、上記発色情報付与のための露光がどのようなタイミングで、どのような位置制御により行われるかを簡単に説明する。
図2は、実施形態に係る画像記録装置における印字制御部の具体的な回路ブロック図を示す。同図において、論理和回路40、発振回路42、マゼンタ発色制御回路44M、シアン発色制御回路44C、イエロー発色制御回路44Y、ブラック発色制御回路44Kによりプリンタコントローラが構成されている。一方、光書込ヘッド62及び発色情報付与露光ヘッド64により露光部が構成されている。
図示しないインターフェース(I/F)によって、入力されたRGB信号がCMYK値に変換された画像データは、更にインターフェース(I/F)からマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の画素データとして論理和回路40に出力される。ここで、論理和回路40はCMYKの論理和を計算し、光書込ヘッド62に出力する。
すなわち、CMYKの全ての画素データを含む論理和のデータを光書込ヘッド62に出力し、前記のように感光体10に光書込みを行う。したがって、感光体10の周面にはCMYKの全ての画素データを含む論理和データに基づく静電潜像が形成される。
また、CMYKの画素データは対応するマゼンタ発色制御回路44M〜ブラック発色制御回路44Kにも供給され、発振回路42から出力される発振信号fm、fc、fy、fkに同期して発色情報付与露光ヘッド64に出力される。すなわち、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のそれぞれに対応する発色データが発色情報付与露光ヘッド64に供給され、感光体10上に現像されたトナー像Tに対応して発色又は非発色状態を維持するための特定波長の光が照射される。このとき、発色情報付与手段30のそれぞれから同時に光が照射される。このようにして、照射される光を受けたトナー内で、後述する光硬化反応等が起こり、発色情報が付与される。
例えば、マゼンタ発色制御回路44Mから出力された発色信号fmはトナー内の発色部に前記λ光を照射し、該トナーをマゼンタ(M)色の発色が可能な状態とする。また、シアン発色制御回路44Cから出力された発色信号fcはトナー内の発色部に前記λ光を照射し、該トナーをシアン(C)色の発色が可能な状態とする。さらに、イエロー(Y)及びブラック(K)についても同様であり、イエロー発色制御回路44Y、ブラック発色制御回路44Kから出力される発色信号fy、fkは、トナー内の発色部に前記λ光又はλ光、λ光及びλ光を照射し、イエロー(Y)又はブラック(K)の発色が可能な状態とする。
以上、発色情報付与工程(手段)について、フルカラー画像記録を行う場合の機構について説明したが、発色情報付与工程は、イエロー、マゼンタ及びシアンのうちのいずれかを発色させるモノカラー画像記録のための発色情報付与工程であってもよい。この場合は、発色情報付与装置からは、前記イエロー、マゼンタ及びシアンのうちの所望の発色に対応する特定波長の光のみを照射する。その他の好ましい条件等については、フルカラー画像記録時における条件等と同様である。
<転写工程>
転写工程では、発色情報を与えられたトナー像Tが記録媒体26に転写される。転写には公知の転写装置20が使用できる。例えば、接触方式である場合は、ロール、ブラシ、ブレード等が使用でき、非接触方式の場合は、コロトロン、スコロトロン、ピンコロトロン等が使用できる。また、圧力、若しくは圧力及び熱による転写も可能である。
転写バイアスは300〜1000V(絶対値)の範囲とすることが好ましく、さらに交流(Vpp:400V〜4kV、400〜3kHz)を重畳してもよい。
<定着工程及び発色工程>
定着工程及び発色工程では、発色(あるいは非発色状態維持)可能な状態におかれた前記トナー像Tが、記録媒体26が定着装置22によって加熱されることで発色がなされる。定着装置22としては公知の定着手段が使用できる。例えば、加熱部材及び加圧部材としてロール、ベルトのそれぞれが選択可能であり、熱源としては、ハロゲンランプ、IH等が使用可能である。その配置も、種々の紙パス、例えばストレートパス、リアCパス、フロントCパス、Sパス、サイドCパス等に対応可能である。
本実施形態では、定着装置22が発色工程と定着工程とを兼ねているが、発色工程は定着工程と別に設けられていてもよい。発色工程を実施するための発色装置を配置する位置は特に制限されないが、例えば、発色装置及び光照射装置を定着装置の上流側に設けることもできる。このようにすることにより、発色のための加熱温度と、記録媒体へのトナー定着のための加熱温度とが別途制御可能となるため、発色材料、トナーバインダー材料等の設計度の自由度を向上させることができる。
この場合、発色の方法についてはトナー粒子の発色メカニズムに応じて様々の方法が考えられため、発色情報付与装置30としては、例えばさらに異なる波長の光を用いてトナー中に発色関与物質を硬化させ、あるいは光分解させるなどの方法で発色をさせ、又は制限する方法では特定光の発光装置、加圧してカプセル化した発色粒子を破壊するなどの方法で発色をさせ、又は制限する方法では加圧装置、などを用いることができる。
しかしながら、発色をさせるこうした化学的な反応は、一般的に泳動、拡散による反応速度が遅いため、上記いずれの方法をとるにしても充分な拡散エネルギーを与える必要があり、そういった点で加熱して反応を促す方法が最も優れているといえる。このため、前記発色工程と定着工程とを兼ねる定着装置22を用いることが好ましい。
<その他の工程>
本実施形態では、定着、発色工程を経て得られた画像に光を照射する光照射工程を含むことが好ましい。これにより発色不可能な状態に制御された発色部中に残存する反応性物質を分解又は失活させることができるため、画像形成後のカラーバランスの変動をより確実に抑制したり、バックグランド色の除去・漂白を行ったりすることができる。
なお、本実施形態においては、上記光照射工程は定着工程の後に設けられているが、加熱溶融しない定着方法、例えば圧力を用いて定着させる圧力定着などの場合は、光照射工程後、定着工程を行うこともできる。
光照射装置32としては、トナーの発色をこれ以上進めないようにすることができれば特に制限されず、公知のランプ、例えば、蛍光灯、LED、EL等が使用できる。また、その波長は前記トナーを発色させるための光に三波長を含み、照度は2000〜200000luxの範囲程度とすることが好ましく、露光時間は0.5〜60secの範囲とすることが好ましい。
これらに加えて、上述のカラー画像記録方法では、従来の電子写真方式の公知の工程が含まれていてもよく、例えば、トナー像を転写後の感光体表面をクリーニングするクリーニング工程が含まれていてもよい。クリーナ24としては公知のブレード、ブラシ等が使用可能である。また、クリーナを持たないクリーナレス方式用可能である。
また、この他にも、転写工程が、トナー像を感光体から中間転写ベルト等の中間転写体へ転写する第1の転写工程と、中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体に転写する第2の転写工程とからなる中間転写方式であってもよい。
<使用するトナー>
次に、好ましく使用されるトナーについて説明する。
トナーは、前述のように、光による発色情報の付与により、発色又は非発色の状態を維持することができるように制御されるトナーであり、「光による発色情報の付与」「発色又は非発色の状態を維持する」についても前記の通りである。
上記のような機能を有するトナーとしては、種々の方式があるが、例えば前記特許文献1に開示されているトナーは、外部刺激を受けて物質透過性が変化するカプセル壁を有する複数のマイクロカプセルをトナー樹脂中に分散混合して成る粒子であり、この粒子中に互いに混合されて発色反応を起こす2種類の反応性物質のうちの一方(各色染料前駆体)が、マイクロカプセル内に、他方(顕色剤)がマイクロカプセル外のトナー樹脂中に含まれるものである。
このトナーでは、カプセル壁として特定波長の光を照射した際に物質透過性が増大する光異性化物質を用い、このシス−トランス遷移を利用して光の照射や超音波を印加した際に、カプセル内外に存在する2種類の反応性物質が反応して発色する。
従って、このようなトナーでは前記マイクロカプセルをトナー中に多く存在させることができず、またこれらが偏在してしまうこともあるため、マイクロカプセルが十分に受光できない場合がある。
このため、互いに隔離された状態で存在し、互いに反応した際に発色する第1成分及び第2成分と、該第1成分及び第2成分のいずれかを含む光硬化性組成物と、を有し、光による発色情報の付与により前記光硬化性組成物が硬化又は未硬化の状態を維持して、前記発色のための反応が制御されるトナー(以下、「Fトナー」という場合がある)を用いることが好ましい。上記トナーの発色メカニズムと簡単な構成について、以下に説明する。
前記Fトナーは、後述するように、バインダー樹脂中に発色部と呼ばれる光による発色情報が付与された際に、特定のひとつの色に発色可能な(又は非発色状態を維持することが可能な)連続した領域を1つ以上有する。
図3は、Fトナー中の前記発色部の一例を示す模式図であり、(A)は1つの発色部の断面図であり、(B)はさらにその発色部を拡大したものである。
図3(A)に示すように、発色部60中には、各色の発色剤を含有する発色性マイクロカプセル50とそれを取り巻く組成物58とから構成され、図3(B)に示すように、組成物58は、マイクロカプセル50に含有される発色剤(第1成分)52と近接又は接触することで発色させる重合性官能基を有した顕色剤モノマー(第2成分)54と光重合開始剤56とを含んでいる。
