JP2008122256A - ナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法 - Google Patents

Abstract

【課題】出発地から目的地に至る推奨経路として特定の商店、店舗の位置（特定地点）や特定の商店街が所在する道路（特定経路）を案内できるようにする。
【解決手段】ナビゲーションシステム１０は、特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベース３６または特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベース３７を備え、経路探索サーバ３０に登録されていない一般ユーザの端末装置２０から経路探索条件が送信された場合、探索モード選択手段３２は無償の経路探索モードを選択し、経路探索手段３９は、経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路を探索するとともに、特定地点データベース３６または特定経路データベース３７を参照し、最適経路から所定の範囲内にある特定地点または特定経路を抽出し、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を端末装置２０に配信する。
【選択図】図２

Description

本発明は、所望の出発地から目的地までの推奨経路を探索して案内するナビゲーションシステムに関するものであり、特に、端末装置を用いる利用者に、無償で推奨経路の案内を行うナビゲーションシステムにおいて、商店あるいは商店街をスポンサーとし、端末装置が指定した出発地から目的地までの推奨経路を探索する際、スポンサーである商店や商店街を経由する経路が所定の移動時間圏内にある場合に、該経路を推奨経路として案内するようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法に関するものである。

従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。

特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路（乗車候補列車）を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。

一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献１（特開２００１−１６５６８１号公報）に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の１つとして経路探索する。

情報配信サーバは、地図データの道路（経路）をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報（距離や所要時間）をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献１には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。

交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ（乗り換え）を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段（個々の電車や路線バス）を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路（出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段）の候補を１つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。

また、交通機関に関する検索、案内を行うシステムとして、携帯電話などの端末装置から交通機関の路線情報や時刻表情報を案内する情報配信サーバに接続して所望の出発駅、出発時刻、目的駅などを指定して、乗車可能な路線や列車、電車などの交通手段の情報配信を受け、端末装置に表示することができる案内システムも提供されている。一般に端末装置からこのような利用を行う場合には、ダウンロードしたい情報の存在する場所を特定するためのＵＲＬ（Uniform Resource Locator）やドメイン名などのアドレス情報を端末装置に入力して当該アドレスにより特定される情報配信サーバ（情報サイト）にアクセスして所望の情報をダウンロードする構成がとられている。

交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける経路探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。

従って端末装置に配信される案内経路データには、利用者が指定した経路探索条件である出発地から目的地までの路線経路や乗車を案内するバス、電車、列車およびその時刻が含まれ、運行時刻表や駅に掲示されるいわゆる駅貼り時刻表などがそのまま、あるいは、必要部分が画面表示できる表示データなどの形式に加工されて端末装置に配信される。端末装置では案内経路のデータや運行時刻表、あるいは、駅貼り時刻表を表示して経路や乗車すべき交通手段を確認することができる。

ナビゲーションシステムにおいて、特定の経路が含まれる案内経路を探索することも行われている。例えば、過去に経路探索した出発地、目的地と探索した案内経路を関連付けて登録しておき、登録されている出発地や目的地と同じあるいは近接した地点が経路探索条件として指定された場合に登録されている案内経路が探索され易いようにしたナビゲーションシステムも知られている。このようにすれば、利用者が登録した経路が探索される確率が高くなり、利用者の好みに応じた経路案内ができるようになる。

例えば、下記の特許文献２（国際公開ＷＯ２００３／０４０８６４号パンフレット）に「車両用ナビゲーション装置およびプログラム」の発明が開示されている。このナビゲーション装置は、登録されている経路情報を読み出して該経路の重み付けをして経路を探索する経路探索手段を備え、過去に経路探索した出発地、目的地と探索した案内経路を関連付けて登録しておき、登録されている出発地や目的地と同じあるいは近接した地点が経路探索条件として指定された場合に、登録されている案内経路が探索され易いように構成したものである。

特開２００１−１６５６８１号公報（図１、図２） 国際公開ＷＯ２００３／０４０８６４号パンフレット（図１、図２）

一般にナビゲーションシステムは有償で会員に対して提供される場合が多い。しかしながら最近では、インターネットを介してサイト運営し、地図検索や交通路線検索などのサービスを無償で提供するシステムも多く存在している。ナビゲーションシステムにおいて、一般のユーザに無償で経路案内を提供することも考えられるが、この場合、サイトを運営するサービス提供者にとって何らかのメリットが得られることが好ましい。

そこで、一般のユーザから所望の出発地と目的地を条件とした無償の経路探索要求があった場合に、該出発地から目的地に至る推奨経路として特定の商店、店舗の位置（特定地点）や特定の商店街が所在する道路（特定経路）を案内できると、商店や商店街の集客力を増すことが可能になる。しかしながら、上記特許文献２に開示されたナビゲーション装置においては、過去に探索した経路を登録しておき、この経路が優先的に推奨経路として探索される。このため、経路探索（ナビゲーション）のサービスを提供する側が意図した特定地点や特定経路を推奨経路が含むような経路探索を行うことができないという問題点があった。

