JP2008116996A - 製造支援装置、製造支援データの編集方法、製造支援用プログラム、ならびに工作機械および工作システム - Google Patents

製造支援装置、製造支援データの編集方法、製造支援用プログラム、ならびに工作機械および工作システム Download PDF

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Abstract

【課題】工数を増加させずに、かつ工作機械の加工ヘッドの相対的な移動距離を抑えつつ、加工ヘッドと被加工物との干渉を防止することが容易な製造支援装置を得ること。
【解決手段】工作機械での加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する製造支援装置60の構成を、加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定部41と、各加工対象箇所に加工開始位置を設定する加工開始位置設定部42と、各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定部43と、干渉することになるときには、加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように加工順を設定し直すと共に、加工開始位置の再設定を行う加工順再設定部44とを有する構成にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械による製品の製造を支援する製造支援装置、工作機械による製品の製造を支援する製造支援データの編集方法、上記の製造支援装置を動作させる製造支援用プログラム、ならびに工作機械および工作システムに関するものである。
今日、レーザ加工機やプラズマ切断機、ウォータジェット切断機等の工作機械により被加工物から所定形状の製品(中間製品を含む。以下同じ。)を作り出すにあたっては、加工ヘッドと加工により生じた端材や製品との衝突を防止したり、加工ヘッドの相対的な移動距離をできるだけ短くして生産性を高めたりするために、多くの場合、コンピュータ支援設計(CAD)装置等の製造支援装置によって加工ヘッドの相対的な移動経路が予め設定される。
例えば特許文献1には、加工ヘッドと切落し部(端材)との衝突を防止するために、切落し部の厚さおよび長手方向の長さと、切落し加工の際にレーザにより溶融除去される部分の幅とをパラメータとして用いて所定の演算を行い、該演算結果に応じて、切落し部の形状を該切落し部が被加工物から完全に分離される形状とするか、被加工物から完全には分離されないように連結部を残した形状とするかを設定することができるレーザ加工用の加工形状設定装置が記載されている。
また、特許文献2には、レーザ加工機の高さ調整用円形スプーンと被加工物上に設定される抜き形とが上記スプーンの速送り移動時に干渉するか否かを判定し、干渉するときには、早送り経路(特許文献2では「速送り経路」と表記されている。)を上記の抜き形からスプーンの半径分余分に避けた位置に変更する早送り経路変更手段を備えた加工プログラミング装置が記載されている。
そして、特許文献3には、加工ノズルの経路が加工済み穴の上部を通過しないように各穴への空送り経路を割り付けるレーザ加工機械用の自動プログラミング装置が記載されており、特許文献4には、基板に複数の穴あけ加工を行うにあたってレーザ光の照射位置の順序を規定する経路を巡回セールスマン問題を適用して決定するレーザドリリング経路決定方法が記載されている。
特開平4−361885号公報 実開平3−93910号公報 特開平10−29081号公報 特開2001−195112号公報
レーザ加工機による製品の製造を特許文献1に記載された加工形状設定装置により支援した場合、切落し部の形状を連結部が残った形状としたときには後工程で切落し部と被加工物とを分離しなければならず、工数が増加する。また、切落し部と被加工物とを分離する際に製品に傷が付いてしまう危険性もある。
また、レーザ加工機による製品の製造を特許文献2に記載されたプログラミング装置により支援した場合には、当該プログラミング装置がレーザ加工機の高さ調整用円形スプーンの移動経路と抜き形とが干渉する場合に迂回路を設定するものであることから、1つの製品を作り出す際の高さ調整用円形スプーンの移動距離が長くなり易く、結果として生産性を高め難い。
同様に、レーザ加工機械による製品の製造を特許文献3に記載された自動プログラミング装置により支援した場合も、加工ノズルの経路が加工済み穴の上部を通過しないように各穴への空送り経路が割り付けられることから、1つの製品を作り出す際の加工ノズルの移動距離が長くなり易く、結果として生産性を高め難い。
そして、特許文献4に記載されたレーザドリリング経路決定方法は、レーザ光の照射位置の順序を規定する経路を巡回セールスマン問題を適用して決定するものであるので、最短経路を求めることが可能であるとは思われるが、加工ヘッドと加工済み穴との干渉を防止するうえでは有用ではない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から少なくとも1つの製品を作り出す際に、工数を増加させることなく、かつ加工ヘッドの相対的な移動距離を抑えつつ該加工ヘッドと被加工物との干渉を防止することが容易な製造支援装置、工作機械による製品の製造を支援する製造支援データの編集方法、工作機械、および工作システム、ならびに上記の製造支援装置を動作させる製造支援用プログラムを得ることを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の製造支援装置は、工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を設定することで工作機械による製品の製造を支援する製造支援装置であって、被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、製品を被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定部と、加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定部と、仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定部と、干渉判定部により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定部と、を有することを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の製造支援データの編集方法は、工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を設定することで工作機械による製品の製造を支援する製造支援データの編集方法であって、被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、製品を被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定工程と、加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定工程と、仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定工程と、干渉判定工程で早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定工程と、を含むことを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の製造支援用プログラムは、工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を設定することで工作機械による製品の製造を支援する製造支援装置を動作させる製造支援用プログラムであって、被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、製品を被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定手順と、加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定手順と、仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定手順と、干渉判定手順に従った判定により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定手順と、を製造支援装置に実行させることを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の工作機械は、加工ヘッドと、該加工ヘッドの動作を制御する制御装置とを備え、加工ヘッドにより被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す工作機械であって、制御装置は、被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、製品を被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定部と、加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定部と、仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定部と、干渉判定部により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定部と、を有することを特徴とするものである。
そして、上記の目的を達成する本発明の工作システムは、加工ヘッドにより被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す工作機械と、工作機械に有線または無線により接続されて該工作機械に加工ヘッドの相対的な移動経路を設定するためのデータを送る製造支援装置とを備えた工作システムであって、製造支援装置は上述した本発明の製造支援装置であることを特徴とするものである。
本発明の製造支援装置では、早送り線が加工済み箇所と干渉することになると干渉判定部が判定したときには、迂回路を求めるのではなく、早送り線と干渉することになる加工済み箇所の加工順が当該早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように各加工対象箇所の加工順を設定し直すので、加工ヘッドの相対的な移動距離を抑え易い。そして、干渉判定部と加工順再設定部とによって加工ヘッドと加工済み箇所との干渉を防止することができるので、例えば特許文献1に記載された加工形状設定装置によりレーザ加工を支援した場合に必要となる分離工程、すなわち連結部を残して切落し部を加工した後に行われて当該切落し部と被加工物とを分離する工程を行う必要がなく、結果として、工数を増加させることがない。
したがって、本発明の製造支援装置を用いれば、工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から少なくとも1つの製品を作り出す際に、工数を増加させることなく、かつ加工ヘッドの相対的な移動距離を抑えつつ該加工ヘッドと被加工物との干渉を防止することが容易になる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、下記の形態以外にも種々の変形、修飾、組合せ等が可能である。
実施の形態1.
