JP2008203166A - トルクセンサ及びトルク検出方法 - Google Patents

トルクセンサ及びトルク検出方法 Download PDF

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Masahiro Mita
正裕 三田
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Abstract

【課題】出力の零点変動を発生せず、高感度でトルクの向き及び大きさを非接触で検出することのできるトルクセンサを得る。
【解決手段】このトルクセンサ10は、回転軸90に印加されるトルクを検出する。ここでは同一形状の磁気コアが回転軸の周方向に4個ずつ2箇所にわたって設置される。この磁気コア30は、バックヨーク部31、2本の脚状ヨーク部32からなる。励磁用内周コイル71は、回転軸90の軸方向から見て各バックヨーク部31、41、51の内側を通るように、回転軸90の外周方向に巻回される。励磁用外周コイル72は、回転軸90の外周方向に巻回される。検出用内周コイル81は、励磁用内周コイル71と平行して巻回される。検出用外周コイル82は励磁用外周コイル72と平行して巻回される
【選択図】図1

Description

本発明は、磁歪特性を利用して回転軸の軸トルクを非接触で検出するトルクセンサ及びトルク検出方法に関する。
自動車のパワーステアリング機構やエンジン制御機構、動力伝達機構などでは軸トルクを正確に検出する手段が古くから望まれている。この検出精度を高めることにより、精密制御や効率向上が可能となるため、これまでに様々な手法が提案されてきた。なかでも回転軸の磁歪特性を利用して非接触で軸トルクを検出する手法は、過負荷耐量も大きいことから、トーションバーのねじれ量からトルク検出を行なう従来手法に代わる方式として注目されている。
この方式のトルクセンサとして、各種のものが提案されているが、いずれも、回転軸の軸方向に対して+45°と−45°の方向でのトルクによる透磁率の変動を検出コイルによって検出している。例えば特許文献1には、図37(a)に示す様に、トルクを検出すべき回転軸502に、その軸方向に対して傾斜角を有する磁性膜503を固着させて、回転軸外周のソレノイドコイル504で励磁・検出を行なう手法が記載されている。ところが、この方式は回転軸へ追加工を施す必要があるため、磁性膜503の剥離など信頼性を損なうおそれがある。さらに、軸の専用化や大径化が必須となるため、装着性が悪いという問題もある。
このため、回転軸に全く加工を施さずに同様の機能を有するトルクセンサが提案された。例えば、特許文献2では、図37(b)に示す様に、回転軸502の外周にU字形鉄心(磁気コア)を設ける構造が記載されている。この構成においては、励磁用(505、507)と検出用(506、508)の二つの磁気コアをそれぞれ回転軸502の軸方向に±45°の角度で回転軸に近接して装着する。励磁用磁気コア及び検出用磁気コアにはそれぞれコイルが巻装され、励磁用磁気コアと検出用磁気コアとの間のインダクタンスの変動を検出する。このインダクタンスの変動がトルクによる回転軸の透磁率の変化によってもたらされれば、これによりトルクを検出することができる。従って、回転軸が磁歪特性を有する材料で構成されていれば、これに対する加工は一切行わずに、特許文献1と同様にトルク検出を行なうことができる。
また、特許文献3では、図37(c)に示すように、4本足の磁気コア510を用い、この4本を8の字形状に巻装し、互いに直交するパターンの2種類のコイル(511(511a、511b)、512(512a、512b))を用いて、単一のコアで励磁と検出を行うトルクセンサが記載されている。この方式では、単一の磁気コア510を用いて非接触でトルクを検出することができた。
特開平1−94230号公報 特開平4−31726号公報 特開平7−190866号公報
しかしながら、回転軸に加工を施さない方式のトルクセンサにおいては、インダクタンスを検出するためのコイルに起因して、出力の零点変動が生じた。
例えば、特許文献2、特許文献3に記載のトルクセンサにおいては、磁気コアの足に励磁用コイルと検出用コイルを巻装している。こうした場合にはこれらのコイルは各磁気コアで独立したものとなり、これにより発生する磁場は複数の磁気コア間でばらつきをもつ。一方、トルクセンサの高感度化のためには同時に複数の磁気コアを用いて、各々によって測定されたインダクタンスの変化の平均値を用いることが有効であるが、こうした場合、各磁気コアに関わる磁場にばらつきがあると、回転軸が回転したときに、出力の零点変動が生じ、応力を高感度に測定することが困難となった。
このためには、各磁気コアにおいて発生する磁場にばらつきがないように励磁用コイルや検出用コイルを調整する必要があるが、足に巻回したコイルを完全に同一とすることは困難な作業である。
また、同様に回転軸における材質の不均質によっても磁場のばらつきが発生し、トルク検出の感度を損ねる要因となった。特にこれにより、トルクの向きや大きさの検出を高感度で行うことは困難となった。
従って、出力の零点変動を発生せず、高感度でトルクの向き及び大きさを非接触で検出することのできるトルクセンサを得ることは困難であった。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、回転軸に加わるトルクを非接触で検出する非接触型のトルクセンサであって、前記回転軸にその底面が近接して設置される2本の脚状ヨーク部と、該2本の脚状ヨーク部に接続されたバックヨーク部とを有する磁気コアを前記回転軸の周囲に複数個具備し、前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用内周コイルと、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用外周コイルと、前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用内周コイルと、を具備することを特徴とするトルクセンサに存する。
請求項2記載の発明の要旨は、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用外周コイルを更に具備し、前記検出用内周コイルからの出力電圧と前記検出用外周コイルからの出力電圧との差分よりトルクを検出することを特徴とする請求項1に記載のトルクセンサに存する。
請求項3記載の発明の要旨は、回転軸に加わるトルクを非接触で検出する非接触型のトルクセンサであって、前記回転軸にその底面が近接して設置される2本の脚状ヨーク部と、該2本の脚状ヨーク部に接続されたバックヨーク部とを有する磁気コアを前記回転軸の周囲に複数個具備し、前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用内周コイルと、前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用内周コイルと、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用外周コイルと、を具備することを特徴とするトルクセンサに存する。
請求項4記載の発明の要旨は、前記検出用内周コイルからの出力電圧と前記検出用外周コイルからの出力電圧との差分よりトルクを検出することを特徴とする請求項3に記載のトルクセンサに存する。
請求項5記載の発明の要旨は、前記磁気コアにおけるバックヨーク部に、該バックヨーク部内に磁場を発生させる永久磁石が設けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトルクセンサに存する。
請求項6記載の発明の要旨は、前記磁気コアにおける脚状ヨーク部に、バイアス印加用コイルが巻回されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトルクセンサに存する。
請求項7記載の発明の要旨は、前記磁気コアにおける前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用内周コイルを具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトルクセンサに存する。
請求項8記載の発明の要旨は、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用外周コイルを具備することを特徴とする請求項7に記載のトルクセンサに存する。
請求項9記載の発明の要旨は、前記回転軸に、バイアス印加用コイルが巻回されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のトルクセンサに存する。
請求項10記載の発明の要旨は、前記回転軸に直流バイアス磁場を印加するバイアスヨーク部を更に具備することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のトルクセンサに存する。
請求項11記載の発明の要旨は、前記バイアスヨーク部は、永久磁石と、該永久磁石における両磁極側にそれぞれ接合された2本のヨーク部を具備し、前記2本のヨーク部の底面が前記回転軸に近接されて設置されることを特徴とする請求項10に記載のトルクセンサに存する。
請求項12記載の発明の要旨は、前記バイアスヨーク部は、着磁方向が互いに逆の永久磁石を2個具備し、前記回転軸における2箇所の領域に互いに逆向きの直流バイアス磁場を印加することを特徴とする請求項11に記載のトルクセンサに存する。
請求項13記載の発明の要旨は、前記バイアスヨーク部は、一方の磁極側が前記回転軸に近接して設置された永久磁石と、該永久磁石の他方の磁極側に一端が接合され、他端が2本に分岐した形状のヨーク部とを具備し、前記両他端の底面が前記回転軸に近接されて設置されることを特徴とする請求項11に記載のトルクセンサに存する。
請求項14記載の発明の要旨は、前記バイアスヨーク部は、前記回転軸の周方向において、前記磁気コア間に設置されることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のトルクセンサに存する。
請求項15記載の発明の要旨は、前記バイアスヨーク部に巻回されるバイアス印加用コイルを具備することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のトルクセンサに存する。
請求項16記載の発明の要旨は、前記回転軸の軸方向から見て前記永久磁石の内側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用内周コイルを具備することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載のトルクセンサに存する。
請求項17記載の発明の要旨は、前記回転軸の軸方向から見て前記永久磁石の外側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用外周周コイルを具備することを特徴とする請求項16に記載のトルクセンサに存する。
請求項18記載の発明の要旨は、前記バイアスヨーク部は、径方向と垂直な方向に両磁極を有する環状の永久磁石と、該永久磁石における両磁極側にそれぞれ接合され、各々が前記永久磁石と反対側に円形の底面を具備する2個の円筒形状のヨーク部とから構成され、前記2個のヨーク部における円形の底面の略中心に前記回転軸が貫通する開口部が設けられ、該開口部の内周面が前記回転軸に近接して設置されることを特徴とする請求項10に記載のトルクセンサに存する。
