JP2008115519A - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】風合いの柔軟さと外観の耐久性に優れる皮革様シートおよびその製造方法を提供する
【解決手段】単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維が相互に交絡した極細長繊維不織布と織編物とからなる複合シートであって、前記極細繊維の少なくとも一部が織編物を貫通しており、耐摩耗性評価において外観が3級以上、かつ、減量が10mg以下であり、実質的に非弾性ポリマーの繊維素材のみからなることを特徴とする皮革様シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、主として極細繊維不織布からなり、外観がスエードやヌバックといった皮革に類似の皮革様シートおよびその製造方法に関する。
極細繊維不織布と弾性樹脂からなる皮革様シートは、天然皮革に似たタッチを有しており、イージーケア性のような天然皮革にない優れた特徴を併せ持つことから、広く使用されている。
用途の拡大に伴って、従来よりも高いレベルの柔軟性が要求されており、この要求を満たすため種々の提案がなされている。
皮革様シートを構成する極細繊維不織布の製造では、紡糸口金から紡糸されたフィラメントを繊維長が3〜100mmとなるようにカットし、抄造法や、カード・レイド法で短繊維ウエブとする方法が採用されてきた。
一方、スパンボンド法では、紡糸口金から紡出された繊維を、直接捕集ネット上で捕集して繊維ウエブを得るため、上記の短繊維ウエブを製造する方法と比較してはるかに効率がいい。また、スパンボンド法による繊維ウエブからなる不織布は前述の短繊維ウエブからなる不織布と比較して繊維の切断点が極めて少ないため、引張強力などの物理特性に優れることから、スパンボンド法による不織布の皮革様シートへの適用が種々検討されている。
例えば、特許文献1には、2種以上の重合体が張り合わされた形状の複合繊維によって繊維ウエブを作製し、ニードルパンチングや流体噴流作用によって貼り合わせ部で分割して極細連続フィラメントからなる繊維不織布を得る方法が提案されている。
この方法によれば効率的に極細繊維不織布が得られるものの、非相溶の2種以上の重合体からなる極細繊維が混在するため、極細繊維が単一の重合体からなる従来の皮革様シートのような色彩に染色することが困難だった。また、貼り合わせ部で分割して極細繊維とするため、1dtexを超える繊維径の一般的な繊維と比較して柔軟にはなるものの、十分ではなかった。また、分割を容易にするため、花弁やミカンの房形状の横断面を有することから、立毛を形成した際に、繊維が屈曲する方向が限定され、十分な発色性が得られないほど繊維径を小さくしなければ、皮革様シート特有のライティング効果を得ることが難しかった。また、耐摩耗物性の向上には繊維の交絡度合いを高めることが有効と考えられるが、ニードルパンチ(以下、NPという)を用いる方式では処理を強くすると繊維の切断が進むため、物性向上が困難であり、流体噴流作用を用いる方式では処理を強くすると水流が不織布表面で跳ね返るため均一な処理が困難となり、いずれの手段でも十分な物性が得られなかった。
別の手段として、紡糸速度を低くして配向度を低くすることで伸度を残す技術、複合繊維の少なくとも1成分を加水分解が容易な重合体とし、不織布をアルカリ減量加工することで、少なくとも1成分を加水分解、減量させてシートに空隙を形成する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
これら方法では、伸度を残した繊維で構成されることや、空隙を有するためシートは高い柔軟性を示すが、繊維の配向度は低くなるので、繊維物性が低くなりやすく、空隙のためにシートの形態安定性が低い傾向がある。
他の柔軟化技術としては、NPにて長繊維不織布が織編物を貫通一体化させることによって、繊維を脱落しにくくし、バインダーや融着を少なくてすむようにして柔軟性を達成する技術がある。(例えば特許文献3参照)また、NP処理によって、厚さ方向への繊維配列を進めると共に、繊維を切断する技術も開示されている(例えば特許文献4参照)。
これら技術によれば、厚さ方向に繊維を配列させることでシートの柔軟性を向上し、繊維を切断することによって潜在的な歪を除去してシワが入りにくい利点がある。しかし、NP処理で十分に厚さ方向に繊維を配列させるためには繊維の切断を伴う可能性が高く、繊維を切断してしまえば、長繊維不織布の利点である物性、補強布としての織編物の物性が低下するという問題があった。
NP処理での繊維の切断を防止するため、NP工程での収縮を大きくする技術が開示されている(例えば特許文献5参照)。
また、歪の緩和を目的として、NP後に熱水収縮させる工程を含む製法がある(例えば特許文献6参照)。
これらの技術によれば、確かに繊維の切断による物性低下や歪によるシワに対して一定の効果が得られるものの、繊維を切断しない条件でNPしても皮革様シートとしての強力や形態安定性と、柔軟な風合いを両立することは困難だった。
このように、風合いが柔軟で、かつ、耐摩耗性のような外観の耐久性に優れる皮革様シートは得られていない。
特開平10−53948号公報 特開2004−84076号公報 特開昭64−20368号公報 特開2000−273769号公報 特開2006−2286号公報 特開2006−2287号公報
本発明は、風合いの柔軟さと、摩耗時の外観及び減量の耐久性に優れる皮革様シートおよびその製造方法を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するため、主として以下の構成を有する。すなわち、本発明の皮革様シートは、単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維が相互に交絡した極細長繊維不織布と織編物とからなる複合シートであって、前記極細繊維の少なくとも一部が織編物を貫通しており、耐摩耗性評価において、外観が3級以上、かつ減量が10mg以下であり、実質的に非弾性ポリマーの繊維素材からなることを特徴とするものである。
また、本発明の皮革様シートの製造方法は、溶融状態のポリマーを3000〜6000m/分の速度で紡糸し、吸引下にあり、かつ移動しているネット上に単繊維繊度が1〜50dtexの複合繊維を捕集する工程に続いて、次の工程A、B、CおよびDを含み、前記Aの後に前記B、CおよびDを行い、かつ前記Bと同時あるいは後に前記Cを行うことを特徴とする皮革様シートの製造方法である。
A 前記複合繊維をニードルパンチ処理して不織布とする工程
B 極細繊維発現処理により、前記複合繊維を単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維にする工程
C 前記不織布を高速流体処理する工程
D 前記不織布を織編物と積層一体化させる工程
本発明によれば、風合いの柔軟さと外観の耐久性に優れる皮革様シートを提供できる。
本発明の皮革様シートは、極細長繊維不織布を含む。本発明でいう長繊維とは100mmを超えて実質的に連続な繊維をいう。本発明の皮革様シートは、後述するように長繊維の一部が切断されて立毛を形成するため、切断されている部分を有する。本発明では、不織布から抜き出した極細繊維の長さを直接測定し、100mmを超える繊維を含むものを長繊維不織布とする。また、長繊維の利点である繊維が連続していることによる高い物性が得やすいという点から、100mmを超えて連続する繊維の比率が高いほうが好ましい。
この極細長繊維不織布は、単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維からなるものである。極細繊維の単繊維繊度は0.001tex以上が好ましく、0.005dtex以上がいっそう好ましい。また、0.3dtex以下が好ましく、0.15dtex以下がいっそう好ましい。0.0001dtex未満であると、強度が低下するため好ましくない。また0.5dtexを超えると、風合いが堅くなるとともに、十分な交絡が得にくいため表面品位や本発明における摩耗物性が低下する等の問題も発生するため好ましくない。また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の範囲を超える繊度の繊維が含まれていても良い。
本発明の極細繊維の横断面形状は特に限定するものではないが、横断面における最小外接円の径Rと最大内接円の径rの比R/rが1〜1.4であることが好ましく、1〜1.3がより好ましい。横断面におけるR/rが1.4を超えると、扁平な断面形状では繊維が屈曲する方向が限定されて皮革様シート特有のライティング効果を得ることが難しく、凹凸が大きい断面形状では、十分な発色性を得ることが困難になりやすい。本発明でいう、横断面におけるR/rとは、繊維断面を顕微鏡などで観察して測定した最小外接円の径を、同様にして観察した最大内接円の径で除した値をいう。
