JP2008119484A - 変性されたアミン硬化剤を含むゴルフボール層組成物 - Google Patents

変性されたアミン硬化剤を含むゴルフボール層組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ゴルフボール層において使用するための、変性されたアミン硬化剤を含有する、ポリウレタンを主成分とするおよびポリウレアを主成分とする組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、該ゴルフボールの少なくとも一部が、ポリウレアプレポリマー、および硬化剤を含む組成物から製造され、該硬化剤が、少なくとも1種の一級アミン結合および少なくとも1種の二級アミノ結合を含むことを特徴とする、上記ゴルフボール。
【選択図】なし

Description

(関連出願との相互引照)
本件特許出願は、現在継続中の、2005年10月24日付で出願された米国特許出願第11/256,055号の一部継続出願であり、該米国特許出願は、現在米国特許第6,958,379号である、2003年4月9日付で出願された米国特許出願第10/409,144号の一部継続出願であり、後者の米国特許出願は、2002年2月6日付で出願された、米国特許出願第10/066,637号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、現在米国特許第6,435,986号である、1999年12月3日付で出願された、米国特許出願第09/453,701号の継続出願である。米国特許出願第10/409,144号は、また現在継続中の、2002年8月27日付で出願された、米国特許出願第10/228,311号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、更に現在米国特許第6,476,176号である、1999年12月17日付で出願された、米国特許出願第09/466,434号の継続出願であり、また現在継続中の、2001年9月13日付で出願された米国特許出願第09/951,963号の一部継続出願であり、また2002年8月6日付で出願された、米国特許出願第60/401,047号に対する優先権を主張している。これら特許出願の全開示事項を、ここに参考として組入れる。
本発明は、ゴルフボール層において使用するための、変性されたアミン硬化剤を含有する、ポリウレタンを主成分とするおよびポリウレアを主成分とする組成物に関するものである。特に、本発明の変性されたアミン硬化剤の使用は、一級および二級アミノ結合両者を組成物に与えることによって、反応速度の調節を可能とする。本発明の組成物は、ゴルフボールの任意の層、例えばカバー層、中間層、またはコア層において使用することができ、また任意の型のゴルフボール構成、例えば中実ゴルフボールまたは糸巻き式ゴルフボールで使用することを意図する。
ゴルフボール層用のポリウレタンを主成分とする組成物の使用は、最近の数十年間に渡って、増えつつある。特に、ジオールまたはアミン硬化剤によって硬化される、イソシアネートとポリオールとのプレポリマーから製造したポリウレタンを主成分とする組成物は、該材料の高い耐久性およびクラブで打撃を加えた際のソフトな「感触」のために、ゴルフボールのカバー層において使用されている。
しかし、より短い一巡並びに加工時間に対する要求が、ゴルフボールの製造業者らに、より迅速な硬化サイクルを持つ、ポリウレタンを主成分とする組成物の有利な諸特性をもたらす、他の材料の探索へと導いた。例えば、アミノ-末端を持つ硬化剤で硬化された、イソシアネートとポリアミドとのプレポリマーから製造される、ポリウレアを主成分とする組成物を、その極めて迅速な反応速度のために、ポリウレタンゴルフボール層用の、有力な置換または代替品として、ゴルフボール層において使用することが提案されている。更に、該系が触媒を全く必要としないことから、その反応機構は、極めて信頼度が高い。更に、ポリウレア組成物は、典型的に100%固体であることから、揮発性の有機化合物の使用は、全く排除される(少なくとも被膜の適用に関して)。
しかし、該イソシアネートに対する、該アミンの、高い自触媒活性のために、反応速度は、極めて迅速であって、製造中に制御することは不可能である。例えば、アンヒンダード一級ジアミンは、一般に迅速に反応する。更に脂肪族アミンは、より低い塩基性の下では、芳香族アミンよりもより急速に反応する。というのは、顕著な立体障碍が全く存在しないからである。事実、芳香族イソシアネートのo-位における置換基は、その反応性を著しく減じる。このことは、特に2-成分ポリウレア被覆系において顕著であり、該系は、高圧装置の使用、低い粘度のための予備加熱処理、加熱したホースの使用、および該迅速な硬化性材料の迅速な噴霧塗布のためのインピンジメント混合操作を必要とする。
故に、立体障碍を持つ二級アミン、例えばユニリンク(UNILINKTM) 4200(イリノイ州、デスプレーンズ(Des Plaines)の、UOP社から市販品として入手できる)、ハロゲン-含有硬化剤、および硫黄-含有硬化剤は、これら2-成分被覆系における、該イソシアネートとアミノ-末端を持つ硬化剤との反応の速度を下げる試みにおいて使用されている。更に、プロピレンカーボネートの添加が、この系の反応性を低下し、また流動および湿潤特性を改善することが示されている。この型の反応速度-改善溶液は、該被覆系に対して大幅に制限されるものと考えられる。
従って、該ゴルフボール技術においては、構造用ゴルフボール層において使用するために、ポリウレタンを主成分とするおよびポリウレアを主成分とする組成物の反応速度を改善するための方法に対する需要がある。事実、硬化剤における、該プレポリマーのイソシアネート基と該アミノ基との間の反応速度を改善して、ハロゲン基、硫黄置換された、または立体障碍のある二級ジアミンの使用無しに、生産効率および予想性を高める方法を提供することが、有利であると思われる。本発明は、このような解決策の提供を意図する。
そこで、本発明の目的は、ゴルフボール層において使用するための、変性されたアミン硬化剤を含有する、ポリウレタンを主成分とするおよびポリウレアを主成分とする組成物に関するものである。特に、本発明の目的は、変性されたアミン硬化剤の使用によって、一級および二級アミノ結合両者を組成物に与えることにより、反応速度の調節を可能とすることにある。
本発明は、コアおよびカバーを含むゴルフボールを提供するものであり、ここで該ゴルフボールの少なくとも一部は、ポリウレアプレポリマー、および硬化剤を含む組成物から製造され、該硬化剤が、少なくとも1つの一級アミン結合および少なくとも1つの二級アミノ結合を含む。一態様において、該硬化剤は、以下の式で表される:
Figure 2008119484
もう一つの態様において、該硬化剤は、以下の式で表される:
Figure 2008119484
本発明のこの局面において、該組成物は、本質的に、以下の式で示される結合からなるものであり得る:
Figure 2008119484
ここで、xは、約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は直鎖または分岐鎖の、約1〜約20個の炭素原子を持つ、芳香族および環式炭化水素鎖である。
一態様において、該ポリウレアプレポリマーは、イソシアネートとアミノ-末端を持つ化合物との反応生成物を含む。該組成物は、熱硬化性または熱可塑性である。上で論じたように、該組成物は、該ボールの任意の部分に含めることができるが、一態様において、該部分は、該ゴルフボールのカバーである。
本発明は、またコアとカバーとを含むゴルフボールに係り、ここで該コアおよびカバーの少なくとも一方は、a) イソシアネートと、少なくとも1種のヒドロキシ-末端を持つ化合物またはアミノ-末端を持つ化合物との反応生成物を含むプレポリマー;およびb) 硬化剤ブレンドを含む組成物で作られており、該硬化剤ブレンドは、以下の式で表される化合物:
Figure 2008119484
およびこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ-末端を持つ化合物を含有する硬化剤から製造されたものである。一態様において、該プレポリマーは、イソシアネートとアミノ-末端を持つ化合物との反応生成物を含む。もう一つの態様において、該組成物は、本質的に以下の式で示される結合からなるものであり得る:
Figure 2008119484
ここで、xは、約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は直鎖または分岐鎖の、約1〜約20個の炭素原子を持つ、芳香族および環式炭化水素鎖である。
本発明は、またコアおよびカバーを含むゴルフボールにも係り、ここで該カバーは、プレポリマーおよび硬化剤から作成された組成物を含み、また該硬化剤は、以下の式を持つ結合を含む:
Figure 2008119484
該式において、R1およびR2は、夫々独立に、約1〜約20個の炭素原子を持つアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を含む。
本発明のこの局面において、該プレポリマーは、アミノ-末端を持つ化合物とイソシアネートとの反応生成物を含むことができ、また該アミノ-末端を持つ化合物は、アミノ-末端を持つ炭化水素、アミノ-末端を持つポリエーテル、アミノ-末端を持つポリエステル、アミノ-末端を持つポリカプロラクトン、アミノ-末端を持つポリカーボネート、アミノ-末端を持つポリアミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
一態様において、該カバーは、約0.051cm(約0.02in)〜約0.089cm(約0.035in)なる範囲の厚みを持つ。他の態様において、該ゴルフボールは、更に該コアと該カバーとの間に設けられた層を含み、該層は第一のショアD固さを有し、また該カバーは第二のショアD固さを有し、かつ該第二のショアD固さ対該第一のショアD固さの比は、約0.7以下である。
本発明の更なる特徴並びに利点は、添付図面との関連で与えられる、以下の詳細な説明から、確認することができる。
本発明は、ゴルフボールの層を形成するのに使用する、ポリウレタンを主成分とするまたはポリウレアを主成分とする組成物を製造するための、プレポリマーと共に使用する、改善された硬化剤を目的とするものである。特に、本発明は、該硬化された組成物に、一級および二級アミノ結合両者を与える、アミノ-末端を持つ硬化剤を意図している。更に、本発明は、反応速度を調節するために、ベンゼンリングまたは窒素原子上に置換された嵩高い基を持つ、変性されたアミン硬化剤を目的とする。如何なる特定の理論にも拘泥するつもりはないが、これら二種の結合および/または置換された嵩高い基は、現時点においては、脂肪族または芳香族系何れに対しても、管理可能な反応速度をもたらすものと考えられている。
本発明の組成物は、従来のポリウレアおよびポリウレタン組成物を凌駕する、改善された硬化特性、例えば硬化時間および硬化度を持つ。従って、本発明の組成物は、ゴルフボールカバーおよびゴルフボールの他の層を形成する上で特に有用であり得る。更に、本発明の組成物は、ゴルフボールの被覆として使用するのに適したものであり得る。更に、様々な他のゴルフ用具およびその部品、例えばゴルフクラブヘッドのインサート、ゴルフシューズ等を、本発明の組成物を用いて、製造しおよび/または被覆することができる。
本発明の組成物
本発明の組成物は、ウレア結合またはウレタンおよびウレア結合の組合せを含むことができる。本発明の組成物の主成分は、一般にイソシアネート、ヒドロキシ-末端を持つまたはアミノ-末端を持つ化合物、および変性された硬化剤を含む。これら成分は、より高い光安定性を持つ、飽和状態のものであり得、即ち炭素-炭素二重結合を全く含まず、あるいは該組成物は、1種またはそれ以上の成分および光安定剤を含むことができる。本発明の組成物は、またブレンドの一部あるいは相互貫入ポリマーネットワークの一部であってもよく、および/または以下においてより詳しく議論されるような、様々な添加物を含むことができる。
以下においてより詳しく議論するが、該組成物は、プレポリマーあるいはワンショット法を利用して製造できる。例えば、本発明の組成物を製造するための適当な方法は、本発明の変性された硬化剤によって硬化される、プレポリマーの製造を含むことができる。一態様において、該プレポリマーは、アミノ-末端を持つ成分とイソシアネートとの反応によって製造することができる。もう一つの態様において、該プレポリマーは、ヒドロキシ-末端を持つ成分とイソシアネートとの反応によって製造される、プレポリマーから生成することができる。
硬化剤
一般に、公知のアミン硬化剤は、一般的に以下の式で表される第一アミノ結合:
Figure 2008119484
または以下の式で表される第二アミノ結合:
Figure 2008119484
の何れかを含んでいる(これら式において、R基に付いた下付番号は、有機置換基を区別するために付したに過ぎない)。
例えば、一級アミンは、アンモニアの誘導体であり、そこでは、一つの水素原子が、炭化水素単位で置換されており、また二級アミンは、アンモニアの誘導体であり、そこにおいては、2つの水素原子が、炭化水素単位により置換されている。一級アミンの例は、アニリン、メチルアミン、および1-プロピルアミンを包含する。二級アミンの例は、ジエチルアミンおよびピロリジンを含む。
一級アミノ結合または二級アミノ結合の何れかを含む、従来のアミン硬化剤とは対照的に、本発明の硬化剤は、少なくとも一つの一級アミノ結合および少なくとも一つの二級アミノ結合を含む、変性された硬化剤である。上で簡単に論じたように、二級アミンは、通常一級アミンよりも反応性が低い。というのは、その炭化水素基が、水素原子よりも大きいからである。この過度の嵩高さは、導入される反応試薬の、該窒素原子と相互作用する能力を減じる。従って、特定の理論に拘泥するつもりはないが、少なくとも一つの一級アミノ結合および少なくとも一つの二級アミノ結合を含む、アミン硬化剤は、一級アミンの迅速反応性の幾分かを残しているが、該アミン硬化剤が、その性質上、芳香族性であるか脂肪族性であるかとは無関係に、該二級アミノ結合を介して、幾分かの反応速度の調節可能性を獲得する。
例えば、幾つかの二級アミン硬化剤の場合において、その反応速度は、幾つかのイソシアネートに関して極めて遅い。故に、本発明の変性された硬化剤は、一般に脂肪族アミン硬化剤を基本とするものであり得るが、該窒素原子上の嵩高い基の一つは、一級アミノ結合を得るために置換することができる。特に、以下に示すような構造をもつ、4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンは、該二級アミノ基の一つを、一級アミノ基で置換して、適当な変性された本発明のアミン硬化剤、即ち4-アミノ-4'-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを生成するように、変性することができる:
