JP2008120739A - 爆砕発酵バガス含有ace阻害剤 - Google Patents

爆砕発酵バガス含有ace阻害剤 Download PDF

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Sunao Inafuku
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哲也 藤野
Megumi Yonaha
恵 与那覇
Tomoko Kaneshiro
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Abstract

【課題】本発明は、副作用がなく安全性の高い、かつ経済的に安価で容易に入手し得る天然資源を利用した高血圧の予防・治療のためのACE阻害組成物やACE阻害作用を備えた機能性食品又は食品素材を提供する。
【解決手段】ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を有効成分とすること。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換させるアンジオテンシン変換酵素の活性を阻害するアンジオテンシン変換酵素活性阻害組成物(ACE阻害組成物)及び該阻害剤を含有する機能性食品又は機能性食品素材に関する。
現代社会においては、ライフスタイル(運動不足等)の変化や食の欧米化(脂肪過多等)、また、情報機器、制御機器を使うことが多い仕事や営業等の仕事の過多からくる強いストレス等の影響により、高血圧の症状をもつヒトが増加している。
高血圧症は、自覚症状が無く、放置すると心臓病、脳血管障害といった重大な疾患を二次的に引き起こす疾病であり、高血圧症の治療及び予防が大きな課題となっている。高血圧症には昇圧系であるレニン−アンジオテンシン系を司るアンジオテンシンI変換酵素(Angiotensin I Converting Enzyme 、以下ACEという)が深く関与することが知られている。ACEの作用により、アンジオテンシンIのC末端ジペプチドHis−leuがはずれて、活性を有するアンジオテンシンIIを生成する。アンジオテンシンIに生理活性がないのに対して、アンジオテンシンIIには強力な血管収縮作用、すなわち昇圧作用がある。また、ACEはキナーゼIIとも呼ばれ、強力な血管拡張作用のあるブラジキニン(bradykinin)を分解して昇圧に働く。したがって、これらの作用を有するACEを阻害することにより高血圧を予防ないし治療することが可能である。
ACE変換酵素を阻害する薬剤をACE変換酵素阻害薬又はACE阻害剤といい、このような作用を有する医薬製剤としてメチルドバ、ヒドララジン、クロニジン等が知られているが、高血圧の予防ないし治療は長期間摂取することが必要となるため、副作用が極めて低いことも重要な要因となる。そのため、高血圧を予防する原料として、副作用のない可食性の天然物資源を用いて加工、処理し、これを含む機能性食品又は機能性食品素材の開発が求められている。
食経験のある天然物資源を原料とする技術としては、例えば、鰯などの魚類や甲殻類を原料とし、この原料を加水分解した後、酵素を用いてインキュベートして加水分解液を得、その後、加水分解液を濾過、カラムクロマトグラフィー処理等することにより得られたACE活性阻害物質(例えば、特許文献1及び2参照)や、大豆蛋白を原料とし、蛋白質分解酵素を用いて分解し、その後、濾過し、ゲル濾過、イオン交換性ゲル濾過等により分離取得したACE活性阻害物質(例えば、特許文献3〜5参照)や、原料体(各種の食品蛋白質)に麹菌を接種して製麹し、この製麹処理による生成物に加水することにより加水分解して、前記原料体中にアンジオテンシン変換酵素阻害物質を生成せしめるアンジオテンシン変換酵素活性阻害物質を含有する生成物の製造方法(例えば、特許文献6参照)が知られている。
また、Jatoba(Hymenaea courbaril)の実の殻、グアバの葉、ムラヤコエンジ、オオバナサルスベリ、桑葉、西河柳、仙鶴草、ミサキノハナの抽出物、コンキオリン、コンキオリン加水分解物を無水コハク酸で処理した物の1種以上を配合した、高血圧症の予防、改善作用を有するアンジオテンシン変換酵素阻害剤および抗高血圧食品(例えば、特許文献7参照)や、シイタケ、レイシ、マイタケ、アガリクス、およびフサハリタケよりなる群から選択されるキノコの抽出物をサモアーゼまたはブロメラインで処理することによって得られる、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、特許文献8参照)が知られている。