請求項19記載の発明の要旨は、前記バイアスヨーク部は、径方向に両磁極を有し、内周面が前記回転軸に近接されて設置される環状の永久磁石と、円形の2個の底面を具備する円筒形状であり、その内周面が前記永久磁石の外周面と接合されたヨーク部とから構成され、前記2個の底面の略中心に前記回転軸が貫通する開口部が設けられ、該開口部の内周面が前記回転軸に近接して設置されることを特徴とする請求項10に記載のトルクセンサに存する。
請求項20記載の発明の要旨は、前記回転軸の軸方向から見て前記ヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用内周コイルを具備することを特徴とする請求項18または19に記載のトルクセンサに存する。
請求項21記載の発明の要旨は、前記回転軸の軸方向から見て前記ヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用外周コイルを具備することを特徴とする請求項20に記載のトルクセンサに存する。
請求項22記載の発明の要旨は、回転軸に加わるトルクを非接触で検出するトルク検出方法であって、前記回転軸にその底面が近接して設置される2本の脚状ヨーク部と、該2本の脚状ヨーク部に接続されたバックヨーク部を有する磁気コアを前記回転軸の周囲に複数個設け、前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用内周コイルと、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用外周コイルと、前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用内周コイルと、を設け、前記励磁用内周コイルと前記励磁用外周コイルに逆向きの電流を流し、前記検出用内周コイルからの出力電圧よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とするトルク検出方法に存する。
請求項23記載の発明の要旨は、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用外周コイルを更に設け、前記検出用内周コイルからの出力電圧と前記検出用外周コイルからの出力電圧との差分よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とする請求項22に記載のトルク検出方法に存する。
請求項24記載の発明の要旨は、前記複数の磁気コアにおいて、前記2本の脚状ヨークの前記底面の中心を結ぶ線と前記回転軸の中心軸との角度が略+45°となるべく前記磁気コアが設置された第1の検出部からの出力電圧と、前記角度が略−45°となるべく前記磁気コアが設置された第2の検出部からの出力電圧との差分よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とする請求項23に記載のトルク検出方法に存する。
請求項25記載の発明の要旨は、回転軸に加わるトルクを非接触で検出するトルク検出方法であって、前記回転軸にその底面が近接して設置される2本の脚状ヨーク部と、該2本の脚状ヨーク部に接続されたバックヨーク部を有する磁気コアを前記回転軸の周囲に複数個設け、前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用内周コイルと、前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用内周コイルと、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用外周コイルと、を設け、前記検出用内周コイルからの出力電圧よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とするトルク検出方法に存する。
請求項26記載の発明の要旨は、前記複数の磁気コアにおいて、前記2本の脚状ヨークの前記底面の中心を結ぶ線と前記回転軸の中心軸との角度が略+45°となるべく前記磁気コアが設置された第1の検出部からの出力電圧と、前記角度が略−45°となるべく前記磁気コアが設置された第2の検出部からの出力電圧との差分よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とする請求項25に記載のトルク検出方法に存する。
請求項27記載の発明の要旨は、前記回転軸に直流バイアス磁場を印加することを特徴とする請求項22乃至26に記載のトルク検出方法に存する。
本発明は以上のように構成されているので、出力の零点変動を発生せず、高感度でトルクの向き及び大きさを検出する非接触型のトルクセンサを得ることができる。
このトルクセンサにおいては、励磁用コイルにより磁気コアに磁場が誘起され、磁気コア内に磁束が流れ、磁路の一部が回転軸に含まれる。このため、回転軸に加わったトルクによって回転軸に応力が発生し、その透磁率が変動すると、これによって励磁用コイルと検出用コイルとの間のインダクタンスが変動する。これにより、インダクタンスの変動から応力を検出し、トルクの向きと大きさを算出する。このトルクセンサにおいては、特にこの磁場を誘起する方法とインダクタンスを検出する方法に特徴を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態となるトルクセンサ10の構造を示す正面図が図1であり、側面図が図2である。図1は、回転軸の軸方向に垂直な向きからみた正面図であり、図2は図1における回転軸の軸方向から見た正面図(一部の部品については断面図)である。なお、一部の部品については図1では省略している。この例においては、このトルクセンサ10は、回転軸90に印加されるトルクを検出する。ここでは同一形状の磁気コアが回転軸の周方向に4個ずつ2箇所にわたって設置される。ここで、図中左側の第1測定ユニット(第1の検出部)20が回転軸の軸方法から+45°方向における透磁率変化を測定し、図中右側の第2測定ユニット(第2の検出部)120が−45°方向(第1測定ユニットとは直角の方向)における透磁率変化を測定する。この2方向の透磁率変化を測定することにより、この回転軸に印加されたトルクの向き及び大きさを検出することができる。このため、このトルクセンサ10においては、磁気コアと回転軸の一部を含む磁路が形成され、トルクによる磁歪効果によって生じた回転軸における透磁率の変化を、この磁路におけるインダクタンスの変化として検出する。このため、回転軸90は磁歪材料である、例えばクロムモリブデン鋼で形成される。
ここで用いられる第1測定ユニット20における磁気コア30、40、50、60は同一形状であり、その斜視図を図3に示す。なお、磁気コア60は、回転軸90を挟んで磁気コア40の反対側に位置されるため、図1では記載されていない。この磁気コア30は、バックヨーク部31、2本の脚状ヨーク部32からなる。脚状ヨーク部32の底面(図3中では上側)33は、第1の面33a、第2の面33bとからなる。第1の面33aは平面であり、第2の面33bは第1の面33bから傾斜しており、その傾斜角は図1に示されるように、回転軸90の外周形状(円筒形)に対応している。すなわち、図2に示されるように、第2の面33bは円筒形状の曲面であり、回転軸90の半径と回転軸90との間隔gとの和に等しい曲率半径をもつ。
また、設置された状態で、磁気コア30における2本の脚状ヨーク部32の底面33の中心同士を結ぶ線と、回転軸90の軸方向とのなす角度は45°となる。回転軸90中ではこの底面同士を結ぶ方向に磁場が誘起されるため、この方向での透磁率変化がこの磁気コア30に関連して検出されることになる。磁気コア40、50、60についても同様である。
磁気コア30等は磁性体で構成されるため、この近傍にコイルが設置され、コイルに電流が流されると、磁場が誘起され、その内部に磁束300が発生する。その磁路の形状は、磁気コアの形状とコイルの配置で決まる。
この磁場を誘起するために、この第1測定ユニット20においては、励磁用のコイルとして、励磁用内周コイル71、励磁用外周コイル72が用いられる。励磁用内周コイル71は、回転軸90の軸方向から見て各バックヨーク部31、41、51、61の内側を通るように、回転軸90の外周方向に巻回される。励磁用外周コイル72は、回転軸90の軸方向から見て各バックヨーク部31、41、51、61の外側を通るように、回転軸90の外周方向に巻回される。なお、励磁用内周コイル71と励磁用外周コイル72に流れる電流は互いに逆方向となっている。
同様に、この第1測定ユニット20においては、インダクタンス検出用のコイルとして、検出用内周コイル81、検出用外周コイル82が用いられる。検出用内周コイル81は、回転軸90の軸方向から見て各バックヨーク部31、41、51、61の内側を通るように、励磁用内周コイル71と平行して巻回される。検出用外周コイル82は、回転軸90の軸方向から見て各バックヨーク部31、41、51、61の外側に、励磁用外周コイル72と平行して巻回される。なお、これらのコイルは、例えばボビンに巻回させた形態として、これらのコイルが巻回されたボビンを組み込む形で図1、2の形態を実現してもよい、この場合には、励磁用内周コイル71と検出用内周コイル81とが巻回されたボビンと、励磁用外周コイル72と検出用外周コイル82とが巻回されたボビンの2種類が用いられる。また、励磁用コイルと検出用コイルを分離して4種類のボビンを用い、これらを組み込んでもよい。また、図1、図2においては簡略化のためにこれらの各コイルの巻き数は1回となっているが、実際には多数回巻きの螺旋状とすることが好ましい。検出用内周コイル81、検出用外周コイル82と励磁用内周コイル71、励磁用外周コイル72との間の相互インダクタンスが測定される。換言すれば、検出用内周コイル81、検出用外周コイル82はこれらを鎖交する磁束を検出する。
さらに、図2に示すように、第1測定ユニット20全体は、ハウジング91(図1では省略)内に収容されており、このハウジング91の内周面92が第2の面33b、43b、53b、63bと一致すべく固定されている。このため、磁気コア30等、励磁用内周コイル71等はハウジング91内でモールド材(図示せず)を用いて固定される。
ハウジング91は、各コイル、各磁気コアによって形成される磁気回路に影響を与えることがないように、非磁性材料で形成されることが好ましい。この材料としては、例えば耐熱性樹脂材料や、アルミニウム系合金、銅系合金を用いることができる。
ハウジング91には導出部93が設けられ、この中に外部回路94が設けられる。外部回路94には、励磁用内周コイル71及び励磁用外周コイル72と、検出用内周コイル81及び検出用外周コイル82が接続される。これにより、励磁用内周コイル71及び励磁用外周コイル72に励磁用の電流が供給されると共に、検出用内周コイル81及び検出用外周コイル82からの出力信号が得られる。
また、第1測定ユニット20全体は、ハウジング91の周囲3箇所に設けられた固定用ボルト穴95に固定用ボルト(図示せず)を貫通させ、外部の固定箇所(図示せず)にネジ止めすることによって固定される。
この第1測定ユニット20においては、回転軸90の軸方法と45°の角度における透磁率の変化を検出する。これにより、この方向での応力の方向(引張応力または圧縮応力)とその大きさを算出することが可能である。
一方、第2測定ユニット120も第1測定ユニット20と同様の構造を有する。すなわち、ハウジングの内部に図1における磁気コア30と同様の形状の磁気コア130、140、150、160を有する。これらは、それぞれバックヨーク部131、141、151、161と、2本ずつの脚状ヨーク部132、142、152、162と、底面133、143、153、163から構成される。それぞれの底面は、第1の面133a、143a、153a、163aと、第2の面133b、143b、153b、163bとからなる。また、第1測定ユニット20と同様に、励磁用内周コイル171、励磁用外周コイル172、検出用内周コイル181、検出用外周コイル182を有する。