本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、端末装置を用いる利用者に、無償で推奨経路の案内を行うナビゲーションシステムにおいて、商店あるいは商店街をスポンサーとし、端末装置が指定した出発地から目的地までの推奨経路を探索する際、スポンサーである商店や商店街を経由する経路が所定の移動時間圏内にある場合に、該経路を推奨経路として案内するようになせば上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。

すなわち、本発明と前記の問題点を解消することを課題とし、一般のユーザから所望の出発地と目的地を条件とした無償の経路探索要求があった場合に、該出発地から目的地に至る推奨経路として特定の商店、店舗の位置（特定地点）や特定の商店街が所在する道路（特定経路）を案内できるナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび経路探索方法を提供することを目的とする。

前記課題を解決するために、本願の請求項１にかかる発明は、
経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路を表示する端末装置と、経路探索条件に従った経路を探索し、前記端末装置に配信する経路探索サーバと、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムは、経路探索のためのネットワークデータを蓄積した経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索手段と、特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベースまたは特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベースと、探索モード選択手段と、を備え、
前記経路探索サーバに登録されていない一般ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は無償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路を探索するとともに、前記特定地点データベースまたは特定経路データベースを参照し、前記最適経路から所定の範囲内にある特定地点または特定経路を抽出し、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信することを特徴とするナビゲーションシステム。

本願の請求項２にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記経路探索サーバに登録されている会員ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は有償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路または候補経路を探索し、前記端末装置に配信することを特徴とする。

本願の請求項３にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記経路探索サーバは更に、特典付与手段を備え、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信する際に、前記特典付与手段は特典付与データを前記端末装置に配信することを特徴とする。

本願の請求項４にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、
前記経路探索サーバは、前記特定地点データベースに特定の商店の所在を特定地点として蓄積しまたは特定経路データベースに特定の商店街を通過する経路を特定経路として蓄積する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うことを特徴とする。

また、本願の請求項５にかかる発明は、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、前記経路探索サーバは、前記特定地点または特定経路を含む推奨経路を前記端末装置に送信する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うことを特徴とする。

また、本願の請求項６にかかる発明は、
経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路を表示する端末装置にネットワークを介して接続され、経路探索条件に従った経路を探索し、前記端末装置に配信する経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、経路探索のためのネットワークデータを蓄積した経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索手段と、特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベースまたは特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベースと、探索モード選択手段と、を備え、
前記経路探索サーバに登録されていない一般ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は無償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路を探索するとともに、前記特定地点データベースまたは特定経路データベースを参照し、前記最適経路から所定の範囲内にある特定地点または特定経路を抽出し、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信することを特徴とする。

本願の請求項７にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバに登録されている会員ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は有償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路または候補経路を探索し、前記端末装置に配信することを特徴とする。

本願の請求項８にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは更に、特典付与手段を備え、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信する際に、前記特典付与手段は特典付与データを前記端末装置に配信することを特徴とする。

本願の請求項９にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記特定地点データベースに特定の商店の所在を特定地点として蓄積しまたは特定経路データベースに特定の商店街を通過する経路を特定経路として蓄積する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うことを特徴とする。

本願の請求項１０にかかる発明は、請求項６にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記特定地点または特定経路を含む推奨経路を前記端末装置に送信する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うことを特徴とする。

また、本願の請求項１１にかかる発明は、
経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路を表示する端末装置と、経路探索条件に従った経路を探索し、前記端末装置に配信する経路探索サーバと、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法において、
前記ナビゲーションシステムは、経路探索のためのネットワークデータを蓄積した経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索手段と、特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベースまたは特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベースと、探索モード選択手段と、を備え、
前記経路探索サーバに登録されていない一般ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段が無償の経路探索モードを選択するステップと、前記経路探索手段が、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路を探索するとともに、前記特定地点データベースまたは特定経路データベースを参照し、前記最適経路から所定の範囲内にある特定地点または特定経路を抽出し、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信するステップを有することを特徴とする。

本願の請求項１２にかかる発明は、請求項１１にかかる経路探索方法において、
前記経路探索サーバに登録されている会員ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段が有償の経路探索モードを選択するステップと、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路または候補経路を探索し、前記端末装置に配信するステップとを有することを特徴とする。

本願の請求項１３にかかる発明は、請求項１１にかかる経路探索方法において、
前記経路探索サーバは更に、特典付与手段を備え、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信する際に、前記特典付与手段は特典付与データを前記端末装置に配信するステップを有することを特徴とする。