トナー粒子を構成する発色部60において、発色性マイクロカプセル50に封入する発色剤52としては、発色色相の鮮やかさに優れたトリアリール系ロイコ化合物などが好適である。このロイコ化合物(電子供与性)を発色させる顕色剤モノマー54としては電子受容性化合物が好ましい。特にフェノール系化合物が一般的であり、感熱、感圧紙などに利用されている顕色剤から適宜選択できる。このような電子供与性の発色剤52と電子受容性の顕色剤モノマー54とが酸塩基反応することで発色剤が発色することになる。
光重合開始剤56としては、可視光により感光し顕色剤モノマー54を重合させるためのトリガーとなる重合性ラジカルを発生する分光増感色素が用いられる。例えば、R色、G色、B色の如き三原色露光に対して、顕色剤モノマー54が十分な重合反応を進行させることができるように光重合開始剤56の反応促進剤が用いられる。例えば、露光光を吸収する分光増感色素(カチオン)とホウ素化合物(アニオン)からなるイオンコンプレックスを用いることにより、露光により分光増感色素が光励起されホウ素化合物に電子移動することで重合性ラジカルが生成し重合を開始する。これらの材料を組み合わせることにより、感光性の発色部60として、0.1〜0.2mJ/cm程度の発色記録感度を得ることができる。
上記構成の発色部60に対する発色情報のための光照射の有無により、発色部60によっては重合された顕色剤化合物と重合されなかった顕色剤モノマー54とを有するものが存在することになる。その後の加熱などの発色装置によって、重合されなかった顕色剤モノマー54を有する発色部60では、この顕色剤モノマー54が熱などによって泳動し、発色性マイクロカプセル50の隔壁の空孔を泳動通過して発色性マイクロカプセル中に拡散する。マイクロカプセル50中に拡散された顕色剤モノマー54と発色剤52とは、前述のように発色剤52が塩基性であり、顕色剤モノマー54が酸性であることにより発色剤52を酸塩基反応によって発色させることになる。
一方、重合反応を生じた顕色剤化合物は、この後の加熱などによる発色工程では重合による嵩高さによりマイクロカプセル50の隔壁の空孔を拡散通過できず、発色性マイクロカプセル中の発色剤52と反応ができないため発色することができない。したがって、発色性マイクロカプセル50は無色のままで残ることとなる。すなわち、特定波長光を照射された発色部60は発色されずに存在することになる。
発色後、適当な段階で再度全面を白色光源で露光することにより、残留している重合未了の顕色剤モノマー54を全て重合させて安定した画像定着がなされるとともに、残留分光増感色素を分解することで地色の消色が行われる。なお、可視光域に対応する光重合開始剤56の分光増感色素はその色調が最後まで地色として残留してしまうが、この分光増感色素の消色には色/ホウ素化合物の光消色現象を利用することができる。すなわち、光励起された分光増感色素からホウ素化合物に電子移動することで重合性ラジカルが生成するが、このラジカルはモノマーの重合を引き起こす一方で、励起された色素ラジカルと反応して色素の色分解を起し、結果的に色素を消色させることができる。
前記Fトナーでは、このような異なる発色を行なう発色部60(例えば、Y色、M色、C色に発色する)を、それぞれの顕色剤モノマー54が目的とする発色剤52以外の発色剤と干渉し合わない状態(互いに隔離された状態)にして一つのマイクロカプセルとして構成し用いることができる。そしてこのFトナーでは、電子供与性発色剤を含むマイクロカプセル以外の空間を電子受容性顕色剤及び光硬化性組成物が埋め、かつこれにより構成される発色部が受光するため、一粒のトナー粒子における受光効率のよさは、前記特許文献2に開示されたトナーに比べ圧倒的に高い。したがって、他のトナーと比較して、背面露光の効果を十分に活用できるものである。
さらに、前記のように発色情報付与メカニズムが可逆反応ではないことより、加熱による発色までに時間的制約がないというメリットを有する結果、低速域までのプリントも可能、すなわち、広いスピードレンジに対応可能となり、加えて、加熱による発色が行われる定着器等の配置場所についても自由度が高いというメリットも有している。
Fトナーの構成について、さらに詳述する。
Fトナーは、発色可能な物質(発色性物質)として、互いに隔離された状態で存在し、互いに反応した際に発色する第1成分と第2成分とを含む。このように、2種類の反応性成分の反応を利用して発色させることにより、発色の制御が容易になる。なお、前記第1成分、第2成分は、発色する前の状態において予め着色していてもよいが、実質的に無色の物質であることが特に好ましい。
前記発色制御を容易とするために、発色性物質として互いに反応した際に発色する2種類の反応性成分を用いるが、これらの反応性成分が、光による発色情報が付与されない状態でも物質拡散が容易な同一のマトリックス内に存在すると、トナーの保管時や製造時において、自発的な発色が進行してしまう場合がある。このため、前記反応性成分は、その種類毎に、発色情報が付与されない限り互いの領域への物質拡散が困難な異なるマトリックス内に含まれていること(互いに隔離されていること)が必要である。
このように光による発色情報が付与されない状態での物質拡散を阻害して、トナーの保管時や製造時における自発的な発色を防止するためには、2種類の反応性成分の第1成分が第1のマトリックスに含まれ、第2成分が第1のマトリックス外(第2のマトリックス)に含まれ、第1のマトリックスと第2のマトリックスとの間には、両マトリックス間の物質の拡散が阻害されると共に、熱等の外部刺激が付与された際には、刺激の種類、強度や、組み合わせに応じて両マトリックス間の物質の拡散を可能とするような機能を持つ隔壁が設けられることが好ましい。
なお、このような隔壁を利用して2種類の反応性成分をトナー中に配置するには、マイクロカプセルを利用することが好適である。この場合、Fトナーには、2種類の反応性成分のうち、例えば第1成分がマイクロカプセル内に含まれ、第2成分がマイクロカプセル外に含まれることが好ましい。この場合、マイクロカプセル内部が前記第1のマトリックス、マイクロカプセル外が前記第2のマトリックスに相当する。
このマイクロカプセルは、芯部と、該芯部を被覆する外殻とを有するものであり、熱等の外部刺激が付与されない限りマイクロカプセル内外の物質の拡散を阻害すると共に、外部刺激が付与された際には、刺激の種類、強度や、組み合わせに応じてマイクロカプセル内外の物質の拡散を可能とする機能を有するものであれば特に限定されない。なお芯部には、前記反応性成分の一方が少なくとも含まれる。
また、マイクロカプセルは、光の照射や圧力などの刺激の付与によってマイクロカプセル内外の物質拡散を可能とするものでもよいが、加熱処理によりマイクロカプセル内外の物質拡散を可能とする(外殻の物質透過性が増大する)熱応答性マイクロカプセルであることが特に好ましい。
なお、刺激が付与された際のマイクロカプセル内外の物質拡散は、画像記録時の発色濃度の低下を抑制したり、高温環境下に放置された画像のカラーバランスの変化を抑制する観点からは、不可逆的なものであることが好ましい。それゆえ、マイクロカプセルを構成する外殻は、加熱処理や光照射等の刺激の付与による軟化、分解、溶解(周囲の部材への相溶)、変形等により、物質透過性が不可逆的に増大する機能を有することが好ましい。
次に、前記Fトナーがマイクロカプセルを含む場合の好ましい構成について説明する。 このようなトナーとしては、互いに反応した際に発色する第1成分及び第2成分と、マイクロカプセルと、第2成分を分散させた光硬化性組成物とを含むものであることが好ましく、このようなトナーとしては、以下の3つの態様が挙げられる。
すなわち、前記Fトナーは、互いに反応した際に発色する第1成分及び第2成分と、光硬化性組成物と、この光硬化性組成物中に分散するマイクロカプセルとを含み、第1成分がマイクロカプセルに含まれ、第2成分が光硬化性組成物中に含まれる態様(第1の態様)、互いに反応した際に発色する第1成分及び第2成分と、光硬化性組成物を含むマイクロカプセルとを含み、第1成分がマイクロカプセル外に含まれ、第2成分が光硬化性組成物内に含まれる態様(第2の態様)、あるいは、互いに反応した際に発色する第1成分及び第2成分と、第1成分を含む一のマイクロカプセルと、第2成分を分散させた光硬化性組成物を含む他のマイクロカプセルとを含む態様(第3の態様)のいずれかである
ことが好ましい。
これら3つの態様の中では、特に第1の態様が、光による発色情報付与前の安定性、発色の制御等の観点から好ましい。なお、以下のトナーの説明においては、基本的に第1の態様のトナーを前提としてより詳細に説明するが、以下に説明する第1の態様のトナーの構成、材料、製法等は、第2の態様や第3の態様のトナーにおいても、勿論、利用/転用可能である。
なお、上述した熱応答性マイクロカプセルと光硬化性組成物とを組み合わせて用いたFトナーは、以下の2つのタイプのいずれかであることが特に好ましい。
(1)光硬化性組成物が未硬化の状態で加熱処理しても、未硬化の光硬化性組成物中に含まれる第2成分の物質拡散が抑制され、発色情報付与光の照射によって光硬化性組成物が硬化した後に加熱処理すると、硬化後の光硬化性組成物中に含まれる第2成分の物質拡散が促進されるタイプのトナー(以下、「光発色型トナー」と称す場合がある)。
(2)光硬化性組成物が未硬化の状態(第2成分が重合していない状態)で加熱処理すると、未硬化の光硬化性組成物中に含まれる第2成分の物質拡散が促進され、発色情報付与の照射によって光硬化性組成物が硬化した後(第2成分が重合した後)に加熱処理すると、硬化後の光硬化性組成物中に含まれる第2成分の物質拡散が抑制されるタイプのトナー(以下、「光非発色型トナー」と称す場合がある)。
