JP2008120274A - ランフラット用支持体および空気入りランフラットタイヤ - Google Patents

ランフラット用支持体および空気入りランフラットタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】良好なリム組み性と耐リム外れ性とを確保すると共に、脚部の耐久性に優れたランフラット用支持体を提供する。
【解決手段】空気入りタイヤの内部に配設され、前記空気入りタイヤと共にリムへ組み付けられて、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持部と、前記支持部の軸方向両側に取り付けられた脚部と、を有し、脚部軸方向外側面に形成され脚部周方向に沿って延びるサイプを、前記脚部の少なくとも一方に複数有することを特徴とするランフラット用支持体。
【選択図】図3

Description

本発明はパンク等により内部空気圧が下がった場合にも、その状態のまま相当の距離を走行し得るようにタイヤの内部に配設されるランフラット用支持体および空気入りランフラットタイヤに関する。
空気入りタイヤでランフラット走行が可能なタイヤ(以降「ランフラットタイヤ」と呼ぶ)として、タイヤの空気室内におけるリムの部分に、金属製や合成樹脂製の中子(支持体)を取り付けた中子タイプのランフラットタイヤが知られている。
中子(支持体)の構成としては、主要構成部材として、ランフラット走行時にタイヤトレッド裏面と接して荷重を支持する支持部と、その両端にゴムなどの弾性体で作られる環状の脚部とを有し、この脚部を介してリムに取り付けられている。リム組み時には、支持体は軸方向内側に縮められ、その外側への拡張力によってタイヤおよびリムに固定され、また、この軸方向外側への拡張力によって、支持体がタイヤのビード部を軸方向に押さえつけ、ランフラット走行時のリム外れを防止し、支持強度を得る。
上記のような支持強度の確保と良好なリム組み性とを両立させる手段として、様々な方法が試されている。
例えば、支持部に貫通孔を形成することにより、タイヤ内に供給されるエアによって空気入りタイヤを容易にインフレートさせる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、同時にランフラット耐久性も劣るという懸念がある。また、タイヤビード部の内壁面に形成した段差に脚部を係合させることにより、支持体のタイヤ径方向への動き回りを抑制しリム組み性を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)が、リム組み時およびリム解き時における作業性が改善されるものではない。また、タイヤビードベースとリムシートとの間に挟み込まれる嵌合部を設けた座部(脚部)を形成することにより、支持体のタイヤ径方向への動き回りを抑制しリム組み性を得る方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)が、リム組み時およびリム解き時における作業性が改善されるものではないと共に、支持体の汎用性にも劣る。また、ホイール裏側でリムに嵌合する弾性リング(脚部)の内径をホイール表側でリムに嵌合する弾性リング(脚部)の内径よりも小さくすることにより、リム組み作業性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)が、リム組みの際方向に制限があるため自由度が低下すると共に、支持体の設計自由度も低下する。また、支持部に接合する側壁と支持部に対し非接合の底壁とを有する脚部を形成することにより、リム組み時には脚部の薄い部分(側壁部近傍)を屈曲点として容易に変形することでリム組み性を向上させ、一方ランフラット走行時には荷重を底壁を介した脚部の厚い部分で支持することにより耐久性を確保する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)が、ゴム(脚部)と金属(支持部)との接着強度が低下し、結果として耐久性が低下する問題があった。
ここで、パンクなどによってタイヤ充填内圧が低下した状態で継続走行すると、タイヤのビード部がリムのビードシートの部分から外れる、いわゆるリム外れが発生する恐れがある。ランフラット走行時のリム外れを防止するためには、リム組みされていない状態での支持体の一方の脚部と他方の脚部との幅(図1(B)に示す(a))を、リム組み後のタイヤビード部間の幅(図1(A)に示す(b))よりも広く、つまり(a)/(b)を1より大きくし、リム組みした際に幅方向(軸方向)に充分な拡張力を発生させることが効果的である。