Figure 2008119484
同様に、二級脂肪族アミン、即ち以下に示すような構造をもつ、1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサンは、該二級アミノ基の一つを、一級アミノ基で置換して、適当な変性された本発明のアミン硬化剤、即ち3,3'-ジメチル-4-アミノ-4'-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンを生成するように、変性することができる:
Figure 2008119484
図1に示したように、1,4-アミノ-4'-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンは、未変性の形態のもの、即ち4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンよりも低い反応性を持つ。同様に、3,3'-ジメチル-4-アミノ-4'-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンは、その未変性のもの、即ち1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサンよりも低い反応性を持つ。
更に、反応性は、イソシアネート基(NCO)の炭素原子上の正の負荷(positive load)を改善する置換基によって直接影響を受けることから、芳香族成分は、一般に脂肪族成分よりも、反応性がより高いので、本発明は、該芳香族成分を、該反応サイトの近傍に、嵩高い置換基を持つように改善することを意図する。事実、幾つかの芳香族硬化剤は、該化合物の芳香族性、該一級アミノ結合またはこれら両者のために、極めて迅速な反応速度を持つ。例えば、3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミンおよび3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミンは、その特性上芳香族性であり、また一級アミノ結合を持つ。故に、芳香族イソシアネートとの反応速度は、極めて早い。従って、本発明の変性アミン硬化剤は、一般的に公知の芳香族アミンを主成分とするが、そのベンゼンリングまたは窒素原子、またはこれら両者の上に、嵩高い置換基を持つように、変性することができる。例えば、N,N-ジ-sec-ブチル-m-キシレンジアミンが、本発明において適した硬化剤である。この化合物の構造は、以下の通りである:
Figure 2008119484
この化合物は、また1,3-ビス(sec-ブチルアミノ)キシレンとも呼ばれ、ユニリンク(UnilinkTM) M200なる商品名の下で、ドルフケタールケミカルズ(Dorf Ketal Chemicals)社から市販品として入手できる。図1に示したように、この化合物は、未変性の二級脂肪族アミン:4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンおよび1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン両者、並びに本発明の変性された硬化剤:3,3'-ジメチル-4-アミノ-4'-(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンよりも低い反応性を示す。
上記構造は、一般的に以下の構造で示されるように、少なくとも一つの一級アミノ結合および少なくとも一つの二級アミノ結合をもつものとする:
Figure 2008119484
しかし、本発明は、上記した特別な例に制限されるものではない。本発明の変性された硬化剤は、特に、任意の型のアミン硬化剤、例えば脂肪族、環状脂肪族、芳香族、ポリアミンアダクトであり得るが、該硬化剤は、ベンゼンリングまたは窒素原子(芳香族硬化剤の場合)上の、嵩高い基を置換するように、あるいは少なくとも一つの一級アミノ結合および少なくとも一つの二級アミノ結合を含むように、変性されていることを条件とする。本発明の変性された硬化剤を生成するのに使用できる、適当なアミノ-末端を持つ硬化剤は、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン;2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン;4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンおよびその誘導体;1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン;1,2-ビス(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン);1,3-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン)、異性体、およびこれらの混合物;ジエチレングリコールビス(アミノプロピル)エーテル;2-メチルペンタメチレン-ジアミン;ジアミノシクロヘキサン、異性体、およびこれらの混合物;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3-ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピラミン;ジエチルアミノプロピラミン;イミドビス(プロピラミン);モノエタノールアミン;ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン;ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;4,4'-メチレンビス-(2-クロロアニリン);3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミン;3,5-ジメチルチオ-2,6-トルエンジアミン;3,5-ジエチルチオ-2,4-トルエンジアミン;3,5-ジエチルチオ-2,6-トルエンジアミン;4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタンおよびその誘導体;1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン;1,2-ビス(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン;N,N'-ジアルキルアミノ-ジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエート;ポリテトラメチレンオキシドジ-p-アミノベンゾエート;4,4'-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチレンアニリン);4,4'-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン);m-フェニレンジアミン;p-フェニレンジアミン;N,N'-ジイソプロピルイソホロンジアミン(ハンツマン社(Huntsman Corporation)からジェフリンク(JefflinkTM) 754として入手できる);ポリオキシプロピレンジアミン;プロピレンオキシドを主成分とするトリアミン;3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノシクロヘキシルメタン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
一態様において、本発明の変性された硬化剤は、最高限度の光安定性を付与するために、脂肪族アミン硬化剤を主成分とするものである。従って、上記硬化剤のリストの中で、本発明による変性に適した、脂肪族アミノ-末端を持つ硬化剤は、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1-メチル-2,6-シクロヘキシルジアミン;2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン;4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタン;1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン;1,2-ビス(sec-ブチルアミノ)-シクロヘキサン;4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン);1,3-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン);ジエチレングリコールビス(アミノプロピル)エーテル;2-メチルペンタメチレン-ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;ジプロピレントリアミン;1,3-ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピラミン;ジエチルアミノプロピラミン;イミドビス(プロピラミン);モノエタノールアミン;ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン;ジイソプロパノールアミン;トリイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;N,N'-ジイソプロピルイソホロンジアミンおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
該変性されたアミノ-末端を持つ硬化剤の分子量は、好ましくは約64またはそれ以上である。一態様において、該アミン硬化剤の分子量は、約2,000またはそれ以下である。他の態様では、該アミノ-末端を持つ硬化剤は、約100〜約1,800なる範囲の分子量を持つ。更に別の態様では、該アミノ-末端を持つ硬化剤の分子量は、約150〜約1,700なる範囲にある。
例えば、上に示されたような変性された硬化剤、例えば一つの一級アミノ結合および一つの二級アミノ結合を含む化合物に加えて、本発明は、また少なくとも一つの一級アミノ結合および少なくとも一つの二級アミノ結合を含む、本発明の変性された硬化剤の提供をも目的とする。即ち、本発明の変性された硬化剤は、少なくとも以下の結合を含む:
Figure 2008119484
ここで、R基に付いた下付番号は、有機置換基を区別するために付したに過ぎない。更に、本発明の変性された硬化剤は、2つの一級アミノ結合および一つの二級アミノ結合を含むことができる。もう一つの態様において、本発明の変性された硬化剤は、1つの一級アミノ結合、1つの二級アミノ結合および一つの三級アミノ結合を含むことができる。
生成するポリウレタンおよびポリウレアエラストマーの剪断抵抗を、更に改善するために、三官能性の硬化剤をも使用して、架橋性の改善を補助することができる。このような場合において、トリオール、例えばトリメチロールプロパン、またはテトラオール、例えばN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等を、本発明の変性された硬化剤添加することができる。ポリウレタンおよびポリウレアエラストマーの架橋性を改善するのに有用なトリアミン硬化剤は、プロピレンオキシドを主成分とするトリアミン;トリメチロールプロパンを主成分とするトリアミン;グリセリンを主成分とするトリアミン;N,N-ビス{2-[(アミノカルボニル)アミノ]エチル}-ウレア;N,N',N"-トリス(2-アミノエチル)-メタントリアミン;N1-(5-アミノペンチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;1,1,2-エタントリアミン;N,N',N"-トリス(3-アミノプロピル)-メタントリアミン;N1-(2-アミノエチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;N1-(10-アミノデシル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;1,9,18-オクタデカントリアミン;4,10,16,22-テトラアザペンタコサン-1,13,25-トリアミン;N1-{3-[[4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブチル]アミノ]プロピル}-1,2,6-ヘキサントリアミン;ジ-9-オクタデセニル-(Z,Z)-1,2,3-プロパントリアミン;1,4,8-オクタントリアミン;1,5,9-ノナントリアミン;1,9,10-オクタデカントリアミン;1,4,7-ヘプタントリアミン;1,5,10-デカントリアミン;1,8,17-ヘプタデカントリアミン;1,2,4-ブタントリアミン;プロパントリアミン;1,3,5-ペンタントリアミン;N1-{3-[[4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブチル]アミノ]プロピル}-1,2,6-ヘキサントリアミン;N1-{4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブチル}-1,2,6-ヘキサントリアミン;2,5-ジメチル-1,4,7-ヘプタントリアミン;N1-(6-アミノヘキシル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;6-エチル-3,9-ジメチル-3,6,9-ウンデカントリアミン;1,5,11-ウンデカントリアミン;1,6,11-ウンデカントリアミン;N,N-ビス(アミノメチル)-メタンジアミン;N,N-ビス(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン;メタントリアミン;N1-(2-アミノエチル)-N2-(3-アミノプロピル)-1,2,5-ペンタントリアミン;N1-(2-アミノエチル)-1,2,6-ヘキサントリアミン;2,6,11-トリメチル-2,6,11-ドデカントリアミン;1,1,3-プロパントリアミン;6-(アミノメチル)-1,4,9-ノナントリアミン;1,2,6-ヘキサントリアミン;N2-(2-アミノエチル)-1,1,2-エタントリアミン;1,3,6-ヘキサントリアミン;N,N-ビス(2-アミノエチル)-1,2-エタンジアミン;3-(アミノメチル)-1,2,4-ブタントリアミン;1,1,1-エタントリアミン;N1,N1-ビス(2-アミノエチル)-1,2-プロパンジアミン;1,2,3-プロパントリアミン;2-メチル-1,2,3-プロパントリアミン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