前記光発色型トナーと光非発色型トナーとの主たる違いは、光硬化性組成物を構成する材料にあり、光発色型トナーでは、光硬化性組成物中に(光重合性を有さない)第2成分と光重合性化合物とが少なくとも含まれるのに対して、光非発色型トナーは、光硬化性組成物中に、分子中に光重合性基を有する第2成分が少なくとも含まれる。
なお、光発色型トナー及び光非発色型トナーに用いられる光硬化性組成物中には、光重合開始剤が含まれていることが特に好ましく、必要に応じてその他種々の材料が含まれていてもよい。
上記光発色型トナーに用いられる光重合性化合物及び第2成分としては、光硬化組成物が未硬化の状態で両者の間に相互作用が働き、光硬化性組成物中での第2成分の物質拡散が抑制され、発色情報付与光の照射による光硬化性組成物の硬化(光重合性化合物の重合)後の状態で両者の間の相互作用が減少して、光硬化性組成物中での第2成分の拡散が容易となる材料が用いられる。
従って、光発色型トナーにおいては、加熱処理(発色工程)前に予め光硬化性組成物を硬化させる波長の発色情報付与光を照射しておくことによって、光硬化性組成物中に含まれる第2成分の物質拡散が容易な状態となる。このため、加熱処理された際に、マイクロカプセルの外殻の溶解等によって、マイクロカプセル内の第1成分と光硬化性組成物中の第2成分との反応(発色反応)が起こる。
逆に、光硬化性組成物を硬化させる波長の発色情報付与光を照射せずに、そのまま加熱処理しても第2成分は光重合性化合物にトラップされ、マイクロカプセル中の第1成分と接触することができず、第1成分と第2成分との反応(発色反応)が起こらない。
以上説明したように、光発色型トナーでは、光硬化性組成物を硬化させる波長の発色情報付与光の照射の有無と、加熱処理とを組み合わせて付与することによって、第1成分と第2成分との反応(発色反応)を制御できるため、トナーの発色を制御できる。
また、光非発色型トナーにおいては、第2成分自体が光重合性を有するため、発色情報付与光を照射したとしても、この光の波長が光硬化性組成物を硬化させる波長でなければ、光硬化性組成物中に含まれる第2成分の物質拡散が容易な状態を保てるため、この状態で加熱処理するとマイクロカプセルの外殻の溶解等によって、マイクロカプセル内の第1成分と光硬化性組成物中の第2成分との反応(発色反応)が起こる。
逆に、加熱処理前に光硬化性組成物を硬化させる波長の発色情報付与光が照射されると、光硬化性組成物中に含まれる第2成分同士が重合してしまうため、光硬化性組成物中に含まれる第2成分の物質拡散が困難となる。それゆえ、加熱処理しても第2成分は、マイクロカプセル中の第1成分と接触することができず、第1成分と第2成分との反応(発色反応)が起こらない。
以上説明したように、光非発色型トナーでは、光硬化性組成物を硬化させる波長の発色情報付与光の照射の有無と、加熱処理とを組み合わせて付与することによって、第1成分と第2成分との反応(発色反応)を制御できるため、トナーの発色を制御できる。
次に、前記Fトナーの好適な構造について、トナーが、前記光硬化性組成物と、この光硬化性組成物中に分散するマイクロカプセルとを含む場合についてより詳細に説明する。
この場合、トナーは光硬化性組成物と、この光硬化性組成物中に分散するマイクロカプセルとを含む発色部を1つのみ有するものであってもよいが、2つ以上有することが好ましい。ここで、上記「発色部」とは、前述のように外部刺激が付与された際に、特定のひとつの色に発色可能な連続した領域を意味する。
なお、トナーに2以上の発色部が含まれる場合、同じ色に発色可能な1種類の発色部のみがトナー中に含まれていてもよいが、互いに異なる色に発色可能な2種類以上の発色部がトナー中に含まれることが特に好ましい。その理由は、ひとつのトナー粒子の発色可能な色が、前者の場合は1種類のみに限定されるが、後者の場合は2種類以上とすることができるからである。
例えば、互いに異なる色に発色可能な2種類以上の発色部としては、イエロー色に発色可能なイエロー発色部と、マゼンタ色に発色可能なマゼンタ発色部と、シアン色に発色可能なシアン発色部とを含むような組み合わせが挙げられる。
この場合、例えば、外部刺激の付与によりいずれか1種類の発色部のみが発色した場合には、トナーは、イエロー、マゼンタ、あるいは、シアンのいずれかの色に発色することができ、いずれか2種類の発色部が発色した場合には、これら2種類の発色部の発色した色を組み合わせた色に発色することができ、ひとつのトナー粒子で、多様な色を表現することが可能となる。
なお、トナー中に互いに異なる色に発色可能な2種類以上の発色部が含まれる場合の発色する色の制御は、各々の種類の発色部に含まれる第1成分及び第2成分の種類や組み合わせを異なるものとすることの他に、各々の種類の発色部に含まれる光硬化性組成物の硬化に用いる光の波長を異なるものとすることにより実現できる。
すなわち、この場合、発色部の種類毎に発色部に含まれる光硬化性組成物の硬化に必要な光の波長が異なるため、制御刺激として、発色部の種類に応じた波長の異なる複数種の発色情報付与光を用いればよい。なお、発色部に含まれる光硬化性組成物の硬化に必要な光の波長を異なるものとするには、発色部の種類毎に異なる波長の光に感応する光重合開始剤を光硬化性組成物中に含有させることが好適である。
例えば、イエロー、マゼンタ、及び、シアンに発色可能な3種類の発色部がトナー中に含まれる場合、各々の種類の発色部に含まれる光硬化性組成物として、光の波長が405nm、532nm及び657nmのいずれかに応答して硬化する材料を用いれば、これら3つの異なる波長の発色情報付与光(特定波長を有する光)を使い分けることによって、トナーを所望の色に発色させることができる。なお、発色情報付与光の波長としては、可視域の波長から選択することもできるが、紫外域の波長から選択してもよい。
トナーは、従来の顔料等の着色剤を用いたトナーに用いられるのと同様な結着樹脂を主成分とする母材を含むものであってもよい。この場合、母材中に、前記2以上の発色部の各々が粒子状のカプセルとして分散していることが好ましい(以下、カプセル状のひとつの発色部を「感光・感熱カプセル」と称する場合がある)。また、母材中には、従来の顔料等の着色剤を用いたトナーと同様に離型剤や、種々の添加剤が含まれていてもよい。
感光・感熱カプセルは、マイクロカプセルや光硬化性組成物を含む芯部と、該芯部を被覆する外殻とを有し、この外殻は、後述するトナーの製造過程や、トナーの保管時において、感光・感熱カプセル内のマイクロカプセルや光硬化性組成物を感光・感熱カプセル外に漏れないように安定して保持できるものであれば特に限定されない。
しかしながら、後述するトナーの製造過程において、第2成分が外殻を透過して感光・感熱カプセル外のマトリックスへ流出したり、他の色に発色可能な感光・感熱カプセル中の第2成分が外殻を透過して流入したりするのを防ぐために、非水溶性樹脂からなる結着樹脂や離型材等の非水溶性材料を主成分として含むものであることが好ましい。
次に、前記Fトナーに用いられるトナー構成材料や、各トナー構成材料を調整する際に用いる材料・方法等について以下により詳細に説明する。
この場合、トナーには、第1成分、第2成分、第1成分を含むマイクロカプセル、第2成分を含む光硬化性組成物が少なくとも用いられ、光硬化性組成物中には光重合開始剤が含まれることが特に好ましく、種々の助剤等が含まれていてもよい。また、マイクロカプセル内(芯部)には第1成分が固体状態で存在していてもよいが、溶媒と共に存在していてもよい。
なお、前記光非発色型トナーにおいては、第1成分として電子供与性無色染料又はジアゾニウム塩化合物等が用いられ、第2成分として光重合性基を有する電子受容性化合物又は光重合性基を有するカプラー化合物等が用いられる。また、前記光発色型トナーにおいては、第1成分としては、電子供与性無色染料が用いられ、第2成分としては電子受容性化合物(「電子受容性顕色剤」あるいは「顕色剤」と称す場合がある)が用いられ、光重合性化合物としてはエチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物が用いられる。
以上に列挙した材料に加えて、更に、従来の着色剤を用いたトナーを構成する材料と同様の各種材料;結着樹脂、離型剤、内添剤、外添剤等を必要に応じて適宜利用することができる。以下、各材料等についてより詳細に説明する。
−第1成分及び第2成分−
第1成分及び第2成分の組み合わせとしては、下記(ア)〜(ツ)の組み合わせを好適に挙げることができる(下記例において、それぞれ前者が第1成分、後者が第2成分を表す)。
(ア)電子供与性無色染料と電子受容性化合物との組み合わせ。
(イ)ジアゾニウム塩化合物とカップリング成分(以下、適宜「カプラー化合物」と称する。)との組み合わせ。
(ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機酸金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の還元剤との組み合わせ。
(エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長鎖脂肪酸鉄塩と、タンニン酸、没食子酸、サリチル酸アンモニウム等のフェノール類との組み合わせ。
(オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫化物との組み合わせ、又は前記有機酸重金属塩と、