第2測定ユニット120において用いられる磁気コア130における2本の脚状ヨーク部132の中心同士(底面133の中心同士)を結ぶ線は回転軸の軸方法と45°の角度をなすが、前記の第1測定ユニット20における磁気コア30における角度とは90°異なっている。すなわち、第1測定ユニット20における磁気コア30により回転軸20の軸方法に対して+45°の方向の応力が検出されるのに対し、第2測定ユニット120における磁気コア130により−45°の方向の応力が検出される。磁気コア140、150、160についても同様である。すなわち、この構成の磁気コアを用いることにより、第2測定ユニット120によって−45°の方向の応力が検出される。
このトルクセンサ10において用いられる磁気コア30、40、50、60、130、140、150、160における脚状ヨーク部がいずれも2本ずつであり、かつこの2本ずつを結ぶ線と回転軸90の軸方向とのなす角度は+45°または−45°となっている。ここで用いられる励磁用、検出用のコイルは、いずれも回転軸90の円周方向に巻回された形態となっている。2本の脚状ヨーク部の位置関係が上記の通りとなっているため、全ての磁気コアの箇所でコイルが2本の脚状ヨークの隙間をこの形態で巻回することが特に容易となっている。従って、この形態において、各コイルの巻き数を充分に多くとることができる。これにより、励磁用コイルと検出用コイルとの間のインダクタンスの変動を敏感に検出することができる。
このトルクセンサ10(第1測定ユニット20)においては、上記の形態の励磁用内周コイル71及び励磁用外周コイル72が用いられる。これらによって誘起される磁場は、励磁用内周コイル71によって誘起された磁場と、励磁用外周コイル72によって誘起された磁場との重ね合わせになる。以下に、これらの磁場につき説明する。
図4は、励磁用内周コイル71のみがある場合に、磁気コア30、50に誘起される磁束の形状、方向を示した概略図である。励磁用内周コイル71に図4に示す方向に電流が流れると、これを囲んで、電流の流れる方向に対して右ネジの方向に磁場が誘起され、磁気コア中に磁束が発生する(磁場の状態は複数の磁力線で示される。磁力線の束が磁束に相当するが、図面を見易くするため、主要な磁力腺を矢印で図示する。以下、この磁力線を“磁束”と称することにする。)。すなわち、磁気コア30の外側(図4中上側)では図4中で反時計回りの方向に磁束301が誘起され、磁気コア30の内部にも反時計回りの方向に磁束302が誘起される。磁気コア30と回転軸90とは近接しているため、磁束302による磁路は回転軸90をその一部に含み、回転軸90中にも磁場が誘起される。磁気コア30の底面33の中心同士を結ぶ線と回転軸90の軸方向のなす角度は前記の通り+45°であるため、回転軸90中におけるこの磁束が軸方向となす角度も同様に+45°となる。磁束301による磁路も回転軸90をその一部に含むため、同様に回転軸90中に磁場が誘起される。この磁場は磁気コア30の形状とは無関係であるため、その方向は励磁用内周コイル71と直交する方向、すなわち、回転軸90の軸方向となる。
一方、回転軸の反対側にある磁気コア50の外側(図4中下側)、及びその内部にはそれぞれ時計回りの方向に磁束501、502が誘起される。磁気コア50の底面53の中心同士を結ぶ線と回転軸90の軸方向のなす角度とは共に+45°であるため、磁束502によって回転軸90中に誘起された磁場による磁束が軸方向となす角度も同様に+45°となる。また、磁束501によって回転軸90中に誘起された磁場による磁束の方向は、前記と同様に回転軸90の軸方向と一致する。なお、図4においては、磁気コア40、60は記載されていないが、これらによって誘起される磁場についても同様である。
一方、図5(a)は、励磁用外周コイル72のみがある場合に、磁気コア30、50に誘起される磁束の形状、方向を示した概略図である。励磁用内周コイル72に図5に示す方向に電流が流れると、これを囲んで、電流の流れる方向に対して右ネジの方向に磁場が誘起される。このため、磁気コア30の外部では図4中で時計回りの方向に磁束303が誘起される。磁束303の形状は前記の磁束301と同様であるが、電流の向きが逆であるために、その方向が逆向きである。従って、これによって回転軸90中に誘起される磁場による磁束の方向は回転軸90の軸方向であり、かつ磁束301と逆向きとなる。一方、磁気コア30の内部では透磁率が特に高くなっており、特に磁路を形成しやすいために、その内部での磁束の方向は304a、304b、304c、304d、304eのような形状となる。結局、その、磁気コア30中における磁束の方向は図5(b)における304に示すように、反時計回りの方向となる。
励磁用内周コイル71と励磁用外周コイル72の両方が設けられた場合に得られる磁束は、以上の磁束を重ね合わせたものとなる。この場合、磁気コア30の外側の磁束は図4中の301と図5(b)中の303との和となるが、これらは形状が同様で互いに逆方向であるため、結局、これらによる磁束(或いは磁束に対応する磁場)は打ち消し合い、弱くなる。これにより、磁束301、303に対応する回転軸90中の磁場も弱くなる。
これに対して、磁気コア30中の磁束は、図4中の302と図5(b)中の304との和となるが、これらは同方向であるため、得られる磁場の強さは大きくなる。
このトルクセンサ10においては、回転軸90(クロムモリブデン鋼)の磁歪特性を利用して+45°方向と−45°方向の応力を検出する。例えば、図6に示すように、回転軸90に図中矢印で示す方向にトルク(大きさT)が印加された場合には、+45°の方向には引張応力(σ+)が、−45°の方向には圧縮応力(σ+)が働く。従って、この両方向における透磁率の変化から、この両方向における応力を検出することによって、印加されたトルクの向き及びその大きさを検出することができる。
ここで、この磁歪特性の例を図7(a)に示す。図7(a)は、クロムモリブデン鋼に代表される、正の磁歪係数をもつ材料における印加磁場の強さHと磁束密度Bとの関係の応力依存性を示す。透磁率はB/H、すなわち、このグラフの傾きに対応する。図7(a)中、Aは応力が零の場合の特性、Bは圧縮応力の場合の特性、Cは引張応力の場合の特性である。ここで、圧縮応力の場合には磁束密度または透磁率が減少し、引張応力の場合には、磁束密度または透磁率は増大する。ただし、この場合の透磁率μと応力との関係においては、図7(b)に示すように、その変化率は圧縮側の方が引張側よりも大きいという特徴がある。なお、図7(b)では、圧縮側を負側、引張側を正側と定義している。
ここで、励磁用内周コイル71によって発生した磁束301による磁路におけるトルクの影響と、磁束302による磁路におけるトルクの影響を説明する。
磁束301を含む磁路は、図4に示すように、磁気コア30の外側に大きく形成される。また、この磁路は回転軸90中においては、その軸方向に長く形成され、かつその磁束の方向は、前記の通りその軸方向と一致する。また、磁束302が及ぶ断面積は磁気コア30の底面33で限定されるのに対し、磁束301はこれに限定されないため、磁束301が回転軸90中を流れる場合、磁束が及ぶ断面積は大きい。従って、この磁路において検出される透磁率は、トルクを横軸、透磁率を縦軸とした場合に、図8中のD(破線)のような特性となる。すなわち、この場合には、印加されたトルクによって圧縮応力が発生した部分と引張応力が発生した部分との平均的な特性が現れる。ここで、前記の通り圧縮応力の場合の透磁率の変化率が大きいため、圧縮応力の場合の特性が支配的となる。従って、この場合、トルクの正負側でほぼ同等の減少率をもつ、ほぼ圧縮側の特性をもつ対称な特性となる。
一方、磁束302を含む磁路は、磁気コア30内部と、その底面33間の回転軸90中に形成され、その方向は前記の通り軸方向と+45°の方向となる。この方向では、前記の通り、トルクの向きによってその応力は異なる。この場合には、この透磁率の変化は、前記の磁歪特性(図7(b))を直接反映したものとなり、図8中のE(実線)の特性となる。この特性はトルクの正負で非対称である。
ここで直接観測することができるのは、透磁率ではなく、検出用内周コイル81を鎖交する磁束(あるいはインダクタンス)であり、これは磁束301、302によって回転軸90中に流れる磁束の和となる。ここで、磁束301、302の及ぶ範囲(断面積)が大きいほど、これによる磁束は大きくなり、検出用内周コイル81ではこの影響が大きく検出される。前記の通り、磁束301の及ぶ断面積は磁束302の及ぶ断面積よりも大きい。このため、横軸をトルクとし、縦軸を磁束としたときには、磁束301、磁束302は、各々図8中のD、Eの特性を反映して、磁束301は図9中でFの特性、磁束302は図9中でのGの特性となる。すなわち、磁束301の磁束量は磁束302の磁束量と比べてその絶対値が大きい。実際に検出用内周コイル81で検出される磁束はこれらの和であり、図10に示す特性となる。これはほぼ図9中のFの特性に等しい。この特性は正負でほぼ対称的であるため、トルクの向きを検出することは困難である。
ところが、このトルクセンサ10(第1測定ユニット20)においては、励磁用外周コイル72も設けられている。前記の通り、励磁用外周コイル72によって、同様の形状の磁束303と磁束304が形成されるため、検出用内周コイル81を鎖交する磁束は、磁束301、302、303、304によって回転軸90中に流れる磁束の和となる。ここで、磁束303は前記の磁束301と同様の形状であり、かつ逆向きである。このため、磁束301と磁束303は相殺され、その影響は小さくなる。一方、磁束304は磁気コア30中では前記の磁束302と同一方向であるため、これらは相殺されない。従って、励磁用内周コイル71と励磁用外周コイル72とが用いられ、かつこれらに逆向きに電流が流された場合には、磁気コア30に近接した回転軸90中の磁束とトルクとの関係は、図11の通りの結果となる。この特性は図9中の特性Gの特性とほぼ等しく、正負で非対称な特性である。この磁束は検出用内周コイル81を鎖交するため、これらによってこの磁束の変化がインダクタンスの変化として検出される。これにより、この回転軸90に印加されたトルクの向き及び大きさを検出することが可能となる。
なお、検出用外周コイル82を鎖交する磁束は、図1中で回転軸90中に誘起された磁束と磁気コア30中を通過する磁束との総和になるが、これらは鎖交面においては互いに逆向きとなる。従って、その総和はほぼ零となる。一方、例えば磁束301と303とが完全に打ち消し合わない場合や、図1に示されない他の磁気的な要因、例えばトルクセンサとは無関係な磁束源等があった場合には、これによる磁束が検出用外周コイル82を鎖交するため、実際には鎖交する磁束は零とはならない場合が多い。一方、この場合にはこの磁束は検出用内周コイル81も鎖交するため、トルクを検出するに際してはこの磁束はノイズ成分となる。この場合、検出用内周コイル81からの出力と検出用外周コイル82から出力との差分をとることによって、トルク検出に無関係なこれらのノイズ成分を除去することができる。
以上は磁気コア30に関連して発生する磁場についての説明であるが、磁気コア40、50、60についても同様である。すなわち、これらの磁気コアに近接した回転軸90中には軸方向と+45°の方向に磁束が誘起されることにより、この方向での透磁率の変化が測定され、これによってトルクの向き及び大きさを検出することが可能である。