単一の変性された硬化剤または変性された硬化剤のブレンドを使用して、該組成物を硬化することができる。本発明の変性された硬化剤は、またヒドロキシ-末端を持つ硬化剤と混合することも可能である。該ヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、1種またはそれ以上の飽和、不飽和、芳香族、環状基、またはハロゲン原子を含むことができる。適当なヒドロキシ-末端を持つ硬化剤は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;2-メチル-1,3-プロパンジオール;2-メチル-1,4-ブタンジオール;ジプロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;1,2-ブタンジオール;1,3-ブタンジオール;1,4-ブタンジオール;2,3-ブタンジオール;2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール;トリメチロールプロパン;シクロヘキシルジメチロール;トリイソプロパノールアミン;N,N,N',N'-テトラ-(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン;ジエチレングリコールビス(アミノプロピル)エーテル;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン;1,4-シクロヘキシルジメチロール;1,3-ビス-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]シクロヘキサン;1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}シクロヘキサン;ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);レゾルシノール-ジ(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体;ヒドロキノン-ジ(β-ヒドロキシエチル)エーテルおよびその誘導体;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3-ビス-{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;N,N-ビス(β-ヒドロキシプロピル)アニリン;2-プロパノール-1,1'-フェニルアミノビス;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
該ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤は、少なくとも約50なる分子量を持つことができる。一態様において、該ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤の分子量は、約2,000またはそれ以下である。更に別の態様では、該ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤は、約250〜約3,900なる範囲の分子量を持つ。例えば、一態様において、該ヒドロキシル-末端を持つ硬化剤は、PTMEGであり、これは約250〜約3,900なる範囲の分子量を持つ。ここで使用する分子量なる用語は、絶対重量平均分子量であるものと理解すべきであり、また当業者によって理解されている通りである。
該硬化剤ブレンドが、本発明の変性された硬化剤およびヒドロキシル-末端を持つ硬化剤を含む場合、得られる組成物は、以下において詳細に論じられるように、該プレポリマーが、ウレア結合のみを含む場合においてさえ、「真の」ポリウレアと呼ぶことはできない、ことを述べておくことは重要である。
本発明の別の局面において、本発明の変性された硬化剤は、凝固点降下剤を含む硬化剤ブレンドに含められて、固化を緩慢に開始する、また保存安定性の顔料分散液を含む硬化剤ブレンドを生成する。適当な凝固点降下剤および凝固点降下剤を使用した硬化剤ブレンドの製法の例は、米国特許第7,041,769号(この特許の全開示事項を、ここに参考として組入れる)に記載されている。特に、凝固点降下剤は、好ましくは顔料分散体の喪失を防止するが、該ゴルフボールの物性に影響を与えないように、該硬化剤の凝固点を適当な量だけ減じるのに十分な量で添加される。従って、本発明による硬化剤ブレンドは、例えば少なくとも一つの一級アミノ結合および少なくとも一つの二級アミノ結合を含む硬化剤と、凝固点降下剤とを含むことができる。もう一つの態様において、該硬化剤ブレンドは、ベンゼンリングまたは窒素原子(または両者)上に置換された、嵩高い基を持つ変性された硬化剤と、凝固点降下剤とを含むことができる。しかし、ここでも、該凝固点降下剤は、ヒドロキシル基を含むべきであり、得られる組成物は、「真の」ポリウレアではないが、この場合には、ウレアおよびウレタン結合両者を含むハイブリッド組成物である。
プレポリマー
上で論じた如く、本発明の組成物は、ポリウレアを主成分とするあるいはポリウレタンを主成分とするものであり得る。定義により、ポリウレアは、100%の反応性アミンを含み、かつヒドロキシル基-含有物質を全く含まないものである。しかし、「ポリウレア」は、しばしば最終製品におけるウレタン結合の存在に導く、ポリオールブレンドまたは他のヒドロキシル基-含有物質を含有する、ハイブリッド系を表すために、誤って使用されている。従って、本発明による「真の」ポリウレア組成物は、アミノ基のみを含み、ヒドロキシル基を含まない、変性されたアミノ-末端を持つ硬化剤またはそのブレンドで硬化される、ポリウレアプレポリマーの存在の結果である。これに対して、本発明のハイブリッドポリウレタン-ポリウレア組成物は、上記の如く、本発明の変性されたアミノ-末端を持つ硬化剤で硬化されたポリウレタンプレポリマー、または別の態様では、上記の諸特性を持つ、少なくとも一つの変性されたアミノ-末端を持つ硬化剤を含有する、本発明の硬化剤ブレンドで硬化されたポリウレアプレポリマーの存在の結果である。
故に、本発明において使用するプレポリマーは、イソシアネートと、ヒドロキシル官能性またはアミン官能性を持つ試薬との反応生成物であり得る。しかし、本発明の変性された硬化剤は、アミノ-末端を持つ(上記のように、硬化剤ブレンドにおいて使用されていない場合)ので、該反応試薬の選択は、本発明の組成物が「真の」ポリウレアであるか、あるいはハイブリッド、即ちポリウレタン-ポリウレア組成物であるかを決定する上で、決定的なものである。
本特許出願の目的にとって、ポリウレア組成物は、実質上ウレタン結合を含まない。換言すれば、ポリウレア組成物は、以下の一般的な構造で示される、ウレア結合のみを含む:
Figure 2008119484
ここで、xは鎖長であり、即ち約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は直鎖または分岐鎖の、約1〜約20個の炭素原子を持つ、芳香族および環式炭化水素鎖である。該プレポリマー中の過剰量のイソシアネート基は、該硬化剤上のアミノ基と反応して、追加のウレア結合を形成する。ここで使用する用語「実質上含まない」とは、5%未満、好ましくは1%未満、およびより好ましくは0.5%未満の指定された結合を含む組成物を意味する。
他方、ハイブリッドポリウレタン-ポリウレア組成物は、ウレア結合(上記のような)および以下の構造を持つウレタン結合両者を含んでいる:
Figure 2008119484
ここで、xは鎖長であり、即ち約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は直鎖または分岐鎖の、約1〜約20個の炭素原子を持つ、芳香族および環式炭化水素鎖である。これら両者の存在は、a) 本発明の変性された硬化剤で硬化された、イソシアネートと、ヒドロキシル官能基を持つ化合物とから生成されたプレポリマーの使用またはb) アミノ基およびヒドロキシル基両者を含む、本発明の硬化剤ブレンドで硬化された、イソシアネートと、アミン官能性を持つ化合物とから形成されたプレポリマーを使用したことの結果である。
当業者にとって入手可能な任意のイソシアネートが、本発明に従って使用するのに適している。本発明で使用するのに適したイソシアネートは、2またはそれ以上、例えば2〜4個のイソシアネート基を持ち、有機基と結合した、任意の化合物、例えば以下の式で表されるものを含む:
R-(NCO)x
ここで、Rは、原子価xを持つ任意の有機基である。一態様において、Rは直鎖または分岐した炭化水素部分、非-環式基、環式基、ヘテロ環式基、芳香族基、フェニル基、ヒドロカルビレン基、またはこれらの混合物である。例えば、Rは約6〜約25個、好ましくは約6〜約12個の炭素原子を持つヒドロカルビレン基である。別の態様では、Rは未置換または置換されている。例えば、幾つかの場合において、該環式または芳香族基は、夫々その2-位、3-位、および/または4-位、またはo-、m-、および/またはp-位において置換されていてもよい。置換基は、ハロゲン原子、第一、第二、または第三炭化水素基、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本特許出願の目的にとって、本発明の組成物の光安定性は、様々な方法で、即ち飽和成分、光安定化剤、白色体質顔料、またはこれらの混合物の使用を通して達成できるので、該プレポリマーにおいて使用するイソシアネートは、飽和、不飽和、またはこれらの混合物であり得る。例えば、本発明において使用するイソシアネートは、脂肪族(飽和)、環状脂肪族、芳香族脂肪族、芳香族(不飽和)、これらの任意の誘導体、および一分子当たり2またはそれ以上のイソシアネート基(NCO)を持つこれら化合物の組合せを含む。ここで使用する用語「飽和」とは、飽和脂肪族および脂環式ポリマー骨格、即ち炭素-炭素二重結合を持たないポリマーを含む組成物を意味する。ここにおいて使用するような、芳香族脂肪族化合物は、芳香族リングを含む化合物であって、該イソシアネート基が、該リングとは直接結合していないものとして理解すべきである。芳香族脂肪族化合物の一例は、テトラメチレンジイソシアネート(TMXDI)である。
該イソシアネートは、有機ポリイソシアネート末端を持つプレポリマー、低遊離イソシアネートプレポリマー、およびこれらの混合物であり得る。該イソシアネート-含有反応性成分は、また任意のイソシアネート官能性モノマー、ダイマー、トリマー、またはこれらのポリマーアダクト、プレポリマー、擬似プレポリマー、またはこれらの混合物を含むことができる。
本発明で使用することのできるイソシアネートの例は、2,2'-、2,4'-、および4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート(TODI);トルエンジイソシアネート(TDI);ポリマー状のMDI;カルボジイミド-変性液状4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート;p-フェニレンジイソシアネート(PPDI);m-フェニレンジイソシアネート(MPDI);トリフェニルメタン-4,4'-およびトリフェニルメタン-4,4”-トリイソシアネート;ナフチレン-1,5-ジイソシアネート;2,4'-、4,4'-、および2,2-ビフェニルジイソシアネート;ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)(ポリマー状のPMDIとしても知られている);MDIとPMDIとの混合物;PMDIとTDIとの混合物;エチレンジイソシアネート;プロピレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,3-ジイソシアネート;テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン-1,12-ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン;イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ビス(イソシアナトメチル)ジシクロヘキサン;2,4'-ビス(イソシアナトメチル)ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);HDIのトリイソシアネート;2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI)のトリイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;1,2-、1,3-、および1,4-フェニレンジイソシアネート;芳香族脂肪族イソシアネート、例えば1,2-、1,3-、および1,4-キシレンジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);任意のポリイソシアネートの三量体化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートのトリマー、テトラメチルキシレンジイソシアネートのトリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、およびこれらの混合物;任意のポリイソシアネートの二量体化ウレトジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、およびこれらの混合物;上記イソシアネートおよびポリイソシアネートから誘導された変性ポリイソシアネート;およびこれらの混合物を包含する、置換および異性化混合物を含むが、これらに限定されない。