さらに、ローヤルゼリー由来の蛋白質をAspergillus oryzae由来のプロテアーゼで加水分解する特定のアミノ酸配列を有するアンジオテンシンI変換酵素阻害ペプチドを含む、味のよい蛋白分解物の製造方法(例えば、特許文献9参照)が知られている。
しかしながら、食経験のある天然資源を利用するとしても、原料を、コスト面や流通面からみて、かつその一定量を恒常的に入手することができるものは限られており、これらを満足する原料を処理して得られるACE阻害剤や、この作用を有する機能性食品は知られていない。
特開平3−11097号公報 特開平4−74126号公報 特開平3−167198号公報 特開平4−74127号公報 特開平4−299991号公報 特開平7−289281号公報 特開2004−189662号公報 特開2006−257007号公報 特開2005−281145号公報
本発明は、副作用がなく安全性の高い、かつ経済的に安価で容易に入手し得る天然資源を利用した高血圧の予防・治療のためのACE阻害組成物やACE阻害作用を備えた機能性食品又は機能性食品素材を提供することを目的とする。
本発明者らは、サトウキビの絞りカスであるバガスの有効利用について鋭意研究しており、その製造方法として、バガスを蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理バガスに発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、原料となる蒸煮爆砕処理バガスの一部を用いて製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に蒸煮爆砕処理バガスを混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵して爆砕発酵処理バガスを得る方法を開発し、先に出願(特願2005−143327号)した。そして、得られた爆砕発酵処理バガスには、キシロビオースとキシロトリオ−ス等のキシロオリゴ糖、フェルラ酸等の抗酸化性物質、食物繊維に富むものであった。このように爆砕発酵処理バガスは、糖類、抗酸化性物質及び食物繊維を含有することから、医薬又は有用な食品素材として利用可能性の高いことが推察された。本発明者らは、さらに、研究を進め、爆砕発酵処理バガスにヒトメタボリックシンドローム改善作用、糖尿病を含むヒトメタボリックシンドローム改善作用、ヒト用抗酸化作用のあることを確認し、先に出願(特願2006−240332号)した。その後、それ以外の種々の医薬効果について鋭意検討した結果、上記バガスにヒトの降圧作用に関連するACE阻害活性を有することが認められ、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を有効成分とすることを特徴とするACE阻害組成物や、(2)ヘミセルロース含有植物資源がバガスであることを特徴とする上記(1)記載のACE阻害組成物や、(3)爆砕発酵処理食物繊維が、食物繊維を50重量%以上含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載のACE阻害組成物や、(4)爆砕発酵処理食物繊維が、食物繊維を50重量%以上含有し、キシロビオースとキシロトリオースを0.5%以上含有することを特徴とする上記(3)記載のACE阻害組成物に関する。
また本発明は、(5)爆砕発酵処理食物繊維が、食物繊維を50重量%以上含有し、100g中にフェルラ酸を1mg以上含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のACE阻害組成物や、(6)ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を含有し、ACE阻害活性の改善作用を有するものであることを特徴とし、ACE阻害活性改善のために用いられる旨の表示を付した機能性食品又は食品素材や、(7)ヘミセルロース含有植物資源がバガスであることを特徴とする上記(6)記載の機能性食品又は食品素材や、(8)ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を添加した食品又は食品素材を、ACE阻害活性改善用の食品又は食品素材として使用する方法に関する。
