JP2008114956A - リフティングマグネット - Google Patents

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Abstract

【課題】磁束の漏れを低減して吸着効率を高めることができるリフティングマグネットを提供する。
【解決手段】リフティングマグネット1は、所定軸線Cに沿って延びる強磁性の内極12と、内極12の周囲に巻回された第1のコイル20と、第1のコイル20の周囲に巻回された第2のコイル21と、第2のコイル21の周囲に設けられた強磁性の外極13と、コイル20,21の他端側に設けられた強磁性のヨーク11と、コイル20及び21の間に設けられた強磁性の間極14とを備える。このように、従来のコイルを2つのコイル20,21に分割し、内極12及び外極13と同様に極として機能する間極14をコイル20及び21の間に設けることによって、磁束の漏れを低減し、吸着効率を高める。
【選択図】図1

Description

本発明は、リフティングマグネット(吊り上げ用電磁石)に関するものである。
リフティングマグネットは、電磁石の磁力によって鋼材等を吊り上げ、運搬するための装置である。特許文献1には、吊上げ電磁石(リフティングマグネット)の例が示されている。図16は、この吊上げ電磁石の構造を示す側面断面図である。図16を参照すると、吊上げ電磁石100は、内部鉄芯102、外部鉄芯104、上側鉄芯106、及び励磁コイル108を備えている。
特開2004−168545号公報
リフティングマグネットとしては、少ない励磁電流でより高い吸着力(磁力)が得られるものが好ましい。しかしながら、図16に示したような従来のリフティングマグネット(吊上げ電磁石)では、重量一定で性能を上げるためマグネット外径を広げ、全体を扁平にした場合、吊対象物を通るはずの磁束の一部が吊対象物を通らず励磁コイルの内部など吊対象物以外の場所に漏れてしまう。このことが、リフティングマグネットの吸着効率を低下させる一因となっていた。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、磁束の漏れを低減して吸着効率を高めることができるリフティングマグネットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による第1のリフティングマグネットは、所定軸線方向に延びる内極、所定軸線周りで内極の周囲に設けられた外極、及び、内極と外極との間に設けられた間極を含む強磁性の本体部と、内極と間極との間に配置され、所定軸線周りに巻回された第1のコイルと、間極と外極との間に配置され、所定軸線周りに巻回された第2のコイルとを備え、所定軸線方向における本体部の高さH1、及び外極において吊対象物と接する端面の外縁の直径D1の比(H1/D1)が1/7以上1/5以下であることを特徴とする。
また、本発明による第2のリフティングマグネットは、所定軸線方向に延びる内極、所定軸線周りで内極の周囲に設けられた外極、及び、内極と外極との間に設けられた間極を含む強磁性の本体部と、内極と間極との間に配置され、所定軸線周りに巻回された第1のコイルと、間極と外極との間に配置され、所定軸線周りに巻回された第2のコイルとを備え、内極の外側面と外極の内側面との距離r1、及び内極の外側面と間極の側面間の中心位置との距離r2の比(r2/r1)が2/5以下であることを特徴とする。
また、本発明による第3のリフティングマグネットは、所定軸線方向に延びる内極、所定軸線周りで内極の周囲に設けられた外極、及び、内極と外極との間に設けられた間極を含む強磁性の本体部と、内極と間極との間に配置され、所定軸線周りに巻回された第1のコイルと、間極と外極との間に配置され、所定軸線周りに巻回された第2のコイルとを備え、所定軸線方向における本体部の高さH1、及び外極において吊対象物と接する端面の外縁の直径D1の比(H1/D1)が1/7以上1/5以下であり、内極の外側面と外極の内側面との距離r1、及び内極の外側面と間極の側面間の中心位置との距離r2の比(r2/r1)が2/5以下であることを特徴とする。
本発明者らは、図16に示したような従来の構成に対して、コイルを第1及び第2のコイルに分割し、内極及び外極と同様に極として機能する間極を第1及び第2のコイルの間に設けることによって、コイルの内部やコイルと吊対象物との隙間への磁束の漏れを低減できることを見出した。すなわち、上記した第1〜第3のリフティングマグネットによれば、磁束の漏れを低減して吊対象物中に磁束を効率よく通すことができるので、従来の構成と比較してリフティングマグネットの吸着効率を高めることができる。