飽和ポリウレアプレポリマーを製造する際には、以下の飽和イソシアネートが好ましく用いられる:エチレンジイソシアネート;プロピレン-1,2-ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート;テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン-1,12-ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4'-ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5-シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアナトメチルシクロヘキサンイソシアネート;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン;イソシアナトエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンジイソシアネート;4,4'-ビス(イソシアナトメチル)ジシクロヘキサン;2,4'-ビス(イソシアナトメチル)ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);HDIのトリイソシアネート;2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI)のトリイソシアネート;4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;およびこれらの混合物。2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートおよび2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートが、脂肪族化合物、即ち本発明において定義する飽和化合物であることを述べておくことは重要である。例えば、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートにおいて、該芳香族リングには、6個の水素原子が結合しているので、該リングは、環式リングに変換される。
芳香族脂肪族イソシアネートは、光安定性物質を製造するのに使用することも可能である。このようなイソシアネートの例は、1,2-、1,3-、および1,4-キシレンジイソシアネート;m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI);p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI);任意のポリイソシアネートの三量体化イソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートのトリマー、テトラメチルキシレンジイソシアネートのトリマー、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、およびこれらの混合物;任意のポリイソシアネートの二量体化ウレトジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、およびこれらの混合物;上記イソシアネートおよびポリイソシアネートから誘導された変性ポリイソシアネート;およびこれらの混合物を包含する。更に、該芳香族脂肪族イソシアネートは、本発明の目的にとって、上に列挙した飽和イソシアネートの何れかと混合することも可能である。
当業者にとって入手可能な任意のポリオールが、該ポリウレタンプレポリマーにおいて使用するのに適している。例示可能なポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。本発明のイソシアネートは、本発明の組成物により高い光安定性を付与するので、該ポリオールは、脂肪族(飽和)であっても、脂肪族でなくてもよい。しかし、該ポリオールが飽和でない場合には、該硬化された組成物は、好ましくは光安定剤を含む。
本発明において使用するのに適した、ポリエーテルポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);ポリテトラメチレンエーテルグリコールと2-メチル-1,4-ブタンジオールとのコポリマー(PTG-L);ポリ(オキシエチレン)グリコール;ポリ(オキシプロピレン)グリコール;エチレンオキシドキャップ(ポリオキシプロピレン)グリコール;ポリ(オキシプロピレンオキシエチレン)グリコール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当なポリカプロラクトンポリオールは、ジエチレングリコールで開始した、ポリカプロラクトン;プロピレングリコールで開始した、ポリカプロラクトン;1,4-ブタンジオールで開始した、ポリカプロラクトン;トリメチロールプロパンで開始した、ポリカプロラクトン;ネオペンチルグリコールで開始した、ポリカプロラクトン;1,6-ヘキサンジオールで開始した、ポリカプロラクトン;ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)で開始した、ポリカプロラクトン;エチレングリコールで開始した、ポリカプロラクトン;ジプロピレングリコールで開始した、ポリカプロラクトン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
適当なポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンブチレンアジペートグリコール;ポリヘキサメチレンアジペートグリコール;ポリヘキサメチレンブチレンアジペートグリコール;オルトフタレート-1,6-ヘキサンジオールポリエステルポリオール;ポリエチレンテレフタレートポリエステルポリオール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明で使用できる、ポリカーボネートポリオールの例は、ポリ(フタレートカーボネート)グリコール;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール;ビスフェノールAを含有するポリカーボネートポリオール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
炭化水素ポリオールは、ヒドロキシ-末端を持つ液状イソプレンゴム(LIR);ヒドロキシ-末端を持つポリブタジエンポリオール;ヒドロキシ-末端を持つポリオレフィンポリオール;ヒドロキシ-末端を持つ炭化水素ポリオール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明のプレポリマーを製造するのに使用することのできる、他のポリオールは、グリセロール;ヒマシ油およびその誘導体;ポリテール(Polytail) H;ポリテールHA;クラトン(Kraton)ポリオール;アクリル系ポリオール;カルボン酸、スルホン酸、またはリン酸根に基く、酸官能化ポリオール;飽和二量化脂肪酸から転化されたダイマーアルコール;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
疎水性骨格を基本とするポリオールを使用することによって、本発明のポリウレタン組成物は、疎水性骨格をもたないポリオールを含むポリウレタン組成物よりも、耐水性においてより高い。疎水性骨格を基本とするポリオールの、幾つかの非-限定例は、炭化水素ポリオール、ヒドロキシ-末端を持つポリブタジエンポリオール、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、およびポリエステルを含む。
当業者にとって入手可能な任意のアミノ-末端を持つ化合物が、該ポリウレアプレポリマーにおいて使用するのに適している。該アミノ-末端を持つ化合物は、アミノ-末端を持つ炭化水素、アミノ-末端を持つポリエーテル、アミノ-末端を持つポリエステル、アミノ-末端を持つポリカーボネート、アミノ-末端を持つポリカプロラクトン、およびこれらの混合物を含む。該アミノ-末端を持つセグメントは、一級アミン(NH2)、または二級アミン(NHR)の状態にあるものであり得る。硬化剤に関連して以下で議論する任意のアミノ-末端を持つ成分の何れも、該ポリウレアプレポリマーの製造のために使用できる。また、該ポリオール成分に関連して、該アミノ-末端を持つ化合物は、飽和または不飽和状態にあるものであり得る。一態様において、該アミノ-末端は、飽和状態にあるものであり得る。
本発明において使用する該アミノ-末端を持つ化合物の分子量は、約100〜約10,000なる範囲内であり得る。一態様において、該アミノ-末端を持つ化合物の分子量は、約500以上、好ましくは約1,000以上、またより一層好ましくは約2,000以上である。もう一つの態様において、該アミノ-末端を持つ化合物の分子量は、約8,000以下、好ましくは約4,000以下、およびより好ましくは約3,000以下である。例えば、一態様において、該アミノ-末端を持つ化合物の分子量は、約1,000〜約4,000なる範囲内にある。低分子量のポリエーテルアミンは、その高い反応性のために、固体ポリウレアを生成する傾向を持つ可能性があるので、より高い分子量のオリゴマーを、固体の生成を回避するために、使用することができる。
一態様において、該アミノ-末端を持つ化合物は、以下の一般的な構造を有する、アミノ-末端を持つ炭化水素を包含する:
H2N-[CnH2n]x-NH2; H2N-[CnH2n]x-NHR;またはRHN-[CnH2n]x-NHR
ここで、xは、鎖長であり、即ち1以上であり、nは好ましくは約1〜約12なる範囲にあり、またRは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物である。
該アミノ-末端を持つ化合物は、また以下の一般的な構造を有する、アミノ-末端を持つポリエーテルをも含む:
H2N-[CnH2nO]x-CnH2n-NH2; H2N-[CnH2nO]x-CnH2n-NHR;またはRHN-[CnH2nO]x-CnH2n-NHR
ここで、xは、鎖長であり、即ち1以上であり、nは好ましくは約1〜約12なる範囲にあり、またRは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物である。アミノ-末端を持つポリエーテルの一例は、ポリエーテルアミンである。しかし、イソシアネートとアミンとの迅速な反応および多くのウレア生成物の不溶性のために、ジアミンおよびポリエーテルの選択は、ポリウレアプレポリマーを首尾よく生成し得るものに制限されてしまう。一態様において、該ポリエーテル骨格は、テトラメチレン、プロピレン、エチレン、トリメチロールプロパン、グリセリン、およびこれらの混合物を基本とするものである。
適当なポリエーテルアミンは、メチルジエタノールアミン;ポリオキシアルキレンジアミン、例えばポリテトラメチレンエーテルジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシエチレンジアミン、およびポリオキシプロピレンジアミン;ポリ(エチレンオキシドキャップオキシプロピレン)エーテルジアミン;プロピレンオキシドを基本とするトリアミン;トリエチレングリコールジアミン;トリメチロールプロパンを基本とするトリアミン;グリセリンを基本とするトリアミン;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該プレポリマーの製造において使用する、該ポリエーテルアミンは、ジェファミン(JeffamineTM) D2000(テキサス州、オースチンの、ハンツマン社(Huntsman Corporation)により製造されている)である。
更に、該アミノ-末端を持つ化合物は、以下の一般的な構造を有する、アミノ-末端を持つポリエステルをも含む:
H2N-[R1CO2R2CO2]x-R1-NH2;H2N-[R1CO2R2CO2]x-R1-NHR;またはRHN-[R1CO2R2CO2]x-R1-NHR
ここで、xは、鎖長であり、即ち1以上、好ましくは約1〜約20なる範囲内であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物であり、R1およびR2は、直鎖または分岐した炭化水素鎖、例えばアルキルまたはアリール鎖である。
ポリカプロラクトンおよびポリアミンのコポリマーも、本発明の該プレポリマーの製造のために使用することができる。これらコポリマーは、ビス(2-アミノエチル)エーテルで開始されるポリカプロラクトン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、ポリオキシエチレンジアミンで開始されるポリカプロラクトン、プロピレンジアミンで開始されるポリカプロラクトン、ポリオキシプロピレンジアミンで開始されるポリカプロラクトン、1,4-ブタンジアミンで開始されるポリカプロラクトン、トリメチロールプロパンを主成分とするトリアミンで開始されるポリカプロラクトン、ネオペンチルジアミンで開始されるポリカプロラクトン、ヘキサンジアミンで開始されるポリカプロラクトン、ポリテトラメチレンエーテルジアミンで開始されるポリカプロラクトン、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。更に、以下の構造を有するポリカプロラクトンポリアミンを、本発明のポリウレアプレポリマーの製造において使用することができる:
Figure 2008119484
ここで、xは、鎖長であり、即ち1またはそれ以上、好ましくは約1〜約20なる範囲にあり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基の一種であり、またR1は、約1〜約20個の炭素原子を含む、直鎖または分岐した炭化水素鎖である。
Figure 2008119484
ここで、xは、鎖長であり、即ち1またはそれ以上、好ましくは約1〜約20なる範囲にあり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基の一種であり、またR1は、約1〜約20個の炭素原子を含む、直鎖または分岐した炭化水素鎖である。
もう一つの態様において、該アミノ-末端を持つ化合物は、以下の一般的な構造の一つで表される、アミノ-末端を持つポリカーボネートであり得る:
Figure 2008119484
ここで、xは、鎖長であり、これは好ましくは約1〜約20なる範囲内にあり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基の一種であり、またR1は、線状炭化水素鎖または主としてビスフェノールA単位またはその誘導体である。
アミノ-末端を持つポリアミンも、イソシアネート成分と反応させて、本発明のプレポリマー成分を生成することができる。適当なアミノ-末端を持つポリアミンは、以下のような構造を持つものを含むが、これらに限定されない:
