JP2007091144A - 空気圧異常判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ36内の空気圧を測定する圧力センサを使用せずにこの空気圧の異常の有無を判定できる構造を実現し、この異常の有無を判定する為の判定装置の製造コストを抑える。
【解決手段】車輪34を懸架装置に対し回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニット31に、この車輪34に加わる荷重を測定する為の荷重測定装置を組み込む。そして、この荷重測定装置による測定値を表す荷重信号を入力した判定器が、この荷重信号に基づいて、上記タイヤ36の空気圧の異常の有無を判定する。
【選択図】図1

Description

この発明に係る空気圧異常判定装置は、自動車の車輪を構成するタイヤの空気圧が異常に低下した場合にこれを検知して運転者に知らせる等、タイヤのバースト等の危険な事態が発生するのを防止する為に利用する。
自動車の走行時にタイヤの空気圧を検出する事は、過度に低い空気圧のまま走行する事に伴うタイヤのバーストを防止したりする為に要求される。この為に従来から、空気圧によってタイヤの有効半径(車輪の回転中心から路面までの距離)が変化する事に伴う各車輪の回転速度の相違から特定のタイヤの空気圧低下を知る方法(後述する間接法)、或は横Gが加わった場合に於けるタイヤの捩れ特性の変化を検出して、間接的にタイヤの空気圧を検知する方法が考えられていた。又、例えば特許文献1〜2に示す様に、タイヤと共に車輪を構成するホイールに、このタイヤの空気圧を測定する圧力センサと、この圧力センサの検出値を電波信号として発信する送信器とを組み込み、この送信器から車体側に設けた受信器にこの電波信号を送る事により、直接的にタイヤの空気圧を検知する方法も考えられていた。更には、特許文献3に記載されている様に、車輪の回転速度と振動周波数とから、この車輪を構成するタイヤ内の空気圧を求める事も考えられている。これら特許文献1〜3に記載された従来技術の場合には、何れも空気圧を求める為に専用のセンサを設ける為、空気圧異常の有無を判定する為の判定装置の製造コストが嵩む。
一方、特許文献4には、自動車の走行安定性確保の為の制御をより高精度で行なう為の情報を得る為の装置として、荷重測定装置付転がり軸受ユニットが記載されている。図2は、この特許文献4に記載された荷重測定装置付転がり軸受ユニットの1例を示している。この従来構造の場合、静止側軌道輪である外輪1の軸方向中間部で、複列アンギュラ型の外輪軌道2、2の間部分に形成した取付孔3にセンサユニット4を挿通し、このセンサユニット4の先端部5を、上記外輪1の内周面から突出させている。この先端部5には、1対の公転速度検出用センサ6a、6bと、1個の回転速度検出用センサ7とを設けている。
そして、このうちの各公転速度検出用センサ6a、6bの検出部を、複列に配置された各転動体8a、8bを回転自在に保持した各保持器9a、9bに設けた、公転速度検出用エンコーダ10a、10bの被検出面である軸方向側面に近接対向させて、上記各転動体8a、8bの公転速度を検出自在としている。又、上記回転速度検出用センサ7の検出部を、回転側軌道輪であるハブ11の中間部に外嵌固定した回転速度検出用エンコーダ12の被検出面である外周面に近接対向させて、このハブ11の回転速度を検出自在としている。この様な構成を有する荷重測定装置付転がり軸受ユニットによれば、上記ハブ11の回転速度の変動に拘らず、上記外輪1とこのハブ11との間に加わる荷重(ラジアル荷重及びアキシアル荷重)を求められる。
即ち、上述の様な荷重測定装置付転がり軸受ユニットの場合、図示しない演算器が、上記各センサ6a、6b、7から送り込まれる検出信号に基づいて、上記外輪1と上記ハブ11との間に加わるラジアル荷重とアキシアル荷重とのうちの一方又は双方の荷重を算出する。例えば、このラジアル荷重を求める場合に上記演算器は、上記各公転速度検出用センサ6a、6bが検出する上記各列の転動体8a、8bの公転速度の和を求め、この和と、上記回転速度検出用センサ7が検出する上記ハブ11の回転速度との比に基づいて、上記ラジアル荷重を算出する。又、上記アキシアル荷重は、上記各公転速度検出用センサ6a、6bが検出する上記各列の転動体8a、8bの公転速度の差を求め、この差と、上記回転速度検出用センサ7が検出する上記ハブ11の回転速度との比に基づいて算出する。或いは、上記各列の転動体8a、8bの公転速度同士の比によっても、上記アキシアル荷重を求められる。この点に就いて、図3を参照しつつ説明する。尚、以下の説明は、アキシアル荷重Fyが加わらない状態での、上記各列の転動体8a、8bの接触角αa 、αb が、互いに同じであるとして行なう。
図3は、上述の図2に示した車輪支持用の転がり軸受ユニットを模式化し、荷重の作用状態を示したものである。複列アンギュラ型の内輪軌道13、13と複列アンギュラ型の外輪軌道2、2との間に複列に配置された転動体8a、8bには予圧F0 、F0 を付与している。又、使用時に上記転がり軸受ユニットには、車体の質量等により、ラジアル荷重Fzが加わる。更に、旋回走行時に加わる遠心力等により、アキシアル荷重Fyが加わる。これら予圧F0 、F0 、ラジアル荷重Fz、アキシアル荷重Fyは、何れも上記各転動体8a、8bの接触角α(αa 、αb )に影響を及ぼす。そして、この接触角αa 、αb が変化すると、これら各転動体8a、8bの公転速度nc が変化する。これら各転動体8a、8bのピッチ円直径をDとし、これら各転動体8a、8bの直径をdとし、上記両内輪軌道13、13を設けたハブ11の回転速度をni とし、上記両外輪軌道2、2を設けた外輪1の回転速度をno とすると、上記公転速度nc は、次の(1)式で表される。
