JP2008122119A - 車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置 - Google Patents

車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車の走行安定化の為に必要で、ノイズを多く含まない情報を迅速に得られる車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実現する。
【解決手段】エンコーダ4に対向させて設けたセンサ14a、14bの検出信号に基づいて、外輪1とハブ2との間に加わる荷重を求める。この荷重を表す信号を、ローパスフィルタを備えたフィルタ回路によりフィルタリング処理して、ノイズを低減乃至は除去する。このローパスフィルタのカットオフ周波数を15Hzを上回る値に設定する。
【選択図】図1

Description

この発明に係る車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪に加わる荷重の大きさを測定して、自動車の安定運行の確保に利用する。
自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型等の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。又、自動車の走行安定性を確保する為に、例えば非特許文献1に記載されている様な、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更には、電子制御式ビークルスタビリティコントロールシステム(ESC)等の車両用走行安定化装置が使用されている。この様な各種車両用走行安定化装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等を表す信号が必要になる。そして、より高度の制御を行なう為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる荷重(例えばラジアル荷重とスラスト荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて、特許文献1〜5には、各種構造の荷重測定装置付転がり軸受ユニットに関する発明が記載されている。このうちの特許文献1には、転がり軸受の振動に基づいて保持器の回転速度と回転軸の回転速度との関係を求め、この関係に基づいて上記転がり軸受に加わるスラスト荷重を求める技術が記載されている。又、特許文献2には、車輪支持用転がり軸受ユニットの外輪と懸架装置との間に荷重センサを設け、この荷重センサにより、この車輪支持用転がり軸受ユニットに加わるスラスト荷重を求める技術が記載されている。又、特許文献3には、非接触式の変位センサにより、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪とハブとの相対変位量を求め、この相対変位量に基づいて、この車輪支持用転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重を求める技術が記載されている。又、特許文献4には、車輪支持用転がり軸受ユニット内に複列に配置された転動体の公転速度を測定し、これら両列の転動体の公転速度の関係に基づいて、上記車輪支持用転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重又はスラスト荷重を求める技術が記載されている。更に、特許文献5には、特殊なエンコーダを使用する事で、車輪支持用転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重又はスラスト荷重を求める技術が記載されている。
図1〜3は、このうちの特許文献5に記載された発明の構造と同じ荷重の測定原理を採用している、荷重測定装置付転がり軸受ユニットの構造の1例を示している。この従来構造の荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、使用時にも回転しない外輪1の内径側に、使用時に車輪を支持固定した状態でこの車輪と共に回転するハブ2を、複数個の転動体3、3を介して、回転自在に支持している。これら各転動体3、3には、互いに逆向きの(図示の場合には背面組み合わせ型の)接触角と共に、予圧を付与している。尚、図示の例では、上記転動体3として玉を使用しているが、重量が嵩む自動車用の軸受ユニットの場合には、玉に代えて円すいころを使用する場合もある。