本願の請求項１４にかかる発明は、請求項１１にかかる経路探索方法において、
前記経路探索サーバは、前記特定地点データベースに特定の商店の所在を特定地点として蓄積しまたは特定経路データベースに特定の商店街を通過する経路を特定経路として蓄積する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うステップを有することを特徴とする。

本願の請求項１５にかかる発明は、請求項１１にかかる経路探索方法において、
前記経路探索サーバは、前記特定地点または特定経路を含む推奨経路を前記端末装置に送信する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うステップを有することを特徴とする。

請求項１にかかる発明においては、ナビゲーションシステムは、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索手段と、特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベースまたは特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベースと、探索モード選択手段と、を備えている。そして、経路探索サーバに登録されていない一般ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、探索モード選択手段は無償の経路探索モードを選択し、経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路を探索するとともに、特定地点データベースまたは特定経路データベースを参照し、最適経路から所定の範囲内にある特定地点または特定経路を抽出し、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として端末装置に配信する。

このような構成によれば、一般のユーザの端末装置に対して、無償で経路探索サービスを提供するにあたり、前述のように特定地点や特定経路を含む推奨経路を案内として提供するから、特定地点あるいは特定経路を通行する人が増えることが期待できる。すなわち、特定の商店や特定の商店街の集客能力を増やすことができ、商店や商店街の活性化を図ることができるようになる。

請求項２にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索サーバに登録されている会員ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は有償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路または候補経路を探索し、前記端末装置に配信する。

このような構成によれば、会員であるユーザの端末装置から経路探索要求が送信された場合に、通常の経路探索を行い、最適経路または候補経路を探索して端末装置に案内することができるようになる。

請求項３にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索サーバは更に、特典付与手段を備え、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信する際に、前記特典付与手段は特典付与データを前記端末装置に配信する。

このような構成によれば、推奨経路を案内した利用者に特典を付与することにより、利用者は推奨経路を通行する際に、特定地点や特定経路に該当する商店や商店街において割引きで商品を購入することができ、更に、商店や商店街の活性化を図ることができるようになる。

請求項４にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索サーバは、前記特定地点データベースに特定の商店の所在を特定地点として蓄積しまたは特定経路データベースに特定の商店街を通過する経路を特定経路として蓄積する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行う。

また、請求項５にかかる発明においては、請求項１にかかるナビゲーションシステムにおいて、経路探索サーバは、前記特定地点または特定経路を含む推奨経路を前記端末装置に送信する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行う。

このような構成によれば、経路探索サーバの運営事業者は、特定地点データベースや特定経路データベースに登録した商店や商店街の運営体に対して課金し、また、推奨経路を案内する都度、課金することもでき、経路探索サーバの運営事業者にとって一般ユーザへの無償のナビゲーションサービスの提供が可能となる。

また、請求項６ないし請求項１０にかかる発明においては、それぞれ請求項１ないし請求項５にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができ、請求項１１ないし請求項１５にかかる発明においては、それぞれ請求項１ないし請求項５にかかるナビゲーションシステムにおける経路探索方法を提供することができるようになる。

以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。

図１は、本発明にかかるナビゲーションシステム１０の構成を示すシステム構成図である。図１に示すようにナビゲーションシステム１０は、ネットワーク１２を介して接続される端末装置２０と経路探索サーバ３０を備えて構成されている。このナビゲーションシステム１０は、各種カテゴリに属するＰＯＩの所在地やサービス内容などの詳細情報を提供するＰＯＩ情報配信サーバ５０、音楽や各種画像などのコンテンツその他の情報を提供する各種の情報配信サーバ５１などを備えて構成されている。

経路探索サーバ３０はＰＯＩ情報配信サーバ５０や他の情報配信サーバ５１からネットワーク１２を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてＰＯＩ情報配信サーバ５０や他の情報配信サーバ５１に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。

本発明にかかるナビゲーションシステム１０は、上記の構成に限られるものではなく、経路探索サーバ３０はナビゲーションサービス機能とともにＰＯＩ所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。また、端末装置２０も携帯電話を用いることができ、またＰＤＡや音楽プレイヤーなどの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）であってもよい。

本実施例における経路探索サーバ３０は、ナビゲーションサービスの登録会員に対する通常の経路探索、案内のサービス（有償サービス）を提供すると同時に、一般の端末装置ユーザに対して無償で経路探索、案内のサービスを提供する。本発明においては、無償のサービス要求に対して、所定の条件（最適経路に比較して徒歩距離が一定の範囲内にある場合）、特定の商店が所在する地点（特定地点）を通る経路や、特定の商店街を構成する道路（特定経路）を推奨経路として探索して案内する。

