JP2008116860A - クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 - Google Patents

クリーニング装置、プロセスカートリッジ、および画像形成装置 Download PDF

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Makoto Sakanobe
真 坂廼邉
Satoshi Shigezaki
聡 重崎
Noritaka Kuroda
能孝 黒田
Hiromi Nagai
浩美 永井
Kanji Shintaku
寛治 新宅
Tatsuya Soga
達也 曽我
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Abstract

【課題】トナー像を表面に保持して該表面が循環移動することで、該トナー像を被転写面に転写する転写領域まで該トナー像を搬送する像保持体の、該被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を該表面から除去するクリーニング装置、そのクリーニング装置を備えたプロセスカートリッジ、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置に関し、像保持体表面を必要以上に削り取ることなく像流れや白抜けの発生を抑える。
【解決手段】太さが10μm以下の複数の繊維を有し、像保持体11の、被転写面30にトナー像が転写された後の表面11bへ向けて押し付けられた繊維体175と、繊維体175の、像保持体表面11bへ向けての押付圧を変更する押付圧変更手段176,178とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式で採用される、残留トナー等の残留物を除去するクリーニング装置、そのクリーニング装置を備えたプロセスカートリッジ、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式では、所定方向に循環移動する像保持体表面を帯電器によって帯電し帯電後の像保持体表面に露光光を照射することにより像保持体表面に静電潜像を形成しその静電潜像を現像器によってトナーで現像して像保持体表面にトナー像を形成するトナー像形成サイクルによって、像保持体表面に形成されたトナー像を、所定の被転写面(記録媒体や中間転写体)に転写し、その後用紙等の記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する。
所定の被転写面に転写を終えた像保持体表面には、未転写のトナーや外添剤、記録媒体である用紙中に含まれていたタルク、あるいは帯電において生じた放電生成物など複数種類の異物が残留しているため、これらを次のトナー像形成サイクルに先立ってクリーニング手段により除去することが必要になる。
トナー等の残留物を除去するクリーニング方式としては、像保持体表面に複数の繊維を有する繊維体を接触させ、その繊維体によって放電生成物やタルク等の残留物を除去する技術が提案されている(特許文献1,2等参照)。これらの技術では、繊維体の繊維と繊維の微小な隙間にトナーや外添剤を溜め込み、それらのトナーや外添剤によって像保持体表面に付着した放電生成物やタルク等を像保持体表面とともに削り取る。
ここで、放電生成物やタルク等が空気中の水分によりイオン化されて静電潜像を乱し、画質上、像流れや白抜けとなって現れる画像欠陥は、高温高湿(例えば、温度30℃,湿度90%)環境下で発生しやすいため、繊維体によるクリーニング条件の設定は、高温高湿環境下に合わせて設定される傾向にある。
ところが、高温高湿環境下に合わせたクリーニング条件では、低温低湿(例えば、温度10℃,湿度15%)環境においては、像保持体表面が必要以上に削り取られ、像保持体の寿命(交換サイクル)が短くなってしまうといった欠点がある。また、低温低湿環境下では、トナーの帯電量が上昇しトナーは被転写面へ転写されやすくなる。その結果、残留物には相対的にみて外添剤が多く含まれることになり、繊維体に外添剤が堆積しやすくなる。硬く研磨能力が高いシリカが外添剤に含まれていると、繊維体に堆積したそのシリカによって像保持体表面の削り取り量が増大し、像保持体の寿命がますます短くなってしまう。
さらに、繊維体を像保持体表面に対して接離自在に配備する技術も提案されている(特許文献3参照)。この特許文献3に記載された技術を用いれば、繊維体を像保持体表面から離間させておき、高温高湿環境下で繊維体を像保持体表面に接触させ放電生成物やタルク等を除去することが考えられる。
実開昭62−181973号公報 特開平10−116011号公報 特開平5−181295号公報
しかしながら、放電生成物やタルク等は繊維体が離間している間に像保持体表面に徐々に蓄積するため、例えば、高温高湿環境下になりやすい夏場に、空調が十分に効いた環境下(繊維体が像保持体表面から離間した状態におかれる環境下)で大量の画像形成を行ってから画像形成装置の主電源も空調も一旦切り、画像形成装置が高温高湿環境下に一晩放置した後、画像形成装置の主電源を投入して画像形成を行うと、像流れや白抜けが発生してしまう場合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、像保持体表面を必要以上に削り取ることなく像流れや白抜けの発生を抑えることができるクリーニング装置、そのクリーニング装置を備えたプロセスカートリッジ、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1のクリーニング装置は、トナー像を表面に保持してその表面が循環移動することで、そのトナー像を被転写面に転写する転写領域までそのトナー像を搬送する像保持体の、その被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物をその表面から除去するクリーニング装置において、
太さが10μm以下の複数の繊維を有し、上記像保持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面へ向けて押し付けられた繊維体と、
上記繊維体の、上記像保持体表面へ向けての押付圧を変更する押付圧変更手段とを備えたことを特徴とする。
ここにいう被転写面とは、中間転写体の、上記像保持体表面に接する面であってもよいし、あるいは記録媒体の記録面であってもよい。
本発明の第1のクリーニング装置によれば、上記繊維体による上記像保持体表面の削り取り量には、上記押付圧が大きく影響する。そこで、上記押付圧を変更することで、低温低湿環境下であっても像保持体表面が必要以上に削り取られることを防止することができ、反対に高温高湿環境下であっても像保持体表面から放電生成物やタルク等をしっかりと除去することができる。
なお、ここにいう押付圧変更手段は、上記像保持体に対して上記繊維体を接離することで上記押付圧を変更するものであってもよいし、上記繊維体に対して上記像保持体を接離することで上記押付圧を変更するものであってもよいし、あるいは上記繊維体と上記像保持体との双方を互いに近づけたり遠ざけたりすることで上記押付圧を変更するものであってもよい。
また、上記繊維体が、ロール状の周面に太さが10μm以下の複数の繊維を有し、上記像保持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面へ向けてその周面が押し付けられた状態で回転するものであってもよい。
また、上記第1のクリーニング装置において、上記像保持体表面の周囲の温度もしくは湿度、または温度および湿度を検知する環境検知センサを備え、
上記押付圧変更手段が、上記環境検知センサの検知結果に応じて上記押付圧を変更するものであることが好ましく、さらには、
上記押付圧変更手段は、上記環境検知センサの検知結果が、所定の高温以上もしくは所定の高湿以上、または所定の高温以上および所定の高湿以上であった場合には、所定の低温以下もしくは所定の低湿以下、または所定の低温以下および所定の低湿以下であった場合に比べて、上記押付圧を強めるものであることがより好ましい。
上記第1のクリーニング装置では、上記押付圧を強めれば上記像保持体表面の削り取り量が増加し、反対に上記押付圧を弱めれば上記像保持体表面の削り取り量が減少する。そのため、放電生成物やタルク等が除去されずに引き起こされる画像欠陥が発生しやすい高温高湿(例えば、温度30℃,湿度90%)環境下では、低温低湿(例えば、温度10℃,湿度15%)環境下よりも上記押付圧を強める。