図12は、このトルクセンサ10に用いられる駆動・検出用回路の一例である。この駆動・検出用回路96においては、第1測定ユニット20における励磁用内周コイル71、励磁用外周コイル72とが直列に接続され、直流電源961、交流バイアス962が接続されて駆動される。また、検出用内周コイル81と検出用外周コイル82とが直列に接続され、その出力VL1が同期検波回路963を経由してオペアンプ964に入力する。なお、この場合の検出用内周コイル81と検出用外周コイル82の向きは、図1に示すように、互いに逆向きとなるべく接続する。ここで、965は+45°方向の測定用磁気コアと回転軸90等を含むインダクタンス成分である。
同期検波回路963、オペアンプ964は外部回路94内に組み込まれる。また、直流電源961、交流バイアス962は外部回路94に組み込んでもよいが、外部からこれらに接続されていてもよい。
同様に、第2測定ユニット120における励磁用内周コイル171、励磁用外周コイル172とが直列に接続され、直流電源961、交流バイアス962が接続され、励磁用内周コイル71及び励磁用外周コイル72と直列に接続される。また、検出用内周コイル81と検出用外周コイル82とが直列に接続され、その出力VR1が同期検波回路963を経由してオペアンプ964に入力し、前記のVL1との差分がVO1として出力される。ここで、966は−45°方向の測定用磁気コアと回転軸90等を含むインダクタンス成分である。
前記の通り、VL1は検出用内周コイル81からの出力と検出用外周コイル82との差分となり、その特性は検出用内周コイル81の出力から、トルク検出に無関係な磁束による出力を差し引いたものにほぼ等しい。その結果、トルクとVL1との関係は、図11の特性に対応して図13中に示す特性となる。この特性からトルクの向き(正負)及び大きさを検出することができる。ただし、トルク変化に対する出力の変化率(このグラフにおける傾き)は負側で大きく、正側で小さい。従って、負側でトルクの絶対値を算出する場合と比べて、正側でトルクの絶対値を算出する場合にはその精度が悪くなる。
一方、VR1は、第1測定ユニット20とは直交した方向(−45°)の応力を反映した特性となる。このため、VR1は図1中に示すようにVL1の正負を逆転した特性となる。
オペアンプ964の出力VO1はVL1とVR1との差分となる。このため、図13に示すように、VO1は負側でも正側でも大きな変化率を有しており、これを用いれば、更にトルクの向きの判別が容易で、かつトルクの絶対値も高精度で得ることができる。
また、図14に示す駆動・検出用回路97を用いても同様の出力を得ることができる。前記の駆動・検出用回路96との違いは、励磁用内周コイル71、171、励磁用外周コイル72、172の接続方法である。この場合は、直流電源961及び交流バイアス962が励磁用内周コイル71、171と励磁用外周コイル81、181とに並列に接続されている。この場合は、直流電源961、交流バイアス962の特性が同一であれば、前記の駆動・検出用回路96におけるVO1と比べて約2倍の値となるVO2を得ることができる。従って、更に高精度にトルクの向き及び絶対値を得ることができる。
以上のトルクセンサ10においては、磁気コア30、40、50、60には共通の励磁用内周コイル71、励磁用外周コイル72によって磁場が誘起され、検出用内周コイル81、検出用外周コイル82によって検出されるインダクタンスは、これらの磁気コアによって得られたものの平均値となる。また、ノイズ成分となる磁束の影響を除去することもできる。従って、回転軸90中の材質に不均一があっても、零点変動を生じることはなく、高感度のトルクセンサが得られる。
このトルクセンサ10を製造するに際しては、各磁気コア、各コイル、外部回路94等を金型内に配置し、耐熱性樹脂材料で一体にモールド成型する。この際、固定用の仕切り板を内側(回転軸90と同じ側)に設け、成型後にこれを除去することにより、特に各磁気コアを精度良く固定することができる。この際には、ハウジング91と同形状のカバーをハウジング91に固定しておくことが好ましい。
なお、単一の測定ユニットで用いる同一形状の磁気コアの数は任意である。また、これを設置する間隔(角度)は上記の例では90°であるが、これも任意であり、等間隔でなくともよい。
また、磁気コア30、40、50、60の脚状ヨーク部32、42、52、62の底面には回転軸90の形状に対応した面33b、43b、53b、63bを設けていたが、これに限られるものではない。回転軸90にその底面を近接させ、回転軸90中に磁場を誘起できる形状であれば、同様にこのトルクセンサを構成することができる。
更に、各脚状ヨーク部の底面の中心を結ぶ線は回転軸90の軸方向に対して+45°、−45°としたが、これに10°程度の誤差があっても同様の効果が得られる。
また、前記の通り、検出用外周コイル82を用いれば、トルク印加に起因するインダクタンスの検出に際してのノイズ成分となる磁束の影響を除去することができる。このノイズ成分が小さい場合には、検出用外周コイル82を用いなくても、検出用内周コイル81だけでトルクの向き及び大きさを高精度に検出することが可能である。
なお、上記の例では回転軸90が正の磁歪係数をもつ場合について説明したが、負の磁歪係数をもつ場合にも、得られる出力の符号が逆転するだけであり、同様にトルクの向き及び大きさを検出することができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態となるトルクセンサ210は、回転軸の周囲方向の磁気コアの数を3個としている。このトルクセンサ210の側面図が図15である。この断面図は回転軸290の軸方向と垂直な方向における+45°方向の応力を測定するユニットのものであり、図2に対応する。この場合、回転軸90の円周方向に120°の間隔で同一形状の3個の磁気コア(230、240、250)が設置される。また、励磁用内周コイル271、励磁用外周コイル272、検出用内周コイル281、検出用外周コイル282が形態1のトルクセンサ10と同様にハウジング91内に設置される。また、外部回路294はハウジング291の外部に設置される。なお、ここでは+45°方向の応力を検出する検出ユニットについてのみ記載されているが、−45°方向についても同様である。
各磁気コアや各コイルの機能、駆動・検出用回路等については第1の形態のトルクセンサ10と同様である。従って、このトルクセンサ210によっても同様にして回転軸290に加わるトルクを小さなばらつきで再現性良く高感度に検出できる。
このトルクセンサ210を製造する際には、モールドは行わず、ハウジング291内に保持部材を設けることによって各磁気コア、各コイルを固定する。このため、ハウジング291内に、磁気コア保持部材296、外周コイル保持部材297、内周コイル保持部材298を設けている。ハウジング291内に予めこれらの保持部材を設け、これらと各磁気コア、各コイルとを接着剤で固定することにより、このトルクセンサ210を製造することができる。保持部材を用いて各磁気コア、各コイルが固定されるため、高い量産性かつ高精度でこのトルクセンサ210を製造することができる。磁気コア保持部材296、外周コイル保持部材297、内周コイル保持部材298は、ハウジング291と同様に非磁性材料で構成されていることが好ましい。また、これらは例えばハウジング291内に接着剤で固定されていてもよいし、ハウジング291と一体成型されていてもよい。
(第3の実施の形態)
第3の形態となるトルクセンサ310を回転軸の軸方向から見た正面図が図16である。この図は第1の形態のトルクセンサ10における図1に対応する。ここで、第1測定ユニット320についてのみ記載しており、第2測定ユニットは透磁率検出の向きが90°異なる(−45°方向)以外は第1測定ユニットと同様であり、ハウジング等については第1の形態と同様であるため、省略する。この例においては、このトルクセンサ310は、回転軸390に印加されるトルクを検出する。磁気コア330、340(図示省略)、350、360(図示省略)の構造及び配置については、第1の形態における磁気コア30、40、50、60と同様である。回転軸390についても同様である。
このトルクセンサ310(第1測定ユニット320)においては、磁場を誘起するために、励磁用のコイルとして、励磁用内周コイル371のみが用いられており、励磁用外周コイルは用いられない。励磁用内周コイル371の構成は第1の形態となるトルクセンサ10における励磁用内周コイル71と同様である。
一方、この第1測定ユニット320においては、インダクタンス検出用のコイルとして、検出用内周コイル381、検出用外周コイル382が用いられる。検出用内周コイル381、検出用外周コイル382の構成は第1の形態となるトルクセンサ10における検出用内周コイル81、検出用外周コイル82と同様である。すなわち、検出用内周コイル381、検出用外周コイル382により励磁用内周コイル371との間の相互インダクタンスが測定される。換言すれば、検出用内周コイル381、検出用外周コイル382はこれらを鎖交する磁束を検出する。
励磁用として用いられるのは、励磁用内周コイル371だけであるため、これによって磁気コア330に関連して誘起される磁束は図16中の3301(磁気コア330の外側)、3302(磁気コア中)である。ここで、第1の実施の形態に係るトルクセンサ10の場合と同様に、トルク検出に有効な磁束は3302である。
ここで、検出用内周コイル381を鎖交する磁束は、図16中の3301と3302の両者である。これは検出用外周コイル382についても同様であるが、磁束3302については、回転軸390内(磁気コア330の下側)と磁気コア330中の2箇所で検出用外周コイル382を鎖交する。これらの2箇所における磁束の向きは逆向きであるため、相殺され、検出用外周コイル382にこれらの影響は表れない。すなわち、検出用外周コイル382を鎖交する磁束は実質的には3301だけとなる。
従って、検出用内周コイル381の出力電圧V381は磁束3301による出力電圧VB3301と磁束3302による出力電圧VB3302との和となり、検出用外周コイル382の出力電圧V382は磁束3301による出力電圧VB3301と等しくなる。従って、これらの差分を検出すると、V381−V382=(VB3301+VB3302)−(VB3301)=VB3302となる。すなわち、差分をとることにより、第1の実施の形態に係るトルクセンサ10の場合と同様に、トルク検出に有効な磁束3302のみを取り出すことができる。すなわち、これにより得られる出力は、図11と同様の特性となる。従って、図12、図14に示す励磁・検出用回路(励磁用外周コイルを除く)を用いて同様にトルクの向き及び大きさを検出することが可能となる。また、ノイズ成分となる磁束がV381とV382との差分を取る際に除去される点についても第1の実施の形態に係るトルクセンサ10の場合と同様である。従って、励磁用内周コイル371、検出用内周コイル381、及び検出用外周コイル382を用いてトルクを検出することができる。
比較のために、励磁用内周コイル371を設けず、励磁用外周コイル372と、検出用内周コイル381、検出用外周コイル382を設けた構造について図17に示す。この場合、磁気コア330に関連して誘起される磁束は図17中の3301a、3302a(磁気コア330の外側)、3302b(磁気コア中)である。磁束3301aは図16(トルクセンサ310)の場合の磁束3301と同様であるが、磁束3302a、3302bは磁束3302と大きく異なる。すなわち、磁束3302aは磁気コア330の下側の回転軸390中で、磁気コア330の左側の底面333から発し、左側から磁気コア330の上側を通り、右側の底面333に至っている。