図１に示す経路探索サーバ３０は、地図データベース３４、経路探索用ネットワークデータベース３５を備え、端末装置２０から経路探索要求があると、探索用ネットワークデータベース３５を参照して経路探索する。そして経路探索の結果により得た案内経路（推奨経路）を端末装置２０に送信する一般的なナビゲーション機能を有している。また、端末装置２０から所望の地点やＰＯＩを指定して地図データの取得要求があると、地図データベース３４を参照して該当する地図データを読み出して端末装置２０に配信する。

本発明の実施例にかかる経路探索サーバ３０は、特定の商店あるいは特定商店街を会員として、会員である特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベース３６と、会員である特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベース３７と、を備えている。サービスの態様によっては、特定地点データベース３６、特定経路データベース３７の何れか一方のデータベースのみを有する構成にすることもできる。

経路探索サーバ３０に登録された会員であるユーザの端末装置２０から出発地と目的地を指定して経路探索要求があった場合、経路探索サーバ３０は、地図データベース３４を参照して通常の経路探索、すなわち、出発地から目的地までの経路コストが最少になる最適経路または、経路コストが小さい順に、いくつかの候補経路を探索して端末装置２０に送信する。

一方、経路探索サーバ３０に会員として登録されていない一般のユーザの端末装置２０から出発地と目的地を指定して経路探索要求があった場合、前述と同様に通常の経路探索を行うとともに、特定地点データベース３６、特定経路データベース３７を参照して、出発地から目的地に至る経路周辺の所定の範囲内に、特定地点、あるいは、特定経路が存在する場合、該特定地点あるいは特定経路を含む経路を推奨経路とし、端末装置２０にこの推奨経路を送信する。

本発明においては、一般のユーザの端末装置２０に対して、無償で経路探索サービスを提供するにあたり、前述のように特定地点や特定経路を含む推奨経路を案内として提供するから、特定地点あるいは特定経路を通行する人が増えることが期待できる。すなわち、特定の商店や特定の商店街の集客能力を増やすことができ、商店や商店街の活性化を図ることができるようになる。

以下、具体例に基づいて説明するが、その前に本発明にかかるナビゲーションシステム１０の詳細な構成を説明する。図２は、図１のナビゲーションシステム１０の詳細な構成を示す図である。端末装置２０は、ナビゲーションサービスを受けることができる端末であり、制御手段２０１、通信手段２１、ＧＰＳ受信手段２２、探索要求手段２３、条件設定手段２４、案内データ記憶手段２５、表示手段２６、操作入力手段２７を備えて構成される。

一方、経路探索サーバ３０は、制御手段３０１、通信手段３１、探索モード選択手段３２、特典付与手段３３、地図データベース３４、経路探索用ネットワークデータベース３５、特定地点データベース３６、特定経路データベース３７、探索要求記憶手段３８、経路探索手段３９を備えて構成される。

端末装置２０において、制御手段２０１は、図示してはいないがＲＡＭ、ＲＯＭ、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ＲＯＭに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段２１はネットワーク１２を介して経路探索サーバ３０などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。

ＧＰＳ受信手段２２はＧＰＳ衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で算出する。操作入力手段２７は、キー、ダイヤル等からなり、端末装置２０を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地などの入力機能としても用いられる。表示手段２６は液晶表示パネル等からなり、経路探索サーバ３０から配信（送信）された案内経路や推奨経路あるいは地図の表示に使用されるものである。また、表示手段２６はメニュー画面を表示し端末装置２０を操作するための入力手段としても機能する。

経路探索サーバ３０から端末装置２０に送信される案内経路、推奨経路などの案内データは地図データとともに案内データ記憶手段２５に記憶され、案内データ記憶手段２５に記憶された案内経路などの案内データや地図データは、必要に応じて読み出され、表示手段２６に表示される。

図３は、経路探索条件入力画面の一例を示す図である。探索要求手段２３は、操作入力手段２７により入力された条件や操作に基づいて経路探索要求を経路探索サーバ３０に送信する。経路探索サーバ３０に経路探索要求する場合には、一般的な端末装置２０と同様に、図３に示すように表示手段２６に表示されたメニューから、あるいは、操作入力手段から所望の出発地、目的地を設定して経路探索サーバ３０に送信する。端末装置２０が登録された会員の端末装置２０である場合は、経路探索サーバに登録さているユーザＩＤが経路探索要求に付加される。

経路探索サーバ３０は、端末装置２０から経路探索要求があると、これを探索要求記憶手段３８に一時記憶する。ユーザＩＤが経路探索要求に付加されている場合は、登録会員による有償のナビゲーションサービス要求として認識し、探索モード選択手段３２は会員用の通常の経路探索モードを選択する。そして経路探索手段３９は探索要求記憶手段３８に記憶した経路探索要求に従って、経路探索用ネットワークデータベース３５を参照して出発地から目的地までの最適経路あるいは候補経路を探索し、経路探索の結果得られた案内経路のデータを地図データベース３４から読み出した地図データとともに端末装置２０に送信する。この経路探索の方法は通常のナビゲーションシステムにおける経路探索サーバと同様の方法である。