c ={1−(d・cos α/D)・(ni /2)}+{1+(d・cos α/D)・(no /2)} −−− (1)
この(1)式から明らかな通り、上記各転動体8a、8bの公転速度nc は、これら各転動体8a、8bの接触角α(αa 、αb )の変化に応じて変化するが、上述した様にこの接触角αa 、αb は、上記ラジアル荷重Fz及び上記アキシアル荷重Fyに応じて変化する。従って上記公転速度nc は、これらラジアル荷重Fz及びアキシアル荷重Fyに応じて変化する。図2〜3に示した構造の場合、上記ハブ11が回転し、上記外輪1は回転しない為、具体的には、上記ラジアル荷重Fzに関しては、図4に示す様に、大きくなる程上記公転速度nc が遅くなる。又、上記アキシアル荷重Fyに関しては、図5に示す様に、このアキシアル荷重Fyを支承する列の公転速度が速くなり、このアキシアル荷重Fyを支承しない列の公転速度が遅くなる。従って、この公転速度nc に基づいて、上記ラジアル荷重Fz及びアキシアル荷重Fyを求められる事になる。
尚、上記図4中、実線イは、ラジアル荷重Fzを支承する割合の大きい側の転動体8b、8bに関する、破線ロは同じくラジアル荷重Fzを支承する割合の小さい側の転動体8a、8aに関する、それぞれの公転速度(とハブ11の回転速度との比)とラジアル荷重Fzとの関係を示している。又、上記図5中、破線ハは、上記アキシアル荷重Fyとこのアキシアル荷重Fyを支承する列の転動体8a、8aの公転速度との関係を、実線ニは、このアキシアル荷重Fyとこのアキシアル荷重Fyを支承しない列の転動体8b、8bの公転速度との関係を、それぞれ示している。この様な図2〜5から明らかな通り、上記各列の転動体8a、8bの公転速度nc に基づいて、上記ラジアル荷重Fz及びアキシアル荷重Fyを求められる。
又、未公開であるが、特願2004−279155号には、荷重の作用方向に配置された1対のセンサの出力信号の位相差に基づき、転がり軸受ユニットに加わる荷重の大きさを測定する発明が開示されている。図6〜12は、上記出願に開示された先発明のうちの4例の構造を示している。これら各先発明に係る構造のうち、図6〜8に示した第1例の構造は、懸架装置に支持された状態で回転しない静止側軌道輪である外輪1の内径側に、車輪を支持固定(結合固定)する回転側軌道輪であるハブ11を、複数個の転動体8、8を介して回転自在に支持している。そして、このハブ11の中間部にエンコーダ14を外嵌固定すると共に、上記外輪1の軸方向中間部で複列に配置された上記各転動体8、8の間部分に1対のセンサ15、15を、それぞれの検出部を、被検出面である上記エンコーダ14の外周面に近接対向させた状態で設けている。尚、上記センサ15の検出部には、ホールIC、ホール素子、MR素子、GMR素子等の磁気検知素子を組み込んでいる。
図6〜8に示した、先発明の第1例の構造の場合、上記エンコーダ14として、永久磁石製のものを使用している。被検出面である、このエンコーダ14の外周面には、N極に着磁した部分とS極に着磁した部分とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これらN極に着磁された部分とS極に着磁された部分との境界は、上記エンコーダ14の軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ14の軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。従って、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分とは、軸方向中間部が円周方向に関して最も突出した(又は凹んだ)、「く」字形となっている。
又、上記両センサ15、15の検出部が上記エンコーダ14の外周面に対向する位置は、このエンコーダ14の円周方向に関して同じ位置としている。言い換えれば、上記両センサ15、15の検出部は、上記外輪1の中心軸を含む同一仮想平面上に配置されている。又、この外輪1と上記ハブ11との間にアキシアル荷重が作用しない状態で、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分との軸方向中間部で円周方向に関して最も突出した部分(境界の傾斜方向が変化する部分)が、上記両センサ15、15の検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材14、15、15の設置位置を規制している。尚、先発明の第1例の場合には、上記エンコーダ14として永久磁石製のものを使用しているので、上記両センサ15、15側に永久磁石を組み込む必要はない。
上述の様に構成する先発明の第1例の場合、上記外輪1とハブ11との間にアキシアル荷重が作用すると、上記両センサ15、15の出力信号が変化する位相がずれる。即ち、上記外輪1とハブ11との間にアキシアル荷重が作用しておらず、これら外輪1とハブ11とが相対変位していない、中立状態では、上記両センサ15、15の検出部は、図8の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記最も突出した部分から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ15、15の出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。