s−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組み合わせ。
(カ)銀、鉛、水銀、ナトリウム等の硫酸塩等の重金属硫酸塩と、ナトリウムテトラチオネート、チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組み合わせ。
(キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,4−ヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との組み合わせ。
(ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機酸金属塩と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の有機ポリヒドロキシ化合物との組み合わせ。
(ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪酸第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシルカルバミド誘導体との組み合わせ。
(コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチオ尿素誘導体との組み合わせ。
(サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅等の高級脂肪族重金属塩とジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛との組み合わせ。
(シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組み合わせのようなオキサジン染料を形成するもの。
(ス)ホルマザン化合物と還元剤及び/又は金属塩との組み合わせ。
(セ)保護された色素(又はロイコ色素)プレカーサーと脱保護剤との組み合わせ。
(ソ)酸化型発色剤と酸化剤との組み合わせ。
(タ)フタロニトリル類とジイミノイソインドリン類との組み合わせ(フタロシアニンが生
成する組み合わせ)。
(チ)イソシアナート類とジイミノイソインドリン類との組み合わせ(着色顔料が生成する
組み合わせ)。
(ツ)顔料プレカーサーと酸又は塩基との組み合わせ(顔料が形成する組み合わせ)。
上記に列挙した第1成分としては、実質的に無色の電子供与性無色染料又はジアゾニウム塩化合物が好ましい。前記電子供与性無色染料としては、従来公知のものを使用すること
ができ、前記第2成分と反応して発色するものであれば全て使用することができる。
具体的には、フタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、ピリジン系、ピラジン系化合物、フルオレン系化合物等の各種化合物を挙げることができる。
前記第2成分としては、前記光非発色型トナーの場合は同一分子内に光重合性基及び第1成分と反応して発色する部位とを有する実質的に無色化合物であり、光重合性基を有する電子受容性化合物又は光重合性基を有するカプラー化合物等の第1成分と反応して発色し、かつ光に反応して重合し、硬化するという両機能を有するものであれば全て使用することができる。
前記光重合性基を有する電子受容性化合物、即ち、同一分子中に電子受容性基と光重合性基とを有する化合物としては、光重合性基を有し、かつ第1成分の一つである電子供与性無色染料と反応して発色し、かつ光重合して硬化しうるものであれば全て使用することができる。
また、光発色型トナーの場合の第2成分である電子受容性顕色剤としては、フェノール誘導体、含硫フェノール誘導体、有機のカルボン酸誘導体(例えば、サリチル酸、ステアリン酸、レゾルシン酸等)、及びそれらの金属塩等、スルホン酸誘導体、尿素もしくはチオ尿素誘導体等、酸性白土、ベントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体等が挙げられる。
さらに、光発色型トナーには、光重合性化合物としてエチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物が用いられ、これはアクリル酸及びその塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類などの分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物である。
次に、前記光重合開始剤について説明する。前記光重合開始剤は、発色情報付与光を照射することによりラジカルを発生して光硬化性組成物内で重合反応を起こし、かつその反応を促進させることができる。この重合反応により光硬化性組成物が硬化する。
前記光重合開始剤は、公知のものの中から適宜選択することができ、中でも、300〜1000nmに最大吸収波長を有する分光増感化合物と、該分光増感化合物と相互作用する化合物と、を含有するものであることが好ましい。
但し、前記分光増感化合物と相互作用する化合物が、その構造内に300〜1000nmに最大吸収波長を有する色素部とボレート部との両構造を併せ持つ化合物であれば、前記分光増感色素を用いなくてもよい。
前記分光増感化合物と相互作用する化合物としては、前記第2成分中の光重合性基と光重合反応を開始しうる公知の化合物の中から、1種又は2種以上の化合物を適宜選択して使用することができる。
この化合物を前記の分光増感化合物と共存させることにより、その分光吸収波長領域の照射光に敏感に感応し、高効率にラジカルを発生させうることから、高感度化が図れ、かつ紫外〜赤外領域にある任意の光源を用いてラジカルの発生を制御することができる。
前記「分光増感化合物と相互作用する化合物」としては、有機系ボレート塩化合物、ベンゾインエーテル類、トリハロゲン置換メチル基を有するS−トリアジン誘導体、有機過酸化物又はアジニウム塩化合物が好ましく、有機系ボレート塩化合物がより好ましい。この「分光増感化合物と相互作用する化合物」を前記分光増感化合物と併用して用いることにより、露光した露光部分に局所的に、かつ効果的にラジカルを発生させることができ、高感度化を達成することができる。
また、光硬化性組成物には重合反応を促進する目的で、さらに助剤として、酸素除去剤(oxygen scavenger)又は活性水素ドナーの連鎖移動剤等の還元剤や連鎖移動的に重合を促進するその他の化合物を添加することもできる。
前記酸素除去剤としては、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイト、第1銀塩又は酸素により容易に酸化されるその他の化合物が挙げられる。具体的には、N−フエニルグリシン、トリメチルパルビツール酸、N,N−ジメチル−2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリン酸が挙げられる。さらに、チオール類、チオケトン類、トリハロメチル化合物、ロフィンダイマー化合物、ヨードニウム塩類、スルホニウム塩類、アジニウム塩類、有機過酸化物、アジド類等も重合促進剤として有用である。
Fトナーでは、電子供与性無色染料やジアゾニウム塩化合物のような第1成分をマイクロカプセルに内包して使用する。
マイクロカプセル化する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、米国特許第2800457号、同28000458号に記載の親水性壁形成材料のコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号、英国特許第990443号、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報、同42−771号公報等に記載の界面重合法、米国特許第3418250号、同3660304号に記載のポリマー析出による方法、米国特許第3796669号に記載のイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号に記載のイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同4087376号、同4089802号に記載の尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025455号に記載のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビルセルロース等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−9168号、特開昭51−9079号に記載のモノマーの重合によるin situ法、英国特許第952807号、同965074号に記載の電解分散冷却法、米国特許第3111407号、英国特許第930422号に記載のスプレードライング法、特公平7−73069号公報、特開平4−101885号公報、特開平9−263057号公報に記載の方法等が挙げられる。
使用しうるマイクロカプセル壁の材料は、油滴内部及び/又は油滴外部に添加される。前記マイクロカプセル壁の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。中でも、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好ましく、ポリウレタン、ポリウレアがより好ましい。前記高分子物質は、2種以上併用して用いることもできる。