具体的には例えば、温度10℃,湿度15%の環境下では、上記押付圧を5mN/mm以上15mN/mm以下に抑えるのに対して、温度30℃,湿度90%の環境下では、上記押付圧を35mN/mm以上45mN/mm以下に高めればよい(単位は繊維体長手方向1mmに対する荷重で表記した)。
上記目的を達成するための本発明の第2のクリーニング装置は、トナー像を表面に保持してその表面が循環移動することで、そのトナー像を被転写面に転写する転写領域までそのトナー像を搬送する像保持体の、その被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物をその表面から除去するクリーニング装置において、
ロール状の周面に太さが10μm以下の複数の繊維を有し、上記像保持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面にその繊維が接した状態で回転する繊維体と、
上記繊維体の回転速度と上記像保持体表面の循環移動速度との速度差を変更する速度差変更手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の第2のクリーニング装置によれば、上記繊維体による上記像保持体表面の削り取り量には、上記速度差が大きく影響する。そこで、上記速度差を変更することで、低温低湿環境下であっても像保持体表面が必要以上に削り取られることを防止することができ、反対に高温高湿環境下であっても像保持体表面から放電生成物やタルク等を除去することができる。また、上記速度差変更手段は、複雑な機械的構成をあえて設けなくでも実現することができるものであり、装置の大型化を抑えられ、カートリッジ化に適している。
なお、ここにいう速度差変更手段は、上記繊維体の回転速度と上記像保持体の循環移動速度とのうち、上記繊維体の回転速度のみを調整することで上記速度差を変更するものであってもよいし、上記像保持体の循環移動速度のみを調整することで上記速度差を変更するものであってもよいし、あるいは双方の速度を調整することで上記速度差を変更するものであってもよい。
また、上記像保持体表面の周囲の温度もしくは湿度、または温度および湿度を検知する環境検知センサを備え、
上記速度差変更手段が、上記環境検知センサの検知結果に応じて上記速度差を変更するものであることが好ましく、さらには、
上記速度差変更手段は、上記環境検知センサの検知結果が、所定の高温以上もしくは所定の高湿以上、または所定の高温以上および所定の高湿以上であった場合には、所定の低温以下もしくは所定の低湿以下、または所定の低温以下および所定の低湿以下であった場合に比べて、上記速度差を拡げるものであることがより好ましい。
上記第2のクリーニング装置では、上記速度差を拡げれば上記像保持体表面の削り取り量が増加し、反対に上記速度差を縮めれば上記像保持体表面の削り取り量が減少する。そのため、放電生成物やタルク等が除去されずに引き起こされる画像欠陥が発生しやすい高温高湿(例えば、温度30℃,湿度90%)環境下では、低温低湿(例えば、温度10℃,湿度15%)環境下よりも上記速度差を拡げる。
具体的には例えば、上記速度差を“上記繊維体の回転速度/上記像保持体表面の循環移動速度”で表した場合には、温度10℃,湿度15%の環境下では、上記速度差を0.8以上1.0未満とするのに対して、温度30℃,湿度90%の環境下では、上記速度差を0より大きく0.3以下とすればよい。
また、本発明の第1および第2のクリーニング装置において、上記繊維体よりも上記像保持体表面の循環移動方向下流側に配備され、上記残留物を静電的に吸着させるクリーニング手段を備えた態様であってもよいし、あるいは、
上記繊維体よりも上記像保持体表面の循環移動方向下流側に配備され、上記表面に先端を圧接させたクリーニングブレードを備えた態様であってもよい。
上記目的を達成するための本発明の第1のプロセスカートリッジは、トナー像を形成し、そのトナー像を、所定の転写領域で被転写面に転写し、その後記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に装着されるプロセスカートリッジにおいて、
表面にトナー像が形成され、形成されたトナー像をその表面に保持してその表面が所定方向に循環移動することでそのトナー像を上記転写領域まで搬送する像保持体と、
上記転写領域よりも上記像保持体の循環移動方向下流側に配備され、太さが10μm以下の複数の繊維を有し、その像保持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面へ向けて押し付けられた繊維体と、
上記繊維体の、上記像保持体表面へ向けての押付圧を変更する押付圧変更手段とを備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の画像形成装置は、表面にトナー像を保持してその表面が所定方向に循環移動する像保持体のその表面に保持されたトナー像を、所定の転写領域で被転写面に転写し、その後記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
上記転写領域よりも上記像保持体の循環移動方向下流側に配備され、太さが10μm以下の複数の繊維を有し、その像保持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面へ向けて押し付けられた繊維体と、
上記繊維体の、上記像保持体表面へ向けての押付圧を変更する押付圧変更手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の第1のプロセスカートリッジも本発明の第1の画像形成装置も、本発明の第1のクリーニング装置の構成と同じ構成を備えており、その第1のクリーニング装置の効果と同様な効果が得られる。
上記目的を達成するための本発明の第2のプロセスカートリッジは、トナー像を形成し、そのトナー像を、所定の転写領域で被転写面に転写し、その後記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に装着されるプロセスカートリッジにおいて、
表面にトナー像が形成され、形成されたトナー像をその表面に保持してその表面が所定方向に循環移動することでそのトナー像を上記転写領域まで搬送する像保持体と、
上記転写領域よりも上記像保持体の循環移動方向下流側に配備され、ロール状の周面に太さが10μm以下の複数の繊維を有し、その像保持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面にその繊維が接した状態で回転する繊維体と、
上記繊維体の回転速度と上記像保持体表面の循環移動速度との速度差を変更する速度差変更手段とを備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の第2の画像形成装置は、表面にトナー像を保持してその表面が所定方向に循環移動する像保持体のその表面に保持されたトナー像を、所定の転写領域で被転写面に転写し、その後記録媒体上に定着することによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
上記転写領域よりも上記像保持体の循環移動方向下流側に配備され、ロール状の周面に太さが10μm以下の複数の繊維を有し、その像保持体の、上記被転写面にトナー像が転写された後の表面にその繊維が接した状態で回転する繊維体と、
上記繊維体の回転速度と上記像保持体表面の循環移動速度との速度差を変更する速度差変更手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の第2のプロセスカートリッジも本発明の第2の画像形成装置も、本発明の第2のクリーニング装置の構成と同じ構成を備えており、その第2のクリーニング装置の効果と同様な効果が得られる。
本発明によれば、像保持体表面を必要以上に削り取ることなく像流れの発生を抑えることができるクリーニング装置、そのクリーニング装置を備えたプロセスカートリッジ、およびそのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれに対応した、4つのトナー像形成ユニットを用いて、中間転写ベルトの送りに同期させて各トナー像形成ユニットでそれぞれの色のトナー像を形成し、それらトナー像を中間媒体としての中間転写ベルト上に重ね合わせ(1次転写)、中間転写ベルト上に重ね合わせたトナー像を記録媒体である用紙に転写(2次転写)し、定着するものである。