Figure 2008119484
ここで、xは、鎖長であり、即ち1またはそれ以上であり、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、または環式基の一種であり、R1は、約1〜約12個の炭素原子を含む、アルキル基、フェニル基、または環式基であり、またR2は、約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖または分岐した)、フェニル基、または環式基である。
追加のアミノ-末端を持つ化合物も、本発明の該プレポリマーの製造において有用であり、その例はポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン);液状またはワックス状固体形状にある、ポリ(1,4-ブタンジオール)ビス(4-アミノベンゾエート);直鎖または分岐したポリエチレンイミン;約500〜約30,000なる範囲の平均分子量を持つ、低および高分子量ポリエチレンイミン;約200〜約5,000なる範囲の平均分子量を持つ、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2-アミノプロピルエーテル);約200〜約2,000なる範囲の平均分子量を持つ、ポリテトラヒドロフランビス(3-アミノプロピル)末端を持つもの;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。これら全ては、ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ(Aldrich)社から入手できる。
従って、一態様において、本発明のプレポリマーは、以下の構造式の一つで表される、ポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン)を含む:
Figure 2008119484
ここで、xおよびyは、鎖長であり、即ち約1よりも大きく、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物であり、R1は水素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、またはこれらの混合物であり、またR2は水素原子、メチル基、塩素原子、またはこれらの混合物である。一態様において、比:y:xは、約82:18〜約90:10なる範囲にある。換言すれば、該ポリ(アクリロニトリル-co-ブタジエン)は、質量基準で、約10〜約18%のアクリロニトリルを含むことができる。
もう一つの態様において、該プレポリマーは、以下の構造式の一つで表される、ポリ(1,4-ブタンジオール)ビス(4-アミノベンゾエート)を含む:
Figure 2008119484
ここで、xおよびnは、鎖長であり、即ち1またはそれ以上であり、またnは、好ましくは約1〜約12なる範囲にあり、RおよびR1は、直鎖または分岐した炭化水素鎖、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物であり、またR2は水素原子、メチル基、またはこれらの混合物である。一態様において、R1はフェニル基であり、R2は水素原子であり、かつnは約2である。
更に別の態様では、該プレポリマーは、以下の構造式の一つで表される、直鎖または分岐したポリエチレンイミンの少なくとも1種を含む:
Figure 2008119484
ここで、xおよびyは、鎖長であり、即ち約1よりも大きく、Rは、約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物であり、またR1は、水素原子、メチル基、またはこれらの混合物である。一態様において、R1は水素原子である。もう一つの態様において、該ポリウレアプレポリマーは、直鎖または分岐したポリエチレンイミンの混合物を含む。
更に別の態様において、本発明の該プレポリマーは、以下の構造式の一つで表される、ポリテトラヒドロフランビス(3-アミノプロピル)末端を持つ化合物を包含する:
Figure 2008119484
ここで、mおよびnは、鎖長であり、即ち1またはそれ以上であり、nは、好ましくは約1〜約12なる範囲にあり、mは好ましくは約1〜約6なる範囲にあり、Rは約1〜約20個、好ましくは約1〜約12個の炭素原子を含む任意のアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物の何れか一つであり、またR1およびR2は、水素原子、メチル基、またはこれらの混合物である。一態様において、R1およびR2は、両者共に水素原子であり、またmおよびn両者は、約2である。
更に、ジアミンおよびトリアミンを、該イソシアネートと共に使用して、本発明のプレポリマーを製造することも可能である。一態様において、UV安定剤または白色体質顔料を、後処理工程中に配合しようとする場合には、芳香族ジアミンを使用することも可能である。米国特許第5,484,870号は、本発明で使用するのに適した、適当な芳香族ジアミンを与えている。この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。例えば、有用な芳香族ポリアミンは、ポリメチレン-ジ-p-アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール-ビス(4-アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、ポリプロピレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート、およびこれらの混合物を含む。更に、本発明のプレポリマーの製造において使用することのできるトリアミンは、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、1,4-ジアゾビシクロ(2,2,2)-オクタン、N-メチル-N'-ジメチルアミノエチルピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、ビス-(N,N-ジエチルアミノエチル)-アジペート、N,N-ジエチルベンジルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N-ジメチル-β-フェニルエチルアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、および2-メチルイミダゾールを包含する。
疎水性セグメントを主成分とするアミノ-末端を持つ成分を使用することによって、本発明の組成物は、アミノ-末端を持つ親水性セグメントによって形成した組成物よりも、耐水性がより高いものとなり得る。従って、一態様において、該アミノ-末端を持つ化合物は、疎水性骨格、例えば不飽和または飽和炭化水素を主成分とする、アミノ-末端を持つ化合物を含む。アミノ-末端を持つ炭化水素の一例は、アミノ-末端を持つポリブタジエンである。
イソシアネート対アミノ-末端を持つまたはヒドロキシ-末端を持つ成分の比は、本発明による改善された硬化特性を持つ組成物を与える、任意の適当な比である。例えば、該イソシアネート対アミンまたはポリオールの比は、モル基準で、約1:0.75〜約1:1.5なる範囲であり得る。一態様において、該イソシアネート対アミンまたはポリオールの比は、約1:0.85〜約1:1.25なる範囲にある。更に別の態様では、該イソシアネート対アミンまたはポリオールの比は、約1:0.9〜約1:1.1なる範囲にある。
該プレポリマー中の未反応のNCO基の数は、該反応の速度、該組成物の結果的な硬さ等のファクタを調節するために変えることができる。例えば、未反応のイソシアネート基の質量%が増大するにつれて、その硬さも、幾分線形的に増大する。従って、該NCO含有率が、約10.5質量%である場合、該硬さは、約55ショアA未満であり、一方で一旦該NCO含有率が約15質量%に増大すると、該硬さは、約80ショアAを越える。
一態様において、イソシアネートのプレポリマー中に存在する、未反応イソシアネート基の数は、約14%未満である。例えば、該プレポリマーは、約5%〜約11%なる範囲の未反応NCO基、およびより一層好ましくは約6%〜約9.5%なる範囲の未反応NCO基を含むことができる。一態様において、該未反応NCO基の割合は、約3%〜約9%なる範囲にある。あるいはまた、該未反応NCO基の割合は、約7.5%以下、およびより好ましくは約7%以下である。もう一つの態様において、該未反応NCO基の含有率は、約2.5%〜約7.5%なる範囲、およびより好ましくは約4%〜約6.5%なる範囲にある。
該プレポリマーから、該遊離のイソシアネートモノマーを除去することができる。例えば、このストリッピングの後、該プレポリマーは、約1%以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。もう一つの態様において、該プレポリマーは、約0.5質量%以下の遊離イソシアネートモノマーを含むことができる。
エラストマーの加工
本発明のエラストマーを加工するために利用される、2つの基本的な方法がある。即ち、ワンショット技術およびプレポリマー技術であるが、本発明のポリウレタンを主成分とする、あるいはポリウレアを主成分とする組成物を与える限りにおいて、任意の適当な技術を利用することができる。例えば、該ワンショット技術では、該イソシアネート、該ポリオールまたはアミノ-末端を持つ化合物、および本発明の変性された硬化剤を、一段階で反応する。これに対して、該プレポリマー技術では、該プレポリマーを製造するために、該ポリオールまたはアミノ-末端を持つ化合物と該イソシアネートとの間の迅速な反応、およびこれに続く、該プレポリマーと本発明の変性された硬化剤との間の反応を必要とする。これらの反応試薬は、その反応の進行を可能とする、任意の適当な温度において結合し得る。例えば、該温度は、約0℃〜約82℃(約32°F〜約180°F)なる範囲であり得る。一態様において、該反応温度は、約24℃〜約77℃(約75°F〜約170°F)なる範囲内にある。もう一つの態様において、該反応は、約24℃〜約66℃(約75°F〜約150°F)なる範囲の温度にて起る。
何れの方法も、本発明の組成物を製造するために使用できるが、該プレポリマー技術は、一般に、構造層に対して、本発明の組成物を使用する場合に好ましい。というのは、この技術が、良好な化学反応の調節性をもたらし、また結果的により均一な特性をもつ該エラストマーを与えるからである。
該プレポリマーのNCO含有率および該硬化剤の当量重量の関数である、該プレポリマー対硬化剤の比に依存して、該注型適正のある、本発明のポリウレアを主成分とするまたはポリウレタンを主成分とする組成物は、その特性上熱硬化性または熱可塑性であり得る。例えば、本発明の注型適正のある、熱可塑性組成物は、線状ポリマーを含み、また典型的には、該プレポリマーをジオールまたは二級ジアミン、即ち架橋が起らないように、唯一つの利用可能な水素原子を含むジアミンで、水分の存在しない、1:1なる化学量論比で、硬化することによって、生成される。他方、本発明の熱硬化性組成物は、架橋されたポリマーであり、典型的にはジイソシアネートおよびポリオールの反応によって製造され、一級ジアミンまたは多官能性グリコール、例えば1個以上の水素原子を持つグリコールまたはアミンで硬化される。
組成物添加剤
追加の材料を、本発明の組成物に添加することができる。これら追加の材料は、触媒、湿潤剤、着色剤、蛍光増白剤、架橋剤、白色体質顔料、例えばTiO2、およびZnO、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、消泡剤、加工助剤、界面活性剤、および他の公知の添加剤を含むが、これらに限定されない。例えば、湿潤剤は、該顔料をより一層効果的に分散させるために、本発明の変性された硬化剤ブレンドに添加することができる。適当な湿潤剤は、特にバイク-ケムル&クロンプトン社(Byk-Chemle and Crompton Corporation)から入手できる。
酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、内部および外部可塑剤を包含する可塑剤、耐衝撃性改良剤、発泡剤、密度調節用フィラー、強化材料、および相溶化剤を、本発明の任意の組成物に添加することができる。当業者は、これら添加物の使用目的、またこれらの目的を満たすために使用すべきその量を認識しているはずである。
触媒
更に、該プレポリマーと該硬化剤との間の反応を促進する目的で、触媒を使用することができる。適当な触媒は、ビスマス触媒;亜鉛オクトエート;第一錫オクトエート;錫触媒、例えばジブチル錫ジラウレート(エアープローダクツ&ケミカルズ社(Air Products and Chemicals, Inc.)により製造されている、ダブコ(DABCOTM) T-12)、ジブチル錫ジアセテート(ダブコ(DABCOTM) T-1);第一錫オクトエート(ダブコ(DABCOTM) T-9);塩化錫(II)、塩化錫(IV)、ジブチル錫ジメトキシド(ファスカット(FASCATTM)-4211)、ジメチル-ビス[1-オキソンデシル]オキシ]スタネート(フォルメッツ(FORMEZTM) UL-28)、ジ-n-オクチル錫ビス-イソオクチルメルカプトアセテート(フォルメッツ(FORMEZTM) UL-29);アミン触媒、例えばトリエチレンジアミン(ダブコ(DABCOTM) 33-LV)、トリエチルアミン、およびトリブチルアミン;有機酸、例えばオレイン酸および酢酸;遅延触媒、例えばポリカット(POLYCATTM) SA-1、ポリカットSA-2、ポリカットSA-3等、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一態様において、該触媒は、ジブチル錫ジラウレートである。
使用する場合、該触媒は、好ましくは、該反応混合物中の該成分の反応を触媒するに十分な量で添加される。一態様において、該触媒は、該組成物の質量の、約0.001〜約5質量%なる範囲の量で存在する。例えば、錫触媒、例えばジブチル錫ジラウレートを使用する場合、該触媒は、好ましくは約0.005〜約1質量%なる範囲の量で存在する。他の態様では、該触媒は、約0.05質量%以上の量で存在する。別の態様では、該触媒は、約0.5質量%以上の量で存在する。