しかし、リム組みおよびリム解き作業時には、支持体を軸方向に圧縮し、タイヤビード部および支持体の脚部をリムのドロップ部に落とし込む必要がある。そのため、支持体脚部の幅を広くし過ぎる、即ち(a)/(b)を大きくし過ぎると、それに伴ってリム組みおよびリム解き作業が困難になり、リム組み性が低下するという問題がある。
これに対し、脚部に分離部(切り込み)を形成することにより、リム組み性とランフラット走行時の耐リム外れ性とを両立した方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。しかし、リム組み時やリム解き時等において、前記分離部の脚部内先端に強力な力が何度もかかるような状況においては亀裂が生じる場合もあり、更なる耐久性の向上が望まれていた。
またこの他に、支持体脚部のタイヤへの対応面に凹部を設けることにより、該凹部に潤滑剤を保持させる支持体が提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかし、上記凹部は、タイヤビード部と脚部との摩擦を防止するための潤滑剤を保持する目的で設けられるものであり、上記凹部はある程度の開口(タイヤへの対応面側の開口)を有すると共に、空間(体積)を有することが要件である。また、上記凹部が形成される位置に関しても、タイヤへの対応面(タイヤ接触部分)に積極的に形成されるものである。
特開2004−051013号公報 特開2004−058718号公報 特開2004−058719号公報 特開2005−067446号公報 特開2004−058795号公報 特開2004−352013号公報 特開2004−181989号公報
本発明は、上記事実を考慮して、良好なリム組み性と耐リム外れ性とを確保すると共に、脚部の耐久性に優れたランフラット用支持体および空気入りランフラットタイヤを提供することを目的とする。
請求項1に記載のランフラット用支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され、前記空気入りタイヤと共にリムへ組み付けられて、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持部と、前記支持部の軸方向両側に取り付けられた脚部と、を有し、脚部軸方向外側面に形成され脚部周方向に沿って延びるサイプを、前記脚部の少なくとも一方に複数有することを特徴とする。
請求項1に記載のランフラット用支持体の作用を説明する。
従来においては、パンクなどによりランフラット走行となった場合、図2(A)に示すように、タイヤのビード部18がリム12のビードシート12Bの部分から外れ、いわゆるリム外れが発生することがあったため、支持体16をリム組みした時に軸方向に充分な拡張力を発生するように設計されていた。しかし一方で、リム組みおよびリム解き作業時においては、図2(B)に示すようにタイヤビード部18をリムドロップ部12Dに落とし込む作業が必要であり、支持体16が軸方向にタイヤビード部18を押し付ける力が強いと上記落とし込みの作業に支障が生じ、作業性が悪化するという問題があった。つまり、リム組み性(リム解き性)と耐リム外れ性とは背反する性能であった。
請求項1に記載のランフラット用支持体では、脚部の軸方向外側面に周方向に沿ってサイプを形成していることから、リム組み時およびリム解き時において上記サイプが開口することにより容易にタイヤビード部および支持体脚部をリムのドロップ部に落とし込むことができ、リム組み作業およびリム解き作業を容易に行うことができる。
また、当該支持体を備えた空気入りランフラットタイヤを車両に装着した場合、空気入りタイヤの内圧低下時には支持体が荷重を支持し、ランフラット走行が可能となる。ランフラット走行時には、支持体の径方向に車両重量が付加するため、支持体の脚部に設けたサイプは径方向の圧縮力を受けるため開口しない(サイプ巾(厚さ)が2.0mmよりも大きい場合には閉口する)。そのため、サイプがない場合と同等の拡張力(軸方向に充分な拡張力)を得ることができ、これによってタイヤのビード部を軸方向に押し付け、リム外れを防止することができる。
更に、上記サイプを脚部の少なくとも一方に複数有することから、リム組み時やリム解き時等に、サイプのサイプ底にかかるゴム歪が分散され、サイプ底一つあたりのゴム歪が低減されるため、サイプ底に発生する亀裂を効果的に抑制することができ、脚部の耐久性に優れた支持体とすることができる。