図1は、本発明の製造支援装置での基本構成の一例を概略的に示すブロック図である。同図に示す製造支援装置60は、工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から少なくとも1つの製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を設定することで工作機械による製品の製造を支援する装置であり、記憶部1、入力部10、表示部20、出力部30、演算・制御部50、およびこれらを相互に結ぶバス55を備えている。
上記の記憶部1には、演算・制御部50が上記相対的な移動経路を設定するにあたって行う所定の演算や制御を規定したプログラムと、上記相対的な移動経路を設定するにあたって必要なデータ、例えば被加工物の形状および大きさ、当該被加工物から作り出す製品の数ならびに該製品の形状および大きさ(被加工物を加工する際の個々の加工対象箇所の形状および大きさを含む。)と、加工条件等とが格納される。
入力装置10は、ポインティングデバイス(マウス、ライトペン、タッチパネル等)、文字入力装置(キーボード等)、画像入力装置等の少なくとも1つによって構成されて、記憶部1に上述のプログラムやデータを格納する際や、演算・制御部50に所望の指令を出す際等に用いられる。
表示部20は、陰極線管(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等によって構成されて、記憶部1に格納されている情報や、入力要求メッセージ、あるいは演算・制御部50の演算結果等を表示する。
出力部30は、プリンタやプロッタ等により構成されて、記憶部1に格納されている情報や演算・制御部50の演算結果、あるいは表示部20の表示内容等をユーザが視認できる形で紙等に出力する。また、上記の演算結果をフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、半導体記憶装置等の補助記憶装置に記憶させるように出力装置30を構成することもでき、この場合には出力部30に記憶部1を兼ねさせることも可能である。
そして、演算・制御部50は、入力部10、表示部20、および出力部30それぞれの動作を制御する。また、入力部10から所定の指令が入力されたときには記憶部1に格納されているプログラムに従って動作して、記憶部1に格納されている情報を基に上述した加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する。そのために、当該演算・制御部50は入出力制御部33、表示制御部35、加工順仮設定部41、加工開始位置設定部42、干渉判定部43、および加工順再設定部44を有している。
上記の入出力制御部33は入力部10および出力部30それぞれの動作を制御し、表示制御部35は表示部20の動作を制御する。また、加工順仮設定部41、加工開始位置設定部42、干渉判定部43、および加工順再設定部44の各々は上記のプログラムに従って動作して、加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する。
ここで、上記のプログラムは下記(1)〜(4)の各手順を演算・制御部50に実行させるものである。
(1)被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、製品を被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定手順。
(2)加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定手順。
(3)仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定手順。
(4)干渉判定部により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定手順。
図1に示した加工順仮設定部41は上記(1)の手順を実行し、加工開始位置設定部42は上記(2)の手順を実行する。また、干渉判定部43は上記(3)の手順を実行し、加工順再設定部44は上記(4)の手順を実行する。したがって、演算・制御部50は記憶部10にアクセスして必要な情報を取得した後、上記(1)の手順に対応した加工順仮設定工程、上記(2)の手順に対応した加工開始位置設定工程、上記(3)の手順に対応した干渉判定工程、および上記(4)の手順に対応した加工順再設定工程を順次行うことで製造支援データを編集して、加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する。このとき、加工順再設定部44は、干渉判定部43によって早送り線が加工済み箇所と干渉しないと判定されるまで、加工順を再設定する。また、再設定した加工順を基に早送り線を再設定する。したがって、上記(4)の手順には、早送り線を再設定する手順が含まれ、上記の加工順再設定工程には早送り線を再設定するサブ工程が含まれる。ただし、早送り線の再設定は加工順再設定部44に必須の機能ではなく、加工順再設定部44以外の構成要素により早送り線を再設定するように演算・制御部50を構成することもできる。
図2は、製造支援装置60の演算・制御部50(図1参照)が加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する際の処理の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、演算・制御部50(図1参照)が加工ヘッドの相対的な移動経路を設定するにあたっては、まず、被加工物での複数の加工対象箇所それぞれの加工順を仮設定するステップS3を行い、次いで、個々の加工対象箇所での加工開始位置を設定するステップS5を行ってから、早送り線を作成するステップS7を行う。そして、ステップS7で作成した早送り線が加工済み箇所と干渉することになるか否かをステップS9で判定し、干渉することにはならないと判定されたときには、個々の加工箇所の輪郭形状と、ステップS5で設定した加工開始位置と、ステップS7で作成した早送り線を含む経路が加工ヘッドの相対的な移動経路として設定される。一方、ステップS9において干渉することになると判定されたときには、上記複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行うステップS19に進んだ後にステップS9に戻る。
図2に示すステップS3が上述の加工順仮設定手順または加工順仮設定工程に相当し、ステップS5が加工開始位置設定手順または加工開始位置設定工程に相当する。また、ステップS7とステップS9とが干渉判定手順または干渉判定工程に相当し、ステップS19が加工順再設定手順または加工順再設定工程に相当する。
なお、ステップS7は加工開始位置設定手順または加工開始位置設定工程に含ませることもできるし、加工開始位置設定手順や干渉判定手順とは別異の独立した手順、または加工開始位置設定工程や干渉判定工程とは別異の独立した工程とすることもできる。ステップS7を独立した手順または工程とする場合、演算・制御部50(図1参照)には早送り線作成部が新たに付加される。また、加工順再設定部44によって再設定された加工順を基に加工順再設定部44以外の構成要素が早送り線を再設定するように演算・制御部60を構成した場合、当該演算・制御部では、図2に示したステップS19に進んだ後にステップS7に戻る。これらの事項は、本形態の製造支援装置60に限らず、本発明全般に当てはまる。
演算・制御部50が上述のようにして加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する製造支援装置60(図1参照)では、早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに迂回路を求めるのではなく、早送り線と干渉することになる加工済み箇所の加工順が当該早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように各加工対象箇所の加工順を設定し直すので、加工ヘッドの相対的な移動距離を抑え易い。また、干渉判定部43と加工順再設定部44とによって加工ヘッドと加工済み箇所との干渉を防止することができるので、例えば特許文献1に記載された加工形状設定装置によりレーザ加工を支援した場合に必要となる分離工程、すなわち連結部を残して切落し部を加工した後に行われて当該切落し部と被加工物とを分離する工程を行う必要がなく、結果として、工数を増加させることがない。
したがって、製造支援装置60を用いれば、レーザ加工機やプラズマ切断機、ウォータジェット切断機等の工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から少なくとも1つの製品を作り出す際に、工数を増加させることなく、かつ加工ヘッドの相対的な移動距離を抑えつつ該加工ヘッドと被加工物との干渉を防止することが容易になる。