マイクロカプセルの体積平均粒径は0.1〜3.0μmの範囲内となるように調整することが好ましく、0.3〜1.0μmの範囲内となるように調整することが更に好ましい。
前記感光・感熱カプセルにはバインダーが含まれていてもよく、これは、1つの発色部を有するトナーにおいても同様である。
バインダーとしては、前記光硬化性組成物の乳化分散に用いるバインダーと同様のもの、第1の反応性物質をカプセル化する際に用いる水溶性高分子のほか、ポリスチレン、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートやそれらの共重合体等のアクリル樹脂、フェノール樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エチルセルロース、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の溶剤可溶性高分子、或いは、これらの高分子ラテックスを用いることもできる。中でも、ゼラチン及びポリビニルアルコールが好ましい。また、バインダーとして後述する結着樹脂を用いてもよい。
また、Fトナーには、従来のトナーに用いられている結着樹脂を用いることができる。結着樹脂は、例えば、母材中に感光・感熱カプセルが分散した構造を有するトナーでは、母材を構成する主成分や感光・感熱カプセルの外殻を構成する材料として利用することができるがこれに限定されるものではない。
結着樹脂としては特に限定されず、公知の結晶性や非晶性の樹脂材料を用いることができる。特に低温定着性を付与するには、シャープメルト性がある結晶性ポリエステル樹脂が有用である。また、無定形高分子(非晶質樹脂)としては、スチレンアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂など公知の樹脂材料を用いることができるが、非結晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。
その他、Fトナーは、上記に列挙した以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、離型剤、無機粒子、有機粒子、帯電制御剤等の従来のトナーに用いられている公知の各種添加剤等が挙げられる
次に、Fトナーの製造方法について簡単に説明する。
Fトナーは、凝集合一法等の公知の湿式製法を利用して作製されることが好ましい。特に、互いに反応した際に発色する第1成分及び第2成分と、光硬化性組成物と、該光硬化性組成物中に分散するマイクロカプセルとを含み、前記第1成分が前記マイクロカプセルに含まれ、前記第2成分が前記光硬化性組成物中に含まれる構造を有するトナーの作製に湿式製法は好適である。
なお、上記構造を有するトナーに用いられるマイクロカプセルは熱応答性マイクロカプセルであることが特に好ましいが、光等、その他の刺激に応答するマイクロカプセルであってもよい。
トナーの製造には、公知の湿式製法が利用できるが、湿式製法の中でも最高プロセス温度を低く抑えることができると共に、様々な構造を有するトナーの作製が容易であることから凝集合一法を利用することが特に好ましい。
また、従来の顔料や結着樹脂を主成分とするトナーと比べると、上記構造を有するトナーは、低分子成分を主成分として含む光硬化性組成物が多く含まれるため、トナーの造粒過程で得られる粒子の強度は不十分となりやすいが、凝集合一法では、高いせん断力を必要としないため、この点でも凝集合一法を利用することは好適である。
一般的に、凝集合一法は、トナーを構成する各種材料の分散液を調製した後、2種類以上の分散液を混合した原料分散液中で凝集粒子を形成する凝集工程と、原料分散液に形成された凝集粒子を融合する融合工程とを含むものであり、必要に応じて凝集工程と融合工程との間に、凝集粒子の表面に被覆層を形成する成分を付着させて被覆層を形成する付着工程(被覆層形成工程)とが実施されるものである。
Fトナーの製造においても、原料として使用する各種分散液の種類や組み合わせは異なるものの、凝集工程、融合工程の他に、必要に応じて付着工程を適宜組み合わせることによりトナーを作製することができる。
例えば、樹脂中に感光・感熱カプセル分散構造を有するトナーの場合には、まず、(a1)第1成分を含むマイクロカプセルを分散させたマイクロカプセル分散液と、第2成分を含む光硬化性組成物を分散させた光硬化性組成物分散液とを含む原料分散液中にて第1の凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、(b1)前記第1の凝集粒子が形成された原料分散液に、樹脂粒子を分散させた第1の樹脂粒子分散液を添加して、前記凝集粒子表面に前記樹脂粒子を付着させる付着工程と、(c1)前記樹脂粒子をその表面に付着させた凝集粒子を含む原料分散液を加熱して融合させ、第1の融合粒子(感光・感熱カプセル)を得る第1の融合工程とを経ることにより、互いに異なる色に発色可能な1種類以上の感光・感熱カプセル分散液を調製する。
続いて、(d1)前記1種類以上の感光・感熱カプセル分散液と、樹脂粒子を分散させた第2の樹脂粒子分散液とを混合した混合溶液中にて、第2の凝集粒子を形成する第2の凝集工程と、(e1)前記第2の凝集粒子を含む混合溶液を加熱して、第2の融合粒子を得る第2の融合工程とを経ることにより、感光・感熱カプセル分散構造を有するトナーを得ることができる。
なお、第2の凝集工程で用いる感光・感熱カプセル分散液の種類は2種類以上が好ましい。また、(a1)〜(c1)工程を経て得られた感光・感熱カプセルをそのままトナー(すなわち1つの発色部のみを含むトナー)として利用してもよい。
また、1つの発色部のみを含むトナーを作製する場合、上述した付着工程の代わりに、前記第1の凝集粒子が形成された原料分散液に、離型剤を分散させた離型剤分散液を添加して、凝集粒子表面に離型剤を付着させる第1の付着工程と、第1の付着工程を経た後の原料分散液に、樹脂粒子を分散させた第1の樹脂粒子分散液を添加して、この離型剤を表面に付着させた凝集粒子表面に樹脂粒子を付着させる第2の付着工程とを実施してもよい。
Fトナーの体積平均粒径は、上記点状感光体における互いに隣合う点状の感光領域73の中心同士の距離と同等となるようにする。このFトナーの体積平均粒子径は、トナーの構造や、トナー中に含まれる発色部の種類・数に応じて調整することができる。
例えば、トナー中に含まれる互いに異なる色に発色可能な発色部の種類が2〜4種類前後(例えば、トナーがイエロー、シアン、マゼンタの各々に発色可能な3種類の発色部を含むような場合)であれば、各々のトナー構造に応じた体積平均粒径は以下の範囲内であることが好ましい。
すなわち、例えばトナーの構造が樹脂中に感光・感熱カプセル分散構造の場合には、トナーの体積平均粒径は15〜40μm(好適には15〜20μm)の範囲内が好ましい。また、このような粒径を有する感光・感熱カプセル分散構造型のトナー中に含まれる感光・感熱カプセルの体積平均粒径は1〜5μmの範囲内であることが好ましく、1〜3μmの範囲内であることが好ましい。
前記感光・感熱カプセルの体積平均粒径は、そのままトナーにおける発色部の大きさとなる。このため、該体積平均粒径が15μm未満では、トナー中に含まれる発色成分量が少なくなるため色再現性が悪化したり、画像濃度が低下する場合がある。また、体積平均粒径が40μmを超えると、画像表面の凹凸が大きくなり、画像表面の光沢ムラが発生してしまう場合がある。
なお、その内部に複数の感光・感熱カプセルを分散させた感光・感熱カプセル分散構造型のトナーは、従来の着色剤を用いた小径トナー(体積平均粒径5〜10μm程度)と比べると粒径が大きくなる傾向にあるものの、画像の解像度は、トナーの粒径ではなく感光・感熱カプセルの粒径により決定されるため、より高精細な画像を得ることができる。加えて、粉体流動性にも優れるため、外添剤の量が少なくても十分な流動性が確保できると共に、現像性やクリーニング性も向上させることができる。
以上説明したFトナーをはじめ、光照射により(あるいは光が照射されないことにより)発色又は非発色の状態を維持するように制御されるトナーであれば、用いる構成材料、トナーの構造、発色機構等によらず用いることができる。
トナーは、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であり、且つ、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上であることが好ましい。
更に好ましくは、体積平均粒度分布指標GSDvが1.25以下であり、且つ、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.97以上であることが更に好ましい。
体積分布指標GSDvが1.30を超えた場合には、画像の解像性が低下する場合があり、また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpの比(GSDv/GSDp)が0.95未満の場合、トナーの帯電性低下やトナーの飛散、カブリ等が発生し画像欠陥を招く場合がある。
なお、トナーの体積平均粒径や、上記した体積平均粒度分布指標GSDv、及び数平均粒度分布指標GSDpの値は、次のようにして測定し算出できる。