図1に示す画像形成装置1は、4つのトナー像形成ユニット10、4つの1次転写ロール20、3つの支持ロール31に支持されて反時計回りの方向に循環移動する半導電性の中間転写ベルト30、2次転写を行う一括転写装置40、および未定着トナー像を用紙に定着させる定着装置50を備えている。
4つのトナー像形成ユニット10は、中間転写ベルト30の循環方向に並んで配置されており、各トナー像形成ユニット10には、時計回りに回転する感光体ドラム11が配備されている。この感光体ドラム11は、本発明にいう像保持体の一例に相当するものである。各感光体ドラム11は、円筒状の導電性支持体の上に、下引層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を積層してなるものであって、保護層の表面は、この感光体ドラム11の表面に相当する。保護層は、この感光体ドラム11の最表層になる層であって、電荷輸送機能を有する構造単位を持ち、かつ架橋構造を有する樹脂を含有した高強度表面層である。これらの感光体ドラム11の表面は、中間転写ベルト30に接している。中間転写ベルト30が感光体ドラム11に接する領域には、中間転写ベルト30を感光体ドラム11と挟み込むように1次転写ロール20が配備されており、この領域が1次転写領域である。1次転写ロール20には1次転写バイアスが印加される。
ここで、図1とともに図2も用いて、本実施形態の画像形成装置の説明をさらに進める。
図2は、図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを図1よりも詳しく示した図である。
図2に示すトナー像形成ユニット10は、感光体ドラム11の他に、帯電器12、露光器13、現像器14、クリーニング前帯電器15、クリーニング前除電器16、クリーニング装置17、および除電器18を備えている。これらの構成部材のうち、感光体ドラム11、帯電器12、現像器14、クリーニング前帯電器15、クリーニング前除電器16、およびクリーニング装置17は、一つのカートリッジに内蔵されており、一体的にユニット化されている。これら6つの構成部材11,12,14〜17がユニット化されたカートリッジが、本発明のプロセスカートリッジの一実施形態に相当するが、本発明のプロセスカートリッジは、これら6つの構成部材11,12,14〜17のうち感光体ドラム11とクリーニング装置17との2つの構成部材のみがユニット化されたカートリッジであってもよい。図1に示す画像形成装置1では、このプロセスカートリッジが交換自在であり、感光体ドラム11が寿命に達すると、カートリッジ交換が行われる。なお、この図2には、感光体ドラム11の表面11bになる保護層111が模式的に示されている。図2に示す感光体ドラム11は回転軸11aを中心にして回転することで、保護層(感光体ドラム表面11b)は、回転軸11aの周りを循環移動する。
帯電器12は、非接触帯電方式のコロトロン帯電器である。この帯電器12には、帯電器制御部121による制御のもと、帯電器高圧電源122から帯電バイアスが印加される。露光器13は、感光体ドラム表面11bに向けて、画像情報に基づくレーザ光を照射するものである。現像器14は、トナー母粒子よりも微粒子の研磨微粒子や潤滑剤微粒子が外添されたトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容体141と、現像剤収容体141中のトナーを保持して感光体ドラム11の表面に対向した状態で回転する現像ロール142を有する。現像剤収容体141に収容された現像剤中のトナーは負極に帯電する負極帯電型のトナーである。また、研磨微粒子はトナー母粒子よりも研磨力が高いシリカを主成分とするものであり、潤滑剤微粒子はステアリン酸亜鉛である。トナーは、現像器14内で負極性に帯電され、感光体ドラム11の表面11bに静電的に移行する。
ここで、図2に示すトナー像形成ユニット10で実施されるトナー像形成サイクルについて簡単に説明する。
図2に示すトナー像形成ユニット10においてトナー像形成サイクルが行われる際には、矢印R方向に回転する感光体ドラム表面11bは、まず、帯電器12によって一様に帯電される。次に、露光器13によって画像情報に基づくレーザ光が照射され、感光体ドラム表面11bに静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器14によって現像され、感光体ドラム表面11bにはトナー像が形成される。こうして形成されたトナー像は、1次転写領域において感光体ドラム表面11bから、矢印C方向に移動する中間転写ベルト30の表面に1次転写バイアスの作用によって転写される。感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面11bは、後述するクリーニング装置17が配備された領域を経由した後、除電器18によって除電され、一連のトナー像形成サイクルが終了する。こうしたトナー像形成サイクルが各トナー像形成ユニット10ごとに実施され、各トナー像形成ユニット10で形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像となる。
また、図1に示す一括転写装置40は、中間転写ベルト30のトナー像保持面側に圧接配置された2次転写ロール41と、中間転写ベルト30の裏面側に配置されたバックアップロール42を備えており、これら2つのロール41,42で中間転写ベルト30を挟みこんでいる。これら2つのロール41,42の間が2次転写領域になる。
さらに、図1に示す画像形成装置1には、用紙トレイ60が配備されており、用紙トレイ60に収容された用紙Pは、フィードロール61によって用紙トレイ60から送り出され、所定のタイミングで2次転写領域へと送り込まれる。2次転写領域では、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像が、送り込まれてきた用紙P上に転写される。定着装置50は、加熱機構511を有する定着ロール51、および定着ロール51に対向するように設けられた圧力ロール52を備えている。互いに対向する定着ロール51と圧力ロール52との間には、2次転写領域を通過した用紙Pが搬送されてくる。用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール51の加熱機構511により溶融され用紙Pに定着する。
また、一括転写装置40の下流側にはベルトクリーナ70が設けられており、中間転写ベルト30上の残留トナーは、このベルトクリーナ70によって中間転写ベルト30上から除去される。
一方、図2示す感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面11bには、1次転写領域において中間転写ベルト30表面へ移行することができなかった残留トナーや、その残留トナーに付着していたいわゆる外添剤粒子である研磨剤微粒子や潤滑剤微粒子、さらには、帯電において生じた放電生成物や用紙中に含まれていたタルクなど複数種類の異物が残留している。図1および図2に示すクリーニング装置17は、これら複数種類の異物を除去するための装置であって、1次転写領域よりも感光体ドラム回転方向下流側であって帯電領域よりも感光体ドラム回転方向上流側の位置に配備されたものである。また、このクリーニング装置17の手前には、クリーニング前帯電器15とクリーニング前除電器16が配備されている。感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面111には両極性の残留トナーが存在するため、これら両極性の残留トナーをクリーニング前帯電器15によって一方の極性に揃え、クリーニング前除電器16によって感光体ドラム表面上の残留電位レベルを落とし、残留トナーが、クリーニング装置17によって除去されやすいようにする。ここでは、クリーニング前帯電器15によって、残留トナー粒子は、帯電極性と同じ極性の負極性に揃えられる。
図2に示すクリーニング装置17は、本発明の第1のクリーニング装置の一実施形態に相当し、クリーニングブラシ171、回収ロール172、スクレーパ部材173、廃トナー搬送オーガ174、微細繊維ロール175、押付圧調整機構176、環境検知センサ177、および制御部178を備えている。