これに対して、上記エンコーダ14を固定したハブ11に、図8の(A)で下向きのアキシアル荷重が作用し(外輪1とハブ11とがアキシアル方向に相対変位し)た場合には、上記両センサ15、15の検出部は、図8の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ15、15の出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ14を固定したハブ11に、図8の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ15、15の検出部は、図8の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ15、15の出力信号の位相は、同図の(D)に示す様にずれる。
上述の様に先発明の第1例の場合には、上記両センサ15、15の出力信号の位相が、上記外輪1とハブ11との間に加わるアキシアル荷重の作用方向に応じた方向にずれる。又、このアキシアル荷重により上記両センサ15、15の出力信号の位相がずれる程度(変位量)は、このアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。従って第1例の場合には、上記両センサ15、15の出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその方向及び大きさに基づいて、上記外輪1とハブ11との間に作用しているアキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。
上述した先発明の第1例の場合には、永久磁石製のエンコーダ14を使用しているが、前記特願2004−279155号には、図9に示す様な、磁性材製のエンコーダ14aを使用した構造に就いても記載されている。被検出面である、このエンコーダ14aの外周面には、スリット状の透孔16a、16bと柱部30a、30bとを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これら各透孔16a、16bと各柱部30a、30bとは、上記エンコーダ14aの軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ14aの軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。即ち、このエンコーダ14aは、軸方向片半部に、上記軸方向に対し所定方向に同じだけ傾斜した透孔16a、16aを形成すると共に、軸方向他半部に、この所定方向と逆方向に同じ角度だけ傾斜した透孔16b、16bを形成している。
上述の様な、先発明の第2例の構造に組み込むエンコーダ14aは、図6に示した第1例と同様に、ハブ11に外嵌固定し、外輪1(図6参照)の軸方向中間部に設置した1対のセンサの検出部を、上記エンコーダ14aの外周面に近接対向させる。尚、先発明の第2例の場合には、このエンコーダ14aが単なる磁性材製である為、上記1対のセンサの側に永久磁石を組み込む。この様な先発明の第2例の場合も、前述した先発明の第1例の場合と同様の作用により、上記外輪1とハブ11との間に作用しているアキシアル荷重の作用方向及び大きさを求められる。
又、上述の図9に示したエンコーダ14aは、互いに独立した透孔16a、16bを「ハ」字形に配置しているが、図10に示した第3例の様に、連続した「ヘ」字形の透孔16c、16cを、円周方向に亙り等間隔に配置したエンコーダ14bを使用する事もできる。尚、図10に示した構造の場合には、1対の磁気検出素子17、17と1個の永久磁石18とを単一のホルダ19の先端部に包埋支持して、1対のセンサとして機能する、一体型のセンサユニットを構成している。外輪1とハブ11との間に作用するアキシアル荷重を求める機能に就いては、前述した第1例、或いは、上述した第2例と同様である。
図11〜12は、先発明の第4例として、単一のセンサにより外輪1aとハブ11aとの間に加わるアキシアル方向の変位を求める構造を示している。本例の場合には、重量の嵩む自動車の駆動輪を支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットを対象としている為に、転動体8c、8cとして円すいころを使用している。又、回転側軌道輪であるハブ11aの中心部に、等速ジョイントに付属のスプライン軸を挿通する為のスプライン孔20を形成している。そして、上記ハブ11aの中間部に、磁性金属材製で円環状のエンコーダ14cを外嵌固定している。このエンコーダ14cの外周面には、凹部21、21と凸部22、22とを、円周方向に関して交互に配置している。これら各凹部21、21と凸部22、22との円周方向に関する幅寸法は、軸方向に関して漸次変化している。
一方、静止側軌道輪である上記外輪1aの中間部に形成した取付孔3aに、磁気検知式のセンサ15aを挿通し、このセンサ15aの先端部に設けた検出部を、被検出面である、上記エンコーダ14cの外周面に近接対向させている。上記センサ15aの検出信号は、上記検出部の近傍を上記各凹部21、21と上記各凸部22、22とが交互に通過する事に伴って変化する。そして、付属の波形整形回路により矩形波とされてから、図示しない演算器に送り出される。この様に、波形整形回路から演算器に送り出される、上記センサ15aの検出信号の変化のパターン(検出信号のデューティ比=高電位継続時間/1周期)は、上記検出部が対向する、上記エンコーダ14cの外周面の軸方向位置によって変化する。そこで、上記変化のパターンに基づいて、上記外輪1aと上記ハブ11aとの間に作用するアキシアル荷重を求められる。尚、検出信号のデューティ比に基づいてこのアキシアル荷重を求める構造を実現する為に使用するエンコーダに関しても、図12に示した様な磁性材製のものに代えて、永久磁石製のものを使用する事ができる。この場合には、永久磁石製のエンコーダの外周面にS極とN極とを交互に配置すると共に、これらS極とN極との円周方向に関する幅寸法を、軸方向に関して漸次変化させる。