更に、本発明者らは、間極を設けた場合のリフティングマグネットの形状と吸着効率との関係に着目し、様々な検討を行った。その結果、上記第1及び第3のリフティングマグネットのように、所定軸線方向における本体部の高さH1、及び外極において吊対象物と接する端面の外縁の直径D1の比(H1/D1)が1/7以上であれば、長時間の使用による吸着効率の低下が抑えられ、吸着力を好適に維持できることを見出した。また、比(H1/D1)が1/5以下であれば、間極を設けない場合と比較して、このような吸着力維持効果がより効果的に発揮されることを見出した。すなわち、上記第1及び第3のリフティングマグネットによれば、従来の構成と比較して吸着効率を高め、且つ、長時間の使用による吸着効率の低下をも効果的に抑制できる。
また、本発明者らは、上記第2及び第3のリフティングマグネットのように、内極の外側面と外極の内側面との距離r1、及び内極の外側面と間極の側面間の中心位置との距離r2の比(r2/r1)が2/5以下であれば、間極を設けることによる上記効果がより顕著となることを見出した。すなわち、上記第2及び第3のリフティングマグネットによれば、従来の構成と比較して吸着効率をより高めることができる。
また、上記第1〜第3のリフティングマグネットは、距離r1及び距離r2の比(r2/r1)が1/7以上であることを特徴としてもよい。本発明者らは、比(r2/r1)が1/7以上であれば、長時間の使用による吸着効率の低下がより効果的に抑えられることを見出した。すなわち、このリフティングマグネットによれば、吸着効率を高め、且つ、長時間の使用による吸着効率の低下を更に抑制できる。
また、上記第1〜第3のリフティングマグネットは、所定軸線と直交する径方向における間極の幅が1.2mmより大きいことを特徴としてもよい。本発明者らは、間極の幅を1.2mmより大きくすることにより、長時間の使用による吸着効率の低下がより効果的に抑えられることを見出した。すなわち、このリフティングマグネットによれば、吸着効率を高め、且つ、長時間の使用による吸着効率の低下を更に抑制できる。
本発明のリフティングマグネットによれば、磁束の漏れを低減して吸着効率を高めることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるリフティングマグネットの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明によるリフティングマグネットの一実施形態の構成を示す側面断面図である。また、図2は、図1に示したリフティングマグネット1のII−II線に沿った断面を示す断面図である。なお、本実施形態のリフティングマグネット1は所定軸線Cを中心とする円柱状の外観を有しており、図1では軸線Cに対して片側の断面の図示を省略している。
図1及び図2を参照すると、本実施形態のリフティングマグネット1は、ケース2、コイル20及び21、並びに固定材41及び42を備えている。コイル20は、本実施形態における第1のコイルであり、後述する内極12と間極14との間に配置され、軸線C周りに導線が巻回されて成る。また、コイル21は、本実施形態における第2のコイルであり、後述する間極14と外極13との間に配置され、軸線C周りに導線が巻回されて成る。
ここで、図3は、コイル20,21の部分断面(図中のA1及びA2)の構造を詳細に示す拡大図である。コイル20,21は、導線22及び絶縁被覆膜23を有している。導線22は、複数の層にわたって軸線C周りに巻回されている。導線22は、例えばアルミニウムといった導電性の材料からなる。また、絶縁被覆膜23は、例えば絶縁紙などによって構成されており、導線22を覆っている。なお、コイル20の導線22とコイル21の導線22とは互いに繋がっていてもよく、或いは互いに独立していてもよい。
再び図1及び図2を参照する。ケース2は、コイル20及び21を収容するための部材である。ケース2は、コイル20及び21の一端側に配置された底板としての非磁性部材15と、強磁性部材からなる本体部10とを含んで構成される。更に、本体部10は、コイル20及び21の他端側に配置された天板としてのヨーク11と、コイル20の内側に配置された内極12と、コイル21の外側に配置された外極13と、コイル20及び21の間に設けられた間極14とを含んで構成されている。ヨーク11、内極12、外極13、及び間極14は、それぞれ鉄等の強磁性体からなる。