ここで、上記「サイプ底」とは、支持体を径方向外側から見た断面におけるサイプの脚部内側端をさし、また、後述の「サイプ外側端」とは、支持体を径方向外側から見た断面におけるサイプの基点(脚部外側端)をさす。
請求項2に記載のランフラット用支持体は、請求項1に記載の態様において、前記脚部がエラストマーで形成されたことを特徴とする。
請求項2に記載のランフラット用支持体の作用を説明する。
脚部がエラストマーで形成されるていることから、弾性の性質を持ち、ランフラット走行時の走行安定とリム組みおよびリム解きの作業容易性とを図ることができる。
請求項3に記載のランフラット用支持体は、請求項1または2に記載の態様において、前記サイプにおけるサイプ外側端とサイプ底とを結んだ直線Lの長さMが、前記脚部における直線Lを通る部分の幅Nとの間で、1/3≦M/N≦1/2の関係を有することを特徴とする。
請求項3に記載のランフラット用支持体の作用を説明する。
M/N≧1/3の関係を有することから、リム組み時およびリム解き時においてサイプが幅広く良好に開口し、タイヤビード部および支持体脚部のリムドロップ部への落とし込みがより容易に行うことができ、リム組みおよびリム解き作業性をより向上させることができる。一方、M/N≦1/2の関係を有することから、サイプを境に分断される両側の脚部を繋ぐ部分の肉厚が確保され、良好な脚部強度を保持することができる。
請求項4に記載のランフラット用支持体は、請求項1〜3の何れか1項に記載の態様において、前記サイプが、タイヤに組み付けられた際に該タイヤと接触しない位置に配設されていることを特徴とする。
請求項4に記載のランフラット用支持体の作用を説明する。
タイヤと接触しない位置にサイプが配置されていることから、リム組みおよびリム解き時に、サイプの開口しようとする動きがタイヤとの接触によって阻害されることがなく、良好に開口されるため、タイヤビード部および支持体脚部のリムドロップ部への落とし込みがより容易に行うことができ、リム組みおよびリム解き作業性をより向上させることができる。
請求項5に記載のランフラット用支持体は、請求項1〜4の何れか1項に記載の態様において、前記サイプが周方向に連続して延びることを特徴とする。
請求項5に記載のランフラット用支持体の作用を説明する。
サイプが周方向に連続して延びていることから、リム組みおよびリム解き時に脚部の周方向全周に渡ってサイプの開口が良好に行われ、リム組みおよびリム解き作業性をより向上させることができる。
請求項6に記載のランフラット用支持体は、請求項1〜5の何れか1項に記載の態様において、前記サイプにおけるサイプ外側端とサイプ底とを結んだ直線Lが、脚部軸方向に対して成す角度θが10°以下であることを特徴とする。
ここで、上記角度θは、上記支持体がリムに組み付けられた状態での角度をさす。
請求項6に記載のランフラット用支持体の作用を説明する。
サイプ底がサイプ外側端より支持体径方向内側に形成されている場合(直線Lが脚部内側に向かうにつれ径方向内側に向かっている場合)における角度θが10°以下であることから、リム組みおよびリム解き時に、タイヤビード部および支持体脚部をリムドロップ部へ落とし込むために必要な脚部の折れ曲がりを少なくする、即ち必要な開口を小さくすることができるため、上記落とし込みをより容易に行うことができ、リム組みおよびリム解き作業性をより向上させることができる。一方、サイプ底がサイプ外側端より支持体径方向外側に形成されている場合(直線Lが脚部内側に向かうにつれ径方向外側に向かっている場合)における角度θが10°以下であることから、ランフラット走行時に支持体にかかる荷重によって、サイプを境に分断される両側の脚部が良好に係合され、上記両側の脚部同士が滑ってずれることが効果的に防止され、支持体の軸方向外側への拡張力が良好に得られるため、リム外れをより効果的に防止することができる。
請求項7に記載のランフラット用支持体は、請求項1〜6の何れか1項に記載の態様において、前記サイプにおけるサイプ底が、サイプ巾寸法よりも大きな径寸法を有するように円弧状にえぐられていることを特徴とする。
請求項7に記載のランフラット用支持体の作用を説明する。
サイプ底がサイプ巾寸法よりも大きな径寸法を有するように円弧状にえぐられていることから、リム組み時やリム解き時等に、サイプのサイプ底にかかるゴム歪が分散されるため、サイプ底に発生する亀裂を効果的に抑制することができ、脚部の耐久性に優れた支持体とすることができる。
請求項8に記載のランフラット用支持体は、請求項1〜7の何れか1項に記載の態様において、前記脚部は、サイプ底の周囲が補強されていることを特徴とする。