前記特願2004−279155号に記載された荷重測定装置付転がり軸受ユニットの構成及び作用は、上述の通りであるが、転がり軸受ユニットに加わる荷重若しくはモーメントを測定する装置としては、他にも、例えば特願2005−147642号、同2005−256752号に開示されたものがある。尚、上記モーメントに関しても、転がり軸受ユニットに加わる荷重に基づいて作用する力である為、特許請求の範囲に記載した荷重の語には、このモーメントも含んでいる。図13〜14に、上記転がり軸受ユニットに加わる荷重若しくはモーメントを測定する為の他の装置の2例を示している。
先ず、図13に示した、先発明の第5例の構造の場合には、ハブ11bの中間部に、永久磁石により円筒状に構成したエンコーダ14dを、断面クランク形の支持環23を介して外嵌固定している。このエンコーダ14dの被検出面である外周面には、N極とS極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。又、図13の(A)に示す様に、上記N極とS極との境界の形状を、上記エンコーダ14dの軸方向(上記外周面の幅方向)に対して同方向に同じ角度だけ傾斜させている。そして、上記エンコーダ14dの外周面に、外輪1の軸方向中間部に支持したセンサ15bの検出部を、径方向に近接対向させている。
又、上記外輪1の内端部内周面と上記ハブ11bの内端部外周面との間を塞ぐ組み合わせシールリング24を構成する、このハブ11bの内端部に外嵌固定したスリンガ25の内側面に、円輪状の第二エンコーダ26を、このハブ11bと同心に添着固定している。この第二エンコーダ26の被検出面である内側面には、N極とS極とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。又、図13の(B)に示す様に、上記N極とS極との境界を、放射方向の直線形状としている。上記エンコーダ14dの外周面に存在するS極及びN極の数と、上記第二エンコーダ26の内側面に存在するS極及びN極の数とは、互いに等しい。そして、この第二エンコーダ26の内側面に、懸架装置を構成するナックル(図示せず)等の静止部材の一部に支持した第二センサ27の検出部を、軸方向に近接対向させている。
この様な先発明の第5例の場合には、上記外輪1と上記ハブ11bとの間にアキシアル荷重が作用せず、これら外輪1とハブ11bとが軸方向に相対変位していない、中立状態で、上記両センサ15b、27の検出信号が同時に(或いは所定の時間差で)変化する様にしている。この為に、上記中立状態で、上記第二センサ27の検出部が上記第二エンコーダ26の内側面に存在するS極とN極との境界に対向するのと同時に、上記センサ15bの検出部が上記エンコーダ14dの外周面に存在するS極とN極との境界に対向する様に、各部材27、26、15b、14dの設置位置を規制している。
上述の様に構成する先発明の第5例の場合、上記外輪1と上記ハブ11bとの間にアキシアル荷重が作用する(これら外輪1とハブ11bとが軸方向に相対変位する)と、上記両センサ15b、27の出力信号の位相がずれる。即ち、上記第二エンコーダ26の内側面に対向している上記第二センサ27の検出信号の位相は、上記相対変位の有無に関係なく、一定である(進んだり遅れたりする事はない)。これに対し、上記エンコーダ14dの外周面に対向している上記センサ15bの検出信号の位相は、上記相対変位に伴って、進んだり遅れたりする。従って、この様に進んだり遅れたりする分だけ、上記両センサ15b、27の出力信号の位相がずれる。
この様に、先発明の第5例の場合には、上記両センサ15b、27の出力信号の位相が、上記外輪1と上記ハブ11bとの間に加わるアキシアル荷重の方向に応じた方向にずれる。又、このアキシアル荷重により上記両センサ15b、27の出力信号の位相がずれる程度(変位量)は、このアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。従って、上述した先発明の第5例の場合には、上記両センサ15b、27の出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその向き及び大きさに基づいて、上記外輪1とハブ11bとの軸方向の相対変位の向き及び大きさ、延いては、これら外輪1とハブ11bとの間に作用しているアキシアル荷重の向き及び大きさを求められる。
次に、図14は、先発明の第6例を示している。この先発明の第6例の場合には、回転側軌道輪であるハブ11の内端部に支持環28を、このハブ11と同心に外嵌固定している。これと共に、この支持環28の先端部外周面に、上述した先発明の第5例で使用したものと同様の構成を有する円筒状のエンコーダ14dを添着固定している。又、このエンコーダ14dの被検出面である外周面の上下両端部に、1対のセンサ15c、15dの検出部を近接対向させている。即ち、静止側軌道輪である外輪1の内端開口部に被着したカバー29の内周面の上下両端部に上記両センサ15c、15dを支持固定すると共に、これら両センサ15c、15dの検出部を、上記エンコーダ14dの外周面の上下両端部に近接対向させている。