さらに本発明は、(9)ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維をACE阻害活性改善用の食品又は食品素材の配合剤として使用する方法や、(10)ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を食品又は食品素材に添加することを特徴とするACE阻害活性改善用の食品又は食品素材を製造する方法や、(11)ヘミセルロース含有植物資源がバガスであることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれか記載の方法に関する。
本発明の爆砕発酵処理食物繊維を含有する組成物は、何ら副作用を伴うことなくACE阻害活性作用に顕著な効果を奏することができ、また、黒糖に似たフレーバーを有するので、食品に添加して前記作用を有する一般食品として食することができる。
本発明のACE阻害組成物としては、ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を含有する組成物であれば、発酵処理後の液状物やその乾燥物など特に制限されるものではなく、上記ヘミセルロース含有植物資源としては、サトウキビから砂糖を製造する過程で複製されるサトウキビの圧搾カスであるバガスの他、イネやトウモロコシの芯、木等の不溶性キシランを含む他の植物資源を挙げることができる。以下、ヘミセルロース含有植物資源としてバガスを用いた場合を例にとって説明する。
ヘミセルロース含有植物資源としてバガスを用いた場合、本発明の爆砕発酵処理食物繊維を爆砕発酵処理バガスといい、かかる爆砕発酵処理バガスは、バガスを蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵する方法により得られることになる。
上記蒸煮爆砕処理としては、耐圧反応容器内で、高温・高圧の水蒸気によりバガスを蒸煮し、キシランをある程度加水分解させた後、耐圧反応容器に設けられたバルブを一気に開放し、瞬間的に大気圧に放出する処理であれば特に制限されず、この蒸煮爆砕処理により、加水分解による化学的反応と、水の断熱膨張による物理的反応の相乗効果によって、バガスを粉砕することができる。この蒸煮爆砕処理条件としては、1.0Mpa〜3.0Mpaで30秒〜10分、好ましくは2.0Mpa〜2.8Mpaで1〜5分、より好ましくは2.4Mpa〜2.6Mpaで60〜80秒を例示することができる。また、バガスをあらかじめ粉砕処理した後、蒸煮爆砕処理を行うことが好ましく、粉砕の程度としては、平均粒径2〜5mm、特に3〜4mm、中でも3.5mmの長さに粗粉砕することが好ましい。
蒸煮爆砕処理されたバガスは発酵基質と混合されるが、かかる発酵基質としては、小麦フスマ、米ヌカ、廃糖蜜等を例示することができるが、小麦フスマが好ましい。例えば、発酵基質として小麦フスマを用いる場合、蒸煮爆砕処理されたバガス100重量部に対して、小麦フスマを1〜50重量部、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは40〜45重量部配合することができる。製麹にあたっては、この混合物に加水して、水分含量を調整することが必要であり、水分含量が40〜60%、好ましくは45〜55%、より好ましくは約50%になるように加水する。
製麹に使用する麹菌としては、通常の製麹に用いられる麹菌を挙げることができ、具体的には、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)等を例示することができる。使用する麹菌としては、キシロオリゴ糖を多く含有する食品素材を得ることができることから、高キシラナーゼ活性を有する株が好ましい。このキシラナーゼによりヘミセルロースからキシロオリゴ糖が産生される。高キシラナーゼ活性株の調製方法として、紫外線や変異誘発剤を用いた変異株の調製方法も利用しうるが、安全性の点で単胞子分離を実施して得られる自然変異株が好ましい。キシラナーゼ活性は、キシランから40℃で1分間に1μmolのキシロースを遊離する活性を1単位として定義し、その測定方法としては、公知方法を利用することができる。高キシラナーゼ活性を有する麹菌としては、この条件により、0.35単位/g以上であることが好ましい。また、キシロオリゴ糖の中でも、キシロビオースやキシロトリオースを主として含むものが、キシロオリゴ糖の中でも胃酸に対する抵抗性が他のオリゴ糖に比べて高く、分解されず腸内に到達することから好ましい。爆砕発酵処理バガスに含有されるキシロビオースやキシロトリオースを主成分とするキシロオリゴ糖は、整腸作用等の観点から、3.9%以上が好ましく、かかるキシロビオースやキシロトリオースを主とするキシロオリゴ糖を3.9%以上含む爆砕発酵処理バガスを製造するため、麹菌として、アスペルギルス・ソーヤ(NFRI1147)から単胞子分離を実施して得られるキシラナーゼ活性の高い麹菌を用いることが好ましい。製麹は、28〜32℃、特に30℃で5〜7日培養することにより行うことが好ましい。