一方、端末装置２０からの経路探索要求にユーザＩＤが付加されていない場合は、登録会員でない一般ユーザからのナビゲーションサービス要求として認識し、探索モード選択手段３２は一般ユーザ用の経路探索モードを選択する。一般ユーザ用の経路探索モードの場合、経路探索手段３９は、会員用の通常の経路探索を行うとともに、特定地点データベース３６、特定経路データベース３７を参照して、出発地から目的地に至る経路周辺の所定の範囲内に、特定地点、あるいは、特定経路が存在する場合、該特定地点あるいは特定経路を含む経路を推奨経路とし、端末装置２０にこの推奨経路を送信する。

次に、特定地点や特定経路を含む推奨経路の探索の概念について説明するが、その前に通常の経路探索の方法、経路探索用のネットワークデータについて説明する。経路探索用ネットワークデータベース３５には徒歩や自動車による移動経路を探索するための道路ネットワークデータと公共交通機関を利用した移動経路を探索するための交通ネットワークデータが蓄積されている。

道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図４に示すように道路Ａ、Ｂ、Ｃからなる場合、道路Ａ、Ｂ、Ｃの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ（ノードの緯度・経度）、リンクデータ（リンク番号）と各リンクのリンクコスト（リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間）をデータとしたリンクコストデータとで構成される。

すなわち、図４において、Ｎｎ（○印）、Ｎｍ（◎印）がノードを示し、Ｎｍ（◎印）は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線（実線、点線、２点鎖線）で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図４では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。

このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図４において出発地をノードＡＸ、目的地をノードＣＹとして経路探索を行う場合、ノードＡＸから道路Ａを走行して２つ目の交差点で右折して道路Ｃに入りノードＣＹにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。

図４ではノードＡＸからノードＣＹに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードＡＸからノードＣＹに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。

これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図５に示すように交通路線Ａ、Ｂ、Ｃからなる場合、各交通路線Ａ、Ｂ、Ｃに設けられた各駅（航空機の路線においては各空港）をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ（緯度・経度）、リンクデータ（リンク番号）をネットワークデータとしている。図５において、Ｎｎ（○印）、Ｎｍ（◎印）がノードを示し、Ｎｍ（◎印）は交通路線の乗り継ぎ点（乗換え駅など）を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線（実線、点線、２点鎖線）で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図５では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。

しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図５に示すように交通路線を運行する列車や航空機（以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する）が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており（時刻表データ、運行データで規定される）、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。

図５に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Ａの同じリンクに複数の交通手段（経路）Ａａ〜Ａｃ・・・、交通路線Ｃに複数の交通手段（経路）Ｃａ〜Ｃｃ・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段（個々の航空機や列車などの経路）の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。

このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用（乗車）できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。

例えば、図５において、出発地を交通路線ＡのノードＡＸとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線ＣのノードＣＹを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線Ａ上を運行する交通手段Ａａ〜Ａｃ・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Ｃへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線Ｃ上を運行する各交通手段Ｃａ〜Ｃｃ・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。

このようなネットワークデータを利用して経路探索サーバ３０は経路探索条件に従って、出発地から目的地までの最適経路を探索し、その結果を案内経路データとして端末装置２０に送信する。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には目的地への到着時刻が、また、目的地への到着時刻が指定されている場合には、目的地に指定時刻に到着するための出発地の出発時刻が案内経路データに含まれ、端末装置２０はこれらを表示手段２６に経路の詳細とともに表示することができる。案内経路に乗換え駅が含まれる場合には、当該乗換え駅で乗り換えるべき電車やその出発時刻も同様にして表示することが
できる。

図６は、このような経路探索のためのネットワークデータを用いて会員用の通常の経路探索を行った場合案内経路の一例を示す図である。図６に示すように出発地ＳＴから目的地ＧＬまでの経路コストが最少になる最適経路が探索される。複数の候補経路の探索が要求された場合には、経路コストが小さい順に候補経路が複数探索される。

一般ユーザの端末装置２０から経路探索要求があった場合、経路探索手段３９は、特定地点データベース３６および特定経路データベース３７を参照して、最適経路に対して所定の範囲内にある特定地点、特定経路を抽出する。所定の範囲内とは、例えば、出発地と目的地を結ぶ最適経路の経路コストの２割り増しのコスト範囲に入る特定地点または特定経路を抽出するように設定する。２割り増しとする理由は、特定地点や特定経路を含む推奨経路を利用者が移動する場合に過度の周り道を強要しないようにするためである。