かかる極細繊維を構成するポリマーは非弾性ポリマーであれば、特に限定するものではない。本発明でいう非弾性ポリマーとは、ポリエーテルエステル系繊維やいわゆるスパンデックス等のポリウレタン系繊維などのゴム状弾性に優れる繊維を除くポリマーを意味する。実質的に非弾性ポリマーの繊維素材からなることにより、ゴム感がなく充実感のある風合いを達成することができ、易リサイクル性、高発色性、高耐光性、耐黄変性等種々の効果も達成できるためである。非弾性ポリマーとして、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等適宜用途に応じて使用することができるが、染色性や強度、耐久性、堅牢度の点で、ポリエステルであることが好ましい。本発明に好ましく用いることのできるポリエステルとしては、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーであって、複合繊維として用いることが可能なものであれば特に限定するものではない。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。本発明は、中でも最も汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートまたは主としてエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル共重合体が好適に使用される。
本発明における極細長繊維不織布では、極細繊維が相互に交絡している必要がある。従来の極細繊維束を残した交絡では本発明が目的とする耐摩耗物性が達成できないためである。本発明でいう極細繊維が相互に交絡した状態とは、極細繊維束同士の交絡がほとんど観察されない程度にまで極細繊維同士が交絡した状態をいう。
本発明における極細長繊維不織布は、目付が30g/m以上であることが好ましく、40g/m以上であることがより好ましく、50g/m以上がさらに好ましい。また、目付は550g/m以下であることが好ましく、350g/m以下であることがより好ましく、150g/m以下がさらに好ましい。かかる目付が30g/m未満であると、表面に織物および/または編み物の外観が見えやすくなり、品位が低下するため好ましくない。またかかる目付が550g/mを超える場合は、本発明における耐摩耗物性が低下する傾向があるため好ましくない。
なお、目付はJIS L1096 8.4.2(1999)によって測定するが、直接極細長繊維不織布の目付を測定できない場合は、皮革様シートの目付を測定した値と、皮革様シートから取り出した織編物の目付の差を求めてもよい。
本発明における皮革様シートは、前述の極細長繊維不織布と織編物が一体化したものであり、極細繊維の少なくとも一部が織編物を貫通している必要がある。織編物を貫通していることによって、極細長繊維不織布と織編物の剥離を防止できるためである。
本発明でいう、極細繊維の少なくとも一部が織編物を貫通しているとは、シートを厚さ方向に切断して得られる断面を目視や顕微鏡観察した際、織編物を貫通している極細繊維、すなわち、織編物の一方の表面からもう一方の表面にまで達した極細繊維が存在することをいう。
また、本発明における皮革様シートにおいては、織編物を構成する繊維のうち切断しているものが少ないことが好ましい。織編物を構成する繊維が切断していないことによって、織編物が有する引張強力や引裂強力といった物理特性が損なわれないとともに、織編物を貫通した極細繊維や織編物を構成する繊維と交絡した極細繊維の移動を抑制でき、耐摩耗物性が向上できるためである。皮革様シートの表裏面を目視や顕微鏡で少なくとも10cm四方の範囲を観察した際、織編物を構成する繊維の繊維切断端が5つ以上存在しないものが好ましい。
本発明における織編物は、特に限定するものではなく目標とする風合いや機能に対して適宜選択することができる。例えば、高度なドレープ性やストレッチ性を付与する場合は、織編物に高度なドレープ性やストレッチ性を有する織編物を用いることで、皮革様シートにその効果を発現できる。
織編物の原料は特に限定するものではなく、例えば、綿、麻、羊毛等の天然繊維、セルロース繊維等の半合成繊維、合成繊維が用いられ、短繊維、または長繊維のいずれをも適宜選択できる。複数種の繊維を使用していてもよく、例えば、混紡糸、混繊糸、長短複合糸であってもよく、交織、交編していてもかまわない。
なお、合成繊維として、例えば、ポリエステル系繊維やポリアミド繊維などを用いることができるが、二種類以上のポリエステル系重合体がサイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合された複合繊維からなる織物を用いる事により、皮革様シートに優れたストレッチ性とドレープ性を付与できるため好ましい。
また、織物に前記サイドバイサイド型または偏心芯鞘型に接合された複合繊維をタテ糸またはヨコ糸のどちらか一方に使用し、他方には通常の繊維を使用するなども好ましい態様である。
織物の組織は特に限定するものではなく、例えば、平織や朱子織、斜文織といった一重組織、通風織などの二重組織、ビロードやベルベットといったパイル組織、紗などの絡み組織、紋織、綴織のいずれでもよい。
編物の組織も特に限定するものではなく、例えば、平編、ゴム編、両面編、レース編などのヨコ編、デンビー、アトラス、コードなどのタテ編を適宜選択できる。
このような織編物を構成する繊維の単繊維繊度は特に限定するものではないが、1dtex以上が好ましく、2dtex以上がより好ましい。また、15dtex以下が好ましく、10dtex以下がより好ましい。1dtex未満では皮革様シートに十分な形態安定性を付与する効果を得にくく、15dtexを超えると柔軟性を得にくいためである。
本発明において、織編物の目付も特に限定しないが、20g/m以上が好ましく、40g/m以上がより好ましい。また、170g/m以下が好ましく、150g/m以下がより好ましい。20g/m未満では目ズレによる均質性が低下しやすく、皮革様シートに十分な形態安定性を付与する効果も得にくい。一方、170g/mを超えると柔軟性を得にくいためである。本発明でいう目付は、JIS L1096 8.4.2(1999)によって測定した値をいう。
さらに、織編物の皮革様シートに対する重量比は、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。また、80%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。重量比が20%未満では形態安定性、ドレープ性、ストレッチ性といった織編物の機能を十分に発現することが困難であり、重量比が80%を超えると織編物の影響が大きく、織編物ライクなシートとなり、極細繊維不織布が有する充実感のある風合いが得にくくなるためである。本発明の織編物の皮革様シートに対する重量比は、織編物のみの重量を皮革様シートの重量で除した値をいう。
本発明の皮革様シートは、目付が80g/m以上であることが好ましく、100g/m以上であることがより好ましく、120g/m以上がさらに好ましい。また、650g/m以下であることが好ましく、500g/m以下であることがより好ましく、350g/m以下がさらに好ましい。かかる目付が80g/m未満であると、引張や引裂に対する形態安定性が得にくく、650g/mを超えると十分な柔軟性を得ることが困難であるため好ましくない。
また、本発明の皮革様シートの見掛け密度は、好ましくは0.200g/cm以上であり、0.210g/cm以上がより好ましく、0.220g/cm以上であることが特に好ましい。また、好ましくは0.500g/cm以下であり、0.400g/cm以下がより好ましく、0.350g/cm以下であることが特に好ましい。見掛け密度が0.200g/cm未満では、染色を行った場合に破れやももけ等が発生するなど、十分な強度や本発明における耐摩耗物性を得ることが困難になる。また見掛け密度が0.500g/cmを超えると、本発明が目的とする柔軟性を得ることが困難になり、好ましくない。
なお、目付はJIS L1096 8.4.2(1999)によって測定し、見掛け密度は、JIS L1096 8.4.2(1999)によって目付を測定し、次いでその厚みを測定して、それから得られる見掛け密度の平均値をもって見掛け密度とした。なお、厚みの測定には、ダイヤルシックネスゲージ(商品名;ピーコックH、株式会社尾崎製作所製)を用い、サンプルの任意の箇所を10箇所測定して、その平均値を用いた。本発明における見掛け密度とは、繊維素材の見掛け密度を言う。