又、上記ハブ2の内端部(軸方向に関して「内」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側を言い、図1、4、5、7の右側。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、図1、4、5、7の左側を、軸方向に関して「外」と言う。本明細書全体で同じ。)には、円筒状のエンコーダ4を、上記ハブ2と同心に支持固定している。又、上記外輪1の内端部にセンサユニット5を、この外輪1の内端開口を塞ぐカバー6を介して支持固定している。
このうちのエンコーダ4は、磁性金属板製である。被検出面である、このエンコーダ4の外周面の先半部(軸方向内半部)には、透孔7、7(第一特性部)と柱部8、8(第二特性部)とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これら各透孔7、7と各柱部8、8との境界は、上記被検出面の軸方向(幅方向)に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、上記被検出面の軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。従って、上記各透孔7、7と上記各柱部8、8とは、軸方向中間部が円周方向に関して最も突出した「く」字形となっている。そして、上記境界の傾斜方向が互いに異なる、上記被検出面の軸方向外半部と軸方向内半部とのうち、軸方向外半部を第一の特性変化部9とし、軸方向内半部を第二の特性変化部10としている。尚、これら両特性変化部9、10を構成する各透孔は、図示の様に互いに連続した状態で形成しても良いし、互いに独立した状態で形成しても良い。又、検出精度は劣るが、上記両特性変化部9、10のうちの何れか一方の特性変化部の境界のみを軸方向に対し傾斜させ、他方の特性変化部の境界を軸方向と平行にする事もできる。又、上記カバー6は、ステンレス鋼板等の金属板により全体を有底円筒状に形成しており、上記外輪1の内端部に嵌合固定している。この様なカバー6は、この外輪1の内端縁よりも軸方向内方に存在する円筒部11と、この円筒部11の内端開口を塞ぐ底板部12とを備える。
又、上記センサユニット5は、センサケース13と、1対のセンサ14a、14bと、センサ基板15とを備える。このうちのセンサケース13は、合成樹脂製で、円形の平板部16と、この平板部16の外周縁の全周部分から軸方向外方に延出する状態で設けられた、円筒状の延出部17とを備える。この様なセンサケース13は、この延出部17の外周面を上記カバー6を構成する円筒部11の内周面に、上記平板部16の軸方向内側面を上記カバー6を構成する底板部12の軸方向外側面に、それぞれ密接させた状態で、上記カバー6に対し、各種の方法で固定している。具体的には、例えば、接着やねじ止めにより固定したり、或は上記カバー6に対し上記センサケース13をインサート成形する事により固定している。
又、上記1対のセンサ14a、14bはそれぞれ、永久磁石と、検出部を構成するホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子とから成る。この様な1対のセンサ14a、14bは、上記センサケース13を構成する延出部17の円周方向一部に包埋した状態で、一方のセンサ14aの検出部を上記第一の特性変化部9に、他方のセンサ14bの検出部を上記第二の特性変化部10に、それぞれ近接対向させている。これら両センサ14a、14bの検出部が上記両特性変化部9、10に対向する位置は、上記エンコーダ4の円周方向に関して同じ位置としている。又、上記外輪1とハブ2との間にスラスト荷重が作用しない状態で、上記各透孔7、7及び柱部8、8の軸方向中間部で円周方向に関して最も突出した部分(境界の傾斜方向が変化する部分)が、上記両センサ14a、14bの検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材の設置位置を規制している。
又、上記センサ基板15は、全体を円板状に形成したもので、上記センサケース13を構成する延出部17にがたつきなく内嵌すると共に、自身の軸方向内側面を上記センサケース13を構成する平板部16の軸方向外側面に接触させた状態で、このセンサケース13に対し、接着やねじ止め等の各種の方法で固定している。そして、この状態で、上記センサ基板15の表面にプリントした(或はこのセンサ基板15に支持したICの)回路と、上記1対のセンサ14a、14bとを、図示しない配線により接続している。
上述の様に構成する荷重測定装置付転がり軸受ユニットの場合、外輪1とハブ2との間にスラスト荷重が作用(これら外輪1とハブ2とがスラスト方向に相対変位)すると、上記両センサ14a、14bの出力信号が変化する位相がずれる。即ち、上記外輪1とハブ2との間にスラスト荷重が作用していない、中立状態では、上記両センサ14a、14bの検出部は、図3の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記最も突出した部分から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ14a、14bの出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。