なお、加工順仮設定部41、加工開始位置設定部42、干渉判定部43、および加工順再設定部44は、種々の方法あるいは構成により実現することができ、どのような方法あるいは構成によりこれらを実現するかは適宜選定可能である。加工順仮設定部41、加工開始位置設定部42、干渉判定部43、および加工順再設定部44の各々をどのような方法あるいは構成により実現するかに応じて、記憶部1に格納されるプログラムの内容、および加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する際のデータの編集方法も適宜変更される。以下、加工順仮設定部41、加工開始位置設定部42、干渉判定部43、および加工順再設定部44の各々について詳述する。
加工順仮設定部41は、例えば1つの被加工物から1つの製品を作り出す場合、切出し加工の加工開始位置を最初に定め、この加工開始位置からの距離が近い加工対象箇所ほど早期に加工が行われて最後に切出し加工が行われるように加工順を仮設定するものであってもよいし、加工ヘッドの相対的な移動距離が最小となるように巡回セールスマン問題を適用して切出し加工以外の加工順を仮設定すると共に、最後に切出し加工が行われることになるように加工順を仮設定するものであってもよい。なお、本明細書でいう「切出し加工」とは、被加工物から製品を切り出す際の加工を意味する。具体的には、後掲の図6−1等に示す製品対応領域110や図15−1等に示す製品対応領域130での輪郭線(製品の輪郭線)に沿った外周部の加工を意味する。図6−1等に示す加工対象領域103a〜103f、105や図15−1等に示す加工対象領域123,125等のように製品内に設定される加工対象箇所での加工(穴あけ加工等)は、「切出し加工以外の加工」と表記する。
1つの被加工物から複数の製品を作り出す場合、加工順仮設定部41は、例えば1つの製品についてその切出し加工の加工開始位置を最初に定め、この加工開始位置からの距離が近い製品ほど早期に切出し加工が行われ、かつ個々の製品においては、当該製品での切出し加工の加工開始位置からの距離が遠い加工対象箇所から順番に加工が行われるか、または加工ヘッドの相対的な移動距離が最小となるように巡回セールスマン問題を適用して算出された順番で加工が行われ、最後に切出し加工が行われるように加工順を仮設定するものとすることができる。
加工開始位置設定部42は、加工順仮設定部41をどのような方法あるいは構成によって実現するかに拘わらず、加工順仮設定部41により全ての加工対象箇所の加工順が仮設定された後に個々の加工対象箇所での加工開始位置を設定するものであってもよいし、加工順仮設定部41によって1つの加工対象箇所の加工順が仮設定されるたびに、当該加工対象箇所での加工開始位置を設定するものであってもよい。加工ヘッドの相対的な移動距離が短い移動経路を容易に選定するという観点からは、個々の加工対象箇所での加工開始位置を仮設定の加工順が最後の加工対象箇所から最初の加工対象箇所へと順々に設定することが好ましい。切出し加工の加工開始位置が予め指定されている製品については、加工開始位置設定部42による切出し加工の加工開始位置の設定を省略することができる。
図3は、加工順仮設定部41によって1つの加工対象箇所の加工順が仮設定されるたびに、加工開始位置設定部42が当該加工対象箇所での加工開始位置を設定するときの処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示す例では、まず、切出し加工の加工開始位置を設定するステップS3aが行われ、次いで、切出し加工以外の加工対象箇所毎に基準位置を設定するステップS3bが行われる。上記の基準位置の設定は、例えば、加工対象箇所を平面視したときの外接四角形の中心点(この場合、外接四角形での2本の対角線の交点。以下同じ。)の座標を求めることや、加工対象箇所の重心の平面視上の位置を求めること等によって行われる。この後、直前に設定した加工開始位置(この場合、ステップS3aで設定した加工開始位置)に基準位置が最も近い加工対象箇所が選出され、当該加工対象箇所に加工順を仮設定するステップS3cが行われる。このとき、ステップS3cでの加工順の仮設定は「最後から何番目」という形でなされる。これらのステップS3a,S3b,S3cは、加工順仮設定部41によって行われる。
加工開始位置設定部42は、上記のステップS3cで選出された加工対象箇所の基準位置と直前に設定した加工開始位置(この場合、ステップS3aで設定した加工開始位置)とを通る仮想半直線をステップS5aで設定した後、上記のステップS3cで選出された加工対象箇所の輪郭線と上記の仮想半直線との交点のうちで直前に設定した加工開始位置(この場合、ステップS3aで設定した加工開始位置)に最も近い交点をステップS5bで選出する。そして、ステップS5bで選出した交点を根本とする所定向き、所定長さのピアス線をステップS5cで設けることにより加工開始位置を設定する。
この後、全ての加工対象箇所に加工開始位置を設定したか否かをステップS5dで判断し、全ての加工対象箇所に加工開始位置を設定し終えていたときには処理を終了する。一方、加工開始位置を設定し終えていない加工対象箇所があったときには、加工順仮設定部41による処理の1つであるステップS3cに戻して、加工開始位置設定部42自身は処理を一旦終了する。
干渉判定部43は、2つの加工対象箇所同士を前述のようにして結ぶ早送り線が作成されるたびに該早送り線が加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定するものであってもよいし、全ての早送り線が前述のようにして作成された後にこれらの早送り線が加工済み箇所と干渉することになるか否かを順々に判定するものであってもよい。
図4は、2つの加工対象箇所同士を結ぶ早送り線毎に該早送り線が加工済み箇所と干渉することになるか否かを順次判定するタイプの干渉判定部での処理の一例を概略的に示すフローチャートである。同図に示す例では、全ての早送り線をステップS7で作成した後、これらの早送り線と、各加工対象箇所と、各加工開始位置と、各加工対象箇所の加工順(仮設定された加工順)とによって規定される加工ヘッドの相対的な移動経路での先頭から順番に早送り線を1本抽出するステップS9aが行われ、次いで、上記相対的な移動経路の先頭から順番に加工対象箇所を1つずつ抽出するステップS9bが行われる。
上記のステップS9aで抽出された早送り線とステップS9bで抽出された加工対象箇所のうちの加工済み箇所とが互いに干渉することになるか否かがステップS9cで判断され、干渉することになるときにはこれら早送り線および加工済み箇所それぞれのデータをステップS9dで所定の記憶手段、例えば図1に示した記憶部1に格納した後にステップS9eに進む。一方、ステップS9cで干渉しないと判断されたときにはステップS9eに進む。
ステップS9eでは、ステップS9aで抽出された早送り線までの相対的な移動経路にある全ての加工対象箇所が抽出済みであるか否かが判断され、抽出済みでないときには上記のステップS9bに戻り、抽出済みであるときにはステップS9fに進む。そして、ステップS9fでは、全ての早送り線について加工済み箇所との干渉の有無を判定済みであるか否かが判断され、判定済みでないときには上記のステップS9aに戻り、判定済みであるときには処理を終了する。なお、上述のステップS9aでは、加工ヘッドの相対的な移動経路での先頭から順番に早送り線を1本抽出したが、最後尾から順番に早送り線を抽出するようにしてもよい。
加工順再設定部44は、加工済み箇所と干渉することになる1つの早送り線を干渉判定部43が見つけ出すたびに加工順を再設定するものであってもよいし、加工済み箇所と干渉することになる全ての早送り線を干渉判定部43が見つけ出した後に加工順を再設定するものであってもよい。干渉判定部43が図4に示した処理を行うものである場合、加工順再設定部44は、加工済み箇所と干渉することになる全ての早送り線を干渉判定部43が見つけ出した後に加工順を再設定する。
図5は、加工済み箇所と干渉することになる全ての早送り線を干渉判定部が見つけ出した後に加工順を再設定するタイプの加工順再設定部での処理の一例を概略的に示すフローチャートである。図示の例では、まず、干渉判定部43が所定の記憶手段に格納したデータ、すなわち互いに干渉することになる早送り線および加工済み箇所それぞれのデータがステップS19aで読み出され、これらのデータを基にステップS19bで加工順が再設定される。具体的には、早送り線と干渉することになる加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前(加工順を順に辿ったときの加工順が1つ前)となるように、被加工物における複数の加工対象箇所それぞれの加工順が設定し直される。
次に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置がステップS19cで再設定され、次いで早送り線がステップS19dで再設定される。その後、干渉判定部43が所定の記憶手段に格納したデータ、すなわち互いに干渉することになる早送り線および加工済み箇所それぞれのデータを全て読み出したか否かがステップS19eで判定され、全て読み出していたときには処理を終了する。一方、未だ読み出していないデータがあるときにはステップS19aに戻り、ステップS19a〜S19eを繰り返す。