典型的には、該組成物の全量を基準として、約0〜約0.04質量%なる範囲の、低濃度での錫触媒の使用は、適当な反応速度を達成するために、高い温度の使用を必要とし、これは上記プレポリマーの分解に導く可能性がある。従来よりも高い濃度まで、該触媒の量を高めることにより、匹敵する硬化段階を維持しつつ、加工温度を減じることが可能となる。より高い触媒濃度の使用は、混合速度を減じることをも可能とする。従って、一態様において、該錫触媒は、該組成物を基準として、約0.01〜約0.55質量%なる範囲の量で存在する。もう一つの態様においては、約0.05〜約0.4質量%なる範囲の量の錫触媒が、該組成物中に存在する。更に別の態様において、該錫触媒は、約0.1〜約0.25質量%なる範囲の量で存在する。
密度-調節フィラー
フィラーは、レオロジーおよび混合特性、比重(即ち、密度-改善フィラー)、モジュラス、引裂き強さ、補強等に影響を与える目的で、本発明の該ポリウレタンおよびポリウレア組成物に添加することができる。これらフィラーは、一般に無機フィラーであり、また適当なフィラーは、多数の金属、金属酸化物および塩、例えば酸化亜鉛および酸化錫、並びに硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、クレー、タングステン、炭化タングステン、一連のシリカ、リグラインド(典型的には、約30メッシュの粒子に粉砕された、再生コア材料)、高ムーニー粘度ゴムリグラインド、およびこれらの混合物を包含する。
例えば、本発明の組成物は、当業者には公知である如く、広範囲に及ぶ密度-調節フィラー、例えばセラミックス、ガラス球(中実または中空、および充填または未充填)、および繊維、無機粒子、および金属粒子、例えば金属フレーク、金属粉末、酸化物、およびこれらの誘導体とブレンドすることによって、強化することができる。このようなフィラーの選択は、以下においてより詳細に説明されるように、即ちワンピース、ツーピース、多成分、または糸巻き等の、所望のゴルフボールの型に依存する。一般に、該フィラーは、4g/ccを越える密度を持つ無機フィラーであり、また問題とする層に含まれる該ポリマー成分の全質量に対して、約5〜約65質量%なる範囲の量で存在する。有用なフィラーの例は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、シリカ並びにこれらの他の公知の対応する塩および酸化物を含む。
フィラーは、また該コアの、あるいは特殊なボール、例えば、低スイングスピードの競技者にとって好ましい、低質量をもつボールの少なくとも一つの追加の層の質量を改善するために使用することができる。
発泡(blowing or foaming)剤
本発明の組成物は、少なくとも1種の物理的または化学的な発泡剤の添加によって、発泡させることができる。発泡ポリマーの使用は、ゴルフボールの設計者が、該ボールの密度または質量分布を調節して、慣性の角運動量(angular moment of inertia)を、また結果として該ボールのスピン速度および性能を調節することを可能とする。発泡材料は、またポリマー材料の使用量の節減により、可能なコスト低下をももたらす。
有用な発泡剤は、有機発泡剤、例えばアゾビスホルムアミド;アゾビスイソブチロニトリル;ジアゾアミノベンゼン;N,N-ジメチル-N,N-ジニトロソ-テレフタルアミド;N,N-ジニトロソペンタメチレン-テトラミン;ベンゼンスルホニル-ヒドラジド;ベンゼン-1,3-ジ-スルホニルヒドラジド;ジフェニルスルホン-3,3-ジスルホニルヒドラジド;4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド;p-トルエンスルホニルセミカルバジド;バリウムアゾジカルボキシレート;ブチルアミンニトリル;ニトロウレア;トリヒドラジノトリアジン;フェニル-メチルウランタン(uranthan);p-スルホニルヒドラジド;パーオキシド;および無機発泡剤、例えば重炭酸アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。空気、窒素、二酸化炭素等のガスを、射出成型工程中に、該組成物に吹き込むことも可能である。
更に、本発明の発泡組成物は、その成型工程中またはその前に、該組成物と微小球とをブレンドすることにより、製造することもできる。ポリマー製、セラミックス製、金属およびガラス製の微小球が、本発明において有用であり、またこれらは中実または中空であり得、また充填または未充填であり得る。特に、径約1,000μmまでの微小球が有用である。更に、米国特許第6,386,992号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されているように、液体窒素を発泡のために使用すると、本発明において使用するための、高度に均一な発泡組成物を製造することができる。
光安定剤および着色剤
本発明の組成物は、飽和および不飽和成分両者を含むことができる。また、飽和成分のみの使用は、不飽和成分によって発生する、経時に伴う黄変の問題を回避する上で役立つが、上記組成物の何れかに対する、様々なUV吸収剤および光安定剤の使用は、引張強さ、伸び、および色彩の安定性を維持する上でも役立つ可能性がある。該光安定化成分の使用は、また光劣化による、カバー表面の破壊を防止する上で役立つ可能性がある。故に、本発明の組成物は、そこに含まれる不飽和成分に起因する著しい黄変を回避するために、少なくとも1種の光安定化成分を含むことができる。ここで使用する光安定化剤は、ヒンダードアミン光安定化剤、紫外線(UV)吸収剤、および酸化防止剤を含むものと理解することができる。
適当な光安定化剤は、チヌビン(TINUVINTM) 292、チヌビン328、チヌビン213、チヌビン765、チヌビン770およびチヌビン622を含むが、これらに限定されない。これらのチヌビン製品は、NY州、タリータウン(Tarrytown)のチバスペシャルティーケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)社から入手できる。一態様において、該光安定化剤は、UV吸収剤であるチヌビン328であり、これは芳香族化合物に対して有用である。他の態様では、ヒンダードアミン光安定化剤であるチヌビン765を、芳香族または脂肪族化合物と共に使用する。更に、チヌビン292も、本発明の芳香族または脂肪族組成物と共に使用することができる。
上で論じたように、染料並びに蛍光増白剤および蛍光顔料を、本発明によって製造したポリマーを用いて作成したゴルフボールカバーに含めることができる。このような付随的な成分は、その所定の目的を達成し得る任意の量で添加することができる。
組成物ブレンド
本発明の組成物は、好ましくは約1〜約100%なる範囲の、ポリウレアを主成分とするポリマーを含むが、これらの組成物は、他の材料とブレンドすることもできる。一態様において、該組成物は、約10〜約90%なる範囲、好ましくは約10〜約75%なる範囲の量で、ポリウレアを主成分とするポリマーを含み、また約90〜約10%なる範囲、より好ましくは約90〜約25%なる範囲の量で、以下に記載するような、他のポリマーおよび/または他の材料を含む。ここにおいて特に述べない限り、全ての%は、問題とするゴルフボール層の全組成物の質量を基準とするものである。
本発明の組成物とブレンドするのに適した他のポリマー材料は、注型適正のある熱可塑性樹脂、カチオン性およびアニオン性ウレタンイオノマー、およびウレタンエポキシ樹脂、ポリウレタンイオノマー、ポリウレアイオノマー、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリリン(polyacrylin)、シロキサンおよびエポキシ樹脂またはそのブレンド、およびこれらの混合物を包含する。当業者は、本発明の組成物とこれらポリマー材料とのブレンド法については、十分に認識しているであろう。
適当なウレタンイオノマーの例は、米国特許第5,692,974号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている。適当なポリウレタンの他の例は、米国特許第5,334,673号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている。上に列挙したポリウレアイオノマーを製造するのに使用される適当なポリウレアの例は、米国特許第5,484,870号において論じられている。特に、米国特許第5,484,870号に記載のポリウレアは、ポリイソシアネートと、ポリアミン硬化剤とを反応させて、ポリウレアを生成することにより作られ、該ポリウレアは、ポリウレアプレポリマーと硬化剤とから生成される本発明のポリウレアとは区別される。エポキシ基含有硬化剤で硬化された、適当なポリウレタンの例は、米国特許第5,908,358号に記載されている。上記特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
ゴルフボールの構成
本発明の組成物は、任意の型のボール構成と共に使用することができる。例えば、本発明では、該ボールの所定の性能の型に依存して、ワンピース、ツーピース、スリーピース、およびフォーピース設計のゴルフボール、更に、二重コア、二重カバー、中間層、多重コア、および/または多層カバーを持つゴルフボールを含むが、これらに限定されない。即ち、本発明の組成物は、ゴルフボールのコア、中間層、および/またはカバーにおいて使用でき、これら各々は、単一層または多重層を含むことができる。ここで使用する用語「多(重)層」とは、少なくとも2つの層を意味する。
例えば、コアは、ワンピースコアまたは多層コアであり得、これらは両者ともに、中実、半-中実、中空、流体-充填または粉末-充填型であり得る。多層コアは、その上の追加のコア層または複数の追加のコア層を含む、最も内側の構成部品を持つものである。更に、本発明のゴルフボールが、中間層を含む場合、この層は、単一の、または複数のカバー層、単一または多重ピースコアと組合せ、単一層のカバーおよびコア両者と組合せ、あるいは多層カバーおよび多層コア両者と組合せることができる。該中間層は、内側カバー層または外側カバー層、あるいはゴルフボールの該内側カバー層と外側カバー層との間に設けられた、任意の他の層であってもよい。該コアと同様に、該中間層が含まれる場合、該中間層および該カバー層は、複数の層を含むことができる。任意の数または型の中間層およびカバー層を、必要に応じて使用できるものと理解すべきである。例えば、該中間層は、また中実、半-中実、中空、流体-充填または粉末-充填型中心の回りに巻付けられた、張力を掛けたエラストマー材料であってもよい。
本発明において使用できるボール構成の適当な型の、非限定的な例は、米国特許第6,056,842号、同第5,688,191号、同第5,713,801号、同第5,803,831号、同第5,885,172号、同第5,919,100号、同第5,965,669号、同第5,981,654号、同第5,981,658号および同第6,149,535号;並びに公開第US2001/0009310 A1号、同第US2002/0025862号、および同第US2002/0028885号に記載されているものを包含する。これら特許および公開特許出願の全開示事項を、ここに参考として組入れる。
層組成
ゴルフボールコア層
本発明によって作られるゴルフボールのコアは、中実、半-固体(中実)、中空、流体-充填、または粉末-充填式、ワンピースまたは多成分コアであり得る。ここで使用する用語「半-固体」とは、ペースト、ゲル等を意味する。当業者には公知の、任意のコア材料が、本発明のゴルフボールにおいて使用するのに適している。適当なコア材料としては、ゴム、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、trans-イソプレン等の熱硬化性材料、並びにイオノマー樹脂、ポリアミドまたはポリエステル等の熱可塑性材料、および熱可塑性並びに熱硬化性ポリウレタンエラストマーが含まれる。上記のように、本発明のポリウレタンまたはポリウレア組成物は、またコアを含む、ゴルフボールの任意の構成部品に組込むことができる。例えば、コア層は、本発明の少なくとも一つの該ポリウレアを主成分とする組成物を含むことができる。
ここで使用する用語「コアおよび中心」とは、一般的に、該ゴルフボールの最も内側の成分(構成部品)を表すのに、互換的に使用される。しかし、幾つかの態様において、該用語「中心」とは、多重コア層が存在する場合、即ち中心と外側コア層が存在する場合に使用される。
ゴルフボールの中間層
本発明のゴルフボールが、中間層、例えば内側カバー層または外側コア層、即ちゴルフボールの内側コア層と外側カバー層との間に設けられた任意の層を含む場合、この層は、熱硬化性および熱可塑性材料を含む、当業者には公知の任意の材料を含むことができる。一態様において、この中間層は、少なくとも部分的に、本発明のポリウレアを主成分とする組成物から作成される。
該中間層は、また、少なくとも部分的に、1種またはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー型の材料、例えばイオノマー、主としてまたは完全に非-イオノマー型の熱可塑性材料、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号に記載のポリウレア、ポリアミド、アクリル樹脂、およびこれらのブレンド、オレフィン系熱可塑性ゴム、スチレンとブタジエンとのブロックコポリマー、イソプレンまたはエチレン-ブチレンゴム、コポリ(エーテルアミド)、例えばPA州、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)によって市販されているペバックス(PEBAX)、ポリフェニレンオキシド樹脂またはそのブレンド、および熱可塑性ポリエステルから製造することができる。
例えば、該中間層は、低酸性イオノマー、例えば米国特許第6,506,130号および同第6,503,156号に記載されているもの、高酸性イオノマー、高度に中和されたポリマー、例えば米国特許出願公開第2001/0018375および同第2001/0019971号に記載されているもの、またはこれらの混合物から製造できる。該中間層は、また米国特許第5,688,191号に記載されているような組成物から製造することも可能である。これら特許および刊行物の全開示事項を、特別に参考としてここに組入れる。
ゴルフボールカバー
該カバー層は、ゴルフボールとクラブとの界面を与える。このカバーにとって望ましい諸特性は、特に、良好な成型適正、高い耐磨耗性、高い耐衝撃性、高い引裂き強さ、高いレジリエンス、および良好な離型性である。