請求項9に記載のランフラット用支持体は、請求項7に記載の態様において、前記サイプ底の周囲が繊維層によって補強されていることを特徴する。
請求項8および請求項9に記載のランフラット用支持体の作用を説明する。
サイプ底の周囲が、フェルト、寒冷紗、ワリフ等の織布や不織布(繊維層)によって補強されていることから、サイプ底における強度が増し、リム組み時やリム解き時等にサイプ底に発生する亀裂に対する耐久性を高めることができ、脚部の耐久性に優れた支持体とすることができる。
尚、上記の補強される範囲としては、少なくともサイプ底からサイプに沿って3mmの範囲が補強されていることが好ましい。
請求項10に記載の空気入りランフラットタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、を備えるタイヤと、前記タイヤを装着するリムと、前記タイヤの内側に配設され、前記リムに組み付けられる請求項1〜9の何れか1項に記載のランフラット用支持体と、を有することを特徴とする。
請求項10に記載の空気入りランフラットタイヤの作用を説明する。
支持体脚部に周方向に沿ってサイプを形成していることから、リム組み時およびリム解き時において上記サイプが開口することにより容易にタイヤビード部および支持体脚部をリムのドロップ部に落とし込むことができ、リム組み作業およびリム解き作業を容易に行うことができる。
また、ランフラット走行時には、支持体の径方向に車両重量が付加するため、支持体の脚部に設けたサイプは径方向の圧縮力を受けて閉じる。そのため、サイプがない場合と同等の拡張力を得ることができ、これによってタイヤのビード部を軸方向に押し付け、リム外れを防止することができる。
更に、上記サイプを脚部の少なくとも一方に複数有することから、リム組み時やリム解き時等に、サイプのサイプ底にかかるゴム歪が分散され、サイプ底一つあたりのゴム歪が低減されるため、サイプ底に発生する亀裂を効果的に抑制することができ、支持体脚部の耐久性に優れ、結果として耐久性に優れた空気入りランフラットタイヤとすることができる。
以上説明したように本発明のランフラット用支持体および空気入りランフラットタイヤによれば、良好なリム組み性と耐リム外れ性とを確保すると共に、脚部の耐久性に優れという優れた効果を有する。
本発明におけるランフラット用支持体および空気入りランフラットタイヤの実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、ランフラットタイヤ10とは、図3に示すように、一般的なホイルリム12に空気入りタイヤ14と支持体16とを組み付けたものをいう。
図3に示すように、支持体16を組み付けるリム12は、空気入りタイヤ14のサイズに対応した標準リムである。この実施形態における空気入りタイヤ14は、一対のビード部18と、両ビード部18に跨がって延びるトロイド状のカーカス20と、カーカス20のクラウン部に位置する複数(本実施形態では2枚)のベルト層22と、ベルト層22の上部に形成されたトレッド部24と、カーカス20のタイヤ軸方向外側をゴム層により覆って構成したタイヤサイド部25とを備える。この実施形態で示したタイヤは、一般的なタイヤ形状であるが、本発明は各種のタイヤ形状に適用できる。なお、図中「CL」はタイヤの軸方向中央のタイヤ赤道面を示している。
空気入りタイヤ14の内部に配設される支持体16は、全体としてリング状に形成されており、この支持体16には、リング状の高剛性支持部26が備えられている。支持部26は、円筒状の金属プレートから形成されている。この支持部26には、軸方向中央部に互いに離れた複数個(本実施の形態では2個)の拡径部26Aが形成され、その間に径方向内側に凸となる凹部26Bが形成されている。この拡径部26Aから見て凹部26Bと反対側(軸方向外側)の側面は、半径方向内側へ延長されたサイド部26Cとなっている。さらに、このサイド部26Cの径方向内側の部分には、軸方向に沿って延在するフランジ部26Dがそれぞれ形成されている。
支持部26の両側には、弾性体としての加硫済みゴム製の脚部28が接着されている。脚部28は、長手方向がリング状とされている。この脚部28は、図3に示すように、支持体16のリム組み時に空気入りタイヤ14の内側でリム12の外周にゴム弾性を利用して圧入等により組み付けられる。
脚部28に使用するゴム材料としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ウレタンゴム(U)等のエラストマーが挙げられ、これらは、単独で用いても、複数ブレンドして用いても良い。