また、本発明の皮革様シートは、タテおよびヨコ方向のいずれの引張強力も70N/cm以上であることが好ましい。タテまたはヨコ方向いずれかの引張強力が70N/cm未満であると、皮革様シートとする場合、次の高次加工工程における工程通過性が悪くなり、破れや寸法変化等が発生する傾向があるため好ましくない。また、皮革様シートとする場合に、十分な物性を得るために多量のバインダーを付与する必要があり、風合いが硬くなりやすい問題もある。なお、かかる引張強力の上限は特に限定するものではないが、通常200N/cm以下となる。ここで前記引張強力はJIS L 1096 8.12.1(1999)により、幅5cm、長さ20cmのサンプルを採取し、つかみ間隔10cmで定速伸長型引張試験器にて、引張速度10cm/分にて伸長させて求めた。得られた値から幅1cm当たりの荷重を引張強力(単位;N/cm)とした。これらの強度を得るためには、用いる繊維の強度が2cN/dtex以上であることが好ましい。
さらに、本発明における皮革様シートは、タテおよびヨコ方向のいずれの引き裂き強力も5〜30Nであることが好ましい。タテまたはヨコ方向いずれかの引き裂き強力が3N未満であると、工程通過性が低下し、安定した生産が困難になる。逆に、タテまたはヨコ方向いずれかの引き裂き強力が50Nを超えると、一般に柔軟化しすぎる傾向があり、風合いとのバランスが取りにくくなるため好ましくない。なお、前記引き裂き強力はJIS L 1096 8.15.1(1999)D法(ペンジュラム法)に基づいて測定した。
これらの引き裂き強力は、見掛け密度を適正な範囲に調整することで達成でき、一般に高密度化すると強力は低下する傾向がある。
本発明における皮革様シートは、さらに用途に応じて行われる後工程においてシートの変形や破れを防ぐために、タテ方向の10%伸長時の応力が8N/cm以上であることが好ましく、10N/cmであることがより好ましい。なお、かかる10%伸長時の応力の上限は特に限定しないが、50N/cmを超えると、風合いが硬化し、作業性が低下するので好ましくない。上述の製造方法で製造する場合は、NP処理や高速流体処理を十分に行うことで、10%伸長時の応力の値を向上させることができる。また織物および/または編み物等を積層させることによっても、かかる応力の値を増加させることができる。
なお、10%伸長時の応力(モジュラス)は、引張強力の測定方法と同様にして行い、10%伸長時の強力をその値とした。
また、上述の皮革様シートの物性は本発明における耐摩耗物性を得るために重要な要素であるが、これは、後述するように極細繊維同士が交絡していることによって達成出来る。
さらに、本発明の皮革様シートは耐摩耗性評価において、外観が3級以上であり、かつ減量が10mg以下である。
本発明でいう、耐摩耗性評価とはJIS L 1096(1999)8.17.5 E法(マーチンデール法)家具用荷重(12kPa)に準じて測定される耐摩耗試験において、3000回および20000回の回数を摩耗した後の試験布の外観をJIS L 1076(1999)表2の判定基準表で判定したものである。本発明においては、3000回、20000回とも3〜5級の必要がある。3級未満では十分な品位を保持できておらず、5級が評価上、最も好ましい状態である。従来、立毛調皮革様シートでは、外観上のエンドポイントとして、破れや、例えば特開2003−268680号公報に記載のように、織物層が露出するまでの回数で評価されていた。しかし、織物層が露出しない回数でももけや毛玉が発生する場合、織物層が露出するまでの回数と表面の耐久性が必ずしも一致しないという問題があった。そこで、本発明の耐摩耗性評価はJIS L 1076(1999)表2の判定基準表を用いて、毛玉の有無といった外観の変化を短期使用後を想定した3000回と長期使用後を想定した20000回で評価している。特に、20000回で外観が大きく変わらないことが形態の安定性を示すため重要だが、短期使用では外観変化が大きい場合もある。したがって、本発明では3000回時点でも変化のないことによってさらに高いレベルの耐久性を達成できる。さらに、JIS L 1096(1999)8.17.5 E法(マーチンデール法)家具用荷重(12kPa)に準じて測定される耐摩耗試験において、20000回後の摩耗減量は10mg以下である。摩耗減量は5mg以下がより好ましい。摩耗減量が10mgを超える場合、実使用において毛羽が服等に付着する傾向があるため好ましくない。一方下限は特に限定せず、本発明の立毛調皮革様シートであればほとんど摩耗減量がないものも得ることが出来る。
また、本発明の皮革様シートは、剛軟度が0.1〜1.0mNであることが好ましい。剛軟度が0.1mN未満であると、形態安定性が不十分になりやすく、風合いも充実感のないものになりやすい。一方、剛軟度が1.0mNを超えると、柔軟性が不十分となり好ましくない。なお、本発明でいう剛軟度とはJIS L 1096(1999)8.20.1 A法(ガーレ法)に準じて測定される曲げ反発性試験において長さ38mm、幅25mmで測定した値である。これらの剛軟度は、織編物の剛軟度、目付、見掛け密度を適正な範囲に調整することで達成できる。
本発明の皮革様シートは実質的にポリウレタン等の高分子弾性体を含まず、実質的に非弾性ポリマーの繊維材料からなるものである。
ここでいう「実質的に非弾性ポリマーの繊維素材からなる」とは、ポリウレタン等の高分子弾性体からなるバインダーの含有量が繊維に対して5重量%未満のものをいい、好ましくはバインダーが繊維に対して3重量%未満、より好ましくはバインダーが繊維に対して1重量%未満であり、もっとも好ましいのはバインダーを含まないものである。
ここでいう非弾性ポリマーの繊維とは、前述のとおりポリエーテルエステル系繊維やいわゆるスパンデックス等のポリウレタン系繊維などのゴム状弾性に優れる繊維を除くポリマーを意味するし、特にケミカルリサイクルを行うためには、繊維素材がポリエチレンテレフタレートまたはナイロン6からなるものが好ましい。なお、本発明の皮革様シートは、ポリエーテルエステル系繊維やスパンデックスなどのポリウレタン系繊維などの高分子弾性体を全く含まないものが最も好ましいが、本発明の効果を逸脱しない範囲において高分子弾性体が含まれていても構わない。また、例えば染料、柔軟剤、風合い調整剤、ピリング防止剤、抗菌剤、消臭剤、撥水剤、耐光剤、耐侯剤等の機能性薬剤が含まれていても良い。
本発明の皮革様シートは、極細長繊維不織布と織編物とで構成され、かつ実質的に非弾性ポリマーの繊維素材からなる皮革様シートである。
ここでいう皮革様シートとは、天然皮革のようなスエード、ヌバック、銀面等の優れた表面外観を有してなるものであり、特に本発明において好ましいものはスエードやヌバックといった立毛調の外観において、滑らかなタッチと優れたライティングエフェクトを有するものである。
また、本発明における皮革様シートは極細長繊維不織布を構成する繊維が立毛を形成していることが好ましい。この立毛の長さは特に限定するものではなく、ベロアやスエード、ヌバックといった天然皮革のように様々な立毛長さを有することが出来るが、本発明における耐摩耗物性が優れる点で、立毛長さの短いヌバック調の外観を有するものが好ましい。また、極細長繊維不織布を染色してなることが好ましい。
さらに、極細長繊維不織布と同一又は異なる不織布によって織編物を挟んだ構造も表裏ともに不織布の外観となり、織編物と異なる品位が得られる点で好ましい。
次に、本発明の皮革様シートを製造する方法について説明する。
まず、本発明における極細長繊維不織布を製造する方法を説明する。
単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの範囲にある、いわゆる極細繊維の製造方法は特に限定せず、例えば直接極細繊維を紡糸する方法、通常繊度の繊維であって極細繊維を発生することができる繊維(複合繊維)を紡糸し、次いで極細繊維発現処理(極細化処理)により極細繊維を発生させる方法がある。
そして複合繊維を用いる方法としては、例えば海島型複合繊維を紡糸してから海成分を除去する方法、分割型複合繊維を紡糸してから分割して極細化する方法等の手段で製造することができる。これらの中で、本発明においては極細繊維を容易に安定して得ることが出来る点で、海島型複合繊維または分割型複合繊維によって製造することが好ましく、さらには皮革様シートとした場合、同種の染料で染色できる同種ポリマーからなる極細繊維を容易に得ることが出来る点で、海島型複合繊維によって製造することがより好ましい。
本発明でいう海島型複合繊維とは、2成分以上の成分を任意の段階で複合、混合して繊維断面を海島状態とした繊維をいい、この繊維を得る方法としては、特に限定せず、例えば(1)2成分以上のポリマーをチップ状態でブレンドして紡糸する方法、(2)予め2成分以上のポリマーを混練してチップ化した後、紡糸する方法、(3)溶融状態の2成分以上のポリマーを紡糸機のパック内で静止混合器等を用いて混合する方法、(4)特公昭44−18369号公報、特開昭54−116417号公報等に記載の口金を用いて製造する方法、等が挙げられる。本発明においてはいずれの方法でも良好に製造することが出来るが、ポリマーの選択が容易である点で上記(4)の方法が好ましく採用される。