これに対して、上記エンコーダ4を固定したハブ2に、図3の(A)で下向きのスラスト荷重が作用した場合には、上記両センサ14a、14bの検出部は、図3の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ14a、14bの出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ4を固定したハブ2に、図3の(A)で上向きのスラスト荷重が作用した場合には、上記両センサ14a、14bの検出部は、図3の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ14a、14bの出力信号の位相は、同図の(D)に示す様にずれる。
上述の様に構成する従来構造の場合には、上記両センサ14a、14bの出力信号の位相が、上記外輪1とハブ2との間に加わるスラスト荷重の作用方向(これら外輪1とハブ2とのスラスト方向の相対変位の方向)に応じた向きにずれる。又、このスラスト荷重(相対変位)により上記両センサ14a、14bの出力信号の位相がずれる程度は、このスラスト荷重(相対変位)が大きくなる程大きくなる。従って、上記両センサ14a、14bの出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその向き及び大きさに基づいて、上記外輪1とハブ2とのスラスト方向の相対変位の向き及び大きさ、並びに、これら外輪1とハブ2との間に作用しているスラスト荷重の作用方向及び大きさを求められる。尚、上記両センサ14a、14bの出力信号の位相差に基づいて上記スラスト方向の相対変位及び荷重を算出する処理は、図示しない演算器により行なう。この為、この演算器には、予め理論計算や実験により調べておいた、上記位相差と上記スラスト方向の相対変位及び荷重との関係を、計算式やマップ等の型式で組み込んでおく。
又、特殊なエンコーダを使用する事で、車輪支持用転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重又はスラスト荷重を求める技術としては、他にも、例えば特願2006−214194等に開示された荷重測定装置付転がり軸受ユニットが知られている。図4〜8は、この特願2006−214194等に開示された荷重測定装置付転がり軸受ユニットの3例を示している。このうちの図4に示した、先発明に係る構造の第1例の場合には、センサ組を、複数組設けている。これら各センサ組を構成する、それぞれ1対ずつのセンサ14a、14bは、それぞれセンサユニット5aを構成するセンサケース13の延出部17のうち、円周方向の位相が互いに異なる部分に包埋支持している。そして、この様な構成を採用する事により、上記各センサ組を構成する1対ずつのセンサ14a、14bの出力信号に基づいて、多方向の変位並びに荷重を求められる様にしている。この様に多方向の変位並びに荷重を求める際の演算器の処理に就いては、上記特願2006−214197等に詳しく記載されており、本発明の要旨とも関係しない為、詳しい説明は省略する。
次に、図5〜6は、荷重測定装置付転がり軸受ユニットに関する、先発明の構造の第2例を示している。この先発明の構造の第2例の場合、ハブ2の内端部に外嵌固定した、磁性金属板製で円筒状のエンコーダ4aの先半部に、スリット状の透孔7a、7aと柱部8a、8aとを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これら各透孔7a、7aと各柱部8a、8aとの境界はそれぞれ、上記エンコーダ4aの軸方向に対し同方向に同じ角度だけ傾斜した、直線状である。又、外輪1の内端部にカバー6を介して支持固定したセンサユニット5bのうち、1対のセンサ14a、14bは、センサケース13を構成する円筒状の延出部17の上下両端部に1つずつ包埋支持している。そして、この状態で、これら両センサ14a、14bの検出部を、被検出面である、上記エンコーダ4aの先半部外周面の上下2個所位置(円周方向の位相が互いに180度異なる部分)に近接対向させている。