なお、ステップS19cでの加工開始位置の再設定は、例えば、加工済み箇所に相当していた加工対象箇所については、干渉していた早送り線との交点のうちで再設定後の加工順を順に辿ったときの加工順が1つ後の加工対象箇所に最も近い交点を根本とするピアス線を設けることで加工開始位置が再設定される。このとき、仮設定の加工順を順に辿ったときの加工順が上記加工済み箇所に相当していた加工対象箇所の1つ前であった加工対象箇所についても、当該加工対象箇所での基準位置と再設定後の加工順が当該加工対象箇所の1つ後の加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ仮想半直線を作成し、この半直線との交点のうちで再設定後の加工順が1つ後の加工対象箇所に最も近い交点を根本とするピアス線を設けることで加工開始位置が再設定される。ステップS19dでは、例えば、加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所からみて加工順が1つ後(加工順を順に辿ったときの加工順が1つ後)の加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ、という作業を各加工対象箇所について行うことにより早送り線を再設定する。
以下、図6−1〜図6−8を参照して、演算・制御部50が加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する際の処理の一例を具体的に説明する。
図6−1は、被加工物を加工して1つの製品を作製するにあたって被加工物に予め設定される製品対応領域での加工対象箇所の分布の一例を概略的に示す平面図である。図示の例では、製品対応領域110での切出し加工の加工開始位置がピアス線P0によって予め指定されている。また、製品対応領域110では、切出し加工に先だって、五角形を呈する6つの加工対象箇所103a〜103fと四角形を呈する1つの加工対象箇所105とでそれぞれ穴あけ加工が行われる。これらの穴あけ加工と最終的な切出し加工とを行うことにより、被加工物Wから製品が作り出される。なお、図示のピアス線P0における黒丸部分が加工開始位置を示す。また、この黒丸部分と製品対応領域110とを結ぶ線部は加工開始位置から加工対象箇所までの加工経路を示し、該線分における加工対象箇所側の端は、当該加工対象箇所での加工終了位置でもある(以下、同様。)。
演算・制御部50が加工ヘッドの相対的な移動経路を設定するにあたっては、まず、図6−2に示すように、各加工対象箇所103a〜103f,105に基準位置R1〜R7を設定する。これらの基準位置R1〜R7は、個々の加工対象箇所103a〜103f,105について外接四角形C1〜C7を求め、その中心点を基準位置R1〜R7とすることで設定される。
次いで、図6−3に示すように、ピアス線P0における加工開始位置(黒丸部分)と基準位置との距離が最も短い加工対象箇所(図示の例では加工対象箇所103f)を求めて加工順を仮設定した後、ピアス線P0における加工開始位置と加工対象箇所103fでの基準位置R6とを通る仮想半直線L1を設定し、この仮想半直線L1と加工対象箇所103fの輪郭線との交点IP1,IP2を求める。なお、加工対象箇所103fの加工順は、切出し加工を除いた加工順で、「最後」と設定される。
図6−4に示すように、上記2つの交点IP1,IP2のうちでピアス線P0に近い方の交点IP1を根本とするピアス線P6を設定する。加工対象箇所103fは穴あけ加工が施される領域であるので、ピアス線P6における加工開始位置は加工対象箇所103f内に設定される。
次に、図6−5に示すように、ピアス線P6での加工開始位置に基準位置が最も近い加工対象箇所(図示の例では加工対象箇所103e)を求めて加工順を仮設定した後、ピアス線P6における加工開始位置と加工対象箇所103eでの基準位置R5とを通る仮想半直線(図示せず。)を設定し、この仮想半直線と加工対象箇所103eの輪郭線との交点のうちでピアス線P6に近い方の交点を根本とするピアス線P5を設定する。加工対象箇所103eは穴あけ加工が施される領域であるので、ピアス線P5における加工開始位置は加工対象箇所103e内に設定される。なお、加工対象箇所103eの加工順は、切出し加工を除いた加工順で、「最後から2番目」と設定される。
以下、同様にして、直前(最後)に設定したピアス線での加工開始位置に基準位置が最も近い加工対象箇所の選出、当該加工対象箇所についての加工順の仮設定、および当該加工対象箇所での加工開始位置の設定を、全ての加工対処箇所に加工順が仮設定され、かつ加工開始位置が設定されるまで行う。図6−5に示す例では、順に辿ったときの順番が加工対象箇所103a、加工対象箇所103b、加工対象箇所103c、加工対象箇所105、加工対象箇所103d、加工対象箇所103e、加工対象箇所103fとなるように加工順が仮設定される。
この後、仮設定された加工順を順に辿ってまたは逆に辿って、図6−5に示すように早送り線FL1〜FL7を作成する。これらの早送り線FL1〜FL7のうちの早送り線FL6は、加工済み箇所と干渉することになる。すなわち、早送り線FL6に従って加工ヘッドが相対的に移動する際には、既に加工が済んでいる加工対象箇所105上を当該加工ヘッドが通過することになる。
上記の干渉を解消するために、加工対象箇所105の加工順が早送り線FL6の終点にある加工対象箇所103fの加工順の1つ前となるように、各加工対象箇所103a〜103f,105の加工順を再設定する。すなわち、順に辿ったときの順番が加工対象箇所103a、加工対象箇所103b、加工対象箇所103c、加工対象箇所103d、加工対象箇所103e、加工対象箇所105、加工対象箇所103fとなるように加工順を再設定する。
また、加工対象箇所105での加工開始位置を再設定する。具体的には、図6−6に示すように、干渉していた早送り線FL6との交点のうちで再設定後の加工順が1つ後の加工対象箇所103fに最も近い交点が根本となるようにピアス線P7の位置を変更することで加工開始位置を再設定する。この後、図6−7に示すように、再設定後の加工順を順に辿りながら、または逆に辿りながら早送り線を再設定する。図示の例では、図6−5に示した早送り線FL1〜FL7のうちの早送り線FL3,FL4が削除され、加工対象箇所103cから加工対処箇所103dに直接向かう早送り線FL8が新たに設定される。
このようにして早送り線の再設定まで行うことにより、被加工物Wから製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路が設定される。
実施の形態2.
被加工物から作り出そうとする製品の形状によっては、上述した加工順再設定部により何度加工順を再設定しても早送り線と加工済み箇所との干渉が解消されないということが起こり得るので、本発明の製造支援装置においては再設定回数に上限値を設けることが好ましい。
すなわち、干渉判定部は、加工順再設定部が加工順の再設定を行うたびに、再設定された早送り線の各々が加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定し、加工順再設定部は、干渉判定部によって各早送り線が加工済み箇所と干渉しないと判定されるまで、または予め定められた再設定回数の上限値に達するまで、加工順を再設定するように、本発明の製造支援装置を構成することが好ましい。
この場合、記憶部1(図1参照)に格納されるプログラムには、例えば実施の形態1で説明した(1)〜(4)の各手順の他に、加工順再設定部44による加工順の再設定回数が上限値に達したか否かを判定する手順と、加工順再設定部44による再設定回数が上限値に達した後においても干渉判定部43(図1参照)により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときには処理を終了する手順とが追加される。また、上記の上限値を示すデータが所望の記憶部、例えば記憶部1に予め格納される。加工順再設定部44による再設定回数の計数、および該再設定回数が上限値に達したか否かの判定を加工順再設定部44自身が行うように演算・制御部50(図1参照)を構成することもできるし、これらの機能を備えた構成要素を演算・制御部50に付加することもできる。
図7は、上記の機能を備えた演算・制御部によって加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する際の処理の一例を示すフローチャートである。同図においては、図2に示したステップと共通するステップに図2で用いた参照符号と同じ参照符号を付してある。
図示の例では、ステップS9で早送り線が加工済み箇所と干渉することになると干渉判定部が判定したときにはステップS11に進み、ここで加工順再設定部による加工順の再設定回数が上限値に達しているか否かが判断される。そして、未だ上限値に達していないときにはステップS19に進んで加工順の再設定、加工開始位置の再設定、および早送り線の再設定を行い、上限値に達していたときには処理を終了する。
このように構成された製造支援装置では、加工ヘッドの相対的な移動経路を自動的に設定することができない製品が明確になるので、実施の形態1で説明した製造支援装置60(図1参照)に比べて利便性が高い。
なお、製造支援データの編集方法という観点からみると、加工順再設定工程での再設定回数が上限値に達したか否かを判定する再設定回数判定工程が付加されることになる。再設定回数が上限値に達して演算・制御部が処理を終了した場合、製造支援装置のユーザは、例えば手作業により加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する。
実施の形態3.