次いで、製麹した麹を水に分散し、この麹分散液に前記蒸煮爆砕処理バガスを混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵する。麹分散液に混合する蒸煮爆砕処理物として、製麹に用いた蒸煮爆砕処理物の5〜10倍量、好ましくは8〜9倍量を用いることができる。麹分散液に蒸煮爆砕処理バガスを混合した混合物に加水して、水分含量を調整することが必要であり、水分含量が40〜60%、好ましくは45〜55%、より好ましくは略50%になるように加水する。発酵は、28〜32℃、特に30℃で48〜72時間培養することにより行うことが好ましい。発酵後、発酵停止処理を実施することが、過発酵防止の点で好ましい。かかる発酵停止処理としては、80〜100℃の蒸気に30分間暴露する方法を具体的に例示することができる。
上記爆砕発酵処理バガスとしては、乾燥品が好ましく、特に乾燥微粉末が好ましい。この乾燥微粉末の平均粒径としては、1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは200〜300μmを好適に例示することができる。また、本発明の製造方法によって得られる爆砕発酵処理バガスとしては、キシロビオースやキシロトリオースを主成分とするキシロオリゴ糖を3.9%以上含有するものや、フェルラ酸等の抗酸化活性物質を含有して抗酸化活性を示すものや、酵素法により測定した食物繊維を50重量%以上含むものが好ましい。
次に、爆砕発酵処理食物繊維(爆砕発酵処理バガス)としては、食物繊維を50重量%以上含有するものや、食物繊維を50重量%以上含有し、キシロビオースとキシロトリオースを0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、中でも3%以上、特に3.9%以上含有するものや、食物繊維を50重量%以上含有し、100g中にフェルラ酸を1mg以上含有するものや、食物繊維を50重量%以上含有し、キシロビオースとキシロトリオースを0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、中でも3%以上、特に3.9%以上含有し、100g中にフェルラ酸を1mg以上含有するものが好ましい。
本発明のACE阻害組成物が有するACE阻害作用とは、アンジオテンシンI変換酵素(Angiotensin I Converting Enzyme 、ACE)がアンジオテンシンIのC端の2つ目のアミノ酸と3つ目のアミノ酸との間のペプチド結合を水解(C末端ジペプチドHis−leuがはずれる)してアンジオテンシンIIを生成するのを阻害する作用を意味する。アンジオテンシンIに生理活性がないのに対して、アンジオテンシンIIには強力な血管収縮作用、すなわち昇圧作用があることから、ACE阻害組成物の使用により、ACEの作用を阻害することができ、その結果、血管収縮作用や昇圧作用を阻止又は減じることができる。
本発明のACE阻害組成物は、ACE阻害剤として有用であり、サプリメントや医薬品として、あるいは食品に添加・配合して摂取することができる。
本発明の爆砕発酵処理食物繊維を含有するACE阻害組成物は、常法により錠剤、顆粒、カプセル、シロップ等製剤化して、健康サプリメントや医薬品として用いることができる。サプリメントや医薬品として用いる場合、それらの分野で通常用いられている賦形剤を配合することが好ましい。また、摂取量は、ヒトの体重、年齢、性別、症状等により異なり、特に症状に応じて1日当たりの投与量を決定するが、長期に服用することもできる。