自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合、上記外輪1と上記ハブ2との間に加わるスラスト荷重は、このハブ2に結合固定した車輪を構成するタイヤの外周面と路面との接地面から入力される。この接地面は、上記外輪1及び上記ハブ2の回転中心よりも径方向外方に存在する為、上記スラスト荷重はこれら外輪1とハブ2との間に、純スラスト荷重としてではなく、これら外輪1及びハブ2の中心軸と上記接地面の中心とを含む(鉛直方向の)仮想平面内での、モーメントを伴って加わる。この様なモーメントが上記外輪1と上記ハブ2との間に加わると、このハブ2の中心軸がこの外輪1の中心軸に対して傾く。これに伴い、上記エンコーダ4aの上端部が軸方向に関して何れかの方向に、同じく下端部がこれと逆方向に、それぞれ変位する。この結果、上記エンコーダ4aの外周面の上下両端部にそれぞれの検出部を近接対向させた、上記両センサ14a、14bの出力信号の位相が、それぞれ中立位置に対して、逆方向にずれる。従って、これら両センサ14a、14bの出力信号の位相のずれの向き及び大きさに基づいて、上記スラスト荷重の作用方向及び大きさを求められる。
次に、図7〜8は、荷重測定装置付転がり軸受ユニットに関する、先発明の構造の第3例を示している。この先発明の構造の第3例の場合、ハブ2の内端部に外嵌固定した、磁性金属板製で円筒状のエンコーダ4bの先半部に、透孔7b、7bと柱部8b、8bとを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これら各透孔7b、7bはそれぞれ、径方向から見た形状を台形として、それぞれの円周方向に関する幅寸法を、軸方向に関して漸次変化させている。又、外輪1の内端部にカバー6を介して支持固定したセンサユニット5cは、1個のセンサ14aを備え、この1個のセンサ14aを、センサケース13を構成する円筒状の延出部17の円周方向一部に包埋支持している。そして、この1個のセンサ14aの検出部を、被検出面である、上記エンコーダ4bの先半部外周面に近接対向させている。この様に構成する先発明の構造の第3例の場合、スラスト荷重に基づいて上記外輪1と上記ハブ2とが軸方向に相対変位すると、上記センサ14aの出力信号のデューティ比(高電位継続時間/1周期)が変化する。従って、このデューティ比に基づいて、上記相対変位の向き及び大きさ、更には上記スラスト荷重の作用方向及び大きさを求められる。
尚、上述した従来構造の1例及び先発明の構造の第1〜3例の場合には、エンコーダを磁性金属板製とすると共に、このエンコーダの被検出面に設ける第一特性部を透孔とし、第二特性部を柱部とする構成を採用している。これに対し、エンコーダを永久磁石製とすると共に、このエンコーダの被検出面に設ける第一特性部をN極に着磁した部分とし、第二特性部をS極に着磁した部分とする構成を採用する事もできる。この様な構成を採用する場合には、センサ側には永久磁石を組み込む必要はない。又、上述した従来構造の1例及び先発明の構造の第1〜3例の場合には、エンコーダの被検出面を円筒面とし、この被検出面にセンサの検出部を径方向に対向させる構成を採用している。これに対し、エンコーダの被検出面を円輪面とし、この被検出面にセンサの検出部を軸方向に対向させる構成を採用すれば、外輪とハブとの径方向の相対変位量、並びに、これら外輪とハブとの間に作用するラジアル荷重を求める事ができる。
上述の様な、従来構造或いは先発明構造の荷重測定装置付転がり軸受ユニットにより、転がり部材に加わる荷重を測定する場合、荷重の測定値に、各種要因による誤差(ノイズ)が入り込む可能性がある。この様なノイズは、一般的には、実際の測定値に基づく変動よりも頻繁に変動する、比較的高周波の変動として、上記荷重の測定値を表す信号中に表れる。従って、この荷重の測定値を表す信号に関して、ローパスフィルタを通過させるフィルタリング処理を施せば、上記ノイズを低減乃至は除去できる。ローパスフィルタによりノイズを低減乃至は除去する事は、特願2006−329717に開示されているが、ローパスフィルタのカットオフ周波数の具体的数値に就いては開示されていない。
上述の様に、荷重の測定値はノイズに比べて低周波で(長周期で)変動する為、このノイズの低減乃至は除去を確実に行なわせる為には、上記カットオフ周波数を低く(低周波に)設定すれば良い。但し、過度に低周波に設定すると、自動車の走行安定化の為に有用な荷重情報までも除去してしまう可能性がある。更には、測定した荷重に基づく、自動車の走行安定化の為の制御が遅れる。この理由は、荷重の測定値は、カットオフ周波数に反比例して、遅れてしか得られない為である。
特公昭62−3365号公報 特開平3−209016号公報 特開2001−21577号公報 特開2005−31063号公報 特開2006−113017号公報 青山元男著、「レッドバッジスーパー図解シリーズ/クルマの最新メカがわかる本」、p.138−139、p.146−149、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日
本発明は、上述の様な事情に鑑み、自動車の走行安定化の為に必要で、ノイズを多く含まない情報を迅速に得られる車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実現すべく発明したものである。