自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合、上記外輪1と上記ハブ11との間に加わるアキシアル荷重は、このハブ11に結合固定した車輪(タイヤ)の外周面と路面との接地面から入力される。この接地面は、上記外輪1及び上記ハブ11の回転中心よりも径方向外方に存在する為、上記アキシアル荷重はこれら外輪1とハブ11との間に、純アキシアル荷重としてではなく、これら外輪1及びハブ11の中心軸と上記接地面の中心とを含む(鉛直方向の)仮想平面内での、モーメントを伴って加わる。そして、このモーメントの大きさは、車輪の回転半径が同じである限り、上記接地面から入力されるアキシアル荷重の大きさに比例する。そこで、このモーメントを求めれば、このアキシアル荷重を求められる事になる。一方、上記ハブ11にモーメントが加わると、上記エンコーダ14dの上端部が、軸方向に関して何れかの方向に、同じく下端部がこれと逆方向に、それぞれ変位する。この結果、上記エンコーダ14dの外周面の上下両端部にそれぞれの検出部を近接対向させた、上記両センサ15c、15dの検出信号の位相が、それぞれ中立位置に対して、逆方向にずれる。そこで、これら両センサ15c、15dの検出信号の位相のずれの向き及び大きさに基づいて、上記アキシアル荷重の向き及び大きさを求められる。
何れにしても、荷重測定装置付転がり軸受ユニットにより求めた荷重は、車輪(タイヤ)と路面との接触面(接地面)で生じている荷重と等価である。従って、この求めた荷重に基づいて車両の走行状態を安定化させる為の制御を行なえば、車両の姿勢が不安定になる事を予防する為のフィードフォワード制御が可能になる等、車両の走行安定性確保の為の高度な制御が可能になる。尚、上記モーメントを求める為のエンコーダは、図14に示す様な永久磁石製のものに限らず、磁性材製のものでも良い。磁性材製のエンコーダを使用する場合には、センサの側に永久磁石を組み込む。
以上に述べた様な荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、車輪を構成するタイヤの外周面と地面との接触部(接地面)から転がり軸受ユニットに加わる荷重(モーメントを含む)を求める事はできるが、前述の特許文献1〜3に記載された従来技術とは異なり、上記タイヤ内の空気圧を求める事に就いては、特に考慮してはいない。特許文献5には、この空気圧の変動に拘らず上記荷重を正確に求められる様にする為、荷重の測定値に関して空気圧による補正を加える技術が記載されている。この場合に使用する補正用の空気圧は、例えば上記特許文献1〜3に記載された従来技術と同様に、この空気圧を測定する為に設けた圧力センサにより得る。従って、仮に空気圧異常の有無を判定する為の判定装置を構成する場合、判定装置の製造コストが嵩む事に関しては、上記特許文献1〜3に記載された従来技術と変わらない。
特開2003−6779号公報 特開2003−157485号公報 特開2003−294560号公報 特開2005−31063号公報 特開2005−214744号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、タイヤ内の空気圧を測定する圧力センサを使用せずにこの空気圧の異常の有無を判定できる構造を実現し、この異常の有無を判定する為の判定装置の製造コストを抑えるべく発明したものである。
本発明の空気圧異常判定装置は、特許請求の範囲の請求項1に記載した様に、車輪と、車輪支持用転がり軸受ユニットと、荷重測定装置と、判定器とを備える。
このうちの車輪は、ホイールの周囲にタイヤを組み付けて成る。
又、上記車輪支持用転がり軸受ユニットは、上記車輪を懸架装置に対し回転自在に支持する為のものである。
又、上記荷重測定装置は、上記車輪に加わる荷重(接地面に加わるアキシアル荷重、或いは、このアキシアル荷重に基づいて上記車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に加わるモーメント)を求める。
更に、上記判定器は、上記荷重測定装置による測定値を表す荷重信号に基づいて、上記タイヤの空気圧の異常の有無を判定する。
上記判定器としては、例えば、請求項2に記載した様に、ステアリングホイールにより操舵輪に付与される舵角を表す舵角信号と、上記荷重信号とを比較する事により、空気圧異常の有無を判定する。
或いは、請求項3に記載した様に、判定器は、ヨーレイトセンサ、加速度センサ等の車体の挙動(車体に加わる力)を測定する車体挙動センサの出力信号と、上記荷重信号とを比較する事により、空気圧異常の有無を判定する。
或いは、請求項4に記載した様に、上記荷重信号の波形に基づいて、空気圧異常の有無を判定する。
或いは、請求項5に記載した様に、上記荷重信号に基づいて推定したタイヤの剛性値と、メモリ中に記録した正常状態でのタイヤの剛性値とを比較して、空気圧異常の有無を判定する。
この様な請求項5に記載した発明を実施する場合に、より具体的には、請求項6に記載した様に、車輪支持用転がり軸受ユニットに作用する荷重の作用点の移動量に基づいて、タイヤの剛性値を推定する。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した様に、車輪の回転速度を求める為の回転速度検出装置を備える。そして、判定器は、この回転速度検出装置により求められる車輪の回転速度を勘案して、空気圧異常の有無を判定する。
尚、本発明を実施する場合に使用する荷重測定装置の構造は、特に限定しない。但し、本発明の目的が、タイヤ内の空気圧の異常の有無を判定する為の判定装置の製造コストを抑える点にある事からして、車両の走行安定性確保等、他の目的に使用する為の荷重測定装置の信号を利用する事が好ましい。この点を考慮すれば、上記荷重測定装置としては請求項8に記載した様に、車輪支持用転がり軸受ユニットに組み込まれたものを使用する事が好ましい。