内極12は、コイル20の内側面20bに沿ってコイル20の巻回軸方向(すなわち中心軸線Cに平行な方向)に延びる円柱状の部材であり、コイル20とともに第1の電磁石を構成する。すなわち、コイル20に励磁電流が流れると、内極12の内部に磁界が形成され、内極12の一端側の端部12aが第1の電磁石の一方の極となる。なお、端部12aは本体部10に対して取り外し可能に構成されており、損耗に応じて交換される。
間極14は、コイル20の外側面20c及びコイル21の内側面21bに沿って中心軸線Cに平行な方向に延びる筒状の部材であり、コイル21とともに第2の電磁石を構成する。すなわち、コイル21に励磁電流が流れると、間極14の内部に磁界が形成され、間極14の一端側の端部14aが第2の電磁石の一方の極となる。本実施形態の間極14は、図2に示すように、コイル20及び21の全周に亘って連続する環状に設けられている。
外極13は、コイル21の外側面21cに沿って中心軸線Cに平行な方向に延びる筒状の部材である。コイル20及び21に励磁電流が流れると、外極13の内部に磁界が形成され、外極13の一端側の端部13aが第1及び第2の電磁石の他方の極となる。端部13aは、内極12の端部12aと同様に本体部10に対して取り外し可能に構成されており、損耗に応じて交換される。端部12a及び13aの下端(すなわち内極12及び外極13の一端)は同一平面内に位置しており、例えば吊対象物の吸着面が平面である場合、端部12a及び13aが吊対象物の被吸着面に当接する。
ヨーク11は、コイル20の他端側の端面20d、及びコイル21の他端側の端面21dに沿って設けられた円板状の部材である。内極12の他端はヨーク11の中央部に固定されており、外極13の他端はヨーク11の外周部付近に固定されており、間極14の他端はヨーク11の中央部と外周部との間の中間部に固定されている。なお、これらの各極12〜14とヨーク11との固定方法としては、溶接やボルト締め等が好適である。また、各極12〜14とヨーク11とは鋳造等で一体形成されても良い。コイル20,21に励磁電流が流れると、磁束はヨーク11の内部を通る。これにより、内極12、外極13、及び間極14に磁場を効率よく発生させることができる。
非磁性部材15は、コイル20の一端側の端面20a、及びコイル21の一端側の端面21aに沿って設けられた円板状の部材である。非磁性部材15は、各磁極12〜14における磁場を乱さないように、例えば高マンガン系オーステナイト鋼やNi−Cr系オーステナイトステンレス鋼といった非磁性体によって構成されている。また、非磁性部材15は、内極12が貫通するための開口15aを中央部に有しており、内極12の一端が非磁性部材15から下方に露出している。非磁性部材15の外周部(縁部15b)は、外極13に固定されている。
固定材41及び42は、コイル20及び21とケース2との隙間をそれぞれ埋めて固まることにより、ケース2内においてコイル20及び21を固定するための部材である。固定材41及び42は、例えばエポキシ樹脂などの絶縁材料からなる。
以上の構成を備えるリフティングマグネット1による作用効果について、以下に説明する。
一般的に、吊対象物に及ぼされる磁力Fは次の数式(1)で表される。
Figure 2008114956

但し、数式(1)において、Mは強磁性体(吊対象物)の磁化[A/m]、Vは吊対象物の体積[m]、Bは吊対象物中の磁束密度[T]、zは内極及び外極の一端面(吸引面)を原点とする励磁コイルの巻回軸方向座標、μは真空透磁率[H/m]、Hは空間に分布する磁界強さ[A/m]である。
吊対象物がリフティングマグネットに吊り上げられる条件は、数式(1)の磁力Fが吊対象物にかかる重力Fを上回ることである。従って、吊上げ条件は以下の数式(2)で表される。
Figure 2008114956

但し、ρは吊対象物の密度[g/m]、gは重力加速度[m/s]である。
ここで、図4は、従来の構成を備えるリフティングマグネット(図16参照)における磁束密度の分布例を示す図である。図4を参照すると、理想的には吊対象物Lを通るはずの磁束の一部が、コイル108の内部や、リフティングマグネット100以外のところに漏れていることがわかる。このため、コイル108を流れる励磁電流の大きさに対して吊対象物Lを通る磁束の密度が小さくなってしまい、吸着効率が抑制される一因となる。また、吊対象物中の磁束密度がz軸方向(すなわち中心軸線方向)へ主に広がってしまい、径方向への広がりが不十分である。従って、数式(2)を満足する大きさの磁束が径方向へ十分に広がらないので、数式(2)を満足する領域が小さく、無駄が生じてしまう。