本発明のACE阻害組成物は、含まれる爆砕発酵処理食物繊維(爆砕発酵処理バガス)が、黒糖に似たフレーバーを有し、一般食品に含有してもその食品の風味を損なうことがないので、食品に添加・配合して用いることができ、ACE阻害作用を奏する食品を容易に提供することができる。添加される食品としては、例えば、麺類、飴、クッキー、シリアル類、菓子類(スナック類)、ふりかけ類、畜産加工品類、魚肉加工品類、缶詰類、ジュース類、清涼飲料、栄養ドリンク剤等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[爆砕発酵処理バガスの製造方法]
(麹菌の選択)
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所の保存菌株であるアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)NFRI1147株の単胞子分離を実施し、各単胞子をPAD培地で生育させ、培養後の培養液中のキシラナーゼ活性を測定することにより、キシラナーゼ活性の高い自然変異株を選択した。3000rpmで10分間の遠心分離後の培養上清1g当たりのキシラナーゼ活性は、単胞子分離を実施する前の0.254Uから、0.351Uに上昇した。
上記キシラナーゼ活性の測定は、1%濃度の可溶性キシラン(シグマ社製)を含む100mMリン酸緩衝液(pH7.0)0.1mlに、同じ緩衝液に適当に希釈した培養上清0.1mlを加え、37℃、10分間反応させ銅試薬1.0mlを添加して反応を停止した。それに0.8mlの同緩衝液を加えて全量を2.0mlとし、生成した還元糖をソモギー・ネルソン(Somogyi-Nelson)法で測定した。すなわち、これを100℃、15分間加熱した後、流水で急冷し次いでネルソン液1.0mlを加え室温で20分間静置して発色させた。そこへ、純水7.0mlを加えて不溶物を遠心分離(3000rpm、10分間)により除去した後、500nmの吸光度を測定した。還元糖量は、キシロースを同様の系で測定して作成した検量線により求めた。なお、培養上清を加える前に銅試薬をあらかじめ加えて同様に発色させたものをブランクとした。また酵素活性単位は、1分間に1mmolの還元糖(キシロースとして)を生成する酵素量を1単位(U)とした。
(製麹工程)
乾燥バガス粉砕機を用いて平均粒径3.5mmの長さに粗粉砕し、反応釜(オートクレーブ)内に収容した後、反応釜に加熱水蒸気を送り込み、2.5Mpa(220℃),70秒間の蒸煮処理を行った後、反応釜から急激に水蒸気を排出し、圧力を瞬時に大気圧にまで戻すことにより爆砕処理を行った。この蒸煮爆砕処理を行ったバガス35kgに小麦フスマ15kgを混合し、水50Lを加水して水分が約50重量%となるように調整した後、単胞子分離により選択した麹菌を接種し、30℃、6日間培養して麹を製造した。
(発酵工程)
この製麹した麹を水70Lに分散し、麹の製造で用いた爆砕処理したバガス300kgに混合した。そして、水分が全体の50重量%となるように加水し調整した後、30℃、60時間の発酵処理した後、80〜100℃の蒸気に30分間暴露して発酵停止処理を行った。この発酵処理物をディスク型乾燥機(月島機械社製)を用い、乾燥温度80〜100℃(品温)で乾燥した後、微粉砕処理をして、平均粒径250μmの爆砕発酵処理バガスとした。この爆砕発酵処理バガスの栄養組成を表1に示す。
Figure 2008120739
表1に示されるように、爆砕発酵処理バガスは食物繊維に富み、キシロビオースとキシロトリオ−スを約4%含んでいる。なお、キシロビオースやキシロトリオ−スのキシロオリゴ糖の測定は、DX−500を用いHPLC法(日本ダイオネクス社製)に則り測定した。また、別法として、同じHPLC法であるが、カラム:Biorad Aminex Carbohydrate HPX-42A 300×7.8、flow rate1.0ml/minで移動相を水とし、カラム温度80℃にて測定した。
[阻害活性試験]
(サンプルの調製)
実施例1により製造された爆砕発酵処理バガスと対照例として用いた未処理バガスとの各サンプル10gを取り、10倍量の80%エタノールを加えて100mLとした。12時間静置後、抽出後ろ過し、残渣に同じく10mLの80%エタノールを加え、再度12時間静置抽出し、ろ過して分画前サンプルとした。合成吸着剤であるXAD−2を用いて、前記の爆砕発酵処理バガス80%エタノール抽出物及び未処理のバガス80%エタノール抽出物について、水、種々の濃度のメタノール及びアセトンの順序で、それぞれ600mLずつ使用し分画を行った。それによって、水画分、25%メタノール画分、50%メタノール画分、75%メタノール画分、100%メタノール画分、アセトン画分が得られた。