本発明の製造支援装置においては、加工順再設定部が再設定回数の上限値に達するまで加工順を再設定した後においても早送り線が加工済み箇所と干渉することになると干渉判定部が判定したときに、処理を終了するのではなく迂回路を選定するように構成することもできる。
図8は、迂回路を選定する機能を備えた製造支援装置の一例を概略的に示すブロックである。同図に示す製造支援装置60Aは、迂回路選定部45を有する演算・制御部50Aを備えている。演算・制御部50Aにおける迂回路選定部45以外の構成は図1に示した演算・制御部50における構成と同じであり、製造支援装置60Aにおける演算・制御部50A以外の構成は図1に示した製造支援装置60における演算・制御部50以外の構成と同じである。
ただし、加工順再設定部44は、加工順の再設定回数を計数してその上限値と比較する機能を有している。また、記憶部1に格納されているプログラムは、実施の形態1で説明した(1)〜(4)の各手順の他に、加工順再設定部44による加工順の再設定回数が上限値に達したか否かを判定する手順、加工順再設定部44による再設定回数が上限値に達した後においても干渉判定部43により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときには処理を終了する手順、および迂回路選定部45による迂回路の選定手順をも実行させる。そして、迂回路の選定手順には、迂回するか否かを判定する手順と、迂回路を選定して加工ヘッドの相対的な移動経路全体を設定する手順とが含まれる。
なお、上記の上限値を示すデータは記憶部1に格納されている。図8に示す構成要素のうちで迂回路選定部45および演算・制御部50Aをそれぞれ除いた残りの構成要素については、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上述の構成を有する製造支援装置60Aでは、加工順再設定部44が再設定回数の上限値に達するまで加工順を再設定しても早送り線と加工済み箇所との干渉が解消されないときに、加工済み箇所を2次元的に迂回することになるようにして、すなわち加工ヘッドがその高さを変えずに加工済み箇所を迂回することになるようにして迂回路選定部45が迂回路を選定し、加工ヘッドの相対的な移動経路全体を設定する。
図9は、演算・制御部50A(図8参照)が加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する際の処理の一例を示すフローチャートである。同図においては、図7に示したステップと共通するステップに図7で用いた参照符号と同じ参照符号を付してある。
図示の例では、加工順再設定部44(図8参照)による加工順の再設定回数がステップ11で上限値に達したと判断されたときにはステップS13に進み、ここで加工済み箇所を2次元的に迂回するか否かが迂回路選定部45(図8参照)により判定される。当該ステップS13では、例えば、加工済み箇所と干渉することになる早送り線の長さと条件値とを比較し、当該早送り線の長さが条件値を超えているときには迂回路の選定が可能であっても無駄な移動距離(相対的な移動距離)が増大し過ぎるので迂回はしないと判定される。また、迂回路自体の選定が可能であっても、所望の長さのピアス線を設定できないときや、迂回路での折れ曲がり回数が条件値を超える結果として相対的な移動時間が長くなると判断されるときには、迂回しないと判定される。早送り線の長さについての上記の条件値や、迂回路での折れ曲がり回数についての上記の条件値は、所定の記憶部、例えば記憶部1(図8参照)に予め格納される。
ステップS13で迂回しないと判定されたときには、処理を終了する。この場合、製造支援装置60Aのユーザは、例えば手作業により加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する。一方、ステップS13で迂回すると判定されたときにはステップS15に進み、迂回路選定部45が前述の迂回路を選定して、加工ヘッドの相対的移動経路全体を設定する。当該ステップS15での迂回路の選定は、例えば特許文献2に記載された発明の加工プログラミング装置での早送り経路(速送り経路)の変更と同様にして行うことができる。
このように構成された製造支援装置60Aでは、加工ヘッドの相対的な移動経路を自動的に設定することができる製品の種類が増えるので、実施の形態1で説明した製造支援装置60(図1参照)や実施の形態2で説明した製造支援装置に比べて利便性が高まる。
なお、製造支援データの編集方法という観点からみると、早送り線と干渉することになる加工済み箇所を迂回するか否かを判定する工程と、迂回路を選定して加工ヘッドの相対的な移動経路全体を設定する工程とが更に付加される。
実施の形態4.
本発明の製造支援装置においては、実施の形態3で説明した迂回路選定部が迂回路を選定しないと判定したときに、処理を終了するのではなく、加工ヘッドを加工済み箇所の上方に退避させながら相対的に移動させる経路(以下、「退避経路」という。)を選定することで当該加工ヘッドと加工済み箇所との干渉を回避するように構成することもできる。
図10は、退避経路を選定する機能を備えた製造支援装置の一例を概略的に示すブロックである。同図に示す製造支援装置60Bは、退避経路選定部46を有する演算・制御部50Bを備えている。演算・制御部50Bにおける退避経路選定部46以外の構成は図8に示した演算・制御部50Aにおける構成と同じであり、製造支援装置60Bにおける演算・制御部50B以外の構成は図8に示した製造支援装置60Aにおける演算制御部50A以外の構成と同じである。図10に示す構成要素のうちで退避経路選定部46および演算・制御部50Bをそれぞれ除いた残りの構成要素については、図8で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記の退避経路選定部46は、迂回路線選定部45が迂回しないと判定したときに、加工ヘッドを加工済み箇所の上方に退避させながら相対的に移動させる退避経路を選定して、加工ヘッドの相対的な移動経路全体を設定する。
図11は、上記の演算・制御部50B(図10参照)が加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する際の処理の一例を示すフローチャートである。同図においては、図9に示したステップと共通するステップに図9で用いた参照符号と同じ参照符号を付してある。
図示の例では、迂回路選定部45(図10参照)がステップS13で迂回しないと判定したときにステップS17に進み、ここで退避経路選定部46(図10参照)が上記の退避経路を選定し、加工ヘッドの相対的な移動経路全体を設定する。当該ステップS17では、例えば、加工済み箇所と干渉することになる早送り線と平面視上重なる退避経路が選定される。
このように構成された製造支援装置60Bでは、加工ヘッドの相対的な移動経路を自動的に設定することができる製品の種類が更に増えるので、実施の形態3で説明した製造支援装置60A(図8参照)に比べても利便性が高まる。
なお、製造支援装置60Bの記憶部1(図10参照)には、実施の形態3で説明した製造支援装置で用いられるプログラムに上述の退避経路を選定して加工ヘッドの相対的な移動経路全体を設定する手順が更に付加されたプログラムが格納される。製造支援データの編集方法という観点からみると、実施の形態3で説明した製造支援装置での編集方法に退避経路を選定して加工ヘッドの相対的な移動経路全体を設定する工程が更に付加される。
実施の形態5.
本発明の製造支援装置は、複数の製品対応領域を被加工物に適切に配置するネスティング部を更に備え、加工順仮設定部はネスティング部により複数の製品対応領域が適切に配置された後に加工順を仮設定するように構成することができる。このように構成された製造支援装置は、工作機械によって1つの被加工物から複数の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する製造支援装置として好適である。
図12は、ネスティング部を備えた製造支援装置の一例を概略的に示すブロックである。同図に示す製造支援装置60Cは、ネスティング部40を有する演算・制御部50Cを備えている。演算・制御部50Cにおけるネスティング部40以外の構成は図1に示した演算・制御部50における構成と同じであり、製造支援装置60Cにおける演算・制御部50C以外の構成は図1に示した製造支援装置60における演算・制御部50以外の構成と同じである。図12に示す構成要素のうちでネスティング部40および演算・制御部50Cをそれぞれ除いた残りの構成要素については、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記のネスティング部40は、複数の製品対応領域をネスティング、すなわち被加工物に適切に配置するものであり、例えば端材の量を抑える、加工時に発生するひずみを抑える、加工ヘッドの相対的な移動距離を抑える等の観点から、各製品対応領域の配置を適切化する。なお、加工時に発生するひずみを抑えるネスティング方法としては、例えば特開2006−107131号公報に記載された発明の図形配置方法が知られている。