これに対し、図5は、本実施形態のリフティングマグネット1における磁束密度の分布を示す図である。図5に示されるように、本実施形態では、間極14を設けることによって磁束の流れが制御され、コイル20,21の内部や、リフティングマグネット1と吊対象物Lとの隙間に漏れる磁束が低減される。従って、吊対象物以外に漏れる磁束を低減して吊対象物Lに磁束を効率よく通すことができるので、従来の構成と比較してリフティングマグネット1の吸着効率を高めることができる。
また、本実施形態においては、間極14を設けることによってリフティングマグネット1の径(図1の直径D1)を大きくすることができるので、吊対象物Lへの磁束密度が均一に分布し、また、吊対象物Lに対するリフティングマグネット1の投影面積が増大する。その結果、吊対象物Lに対して磁力が効率よく発生し、吸着効率を高めることができる。
また、上記効果によって、所要の磁力を発生させるために必要な励磁電流を小さくできるので、コイル20,21におけるジュール熱の発熱量を抑制できる。更に、コイル20,21において発生したジュール熱を間極14を介して外部へ放出できる。これらにより、コイル20,21の温度上昇に起因する吸着力の低下を抑え、必要な吸着力を長時間にわたって保持できる。
また、本実施形態のリフティングマグネット1においては、内極12の外側面12bと外極13の内側面13bとの距離r1、及び内極12の外側面12bと間極14の側面14b,14c間の中心位置Eとの距離r2の比(r2/r1)が、2/5以下であることが好ましく、また、1/7以上であることがより好ましい。但し、内極12の外側面12bはコイル20の内側面20bと対向する面であり、外極13の内側面13bはコイル21の外側面21cと対向する面であり、間極14の側面14bはコイル20の外側面20cと対向する面であり、間極14の側面14cはコイル21の内側面21bと対向する面である。
本発明者らは、内極12及び外極13に対する間極14の位置(すなわち、間極14の側面間の中心位置E)とリフティングマグネット1の吸着能力(通電直後での吊量、8時間通電後の吊量、及び8時間通電時における通電直後からの吊量低下量)との関係について、リフティングマグネット1の質量を一定として検証した。図6は、距離r1及びr2を適宜変更して比(r2/r1)を0〜4/5の間で変化させたときの、通電直後の吊量、8時間通電後の吊量、及びその間の吊量低下量を示す図表である。また、図7は、比(r2/r1)と通電直後の吊量との関係を示すグラフであり、図8は、比(r2/r1)と吊量低下量との関係を示すグラフである。なお、図7及び図8における破線は、比較のため間極14を設けない場合の値を示している。
図7に示されるように、比(r2/r1)が2/5以下であれば、吊量が間極14を設けない場合よりも大きくなり、間極14を設けることによる上記効果(吸着効率の増大)が好適に得られることがわかる。また、図8に示されるように、比(r2/r1)が1/7以上であれば、8時間通電後の吊量低下量が間極14を設けない場合よりも小さくなり、長時間の使用による吸着効率の低下が効果的に抑えられることがわかる。これらのことから、比(r2/r1)は1/7以上2/5以下であることが好ましい。
また、本実施形態のリフティングマグネット1においては、所定軸線Cに沿った方向における本体部10の高さH1と、外極13において吊対象物と接する端面(すなわち、端部13aの下端面)の外縁の直径D1との比(H1/D1)が、1/7以上1/5以下であることが好ましい。
本発明者らは、リフティングマグネット1における吊対象物との接触面の直径(すなわち直径D1)とリフティングマグネット1の吸着能力(通電直後での吊量、8時間通電後の吊量、及び8時間通電時における通電直後からの吊量低下量)との関係について、リフティングマグネット1の質量を一定とし、比(r2/r1)を1/3で一定として検証した。図9(a)は、高さH1及び直径D1を適宜変更して比(H1/D1)を1/4〜1/9の間で変化させたときの、通電直後の吊量、8時間通電後の吊量、その間の吊量低下量、吊量変化率、及び低下量率を示す図表である。ここで、吊量変化率とは、(H1/D1)=1/4を基準としたときの通電直後での吊量比率を示す数値であり、低下量率とは、(H1/D1)=1/4を基準としたときの通電直後から8時間通電後の間の吊量低下量の比率を示す数値である。また、図10は、比(H1/D1)と吊量変化率(グラフG1)及び低下量率(グラフG2)との関係を示すグラフである。