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、使用時に懸架装置に支持固定された状態で回転しない静止側軌道輪と、複数個の転動体を介してこの静止側軌道輪と同心に支持され、使用時に車輪と共に回転するハブと、これら静止側軌道輪とハブとの間に作用する荷重を求める荷重測定装置とを備える。
このうちの荷重測定装置は、この荷重の変化に伴って出力信号を変化させるセンサと、このセンサの出力信号に基づいて上記荷重を算出する演算器と、この演算器が算出したこの荷重を表す処理信号にフィルタリング処理を施すフィルタ回路とを備える。
又、このフィルタ回路は、この処理信号の変動成分のうちのカットオフ周波数以下の周波数の変動成分のみを上記演算器に送る機能を有するローパスフィルタを備えたものであり、上記カットオフ周波数を15Hz(ばね下の共振周波数)を上回る値に設定している。
上述の様な本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実施する場合に、例えば、特許請求の範囲の請求項2に記載した様に、上記状態量測定装置として、センサとエンコーダとを備えたものを使用する。
このうちのエンコーダは、ハブの一部に支持したもので、このハブの回転中心と同心の被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させたものとする。
又、上記センサは、この被検出面に検出部を対向させた状態で回転しない部分に支持されたもので、上記ハブの回転に伴い、上記被検出面の特性変化に対応してその出力信号を変化させるものとする。
上述の様な本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実施する場合に、或いは、特許請求の範囲の請求項3に記載した様に、上記ローパスフィルタを、ハブの回転速度に比例してカットオフ周波数を変化させるカットオフ周波数変動型とする。そして、このカットオフ周波数を、上記ハブの回転周波数の3倍以上の値に設定する。
上述の様な構成を有する本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置によれば、自動車の走行安定化の為に必要で、ノイズを多く含まない情報を迅速に得られる。この理由に就いて、以下に説明する。
上記走行安定化の為の制御を行なう際には、自動車各部の振動に基づいて変化する荷重を測定する事が必要になる場合も考えられる。自動車の振動としては、懸架装置を構成するばねよりも車体側部分(ばね上)が振動する場合と、このばねよりも路面側部分(ばね下)が振動する場合とが考えられる。又、これら各部分の振動の周波数は、これら各部分の共振周波数にほぼ一致する。上記走行安定化の為の制御を高度に行なう為には、ばね上の振動に基づいて変化する荷重の値に就いては勿論、ばね下の振動に基づいて変化する荷重の値に就いても、精度良く、迅速に求める事が好ましい。
ところで、社団法人自動車技術会が発行している、自動車ハンドブック等にも記載されている様に、一般的な乗用車の場合、ばね上の共振周波数は1.5Hz程度、ばね下の共振周波数は15Hz程度である事が、自動車技術者にとって周知である。上述の様に、上記走行安定化の為の制御を高度に行なうべく、上記ばね下の振動に基づいて変化する荷重の値を求める為には、上記ばね下の共振周波数である15Hzで変化する荷重を求める必要がある。即ち、静止側軌道輪とハブとの間に作用する荷重の大きさを表す信号のうち、15Hz以下の周波数成分を利用する必要がある。本発明の場合には、ローパスフィルタのカットオフ周波数を、15Hz(ばね下の共振周波数)を上回る値に設定しているので、上記15Hz以下の周波数成分(ばね下の共振に基づく荷重変動成分を含む荷重変動成分)を利用して、上記走行安定化の為の制御を行なえる。
一方、上記カットオフ周波数を15Hzを上回る値に設定する事で、応答遅れを最小限に抑えて、上記走行安定化の為の制御を有効に行なえる。例えば、一般的なローパイフィルタであるバタワース型フィルタを用いて、上記カットオフ周波数を20Hzに設定した場合、荷重を表す信号を上記ローパスフィルタに通す事による遅れは、0.015秒に留まる。この程度の遅れであれば、上記走行安定化の為の制御を十分効果的に行なえる。
又、本発明を実施する場合に、請求項2に記載した構成、即ち、前述の図1〜8に示した様な、従来或いは先発明の構造を採用すれば、高価な部品を使用せず、比較的低コストで構成できて、しかも荷重の測定精度を十分に確保できる。
更に、請求項3に記載した様に、カットオフ周波数変動型のローパスフィルタを使用し、このカットオフ周波数をハブの回転周波数の3倍以上(回転三次以上)の値に設定すれば、高速走行時の応答遅れをより小さくできる。即ち、低速走行時に比べて応答遅れを小さくする必要がある高速走行時にカットオフ周波数を高くする事により、荷重を表す信号を上記ローパスフィルタに通す事による遅れを短くして、高速走行時に於ける走行安定化の為の制御をより迅速に行なえる。上記カットオフ周波数を回転三次以上とした理由は、次の通りである。