海島型複合繊維を長繊維不織布にするためには、例えば前述のポリマーを、上記(4)の方法に示した口金から吐出し、エアジェット法またはローラー法によって、3000〜6000m/分の速度で延伸した後、ウエブコンベア等の捕集面に捕集して得ることができる。このとき、エアジェット法によって、延伸および捕集を連続して行えば、一旦巻き取った後、開繊する必要が無いため、生産性の点で好ましい。ここでいうエアジェット法とは、エジェクターやエアサッカーを用いて、紡出された糸条を空気によって牽引して延伸する方式である。
なお、分割型複合繊維を用いる場合は、主に口金内で2成分以上を複合し、上述の海島型複合繊維の製造方法に準じて行うことができる。
かかる(4)の方法において、海島型複合繊維および海成分を除去して得られる島繊維の断面形状は特に限定せず、例えば丸、多角、Y、H、X、W、C、π型等が挙げられるが、本発明においては、前述のように断面における最小外接円の径Rと最大内接円の径rの比R/rが1〜1.4の範囲であることが好ましいため、この範囲を達成するためには断面形状は丸が好ましい。
また、用いるポリマー種の数も特に限定するものではないが、紡糸安定性や染色性を考慮すると2〜3成分であることが好ましく、特に海1成分、島1成分の2成分で構成されることが好ましい。また、このときの成分比は、島繊維の海島型複合繊維に対する重量比で0.30以上であることが好ましく、0.40以上がより好ましく、0.50以上がさらに好ましい。また、上限は重量比で0.99以下であることが好ましく、0.97以下がより好ましく、0.80以下がさらに好ましい。0.30未満であると、海成分の除去率が多くなるためコスト的に好ましくない。また0.99を超えると、島成分同士の合流が生じやすくなり、紡糸安定性の点で好ましくない。
また、用いるポリマーは特に限定するものではなく、例えば島成分としては、上述のとおり染色性や強度、耐久性、堅牢度の点で、ポリエステルであることが好ましい。
海島型複合繊維の海成分として用いるポリマーは、島成分を構成するポリマーよりも溶解性、分解性の高い化学的性質を有するものであれば特に限定するものではない。島成分を構成するポリマーの選択にもよるが、例えばポリエチレンやポリスチレン等のポリオレフィン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ポリエチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビスフェノールA化合物、イソフタル酸、アジピン酸、ドデカジオン酸、シクロヘキシルカルボン酸等を共重合したポリエステル等を用いることができる。紡糸安定性の点ではポリスチレンが好ましいが、有機溶剤を使用せずに容易に除去できる点でスルホン基を有する共重合ポリエステルが好ましい。かかる共重合比率としては、処理速度、安定性の点から5モル%以上、重合や紡糸、延伸のしやすさから20モル%以下であることが好ましい。本発明において好ましい組み合わせとしては、島成分にポリエステルを用い、海成分にポリスチレン又はスルホン基を有する共重合ポリエステルである。
これらのポリマーには、隠蔽性を向上させるためにポリマー中に酸化チタン粒子等の無機粒子を添加してもよいし、その他、潤滑剤、顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、導電剤、蓄熱剤、抗菌剤等、種々目的に応じて添加することもできる。
このようにして得られる複合繊維の単繊維繊度は1〜50dtexの範囲である。単繊維繊度が1dtex未満では後述のNPによって繊維の切断や、ニードルバーブへ引っかかりにくく、十分な強力を得ることが困難となり、50dtexを超えると、ニードルが折れやすくなるため好ましくない。
この複合繊維から得られる極細繊維の単繊維繊度は0.0001dtex以上であり、0.001dtex以上が好ましく、0.005dtex以上がより好ましい。また、0.5dtex以下であり、0.3dtex以下が好ましく、0.15dtex以下がより好ましい。0.0001dtex未満では、強度が低下し、0.5dtexを超えると、風合いが堅くなるとともに、後述の高速流体処理において十分な交絡が得にくいため表面品位や本発明における耐摩耗物性が低下する等の問題も発生し、好ましくない。また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の範囲を超える繊度の繊維が含まれていても良い。
極細繊維の単繊維繊度をこのような範囲とする方法は特に限定するものではなく、上述の複合繊維を製造する際に、島成分ポリマーの供給量を調節することで容易に達成できる。
次に、極細長繊維不織布を製造する方法について説明する。
本発明においては、上述の1〜50dtexの複合繊維を捕集する工程に続いて、次の工程を含むものである。
A 前記複合繊維をニードルパンチ処理して不織布とする工程
B 極細繊維発現処理により、前記複合繊維を単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維にする工程
C 前記不織布を高速流体処理する工程
D 前記不織布を織編物と積層一体化させる工程
すなわち、極細繊維を得た後不織布に形成してもよいが、本発明において不織布を製造する方法として好ましく採用されるのは、上記の方法でA.複合繊維をニードルパンチ処理によって不織布とした後、B.極細化して極細繊維不織布とし、極細繊維を交絡させるためにC.高速流体処理を施す方法である。
かかる複合繊維からなる不織布は、A.複合繊維をNP処理する工程によって、繊維見掛け密度が0.120g/cm以上とすることが好ましく、0.150g/cm以上とすることがより好ましい。また、0.300g/cm以下とすることが好ましく、0.250g/cm以下とすることがより好ましい。0.120g/cm未満であると、交絡が不十分であり、目的の物性が得られにくくなる。また上限は特に規定されないが、0.300g/cmを超えると、繊維の切断、ニードル針の折れや、針穴が残留するなどの問題が生じやすく、好ましくない。
本発明におけるNP処理では、工程通過性を得るための仮止めとしての役割とともに、繊維を十分に交絡させることが好ましいが、後述の高速流体処理において本発明の耐摩耗物性が得られるため、繊維を切断しない範囲でNP処理することが好ましい。なお、従来のようにNP処理する工程においてD.織編物と積層一体化させる工程を行う場合は、前述の不織布繊維の切断に加えて織編物を構成する繊維も切断する可能性が高いが、本発明では織編物を後述の高速流体処理によって積層一体化させるためそのような問題がなく、高い物性と柔軟な風合いを兼ね備える皮革様シートが得られるものである。
このようにして得られた複合繊維からなる不織布は、乾熱または湿熱、あるいはその両者によって収縮させ、さらに高密度化することが好ましい。
複合繊維を用いて複合繊維からなる不織布とした後、複合繊維をB.極細繊維発現処理により、単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維にする工程により極細化して極細長繊維不織布とする。かかる極細化処理の方法としては、特に限定するものではないが、例えば機械的方法、化学的方法が挙げられる。機械的方法とは、物理的な刺激を付与することによって極細化する方法であり、例えば上記のNP法やウォータージェットパンチ(以下、WJPという)法等の衝撃を与える方法の他に、ローラー間で加圧する方法、超音波処理を行う方法等が挙げられる。また化学的方法とは、例えば、複合繊維を構成する少なくとも1成分に対し、薬剤によって膨潤、分解、溶解等の変化を与える方法が挙げられる。特にアルカリ易分解性海成分を用いて成る複合繊維で不織布を作製し、次いで中性〜アルカリ性の水溶液で処理して極細化する方法は、溶剤を使用せず作業環境上好ましいことから、本発明の好ましい態様の一つである。ここでいう中性〜アルカリ性の水溶液とは、pH6〜14を示す水溶液であり、使用する薬剤等は特に限定するものではない。例えば有機または無機塩類を含む水溶液で上記範囲のpHを示すものであれば良く、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、必要によりトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミンや減量促進剤、キャリアー等を併用することもできる。中でも水酸化ナトリウムが価格や取り扱いの容易さ等の点で好ましい。さらにシートに上述の中性〜アルカリ性の水溶液処理を施した後、必要に応じて中和、洗浄して残留する薬剤や分解物等を除去してから乾燥を施すことが好ましい。