図10に示されるように、比(H1/D1)を1/4から1/7まで変更しても吊量変化率及び低下量率はほぼ同じだが、比(H1/D1)を1/7より小さくすると低下量率が急激に上昇する。このことから、高さH1と直径D1との比(H1/D1)が1/7以上であれば、長時間の使用による吸着効率の低下が抑えられ、吸着力を好適に維持できることがわかる。
ここで、図16に示す従来のリフティングマグネットにおいて、質量及び供給電力により定まる励磁電流値を変えずに、リフティングマグネットの本体部の外径を大きくし、且つリフティングマグネットの高さを低くして扁平化した場合を考える。図9(b)は、従来のリフティングマグネットを扁平化した場合(すなわち、本実施形態のリフティングマグネット1と比較して間極14を備えない形状)において、高さH及び直径Dを適宜変更して比(H/D)を1/4〜1/6の間で変化させたときの、通電直後の吊量、8時間通電後の吊量、その間の吊量低下量、吊量変化率、及び低下量率を示す図表である。また、図11は、比(H/D)と吊量変化率(グラフG3)及び低下量率(グラフG4)との関係を示すグラフである。
間極14を設けないでリフティングマグネットを扁平化した場合、図11に示されるように、吊量変化率は増えるが低下量率も増加する。このため、通電直後の吸着能力を向上できても、長時間使用時の吸着能力の低下に拍車がかかることになってしまう。これに対し本実施形態のリフティングマグネット1は、間極14を備えているので、長時間使用時の吸着能力の低下を効果的に抑えることができる。
また、図12は、高さH1と直径D1との比(H1/D1)に応じた、通電直後から8時間通電後への吊量の変化を示すグラフである。図12のグラフG5〜G7は、間極14を備える本実施形態のリフティングマグネット1において、比(H1/D1)が1/4の場合、1/5の場合、及び1/6の場合をそれぞれ示している。また、グラフG8〜G10は、間極14を備えない従来のリフティングマグネットにおいて、比(H/D)が1/4の場合、1/5の場合、及び1/6の場合をそれぞれ示している。なお、ここでも、リフティングマグネットの質量を一定としている。
図12に示されるように、比(H1/D1)を1/4とした場合では、通電直後の吊量及び8時間通電後の吊量は間極14の有無には殆ど影響されないが、比(H1/D1)を1/5以下とした場合では、間極14を備える方が吊量が増加している。このように、比(H1/D1)が1/5以下であれば、間極14を設けない場合と比較して、本実施形態のリフティングマグネット1の吸着力維持効果がより効果的に発揮されることがわかる。
また、本実施形態のリフティングマグネット1においては、リフティングマグネット1の径方向における間極14の幅(図1の幅t、すなわち側面14bと側面14cとの間隔)が1.2mmより大きいことが好ましい。ここで、図13は、間極14の幅tを0mm(すなわち間極14が設けられない状態)から24mmまで変化させたときの、通電直後の吊量、8時間通電後の吊量、及びその間の吊量低下量を示す図表である。また、図14は、間極14の幅tと通電直後の吊量との関係を示すグラフであり、図15は、間極14の幅tと8時間通電後の吊量との関係を示すグラフである。
図14及び図15に示されるように、間極14を設置した場合、通電直後の吊量との関係においては幅tが0より大きければ有効といえるが、8時間通電後の吊量との関係においては幅tが1.2mmを超えていないと有効とはいい難い。このことから、間極14の幅tを1.2mmより大きくすることにより、長時間の使用による吸着効率の低下が好適に抑えられ、吸着力を好適に維持できることがわかる。
本発明によるリフティングマグネットは、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態においては間極の一端がケース内部に収容されているが、間極の一端は内極及び外極の一端と同様にケースの外部に露出していてもよい。