まず、コールターカウンターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)等の測定器を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積及び数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16v、及び、数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v、及び、数平均粒子径D50pと定義する。同様に、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84v、及び、数平均粒子径D84pと定義する。この際、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、(D84v/D16v)1/2として定義され、数平均粒度指標(GSDp)は、(D84p/D16p)1/2として定義されるこれらの関係式を用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)及び数平均粒度指標(GSDp)を算出できる。
また、前記マイクロカプセルや感光・感熱カプセルの体積平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所製)を用いて測定することができる。
また、トナーは、下式(1)で表される形状係数SF1が、110〜130の範囲内であることが好ましい。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
〔但し、上記式(1)において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm)を表す。〕
形状係数SF1が110未満の場合には、画像形成の際に転写工程で、感光体表面にトナーが残留しやすくなるため、この残留トナーの除去が必要となるが、残留トナーをブレード等によりクリーニングする際のクリーニング性を損ないやすく、結果として画像欠陥を生じる場合がある。
一方、形状係数SF1が130を超える場合には、トナーを現像剤として使用する場合に、現像器内でのキャリアとの衝突によりトナーが破壊される場合がある。この際、結果として微粉が増加したり、これによってトナー表面に露出した離型剤成分により感光体表面等が汚染され帯電特性を損なうことがあるばかりでなく、微粉に起因するかぶりの発生等の問題を起こすことがある。
形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて以下のように測定した。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求めた。
<現像剤>
トナーは、そのまま一成分現像剤として用いてもよいが、キャリアとトナーとからなる二成分現像剤におけるトナーとして使用することが好ましい。
ここで、1種類の現像剤でカラー画像が形成できるという点からは、現像剤は、(1)前記光硬化性組成物と、該光硬化性組成物中に分散するマイクロカプセルとを含む発色部を2種類以上有するトナーを1種類有し、且つ、前記トナー中に含まれる2種類以上の発色部が互いに異なる色に発色可能であるタイプの現像剤、あるいは、(2)前記光硬化性組成物と、該光硬化性組成物中に分散するマイクロカプセルとを含む発色部を1つ有するトナーを2種類以上混合した状態で有し、且つ、前記2種類以上のトナーの発色部が互いに異なる色に発色可能であるタイプの現像剤であることが好ましい。
例えば、前者のタイプの現像剤では、トナー中に3種類の発色部が含まれ、且つ、3種類の発色部が、イエロー色に発色可能なイエロー発色部、マゼンタ色に発色可能なマゼンタ発色部及びシアン色に発色可能なシアン発色部からなることが好ましく、後者のタイプの現像剤では、発色部がイエロー色に発色可能なイエロー発色性トナーと、発色部がマゼンタ色に発色可能なマゼンタ発色性トナーと、発色部がシアン色に発色可能なシアン発色性トナーとが混合した状態で現像剤中に含まれることが好ましい。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、芯材表面に樹脂を被覆してなることが好ましい。キャリアの芯材としては、上記条件を満たしていれば特に規定されないが、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられるが、芯材表面性、芯材抵抗の観点から、好ましくはフェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が挙げられる。また、芯材表面を被覆する樹脂としては、マトリックス樹脂として使用できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上記二成分現像剤における、トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲が好ましく、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置では、点状感光体10における点状の感光領域73が配列されて形成されているので、静電潜像が点状の感光領域上だけに形成されると共に、トナー像Tも感光領域が設けられている部分にしか現像されない。そして、配列された隣合う点状の感光領域73の中心同士の距離Rと、トナーの体積平均粒径と、が同等とすることで、一つの点状の感光領域73上には、一個のトナーが現像されることになり、トナーが重なり合うことがなく、単層でトナー像Tが形成され、発色情報を付与する露光光が現像されたトナー全てに到達し得る。加えて、発色情報を付与する露光光がトナーの周囲に光がもれても、隣合う点状の感光領域73同士は間隔があいているので、感光領域の劣化が起こらない。このため、トナーへの発色情報発色付与を確実に行うと共に感光体劣化を防止して、長期に渡り高品質の画像が形成可能となる。
<実施例1及び比較例1>
上記実施形態の作用を確認するため、以下のような試験を行った。
(トナー)
以下のようにして、結着樹脂中に発光部(感光・感熱カプセル)が分散した前記光非発色型のFトナーを得た。
−マイクロカプセル分散液(1)の調製−
酢酸エチル16.9質量部に、イエローに発色可能な電子供与性無色染料(1)8.9部を溶解し、さらに、カプセル壁材(商品名:タケネートD−110N,武田薬品工業(株)製)20質量部とカプセル壁材(商品名:ミリオネートMR200,日本ポリウレタン工業(株)製)2質量部とを添加した。
得られた溶液を、8質量%フタル化ゼラチン42質量部と、水14質量部と、10質量%ドデシルベンゼンルスルホン酸ナトリウム溶液1.4質量部との混合液中に添加した後、温度20℃で乳化分散し、乳化液を得た。次いで、得られた乳化液に2.9%テトラエチレンペンタミン水溶液72質量部とを加え、攪拌しながら60℃に加温し、2時間経過後、電子供与性無色染料(1)を芯部に含む、平均粒径0.5μmのマイクロカプセル分散液(1)を得た。
なお、このマイクロカプセル分散液(1)に含まれるマイクロカプセルの外殻を構成する材料(上記とほぼ同様の条件でタケネートD−110N及びミリオネートMR200を反応させて得られた材料)のガラス転移温度は100℃であった。
−マイクロカプセル分散液(2)の調製−
電子供与性無色染料(1)を電子供与性無色染料(2)に変更した以外は、マイクロカプセル分散液(1)を調製する場合と同様にしてマイクロカプセル分散液(2)を得た。この分散液中のマイクロカプセルの平均粒径は0.5μmであった。
−マイクロカプセル分散液(3)の調製−
電子供与性無色染料(1)を電子供与性無色染料(3)に変更した以外は、マイクロカプセル分散液(1)を調製する場合と同様にしてマイクロカプセル分散液(3)を得た。この分散液中のマイクロカプセルの平均粒径は0.5μmであった。
なお、マイクロカプセル分散液の調製に用いた電子供与性無色染料(1)〜(3)の化学構造式を以下に示す。
Figure 2008122445
−光硬化性組成物分散液(1)の調製−
重合性基を有する電子受容性化合物(1)及び(2)の混合物100.0質量部(混合比率50:50)と熱重合禁止剤(ALI)0.1質量部とを酢酸イソプロピル(水への溶解度約4.3%)125.0質量部中で42℃にて溶解し混合溶液Iとした。
この混合溶液I中に、ヘキサアリールビイミダゾール(1)〔2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’テトラフェニルー1,2’−ビイミダゾール〕18.0質量部と、ノニオン性有機色素0.5質量部と、有機ホウ素化合物6.0質量部とを添加し42℃にて溶解し、混合溶液IIとした。
上記混合溶液IIを、8質量%ゼラチン水溶液300.1質量部と、10質量%界面活性剤(1)水溶液17.4質量部との混合溶液中に添加し、ホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転数10000回転で5分間乳化し、その後、40℃で3時間脱溶媒処理を行った後、固形分が30質量%の光硬化性組成物分散液(1)を得た。
なお、光硬化性組成物分散液(1)の調製に用いた重合性基を有する電子受容性化合物(1)、重合性基を有する電子受容性化合物(2)、熱重合禁止剤(ALI)、ヘキサアリールビイミダゾール(1)、界面活性剤(1)、ノニオン性有機色素、及び、有機ホウ素化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2008122445
Figure 2008122445
−光硬化性組成物分散液(2)の調製−
下記有機ボレート化合物(I)0.6質量部と、下記に示した分光増感色素系ボレート化合物(I)0.1質量部と、高感度化を目的とした下記助剤(1)0.1質量部と、酢酸イソプロピル(水への溶解度約4.3%)3質量部と、の混合溶液中に、重合性基を有する下記電子受容性化合物(3)5質量部を添加した。