また、所定の範囲の別の設定方法としては出発地と目的地との地理的な中間点を中心とした所定の距離範囲を設定する方法であってもよい。例えば、中間点を中心に半径５００ｍ以内のように所定の範囲を設定し、その範囲内に存在する特定地点、特定経路を抽出してもよい。

前者のように所定の範囲（２割り増しの経路コスト）を設定した場合、特定地点や特定経路に該当する道路ネットワークデータのノードやリンクの属性情報にその旨を記録しておき、そのノードやリンクが経路探索に際して優先して探索されるようにすることもできる。

図７は、通常の経路探索によって得た最適経路と、一般ユーザに対する経路探索、すなわち、前述した所定の範囲内に入る特定地点または特定経路を含む推奨経路の一例を示す図である。最適経路ＲＴ１の経路コストに対して特定地点または特定経路を通る推奨経路ＲＴ２の経路コストが２割り増しの範囲内にある場合、この推奨経路を端末装置２０に送信する。

図６や図７に示す最適経路や推奨経路は端末装置２０の表示手段２６において、図８に示す地図表示画面に地図画像とともに表示される。図８は経路探索サーバ３０から提供されるブラウザにより表示される地図表示画面の構成を示す図である。地図表示画面には地図を表示する地図表示領域２１０が設けられており、地図表示領域２１０の右上部にはスクロールバー２１２が表示される。

また、メニューを表示するためのボタンである「メニュー」２２０、ルート検索を指定するためのボタンである「ルート検索」２２１、地図表示領域２１０に表示した地図上の周辺のＰＯＩを検索するためのボタンである「周辺検索」２２２が表示される。「ルート検索」２２１、「周辺検索」２２２は、経路探索サーバ３０が経路探索機能、ＰＯＩ検索機能を備えている場合に表示される。なお、この地図表示画面は経路探索サーバ３０から提供されるブラウザ画面を使用する構成でなく、端末装置２０に用意された独自の地図表示画面を用いて地図画像等を表示する構成とすることもできる。

この地図表示画面には、地図検索のための入力ボックス２３０と、入力ボックス２３０に入力した条件で経路探索サーバ３０に地図検索を指示するための「検索」ボタン２３１が表示され、また、バナー広告を表示するためのバナー広告の表示領域２５０が設定されている。端末装置２０が所望のＰＯＩを指定して地図を特定した場合には、該当するＰＯＩの位置にそのＰＯＩを示すオブジェクト画像（アイコン画像）が表示され、利用者がこのオブジェクト画像をクリックして選択すると情報ウィンドウが開き、ＰＯＩの名称、住所、電話番号、営業時間や営業内容などのオブジェクト情報が表示される。

次に、図９に示すフローチャートを参照して本発明の実施例にかかる経路探索サーバ３０の動作手順を説明する。経路探索サーバ３０は、先ず、ステップＳ１０１の処理において、端末装置２０から経路探索条件を受信する。次いで、ステップＳ１０２の処理で経路探索サーバ３０は会員であるユーザの端末装置２０からの経路探索要求であるか、会員でない一般のユーザの端末装置２０からの経路探索要求であるかを判別する。この判別は前述したように、経路探索要求とともに送信されるユーザＩＤ等によって行うことができる。もちろん、ユーザＩＤの他に登録パスワードなどを設定しておき、パスワードによる認証をとるように構成することもできる。

ステップＳ１０２の判別処理において会員であるユーザの端末装置２０からの経路探索要求であると判別されると、探索モード選択手段３２は通常の経路探索モードを選択する。そして、経路探索手段３９はステップＳ１１０の処理において探索用ネットワークデータベース３５を参照して通常の経路探索を行い、出発地から目的地までの経路コストが最少になる最適経路を探索する。次いで、経路探索サーバ３０はステップＳ１１１の処理に進み、ステップＳ１１０の処理において探索した最適経路のデータを端末装置２０に送信する。

一方、ステップＳ１０２の判別処理において会員でない一般ユーザの端末装置２０からの経路探索要求であると判別されると、探索モード選択手段３２は無償の経路探索モードを選択する。そして、経路探索手段３９はステップＳ１０３の処理において先ず通常の経路探索を行い、最適経路を探索してその経路コストを一時記憶する。次いで、ステップＳ１０４の処理において経路探索手段３９は特定地点データベース３６および特定経路データベース３７を参照して最適経路の周辺の特定地点や特定経路を抽出する。

そして、経路探索手段３９は、抽出された特定地点または特定経路を含む候補経路を探索する。ステップＳ１０６の処理において経路探索手段３９は、最適経路の経路コストと特定地点または特定経路を含む候補経路の経路コストを比較し、候補経路の経路コストが最適経路の経路コストに比べて所定の範囲内、例えば、２割り増しの範囲内にあるか否かを判定する。