車輪支持用転がり軸受ユニットに組み込まれた荷重測定装置としては、前述の図2〜5で説明した様な、転動体の公転速度の変化に基づいて荷重を求めるもの、或いは、前述の図6〜10、13、14で説明した様な、1対のセンサの検出信号の位相差に基づいて荷重を求めるもの、或いは、前述の図11〜12で説明した様な、1個のセンサの検出信号のデューティ比に基づいて荷重を求めるものが、何れも利用可能である。
荷重測定装置は、車輪に加わる荷重を求める為のものである為、この車輪を構成するタイヤ内の空気圧が変動(低下)すると、上記荷重信号が変化する状態が変わる。そこで、この荷重信号の変化状態を観察すれば、上記空気圧が正常であるか否かを判定できる。
例えば、請求項2に記載した発明の様に、舵角信号と荷重信号とを比較する場合には、舵角信号が変化したタイミングと、荷重信号が変化したタイミングとのずれ(時間差)の大きさに基づいて、上記空気圧が正常であるか否かを判定できる。
即ち、上記空気圧が低下すると、車輪を構成するタイヤの横剛性が小さくなる。この為、ステアリングホイールの操作に伴って操舵輪に舵角が付与されてから、遠心力に基づいて車輪(操舵輪である前輪及び非操舵輪である後輪)と路面との当接面(接地面)でアキシアル荷重が発生する迄の間の時間遅れが、上記空気圧が低下する程大きくなる(応答性が低下する)。又、上記接地面で発生するアキシアル荷重のレベル(最大値或いは平均値)も変化する。即ち、このアキシアル荷重のレベルは、上記舵角が大きくなる程高くなるが、上記空気圧が低下してタイヤの潰れ量が多くなると、上記車輪を支持している車輪支持用転がり軸受ユニットに加わるモーメントが小さくなり、アキシアル荷重の測定値も低下する。
従って、ステアリングホイールの操作量を表す、上記舵角信号と、上記車輪支持用転がり軸受ユニットに加わる荷重を表す荷重信号とを、これら両信号同士の間に存在する位相差や、レベルの比の関係で比較すれば、上記空気圧の異常の有無を判定できる。尚、上記両信号同士の間に存在する位相差やレベルの比は、自動車の走行速度によっても変化する。従って、これら位相差やレベルの比較は、この走行速度を勘案した上で行なう。
又、請求項3に記載した発明の様に、車体の挙動を表す信号(車体挙動信号)と荷重信号とを比較する場合も、同様の考え方で、上記空気圧の異常の有無を判定できる。
即ち、タイヤの空気圧が低下すると、このタイヤを含む車輪の横剛性が小さくなり、自動車の足回りの剛性が変化(低下)する。そして、この車輪に関する接地面でアキシアル荷重が発生するタイミング及び発生したアキシアル荷重の大きさと、車体の挙動との関係(所謂車体の動特性)も変化する。
従って、ヨーレイトセンサや加速度センサ等の車体挙動センサが出力する車体挙動信号と荷重情報との比較から、上記タイヤの空気圧が異常であるか否かを判定できる。この場合も、上記車体挙動信号と上記荷重情報との関係は、自動車の走行速度によっても変化する。従って、これら車体挙動信号と荷重情報との比較は、この走行速度を勘案した上で行なう。
又、請求項4に記載した様に、荷重測定装置による測定値を表す荷重信号の波形に基づいて、空気圧異常の有無を判定する事もできる。この理由は、次の通りである。
即ち、空気圧の異常時(低下時)には、車輪を構成するタイヤの剛性が変化(低下)するので、例えばばね下部分(自動車の構成部材のうちで、懸架装置を構成するばねよりも路面側に存在する部分)の共振周波数が変化し、それに伴って荷重信号の波形の周波数特性が変化する。或いは、走行時に路面の凹凸に基づいて車輪側から入力される荷重が、動特性の変化したタイヤを経て車輪支持用転がり軸受ユニットに伝達されるので、正常時と異常時では、荷重信号の波形の周波数特性が変化する。従って、この荷重信号を観察する事により、上記空気圧の異常の有無を判定できる。この様な荷重信号の観察は、荷重測定装置を構成するセンサの出力信号を処理する為の回路、或いはこの出力信号から荷重を求める為の回路中で行なう。
尚、上述の様に空気圧の異常の有無を、上記ばね下部分の共振周波数の変化やタイヤの動特性変化に基づいて判定する方法の場合は、この判定を、上記荷重信号の変動に限らず、車輪支持用転がり軸受ユニットの振動を直接計測する事によっても行なえる。この場合には、この振動を計測する為のセンサ(Gセンサ)が必要になるが、上記荷重測定装置を構成するセンサの出力信号を処理する為の回路、或いはこの出力信号から荷重を求める為の回路にGセンサを付加するだけであるので、コスト上昇を抑えつつ、空気圧異常判定装置を実現できる。
又、請求項5、6に記載した様に、荷重信号に基づいて推定できる、車輪支持用転がり軸受ユニットに作用する荷重の作用点の移動量に基づいて、タイヤの剛性値を推定し、この剛性値と、メモリ中に記録した正常状態でのタイヤの剛性値とを比較しても、空気圧異常の有無を判定できる。
即ち、上記タイヤの剛性値は、このタイヤ内の空気圧とほぼ線形的な関係にあり、この空気圧の異常時(低下時)には、このタイヤ剛性も変化(低下)する。具体的には、進路変更時や傾斜地(幅方向に傾斜した路面)走行時に於ける、アキシアル荷重の変化に伴うタイヤの変形が、上記空気圧が正常である場合よりも大きく(変形量が多く)なる。このタイヤの変形が大きくなると、荷重着力点(タイヤと路面との接地面からこのタイヤに荷重が加わる範囲の中心点)の位置が、変形前の状態から、このタイヤの幅方向に関して、大幅に移動する。そして、車輪支持用転がり軸受ユニットの中心と、上記荷重着力点との位置関係が、上記タイヤの幅方向に関して変化する為、この車輪支持用転がり軸受ユニットに組み込んだ荷重測定装置により測定されるアキシアル荷重とモーメントとの関係が、空気圧が正常である場合に対して大幅に変化する事になる。