どのような観点の下にネスティングを行うかは、製造支援装置60Cの用途等に応じて適宜選定可能であるが、如何なる観点の下にネスティングを行う場合でも、加工ヘッドの相対的な移動距離を抑えるうえからは、個々の製品対応領域での切出し加工の開始位置が該製品対応領域の次に切出し加工される製品対応領域側に設定されるように、加工開始位置設定部42を構成することが好ましい。また、加工順仮設定部41は、1つの製品を作り出し終えた後に次の製品の作製が始まるように加工順を仮設定することが好ましい。
図13は、上記の演算・制御部50C(図12参照)が加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する際の処理の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、演算・制御部50Cが加工ヘッドの相対的な移動経路を設定するにあたっては、まず、ネスティング部40(図12参照)によるネスティングがステップS1で行われ、その後に各加工対象箇所の加工順を仮設定するステップS3が行われる。ステップS3以降に行われる処理は図2に示したステップS3以降の処理と同じであるので、図13に示した各ステップのうちで図2に示した各ステップと共通するものについては、図2で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
なお、製造支援装置60Cの記憶部1(図12参照)には、実施の形態1で説明した製造支援装置60で用いられるプログラムにネスティングの手順が更に付加されたプログラムが格納される。製造支援データの編集方法という観点からみると、実施の形態1で説明した製造支援装置60での編集方法にネスティングを行うネスティング工程が更に付加される。
ネスティング部40を備えた製造支援装置60Cは、実施の形態1で説明した製造支援装置60(図1参照)と同様の技術的効果を奏する他に、ネスティング部40を備えていることから当該ネスティング40の設計思想に応じた所定の技術的効果、例えば端材の量が抑えられる、加工時に発生するひずみが抑えられる、加工ヘッドの相対的な移動距離が抑えられる等の技術的効果も奏する。
以下、図14、図15−1〜図15−3、または図16−1〜図16−3を参照して、ネスティング部40によるネスティングと製造支援装置60Cにより設定される加工ヘッドの相対的な移動経路とを具体的に説明する。
図14は、1つの被加工物から複数の製品を作り出す際のネスティングの一例と上述の製造支援装置60Cにより設定される加工ヘッドの相対的な移動経路の一例とを概略的に示す平面図である。同図に示す例では、実施の形態1で説明した形状の製品対応領域110が1つの被加工物Wに8つネスティングされている。これら8つの製品対応領域110は、端材の量が抑えられるように、6つの製品対応領域110が3行2列に亘って同じ向きで配置される一方で、残り2つの製品対応領域110が互いに同じ向きで、かつ上記6つの製品対応領域110の向きから90°ずれた向きで並列に配置されている。
被加工物Wから8つの製品を作り出すにあたっては、被加工物Wを平面視したときの左隅にあたる点Oから加工ヘッドが相対的に移動を開始して、まず、上記3行2列に亘って配置された6つの製品対応領域110のうちの3行1列目の製品対応領域110を加工し、当該製品対応領域110での最後の加工として切出し加工を行う。次いで、加工ヘッドは同じ列の製品対応領域110を下から順番に(行番号の大きいものから順番に)加工して2つの製品を作り出した後に右隣の列に相対的に移動し、該列の3つの製品対応領域110を上から順番に(行番号の小さいものから順番に)加工する。その後、残り2つの製品対応領域110のうちの下側の製品対応領域110(紙面手前側に近い方の製品対応領域110)を加工してから最後の製品対応領域110の加工を行う。
個々の製品対応領域110での加工対象箇所の加工順は実施の形態1で説明した加工順であり、各製品対応領域110での切出し加工の開始位置を指定するピアス線P0は該製品対応領域110の次に切出し加工される製品対応領域110側に設定されている。図14においては、上記の点Oから最初の加工対象箇所までの早送り線と、個々の製品対応領域110での切出し加工の終了点から次の製品対応領域110での最初の加工対象箇所までの早送り線とを一点鎖線の矢印で示してある。
図15−1は、1つの被加工物から複数の製品を作り出す際のネスティングの他の例を概略的に示す平面図である。同図に示す例では、12個の製品対応領域130が4つのグループに分かれて、1つの被加工物Wに並列に配置されている。具体的には、1つのグループが1つの列をなすようにして3行4列に亘って配置されており、個々のグループでの製品対応領域130の向きは1列毎に逆向きとされている。1つのグループを構成する各製品対応領域130での切出し加工の開始位置は互いに同じ方位にあり、当該各製品対応領域130での切出し加工についてのピアス線P0は互いに同じ方位を向いている。個々の製品対応領域130では、切出し加工に先だって、楕円形を呈する1つの加工対象箇所123と三角形を呈する1つの加工対象箇所125とでそれぞれ穴あけ加工が行われる。
図15−2は、図15−1に示した被加工物Wから12個の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を示す概略図である。同図中に矢印A1,A3で示すように、奇数列(左から数えて奇数番目の列)の各々では該列を構成する3つの製品対応領域を下から順番に(行番号の大きいものから順番に)加工するように、また偶数列(左から数えて偶数番目の列)の各々では該列を構成する3つの製品対応領域を上から順番に(行番号の小さいものから順番に)加工するように、加工ヘッドが相対的に移動する。このとき、3行1列目の製品対応領域が最初に加工され、1つの列の加工が終了すると矢印A2で示すように加工ヘッドが行方向右側に相対的に移動して、次の列の加工を開始する。互いに隣り合う2つのグループ(列)での加工ヘッドの相対的な移動経路は、実質的に互いに逆向きである。このように加工ヘッドの相対的な移動経路を選定すると、加工ヘッドの相対的な移動距離を抑えることが容易になる。
図15−3は、図15−1に示した被加工物Wから12個の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を具体的に示す平面図である。同図中に一点鎖線の矢印で示すように、加工ヘッドは被加工物Wを平面視したときの左隅にあたる点Oから相対的な移動を開始し、図15−2を用いて説明した相対的な移動経路を辿りながら各製品対応領域130に加工を施して、被加工物Wから12個の製品を作り出す。各製品対応領域130では、加工対象箇所123および加工対象箇所125にこの順番で穴あけ加工が施された後に切出し加工が行われる。
図16−1は、1つの被加工物から複数の製品を作り出す際のネスティングの更に他の例を概略的に示す平面図である。同図に示す例では、12個の製品対応領域130が4つのグループに分かれて、かつ1つのグループが1つの列をなすようにして3行4列に亘って1つの被加工物Wに配置されており、各グループでの製品対応領域130の向きは互いに同じである。各製品対応領域130での切出し加工の開始位置は互いに同じ方位にあり、当該各製品対応領域130での切出し加工についてのピアス線P0は互いに同じ方位を向いている。
図16−2は、図16−1に示した被加工物Wから12個の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を示す概略図である。同図中に矢印A11で示すように、各列では該列を構成する3つの製品対応領域を下から順番に(行番号の大きいものから順番に)加工するように、加工ヘッドが相対的に移動する。このとき、3行1列目の製品対応領域が最初に加工され、1つの列の加工が終了すると矢印A12で示すように加工ヘッドが行方向右側に相対的に移動し、更に矢印A13で示すように行方向下側に相対的に移動して、次の列の加工を開始する。互いに隣り合う2つのグループ(列)での加工ヘッドの移動経路は、実質的に互いに同じである。このように加工ヘッドの相対的な移動経路を選定すると、早送り線と加工済み箇所との干渉の発生を抑えることが容易になる。
図16−3は、図16−1に示した被加工物Wから12個の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を具体的に示す平面図である。同図中に一点鎖線の矢印で示すように、加工ヘッドは被加工物Wを平面視したときの左隅にあたる点Oから相対的な移動を開始し、図16−2を用いて説明した相対的な移動経路を辿りながら各製品対応領域130に加工を施して、被加工物Wから12個の製品を作り出す。いずれの製品対応領域130においても、加工対象箇所123および加工対象箇所125にこの順番で穴あけ加工が施された後に切出し加工が行われる。
なお、ネスティング部は、実施の形態1で説明した製造支援装置に付加する他に、実施の形態2で説明した製造支援装置に付加することもできるし、実施の形態3で説明した製造支援装置に付加することもできる。勿論、実施の形態4で説明した製造支援装置にネスティング部を付加することもできる。
実施の形態6.