このように、A工程により複合長繊維不織布を得た後、B工程により極細化して極細長繊維不織布を得るが、B工程と同時あるいはB工程の後に、C.高速流体処理する工程、例えば水流によるWJP処理を行うことが好ましい。このNP処理と高速流体処理を組み合わせることで、極細長繊維を高度に交絡させることができる。本発明における皮革様シート状物は、NPによる交絡のしやすい繊維と高速流体処理による交絡のしやすい繊維の相違から、特に上記のようなプロセスにより製造することで得られる。すなわち、1〜50dtexの繊維が太い状態ではNPによる交絡が優れ、0.0001〜0.5dtexの極細領域では高速流体処理による交絡が優れる傾向があることを利用したものである。これらの繊維繊度と交絡方法を組み合わせるために、繊度1〜50dtexの複合繊維を用いてNPにより十分に交絡させ、次いで0.0001〜0.5dtexの極細繊維を得る極細化処理をした後、高速流体処理を行う方法が最も好ましい製造方法である。このとき織編物を積層して高速流体処理し、極細長繊維不織布にD.織編物を積層一体化させる工程を行うことが好ましい。極細長繊維不織布を高速流体処理する際に、極細長繊維不織布の目付が高い場合は、流体の反射が増して均一な処理が困難になる。そのため、高速流体処理によって高度な交絡を付与した高目付不織布を得ることが困難だった。
そこで、本発明では織編物を積層することによって、不織布の目付が小さくても高目付の皮革様シートが得られるとともに、NP工程で積層する方法と比較して、NP処理での負荷を小さくできるため、不織布の複合繊維および織編物の繊維の切断による物性低下の問題も発生しにくいことを見出したものである。特に、引張強力や引裂強力、耐摩耗物性の点で、織編物を構成する繊維が切断していないことが好ましいが、高速流体処理によって織編物と極細長繊維不織布を積層一体化させることによって、織編物を構成する繊維を切断することなく皮革様シートが得られる。
さらに、得られた極細長繊維不織布と織編物を一体化させることによって目標とする風合いなどの機能を織編物によって付与できる。例えば、高度なドレープ性やストレッチ性を付与する場合は、高度なドレープ性やストレッチ性を有する織編物と一体化させることで、皮革様シートにその効果を発現させることができる。
このような織編物の製造方法は特に限定するものではなく、必要とする組織に応じてそれに適した織機を使用することができる。織機としては、例えばエアジェット織機やウォータージェット織機、フライシャトル織機などが挙げられる。この際、織密度を下げすぎると、織物による補強効果が低下し、織密度を上げすぎると高速流体処理時の流体の反射が増して安定的に加工できないため、タテ糸とヨコ糸間には適度に間隔が開いていることが好ましい。
一方、編物の製造方法も特に限定するものではなく、必要とする組織に応じてそれに適した編機を使用することができる。編機としては、例えば横編機、丸編機、トリコット機、ラッセル機等があげられる。
これらにより得た織編物と極細長繊維不織布とを一体化させる方法は、これらNP処理や高速流体流処理等の手段を用いた交絡による方法や、接着による方法の他、種々の方法を適宜単独または組み合わせて採用することが知られている。本発明では、これらの内、ドレープ性に優れる点で交絡による方法を採用し、編物を損傷させずに交絡できる点で高速流体流処理を用いる。
これらの織編物を構成する構成糸は、100T/m以上の撚数を有することが好ましく、200T/m以上がより好ましい。また、2000T/m以下とすることが好ましく、1800T/m以下がより好ましい。100T/m未満では織編物の通水性が低く、高速流体処理を施す際に流体の反射によって均一な加工が困難となるため流量を上げ難く、2000T/mを超えると、風合いが硬くなりやすいためである。本発明でいう撚数とは、検撚機にて90×10−3cN/dtexの荷重下で解撚し、完全に解撚したときの解撚数を解撚した後の糸長で除した値である。
極細長繊維不織布と織編物を一体化させるのに高速流体処理を用いる場合、D工程における一体化のためのC工程における高速流体処理が、B工程における複合長繊維不織布の極細化処理を兼ねるようにすることも可能である。すなわち、極細繊維発現処理と、交絡を得るための高速流体処理を同時に実施する。高速流体処理によって割繊タイプの複合繊維を極細化するとともに交絡させることや、高速流体に可溶な成分を溶出するとともに交絡する方法を行なうことによって、工程を簡略化できる。ただし、少なくとも極細化処理が大部分終了した後にも高速流体処理を行うことが、より極細繊維同士の交絡を進める上で好ましく、さらに、極細化処理を行った後に高速流体処理を行うことが好ましい。
高速流体処理としては、作業環境の点で水流を使用するWJP処理を行うことが好ましい。この時、水は柱状流の状態で行うことが好ましい。柱状流を得るには、通常、孔径(直径)0.06〜1.0mmの孔から圧力1〜60MPaで噴出させることで得られる。かかる処理は、効率的な交絡と良好な表面品位を得るために、孔径は0.06〜0.20mm、孔間隔は5mm以下であることが好ましく、孔径0.06〜0.15mm、孔間隔は1mm以下がより好ましい。これらの孔スペックは、複数回処理する場合、すべて同じ条件にする必要はなく、例えば大孔径と小孔径のノズルを併用することも可能であるが、少なくとも1回は上記構成のノズルを使用することが好ましい。特に孔径が0.20mmを超えると表面に水流の打撃痕が強く付与されるため平滑性が低下し、好ましくない。また、孔径が0.06mm未満となると孔詰まりが発生しやすくなるため、水を高度に濾過する必要性からコストが高くなる問題があり好ましくない。
また、噴出された水は、不織布に向かい、不織布の上面で跳ね返る水と、サクションボックスを通して除去される水となる。このとき、不織布の上面で跳ね返る水が処理の均一性に悪影響を及ぼすが、前述のように織編物を積層することで、通水性を向上してサクションボックスを通して除去する水の割合を増加できることを見出した。したがって、織編物を積層することによって従来よりも強い条件によって加工でき、目標の耐摩耗物性が得られるものである。
また、厚さ方向に均一な交絡を達成する目的、および/または不織布表面の平滑性を向上させる目的で、好ましくは多数回繰り返して処理する。また、その水流圧力は処理する不織布の目付によって適宜選択し、高目付のもの程高圧力とすることが好ましい。ここでいう複数回とは搬送するコンベアーおよび/またはシリンダーに直交する方向に並んだ孔を有するノズルプレート1枚を通過する回数が複数回であることをいう。
なお、複合長繊維不織布または極細繊維不織布に高速流体処理を行う前に、流体浸積処理を行ってもよい。さらに表面の品位を向上させるために、ノズルヘッドと不織布を搬送するコンベアーおよび/またはシリンダーの進行方向と異なる向きに、相対的に移動させたり、交絡後に不織布とノズルの間に金網等を挿入して散水処理する等の方法を行うこともできる。このようにして、好ましくはタテ方向の10%モジュラスが8N/cm以上となるまで、より好ましくは10N/cm以上となるまで極細繊維同士を交絡させるとよい。
一般的には複合繊維から得た極細繊維の場合、繊維同士が集束した極細繊維束が主として交絡しているが、このような処理によって、本発明における極細長繊維不織布においては極細繊維束同士の交絡がほとんど観察されない程度にまで極細繊維同士が高度に交絡した極細繊維不織布を得ることができ、また、これにより本発明における摩耗物性等の表面特性を向上させることもできる。
また、織編物と極細長繊維不織布の積層は、高速流体処理によって交絡一体化させることで達成できるため、本発明においては、上記C、Dの工程を同時に行うことが好ましい。これによって、極細繊維同士の交絡を目的とした高速流体処理と織編物の積層一体化を同時に行うことができるため、工程を簡略化できるとともに、NPによる積層一体化と違って繊維が切断しないため高い物性が得られる。このとき、極細繊維の少なくとも一部が織編物を貫通する必要がある。織編物の貫通は、高速流体処理時の繊維の移動を大きくすることで達成できるため、NPでの交絡が極端に強くならないように調節する、高速流体処理に用いるノズル孔径を大きくする、高速流体処理圧力を高くする、高速流体処理の加工速度を低くするといった手段で得られる。
さらに、極細長繊維不織布と同一又は異なる不織布によって織編物を挟んだ構造も表裏ともに不織布の外観となり、織編物と異なる品位が得られる点で好ましい。このような構造を得る手段は特に限定するものではないが、例えば、平均繊維長0.1〜1cm、平均単繊維繊度が0.01〜0.5デシテックスの繊維を水溶性樹脂などを含む水中で叩解し、0.0001〜0.1重量%程度の濃度で分散させた分散液を金網などに抄造して製造した短繊維不織布と織編物を、高速流体処理によって、あらかじめ織編物と交絡させ、織編物の側が極細長繊維不織布に接するように重ねて、さらに高速流体処理することで、極細繊維不織布と織編物と短繊維不織布からなる皮革様シートが得られる。