また、これらのエラストマーは、充填剤を含有しており、硬度(Hd)は充填剤の量により調整する。これらのエラストマーに配合することのできる充填剤としては、カーボンブラック、CaCO、胡粉、シリカ等が挙げられる。
脚部28の硬度は、50〜95°(JIS A)であるのが良く、好ましくは、55〜90°であるのが良く、さらに好ましくは、60〜85°であるのが良い。硬度が50°未満であるとランフラット走行時に脚部28の変形が大きくなり十分に荷重を支えられないことがあり、硬度が95°を超えるとリム12への組付けが困難となることがあるためである。
脚部28には、脚部軸方向外側から(支持体径方向から見た断面図における形状が)直線状に切り込まれた複数(本実施形態では3つ)のサイプ30が形成されており、軸方向外側に向かって開口するようになっている。このサイプ30は、周方向において部分的に途切れている態様であってもよいが、より好ましくは周方向に沿ってリング状の脚部28の全周に渡って連続的に形成される。
次に、上記実施形態の作用を説明する。
サイプ30の開口について説明するため、図4(A)および図4(B)に、ランフラット走行時における本実施態様の支持体16と、リム組み時における本実施態様の支持体16とを示す。
図4(B)には、空気入りタイヤ14および支持体16のリム組み時において、脚部28の当接するタイヤビード部18がドロップ部12Dへ落とし込まれた状態が示されている。図示されるように、一方(図中では左側)のタイヤビード部18がドロップ部12Dへ落とし込まれた後、タイヤ軸方向反対側(図中では右側)の他方のタイヤビード部18および脚部28がリム12に落とし込まれて位置決めされる。従来においては、図2(B)に示すように、支持部26と脚部28とを大きく変形させてドロップ部12Dに落とし込む必要があった。
しかし、本実施形態においては、図4(B)に示すように、まず一方(図中では右側)の脚部28は、支持部26を介してタイヤ軸方向外側に向かって押圧され(矢印B方向)、他方の脚部28のタイヤ径方向内側(図中では下側)でタイヤ軸方向外側の端部28Aは、タイヤビード部18を介してリム傾斜部12Eによって押圧による移動が一旦阻止される。このために、脚部28にて複数のサイプ30を挟んでタイヤ径方向内側(図中では下側)の部分は、タイヤビード部18の内側面にほぼ沿って傾斜し、脚部28にて複数のサイプ30を挟んでタイヤ径方向外側(図中では上側)の部分は、初期の姿勢状態がほぼ維持され、複数のサイプ30はいずれもタイヤ軸方向外側から開口することになる。これにより、リム組み時において脚部28が軸方向内側へ変形し、リム組み作業を容易にすることができる。
この状態の後、タイヤビード部18はハンプ部12Cを乗り越えてビードシート部12Bに密着し、これに伴い、脚部28も、支持部26を介して作用する荷重および弾性復元力によってタイヤビード部18およびビードシート部12Bに当接する位置に設置される(図3参照)。
また、図4(A)に示すように、本実施形態におけるランフラットタイヤは、空気入りタイヤ14の内圧が低下した場合、空気入りタイヤ14のトレッド部24を支持体16が支持して走行可能とする。この際、路面からの衝撃がトレッド部24、支持体16、リム12を介して車体に伝達されるが、支持体16のリム12と当接する部分にはエラストマー製の脚部28が設けられているため、路面からの衝撃が緩衝される。
従来においては、ランフラット走行時には内圧がないため、脚部28が軸方向外側向きの拡張力(タイヤビード部18への押し付け力)が小さいと、図2(A)に示すようなリム外れ(ビード部18および脚部28のリムドロップ部12Dへの落ち込み)が発生していた。
しかし、本実施形態では、図4(A)に示すように、車重の作用で脚部28に対してサイプ30が開口しない(サイプ巾(厚さ)が2.0mmよりも大きい場合には閉口する)方向に荷重が作用する。結果として、サイプ30がない場合と同等の拡張力を得ることができ、タイヤビード部18を軸方向外側に向けて充分に押し付けることができるため、上記リム外れを効果的に防止でき、ランフラット走行時の支持強度を確保することが可能となる。
このように、本実施形態の支持体によれば、リム組み時およびリム解き時における良好な作業性が得られると共に、ランフラット走行時の支持強度を確保することができる。
また更に、一方の脚部28においてサイプ30を複数有しているため、リム組み時やリム解き時等に、サイプ30のサイプ底30Aにかかるゴム歪が分散され、サイプ底30A一つあたりのゴム歪が低減されるため、サイプ底30Aに発生する亀裂を効果的に抑制することができ、脚部28の耐久性を向上させることができる。