Figure 2008122445
得られた溶液を、13質量%ゼラチン水溶液13質量部と、下記2質量%界面活性剤(2)水溶液0.8質量部と、下記2質量%界面活性剤(3)水溶液0.8質量部と、の混合溶液中に添加し、ホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて回転数10000回転で5分間乳化し、光硬化性組成物分散液(2)を得た。
なお、光硬化性組成物分散液(2)の調製に用いた重合性基を有する電子受容性化合物(3)、助剤(1)、界面活性剤(2)及び界面活性剤(3)の構造式を以下に示す。
Figure 2008122445
Figure 2008122445
−光硬化性組成物分散液(3)の調製−
分光増感色素系ボレート化合物(I)に代えて、前記に示した分光増感色素系ボレート化合物(II)0.1質量部を用いた以外は、光硬化性組成物分散液(2)を調製する場合と同様にして光硬化性組成物分散液(3)を得た。
−樹脂粒子分散液の調製−
・スチレン:460質量部
・nブチルアクリレート:140質量部
・アクリル酸:12質量部
・ドデカンチオール:9質量部
以上の成分を混合溶解して溶液を調製した。続いて、アニオン性界面活性剤(ローディア社製、ダウファックス)12質量部をイオン交換水250質量部に溶解したものに、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化した乳化液(単量体乳化液A)を調製した。
また、アニオン性界面活性剤(ローディア社製、ダウファックス)1部を555質量部のイオン交換水に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しながら、ゆっくりと攪拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウオーターバスで加熱し、保持した。
次に、過硫酸アンモニウム9部をイオン交換水43質量部に溶解した溶液を、重合用フラスコ中に定量ポンプを介して、20分かけて滴下した後、単量体乳化液Aをやはり定量ポンプを介して200分かけて滴下した。
その後、ゆっくりと攪拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3時間保持して重合を終了した。
これにより粒子のメジアン径が210nm、ガラス転移点が51.5℃、重量平均分子量が31000、固形分量が42質量%の樹脂粒子分散液を得た。
−感光・感熱カプセル分散液(1)の調製−
・マイクロカプセル分散液(1):150質量部
・光硬化性組成物分散液(1):300質量部
・ポリ塩化アルミニウム:0.20質量部
・イオン交換水:300質量部
以上の成分を混合した原料溶液に硝酸を加えてpHを3.5に調整し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、フラスコに移し加熱用オイルバスでスリーワンモーターで攪拌しながら40℃まで加熱し、40℃で60分間保持した後、さらに樹脂粒子分散液を300質量部追加して60℃にて2時間緩やかに攪拌した。これにより感光・感熱カプセル分散液(1)を得た。
なお、この分散液中に分散する感光・感熱カプセルの体積平均粒径は3.53μmであった。また、この分散液の調製時に、分散液の自発的な発色は確認されなかった。
−感光・感熱カプセル分散液(2)の調製−
・マイクロカプセル分散液(2):150質量部
・光硬化性組成物分散液(2):300質量部
・ポリ塩化アルミニウム:0.20質量部
・イオン交換水:300質量部
原料溶液として以上の成分を用いた以外は、感光・感熱カプセル分散液(1)を調製する場合と同様にして感光・感熱カプセル分散液(2)を得た。
なお、この分散液中に分散する感光・感熱カプセルの体積平均粒径は3.52μmであった。また、この分散液の調製時に、分散液の自発的な発色は確認されなかった。
−感光・感熱カプセル分散液(3)の調製−
・マイクロカプセル分散液(3):150質量部
・光硬化性組成物分散液(3):300質量部
・ポリ塩化アルミニウム:0.20質量部
・イオン交換水:300質量部
原料溶液として以上の成分を用いた以外は、感光・感熱カプセル分散液(1)を調製する場合と同様にして感光・感熱カプセル分散液(3)を得た。
なお、この分散液中に分散する感光・感熱カプセルの体積平均粒径は3.47μmであった。また、この分散液の調製時に、分散液の自発的な発色は確認されなかった。
−トナーの作製−
・感光・感熱カプセル分散液(1):750質量部
・感光・感熱カプセル分散液(2):750質量部
・感光・感熱カプセル分散液(3):750質量部
以上の成分を混合した溶液をフラスコに移し、フラスコ内を攪拌しながら加熱用オイルバス42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、さらに樹脂粒子分散液を100質量部追加して緩やかに攪拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液でフラスコ内のpHを5.0に調整した後、攪拌を継続しながら55℃まで加熱した。55℃までの昇温の間、通常の場合、フラスコ内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが4.5以下とならないようにし、この状態にて55℃で3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、5リットルビーカー中で40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分間、300rpmで攪拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、凍結真空乾燥を12時間行い、スチレン系樹脂中に感光・感熱カプセルが分散したトナー粒子を得た。このトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、体積平均粒径D50vは20μmであった。
続いて、上記トナー粒子50質量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.0質量部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。
(現像剤)
キャリアとして、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体(共重合比30:70、数平均分子量:23000、重量平均分子量:98000、Tg:78℃)30質量%と、粒状マグネタイト(最大磁化:80emu/g、平均粒径:0.5μm)70質量%とを混練、粉砕、分級して、体積平均粒径が100μmとしたものを用い、前記トナーとトナー濃度が5質量%となるように秤量し、ボールミルで5分間混合して現像剤を得た。
(画像記録)
図1に示すような画像記録装置を用意した。帯電装置12にはスコロトロンを用いた。
点状感光体10は、次のように作製した図4と同様な構成の感光体を用いた。まず、φ60×340mmのアルミニウム円筒を基体とし、タイプ8ナイロン(ラッカマイド、大日本インキ製)からなる1μm厚の下引き層を設けた。一方、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が、7.5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に回折ピークを有する結晶型に代表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン15部をCGMとし、結着樹脂である塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10部と酢酸n−ブチル溶剤300部からなる溶液に混入し、サンドミルにて4時間分散して塗液とした。
電荷発生層(CGL)の塗布は、セイコー電子工業 IP−4000 A0プリンターを、紙の位置に上記基体を回転可能に設置できるよう改造して使用した。記録ヘッドは油性顔料インク対応のピエゾ方式であり、インクカートリッジのインクを上記塗液に交換した。塗布工程はパソコンから制御し、吐出間隔を20μmとし、一点あたりの吐出量が約100plになるよう制御して塗布した。塗布後は80℃で5分間乾燥した。これにより、一点の直径が約10μm、点内の平均膜厚が約0.1μm、隣合う点同士の間隔が20μmの点状の電荷発生層を格子状に配列して形成した。即ち、点状の感光領域の直径が約10μmであり、隣合う点状の感光領域の中心同士の距離は約10μmであった。
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−(m−トリル)ベンジジン7重量部とポリカーボネートZ(三菱ガス化学製、粘度平均分子量5万)10重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解して電荷輸送剤塗液を作製し、これを電荷発生層上に浸漬塗布し、130℃で20分間乾燥して膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、点状感光体10を作製した。
露光装置14としては、スポット径60μmで露光できる波長780nm、露光量0.4mJ/mのLEDイメージバーを用いた。現像装置16は、二成分磁気ブラシ現像用の金属スリーブを備え、反転現像を行うことが可能なものであり、前記現像剤を装填した。