また、本発明の皮革様シートとしては、少なくとも一方の面が立毛されていることが好ましい。なお、本発明の皮革様シートは、実質的に繊維素材からなるものであるが、単なる不織布とは異なり、一般の天然皮革や人工皮革と類似した表面品位を有するものである。また、上述のように、本発明における摩耗物性の点で、立毛長さは短いほうが好ましい。立毛を得る手段としては、サンドペーパーやブラシ等による起毛処理を行うことが好ましい。かかる起毛処理は、染色する場合、染色の前または後、あるいは染色前および染色後に行うことができる。
そして、このような皮革様シートは、染色されてなることが好ましい。この極細短繊維不織布を染色する方法は特に限定するものではなく、用いる染色機としても、液流染色機の他、サーモゾル染色機、高圧ジッガー染色機等いずれでもよいが、得られる皮革様シートの風合いが優れる点で液流染色機を用いて染色することが好ましい。
本発明の立毛調皮革様シートにおいては、本発明における耐摩耗物性をさらに向上させる目的で、微粒子を付与することができる。
微粒子を付与する場合は、微粒子の材質は水に不溶であれば特に限定するものではなく、例えばシリカやコロイダルシリカ、酸化チタン、アルミニウム、マイカ等の無機物質や、メラミン樹脂等の有機物質を例示することができる。
微粒子の平均粒子径は、洗濯耐久性に優れ、耐摩耗物性向上効果が得られる点で、好ましくは0.001μm以上であり、より好ましくは0.01μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上である。また、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。なお、微粒子の平均粒子径は個々の材質やサイズに応じて適した測定方法、例えばBET法やレーザー法、動的散乱法、コールター法などを用いて測定することができる。本発明においては、特にBET法を用いて求めた体積(質量)平均粒子径が好ましい。
これらの微粒子の含有量は、皮革様シートの風合いが硬くならず、耐摩耗性向上効果が得られる点で、皮革様シートの0.01重量%以上が好ましく、0.02重量%以上がより好ましく、0.05重量%以上がさらに好ましい。また、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。
微粒子を付与する手段としては、パッド法、液流染色機やジッガー染色機を用いる方法、スプレーで噴射する方法等、適宜選択することができる。
また、風合い調節剤や抗ピル剤を適宜付与。風合い調節剤や抗ピル剤を付与する手段としては、パッド法、液流染色機やジッガー染色機を用いる方法、スプレーで噴射する方法等、適宜選択することができる。
また、柔軟な風合いとなめらかな表面タッチを得るために、本発明の皮革様シートは柔軟剤を含むことが好ましい。柔軟剤としては、織編物に一般的に使用されているものを繊維種に応じて適宜選択することが好ましい。例えば染色ノート第23版(発行所 株式会社色染社、2002年8月31日発行)において、風合い加工剤、柔軟仕上げ剤の名称で記されているものを適宜選択することができる。その中でも柔軟性の効果が優れる点でシリコーン系エマルジョンが好ましく、アミノ変成やエポキシ変成されたシリコーン系エマルジョンがより好ましい。これらの柔軟剤が含まれると耐摩耗性は低下する傾向があるため、この柔軟剤の量と上記の微粒子の量は、目標とする風合いと耐摩耗物性のバランスを取りながら、適宜調整することが好ましい。従って、その量は特に限定するものではないが、風合いと耐摩耗物性がバランスし、べたつき感を抑えられる点で皮革様シートの0.01〜10重量%の範囲が好ましい。
皮革様シートに柔軟剤を付与する手段としては、パッド法、液流染色機やジッガー染色機を用いる方法、スプレーで噴射する方法等、微粒子付与の際と同様に適宜選択することができる。コストの点からは微粒子と柔軟剤は同時に付与することが好ましい。なお、微粒子や柔軟剤は、好ましくは染色後に付与する。染色前に付与すると、染色時の脱落により効果が減少する場合や、染色ムラが発生する場合があるため好ましくない。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)目付、繊維見掛け密度
目付はJIS L 1096 8.4.2(1999)の方法で測定した。また、厚みをダイヤルシックネスゲージ((株)尾崎製作所製、商品名“ピーコックH”)により測定し、目付の値から計算によって繊維見掛け密度を求めた。
(2)耐摩耗物性
JIS L 1096(1999)8.17.5 E法(マーチンデール法)家具用荷重(12kPa)に準じて測定される耐摩耗試験において、3000回および20000回の回数を摩耗した後の試験布の重量減を評価すると共に、JIS L 1076 表2の判定基準表に準じて外観から等級を判定した。そのうち、外観については等級の低い方を評価結果とし、減量については20000回後の重量減を評価結果とした。
(3)剛軟度
JIS L 1096(1999)8.20.1 A法(ガーレ法)に準じて測定される曲げ反発性試験において長さ38mm、幅25mmで測定した。
(4)極細繊維の横断面の形状および最小外接円の径Rと最大内接円の径rの比R/r
極細繊維の横断面形状を電子顕微鏡で観察して、横断面の形状および最小外接円の径Rと最大内接円の径rの比R/rを求めた。
(5)外観
立毛を有する面の外観を目視により◎、○、△の3段階で評価した。なお、◎〜△は次の内容で判定した。
◎:色、立毛、平滑さが均一で、ライティング効果が得られる。
○:色、立毛、平滑さが均一でなく、ライティング効果が得られる。
△:色、立毛、平滑さが均一でなく、ライティング効果が得られない。
製造例1(織物の製造)
極限粘度が0.40のポリエチレンテレフタレート(PET)100%からなる低粘度成分と、極限粘度が0.75のPETからなる高粘度成分とを重量複合比50:50でサイドバイサイドに貼りあわせて紡糸および延伸し、56デシテックス12フィラメントのサイドバイサイド型複合繊維を得た。これをS撚りで2400T/mの撚りをかけ、75℃でスチームセットを行った。この糸をタテ糸、ヨコ糸に用い、織組織を平織とし、織密度が93×64本/2.54cm、57g/mの織物を作製した。この織物を液流染色機にて、110℃で20分間リラックス処理を行い、目付が85g/mの織物を得た。
製造例2(編物の製造)
極限粘度が0.65のPET100%を紡糸および延伸し、56デシテックス12フィラメントの繊維を得た。これをS撚りで1500T/mの撚りをかけ、65℃でスチームセットを行った後、44ゲージ、77g/mのダブル丸編を得た。
製造例3(短繊維不織布の製造)
極限粘度が0.65のPETを紡糸および延伸した後、カットし、0.3デシテックスで長さ5mmの短繊維とし、抄造法により目付20g/mの短繊維不織布を得た。
実施例1
290℃に加熱した複合紡糸装置により、海成分として5−ソディウムスルホイソフタル酸を8モル%共重合したPET50部、島成分としてPET50部からなり、島数が36島になるように流路を配列させた口金から押し出した。押し出した糸条を常温の空気を用いた冷却装置にて冷却し、次いで、紡糸口金下100cmの位置に配された常温の空気を利用するエジェクターにより、5000m/分の速度で引き取り、移動する金網製の堆積装置にフィラメントを積層させウエブを作製した。このとき得られた複合繊維の単繊維繊度は3dtexの円形断面形状であった。次いで1バーブ型のニードルにて表裏それぞれ250本/cmの打ち込み密度でNP処理し(計500本/cm)、繊維見掛け密度0.200g/cmの海島型複合長繊維不織布を得た。次に約95℃に加温した水に浸積し、2分間収縮処理を行い、100℃にて乾燥して水分を除去した。得られたシートを水酸化ナトリウムを100g/L、界面活性剤を15g/L含むアルカリ水溶液中に浸漬し、シートに対して112重量%のアルカリ水溶液を含浸した後、直ちに90℃のスチームが充満したボックス内でマイクロ波により5分間、連続減量処理を行い、水洗・乾燥を行い、単繊維繊度約0.042dtexの極細長繊維不織布を得た。極細繊維の横断面形状はおおよそ円形であり、R/rは1.1であった。次いで、極細長繊維不織布と製造例1の織物をこの順で積層(極細長繊維不織布が上)した状態で、径が0.1mmの孔を、0.5mm間隔に配置したノズルプレート(ノズルプレートa)を用いたWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に15MPaの噴射圧力で処理し(計4回)、極細繊維の交絡とともに織物との積層一体化処理を行った。WJPでの進行方向に直行する方向に切断した複合シート断面を電子顕微鏡で100倍に拡大して、観察したところ、極細繊維が織物を多数貫通していた。