本発明の工作機械は、加工ヘッドと、該加工ヘッドの動作を制御する制御装置とを備え、加工ヘッドにより被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から少なくとも1つの製品を作り出すものであり、上記の制御装置には前述した本発明の製造支援装置の機能が付加されている。具体的には、前述した本発明の製造支援装置での加工順仮設定部、加工開始位置設定部、干渉判定部、および加工順再設定部が少なくとも設けられている。
図17は、本発明の工作機械の一例を示す概略図である。同図に示す工作機械240はレーザ加工機(以下、「レーザ加工機240」という。)であり、該レーザ加工機240は、レーザ発振器201と、レーザ発振器201で発振されたレーザ光LBを収束させる収束光学系203と、収束光学系203で収束されたレーザ光LBの光路となる光導波部205と、光導波部205から出射したレーザ光LBを所望の径に再び収束させてから被加工物Wに照射する加工ヘッド207とを備えている。また、加工ヘッド207を保持してその鉛直方向位置を調節する加工ヘッド保持部209と、加工ヘッド保持部209を駆動する加工ヘッド駆動装置211と、水平面上で2軸方向に移動することが可能なテーブル213と、テーブル213を上記の2軸方向に駆動するテーブル駆動装置215とを備えている。
さらに、レーザ加工機240は、記憶部217と、制御装置230と、入力装置233と、表示装置235とを備えている。記憶部217には、レーザ発振器201、加工ヘッド駆動装置211、およびテーブル駆動装置215それぞれの動作の数値制御に用いられる数値制御データと、被加工物Wから作り出そうとする製品の数ならびに該製品の形状および大きさそれぞれについてのデータとが格納されており、制御装置230はこれらのデータを基にレーザ発振器201、加工ヘッド駆動装置211、およびテーブル駆動装置215それぞれの動作を制御する。なお、入力装置233は、記憶部217に所望のプログラムやデータを格納する際や制御装置230に所望の指令を出す際等に用いられ、表示装置235は、記憶部217に格納されている情報や、入力要求メッセージ、制御装置230の制御内容、加工の進捗状況等を表示する。
図18は、図17に示した制御装置230の構成を概略的に示すブロック図である。同図に示すように、制御装置230は、レーザ発振器201、加工ヘッド駆動装置211、テーブル駆動装置213、および表示装置235それぞれの動作を制御する主制御部220の他に、加工順仮設定部222、加工開始位置設定部223、干渉判定部224、および加工順再設定部225を有している。
上記の加工順仮設定部222、加工開始位置設定部223、干渉判定部224、および加工順再設定部225の各々は、実施の形態1で説明した加工順仮設定部41、加工開始位置設定部42、干渉判定部43、または加工順再設定部44(図1参照)と同様に動作して、被加工物Wから製品を作り出す際の加工ヘッド207の相対的な移動経路を設定する。そして、主制御部220は、加工順再設定部225が最終的に設定した相対的な移動経路に従って加工ヘッド207が移動して所定の加工を行うように、上記の数値制御データを組み替える。
このように構成されたレーザ加工機240によって被加工物Wから所望の製品を作り出す際には、まず、テーブル213上に被加工物Wが載置される。次いで、制御装置230がレーザ発振器201、加工ヘッド駆動装置211、およびテーブル駆動装置215それぞれの動作を制御し、加工ヘッド207を被加工物Wに対して相対的に移動させながら所定のタイミングで加工ヘッド207からレーザ光LBを出射させる。これにより被加工物Wが所定形状に加工されて、当該被加工物Wから所望の製品が作り出される。このときの加工ヘッド207の相対的な移動経路は、前述した本発明の製造支援装置60におけるのと同様にして、加工順仮設定部222、加工開始位置設定部223、干渉判定部224、および加工順再設定部225の各々によって予め設定される。
したがって、レーザ加工機240では、被加工物Wから製品を作り出す際に工数を増加させることなく、かつ加工ヘッド207の相対的な移動距離を抑えつつ、該加工ヘッド207と被加工物Wとの干渉を防止することが容易である。
なお、本発明の工作機械は穴あけ加工を行うことができるものであればレーザ加工機に限定されるものではなく、プラズマ切断機、ウォータジェット切断機等であってもよい。また、本発明の工作機械における制御装置には、実施の形態1で説明した本発明の製造支援装置の機能を付加する他に、実施の形態2で説明した本発明の製造支援装置の機能を付加してもよいし、実施の形態3で説明した本発明の製造支援装置の機能を付加してもよい。勿論、実施の形態4で説明した本発明の製造支援装置の機能や、実施の形態5で説明した本発明の製造支援装置の機能を付加してもよい。
実施の形態7.
本発明の工作システムは、加工ヘッドにより被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から少なくとも1つの製品を作り出す工作機械と、この工作機械に有線または無線により接続されて該工作機械に加工ヘッドの相対的な移動経路を設定するためのデータを送る製造支援装置とを備えたものであり、上記の製造支援装置としては前述した本発明の製造支援装置が用いられる。
図19は、本発明の工作システムの一例を概略的に示すブロック図である。同図に示す工作システム270は、3台の工作機械250,250,250と、これらの工作機械250,250,250に無線により接続されて各工作機機械250の動作を制御するメインコントローラ260とを備えており、メインコントローラ260は、前述した本発明の製造支援装置255を含んでいる。
個々の工作機械250は例えばレーザ加工機、プラズマ切断機、またはウォータジェット切断機等であり、加工ヘッドにより被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す。そして、製品を作り出す際の各工作機械250での加工ヘッドの移動経路は、製造支援装置255により予め設定される。
このように構成された工作システム270では、本発明の製造支援装置の1つである製造支援装置255によって各工作機械250での加工ヘッドの相対的な移動経路が設定されるので、個々の工作機械250が被加工物から製品を作り出す際に、工数を増加させることなく、かつ加工ヘッドの相対的な移動距離を抑えつつ該加工ヘッドと被加工物との干渉を防止することが容易である。
なお、本発明の工作システムは、穴あけ加工を行うことができる工作機械と、この工作機械に有線または無線により接続されて該工作機械に加工ヘッドの相対的な移動経路を設定するためのデータを送る本発明の製造支援装置とを備えていればよく、工作機械の種類および台数は適宜選定可能である。また、製造支援装置と工作機械との接続は、ネットワークシステムを介するものであってもよい。そして、本発明の工作システムを構成する製造支援装置は、前述した本発明の製造支援装置のいずれであってもよく、この製造支援装置は、上述のようにメインコントローラの一部をなすものであってもよいし、単独で工作機械に接続されたものであってもよい。
本発明によれば、レーザ加工機、プラズマ切断機、ウォータジェット切断機等の工作機械によって被加工物から製品を作り出す際に、工数を増加させることなく、かつ加工ヘッドの相対的な移動距離を抑えつつ該加工ヘッドと被加工物との干渉を防止することが容易になるので、本発明は、これらの工作機械での生産性を向上させるうえで有用である。
本発明の製造支援装置での基本構成の一例を概略的に示すブロック図である。 図1に示した製造支援装置を構成する演算・制御部が加工ヘッドの相対的な移動経路を設定する際の処理の一例を示すフローチャートである。 図1に示した製造支援装置を構成する加工順仮設定部によって1つの加工対象箇所の加工順が仮設定されるたびに、同図に示した加工開始位置設定部が当該加工対象箇所での加工開始位置を設定するときの処理の一例を示すフローチャートである。 図1に示した製造支援装置を構成する干渉判定部のうち、2つの加工対象箇所同士を結ぶ早送り線毎に該早送り線が加工済み箇所と干渉することになるか否かを順次判定するタイプのものの一例を概略的に示すフローチャートである。 図1に示した製造支援装置を構成する加工順再設定部のうち、加工済み箇所と干渉することになる全ての早送り線を干渉判定部が見つけ出した後に加工順を再設定するタイプのものの処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 被加工物を加工して1つの製品を作製するにあたって被加工物に予め設定される製品対応領域での加工対象箇所の分布の一例を概略的に示す平面図である。 図6−1に示した各加工対象箇所に設定される基準位置を示す平面図である。 図6−1に示した加工対象箇所に加工開始位置を設定するのに先だって設定さる仮想半直線の一例を概略的に示す平面図である。 図6−1に示した加工対象箇所に設定される加工開始位置の一例を概略的に示す平面図である。 図6−1に示した加工対象箇所に設定される仮想半直線および加工開始位置それぞれについての他の一例を概略的に示す平面図である。 図6−1に示した各加工対象箇所のうちで加工順が変更された加工対象箇所に再設定される加工開始位置の一例を概略的に示す平面図である。 図6−1に示した各加工対象箇所の加工順を再設定した後に再設定される早送り線の一例を概略的に示す平面図である。 本発明の製造支援装置のうちで、加工順再設定部による再設定回数の計数、および該再設定回数が上限値に達したか否かの判定を加工順再設定部自身が行うように演算・制御部が構成されたものでの加工ヘッドの相対的な移動経路の設定処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の製造支援装置のうちで迂回路を選定する機能を備えたものの一例を概略的に示すブロックである。 本発明の製造支援装置のうちで迂回路選定部を備えたものでの加工ヘッドの相対的な移動経路の設定処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の製造支援装置のうちで退避経路を選定する機能を備えたものの一例を概略的に示すブロックである。 本発明の製造支援装置のうちで退避経路選定部を備えたものでの加工ヘッドの相対的な移動経路の設定処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の製造支援装置のうちでネスティング部を備えた製造支援装置の一例を概略的に示すブロックである。 本発明の製造支援装置のうちでネスティング部を備えたものでの加工ヘッドの相対的な移動経路の設定処理の一例を示すフローチャートである。 1つの被加工物から複数の製品を作り出す際のネスティングの一例と、本発明の製造支援装置のうちでネスティング部を備えたもので設定される加工ヘッドの相対的な移動経路の一例とを概略的に示す平面図である。 1つの被加工物から複数の製品を作り出す際のネスティングの他の例を概略的に示す平面図である。 図15−1に示した被加工物から12個の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を示す概略図である。 図15−1に示した被加工物Wから12個の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を具体的に示す平面図である。 1つの被加工物から複数の製品を作り出す際のネスティングの更に他の例を概略的に示す平面図である。 図16−1に示した被加工物から12個の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を示す概略図である。 図16−1に示した被加工物Wから12個の製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を具体的に示す平面図である。 本発明の工作機械の一例を示す概略図である。 図17に示した工作機械における制御装置の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の工作システムの一例を概略的に示すブロック図である。