又、上記アキシアル荷重とモーメントとの関係は、上記荷重着力点と車輪支持用転がり軸受ユニットの中心との距離(車輪の回転半径)に基づいて一義的に定まり、この距離は、上記空気圧に応じて変化する。従って、上記アキシアル荷重とモーメントとの関係は、この空気圧に応じて一義的に推定できる。この為、これらアキシアル荷重とモーメントとの関係が著しく乱れた場合には、上記空気圧が異常に低下し、上記距離が著しく短くなったものと考える事ができる。更に、上記アキシアル荷重とモーメントとのうち、モーメントは、例えば前述の図14に示した構造で求められる。又、例えば前述の図10に示した構造で、エンコーダ14bの下端部外周面に対向している1対の磁気検出素子17、17が検出する検出信号の位相差に関する情報から、アキシアル荷重とモーメントとの合成力を求められる。そして、上記図10に示した構造で求めた合成力と、上記図14に示した構造で求めたモーメントとから(合成力からモーメントを減ずる事により)、上記アキシアル荷重単独の値を求められる。従って、次述する実施の形態の1例に示す様に、これら両構造を組み込めば、上記アキシアル荷重とモーメントとの両方を求め、更にこれらの関係を求められる。又、特願2005−256752号に係る構造を使用する事により、アキシアル荷重とモーメントとを同時に求める事ができる。この特願2005−256752号に係る構造は、上記図10に示した構造に加えて、エンコーダの上端部外周面に対向するセンサを設けた如きものであり、このエンコーダの上下両側に設けた各センサの位相差情報に基づいて、アキシアル荷重とモーメントとを求められる。何れにしても、これらアキシアル荷重とモーメントとの関係を求め、予め荷重演算器に付属させた判定器のメモリに記憶させた、空気圧が正常である状態での、上記アキシアル荷重とモーメントとの関係と比較すれば、上記空気圧の異常を判定できる。この様な方法でこの空気圧の異常の有無を判定すれば、各車輪毎に独立して判定できるだけでなく、走行速度の影響を受ける事なく判定できる。
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、車輪支持用転がり軸受ユニット31を構成するハブ11cの軸方向外端部に設けたフランジ部32に、制動用のディスク33と車輪34とを結合固定している。この車輪34は、ホイール35の外周縁にタイヤ36を装着して成る。又、上記ハブ11cの軸方向内端部に、磁性金属板製のエンコーダ14eを、このハブ11cと同心に固定している。このエンコーダ14eを構成する円筒部37には、前述の図10に示した先発明に係る構造と同様に、「ヘ」字形の透孔16c、16cを、円周方向に亙り等間隔に配置している。この様なエンコーダ14eの外周面には、3個のセンサの検出部を近接対向させている。
このうちの2個のセンサの検出部は、上記エンコーダ14eの外周面の下端部で、軸方向に離隔した2個所位置に対向させている。即ち、これらエンコーダ14eと2個のセンサとにより、前述の図10に示した先発明に係る構造と同様の、アキシアル荷重Fy を測定する構造を構成している。これに対して残り1個のセンサの検出部は、上記エンコーダ14eの外周面の上端部に対向させている。上記車輪支持用転がり軸受ユニット31にモーメントが加わらず、上記ハブ11cの中心軸と外輪1の中心軸とが一致している中立状態で、上記エンコーダ14eに対する、上記残り1個のセンサの検出部の対向位置と上記2個のセンサのうちの何れかのセンサの対向位置とは、上記エンコーダ14eの軸方向に関して一致している。即ち、上記残り1個のセンサと上記2個のセンサのうちの何れかのセンサとにより、前述の図14に示した先発明に係る構造と同様の(エンコーダを永久磁石製から磁性材製に変更した如き)、モーメントMx を測定する構造を構成している。
上述の様に構成する本例の構造によれば、上記各センサの検出信号から求められるアキシアル荷重Fy 及びモーメントMx に基づいて、前記タイヤ36内の空気圧が異常であるか否かを判定できる。即ち、前述した通り、このタイヤ36内の空気圧の異常時(低下時)には、このタイヤ36の剛性が低下し、進路変更時や傾斜地走行時に、図1の(A)に示す様に、大きく変形する。この様にタイヤ36の変形が大きくなると、荷重着力点の位置が、図1の(B)に示した、空気圧が正常でタイヤ36が変形していない状態から、このタイヤ36の幅方向に関して、大幅に(図1のδ1 分)移動する。そして、前記車輪支持用転がり軸受ユニット31の中心と、上記荷重着力点との位置関係が、上記タイヤ36の幅方向に関して変化する。この為、上記車輪支持用転がり軸受ユニット31に組み込んだ荷重測定装置により測定されるアキシアル荷重Fy とモーメントMx との関係が、図1の(B)に示した空気圧が正常である場合に対して大幅に変化する事になる。
又、上記アキシアル荷重Fy とモーメントMx との関係は、上記荷重着力点と車輪支持用転がり軸受ユニット31の中心との距離(車輪34の回転半径)に基づいて一義的に定まり、この距離は、上記空気圧に応じて変化する。即ち、図1の(B)に示した正常時の距離がRとした場合、上記空気圧低下時には上記タイヤ36がδ2 分押し潰される結果、この距離がR−δ2 になる。従って、上記アキシアル荷重Fy とモーメントMx との関係は、上記空気圧に応じて一義的に推定できる。この為、これらアキシアル荷重Fy とモーメントMx との関係が著しく乱れた場合には、上記空気圧が異常に低下し、上記距離R−δ2 が著しく短くなったものと考える事ができる。そこで、前述した構造により、上記アキシアル荷重Fy とモーメントMx との両方を求め、更にこれらの関係を求めてから、予め荷重演算器に付属させた判定器のメモリに記憶させた、空気圧が正常である状態での、上記アキシアル荷重Fy とモーメントMx との関係と比較すれば、上記空気圧の異常を判定できる。