該カバー層は、少なくとも部分的には、本発明のポリウレアを主成分とする組成物から作ることができる。該カバー層は、また上で論じたような組成物のブレンドで作ることもできる。例えば、一態様において、少なくとも一つのカバー層を、約10〜約90%なる範囲の量の、好ましくは飽和状態にある、ポリウレアを主成分とする材料、および約90〜約10%なる範囲の量の、他のポリマーおよび/または他の材料を含むブレンドから製造することができる。更に別の態様では、該カバー組成物は、約10〜約75%なる範囲の量のポリウレアを主成分とする材料、および約90〜約25%なる範囲の量の、他のポリマーおよび/または他の材料を含む。
本発明のポリウレアを主成分とする組成物を、コアまたは中間/内側カバー層に組込む場合、該カバー組成物は、中間層に関連して上の章で論じたような、一種またはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー材料を含むことができる。該カバーは、また少なくとも部分的に、該コアとの関連で上記したような、ポリブタジエン反応生成物から製造することも可能である。
本明細書の至る部分において論じたように、該組成物は、任意の公知の方法、例えば注入成型法、圧縮成型法、射出成型法、反応射出成型法等によって、該ゴルフボール上に成型することができる。当業者は、使用する成型法が、少なくとも部分的には、該組成物の特性によって決定できるものであることを理解するであろう。例えば、注入成型法は、該材料が熱硬化性である場合に好ましく、一方で圧縮成型法または射出成型法は、熱可塑性組成物に対して好ましい方法であり得る。
層の製法
本発明のゴルフボールは、圧縮成型法、フリップ成型法、射出成型法、格納式ピン射出成型法、反応射出成型(RIM)法、液体射出成型(LIM)法、注入成型法、真空成型法、粉末塗布法、フローコーティング法、回転塗布法、浸漬法、噴霧法等の、様々な適用法を用いて製造できる。従来、圧縮成型法および射出成型法は、熱可塑性物質に対して適用され、一方で、RIM、即ち液体射出成型法、および注入成型法は、熱硬化性物質に対して利用されている。これらのおよび他の製造方法は、米国特許第6,207,784号および同第5,484,870号(これらの特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている。当業者は、特定の層に対して使用する成型法が、少なくとも部分的には、該組成物の特性によって決定できるものであることを理解するであろう。例えば、注入成型法は、該材料が熱硬化性である場合に好ましく、一方圧縮成型法または射出成型法は、熱可塑性組成物に対して好ましい方法であり得る。
本発明のコアは、当業者には公知の任意の適当な方法により製造できる。該コアが、熱硬化性物質で作られる場合には、圧縮成型法が、該コアの製法として特に適した方法である。他方、熱可塑性材料のコアを持つ態様において、該コアは、射出成型することができる。更に、米国特許第6,180,040号および同第6,180,722号は、二重コアを持つゴルフボールの製法を開示している。これらの特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる。
該中間層は、当業者には公知の任意の適当な方法を用いて、製造することもできる。例えば、中間層は、吹込成型法によって製造し、また射出成型法、圧縮成型法、注入成型法、真空成型法、粉末塗布法等によって形成された、ディンプルを持つカバー層で覆うことができる。
本発明のポリウレタンを主成分とするおよびポリウレアを主成分とする材料は、様々な適用技術、例えば当分野において周知の噴霧法、圧縮成型法、浸漬法、回転塗布法、注入成型法、またはフローコーティング法を利用して、内側ボール上に適用することができる。一態様において、該ポリウレアを主成分とする材料は、注入成型法と圧縮成型法との組合せを利用して、該コア上に成型することができる。しかし、上記のプレポリマー/硬化剤比は、本発明の組成物が熱硬化性であるか、熱可塑性であるかを決定する上で、大きな役割を果たすので、本発明の組成物を、ボール上に成型する方法は、該組成物の特性に依存して変えられるであろう。例えば、本発明の熱可塑性ポリウレア組成物は、射出成型または圧縮成型法によって、該ボール上に成型することのできる熱可塑性ペレットを製造するのに使用できる。熱硬化性ポリウレア組成物は、該ボール上に注入成型することができる。更に、本発明の熱可塑性および熱硬化性ポリウレア組成物両者も、反応射出成型(RIM)法および液体射出成型(LIM)法を利用して、該コアの周りに成型することができる。
米国特許第5,733,428号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)は、ゴルフボールコア上に、ポリウレタンを主成分とするカバーを形成する方法を開示している。この方法は、ゴルフボールカバーとしての、熱硬化性および熱可塑性材料両者の注入成型の利用に関連しており、ここで該カバーは、金型部分に該材料を導入し、かつ混合することによって、該コアの周りに形成されるので、該ポリウレアを主成分とする組成物は、同一の注入成型法を利用して製造することもできる。
同様に、米国特許第5,006,297号および同第5,334,673号両者も、本発明のポリウレアを主成分とするおよびポリウレタンを主成分とする組成物を適用するのに利用することのできる、適当な成型技術を開示している。しかし、本発明の方法は、これら技術の使用に限定されず、当業者には公知の他の方法を利用することも可能である。例えば、該ボールのコアを支持する他の方法を、部分的な真空生成法の代わりに利用することができる。
ゴルフボールの後処理
本発明のゴルフボールは、更なる利益を得るために、塗装し、被覆し、または表面処理することができる。例えば、ゴルフボールは、極めて平滑な粘着性を持たない表面を得るために、本発明の該ポリウレアを主成分とする組成物で被覆することができる。本発明の該ポリウレアを主成分とする組成物以外にも、他の被覆材料、例えばウレタン、ウレタンハイブリッド、エポキシ樹脂、ポリエステルおよびアクリル系樹脂を、本発明により製造したゴルフボールを被覆するために使用できる。望ましい場合には、2層以上の被覆層を使用することができる。該被覆層は、任意の適当な当業者には公知の方法で適用できる。一態様において、該被覆層は、金型内での被覆法、例えば米国特許第5,849,168号(この特許の全開示事項を、参考としてここに組入れる)に記載されている方法によって、該ゴルフボールカバーに適用することができる。
ゴルフボールの特性
コア径、中間層の厚み、およびカバー層の厚み、硬さ、および圧縮率等の諸特性は、本発明のゴルフボールの競技特性、例えばスピン、初期速度、および感触に影響を与えることが分かっている。
成分(構成部品)の大きさ
ゴルフボール成分(構成部品)の大きさ、即ち厚みおよび径は、所定の特性に応じて変えることができる。本発明の目的にとって、任意の層の厚みを使用できる。例えば、ゴルフボールの全体的なサイズは、約4.27cm〜約4.57cm(約1.68〜約1.8in)なる範囲、好ましくは約4.27cm〜約4.47cm(約1.68〜約1.76in)なる範囲、およびより好ましくは約4.27cm〜約4.42cm(約1.68〜約1.74in)なる範囲であり得る。より大きな全体的な径も、目論まれている(例えば、約4.95cm(1.95in)までの径)。
該コアは、約0.229〜約4.19cm(約0.09〜約1.65in)なる範囲内の径を持つことができる。一態様において、本発明のコアの径は、約3.05〜約4.140cm(約1.2〜約1.630in)なる範囲にある。もう一つの態様において、該コアの径は、約3.30〜約4.06cm(約1.3〜約1.6in)なる範囲、好ましくは約3.53〜約4.06cm(約1.39〜約1.6in)およびより好ましくは約3.81〜約4.06cm(約1.5〜約1.6in)なる範囲にある。更に別の態様では、該コアは、約3.94〜約4.19cm(約1.55〜約1.65in)なる範囲にある。一態様において、該コアの径は、約4.04cm(約1.59in)またはそれ以上である。他の態様では、該コアの径は、約4.17cm(約1.64in)またはそれ以下である。
該コアが、内側コア層および外側コア層を含む場合、該内側コア層は、好ましくは約2.29cm(約0.9in)以上であり、また該外側コア層は、好ましくは約0.254cm(約0.1in)以上の厚みを有する。一態様において、該内側コア層は、約0.229〜約3.05cm(0.09約〜約1.2in)なる範囲の径を有し、また該外側コア層は、約0.254〜約2.03cm(0.1約〜約0.8in)なる範囲の径を有する。更に別の態様では、該内側コア層は、約0.241〜約2.79cm(0.095約〜約1.1in)なる範囲の径を有し、また該外側コア層の厚みは、約0.508〜約0.076cm(0.20約〜約0.03in)なる範囲にある。
該カバーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性、および耐久性を与える厚みを持つ。一態様において、該カバーの厚みは、約0.0508〜0.305cm(約0.02〜約0.12in)なる範囲、好ましくは約0.254cm(約0.1in)以下である。別の態様では、該カバーの厚みは、約0.127cm(0.05in)以下、好ましくは約0.0508〜0.127cm(約0.02〜約0.05in)なる範囲、およびより好ましくは約0.0508〜0.114cm(約0.02〜約0.045in)なる範囲にある。
ゴルフボール中間層に関する厚みの範囲は、中間層を使用した際の、即ち外側コア層、内側カバー層、糸巻き層、水分/蒸気遮断層として使用した際の、多大な可能性の故に大きい。本発明のゴルフボールにおいて使用した場合、該中間層、または内側カバー層は、約0.762cm(約0.3in)以下の厚みを持つことができる。一態様において、該中間層の厚みは、約0.00508〜0.254cm(約0.002〜約0.1in)なる範囲、好ましくは約0.0254cm(約0.01in)以上である。もう一つの態様において、該中間層の厚みは、約0.127cm(約0.05in)以下、より好ましくは約0.0254〜0.114cm(約0.01〜約0.045in)なる範囲にある。
硬さ
多くのゴルフボールは、所定の性能特性を獲得するために、様々な硬さ、例えば硬さの勾配を持つ層からなる。本発明は、層間で硬さの勾配を持つゴルフボール、並びに同一の硬さを持つ層を有するこれらゴルフボールを意図している。
「材料の硬さ」と「ゴルフボールについて直接測定した硬さ」との間には基本的な差異があることを、特に当業者は理解すべきである。材料の硬さは、ASTM-D2240に示されている手順によって定義されており、また一般には硬さを測定すべき、平坦な「スラブ」または「ボタン」形状にある該材料の硬さを測定することを含む。ゴルフボール(または他の球状の表面)について直接測定した場合の硬さは、全く異なる測定値であり、また結果的に異なる硬さの値をもたらす。この差は、ボールの構成(即ち、コアの型、コアおよび/またはカバー層の数等)、ボール(または球)の径、および隣接層の材料組成を包含するがこれらに限定されない、多くの因子のためにもたらされる。これら2つの測定技術は、線形関係を持たず、また結果的に一方の硬さの値は、容易に他方の硬さ値と、相互に関連付けることはできない。
例えば、本発明の該コアは、特定のゴルフボールの構成に依存して様々な硬さを持つことができる。一態様において、該コアの硬さは、形成された球に付き測定した値として、少なくとも約15ショアA、好ましくは少なくとも約30ショアAである。もう一つの態様において、該コアは、約50ショアA〜約90ショアDなる範囲の硬さを持つ。更に別の態様では、該コアの硬さは約80ショアD以下である。好ましくは、該コアは、約30〜約65ショアDなる範囲の硬さを持ち、およびより好ましくは、該コアは、約35〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ。
本発明の中間層も、該ボールの特定の構成に依存して、硬さにおける変化を示すことができる。一態様において、該中間層の固さは、約30ショアD以上である。もう一つの態様において、該中間層の固さは、約90ショアD以下、好ましくは約80ショアD以下、およびより好ましくは約70ショアD以下である。更に別の態様では、該中間層の固さは、約50ショアD以上、好ましくは約55ショアD以上である。一態様において、該中間層の固さは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲にある。該中間層の固さは、また約65ショアD以上であってもよい。
該コアおよび中間層同様に、該カバーの硬さは、該ゴルフボールの構成および所定の特性に依存して変えることができる。該カバーの硬さ対内側ボールの硬さの比は、ボールの空気力学特性、および特にボールのスピンを調節するために使用される主な変数である。一般に、内側ボールが硬いほど、ドライバーによるスピンが大きくなり、また該カバーが柔軟であるほど、該ドライバーによるスピンは大きくなる。
例えば、該中間層を、該ボールにおいて最も硬い、例えば約50ショアD〜約75ショアDを持つ点としたい場合には、該カバー材料は、該材料のスラブについて測定した値として、約20ショアD以上、好ましくは約25ショアD以上、およびより好ましくは約30ショアD以上を持つことができる。もう一つの態様において、該カバー自体は、約30ショアD以上の硬さを持つ。特に、該カバーの硬さは、約30ショアD〜約70ショアDなる範囲の値であり得る。一態様において、該カバーは、約40ショアD〜約65ショアDなる範囲の硬さを持ち、またもう一つの態様においては、約40ショアD〜約55ショアDなる範囲の硬さを持つ。本発明のもう一つの局面において、該カバーは、約45ショアD未満、好ましくは約40ショアD未満、およびより好ましくは約25ショアD〜約40ショアDなる範囲の固さを持つ。一態様において、該カバーは、約30ショアD〜約40ショアDなる範囲の固さを持つ。
圧縮(率)
圧縮率値は、測定すべき構成部品の径に依存する。本発明に従って作られるゴルフボールの該コア、またはその一部のアッチ圧縮率は、好ましくは約80未満、より好ましくは約75未満である。ここで使用する用語「アッチ圧縮率」または「圧縮率」とは、アッチ圧縮率ゲージを用いて測定された、較正されたバネの撓みに対する、ある対象または物質の撓みとして定義される。該アッチ圧縮率ゲージは、NJ州、ユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる。アッチ圧縮率は、典型的にゴルフボールの圧縮率を測定するために使用される。一態様において、該コアの圧縮率は、約40〜約80なる範囲、好ましくは約50〜約70なる範囲内にある。更に別の態様では、該コアの圧縮率は、好ましくは約50以下、およびより好ましくは約25以下である。