クリーニングブラシ171は、感光体ドラム11の回転軸11aと平行に延在した中心軸1711から放射状に延びた導電性の毛1712を有するものである。このクリーニングブラシ171は、毛1712の先端が感光体ドラム表面11bおよび回収ロール172の周面の双方に食い込んだ状態で中心軸1711を中心にして回転する。クリーニングブラシ171の回転方向は、感光体ドラム表面11bと接する領域では感光体ドラム表面11bの回転方向とは逆方向になる。クリーニングブラシ171の毛1712には、クリーニング前帯電器15によって残留トナー粒子が揃えられる極性(負極性)とは逆極性である正極性のクリーニングバイアスが印加されており、残留トナー粒子は、このクリーニングバイアスの作用によってクリーニングブラシ171の毛1712に引き寄せられるとともにこの毛1712によって掻き取られる。すなわち、クリーニングブラシ171は、感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面11bに残留した残留トナー粒子をその表面11bから除去するものである。また、トナー粒子から離脱して感光体ドラム表面11bに残留した研磨効果等を発揮する外添剤粒子も、このクリーニングブラシ171によってその表面11bから除去される。クリーニングブラシ171は、クリーニング性能の経時劣化が少なく、板状のクリーニングブレードを用いるよりも、特に高速機においては有利である。また図2に示すクリーニングブラシ171は積極的に電界を利用するクリーニング方式であるため、電気的作用を利用せず機械的に掻き取るクリーニングブレードでは困難である球状トナーのクリーニングに対しても優位性をがある。クリーニングブラシ171の毛1712に移行した残留トナー粒子や外添剤粒子(以下、これらを総称して残留トナー成分と称する)はクリーニングバイアスの作用によってその毛1712に保持される。
回収ロール172も、感光体ドラム11の回転軸11aと平行に延びた中心軸を中心にして回転するものであり、クリーニングブラシ171の毛1712に保持された残留トナー成分を回収する。この回収ロール172の回転方向は、クリーニングブラシ171と接する領域ではクリーニングブラシ171の回転方向と同方向になる。
スクレーパ部材173は、回収ロール172によって回収された残留トナー成分を回収ロール172から掻き落とす。スクレーパ部材173によって掻き落とされた残留トナー成分は、廃トナー搬送オーガ174によってクリーニング装置17の外まで搬送される。
微細繊維ロール175は、クリーニングブラシ171よりも、感光体ドラム回転方向上流側に配備されたものである。この微細繊維ロール175は、感光体ドラム11の回転軸11aに平行な回転軸1751の周りに多数の微細繊維からなる不織布1752を巻き付けてなるロール状のものである。回転軸1751の両端は、支持部材1753によって回転自在に軸支されている。また、支持部材1753は、バネ部材1754によって感光体ドラム11から離れる方向へ付勢されている。不織布1752の多数の微細繊維は、感光体ドラム11の表面11bに接している。多数の微細繊維それぞれは、太さが10μm以下でのものであり、この微細繊維ロール175の、感光体ドラム表面11bに接する周面はポーラス状になっている。また微細繊維ロール175は、感光体ドラム表面11bに対して、感光体ドラム回転方向に数mm程度(例えば、1.5mm前後)にわたって接触するように、感光体ドラム表面11bに押し付けられている。すなわち、図2に示す微細繊維ロール175は、ロール状の周面に太さが10μm以下の複数の繊維を有し、感光体ドラム11の、中間転写ベルト30にトナー像が転写された後の表面11bにその繊維が押し付けられた状態で回転軸1751を中心にして回転する繊維体である。微細繊維ロール175の回転方向は、感光体ドラム11と接する領域では感光体ドラム11の回転方向と同方向になる。なおここでは、ロール状の回転する繊維体である微細繊維ロール175を用いているが、微細繊維ロール175に代えて角柱状の非回転の繊維体を用いてもよい。
図2に示す微細繊維ロール175は、残留トナー成分を除去するクリーニングブラシ171よりも上流側に配置されているため、感光体ドラム11が回転することでこの微細繊維ロール175に向けて残留トナー成分が運ばれてくる。残留トナー成分は、微細繊維ロール175の微細繊維によって捕捉されて繊維と繊維の間に保持される。感光体ドラム表面11bに付着した放電生成物やタルク等の残留物や、放電に伴う感光体ドラム11の表面劣化層は、微細繊維に保持された残留トナー成分によって感光体ドラム表面11bから削り取られる。こうして削り取られた放電生成物等は、微細繊維に捕捉された残留トナー成分に付着する。従来の一般的なクリーナであるクリーニングブレードでは、感光体ドラム表面への接触が線接触であるため残留トナー成分が接触部(ブレードエッジ先端部)より離脱しやすく研磨効果は向上しないが、この微細繊維ロール175は感光体ドラム表面11bに対して、感光体ドラム回転方向に数mm程度にわたって接触し、しかも微細繊維ロール175の、感光体ドラム表面11bに接した周面はポーラス状になっているため、微細繊維ロール175に、回転軸1751の延在方向に均一に残留トナー成分が保持され、感光体ドラム表面11bから、放電生成物等が感光体ドラム11の回転軸11aの延在方向に均一に除去される。
新たな残留トナー成分が微細繊維ロール175に運ばれてくると、微細繊維ロール175に保持されている残留トナー成分と、新たに運ばれてきた感光体ドラム表面11b上の残留トナー成分との間で入れ替わりが起こり、微細繊維ロール175に保持されている残留トナー成分の一部が感光体ドラム表面11bに戻る。感光体ドラム表面11bに戻った残留トナー成分は、感光体ドラム11が回転することで下流側のクリーニングブラシ171に向かい、そのクリーニングブラシ171によって感光体ドラム表面11bから除去される。すなわち、微細繊維ロール175に一旦捕捉され、感光体ドラム表面11bから掻き取られた放電生成物等が付着した残留トナー成分は、最終的にクリーニングブラシ171によって感光体ドラム表面11bから除去される。
押付圧調整機構176は、偏心カム1761とその偏心カム1761を回転させるモータ1762とを有する。偏心カム1761の縁は、回転軸1751を軸支する支持部材1753に当接しており、偏心カム1761が回転することによって、支持部材1753は感光体ドラム11に対して進退する。すなわち、図2には、感光体ドラム11から最も後退した状態にある支持部材1753が示されており、偏心カム1761が図2に示す状態から180度回転すると、支持部材1753は、バネ部材1754の付勢力に抗して感光体ドラム11へ向けて最も進出した状態になる。なお、感光体ドラム11へ向けて最も進出した状態にある支持部材1753は、偏心カム1761が回転することで、バネ部材1754に押されて感光体ドラム11から後退する。このようにして感光体ドラム11に対して進退する支持部材1753には、微細繊維ロール175の回転軸1751が軸支されているため、支持部材1753が感光体ドラム11に対して進退すると、微細繊維ロール175も感光体ドラム11に対して進退することになり、微細繊維ロール175の、感光体ドラム表面11bへ向けての押付圧が変化する。すなわち、支持部材1753が感光体ドラム11へ向けて進出すると、微細繊維ロール175の、感光体ドラム表面11bへ向けての押付圧が強くなり、支持部材1753が感光体ドラム11から後退すると、その押付圧が弱くなる。
環境検知センサ177は、感光体ドラム表面11bの周囲の温度および湿度を検知する。環境検知センサ177の検知結果は制御部178に出力される。制御部178には、表1に示すテーブルが記憶されている。
Figure 2008116860
表1には、温度(℃)と湿度(%RH)とを組み合わせた様々な環境下における微細繊維ロール175の、感光体ドラム表面11bへ向けての押付圧(mN/mm)が規定されている。この表1によれば、温度10℃,湿度15%RHといった低温低湿環境下では上記押付圧は9.8mN/mmに規定されており、温度30℃,湿度90%RHといった高温高湿環境下では上記押付圧は39.2mN/mmに規定されている。すなわち、表1では、温度30℃,湿度90%RHといった高温高湿環境下では、温度10℃,湿度15%RHといった低温低湿環境下に比べて、上記押付圧が強められている。
制御部178は、環境検知センサ177の検知結果に基づいて、表1に示すテーブル中で最も近い環境を選び出し、選び出した環境下における、表1に規定された上記押付圧の値を読み取る。次いで、制御部178は、偏心カム1761を回転させるモータ1762をどれだけ回転させれば、微細繊維ロール175の、感光体ドラム表面11bへ向けての押付圧が、読み取った押付圧の値になるかを求める。すなわち、制御部は、読み取った押付圧の値を実現するためのモータ1762の回転量を求める。最後に、制御部178は、求めた回転量だけモータ1762を回転させ、微細繊維ロール175の、感光体ドラム表面11bへ向けての押付圧が、読み取った押付圧になる。したがって、図2に示す制御部178と押付圧調整機構176とを併せたものが、本発明にいう押付圧変更手段の一例に相当する。