このようにして得られた複合シートの表面を株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダで、粒度400の炭化ケイ素砥粒のサンドペーパーを用いて、繊維シートのバフによる減量が3重量%になるまでバフィングした後、サーキュラー染色機において分散染料で染色を施した。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。さらに、伸長率、伸長回復率に優れる、ストレッチ性が良好なシートだった。
実施例2
製造例3の短繊維不織布と製造例1の織物と実施例1の極細長繊維不織布をこの順で積層(短繊維不織布が上)した状態で、ノズルプレートaを用いたWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に15MPaの噴射圧力で処理し(計4回)、極細繊維の交絡とともに織物との積層一体化処理を行った。WJPでの進行方向に直行する方向に切断した複合シート断面を電子顕微鏡で100倍に拡大して、観察したところ、極細繊維が織物を多数貫通していた。
続いて、実施例1と同様の処理を行って得皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。さらに、伸長率、伸長回復率に優れる、ストレッチ性が良好なシートだった。
実施例3
実施得1の極細長繊維不織布と製造例2の編物をこの順で積層(極細長繊維不織布が上)した状態で、ノズルプレートaを用いたWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に15MPaの噴射圧力で処理し(計4回)、極細繊維の交絡とともに編物との積層一体化処理を行った。WJPでの進行方向に直行する方向に切断した複合シート断面を電子顕微鏡で100倍に拡大して、観察したところ、極細繊維が編物を多数貫通していた。
続いて、実施例1と同様の処理を行って皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、編物の切断端は確認できなかった。
実施例4
290℃に加熱した複合紡糸装置により、PETと5−ソディウムスルホイソフタル酸を8モル%共重合したPETを重量比50:50の割合とし、丸型中空(ドーナツ型)断面に、PETと5−ソディウムスルホイソフタル酸を8モル%共重合したPETが交互に放射状に配列され、且つそれぞれのポリマーが6本ずつ(計12本)のフィラメントを形成する口金から押し出した。押し出した糸条を常温の空気を用いた冷却装置にて冷却し、次いで、紡糸口金下100cmの位置に配された常温の空気を利用するエジェクターにより、5000m/分の速度で引き取り、移動する金網製の堆積装置にフィラメントを積層させウエブを作製した。このとき得られた複合繊維の単繊維繊度は、1.2dtexであった。
この複合長繊維不織布を用いて、実施例1と同様の処理を行い、極細長繊維不織布を得た。また、R/rは2.3であった。
続いて、実施例1と同様の処理を行って皮革様シートを得た。WJPでの進行方向に直行する方向に切断した複合シート断面を電子顕微鏡で100倍に拡大して、観察したところ、極細繊維が織物を多数貫通していた。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。
実施例5
290℃に加熱した複合紡糸装置により、海成分としてポリスチレン50部、島成分としてPET50部からなり、島数が36島になるように流路を配列させた口金から押し出した。押し出した糸条を常温の空気を用いた冷却装置にて冷却し、次いで、紡糸口金下100cmの位置に配された常温の空気を利用するエジェクターにより、5000m/分の速度で引き取り、移動する金網製の堆積装置にフィラメントを積層させウエブを作製した。このとき得られた複合繊維の単繊維繊度は3dtexの円形断面形状であった。次いで1バーブ型のニードルにて表裏それぞれ250本/cmの打ち込み密度でNP処理し(計500本/cm)、繊維見掛け密度0.200g/cmの海島型複合長繊維不織布を得た。次に約95℃に加温した重合度500、ケン化度88%のポリビニルアルコール12重量%の水溶液に固形分換算で不織布重量に対し25%の付着重量になるように浸積し、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)の含浸と同時に2分間収縮処理を行い、100℃にて乾燥して水分を除去した。得られたシートを約30℃のトリクレンでポリスチレンを完全に除去するまで処理し、単繊維繊度約0.042dtexの極細長繊維不織布を得た。極細繊維の断面形状はおおよそ円形であり、R/rは1.1であった。次いで、極細長繊維不織布と製造例1の織物をこの順で積層(極細長繊維不織布が上)した状態で、ノズルプレートaを用いたWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に15MPaの噴射圧力で処理し(計4回)、PVAの除去とともに極細繊維の交絡を行った。WJPでの進行方向に直行する方向に切断した複合シート断面を電子顕微鏡で100倍に拡大して、観察したところ、極細繊維が織物を多数貫通していた。
このシートを実施例1と同様に加工して皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。
実施例6
実施例1の皮革様シートを、柔軟剤(商品名“エルソフト”N−500コンク、一方社油脂工業株式会社製)とコロイダルシリカ微粒子(商品名 “アルダック”SP−65、さらに、一方社油脂工業株式会社製)を含む水溶液に浸積し、コロイダルシリカの含有量が0.5重量%となるように絞った後、ブラッシングしながら100℃で乾燥させた。
得られた皮革様シートは表に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。
実施例7
実施例1の皮革様シートを、柔軟剤(商品名“エルソフト”N−500コンク、一方社油脂工業株式会社製)とエチレン−酢酸ビニル共重合体の水エマルジョン(商品名;スミカフレックス(登録商標) 755、住化ケムテックス株式会社製)を含む水溶液に浸積し、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量が0.8重量%となるように絞った後、ブラッシングしながら100℃で乾燥させた。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。
実施例8
実施例1の皮革様シートを、柔軟剤(商品名“エルソフト”N−500コンク、一方社油脂工業株式会社製)とエチレン−酢酸ビニル共重合体の水エマルジョン(商品名;スミカフレックス(登録商標) 755、住化ケムテックス株式会社製)を含む水溶液に浸積し、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量が30重量%となるように絞った後、ブラッシングしながら100℃で乾燥させた。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、風合いは非常に硬いものの、耐摩耗物性は問題なかった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。
実施例9
実施得1の極細長繊維不織布と製造例1の織物をこの順で積層(極細長繊維不織布が上)した状態で、ポリウレタン系接着剤を塗布して貼り合わせた後、乾熱100℃で接着した。続いて、実施例1と同様に加工して皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。さらに、伸長率、伸長回復率に優れる、ストレッチ性が良好なシートだった。
実施例10
290℃に加熱した複合紡糸装置により、PETとナイロン6を重量比50:50の割合とし、丸型中空(ドーナツ型)断面に、PETとナイロン6が交互に放射状に配列され、且つそれぞれのポリマーが6本ずつ(計12本)のフィラメントを形成する口金から押し出した以外は実施例1と同様にウエブを作製した。このとき得られた複合繊維の単繊維繊度は、1.2dtexであった。次いで実施例1と同様にNP処理し(計500本/cm)、繊維見掛け密度0.200g/cmの複合長繊維不織布を得た。次いで、複合長繊維不織布と製造例1の織物をこの順で積層(複合長繊維不織布が上)した状態で、径が0.14mmの孔を、0.7mm間隔に配置したノズルプレート(ノズルプレートb)を用いたWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に35MPaの噴射圧力で処理し(計4回)、極細繊維の交絡とともに織物との積層一体化処理を行い、さらに複合繊維を水流によって物理的に分割して極細化した。WJPでの進行方向に直行する方向に切断した複合シート断面を電子顕微鏡で100倍に拡大して、観察したところ、極細繊維が織物を多数貫通していた。また、極細繊維の横断面形状はおおよそ円形であり、R/rは2.3であった。