尚、サイプ30の形状(支持体径方向外側から見た断面図における形状)は、直線状、曲線状、階段状やそれらの組合せ等、いかなる形状であっても構わないが、良好な開口を実現する観点から、直線状であることが特に好ましい。
また、サイプ30の形成される方向は、図3に示すように支持体軸方向と平行であっても、図5(A)および図5(B)に示すように径方向外側向きや内側向きであっても良い。尚、より好ましくは、サイプ30が形成される角度(図6(A)に示すように、支持体16がリム12に組み付けられた状態において、前記サイプ30におけるサイプ外側端30Bとサイプ底30Aとを結んだ直線Lが脚部軸方向に対して成す角度θ)が10°以下であることが好ましい(図6(A)においては、分かりやすく表示するためサイプ30を1つだけ示した)。尚、角度θは更に5°以下であることがより好ましい。
また、図3に示すように、複数のサイプ30は、いずれもタイヤと接触しない位置に配設されることが好ましい。
また、各サイプ30の幅(図6(B)に示す、サイプの厚さK)は、ランフラット走行時に荷重によって良好に閉口し、支持体16による良好な拡張力を得る観点から、いずれも2mm以下であることが好ましい(図6(B)においては、分かりやすく表示するためサイプ30を1つだけ示した)。尚、厚さKは更に1.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが特に好ましい。
一方の脚部28に形成されるサイプ30の数は、2〜6本が好ましく、3〜5本が特に好ましい。上記本数であることにより、サイプ底30Aにおける亀裂の発生をより効果的に防止することができ、またサイプ30の数が多過ぎることによる脚部強度の低下を良好に抑制することができる。
また、前記サイプ30は、サイプ外側端30Bとサイプ底30Aとを結んだ直線Lの長さMが、前記脚部28における直線Lを通る部分の幅Nとの間で、1/3≦M/N≦1/2の関係を有することが好ましい。ここで、上記長さMおよび幅Nとは、上記直線Lが支持体軸方向と平行に形成されている場合には、図7(A)に示すように、サイプ外側端30Bとサイプ底30Aとを結んだ直線Lの長さM1および脚部28における直線Lを通る部分の幅N1を表し、直線Lが支持体軸方向に対して傾斜を持って形成されている場合には、図7(B)に示すように、サイプ外側端30Bとサイプ底30Aとを結んだ直線Lの長さM2および脚部28における直線Lを通る部分の幅N2を表す。
上記長さMと幅Nとの関係は、更に1/3≦M/N≦5/12の関係を有することが好ましい。
また、サイプ30のサイプ底30Aは、ゴム歪を分散する観点から、図3に示すように空洞にえぐられて形成され、サイプ巾寸法よりも大きな径寸法を有するように円弧状に丸穴加工されていることがより好ましい。円弧状の空洞の大きさは、直径φ0.2〜2.0mmが好ましい。
また、脚部28のサイプ底30Aの周囲は、万が一亀裂が生じたときの亀裂の進展抑制の観点から補強されていることが好ましく、特に、フェルト、寒冷紗、ワリフ等の織布や不織布(繊維層)によって補強されていることが好ましい。尚、上記の補強される範囲としては、サイプ底30Aを覆うようにしてサイプ30の両側(サイプ30の径方向外側および内側)を、少なくともサイプ底からサイプに沿って3mmの範囲が補強されていることが好ましく、更に4mmの範囲がより好ましく、5mmの範囲が特に好ましい。
次に、実験により本発明の効果を検証した。
まず、比較例1として、従来のサイプ30のない支持体16を用い、空気入りタイヤ14と共にリム12に組み付け、タイヤ・支持体・リム組立体準備した。
また、比較例2として、脚部28の幅が狭くタイヤビード部18を押す拡張力のない支持体16を用いた以外は上記比較例1と同様にして、タイヤ・支持体・リム組立体を準備した。
更に、実施例1として、比較例1の脚部28に3つのサイプ30を形成した支持体16を用いた以外は上記比較例1と同様にして、タイヤ・支持体・リム組立体を準備した。
<リム外れ性の評価>
排気量3000ccの前輪駆動乗用車の前輪に、上記比較例1、比較例2および実施例1のタイヤをそれぞれ取り付け、タイヤ内圧を0kPaとして、荷重条件として5名乗車し、Jターンリム外れ試験を実施した。尚、空気入りタイヤのサイズはPSR225/60R17、リム幅7.0Jで検討した。直線走行後、半径25mの円弧に沿って左旋回し、リム外れの有無を確認した。車両速度は30km/hから開始して、円弧に沿って走行できる限界速度まで5km/hずつ、最高60km/hまで速度を増加させていき、リム外れが発生する速度を確認した。