本発明によるリフティングマグネットの一実施形態の構成を示す側面断面図である。 図1に示したリフティングマグネットのII−II線に沿った断面を示す断面図である。 コイルの部分断面の構造を詳細に示す拡大図である。 図16に示す従来の構成を備えるリフティングマグネットにおける磁束密度の分布を示す図である。 実施形態に係るリフティングマグネットにおける磁束密度の分布を示す図である。 距離r1及びr2を適宜変更して比(r2/r1)を0〜4/5の間で変化させたときの、通電直後の吊量、8時間通電後の吊量、及びその間の吊量低下量を示す図表である。 比(r2/r1)と通電直後の吊量との関係を示すグラフである。 比(r2/r1)と吊量低下量との関係を示すグラフである。 (a)高さH1及び直径D1を適宜変更して比(H1/D1)を1/4〜1/9の間で変化させたときの、通電直後の吊量、8時間通電後の吊量、その間の吊量低下量、吊量変化率、及び低下量率を示す図表である。(b)従来のリフティングマグネットを扁平化した場合において、高さH及び直径Dを適宜変更して比(H/D)を1/4〜1/6の間で変化させたときの、通電直後の吊量、8時間通電後の吊量、その間の吊量低下量、吊量変化率、及び低下量率を示す図表である。 図9(a)に基づいて、比(H1/D1)と吊量変化率及び低下量率との関係を示すグラフである。 図9(b)に基づいて、比(H/D)と吊量変化率及び低下量率との関係を示すグラフである。 高さH1と直径D1との比(H1/D1)に応じた、通電直後から8時間通電後への吊量の変化を示すグラフである。 間極の幅を0mmから24mmまで変化させたときの、通電直後の吊量、8時間通電後の吊量、及びその間の吊量低下量を示す図表である。 間極の幅と通電直後の吊量との関係を示すグラフである。 間極の幅と8時間通電後の吊量との関係を示すグラフである。 従来の吊上げ電磁石の構造を示す側面断面図である。
符号の説明
1…リフティングマグネット、2…ケース、10…本体部、11…ヨーク、12…内極、13…外極、14…間極、15…非磁性部材、20,21…コイル、22…導線、23…絶縁被覆膜、41,42…固定材。

Claims (5)

  1. 所定軸線方向に延びる内極、前記所定軸線周りで前記内極の周囲に設けられた外極、及び、前記内極と前記外極との間に設けられた間極を含む強磁性の本体部と、
    前記内極と前記間極との間に配置され、前記所定軸線周りに巻回された第1のコイルと、
    前記間極と前記外極との間に配置され、前記所定軸線周りに巻回された第2のコイルと
    を備え、
    前記所定軸線方向における前記本体部の高さH1、及び前記外極において吊対象物と接する端面の外縁の直径D1の比(H1/D1)が1/7以上1/5以下であることを特徴とする、リフティングマグネット。
  2. 所定軸線方向に延びる内極、前記所定軸線周りで前記内極の周囲に設けられた外極、及び、前記内極と前記外極との間に設けられた間極を含む強磁性の本体部と、
    前記内極と前記間極との間に配置され、前記所定軸線周りに巻回された第1のコイルと、
    前記間極と前記外極との間に配置され、前記所定軸線周りに巻回された第2のコイルと
    を備え、
    前記内極の外側面と前記外極の内側面との距離r1、及び前記内極の外側面と前記間極の側面間の中心位置との距離r2の比(r2/r1)が2/5以下であることを特徴とする、リフティングマグネット。
  3. 所定軸線方向に延びる内極、前記所定軸線周りで前記内極の周囲に設けられた外極、及び、前記内極と前記外極との間に設けられた間極を含む強磁性の本体部と、
    前記内極と前記間極との間に配置され、前記所定軸線周りに巻回された第1のコイルと、
    前記間極と前記外極との間に配置され、前記所定軸線周りに巻回された第2のコイルと
    を備え、
    前記所定軸線方向における前記本体部の高さH1、及び前記外極において吊対象物と接する端面の外縁の直径D1の比(H1/D1)が1/7以上1/5以下であり、
    前記内極の外側面と前記外極の内側面との距離r1、及び前記内極の外側面と前記間極の側面間の中心位置との距離r2の比(r2/r1)が2/5以下であることを特徴とする、リフティングマグネット。
  4. 前記距離r1及び前記距離r2の比(r2/r1)が1/7以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリフティングマグネット。
  5. 前記所定軸線と直交する径方向における前記間極の幅が1.2mmより大きいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリフティングマグネット。
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