このようにして得られた複合シートを実施例1と同様に加工して皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。さらに、伸長率、伸長回復率に優れる、ストレッチ性が良好なシートだった。
実施例11
290℃に加熱した複合紡糸装置により、海成分としてテレフタル酸68モル%、イソフタル酸17モル%、5−ソディウムスルホイソフタル酸を15モル%からなる、共重合ポリエステル50部、島成分としてPET50部からなり、島数が36島になるように流路を配列させた口金から押し出した以外は実施例1と同様にウエブを作製した。このとき得られた複合繊維の単繊維繊度は3dtexの円形断面形状であった。次いで実施例1と同様にNP処理し(計500本/cm)、繊維見掛け密度0.200g/cmの海島型複合長繊維不織布を得た。次いで、複合長繊維不織布と製造例1の織物をこの順で積層(複合長繊維不織布が上)した状態で、ノズルプレートbを用いた95℃の熱水を噴射するWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に10MPaの噴射圧力で処理し(計4回)、続いて、径がノズルプレートbを用いた常温のWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に35MPaの噴射圧力で処理し(計4回)極細繊維の交絡とともに織物との積層一体化処理を行い、さらに複合繊維の海成分を熱水によって溶解除去して極細化した。単繊維繊度は約0.042dtexであり、WJPでの進行方向に直行する方向に切断した複合シート断面を電子顕微鏡で100倍に拡大して、観察したところ、極細繊維が織物を多数貫通していた。また、極細繊維の横断面形状を電子顕微鏡で観察したところ、おおよそ円形であり、R/rは1.1であった。
このようにして得られた複合シートを実施例1と同様に加工して皮革様シートを得た。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、優れたものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端は確認できなかった。さらに、伸長率、伸長回復率に優れる、ストレッチ性が良好なシートだった。
比較例1
実施例1と同様にして得た極細長繊維不織布を、ノズルプレートaを用いたWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に8MPaで処理し(計4回)、極細繊維の交絡を行った。
このようにして得られたシートの表面を株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダで、粒度400の炭化ケイ素砥粒のサンドペーパーを用いて、繊維シートのバフによる減量が3重量%になるまでバフィングした後、サーキュラー染色機において分散染料で染色を施した。
得られた皮革様シートは表1に示すように、比較的柔軟な風合いを有していたものの、耐摩耗物性が劣るものだった。
比較例2
290℃に加熱した複合紡糸装置により、海成分として5−ソディウムスルホイソフタル酸を8モル%共重合したPET50部、島成分としてPET50部からなり、島数が36島に流路を配列させた口金から押し出した。押し出した糸条を常温の空気を用いた冷却装置にて冷却し、次いで、紡糸口金下100cmの位置に配された常温の空気を利用するエジェクターにより、5000m/分の速度で引き取り、移動する金網製の堆積装置にフィラメントを積層させウエブを作製した。このとき得られた複合繊維の単繊維繊度は3dtexの円形断面形状であった。このウエブと製造例1の織物を積層し、ウエブの側、織物の側から、それぞれ、1バーブ型のニードルにて2000本/cmの打ち込み密度でNP処理し(計4000本/cm)、繊維見掛け密度0.255g/cmの海島型複合長繊維不織布と織物の一体化シートを得た。次に約95℃に加温した水に浸積し、2分間収縮処理を行い、100℃にて乾燥して水分を除去した。得られたシートを水酸化ナトリウムを100g/l、界面活性剤を15g/l含むアルカリ水溶液中に浸漬し、シートに対して112重量%のアルカリ水溶液を含浸した後、直ちに90℃のスチームが充満したボックス内でマイクロ波により5分間、連続減量処理を行い、水洗・乾燥を行い、単繊維繊度約0.042dtexの極細長繊維不織布と織物の一体化シートを得た。極細繊維の断面形状はおおよそ円形であり、R/rは1.1であった。次いで、ノズルプレートaを用いたWJPにて、10m/分の処理速度で表裏交互に15MPaで処理し(計4回)、極細繊維の交絡を行った。WJPでの進行方向に直行する方向に切断した複合シート断面を電子顕微鏡で100倍に拡大して、観察したところ、極細繊維が織物を多数貫通していたが、不織布と織物の一体化をNP処理によって行ったため、織物が切断した部分があった。
このようにして得られた複合シートの表面を株式会社菊川鉄工所製のワイドベルトサンダで、粒度400の炭化ケイ素砥粒のサンドペーパーを用いて、繊維シートのバフによる減量が3重量%になるまでバフィングした後、サーキュラー染色機において分散染料で染色を施した。
得られた皮革様シートは表1に示すとおり、比較的柔軟な風合いを有していたものの、耐摩耗物性が劣るものだった。この皮革様シートの表および裏面を光学顕微鏡で200倍に拡大して、10cm四方の範囲を観察したところ、織物の切断端が50個以上あった。
Figure 2008115519
本発明により、実質的に高分子弾性体を含まず、主として繊維素材からなる不織布構造体であっても、皮革様シートとして十分な物性と品位を得ることが可能となる。本発明の皮革様シートは、リサイクル性やイージーケア性、耐黄変性等に優れる特徴を有することから、衣料、家具、カーシート、雑貨、研磨布、ワイパー、フィルター等の用途は勿論のこと、その中でもリサイクル性や特徴ある風合いを活かして特にカーシートや衣料に好ましく使用することができる。

Claims (8)

  1. 単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維が相互に交絡した極細長繊維不織布と織編物とからなる複合シートであって、前記極細繊維の少なくとも一部が織編物を貫通しており、耐摩耗性評価において外観が3級以上、かつ、減量が10mg以下であり、実質的に非弾性ポリマーの繊維素材のみからなることを特徴とする皮革様シート。
  2. 前記極細繊維の横断面における最小外接円の径Rと最大内接円の径rの比R/rが1〜1.4であることを特徴とする請求項1に記載の皮革様シート。
  3. 剛軟度が0.1〜1.0mNであることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮革様シート。
  4. 溶融状態のポリマーを3000〜6000m/分の速度で紡糸し、吸引下にあり、かつ移動しているネット上に単繊維繊度が1〜50dtexの複合繊維を捕集する工程に続いて、次の工程A、B、CおよびDを含み、前記Aの後に前記B、CおよびDを行い、かつ前記Bと同時あるいは後に前記Cを行うことを特徴とする皮革様シートの製造方法。
    A 前記複合繊維をニードルパンチ処理して不織布とする工程
    B 極細繊維発現処理により、前記複合繊維を単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維にする工程
    C 前記不織布を高速流体処理する工程
    D 前記不織布を織編物と積層一体化させる工程
  5. 前記C、Dを同時に行なうことを特徴とする請求項4に記載の皮革様シートの製造方法。
  6. 溶融状態のポリマーを3000〜6000m/分の速度で紡糸し、吸引下にあり、かつ移動しているネット上に単繊維繊度が1〜50dtexの複合繊維を捕集し、ニードルパンチ処理して得た不織布を、次いで極細繊維発現処理により、単繊維繊度が0.0001〜0.5dtexの極細繊維からなる極細繊維不織布とし、さらに高速流体処理によって織編物と積層一体化することを特徴とする皮革様シートの製造方法。
  7. 前記極細繊維の横断面における最小外接円の径Rと最大内接円の径rの比R/rが1〜1.4であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の皮革様シートの製造方法。
  8. 前記極細繊維発現処理が、アルカリによる処理であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の皮革様シートの製造方法。
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