車両の走行安定化の為の制御が必要になるのは、常識的に考えて、走行速度が40km/h以上の場合である。車輪(タイヤ)の有効回転直径を0.7mとした場合、この車輪(ハブ)の回転速度は約300min-1 、周波数で約5Hzとなる。この周波数に対して、前記ばね下の共振周波数である15Hzを表すと、回転三次となる。この事から、カットオフ周波数変動型のローパスフィルタを使用する場合には、カットオフ周波数を回転三次以上の値に設定する必要がある事が分かる。
尚、本発明は、ローパスフィルタのカットオフ周波数の下限値を規定したものである。上限値に関しては、ノイズ低減及び応答性向上に対する要求に応じて設定する。カットオフ周波数を高くする程、応答性は向上するがノイズ低減効果が低くなる。逆に、カットオフ周波数を低く(上記下限値に近づける)程、大きなノイズ低減効果を得られる代わりに、応答性が低下する。
本発明の要点は、車輪支持用転がり軸受ユニットに加わる荷重を表す信号中のノイズを除去する為のローパスフィルタのカットオフ周波数を適切に設定する点にある。図面に表れる、静止側軌道輪である外輪とハブとの間に加わる荷重を測定する為の構造に就いては、前述の図1〜8に示した、従来及び先発明の構造と同様のものに加え、前述の特許文献1〜4に記載された構造も採用できる。この為、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明の対象となる荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第1例を示す断面図。 この第1例に組み込むエンコーダの一部を径方向から見た図。 スラスト荷重の変動に伴って変化するセンサの出力信号を示す線図。 本発明の対象となる荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第2例を示す断面図。 同第3例を示す断面図。 この第3例に組み込むエンコーダの一部を径方向から見た図。 本発明の対象となる荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第4例を示す断面図。 この第4例に組み込むエンコーダの一部を径方向から見た図。
符号の説明
1 外輪
2 ハブ
3 転動体
4、4a、4b エンコーダ
5、5a〜5c センサユニット
6 カバー
7、7a、7b 透孔
8、8a、8b 柱部
9 第一の特性変化部
10 第二の特性変化部
11 円筒部
12 底板部
13 センサケース
14a、14b センサ
15 センサ基板
16 平板部
17 延出部

Claims (3)

  1. 使用時に懸架装置に支持固定された状態で回転しない静止側軌道輪と、複数個の転動体を介してこの静止側軌道輪と同心に支持され、使用時に車輪と共に回転するハブと、これら静止側軌道輪とハブとの間に作用する荷重を求める荷重測定装置とを備え、この荷重測定装置は、この荷重の変化に伴って出力信号を変化させるセンサと、このセンサの出力信号に基づいて上記荷重を算出する演算器と、この演算器が算出したこの荷重を表す処理信号にフィルタリング処理を施すフィルタ回路とを備え、このフィルタ回路は、この処理信号の変動成分のうちのカットオフ周波数以下の周波数の変動成分のみを上記演算器に送る機能を有するローパスフィルタを備えたものであり、上記カットオフ周波数を15Hzを上回る値に設定している車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  2. 荷重測定装置がセンサとエンコーダとを備え、このうちのエンコーダは、ハブの一部に支持されたもので、このハブの回転中心と同心の被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させており、上記センサは、この被検出面に検出部を対向させた状態で回転しない部分に支持されていて、上記ハブの回転に伴い、上記被検出面の特性変化に対応してその出力信号を変化させるものである、請求項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  3. ローパスフィルタが、ハブの回転速度に比例してカットオフ周波数を変化させるカットオフ周波数変動型であり、このカットオフ周波数を、上記ハブの回転周波数の3倍以上の値に設定している、請求項1又は請求項2に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
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