発色情報付与装置30は、ピーク波長405nm(露光量:0.1mJ/cm)、532nm(露光量:0.1mJ/cm)、657nm(露光量:0.2mJ/cm)の光を照射可能なLEDイメージバーを、現像位置から感光体面上で3mm離れた位置に設けた。このスポット径は露光装置と同じ60μmとし、点状感光体10における点状の感光領域73に対して、3×3の9点ずつ発色情報用露光スポット81が照射される(図7参照)。階調を有する画像に対しては、画像露光では階調を付けず、発色情報付与時に1ドットの時間内を8分割した時間幅変調を採用し、発色濃度を制御した。
転写装置20は、導電性芯材の外周に導電性弾性体を被覆してなる半導電性ロールを転写ロールとして用いた。導電性弾性体は、NBRとEPDMを混合してなる非相溶性の混合体に、ケッチェンブラックとサーマルブラックからなる2種類のカーボンブラックを分散させてなり、ロール抵抗が108.5Ωcm、アスカーC硬度が35度のものである。
定着装置22は、富士ゼロックス社製DPC1616に使用されている定着器を使用し、発色情報付与の位置から30cm下流の位置に配置した。また、光照射装置32としては、前記発色情報付与装置の三波長を含む高輝度シャーカステンを用い、照射幅を5mmとした。
以上の構成の画像記録装置により印字条件を下記のように設定した。
・感光体線速:10mm/秒。
・帯電条件:スコロトロンのスクリーンに−400V、ワイヤーには直流−6kVを印加。帯電後の点状感光体の平均表面電位は−400Vとなった。
・画像露光:Y、M、C、Kの画像情報の論理和で露光し、露光後の平均表面電位が約−50Vになるようにした。露光装置のスポット径が60μmであるので、点状感光体10における点状の感光領域73に対して、3×3の9点ずつ画像情報用露光スポット80が照射される(図7参照)。
・現像バイアス:直流−330Vに交流Vpp1.2kV(3kHz)の矩形波を重畳。
・現像剤接触条件:周速比(現像ロール/感光体)2.0、現像ギャップ0.5mmとし、現像ロール上の現像剤重量は400g/mとした。この時、トナー帯電量は、−5〜−30μC/g程度であった。
・転写バイアス:転写ロールに直流+800V印加。
・定着温度:定着ロール表面温度を180℃に設定。
・光照射装置照度:130000lux。
以上の条件により、Y、M、C、R、G、B、Kの各色について印刷を行った。点状感光体の一点にはトナーが一個(一層)ずつ現像され、そのトナーへの発色情報付与は、下記表1に示す組み合わせで行った(○印をつけたLEDが発光すると所望の色にトナーが発色することを示す)。
Figure 2008122445
(画像評価)
上記条件で得られた画像サンプルについて、以下の評価を行った。
−発色濃度−
Y、M、Cの各色について、べた画像部分の画像濃度を濃度測定器X−Rite938(X−Rite社製)で調べたところ、いずれの色においても画像濃度が1.5以上と十分な発色が確認された。
−色再現性−
R、G、B、Y、M、Cの各色について、5%から100%の5%刻みの階調チャートにより色再現性を調べたが、いずれの色においても色バランスがよく、色再現性に優れていた。
−点状感光体耐久性−
引き続いて、この画像形成を2000回繰り返して感光体の耐久性について調べたところ、初期と同等の画質の画像が得られ、感光体の帯電特性を調べても、帯電後の電位、画像露光後の電位とも変化がなく、感光領域の劣化が生じていなかった。
(比較例1)
点状感光体10を使用せず、次のように作製した通常の積層型感光体を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例1で使用した点状感光体と同様な材料を用いて、基体上に下引き層を形成した後、その上に電荷発生層を浸漬塗布法にて形成した。そして、電荷発生層上に電荷輸送層を塗布して、積層型感光体を作製した。
その結果、現像後の感光体には、露光の1スポットあたりトナーが2〜3層、不均一な厚さに付着していた(図9参照)。その結果、形成された画像の濃度は1.2程度で、色再現性も実用上においては問題ない程度であるが、実施例1に比べ、やや劣っていた。また、感光体耐久性については、画像形成2000回後には、感光体の帯電後の電位が−360V、画像露光後の電位が−120Vになっており、帯電性、感度とも低下していた。これにより、画像においても、現像後のトナー像に、トナーが抜けている欠損部分が生じており、やや荒れた画質となった。
<実施例2>
点状感光体10として、次のように作製した図5と同様な構成の感光体を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行ったところ、実施例1と同様な結果が得られた。
まず、実施例1で使用した点状感光体と同様な材料を用いて、基体上に下引き層を形成した後、その上に電荷発生層を浸漬塗布法にて形成した。そして、電荷発生層上に電荷輸送層を塗布して、積層型感光体を作製した。
次に、カーボンブラック(キャボット社製XC72)1重量部を、ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン200)10重量部をブタノン100重量部に溶解したバインダー溶液中にサンドミルにて分散した。さらにイソプロパノール100重量部を加えて遮光層塗液とした。
遮光層塗布の前に、点状の離型層を電荷輸送層上に格子状に形成する。それには、実施例1と同じくインクジェットプリンターを用い、インクカートリッジのインクを離型剤(信越化学製KS707)に交換した。離型剤の塗布は、吐出間隔を20μmとし、一点あたりの吐出量が約10plになるよう制御して行い、一点の直径が約10μm、点内の平均膜厚が約0.01μm、点同士の間隔が20μmの点状の離型層を形成した。
次いで、上記遮光層塗液に浸漬して引き上げたところ、点状の離型層が存在する部分は遮光層塗液がはじいて穴があき、それ以外の部分には遮光層塗液が付着した状態となっていた。これを100℃10分間で乾燥し、開口が格子状に配列されて設けられた遮光層を形成し、点状感光体を得た。
遮光層の厚さは約2μmで、開口の直径は10μm、その中心同士の間隔は20μmであった。即ち、点状の感光領域の直径が約10μmであり、隣合う点状の感光領域の中心同士の距離は約20μmであった。なお、遮光層の光透過率は5%であり、この下側の電荷輸送層が感光することはない。
以上、実施例では、比較例に比べ、トナーへの発色情報発色付与を確実に行うと共に、感光体劣化を防止して、長期に渡り高品質の画像が形成できることがわかる。
実施形態に係る画像記録装置の一例を示す概略構成図である。 印字制御部の回路ブロック図である。 トナーの発色機構を説明するための模式図であり、(A)は発色部、(B)はその部分拡大図である。 実施形態に係る感光体を示す一部拡大図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 実施形態に係る他の感光体を示す一部拡大断面図である。 実施形態に係る他の感光体を示す一部拡大断面図である。 実施形態に係る現像後の感光体を示す一部拡大図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。 従来の画像記録装置の一例を示す概略構成図である。 従来の現像後の感光体の概略断面図である。
符号の説明
10 感光体(点状感光体)
12 帯電装置
14 露光装置
16 現像装置
18 電荷除去装置
20 転写装置
22 定着装置
24 クリーナ
26 記録媒体
30 発色情報付与装置
32 光照射装置
40 論理和回路
42 発振回路
44Y イエロー発色制御回路
44M マゼンタ発色制御回路
44C シアン発色制御回路
44K ブラック発色制御回路
50 マイクロカプセル
54 顕色剤モノマー
56 光重合開始剤
58 組成物
60 発色部
62 光書込ヘッド
64 発色情報付与露光ヘッド
70 基体
71 電荷発生層
72 電荷輸送層
73 点状の感光領域
74 開口
75 遮光層
76 保持層
77 単層型感光層
80 画像情報用露光スポット
81 発色情報用露光スポット

Claims (2)

  1. 点状の感光領域が配列された感光体と、
    前記感光体表面を帯電する帯電手段と、
    前記該感光体表面に露光により静電潜像を形成する露光手段と、
    トナーを含む現像剤により該静電潜像にトナー像を現像する現像手段と、
    前記トナー像に光を照射して発色情報を付与する発色情報付与手段と、
    前記発色情報が付与されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、
    前記発色情報が付与されたトナー像を発色させる発色手段と、
    を有し、
    且つ前記感光体に配列された隣合う前記点状の感光領域の中心同士の距離と、前記トナーの体積平均粒径と、が同等であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナーが、互いに隔離された状態で存在し、互いに反応した際に発色する第1成分及び第2成分と、該第1成分及び第2成分のいずれかを含む光硬化性組成物と、を有し、光による発色情報の付与により前記光硬化性組成物が硬化又は未硬化の状態を維持して、前記発色のための反応が制御されるトナーであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
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