図2に示すクリーニング装置17によれば、微細繊維ロール175による感光体ドラム表面11bの削り取り量には、上記押付圧が大きく影響する。そこで、本実施形態のクリーニング装置17では、環境検知センサ177を設け、感光体ドラム表面11bの周囲の環境に応じて上記押付圧を変更することで、低温低湿環境下であっても感光体ドラム表面11bが必要以上に削り取られることが防止され、反対に高温高湿環境下であっても感光体ドラム表面11bから放電生成物やタルク等がしっかりと除去される。より具体的に説明すれば、表1に示すように、本実施形態では、環境検知センサ177の検知結果が、温度が25℃以上であってかつ湿度が75%RH以上という検知結果であった場合には、温度が15℃以下であってかつ湿度が50%RH以下という検知結果であった場合に比べて、上記押付圧を強める。上記押付圧を強めれば感光体ドラム表面11bの削り取り量が増加し、反対に上記押付圧を弱めれば感光体ドラム表面11bの削り取り量が減少する。このため、本実施形態では、放電生成物やタルク等が除去されずに引き起こされる画像欠陥が発生しやすくなる、温度が25℃以上であってかつ湿度が75%RH以上という環境下では、温度が15℃以下であってかつ湿度が50%RH以下という環境下よりも上記押付圧を強めている。
なお、上記押付圧の値は、表1に規定した値に限らず、例えば、温度10℃,湿度15%の環境下では、上記押付圧を5mN/mm以上15mN/mm以下に抑えるのに対して、温度30℃,湿度90%の環境下では、上記押付圧を35mN/mm以上45mN/mm以下に高めるようにしてもよい。
また、制御部178は、図1に示す画像形成装置1の主電源がオフからオンなった場合、あるいは、画像形成装置1の主電源がオンされていてもトナー像形成サイクルが実行されない状態が所定時間以上続いた場合には、トナー像形成サイクルに入る前に、感光体ドラム表面11bに感光体ドラム11の回転軸11aの延在方向に延びるトナーバンドを形成させ感光体ドラム11を空回しすることを60回繰り返す。これらの場合には、微細繊維ロール175には残留トナー成分が十分に供給されておらず、微細繊維ロール175の微細繊維に残留トナー成分が十分に保持されていない可能性がある。そこで、トナー像形成サイクルに入る前に制御部178が、トナーバンドを形成させ、このトナーバンドを未転写のまま微細繊維ロール175まで到達させることを60回繰り返すことで、微細繊維ロール175の微細繊維に残留トナー成分を十分に保持させることができ、放電生成物等がしっかりと除去される。
続いて、これまで説明したクリーニング装置17の変形例について説明する。以下、図1に示す画像形成装置の構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図3は、図2に示すクリーニング装置の変形例を示す図である。
これまでの説明では、感光体ドラム11の、1次転写領域を通過した表面11bに残留した残留トナー成分をその表面11bから除去するクリーニング手段としてブラシ部材であるクリーニングブラシを用いて説明してきたが、このクリーニング手段は弾性を有する板状のクリーニングブレードであってもよい。図3に示すクリーニングブレード179は、感光体ドラム表面11bに先端エッジ部1791を圧接させた状態で、感光体ドラム11の回転軸11aの延在方向に延びるものである。このクリーニングブレード1799、感光体ドラム表面11bに残留した残留トナー成分を感光体ドラム11が回転することで、電気的作用を利用せず機械的に掻き取る。
なお、電界を利用するクリーニングブラシに代えて機械的に掻き取るクリーニングブレード179を配置したことにより、図3に示すトナー像形成ユニット10からは、図2に示すクリーニング前帯電器15やクリーニング前除電器16が取り外されている。
次に、本発明の第2のクリーニング装置17の一実施形態について説明する。以下、図2に示すクリーニング装置の構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図4は、本発明の第2のクリーニング装置17の一実施形態を示す図である。
図4に示すクリーニング装置17も、図2に示すクリーニング装置と同じく、クリーニングブラシ171、回収ロール172、スクレーパ部材173、廃トナー搬送オーガ174、微細繊維ロール175、環境検知センサ177、および制御部178は備えているが、図2に示す押付圧調整機構176は取り外されている。また、この図4には、微細繊維ロール175を回転させるモータ1755が示されている。
トナー像形成サイクル実行時には、図4に示す感光体ドラム11の回転速度は一定であるのに対し、図4に示す微細繊維ロール175の回転速度は可変である。
図4に示す制御部178には、表2に示すテーブルが記憶されている。
Figure 2008116860
表2には、温度(℃)と湿度(%RH)とを組み合わせた様々な環境下における“微細繊維ロール175の回転速度(周速)/感光体ドラム11の回転速度(周速)”(以下、速度比SRと称する)が規定されている。この速度比SRは、微細繊維ロール175の回転速度と感光体ドラム11の回転速度との速度差を表すパラメータである。表2によれば、温度10℃,湿度15%RHといった低温低湿環境下では速度比SRは0.9に規定されており、温度30℃,湿度90%RHといった高温高湿環境下では速度比SRは0.1に規定されている。すなわち、表2では、温度30℃,湿度90%RHといった高温高湿環境下では、温度10℃,湿度15%RHといった低温低湿環境下に比べて、微細繊維ロール175の回転速度と感光体ドラム11の回転速度との速度差が拡げられている。
制御部178は、環境検知センサ177の検知結果に基づいて、表2に示すテーブル中で最も近い環境を選び出し、選び出した環境下における、表2に規定された速度比SRの値を読み取る。次いで、制御部178は、読み取った速度比SRの値になるように、所定速度である感光体ドラム11の回転速度に対する、微細繊維ロール175を回転させるモータ1755の回転速度を求める。最後に、制御部178は、求めた回転速度にモータ1755の回転速度を変更する。こうすることで、微細繊維ロール175の回転速度と感光体ドラム11の回転速度との速度差が、読み取った速度比SRで表される速度差になる。したがって、図4に示す制御部178とモータ1755とを併せたものが、本発明にいう速度差変更手段の一例に相当する。なおここでは、感光体ドラム11の回転速度を一定とし、微細繊維ロール175の回転速度を可変としたが、感光体ドラム11の回転速度を可変とし、微細繊維ロール175の回転速度を一定としたり、あるいは双方の回転速度を可変として、微細繊維ロール175の回転速度と感光体ドラム11の回転速度との速度差を、読み取った速度比SRで表される速度差にしてもよい。
図4に示すクリーニング装置17によれば、微細繊維ロール175による感光体ドラム表面11bの削り取り量には、上記速度差が大きく影響する。そこで、図4に示すクリーニング装置17では、環境検知センサ177を設け、感光体ドラム表面11bの周囲の環境に応じて上記速度差を変更することで、低温低湿環境下であっても感光体ドラム表面11bが必要以上に削り取られることが防止され、反対に高温高湿環境下であっても感光体ドラム表面11bから放電生成物やタルク等がしっかりと除去される。より具体的に説明すれば、表2に示すように、本実施形態では、環境検知センサ177の検知結果が、温度が25℃以上であってかつ湿度が75%RH以上という検知結果であった場合には、温度が15℃以下であってかつ湿度が50%RH以下という検知結果であった場合に比べて、速度比SRを0に近づけ上記速度差を拡げる。上記速度差を拡げれば感光体ドラム表面11bの削り取り量が増加し、反対に上記速度差を縮めれば感光体ドラム表面11bの削り取り量が減少する。このため、本実施形態では、放電生成物やタルク等が除去されずに引き起こされる画像欠陥が発生しやすくなる、温度が25℃以上であってかつ湿度が75%RH以上という環境下では、温度が15℃以下であってかつ湿度が50%RH以下という環境下よりも上記速度差を拡げている。
また、制御部178とモータ1755とを併せた速度差変更手段は、複雑な機械的構成をあえて設けなくても実現することができるものであり、装置の大型化やコスト上昇が抑えられ、カートリッジ化に適している。