このため、検出用内周コイル381を鎖交する磁束は3301aだけとなる。一方、検出用外周コイル382を鎖交する磁束は3301aと3302bとなる。このため、V381=VB3301a、V382=VB3301a+VB3302bとなる。V381−V382=−VB3302bとなる。ここでV3301aは磁束3301aによる出力電圧、V3302bは磁束3302bによる出力電圧である。この場合にも磁気コア330を貫通する磁束である3302bに関する出力のみが取り出される。しかしながら、図17における磁束3302bの形状から明らかなように、この磁束は底面333から発してから直ちに上方に向かっている。このため、実質的には回転軸390はこの磁路に含まれない。従って、この磁束3302bを検出しても、回転軸390における透磁率変化の影響は現れない。従って、励磁用として、励磁用内周コイルを用いずに、励磁用外周コイルのみを用いる場合にはトルクの検出は困難である。
また、同様に比較のために、励磁用外周コイル及び検出用外周コイルを設けない構造について図18に示す。この場合、磁気コア330に関連して誘起される磁束は図18中の3301c(磁気コア330の外側)、3302c(磁気コア中)である。磁束3301cは図16(トルクセンサ310)の場合の磁束3301と同様であり、磁束3302cも磁束3302と同様である。すなわち、これらはどちらも図18中では反時計回りの形状となっている。
このため、唯一存在する検出用コイルである検出用内周コイル381を鎖交する磁束は3301cと3302cの和となる。すなわち、V381=VB3301c+VB3302cとなる。この場合には磁気コア330を貫通する磁束である3302cに関する出力が含まれるが、トルク検出に不要である磁束3301cによる成分が除去できていない。従って、励磁用内周コイルと検出用内周コイルとの組み合わせだけではトルクの検出は困難である。
第1の実施の形態に係るトルクセンサ10の場合と異なり、図16のトルクセンサ310においては、トルク検出に不要な磁束3301を実際に相殺させているのではなく、V381とV382との差分をとることにより、磁束3301の影響を除去している。従って、トルクの検出精度は第1の実施の形態に係るトルクセンサ10よりも劣るが、励磁用外周コイルを用いないために、より単純な構成とすることができる。
しかしながら、この場合も複数の磁気コアと、これらの全てを介して巻回された励磁用コイル、検出用コイルが用いられている。従って、検出されるインダクタンスは、これらの磁気コアによって得られたものの平均値となる。従って、回転軸390中の材質に不均一があっても、零点変動を生じることはなく、高感度のトルクセンサが得られる。
以下に示す実施の形態となるトルクセンサにおいては、回転軸に直流バイアス磁場を印加することによりトルク検出の更なる高感度化を達成している。その原理は、例えば特開平1−187424に記載の技術と同様である。すなわち、ここで検出するのは検出用コイルにより検出される磁束の変動であるが、磁束量の絶対値が小さな場合よりもその絶対値が大きな場合の方がこの変動率は大きくなる。従って、より敏感にこの透磁率の変動を検出する。なお、励磁・検出用の磁気コアを回転軸の円周方向に配列すると共に、複数のバイアスヨークを回転軸の円周方向に配列する構成とすることにより、零点変動を抑制している点は従来の直流バイアス磁場印加方法にはない優れた点である。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態となるトルクセンサ410を回転軸90の軸方向に垂直な向きから見た正面図が図19である。この図は第1の形態における図1に対応する。ここで、第1測定ユニット20についてのみ記載している。また、ハウジングや外部回路等については第1の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。このトルクセンサ410においては、第1の実施の形態のトルクセンサ10に、複数のバイアスヨーク部420、430、440、450を設けた形態となっている。従って、以下の説明では第1の実施の形態に係るトルクセンサ10と重複する部分については同様の名称及び符号を用いる。なお、バイアスヨーク部450は回転軸90を挟んでバイアスヨーク部430の反対側にあるため、図示していない。
ここで設けられたバイアスヨーク部420、430、440、450は、磁気コア30、40、50、60においてトルク検出に用いられる磁束に対して、直流のバイアス磁場を印加するために用いられる。従って、より敏感に透磁率の変動を検出することが可能となる。このために、バイアスヨーク部420、430、440、450によって回転軸90中にバイアス磁場を加えている。バイアスヨーク部420、430、440、450は同一の構成となっているため、以下ではバイアスヨーク部420についてのみ説明する。
バイアスヨーク部420は、L型形状のヨーク部421、422の間に永久磁石423が挟まれた形状となっており、図19に示すように磁気コア30を跨ぐ形態で、底面424、425が回転軸90に近接して設置される。すなわち、このバイアスヨーク部420は、永久磁石423と、その両磁極側にそれぞれ接合された2本のヨーク部421、422を備える。永久磁石423は回転軸の軸方向に磁場を生ずるように着磁されている。これにより、バイアス磁場による磁束426、427が形成され、磁気コア30に近接した回転軸90中に磁場が印加される。これにより、例えば磁気コア30直下の回転軸90中においては、磁束302に直流バイアス磁場による磁束が印加されるため、+45°方向の応力(トルク)検出を高感度に行うことができる。磁気コア40、50、60とバイアスヨーク部430、440、450との関係も同様である。図19では回転軸90においてこのバイアス磁場による磁束は回転軸90の軸方向を左から右へ向く方向となっているが、バイアスヨーク部420をこの軸方向から傾斜した方向、例えば磁気コア30における底面33の中心同士を結ぶ線と平行となる+45°としてもよい。
ヨーク部421、422の底面424、425は、磁気コア30の脚状ヨーク部32の底面33と同様に、回転軸90に近接して設置される。このため、磁気コア30の脚状ヨーク部32の底面33と同様に、この底面424、425を回転軸90の表面の形状に対応した形状としてもよい。ただし、磁気コア30における磁束302のバイアスヨーク部420による漏洩を抑制するためには、この底面424、425と回転軸90との間隔は、磁気コア30の脚状ヨーク部32の底面33と回転軸90との間隔gよりも大きくすることが好ましい。このため、この底面424、425は平面形状としてもよい。
また、磁気コア30に永久磁石423による磁場の影響が直接加わると、トルク検出(インダクタンス測定)に影響を与えるため、磁気コア30と永久磁石423との間隔は大きくすることが好ましい。このためには、バイアスヨーク部420の高さ(回転軸90の径方向における高さ)を、この影響が加わらない程度に大きくすることが好ましい。
第2測定ユニット120に対しても同様にバイアスヨーク部が設けられる。これにより、−45°方向の応力を高感度に検出することができる。
このトルクセンサ410において用いられる励磁用、検出用のコイルはいずれも回転軸90の円周方向に巻回された形態となっている。このため、第1の実施の形態で説明したように、これらのコイルを例えばボビンに巻回した形態として図19の形態に組み込むことが可能である。これにより、特にバイアスヨーク部420等の設置が容易となる。
バイアスヨーク部420におけるヨーク部421、422は、例えばS45Cで形成される。永久磁石423としては例えばNdFeB焼結磁石が用いられる。これらを結合してバイアスヨーク部420とするためには、例えば接着剤を介して接合する。
なお、各バイアスヨーク部は各磁気コアと同様にしてハウジング内に固定することができる。すなわち、モールド材を用いて固定してもよいし、保持部材を用いても固定してもよい。なお、結合する面に接着剤を介さず、ハウジングやモールド材で周囲を支える方が、磁束の漏れが抑制されるのでより好ましい。
このバイアスヨーク部420、430、440、450を用いれば、各磁気コア30、40、50、60に近接した回転軸90中に誘起される磁束に直流バイアス磁場による磁束が印加されるため、特に高感度のトルクセンサを得ることができる。
なお、上記の例におけるバイアスヨーク部は1個の永久磁石を具備していたが、更にヨーク部に他の永久磁石を設けることにより、複数個の永久磁石を具備した形態としてもよい。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態となるトルクセンサ510の斜視図が図20、回転軸90の軸方向における断面図が図21である。ここで、第1測定ユニットについてのみ記載している。また、ハウジングや外部回路等については第1の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。このトルクセンサ510においては、第4の実施の形態のトルクセンサ410におけるバイアスヨーク部420、430、440、450の代わりに円筒形のバイアスヨーク部520が単独で用いられている。なお、第1の実施の形態となるトルクセンサ10の第1検出ユニット20がこのバイアスヨーク部520の内部に設置されているが、記載を省略している。
このバイアスヨーク部520は、ヨーク部521、522、リング磁石(環状の永久磁石)523で構成されている。リング磁石523は回転軸90の軸方向、すなわちその径方向と垂直な方向に着磁されている。2個の円筒形状のヨーク部521、522がリング磁石523における両磁極側にそれぞれ接合される。ヨーク部521、522の各々はリング磁石523と反対側に円形の底面を有する。この円形の底面の略中心には回転軸90が貫通する開口部が設けられている。これにより、バイアス磁場による磁束524が第4の実施の形態のトルクセンサ410と同様に形成される。ただし、第4の実施の形態のトルクセンサ410とは異なり、バイアス磁場による磁束524は回転軸90の周囲方向のヨーク部521、522の全体にわたり一様に形成される。また、図20中左側のヨーク部521における開口部の内周面527が回転軸90と近接している。同様に、ヨーク部522における開口部の内周面528が回転軸90に近接する。
このバイアスヨーク部520を設置するに際しては、2つの内周面527、528を回転軸90に対して所定の間隔(h)とする。
図21におけるバイアスヨーク部520の断面形状は、第4の実施の形態におけるバイアスヨーク部420等と同様である。従って、バイアスヨーク部520によって、第4の実施の形態におけるバイアスヨーク部420等と同様の効果がもたらされる。
このため、この構造のバイアスヨーク部520を用いても、トルク検出に有効なバイアス磁場を回転軸90に印加することができる。従って、高感度のトルクセンサを得ることができる。
特にこの構造のバイアスヨーク部520を用いた場合には、回転軸90の軸方向に対して対称な構造をもつため、回転軸90の周方向で均一なバイアス磁場を印加することができる。
この構造のトルクセンサ510においては、励磁用内周コイル71、励磁用外周コイル72、検出用内周コイル81、検出用外周コイル82は回転軸90の円周方向にわたり一様に形成されている。このため、円周方向にわたり一様に形成された形状となっているバイアスヨーク部520をこの上に装着する形態とすることは特に好ましい。