(ACE阻害活性)
得られた水抽出物は蒸留水に、それ以外については50%ジメチルスルホキシド(DMSO)にそれぞれ濃度が20mg/mLになるように溶解し、試験に供した。各サンプル15μLとACE50μLを混合後、37℃で5分間プレインキュベートし、その後塩化ナトリウムを含むホウ酸緩衝液に溶解した基質(Hippuryl-L-histidyl-L-leucine)125μLを添加して37℃、30分間反応させた。反応後、10%TFAを20μLを加え反応を停止させた。反応停止後、HPLCにより生成した各馬尿酸量(Hippuric-acid)を測定し、コントロールとして水を用いた場合をACE活性100%とした結果を図1に示す。
図1に示すように、分画前では、発酵バガスは未処理バガスより若干強い活性が確認でき、分画後では、75%及び100%メタノール画分において未処理バガスより強い活性が確認できた。以上より、バガスを爆砕発酵処理することでACE阻害活性が増加することが明らかにされた。
以上のとおり、高血圧の症状を有するヒトが、本発明に係る爆砕発酵処理バガスを摂取することにより、高血圧の症状を改善するのに有効であることがわかった。
(ドリンク)
本発明の醗酵バガス末と他の原料を、表2記載の配合量で、常法の製造方法により粉末ドリンクを製造した。高血圧の傾向にあるヒトが該粉末タイプのドリンクをお湯、水または低脂肪乳などに溶かして飲むことができ、また、薬としてではなく、食間の飲料として日常的、恒常的に飲みやすいものであった。
Figure 2008120739
本発明の爆砕発酵処理バガスと未処理バガスについて、XAD−2(合成吸着剤)使用における各溶媒による分画物のACE阻害活性測定の結果を示す図である。

Claims (11)

  1. ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を有効成分とすることを特徴とするACE阻害組成物。
  2. ヘミセルロース含有植物資源がバガスであることを特徴とする請求項1記載のACE阻害組成物。
  3. 爆砕発酵処理食物繊維が、食物繊維を50重量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載のACE阻害組成物。
  4. 爆砕発酵処理食物繊維が、食物繊維を50重量%以上含有し、キシロビオースとキシロトリオースを0.5%以上含有することを特徴とする請求項3記載のACE阻害組成物。
  5. 爆砕発酵処理食物繊維が、食物繊維を50重量%以上含有し、100g中にフェルラ酸を1mg以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のACE阻害組成物。
  6. ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を含有し、ACE阻害活性の改善作用を有するものであることを特徴とし、ACE阻害活性改善のために用いられる旨の表示を付した機能性食品又は食品素材。
  7. ヘミセルロース含有植物資源がバガスであることを特徴とする請求項6記載の機能性食品又は食品素材。
  8. ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を添加した食品又は食品素材を、ACE阻害活性改善用の食品又は食品素材として使用する方法。
  9. ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維をACE阻害活性改善用の食品又は食品素材の配合剤として使用する方法。
  10. ヘミセルロース含有植物資源を蒸煮爆砕処理し、この蒸煮爆砕処理物に発酵基質を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、麹菌により製麹し、得られた麹に加水し、麹が水に分散した麹分散液に前記蒸煮爆砕処理物を混合し、この混合物の水分含量を調整した後、発酵することにより得られる爆砕発酵処理食物繊維を食品又は食品素材に添加することを特徴とするACE阻害活性改善用の食品又は食品素材を製造する方法。
  11. ヘミセルロース含有植物資源がバガスであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか記載の方法。
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