なお、速度比SRの値は、表1に規定した値に限らず、例えば、温度10℃,湿度15%の環境下では、上記速度差を0.8以上1.0未満とするのに対して、温度30℃,湿度90%の環境下では、上記速度差を0より大きく0.3以下としてもよい。
以上説明したクリーニング装置では、感光体ドラム表面11bの周囲の環境を、温度と湿度との双方を用いて検知しているが、温度と湿度とのうちのいずれか一方のみを用いて検知するようにしてもよい。こうした場合、制御部178に記憶させておく、表1に示すような上記押付圧を規定したテーブルは、検知した温度または湿度と1対1で対応する上記押付圧を規定したテーブルになり、表2に示すような速度比SRを規定したテーブルは、検知した温度または湿度と1対1で対応する速度比SRを規定したテーブルになる。
さらに、図2や図4に示す環境検知センサ177の検知結果を用いずに、夏場であれば、画像形成装置1の主電源がオフされていた時間や、図1に示す定着装置50がスリープ状態であった時間に応じて、上記押付圧や上記速度差を変更してもよい。すなわち、高温高湿の環境下になりやすい夏場では、画像形成装置1の主電源をオフにした状態で長時間放置された後に主電源がオンされると、画像形成装置装置内の湿度が高湿であることが多い。また、定着ロール51に内蔵された加熱機構511による加熱が行われないスリープ状態が所定時間以上続くと、装置内の湿度は高湿になることがある。そこで、制御部178は、画像形成装置1の主電源がオフされていた時間や、図1に示す定着装置50がスリープ状態であった時間が長くなればなるほど、上記押付圧を高めるように図2に示す、偏心カム1761を回転させるモータ1762を回転させたり、あるいは、上記速度差を拡げるように図4に示す、微細繊維ロール175のモータ1755の回転速度を遅めればよい。また、制御部178は、感光体ドラム11の連続回転数や連続回転時間に応じて、上記押付圧や上記速度差を変更してもよい。すなわち、感光体ドラム11の連続回転数が多くなればなるほど、あるいは連続回転時間が長くなればなるほど、微細繊維ロール175による感光体ドラム表面11bの削り取りは進むので、上記押付圧を抑えるように、偏心カム1761を回転させるモータ1762を回転させたり、あるいは、上記速度差を縮めるように、微細繊維ロール175のモータ1755の回転速度を速めればよい。
また、以上の説明では、制御部178は、クリーニング装置17専用の制御部としたが、画像形成装置1全体の制御を司る中央演算装置に、これまで説明した制御部178の機能を持たせてもよい。
続いて、各種の実験を行ったので、これらの実験について説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
(実験例1)
実験機として、図1に示す画像形成装置の基本的構成と同じ基本的構成の画像形成装置を用いた。以下、詳細を示す。
[感光体ドラム]
先ず、ホーニング処理を施した外径84mmφの円筒状アルミニウム基材を準備した。次に、ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)を100部、シラン化合物(商品名:A1100、日本ユニカー社製)を10部、イソプロパノールを400部、及びブタノールを200部混合し、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液をアルミニウム基材上に浸漬塗布し、150℃で10分間加熱乾燥し、膜厚0.1μmの下引層を形成した。
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニンを1部、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)を1部、及び酢酸n−ブチルを100部混合し、さらにガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散し、電荷発生層形成用塗布液を得た。この塗布液を下引層上に浸漬塗布し100℃で10分間加熱乾燥し、膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
続いて、下記式(I)で示される電荷輸送材料を2部、下記式(II)で示される構造単位を有する高分子化合物(粘度平均分子量39,000)を3部、及びクロロベンゼンを20部混合し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。
Figure 2008116860
Figure 2008116860
この電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布して110℃で40分加熱し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記式(III)で示される化合物を2部、レジトップPL4852(群栄化学製)を3部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(AO−80:旭電化製)を0.1部、フッ素グラフトポリマー(ZX007C:富士化成製)を0.2部、及びフッ素カップリング剤(KBM−7803:信越化学製)を0.1部混合し、イソプロピルアルコール10部に溶解させ、保護層形成用塗布液を得た。
Figure 2008116860
この保護層形成用塗布液を、上記電荷輸送層上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、135℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約5μmの保護層を形成した。こうして得られた感光体ドラムを組み込んだ。感光体ドラムの回転速度(周速)は、264mm/s一定とした。
[現像剤/トナー]
FujiXerox製DocuCentreColor450使用のトナーと現像剤をそのまま使用した。
[帯電器]
FujiXerox製Color DocuTech 60Vそのもののコロトロン帯電器を使用した。印加電流は直流−900μAの定電流制御で印加した。
[現像器]
FujiXerox製Color DocuTech 60V使用のハウジングに、現像剤とトナーは前記DocuCenterColor450のものと入れ替え使用した。
[クリーニング前帯電器]
FujiXerox製Color DocuTech 60Vそのもののコロトロン帯電器を使用した、印加電流は直流−82μAの定電流制御で印加した。
[クリーニング前除電器]
発光ダイオードを用いた。
[クリーニング装置]
<微細繊維ロール>
外径(直径)17.0mmの発泡ウレタン製のロール(イノアックコーポレーション製 材質型番RR26 F硬度58°厚さ3.5mm)の周面に、日本バイリーン社製(材質型番WP8085)の不織布(繊維太さ:3〜5μm、厚さ0.42mm)を巻き付けたものを用いた。
ここでは、各色のトナー像形成ユニットに配備されたクリーニング装置ごとに微細繊維ロールの、感光体ドラム表面へ向けての押付圧を変えた。各色トナー像形成ユニットにおける上記押付圧は以下に示す通りである。
イエロー:押付圧= 9.8mN/mm
マゼンタ:押付圧=19.6mN/mm
シアン :押付圧=29.4mN/mm
ブラック:押付圧=39.2mN/mm
また、この微細繊維ロールの回転方向は、感光体ドラムと接する領域で感光体ドラムの回転方向と同方向とし、微細繊維ロールの回転速度と感光体ドラムの回転速度との速度差を表す速度比SR(“微細繊維ロールの回転速度(周速)/感光体ドラムの回転速度(周速)”)は各色トナー像形成ユニットに配備されたクリーニング装置総てにおいて0.7に統一した。
<クリーニングブラシ>
外径(直径)15.0mmのロール状のブラシ部材を用いた。以下、詳細を列挙する。ブラシ材質(原糸ユニチカ製UUN):12ナイロン、繊維太さ:2デニール、電気抵抗:1×10Ω、毛足長さ:1.5mm、繊維密度:120×10本/6.45cm、感光体ドラムへの食い込み量:約0.5mm、周速:60mm/s、回転方向:感光体ドラムと接する領域で感光体ドラムの回転方向とは逆方向、ブラシ印加バイアス:+250V
<回収ロール>
以下、詳細を列挙する。材質:導電性カーボンを分散したフェノール樹脂、電気抵抗:1×10Ω、曲げ弾性率(JIS K7203):100MPa、磨耗量(JIS K6902):2mg、ロックウェル硬度(JIS K7202、Mスケール):120、クリーニングブラシへの食い込み量:1.0mm、周速:70mm/s、印加バイアス:−800V
<スクレーパ部材>