特定地点または特定経路を含む候補経路の経路コストが最適経路の経路コストに比べ所定の範囲内の値である場合、ステップＳ１０７の処理において、経路探索手段３９は特定地点または特定経路を含む候補経路を推奨経路とする。特定地点または特定経路を含む候補経路の経路コストが最適経路の経路コストに比べ所定の範囲内の値でない場合、ステップＳ１０９の処理に進み、経路探索手段３９は最適経路を推奨経路とする。そして、ステップＳ１０８の処理おいて、推奨経路のデータを端末装置２０に送信して処理を終了する。

このように、本発明においては、一般のユーザの端末装置２０に対して、無償で経路探索サービスを提供するにあたり、特定地点や特定経路を含む推奨経路を案内として提供するから、特定地点あるいは特定経路を通行する人が増えることが期待できる。すなわち、特定の商店や特定の商店街の集客能力を増やすことができ、商店や商店街の活性化を図ることができるようになる。

更に、特定地点や特定経路として特定地点データベース３６、特定経路データベース３７にデータ登録した商店や商店街について、経路探索サーバ３０が推奨経路を案内する時に、例えば、クーポン券などを発行するなどの方法で特典を付与すれば、推奨経路を通行するユーザの購買意欲を高めることができ、商店や商店街の活性化がより促進されるようになる。

このため、経路探索サーバ３０は特典付与手段３３を備えており、推奨経路のデータを端末装置２０に送信するとともに、該推奨経路が含んでいる特定地点または特定経路に該当する商店または商店街のクーポン券データを送信する。図１０は特典付与のデータを受信した端末装置２０に表示される特典付与に関する表示画面の構成の一例を示す図である。

図１０（ａ）に示すように、先ず推奨経路にて含まれる特定地点や特定経路に該当する商店や商店街の「お買い得情報」ＩＮＦＯが表示され、この表示下部にクーポン券出力を選択するための選択ボタンＢＴが表示される。端末装置２０において、この選択ボタンＢＴがクリックされると図１０（ｂ）に示すようにクーポン券が表示される。利用者が表示されたクーポン券を印刷して持参すれば、推奨経路を通行する途中で該当する商店や商店街で買い物をする際に割引き受けることができるようになる。

以上、詳細に説明したように、本発明にかかるナビゲーションシステム１０によれば、一般のユーザの端末装置２０に対して、無償で経路探索サービスを提供するにあたり、特定地点や特定経路を含む推奨経路を案内として提供するから、特定地点あるいは特定経路を通行する人が増えることが期待できる。すなわち、特定の商店や特定の商店街の集客能力を増やすことができ、商店や商店街の活性化を図ることができるようになる。

また、推奨経路を案内した利用者に特典を付与することにより、利用者は推奨経路を通行する際に、特定地点や特定経路に該当する商店や商店街において割引きで商品を購入することができ、更に、商店や商店街の活性化を図ることができるようになる。また、経路探索サーバ３０の運営事業者は、特定地点データベース３６や特定経路データベース３７に登録した商店や商店街に推奨経路を案内する都度、課金することもでき、経路探索サーバ３０の運営事業者にとって一般ユーザへの無償のナビゲーションサービスの提供が可能となる。

本発明によれば、商店や商店街の活性化に貢献することができる。また、無料で地図サイトやナビゲーションサイトを提供できるため、会員制地図サイトやナビゲーションサイトの会員獲得に貢献でき、特定地点・特定経路のデータベース蓄積に対する課金以外にも、インターネット広告収入なども期待できる。

本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。 本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。 端末装置において経路探索条件を入力するための入力画面の一例を示す図である。 道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。 交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。 通常の経路探索により得られた最適経路の一例を示す図である。 通常の経路探索によって得た最適経路と、一般ユーザに対する経路探索によって得た推奨経路の一例を示す図である。 端末装置における地図表示画面の一例を示す図である。 本発明の実施例にかかる経路探索サーバにおける動作手順を示すフローチャートである。 特定地点や特定経路に該当する商店や商店街における特典を付与する際の表示画面を示す図であり、図１０（ａ）は商店や商店街の情報を表示する表示画面、図１０（ｂ）は特典であるクーポン券の表示画面の一例を示す図である。

符号の説明

１０・・・・ナビゲーションシステム
１２・・・・ネットワーク
２０・・・・端末装置
２０１・・・制御手段
２１・・・・通信手段
２２・・・・ＧＰＳ受信手段
２３・・・・探索要求手段
２４・・・・条件設定手段
２５・・・・案内データ記憶手段
２６・・・・表示手段
２７・・・・操作入力手段
３０・・・・経路探索サーバ
３０１・・・制御手段
３１・・・・通信手段
３２・・・・探索モード選択手段
３３・・・・特典付与手段
３４・・・・地図データベース
３５・・・・経路探索用ネットワークデータベース
３６・・・・特定地点データベース
３７・・・・特定経路データベース
３８・・・・探索要求記憶手段
３９・・・・経路探索手段