符号の説明
40 ネスティング部
41 加工順仮設定部
42 加工開始位置設定部
43 干渉判定部
44 加工順再設定部
45 迂回路選定部
46 退避経路選定部
60,60A〜60C 製造支援装置
110,130 製品対応領域
103a〜103f,105,123,125 加工対象箇所
207 加工ヘッド
222 加工順仮設定部
223 加工開始位置設定部
224 干渉判定部
225 加工順再設定部
240 工作機械(レーザ加工機)
250 工作機械
255 製造支援装置
270 工作システム
0〜P7 ピアス線
FL1〜FL7 早送り線
W 被加工物

Claims (17)

  1. 工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を設定することで前記工作機械による製品の製造を支援する製造支援装置であって、
    前記被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、前記製品を前記被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう前記被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定部と、
    前記加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定部と、
    前記仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定部と、
    前記干渉判定部により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、前記干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように前記複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定部と、
    を有することを特徴とする製造支援装置。
  2. 前記加工対象箇所での加工は、切出し加工を除き、穴あけ加工であることを特徴とする請求項1に記載の製造支援装置。
  3. 前記加工開始位置設定部は、前記仮設定の加工順が最後の加工対象箇所から最初の加工対象箇所へと順々に加工開始位置を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の製造支援装置。
  4. 前記干渉判定部は、前記加工順再設定部が加工順の再設定を行うたびに、該再設定された加工順の下での早送り線の各々が加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定し、
    前記加工順再設定部は、前記干渉判定部によって前記早送り線の各々が加工済み箇所と干渉しないと判定されるまで、または予め定められた再設定回数の上限値に達するまで、加工順を再設定する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の製造支援装置。
  5. 前記加工順再設定部が前記再設定回数の上限値に達するまで加工順を再設定しても早送り線と加工済み箇所との干渉が解消されないときに、前記干渉することになると判定された加工済み箇所を迂回するように前記加工ヘッドの相対的な移動経路を選定するか否かを判定すると共に、迂回すると判定したときには迂回路を選定する迂回路選定部を更に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の製造支援装置。
  6. 前記迂回路選定部が迂回路を選定しないときに、前記加工ヘッドを前記干渉することになると判定された加工済み箇所の上方に退避させながら相対的に移動させる退避経路を選定する退避経路選定部を更に有することを特徴とする請求項5に記載の製造支援装置。
  7. 複数の製品対応領域を前記被加工物に適切に配置するネスティング部を更に備え、
    前記加工順仮設定部は、前記ネスティング部により前記複数の製品対応領域の配置が適切化された後に前記加工順を仮設定する、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の製造支援装置。
  8. 前記ネスティング部は、前記複数の製品対応領域を輪郭形状が同じ製品対応領域毎にグループ分けすると共に、個々のグループでの製品対応領域の向きが同じになるように、または1列毎に逆向きとなるように並列に配置することを特徴とする請求項7に記載の製造支援装置。
  9. 前記加工順仮設定部は、前記ネスティング部が前記複数の製品対応領域を個々のグループでの製品対応領域の向きが1列毎に逆向きとなるようにグループ分けして並列に配置したときに、互いに隣り合う2つのグループでの前記加工ヘッドの相対的な移動経路が実質的に互いに逆向きとなるように前記加工順を仮設定することを特徴とする請求項8に記載の製造支援装置。
  10. 前記加工順仮設定部は、前記ネスティング部が前記複数の製品対応領域を個々のグループでの製品対応領域の向きが同じとなるようにグループ分けして並列に配置したときに、前記加工ヘッドの相対的な移動経路が各グループ内で実質的に同じとなるように前記加工順を仮設定することを特徴とする請求項8に記載の製造支援装置。
  11. 前記加工開始位置設定部は、個々の製品対応領域での切出し加工の開始位置を該製品対応領域の次に切出し加工される製品対応領域側に設定することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の製造支援装置。
  12. 工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を設定することで前記工作機械による製品の製造を支援する製造支援データの編集方法であって、
    前記被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、前記製品を前記被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう前記被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定工程と、
    前記加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定工程と、
    前記仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定工程と、
    前記干渉判定工程で早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、前記干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように前記複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定工程と、
    を含むことを特徴とする製造支援データの編集方法。
  13. 工作機械により被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す際の加工ヘッドの相対的な移動経路を設定することで前記工作機械による製品の製造を支援する製造支援装置を動作させる製造支援用プログラムであって、
    前記被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、前記製品を前記被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう前記被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定手順と、
    前記加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定手順と、
    前記仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定手順と、
    前記干渉判定手順に従った判定により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、前記干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように前記複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定手順と、
    を前記製造支援装置に実行させることを特徴とする製造支援用プログラム。
  14. 加工ヘッドと、該加工ヘッドの動作を制御する制御装置とを備え、前記加工ヘッドにより被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す工作機械であって、
    前記制御装置は、
    前記被加工物から作り出す製品の数、形状、および大きさを基に、前記製品を前記被加工物から切り出す切出し加工が該製品についての加工の最後に行われることになるよう前記被加工物での複数の加工対象箇所の各々に加工順を仮設定する加工順仮設定部と、
    前記加工対象箇所の各々に加工開始位置を設定する加工開始位置設定部と、
    前記仮設定の加工順に従ったときの各加工対象箇所での加工終了位置と該加工対象箇所の次に加工される加工対象箇所での加工開始位置とを結ぶ早送り線の各々が、加工済み箇所と干渉することになるか否かを判定する干渉判定部と、
    前記干渉判定部により早送り線が加工済み箇所と干渉することになると判定されたときに、前記干渉することになると判定された加工済み箇所の加工順が該加工済み箇所と干渉する早送り線の終点にある加工対象箇所の加工順の1つ前となるように前記複数の加工対象箇所それぞれの加工順を設定し直すと共に、加工順を設定し直した加工対象箇所での加工開始位置の再設定を行う加工順再設定部と、
    を有することを特徴とする工作機械。
  15. レーザ加工機であることを特徴とする請求項14に記載の工作機械。
  16. 加工ヘッドにより被加工物の複数箇所を加工して該被加工物から製品を作り出す工作機械と、前記工作機械に有線または無線により接続されて該工作機械に前記加工ヘッドの相対的な移動経路を設定するためのデータを送る製造支援装置とを備えた工作システムであって、前記製造支援装置は請求項1に記載の製造支援装置であることを特徴とする工作システム。
  17. 前記工作機械はレーザ加工機であることを特徴とする請求項16に記載の工作システム。
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