以下、詳細を列挙する。材質:SUS304、厚み:80μm、回収ロールへの食い込み量:1.3mm、フリーレングス(自由長):8.0mm
以上説明した構成の画像形成装置を用いて複数の環境下それぞれで各色トナー像形成ユニットに配備された感光体ドラムを50000回転させてから、環境を維持したまま画像形成装置の主電源をオフにして8時間放置後、画像密度30%のハーフトーン画像(A3サイズ)を採取した。画像採取にあたっては、各色単色モードで行い、各色トナー像形成ユニットごとに配備されたクリーニング装置ごとの評価ができるようにした。ここで再現した環境は、10℃,15℃,20℃,25℃,30℃の温度と、15%RH,50%RH,60%RH,75%RH,90%RHの湿度を組み合わせた環境である(詳細は、下記表1参照)。
評価では、採取した画像に像流れや白抜けが生じているか否かを確認した。また、渦電流方式フィッシャー社製フィッシャースコープMMSを使用して、感光体ドラムの磨耗量を測定した。評価結果を押付圧ごとにまとめて表3から表6までに示す。
Figure 2008116860
Figure 2008116860
Figure 2008116860
Figure 2008116860
上記表3から表6までにおいて、○印もしくは×印と数値とが上下2段に記されている欄は、その欄の左側に示す湿度(%RH)とその欄の上方に示す温度(℃)との組み合わせによる環境下での実験結果を示す欄であり、空欄は実験を行わなかったことを表す。Deletion(ディレッション)の欄における○印は、像流れや白抜けのない画像が得られたことを表し、×印は、一部でも像流れや白抜けが発生していたことを表している。また、磨耗Rateの欄における数値は、感光体ドラム1000回転(kcy)あたりの感光体ドラムの磨耗量(nm/1000回転)を表している。
(実験例2)
実験機として実験例1で用いた画像形成装置を用いて、以下の実験を行った。
ここでの実験では、押付圧を19.6mN/mmとしたマゼンタのトナー像形成ユニットと、押付圧を29.4mN/mmとしたシアンのトナー像形成ユニットを実験対象にした。なお、速度比SRは、2つのトナー像形成ユニットそれぞれに配備されたクリーニング装置いずれにおいても0.9に変更した。
この実験例2では、温度30℃,湿度90%の環境下において感光体ドラムを15000回転走行させてから、その環境下で実験機の主電源をオフにして8時間放置させた後、実験例1と同じく、画像密度30%のハーフトーン画像(A3サイズ)を採取した。この際、ハーフトーン画像のトナー像形成サイクル動作に入る前に、押付圧を19.6mN/mmとしたマゼンタのトナー像形成ユニットでは、感光体ドラムを40回空回転させるとともに速度比SRを0.9に保ったまま微細繊維ロールも空回転させる空回しサイクルを実施した。また、押付圧を29.4mN/mmとしたシアンのトナー像形成ユニットでは、感光体ドラムを20回空回転させるとともに速度比SRを0.9に保ったまま微細繊維ロールも空回転させる空回しサイクルを実施した。いずれのトナー像形成ユニットでも、空回しサイクルを実施するにあたり、感光体ドラムの回転軸の延在方向に延びるトナーバンドを形成し、そのトナーバンドを未転写のままクリーニング装置に送り込みながら空回しサイクルを実施する設定と、トナーバンドを形成せずに空回しサイクルを実施する設定とに分けて実験を行った。
評価では、採取した画像に像流れや白抜けが生じているか否かを確認した。評価結果を表7に示す。
Figure 2008116860
表7中のトナーバンド有の欄は、トナーバンドを形成しながら空回しサイクルを実施した設定の評価結果を示すものであり、トナーバンド無の欄は、トナーバンド形成を行わずに空回しサイクルを実施した設定の評価結果を示すものである。また、表7中の○印は、像流れや白抜けのない画像が得られたことを表し、×印は、一部でも像流れや白抜けが発生していたことを表している。
(実験例3)
実験例1で用いた画像形成装置に配備された各色トナー像形成ユニットのクリーニング装置を、図3に示すクリーニング装置に取り替えた以外は、実験例1と同じ画像形成装置を用いて実験例1と同様な実験を行った。
ここでは、各色トナー像形成ユニットのクリーニング装置ごとに、微細繊維ロールの回転速度を変え、速度比SRを以下に示すようにした。
イエロー:速度比SR=0.9
マゼンタ:速度比SR=0.7
シアン :速度比SR=0.4
ブラック:速度比SR=0.1
また、微細繊維ロールの、感光体ドラム表面へ向けての押付圧は各色トナー像形成ユニットに配備されたクリーニング装置総てにおいて19.6mN/mmに統一した。
実験例1と同じような評価を行ったので、評価結果を速度比SRごとにまとめて表8から表11までに示す。
Figure 2008116860
Figure 2008116860
Figure 2008116860
Figure 2008116860
上記表8から表11までの見方は上記表3から表6までの見方と同じであり、Deletion(ディレッション)の欄における○印は、像流れや白抜けのない画像が得られたことを表し、×印は、一部でも像流れや白抜けが発生していたことを表している。また、磨耗Rateの欄における数値は、感光体ドラム1000回転(kcy)あたりの感光体ドラムの磨耗量(単位:nm)を表している。
(実験例4)
実験機として実験例3で用いた画像形成装置を用いて、以下の実験を行った。
ここでの実験では、速度比SRを0.7としたマゼンタのトナー像形成ユニットと、速度比SRを0.4としたシアンのトナー像形成ユニットを実験対象にした。なお、上記押付圧は、2つのトナー像形成ユニットそれぞれに配備されたクリーニング装置いずれにおいても29.4mN/mmに変更した。
この実験例4では、実験例2と同様な実験を行ったが、ハーフトーン画像のトナー像形成サイクル動作に入る前に、速度比SRを0.7としたマゼンタのトナー像形成ユニットでは、感光体ドラムを40回空回転させるとともに速度比SRを0.7に保ったまま微細繊維ロールも空回転させる空回しサイクルを実施した。また、速度比SRを0.4としたシアンのトナー像形成ユニットでは、感光体ドラムを20回空回転させるとともに速度比SRを0.4に保ったまま微細繊維ロールも空回転させる空回しサイクルを実施した。ここでも、実験例2と同様に、いずれのトナー像形成ユニットでも、空回しサイクルを実施するにあたり、感光体ドラムの回転軸の延在方向に延びるトナーバンドを形成し、そのトナーバンドを未転写のままクリーニング装置に送り込みながら空回しサイクルを実施する設定と、トナーバンドを形成せずに空回しサイクルを実施する設定とに分けて実験を行った。
実験例3と同じような評価を行い、評価結果を表12に示す。
Figure 2008116860
上記表12の見方は上記表7の見方と同じであり、表12中の○印は、像流れや白抜けのない画像が得られたことを表し、×印は、一部でも像流れや白抜けが発生していたことを表している。
図5は、実験例1における感光体ドラムの磨耗量(nm/1000回転)についてのグラフであり、図6は、実験例3における感光体ドラムの磨耗量(nm/1000回転)についてのグラフである。
図5および図6に示すいずれのグラフの縦軸も、感光体ドラムの磨耗量(nm/1000回転)を表す。また、図5に示すグラフの横軸は、微細繊維ロールの、感光体ドラム表面へ向けての押付圧(mN/mm)を表し、図6に示すグラフの横軸は、速度比SRを表す。これらのグラフには、10℃,15%RH、20℃,50%RH、30℃,90%RHの3つの環境下における感光体ドラムの磨耗量が示されている。
図5に示すグラフからは、微細繊維ロールの、感光体ドラム表面へ向けての押付圧を強めれば感光体ドラム表面の削り取り量が増加し、反対に上記押付圧を弱めれば感光体ドラム表面の削り取り量が減少することがわかる。また、同じ押付圧でも低温低湿になればなるほど感光体ドラム表面の削り取り量が増加することがわかる。以上のことから、放電生成物やタルク等が除去されずに引き起こされる画像欠陥が発生しやすい高温高湿(例えば、温度30℃,湿度90%)環境下では上記押付圧を強め、低温低湿(例えば、温度10℃,湿度15%)環境下では上記押付圧を弱めることが必要であることがわかる。
加えて、表3〜表6に示すDeletionの欄の評価結果をも考慮すると、図2に示す制御部178には上記表1に示すテーブルをもたせておくことが好ましいことがわかる。