<リム組み作業時間の評価>
タイヤ・支持体組立体をリムに組み込むまでの作業時間を計測し、比較例1でのリム組み時間を(100)とした相対値を求めた。尚、指標が小さいほどリム組み作業時間が短いことを示す。
Figure 2008120274
(A)はリム組み後のタイヤビード部間の幅を、(B)はリム組みされていない状態での支持体の一方の脚部と他方の脚部との幅を、表す説明図である。 (A)は従来のランフラットタイヤにおいてリム外れが発生した状況を示す断面図であり、(B)は従来のランフラットタイヤにおいてリム組み時に脚部をリムドロップ部に落とし込んだ状況を示す断面図である。 本発明に係るランフラットタイヤの一例を示す断面図である。 (A)は図3に示すランフラットタイヤのランフラット走行時の状況を示す断面図であり、(B)は図3に示すランフラットタイヤのリム組み時の状況を示す断面図である。 (A)および(B)は本発明において脚部に形成されるサイプの別の態様を示す脚部の拡大図である。 (A)はサイプが形成される角度θを説明する説明図であり、(B)はサイプの厚さKを説明する説明図である。 (A)および(B)はサイプにおけるサイプ外側端とサイプ底とを結んだ直線Lの長さM、および脚部における直線Lを通る部分の幅Nを説明する説明図である。
符号の説明
10 ランフラットタイヤ
11 地面
12 リム
12A フランジ
12B ビードシート
12C ハンプ部
12D ドロップ部
12E リム傾斜部
14 空気入りタイヤ
16 支持体
18 ビード部
20 カーカス
24 トレッド部
25 タイヤサイド部
26 支持部
28 脚部
30 サイプ
30A サイプ底
30B サイプ外側端

Claims (10)

  1. 空気入りタイヤの内部に配設され、前記空気入りタイヤと共にリムへ組み付けられて、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持部と、前記支持部の軸方向両側に取り付けられた脚部と、を有し、
    脚部軸方向外側面に形成され脚部周方向に沿って延びるサイプを、前記脚部の少なくとも一方に複数有することを特徴とするランフラット用支持体。
  2. 前記脚部がエラストマーで形成されたことを特徴とする請求項1に記載のランフラット用支持体。
  3. 前記サイプにおけるサイプ外側端とサイプ底とを結んだ直線Lの長さMが、前記脚部における直線Lを通る部分の幅Nとの間で、1/3≦M/N≦1/2の関係を有することを特徴とする請求項1または2に記載のランフラット用支持体。
  4. 前記サイプが、タイヤに組み付けられた際に該タイヤと接触しない位置に配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のランフラット用支持体。
  5. 前記サイプが周方向に連続して延びることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のランフラット用支持体。
  6. 前記サイプにおけるサイプ外側端とサイプ底とを結んだ直線Lが、脚部軸方向に対して成す角度θが10°以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のランフラット用支持体。
  7. 前記サイプにおけるサイプ底が、サイプ巾寸法よりも大きな径寸法を有するように円弧状にえぐられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のランフラット用支持体。
  8. 前記脚部は、サイプ底の周囲が補強されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のランフラット用支持体。
  9. 前記サイプ底の周囲が繊維層によって補強されていることを特徴する請求項8に記載のランフラット用支持体。
  10. 一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、を備えるタイヤと、
    前記タイヤを装着するリムと、
    前記タイヤの内側に配設され、前記リムに組み付けられる請求項1〜9の何れか1項に記載のランフラット用支持体と、
    を有することを特徴とする空気入りランフラットタイヤ。
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