Claims (15)

1. 経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路を表示する端末装置と、経路探索条件に従った経路を探索し、前記端末装置に配信する経路探索サーバと、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
   前記ナビゲーションシステムは、経路探索のためのネットワークデータを蓄積した経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索手段と、特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベースまたは特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベースと、探索モード選択手段と、を備え、
   前記経路探索サーバに登録されていない一般ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は無償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路を探索するとともに、前記特定地点データベースまたは特定経路データベースを参照し、前記最適経路から所定の範囲内にある特定地点または特定経路を抽出し、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信することを特徴とするナビゲーションシステム。
2. 前記経路探索サーバに登録されている会員ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は有償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路または候補経路を探索し、前記端末装置に配信することを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
3. 前記経路探索サーバは更に、特典付与手段を備え、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信する際に、前記特典付与手段は特典付与データを前記端末装置に配信することを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
4. 前記経路探索サーバは、前記特定地点データベースに特定の商店の所在を特定地点として蓄積しまたは特定経路データベースに特定の商店街を通過する経路を特定経路として蓄積する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うことを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
5. 前記経路探索サーバは、前記特定地点または特定経路を含む推奨経路を前記端末装置に送信する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うことを特徴とする請求項１に記載のナビゲーションシステム。
6. 経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路を表示する端末装置にネットワークを介して接続され、経路探索条件に従った経路を探索し、前記端末装置に配信する経路探索サーバにおいて、
   前記経路探索サーバは、経路探索のためのネットワークデータを蓄積した経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索手段と、特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベースまたは特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベースと、探索モード選択手段と、を備え、
   前記経路探索サーバに登録されていない一般ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は無償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路を探索するとともに、前記特定地点データベースまたは特定経路データベースを参照し、前記最適経路から所定の範囲内にある特定地点または特定経路を抽出し、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信することを特徴とする経路探索サーバ。
7. 前記経路探索サーバに登録されている会員ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段は有償の経路探索モードを選択し、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路または候補経路を探索し、前記端末装置に配信することを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
8. 前記経路探索サーバは更に、特典付与手段を備え、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信する際に、前記特典付与手段は特典付与データを前記端末装置に配信することを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
9. 前記経路探索サーバは、前記特定地点データベースに特定の商店の所在を特定地点として蓄積しまたは特定経路データベースに特定の商店街を通過する経路を特定経路として蓄積する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うことを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
10. 前記経路探索サーバは、前記特定地点または特定経路を含む推奨経路を前記端末装置に送信する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うことを特徴とする請求項６に記載の経路探索サーバ。
11. 経路探索条件を経路探索サーバに送信し、前記経路探索サーバから配信される案内経路を表示する端末装置と、経路探索条件に従った経路を探索し、前記端末装置に配信する経路探索サーバと、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法において、
    前記ナビゲーションシステムは、経路探索のためのネットワークデータを蓄積した経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索手段と、特定の商店の所在位置を蓄積した特定地点データベースまたは特定の商店街を通過する経路を蓄積した特定経路データベースと、探索モード選択手段と、を備え、
    前記経路探索サーバに登録されていない一般ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段が無償の経路探索モードを選択するステップと、前記経路探索手段が、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路を探索するとともに、前記特定地点データベースまたは特定経路データベースを参照し、前記最適経路から所定の範囲内にある特定地点または特定経路を抽出し、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信するステップを有することを特徴とする経路探索方法。
12. 前記経路探索サーバに登録されている会員ユーザの端末装置から経路探索条件が送信された場合、前記探索モード選択手段が有償の経路探索モードを選択するステップと、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースを参照して最適経路または候補経路を探索し、前記端末装置に配信するステップとを有することを特徴とする請求項１１に記載の経路探索方法。
13. 前記経路探索サーバは更に、特典付与手段を備え、該特定地点または特定経路が存在する場合は、その特定地点または特定経路を含む推奨経路を経路探索結果として前記端末装置に配信する際に、前記特典付与手段は特典付与データを前記端末装置に配信するステップを有することを特徴とする請求項１１に記載の経路探索方法。
14. 前記経路探索サーバは、前記特定地点データベースに特定の商店の所在を特定地点として蓄積しまたは特定経路データベースに特定の商店街を通過する経路を特定経路として蓄積する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うステップを有することを特徴とする請求項１１に記載の経路探索方法。
15. 前記経路探索サーバは、前記特定地点または特定経路を含む推奨経路を前記端末装置に送信する際、前記特定の商店または特定の商店街の運営体に対して所定の課金を行うステップを有することを特徴とする請求項１１に記載の経路探索方法。

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