ここで、上記表1に示すテーブルに基づき上記押付圧を環境に応じて変更させ、上記3つの環境下それぞれで感光体ドラムを35000回転させてから、環境を維持したまま画像形成装置の主電源をオフにして8時間放置後、さらに感光体ドラムを70000回転させる実験を行った。結果は、実験終了まで形成画像に像流れや白抜けが一度も発生せず、感光体ドラムの磨耗量も5.5nm/kcyにとどまり、環境が変化しても感光体ドラムの磨耗量の上昇を抑制することができることが確認された。なお、ここで用いた感光体ドラムの最表層となる保護層の厚さは5μmであったことから、感光体ドラムの寿命は900000回転まで延びることになる。
図6に示すグラフからは、微細繊維ロールの回転速度と感光体ドラムの回転速度との速度差を表す速度比SR(“微細繊維ロールの回転速度(周速)/感光体ドラムの回転速度(周速)”)を0に近づければ感光体ドラム表面の削り取り量が増加し、反対に速度比SRを1に近づければ感光体ドラム表面の削り取り量が減少することがわかる。また、同じ速度比SRでも低温低湿になればなるほど感光体ドラム表面の削り取り量が増加することがわかる。以上のことから、高温高湿(例えば、温度30℃,湿度90%)環境下では速度比SRを0に近づけ、低温低湿(例えば、温度10℃,湿度15%)環境下では速度比SRを1に近づけることが必要であることがわかる。
加えて、表8〜表11に示すDeletionの欄の評価結果をも考慮すると、図4に示す制御部178には上記表2に示すテーブルをもたせておくことが好ましいことがわかる。
ここで、上記表2に示すテーブルに基づき速度比SRを環境に応じて変更させ、上記3つの環境下それぞれで感光体ドラムを35000回転させてから、環境を維持したまま画像形成装置の主電源をオフにして8時間放置後、さらに感光体ドラムを70000回転させる実験を行った。結果は、この実験でも実験終了まで形成画像に像流れや白抜けが一度も発生せず、感光体ドラムの磨耗量も5.5nm/kcyにとどまり、環境が変化しても感光体ドラムの磨耗量の上昇を抑制することができることが確認された。なお、ここで用いた感光体ドラムの最表層となる保護層の厚さも5μmであったことから、ここでも感光体ドラムの寿命は900000回転まで延びることになる。
また、実験例2や実験例4それぞれの結果から、トナー像形成サイクルに入る前に、感光体ドラム表面にトナーバンドを形成させ感光体ドラムを空回しすることが好ましいことも確認された。なお、感光体ドラム表面の削り取り能力が高い(上記押付圧が強い、あるいは速度比SRが0に近い)方が、感光体ドラムの空回し回数が少なくてすみ、トナーの節約になる。
本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示す4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを図1よりも詳しく示した図である。 図2に示すクリーニング装置の変形例を示す図である。 本発明の第2のクリーニング装置17の一実施形態を示す図である。 実験例1における感光体ドラムの磨耗量(nm/1000回転)についてのグラフである。 実験例3における感光体ドラムの磨耗量(nm/1000回転)についてのグラフである。
符号の説明
1 画像形成装置
10 トナー像形成ユニット
11 感光体ドラム
12 帯電器
13 露光器
14 現像器
15 クリーニング前帯電器
16 クリーニング前除電器
17 クリーニング装置
171 クリーニングブラシ
175 微細繊維ロール
1752 不織布
1755 モータ
176 押付圧調整機構
177 環境検知センサ
178 制御部
18 除電器
20 1次転写ロール
30 中間転写ベルト
40 一括転写装置
50 定着装置
60 用紙トレイ
70 ベルトクリーナ

Claims (6)

  1. トナー像を表面に保持して該表面が循環移動し、該トナー像を被転写面に転写し、該被転写面にトナー像を転写した後の表面に残留した残留物を該表面から除去するクリーニング装置であって、
    太さが10μm以下の複数の繊維を有し、前記像保持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面へ向けて押し付けられた繊維体と、
    前記繊維体の、前記像保持体表面へ向けての押付圧を変更する押付圧変更手段とを備えたことを特徴とするクリーニング装置。
  2. トナー像を表面に保持して該表面が循環移動し、該トナー像を被転写面に転写し、該被転写面にトナー像を転写した後の表面に残留した残留物を該表面から除去するクリーニング装置であって、
    ロール状の周面に太さが10μm以下の複数の繊維を有し、前記像保持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に該繊維が接した状態で回転する繊維体と、
    前記繊維体の回転速度と前記像保持体表面の循環移動速度との速度差を変更する速度差変更手段とを備えたことを特徴とするクリーニング装置。
  3. トナー像を形成し、該トナー像を、所定の転写領域で被転写面に転写し、その後記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に装着されるプロセスカートリッジにおいて、
    表面にトナー像が形成され、形成されたトナー像を該表面に保持して該表面が所定方向に循環移動することで該トナー像を前記転写領域まで搬送する像保持体と、
    前記転写領域よりも前記像保持体の循環移動方向下流側に配備され、太さが10μm以下の複数の繊維を有し、該像保持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面へ向けて押し付けられた繊維体と、
    前記繊維体の、前記像保持体表面へ向けての押付圧を変更する押付圧変更手段とを備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  4. トナー像を形成し、該トナー像を、所定の転写領域で被転写面に転写し、その後記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に装着されるプロセスカートリッジにおいて、
    表面にトナー像が形成され、形成されたトナー像を該表面に保持して該表面が所定方向に循環移動することで該トナー像を前記転写領域まで搬送する像保持体と、
    前記転写領域よりも前記像保持体の循環移動方向下流側に配備され、ロール状の周面に太さが10μm以下の複数の繊維を有し、該像保持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に該繊維が接した状態で回転する繊維体と、
    前記繊維体の回転速度と前記像保持体表面の循環移動速度との速度差を変更する速度差変更手段とを備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  5. 表面にトナー像を保持して該表面が所定方向に循環移動する像保持体の該表面に保持されたトナー像を、所定の転写領域で被転写面に転写し、その後記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記転写領域よりも前記像保持体の循環移動方向下流側に配備され、太さが10μm以下の複数の繊維を有し、該像保持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面へ向けて押し付けられた繊維体と、
    前記繊維体の、前記像保持体表面へ向けての押付圧を変更する押付圧変更手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 表面にトナー像を保持して該表面が所定方向に循環移動する像保持体の該表面に保持されたトナー像を、所定の転写領域で被転写面に転写し、その後記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記転写領域よりも前記像保持体の循環移動方向下流側に配備され、ロール状の周面に太さが10μm以下の複数の繊維を有し、該像保持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に該繊維が接した状態で回転する繊維体と、
    前記繊維体の回転速度と前記像保持体表面の循環移動速度との速度差を変更する速度差変更手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2011007971A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置

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