ヨーク部521、522は磁気コア30等と同様の軟磁性体材料で形成することが好ましい。これを図20に示す円筒形の形状とするには、例えば、円柱形の焼結体を得てから、これをくり抜き加工する。あるいは、円筒状の焼結体と中央に開口部を設けた円盤状の焼結体を接着、溶接、あるいはフレーム支持によって接合してもよい。また、軟磁性体粉を図20に示す形状とした成型体を作成し、これを焼成してこの形状の焼結体としてもよい。軟磁性体粉と接着剤粉とを混合した成型体としてもよい。
リング磁石523は、例えばNdFeB磁石、SmFeN磁石、フェライト磁石で形成される。その回転軸90の軸方向に垂直な断面図を図22(a)に示す。このリング部の幅P、軸方向の厚さは任意であり、これらによってバイアス磁場の強さを調整することが可能である。リング磁石523とヨーク部521、522との接合は接着剤を介して行うことができる。
また、リング磁石523の代わりに、例えば矩形の磁石を複数個配列させることも可能である。この例が図22(b)である。ここでは、同一の形状の磁石ブロック529が円周上に配列されており、リング磁石523と同様の効果を奏する。この場合、円筒形の構造を作成する必要がないために、バイアスヨーク部520の製造が容易となる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態となるトルクセンサ610の回転軸90の軸方向における断面図が図23である。ここでは、図1における第1測定ユニット20と第2測定ユニット120とが同一のバイアスヨーク部620の内部に設置されている。バイアスヨーク部620の構造は第5の実施の形態におけるバイアスヨーク部520と同様であり、ヨーク部621、622、リング磁石623で構成されている。
ここで、前記の通り、第1測定ユニット20においては+45°方向の磁束が回転軸90中に誘起されてこの方向のインダクタンスが測定され、第2測定ユニット120においては、−45°方向の磁束が回転軸90中に誘起されてこの方向のインダクタンスが測定される。
これに対して、バイアスヨーク部620中でリング磁石623に誘起された磁束624によって回転軸90中には、第1測定ユニット20と第2測定ユニット120において同一の方向(図23中では右向き)のバイアス磁場が印加される。この場合でも、第1測定ユニット20中では+45°方向に、第2測定ユニット120中では−45°方向には同一の強度のバイアス磁場が印加される。これにより、どちらの測定ユニットにおいても応力(トルク)が高感度に検出される。
なお、第1測定ユニット20と第2測定ユニット120とは共通のバイアス磁場中に置かれるが、この場合においても、第1測定ユニット20における磁束と第2測定ユニット120における磁束は分離されていることに変わりはない。従って、+45°方向の応力と−45°方向の応力とを独立して高精度に測定することができる。
また、このトルクセンサ610においては、第1測定ユニット20と第2測定ユニット120が共通のバイアスヨーク部620中に設置されるため、小型のトルクセンサとなる。
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態となるトルクセンサ710の回転軸790の軸方向における断面図が図24である。このトルクセンサ710においても、第6の実施の形態と同様の構造のバイアスヨーク部620が同様に用いられている。第6の実施の形態のトルクセンサ610と異なるのは、まず、前記のいずれの実施の形態とも異なる形状の磁気コア730、750が用いられていることである。磁気コア730と750とは同一の形状であるため、以下では730について説明する。
図25は、磁気コア730の形態を示す図であり、同図(a)は斜視図、(b)は底面図(図24において回転軸790の側から磁気コア730を見た図)、(c)は側面図(図24において回転軸790の軸方向の右側から見た図)である。ただし、(a)(c)においては、便宜上図24とは上下が逆になっている。この磁気コア730は、バックヨーク部731、2本の脚状ヨーク部732、1本の中央脚状ヨーク部733から構成されている。脚状ヨーク部732の底面734は、第1の面734a、第2の面734bで構成されている。図25(a)(c)に示されるように、第1の面734aは平面であり、第2の面734bは、回転軸790の形状(円筒形状の一部)に対応している。同様に、中央脚状ヨーク部733の底面735は、第1の面735a、第2の面735bで構成されている。同様に第1の面735aは平面であり、第2の面735bは、回転軸790の形状に対応している。この磁気コア730においては、特に第2の面734bと735bとが回転軸790に近接して設置される。
この磁気コア730においては、一方の脚状ヨーク部732の底面733の中心と中央脚状ヨーク部734とを結ぶ線と、回転軸790の軸方向とのなす角度は+45°であり、他方の脚状ヨーク部732の底面733の中心と中央脚状ヨーク部734とを結ぶ線と、回転軸790の軸方向とのなす角度は−45°となる。すなわち、この磁気コア730は、2本の脚状ヨーク部の底面の中心同士を結ぶ線と回転軸90の軸方向とのなす角度が略+45°となる磁気コアにおける一方の脚状ヨーク部と、この角度が略−45°となる磁気コアにおける一方の脚状ヨーク部とが接合された形態となっている。
また、図25(b)に示されるとおり、中央脚状ヨーク部733の同図中における水平方向の幅は、脚状ヨーク部732の略2倍となっている。すなわち、この磁気コア730は、第1の実施の形態における磁気コア30と130とを接続した形態となっている。すなわち、この磁気コア730を用いて+45°と−45°方向の応力を検出することができる。
このため、このトルクセンサ710においては、図24中における中央脚状ヨーク部733の左側に励磁用内周コイル741、励磁用外周コイル742、検出用内周コイル743、検出用外周コイル744が第1の実施の形態のトルクセンサ10と同様に巻回される。一方、図24中における中央脚状ヨーク部733の右側に励磁用内周コイル745、励磁用外周コイル746、検出用内周コイル747、検出用外周コイル748が同様に巻回される。前記の通り、励磁用内周コイル741、745と励磁用外周コイル742、746とは電流を流す方向は逆である。検出用内周コイル743、747と検出用外周コイル744、748についても同様である。ただし、第1の実施の形態、及び前記の第6の実施の形態と異なるのは、左側(+45°用)の励磁用内周コイル741と右側(−45°用)の励磁用内周コイル745に電流を流す方向を逆向きとする。従って、励磁用外周コイル742と746についても同様である。
これにより、この磁気コア730中に誘起される磁束は図24中の749a、749bの形状となる。すなわち、これらは図24中で逆向きとなるため、中央脚状ヨーク部733においてはこれらの磁束は共に同図中では下から上側に向かう。このため、+45°方向の応力検出用の磁束749aと−45°方向の応力検出用の磁束749bとで、中央脚状ヨーク部733を共通の磁路とすることができる。ただし、この場合に、脚状ヨーク部732を通過する磁束は749aと749bのいずれかであるのに対して、中央脚状ヨーク部733を通過する磁束は磁束749aと749bの和となる。このため、磁気回路が飽和して磁束が漏洩するおそれがある。このため、中央脚状ヨーク部733の幅を脚状ヨーク部732の略2倍とすることによりこれを抑制している。+45°方向測定用には磁束749a、−45°°測定用には磁束749bによって各々回転軸790中に応力検出用の磁束が誘起され、その各々にバイアスヨーク部720中の磁束724によるバイアス磁場が回転軸に印加される。
磁気コア750は磁気コア730と同様の形状である。また、図24では磁気コアは730と750の2個が設けられているが、その数を任意とすることができることは第1の実施の形態と同様である。
以上の構造に加え、バイアスヨーク部620が用いられることにより、このトルクセンサは高感度でトルクを検出することができる。バイアスヨーク部620の構造は第5の実施の形態におけるバイアスヨーク部と同様であり、ヨーク部621、622、リング磁石623で構成されている。これにより、磁束624が誘起され、前記の通り、回転軸790中にバイアス磁場を発生させる。
このトルクセンサ710においては、磁気コア730において、+45°用と−45°用となる機能を単体で実現している。更に、バイアスヨーク部720も+45°用と−45°用で共用としているため、特に小型のトルクセンサを実現できる。
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態となるトルクセンサ810の回転軸890の軸方向における断面図が図26である。このトルクセンサ810においても、バイアス磁場を発生させるが、バイアスヨーク部は用いず、磁気コア自体でバイアス磁場を発生させる。なお、図26においては、+45°方向の応力を測定するユニットについてのみ記載しているが、−45°方向についても同様である。
このトルクセンサ810においては、磁気コア820、830、840、850が第1の実施の形態と同様に設置される。ただし、磁気コア850は回転軸890を挟んで磁気コア830の反対側にあるため、図示していない。また、励磁用内周コイル861、励磁用外周コイル862、検出用内周コイル863、検出用外周コイル864については、第1の実施の形態と同様である。
ここで用いられる磁気コア820は、永久磁石を内蔵しており、これによってバイアス磁場を発生する。磁気コア830、840、850は820と同一の形状・構造であるため、以下では磁気コア820について説明する。
磁気コア820は、バックヨーク部821a、821bと2本の脚状ヨーク部822、永久磁石823で構成される。2本の脚状ヨーク部については第1の実施の形態における磁気コア30の脚状ヨーク部32と同様であるため、説明は省略する。
永久磁石823はバックヨーク部821aと821bの間に挟まれた構成となる。永久磁石823は、バックヨーク部の面内において、図26に図示されるNS方向に着磁されており、バックヨーク部821a、821b内に磁場を発生させる。これによって磁気コア820内に誘起される磁束824に更に直流磁場が印加される。第4〜7の実施の形態のトルクセンサにおいては、いずれも磁気コア内の磁束には大きな影響を与えずに、バイアス磁場が回転軸内で印加されていた。これに対して、このトルクセンサ810においては、各磁気コア内において誘起される磁束に直流磁場を印加することにより、回転軸890中にバイアス磁場を印加している。
この磁気コアを用いて第4〜7の実施の形態のトルクセンサと同様の効果が得られる。すなわち、トルク検出用の磁束にバイアス磁場が印加されることによって、高感度のトルクセンサとなる。また、バイアスヨーク部を用いずにこの効果を実現しているため、小型で高感度のトルクセンサを得ることができる。
この磁気コア820は、例えば以下のように製造する。例えば一方の脚状ヨーク部822とバックヨーク部821aが組み合わされた成型体と、他方の脚状ヨーク部822とバックヨーク部821bとが組み合わされた成型体とを製造後、これらを焼成した焼結体を製造する。これらの間に、第4の実施の形態と同様の材料からなる永久磁石823を接着剤等で接合する。
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態となるトルクセンサ910の回転軸990の軸方向に垂直な向きからみた正面図が図27である。このトルクセンサ910においても、バイアスヨーク部は用いず、磁気コア自体でバイアス磁場を発生させる。なお、図27においては、+45°方向の応力を測定するユニットについてのみ記載しているが、−45°方向についても同様である。