以上の説明は自動車の全車輪を対象として、タイヤの空気圧が異常であるか否かを、個々の車輪毎に判定する場合に就いて行なった。但し、具体的な判定方法によっては、判定対象であるタイヤが前輪を構成するものであるか後輪を構成するものであるかにより、異常判定に関する精度が影響を受ける可能性がある。例えば、前述の請求項2に記載した様に、舵角信号と荷重信号とを比較する場合には、前輪のタイヤの空気圧の異常を精度良く判定し易い反面、後輪のタイヤの空気圧の異常の判定精度は、前輪に比べて低くなる。
この様な場合でも、後輪の異常判定の精度を確保する為には、本発明と所謂間接法とを組み合わせて、全車輪の空気圧の異常の有無を判定する事もできる。この場合に使用する間接法とは、前述した様に、全車輪の回転速度を比較する事により、何れかの車輪のタイヤの空気圧が異常に低下しているか否かを判定する(特に回転速度が速い車輪のタイヤの空気圧が低下していると判定する)方法である。この様な間接法による判定では、全車輪の空気圧が同時に低下してしまった場合には、異常を判定できない問題があった。これに対して、上記請求項2に記載した方法により、前輪の空気圧が異常であるか否かを精度良く判定できれば、上記間接法と組み合わせる事により、全車輪の空気圧が異常であるか否かを精度良く判定できる。
本発明の実施の形態の1例を示す断面図。 従来の荷重測定装置付転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。 この従来構造により荷重を求められる理由を説明する為の模式図。 各列の転動体の公転速度とラジアル荷重との関係を示す線図。 同じくアキシアル荷重と公転速度との関係を示す線図。 先発明に係る荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第1例を示す断面図。 この第1例に組み込むエンコーダの斜視図。 アキシアル荷重に基づいて1対のセンサの出力信号が変化する状態を説明する為の線図。 先発明に係る荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第2例に組み込むエンコーダの斜視図。 先発明に係る荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第3例を示す断面図。 同第4例を示す断面図。 この第4例に組み込むエンコーダの部分斜視図。 先発明に係る荷重測定装置付転がり軸受ユニットの第5例を示す断面図。 同第6例を示す断面図。
符号の説明
1、1a 外輪
2 外輪軌道
3、3a 取付孔
4 センサユニット
5 先端部
6a、6b 公転速度検出用センサ
7 回転速度検出用センサ
8、8a、8b、8c 転動体
9a、9b 保持器
10a、10b 公転速度検出用エンコーダ
11、11a、11b、11c ハブ
12 回転速度検出用エンコーダ
13 内輪軌道
14、14a、14b、14c、14d、14e エンコーダ
15、15a、15b、15c、15d センサ
16a、16b、16c 透孔
17 磁気検出素子
18 永久磁石
19 ホルダ
20 スプライン孔
21 凹部
22 凸部
23 支持環
24 組み合わせシールリング
25 スリンガ
26 第二エンコーダ
27 第二センサ
28 支持環
29 カバー
30a、30b 柱部
31 車輪支持用転がり軸受ユニット
32 フランジ部
33 ディスク
34 車輪
35 ホイール
36 タイヤ
37 円筒部

Claims (8)

  1. ホイールの周囲にタイヤを組み付けて成る車輪と、この車輪を懸架装置に対し回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットと、この車輪に加わる荷重を求める荷重測定装置と、この荷重測定装置による測定値を表す荷重信号に基づいて上記タイヤの空気圧の異常の有無を判定する判定器とを備える、空気圧異常判定装置。
  2. 判定器は、ステアリングホイールにより操舵輪に付与される舵角を表す舵角信号と、荷重信号とを比較する事により、空気圧異常の有無を判定する、請求項1に記載した空気圧異常判定装置。
  3. 判定器は、車体挙動センサの出力信号が表す車体の挙動と、荷重信号とを比較する事により、空気圧異常の有無を判定する、請求項1に記載した空気圧異常判定装置。
  4. 判定器は、荷重信号の波形に基づいて、空気圧異常の有無を判定する、請求項1に記載した空気圧異常判定装置。
  5. 判定器は、荷重信号に基づいて推定したタイヤの剛性値と、メモリ中に記録した正常状態でのタイヤの剛性値とを比較して、空気圧異常の有無を判定する、請求項1に記載した空気圧異常判定装置。
  6. 判定器は、車輪支持用転がり軸受ユニットに作用する荷重の作用点の移動量に基づいて、タイヤの剛性値を推定する、請求項5に記載した空気圧異常判定装置。
  7. 車輪の回転速度を求める為の回転速度検出装置を備え、判定器は、この回転速度検出装置により求められる車輪の回転速度を勘案して空気圧異常の有無を判定する、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した空気圧異常判定装置。
  8. 荷重測定装置が車輪支持用転がり軸受ユニットに組み込まれている、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載した空気圧異常判定装置。
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