別の低圧縮率の態様では、該コアは、約20未満、より好ましくは約10未満、および最も好ましくは0なる圧縮率を持つ。しかし、当業者には公知の如く、本発明により製造した該コアは、該アッチ圧縮率ゲージの測定値以下であってもよい。
一態様において、好ましくは、本発明のゴルフボールは、約55以上、好ましくは約60〜約120なる範囲のアッチ圧縮率を持つ。もう一つの態様において、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、少なくとも約40、好ましくは約50〜120なる範囲、およびより好ましくは約60〜100なる範囲内にある。更に別の態様では、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮率は、約75以上、かつ約95以下である。例えば、本発明の好ましいゴルフボールは、約80〜約95なる範囲の圧縮率を持つことができる。
反発係数
本発明は、約38.1m/s(125ft/s)なる到達速度において、約0.700〜約0.850なる範囲のCOR値を持つゴルフボールを目的とする。一態様において、該CORは、約0.750以上、好ましくは約0.780以上である。もう一つの態様において、該ボールは、約0.800以上のCORを持つ。更に別の態様では、本発明のゴルフボールの該CORは、約0.800〜約0.815なる範囲内にある。
更に、該内側ボールは、約0.780以上のCORを持つ。一態様において、該CORは、約0.790以上である。
曲げ弾性率
従って、本発明のゴルフボールは、約3.45MPa(約500psi)〜約3445MPa(約500,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ、中間層を持つことが好ましい。より好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約6.89MPa(約1,000psi)〜約1723MPa(約250,000psi)なる範囲内にある。最も好ましくは、該中間層の曲げ弾性率は、約13.8MPa(約2,000psi)〜約1378MPa(約200,000psi)なる範囲内にある。該曲げ弾性率は、ASTM D-6272-98に従って測定する。
該カバー層の曲げ弾性率は、好ましくは約13.8MPa(約2,000psi)以上、およびより好ましくは約34.45MPa(約5,000psi)以上である。一態様において、該カバー層の曲げ弾性率は、約68.9MPa(約10,000psi)〜約1034MPa(約150,000psi)なる範囲内にある。より好ましくは、該カバー層の曲げ弾性率は、約103.4MPa(約15,000psi)〜約826.8MPa(約120,000psi)なる範囲内にある。最も好ましくは、該カバー層の曲げ弾性率は、約124.0MPa(約18,000psi)〜約757.9MPa(約110,000psi)なる範囲内にある。他の態様では、該カバー層の曲げ弾性率は、約689MPa(約100,000psi)以下、好ましくは約551.2MPa(約80,000psi)以下、およびより好ましくは約482.3MPa(約70,000psi)以下である。例えば、該カバー層の曲げ弾性率は、約68.9MPa(約10,000psi)〜約482.3MPa(約70,000psi)なる範囲、約82.7MPa(約12,000psi)〜約413.4MPa(約60,000psi)なる範囲、あるいは約96.5MPa(約14,000psi)〜約344.5MPa(約50,000psi)なる範囲内にある。
一態様において、該カバー層が、約50ショアD〜約60ショアDなる範囲内の硬さを持つ場合、該カバー層は、好ましくは約379MPa(約55,000psi)〜約447.9MPa(約65,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を有する。
一態様において、該中間層の曲げ弾性率対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.003〜約50なる範囲にある。もう一つの態様において、該中間層の曲げ弾性率対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.006〜約4.5なる範囲にある。更に別の態様では、該中間層の曲げ弾性率対該カバー層の曲げ弾性率の比は、約0.11〜約4.5なる範囲にある。
一態様において、本発明の組成物は、本質的に同一の硬さを持つが、曲げ弾性率において異なる、多重カバー層を持つゴルフボールにおいて使用される。本発明のこの局面において、該2つのカバー層の曲げ弾性率間の差は、好ましくは約34.45MPa(約5,000psi)以下である。別の態様では、この曲げ弾性率の差は、約3.45MPa(約500psi)以上である。更に別の態様では、該2つのカバー層の曲げ弾性率(ここで、少なくとも一つは、強化されている)の差は、約3.45MPa(約500psi)〜約68.9MPa(約10,000psi)なる範囲、好ましくは約3.45MPa(約500psi)〜約34.45MPa(約5,000psi)なる範囲内にある。一態様において、強化されていないまたは変性されていない材料で作られた、該2つのカバー層の曲げ弾性率の差は、約6.89MPa(約1,000psi)〜約17.2MPa(約2,500psi)なる範囲内にある。
水蒸気の透過
本発明の組成物から製造したゴルフボール部分の水蒸気の透過率は、吸収、例えば特定の条件における、一定期間内の質量のゲインおよびサイズのゲインにより、および透過率、例えばASTM F 1249-90およびASTM E96-00に従って測定される水蒸気透過率(MVTR)によって表すことができる。MVTRとは、特定の温度および湿度差における、単位面積当たりの、かつ単位時間当たりの、所定の厚みをもつ物質内に拡散した、水蒸気の質量を意味する。例えば、100%相対湿度および約22.2℃(72°F)にて、7週間に渡り、ゴルフボール部分の質量変化を追跡することが、ボールが良好な耐水性を持つことを明らかにするために役立つ。一態様において、本発明のゴルフボール部分は、7週間後に、約0.15g以下の質量ゲインを示した。もう一つの態様において、本発明のゴルフボールは、7週間に渡る保存期間の経過後に、約0.13g以下の質量ゲインを示した。更に別の態様では、本発明のゴルフボールの質量ゲインは、7週間後に、約0.09g以下であった。更に別の態様において、該質量ゲインは、7週間後に、約0.06g以下であった。本発明のゴルフボールは、好ましくは7週間に渡る保存期間の経過後に、約0.03g以下の質量ゲインを示す。
サイズのゲインも、耐水性の指標として利用することができる。即ち、ゴルフボールが、より多くの水分を吸収するほど、該ゴルフボール部分の該最外層背後に封入された水のために、ゴルフボールは、一層大きくなる。従って、本発明のゴルフボールは、好ましくは評価し得るほどのサイズゲインを示さない。一態様において、本発明のゴルフボールの、7週間後のサイズゲインは、約0.00254cm(約0.001in)以下である。
ゴルフボール、あるいはその一部のMVTRは、38℃および90%相対湿度条件下で、約2g/(m2×日)以下、例えば約0.45〜約0.95g/(m2×日)、約0.01〜約0.9g/(m2×日)またはそれ以下であり得る。
光安定性
該カバーの光安定性は、黄色度指数における差(ΔYI)、即ち所定の暴露時間後に測定した黄色度と暴露前の黄色度との間の差により定量化できる。一態様において、該ΔYIは、5日間(120時間)の暴露後に、約10以下、好ましくは5日間の暴露後に、約6以下、およびより好ましくは5日間の暴露後に、約4以下である。もう一つの態様において、5日間の暴露後に、約2以下、およびより好ましくは5日間の暴露後に、約1以下である。b彩度ディメンション(Δb*、黄色から青)における差も、また該カバーの光安定性を定量化する方法の一つである。一態様において、該Δb*は、5日間(120時間)の暴露後に、約4以下、好ましくは5日間の暴露後に、約3以下、およびより好ましくは5日間の暴露後に、約2以下である。もう一つの態様において、該Δb*は、5日間の暴露後に、約1以下である。
実施例以外において、あるいは特に述べない限り、全ての数値範囲、量、値および%、例えば材料の量、反応時間および温度、量間の比、分子量に関する値(数平均分子量(Mn)あるいは重量平均分子量(Mw)何れであれ)、および本明細書の以下の部分における他のものは、これらの値、量または範囲に「約」なる用語がわざわざ示されていなくとも、この「約」なる用語が、前に置かれているものとして読むべきである。従って、逆のことが述べてない限り、以下の明細書および添付した特許請求の範囲に示された数値的パラメータは、近似であり、本発明が得ようとしている所定の特性に依存して、変動し得るものである。せめて、また添付した特許請求の範囲に関する等価物の原則の適用を限定する試み無しに、各数値的パラメータは、少なくとも報告された有効数字の数値に照らして、通常の数値的な丸め技術によって、理解すべきである。
本発明の広い範囲に渡って設定された数値範囲およびパラメータが近似であるにも拘らず、特定の実施例に示された数値は、出来る限り正確を期して報告されている。しかし、任意の数値は、必然的に各テストの測定値において見られる、標準偏差に起因する、ある種の誤差を本来的に含んでいる。更に、変動する範囲の数値範囲が、ここにおいて示されている場合、列挙したこれらの値の任意の組合せが使用可能であることを意図している。
ここに記載し特許請求した本発明は、ここに記載された特定の態様によって、その範囲が限定されるものではない。というのは、これらの態様は、本発明の幾つかの局面を例示するものであるからである。あらゆる等価な態様は、本発明の範囲内にあるものとする。例えば、本発明の組成物は、またパターのインサート、ゴルフクラブヘッド、およびその部品、ゴルフシューズの部品、およびゴルフバッグの部品等のゴルフ用具においても使用できる。事実、ここに記載し、提示したものに加えて、本発明の様々な改良が、上記説明から、当業者には明らかになるであろう。このような改良も、添付した特許請求の範囲に入るものとする。本明細書において上記した全ての特許および特許出願の、内容全体を、参考として、特にここに組入れる。
本発明の変性された硬化剤の反応性を、グラフで表したものである。

Claims (15)

  1. コアおよびカバーを含むゴルフボールであって、該ゴルフボールの少なくとも一部が、ポリウレアプレポリマー、および硬化剤を含む組成物から製造され、該硬化剤が、少なくとも1種の一級アミン結合および少なくとも1種の二級アミノ結合を含むことを特徴とする、上記ゴルフボール。
  2. コアとカバーとを含むゴルフボールであり、該コアおよびカバーの少なくとも一方が、
    イソシアネートと、少なくとも1種のヒドロキシ-末端を持つ化合物またはアミノ-末端を持つ化合物との反応生成物を含むプレポリマー;および
    硬化剤ブレンドとを含む組成物で作られており、
    該硬化剤ブレンドが、以下の式で表される化合物:
    Figure 2008119484
    およびこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ-末端を持つ化合物を含有する硬化剤から製造されたものであることを特徴とする、上記ゴルフボール。
  3. コア、カバー、および該コアと該カバーとの間に設けられた中間層を含むゴルフボールであって、該カバーが、
    イソシアネートと、アミノ-末端を持つ化合物との反応生成物を含むプレポリマー;および
    以下の式:
    Figure 2008119484
    (該式において、R1およびR2は、夫々独立に、約1〜約20個の炭素原子を持つアルキル基、フェニル基、環式基、またはこれらの混合物を含む)で表される結合を含む、硬化剤を含有する組成物で作られている、ことを特徴とする、上記ゴルフボール。
  4. 該硬化剤が、以下の式で表される化合物:
    Figure 2008119484
    およびこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1種のアミノ-末端を持つ化合物を含む、請求項1または3に記載のゴルフボール。
  5. 該硬化剤が、以下の式で表されるものである、請求項1または3に記載のゴルフボール:
    Figure 2008119484
  6. 該硬化剤が、以下の式で表されるものである、請求項1または3に記載のゴルフボール:
    Figure 2008119484
  7. 該組成物が、本質的に以下の式で表される結合からなる、請求項1または3に記載のゴルフボール:
    Figure 2008119484
    (該式において、xは、約1またはそれ以上であり、またRおよびR1は直鎖または分岐鎖の、約1〜約20個の炭素原子を持つ、芳香族および環式炭化水素鎖である)。
  8. 該ポリウレアプレポリマーが、イソシアネートとアミノ-末端を持つ化合物との反応生成物を含む、請求項1記載のゴルフボール。
  9. 該組成物が、熱硬化性である、請求項1、2または3に記載のゴルフボール。
  10. 該組成物が、熱可塑性である、請求項1、2または3に記載のゴルフボール。
  11. 該ゴルフボールの一部が該ゴルフボールのカバーである、請求項1記載のゴルフボール。
  12. 該プレポリマーが、イソシアネートとアミノ-末端を持つ化合物との反応生成物を含む、請求項2記載のゴルフボール。
  13. 該プレポリマーが、アミノ-末端を持つ化合物とイソシアネートとの反応生成物を含み、かつ該アミノ-末端を持つ化合物が、アミノ-末端を持つ炭化水素、アミノ-末端を持つポリエーテル、アミノ-末端を持つポリエステル、アミノ-末端を持つポリカプロラクトン、アミノ-末端を持つポリカーボネート、アミノ-末端を持つポリアミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2または12に記載のゴルフボール。
  14. 該カバーが、約0.051cm(約0.02in)〜約0.089cm(約0.035in)なる範囲の厚みを持つ、請求項1、2または3に記載のゴルフボール。
  15. 該ゴルフボールが、更に該コアと該カバーとの間に設けられた層を含み、該層が第一のショアD固さを有し、また該カバーが第二のショアD固さを有し、かつ該第二のショアD固さ対該第一のショアD固さの比が、約0.7以下である、請求項1または2に記載のゴルフボール。
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