ここで用いられる磁気コア920、930、940、950は、第1の実施の形態における磁気コア30と同一の形状、構造をもつため、説明は省略する。また、励磁用内周コイル971、励磁用外周コイル972、検出用内周コイル973、検出用外周コイル974についても第1の実施の形態と同様である。
このトルクセンサ910においては、磁気コア920における脚状ヨーク部922に、バイアス印加用コイル923が巻回されている。これに電流を流すことによって、第8の実施の形態と同様に、磁気コア920中にバイアス磁場を印加することができる。すなわち、励磁用内周コイル971、励磁用外周コイル972によって誘起された磁束924に加えて、バイアス印加用コイル923によって誘起された直流磁場による磁束925が誘起される。このため、回転軸990中に誘起される検出用磁束にバイアス磁場が印加される。
他の磁気コア930、940、950においても同様にバイアス印加用コイル933、943、953が脚状ヨーク部に巻回される。従って、第4〜8の実施の形態と同様に、高感度のトルクセンサを得ることができる。
特にこのトルクセンサ910においては、励磁用のコイル(971、972)及び検出用のコイル(973、974)がいずれも回転軸990の周囲に巻回された形態となっており、これらは脚状ヨーク部には巻回されていない。このため、各磁気コアの脚状ヨーク部にバイアス印加用コイルを巻回することは容易である。
また、永久磁石を用いてバイアス磁場を印加する第4〜8の実施の形態と比べて、バイアス印加用コイルに流す電流を調整することによって、トルク検出の感度が最大となるようなバイアス磁場を印加することができる。この際、各磁気コア毎にこの調整を行うことも可能である。従って、特に高感度のトルクセンサを得ることができる。
(第10の実施の形態)
第10の実施の形態となるトルクセンサ1010の回転軸1090の軸方向に垂直な向きからみた正面図が図28である。このトルクセンサ1010においても、第9の実施の形態と同様に、バイアス印加用のコイルを用いてバイアス磁場を発生させる。なお、図28においては、+45°方向の応力を測定するユニットについてのみ記載しているが、−45°方向についても同様である。
ここで用いられる磁気コア1020、1030、1040、1050は、第1の実施の形態における磁気コア30と同一の形状・構造をもつため、説明は省略する。また、励磁用内周コイル1071、励磁用外周コイル1072、検出用内周コイル1073、検出用外周コイル1074についても第1の実施の形態と同様である。
このトルクセンサ1010においては、バイアス用内周コイル1075、バイアス用外周コイル1076が設けられている。これらは、励磁用内周コイル1071、励磁用外周コイル1072等と同様に、磁気コア1020等の内周及び外周に巻回される。また、バイアス用内周コイル1075とバイアス用外周コイル1076に流す電流の向きは逆とする。
この場合、バイアス用内周コイル1075とバイアス用外周コイル1076によって誘起される磁束の形状は、第1の実施の形態において図4、5で示した励磁用内周コイル71、励磁用外周コイル72によるものと同様である。すなわち、磁気コア1020において強い直流バイアス磁場による磁束1024が誘起される。この直流バイアス磁場による磁束1024は励磁用内周コイル1071、励磁用外周コイル1072によって誘起された磁束1025に印加されるため、回転軸1090中に誘起される磁束は検出用の磁束にバイアス磁場が印加されたものとなる。従って、第4〜9の実施の形態と同様に、高感度のトルクセンサを得ることができる。
また、このトルクセンサ1010においても、バイアス用内周コイル1075とバイアス用外周コイル1076に流す電流を調整することによって、トルク検出の感度が最大となるようなバイアス磁場を印加することができる。従って、特に高感度のトルクセンサを得ることができる。
また、バイアス用外周コイル1076を用いずに、バイアス用内周コイル1075だけを用いても、その大きさは小さくなるものの、バイアス磁場を印加する事が可能である。これは、第3の実施の形態において励磁用外周コイルを用いない場合でもトルク検出ができたことと同様の原理による。この場合はより単純な構造でトルクの向き及び大きさを検出することが可能となる。
(第11の実施の形態)
第11の実施の形態となるトルクセンサ1110の回転軸490の軸方向に垂直な向きからみた正面図が図29である。このトルクセンサ1110は、第4の実施の形態のトルクセンサ410におけるバイアスヨーク部420、430、440、450の各々に、バイアス印加用コイル1121、1122、1123、1124が巻回されている。バイアス印加用コイル以外は第4の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。
第4の実施の形態のトルクセンサ410においては、バイアス磁場は永久磁石423等とヨーク部421、422等の構成、形状で決定されるのに対して、このトルクセンサ1110においては、各バイアス印加用コイル1121、1122、1123、1124に流す電流を調整することにより、バイアス磁場の強さをバイアスヨーク部毎に調整することができる。すなわち、永久磁石による磁束427に加え、バイアス印加用コイル1121によって磁束1125が誘起される。このため、バイアス印加用コイル1121等に図29中で示された方向に電流を流すとバイアス磁場を大きくし、この逆向きに流すとバイアス磁場を小さくすることができる。この調整をバイアスヨーク部420、430、440、450で独立に行うことができる。このため、このトルクセンサ110の感度が最大となるべくバイアス磁場を最適化でき、特に高感度のトルクセンサが得られる。
逆に、各バイアスヨーク部を製造するにあたっての精度が悪く、永久磁石によるバイアス磁場の強さが不均一となる場合でも、各バイアス印加用コイルに流す電流を調整してこれを最適化することができる。従って、バイアスヨーク部の製造の精度が悪い場合でも高感度のトルクセンサを得ることができる。
(第12の実施の形態)
第12の実施の形態となるトルクセンサ1210の回転軸1290の軸方向に垂直な向きからみた正面図が図30である。このトルクセンサ1210は、第4の実施の形態のトルクセンサ410におけるバイアスヨーク部420、430、440、450の内側(回転軸1290の軸方向から見て永久磁石423等の内側)にバイアス用内周コイル1221が、これらの外側(回転軸1290の軸方向から見て永久磁石423等の外側)にバイアス用外周コイル1222が、回転軸1290の周囲を巻回する形態で設置される。各バイアスヨーク部とバイアス用内周コイル1221、バイアス用外周コイル1222との位置関係は、第1の実施の形態における各磁気コアと励磁用内周コイル71と励磁用外周コイル72との位置関係と同様である。また、バイアス用内周コイル1221とバイアス用外周コイル1222には逆向きの電流が流される。
すなわち、第1の実施の形態における各磁気コアと励磁用内周コイル71と励磁用外周コイル72による場合と同様に、バイアス用内周コイル1221とバイアス用外周コイル1222によってバイアスヨーク部420、430、440、450にバイアス磁場が誘起される。これにより、例えばバイアスヨーク部420中には、永久磁石423による磁束426、427の他に、磁束1223、1224が誘起される。磁束1223、1224はバイアス用内周コイル1221とバイアス用外周コイル1222に流す電流により調整できるため、バイアス磁場の大きさを調整できる。
従って、このトルクセンサ1210の感度が最大となるべくバイアス磁場を最適化でき、特に高感度のトルクセンサが得られる。
このトルクセンサ1210においては、各バイアスヨーク部と励磁用外周コイル72との距離が小さい場合には、各バイアスヨーク部中では励磁用外周コイル72によっても磁場が誘起される。すなわち、バイアス磁場が励磁用外周コイル72の影響を受ける。このため、各バイアスヨーク部と励磁用外周コイル72との距離はこの影響が出ないように大きくすることが好ましい。ただし、逆にこれらの距離を小さくし、かつ励磁用外周コイル72と励磁用内周コイル71の巻き数を調整することによって、各バイアスヨーク部中のバイアス磁場を調整することも可能である。この場合、バイアス用内周コイル1221、バイアス用外周コイル1222を設けずにバイアス磁場を調整することも可能となる。
なお、バイアス用外周コイル1222を設けず、バイアス用内周コイル1221だけによってバイアス磁場の強さを調整することも可能である。これは、第10の実施の形態と同様に、第3の実施の形態において励磁用外周コイルを用いない場合でもトルク検出ができたことと同様の原理による。
なお、上記の例で用いられたバイアスヨーク部は、第4の実施の形態において用いられたものと同様であったが、第5の実施の形態において用いられた円筒形状のバイアスヨーク部を用いた場合にも、バイアス用内周コイル及びバイアス用外周コイルを用いれば同様の効果を奏する。
(第13の実施の形態)
第13の実施の形態となるトルクセンサ1310の回転軸490の軸方向に垂直な向きからみた正面図が図31である。このトルクセンサ1310においては、第4の実施の形態のトルクセンサ410において、回転軸490の周囲に磁気コアを挟んだ位置に回転軸バイアス印加用コイル1321、1322を回転軸490を巻回する形態で設けている。回転軸バイアス印加用コイル(バイアス印加用コイル)1321、1322には同一の向きに電流を流す。これにより、回転軸490の軸方向に磁束1323を発生させることができ、この磁束はバイアスヨーク部420、430、440、450の発生するバイアス磁場に重畳される。回転軸バイアス印加用コイル1321、1322に流す電流の向き、大きさを調整することによって、バイアス磁場の大きさを調整することができる。
従って、このトルクセンサ1310の感度が最大となるべくバイアス磁場を最適化でき、特に高感度のトルクセンサが得られる。
なお、回転軸バイアス印加用コイル1321、1322だけによりバイアス磁場を発生させることも可能である。この場合、バイアスヨーク部420、430、440、450は不要とすることもでき、同様の効果が得られる。
(第14の実施の形態)
第14の実施の形態となるトルクセンサ1410の回転軸1490の軸方向からみた側面図が図32、軸方向に垂直な向きからみた正面図が図33である。このトルクセンサ1410は、第6の実施の形態のトルクセンサ610におけるバイアスヨーク部の位置、構成を変えたものである。
このトルクセンサ1410においては、+45°方向の応力測定用に磁気コア1420、1422、1424、1426、励磁用内周コイル1431、励磁用外周コイル1432、検出用内周コイル1433、検出用外周コイル1434が第1の実施の形態と同様に設置される。同様に、−45°方向の応力測定用に磁気コア1440、1442、1444、1446、励磁用内周コイル1451、励磁用外周コイル1452、検出用内周コイル1453、検出用外周コイル1454が第1の実施の形態と同様に設置される。また、図33に示すように、磁気コア1420と1440、1422と1442、1424と1444、1426と1446はそれぞれ回転軸1490の軸方向に垂直な断面においては略同一の位置にある。
一方、バイアスヨーク部1460、1468、1476、1484は回転軸1490の外周において各磁気コアの間に設置される。例えば、バイアスヨーク部1460は磁気コア1420と1422の間、及び磁気コア1440と1442の間に設置される。各バイアスヨーク部は、バイアス磁場を発生させるために永久磁石1461、1469、1477、1485を有している。例えばバイアスヨーク部1460においては、永久磁石1461はヨーク部1462、1463で挟まれた構成となっている。
ここで、第4の実施の形態、もしくは第6の実施の形態においてはバイアスヨーク部は励磁用外周コイル(及び検出用外周コイル)の外側に設置されていたのに対して、ここではこれらの内側に設置される。従って、各バイアスヨーク部の高さ(回転軸1490の径方向における高さ)は、各磁気コアの高さと同程度となる。
この構成においては、例えば、+45°方向の応力測定においては、各磁気コアと同様に、励磁用内周コイル1431と励磁用外周コイル1432とによって各バイアスヨーク部にも磁場が誘起される。従って、各永久磁石によって誘起されたバイアス磁場にこの磁場が重畳される。−45°方向においても同様である。
一方、この構成においては、各バイアスヨーク部は各磁気コアの間に設置される。このため、各バイアスヨーク部の高さを大きくすることなしに、各永久磁石による磁場が直接各磁気コアに及ぶことを抑制している。従って、高感度のトルクセンサとなる。
なお、各バイアスヨーク部と励磁用内周コイル1431、1451、励磁用外周コイル1432、1452との距離によってこれらによって誘起される磁場の強さは調整される。これらの距離は、各バイアスヨーク部の構成、例えばヨーク部の高さ、厚さ等により調整できる。
(第15の実施の形態)
第15の実施の形態となるトルクセンサ1510の回転軸の軸方向に垂直な向きからみた正面図が図34である。このトルクセンサ1510は、第1の実施の形態のトルクセンサ10にE型形状のバイアスヨーク部1520、1530、1540、1550を設置したものである。これらのバイアスヨーク部は第4の実施の形態におけるバイアスヨーク部420等と同様に、各磁気コア30、40、50、60、130、140、150、160を跨ぐ形態で設置される。
バイアスヨーク部1520、1530、1540、1550はE型の同一形状であるため、1520について説明する。バイアスヨーク部1520は、L型形状のヨーク部1521、1522と、T型形状の中央ヨーク部1523と、2つの永久磁石1524、1525から構成される。図34に示すように、永久磁石1523はヨーク部1521と中央ヨーク部1523に挟まれ、永久磁石1525は中央ヨーク部1523とヨーク部1522に挟まれた構造となっている。ここで、永久磁石1524と永久磁石1525における着磁の向きは互いに逆向きとなっている。
従って、このバイアスヨーク部1520において発生する磁束は1526、1527、1528、1529の通りになる。ここで、磁束1526、1527は磁気コア30によって+45°方向の応力検出におけるバイアス磁場を発生させる。一方、磁束1528、1529は磁気コア130によって−45°方向の応力検出におけるバイアス磁場を発生させる。一方、中央ヨーク部1523の中央部において、磁束1527と1528は重なるが、その向きが同一となるため、共通の磁路となる。なお、第7の実施の形態における中央脚状ヨーク部733の場合と同様に、中央ヨーク部1523において共通の磁路となる中央部はヨーク部1521等と比べて太くすることが好ましい。
従って、このE型形状のバイアスヨーク部1520によって、+45°方向の測定用の第1測定ユニット20と、−45°方向の測定用の第2測定ユニット120に対して逆方向のバイアス磁場を印加することができる。バイアスヨーク部1530、1540、1550についても同様である。従って、高感度のトルクセンサを得ることができる。
E型形状のバイアスヨーク部1520等は、第4の実施の形態におけるバイアスヨーク部420と同様にして製造できる。
(第16の実施の形態)
第16の実施の形態となるトルクセンサ1610の回転軸の軸方向に垂直な向きからみた正面図が図35である。このトルクセンサ1610は、第15の実施の形態のトルクセンサ1510におけるバイアスヨーク部の構造を変えたものを用いている。ここで用いるバイアスヨーク部1620、1630、1640、1650は、第15の実施の形態におけるバイアスヨーク部と同様にE型形状であるが、その構造が異なる。
バイアスヨーク部1620、1630、1640、1650はE型の同一形状であるため、1620について説明する。バイアスヨーク部1620は、E型形状のヨーク部1621と永久磁石1622から構成される。永久磁石1622の一方の着磁方向側が回転軸90に近接して設置され、他方の着磁方向側にヨーク部1621の一端が接合される。ヨーク部1621はこの一端から2本に分岐した形状となっている。分岐した両他端の底面は図35中の両側で回転軸90に近接されて設置される。
これにより、バイアスヨーク部1620中には磁束1623、1624が誘起される。これらの磁束は第15の実施の形態におけるバイアスヨーク部において誘起される磁束と同様である。従って、このバイアスヨーク部1620等により、第15の実施の形態におけるバイアスヨーク部1520等と同様の効果が得られる。すなわち、高感度のトルクセンサを得ることができる。また、バイアスヨーク部1620等の製造方法についても同様である。
(第17の実施の形態)
第17の実施の形態となるトルクセンサ1710の回転軸の軸方向に垂直な向きからみた断面図が図36である。このトルクセンサ1710は、第16の実施の形態のトルクセンサ1610におけるバイアスヨーク部1620、1630、1640、1650を回転軸90の外周方向に結合させたバイアスヨーク部1720を用い、更に、バイアス用内周コイル1731、1732、バイアス用外周コイル1733、1734を設けている。
バイアスヨーク部1720は、回転軸90の上下で逆向きとなるE型形状の断面をもつ円筒形状のヨーク部1721と、ラジアル異方性リング磁石(永久磁石)1722とからなる。ラジアル異方性リング磁石1722は環状であり、その径方向に両磁極を有し、内側がS極、外側がN極となっている。また、その内周面が回転軸90に近接している。
ヨーク部1721は円形の2個の底面をもつ円筒形状である。ヨーク部1721における内周面には、ラジアル異方性リング磁石1722の外周面がその断面が図36の形態となるべく接合される。ヨーク部1721の2個の円形の底面の略中心には回転軸90が貫通する開口部が設けられ、この開口部の内周面が回転軸90に近接して設置される。開口部の形態については第5の実施の形態におけるバイアスヨーク部520と同様である。
これにより、バイアスヨーク部1720の断面形状は、図36に示すように、回転軸90の上下で逆向きとなるE型形状となる。このため、第16の実施の形態におけるバイアスヨーク部1620、1630、1640、1650と同様の効果が単一のバイアスヨーク部1720によってもたらされる。すなわち、第17の実施の形態におけるバイアスヨーク部1720と第16の実施の形態におけるバイアスヨーク部1620等の関係は、第5の実施の形態におけるバイアスヨーク部520と第4の実施の形態におけるバイアスヨーク部420等との関係と同様である。すなわち、バイアスヨーク部1720においては、ラジアル異方性リング磁石1722によって磁場が誘起され、回転軸90の周囲方向において均一なバイアス磁場を回転軸90に印加することができる。
更に、このトルクセンサ1710においては、バイアス用内周コイル1731、1732、バイアス用外周コイル1733、1734が設けられている。バイアス用内周コイル1731、1732はバイアスヨーク部1720の内部(回転軸90の側)に設置され、バイアス用外周コイル1733、1734が外部に設置される。これにより、第12の実施の形態(図30)におけるバイアス用内周コイル1221、バイアス用外周コイル1222と同様の効果がもたらされる。すなわち、これらのコイルに逆向きに電流を流すことにより磁場が誘起され、前記のバイアス磁場に重畳される。この磁場はバイアス用内周コイル1731、1732、バイアス用外周コイル1733、1734に流す電流によって調整できるため、これによりバイアス磁場の大きさを調整することができる。従って、最適なバイアス磁場を印加することにより、高感度のトルクセンサを得ることができる。
なお、バイアスヨーク部1720によって充分な強度でかつ均一なバイアス磁場が得られる場合には、バイアス用内周コイル1731、1732、バイアス用外周コイル1733、1734は不要である。あるいは、バイアス用内周コイル1731、1732だけを用いることもできる。
このトルクセンサ1710において用いられる励磁用、検出用、及びバイアス用のコイルは全て回転軸90の周囲方向に巻回する形態となっているため、これらは第1の実施の形態において説明したように、これらをボビンに巻回した形態としたものを組み合わせて構成することが可能である。更に、バイアスヨーク部1720もこれに応じた円筒形状となっている。このため、このトルクセンサ1710の組立は特に容易となる。
なお、バイアスヨーク部1720は、第5の実施の形態におけるバイアスヨーク部520と同様に製造することができる。また、ラジアル異方性リング磁石1722の代わりに複数の矩形形状の永久磁石を環状に配列して用いることができる点も同様である。ただし、この場合には永久磁石の着磁方向が第5の実施の形態(図22)の場合とは異なり、リングの径方向となる。
なお、以上の全ての実施の形態においては、磁気コアの形状は図3又は図25に示される構造のものを用いたが。これに限られるものではない。回転軸に近接された状態で磁路が構成されうる2本又は3本の脚状ヨーク部を有し、かつこれらの脚状ヨーク部の間で回転軸を巻回する形態でコイルを設けることができる構造の磁気コアであれば同様に用いることができる。例えば、2本のヨーク部とそれらを連結するバックヨーク部からなるU字型の磁気コアも用いることができる。
以下、前記の全ての実施の形態に係るトルクセンサを試作し、その特性評価を行った結果につき説明する。ここで、実施例1〜17は前記の第1〜17の実施の形態にそれぞれ対応する。また、実施例1−1は、第1の実施の形態において検出用外周コイルを用いた例であり、実施例1−2はこれを用いない例である。実施例2−1は第2の実施の形態において周方向における磁気コアの数を3個、実施例2−2は2個とした例である。実施例10−1は、第10の実施の形態においてバイアス用外周コイルを用いた例であり、実施例10−2はバイアス用外周コイルを用いない例である。実施例12−1は第12の実施の形態において第12の実施の形態においてバイアス用外周コイルを用いた例であり、実施例12−2はバイアス用外周コイルを用いない例である。
ここでトルクを検出した回転軸は18mmφのNi−Cr鋼材である。磁気コアの材質はMn−Zn系フェライトとし、実施例7以外はバックヨーク部は15mm×20mm×10mm厚の矩形形状とした。脚状ヨーク部の断面は7.5mm×10mmの矩形形状とした。実施例7については反転させた形状のものを2個接続して図25の形態とした。また、回転軸との間隔gは1mmとし、脚状ヨーク部の底面における第2の面の曲率半径は19mmとし、その幅は全体の幅7.5mmに対して4.5mmとした。
これらの磁気コアは、一般的なフェライトコアの製造方法を用いて作成した。まず、原料としてFe、Mn4、ZnO粉末を使用した。これらの混合粉を大気中において850℃で2時間仮焼して得られた仮焼粉にSiO、CaCO粉末を添加し、さらに所定量のイオン交換水および分散剤を添加した後、例えばアトライタで1時間混合粉砕した。これにより得られた粉砕粉に対してバインダ(例えばポリビニルアルコール)を加え、スプレードライヤで造粒し、得られた顆粒を乾式圧縮成型機と金型を用いて、プレス圧2ton/cmで所望の形状に成型した。これにより、図1の磁気コア1の形状に成型された成型体を得ることができた。更にこの成型体を焼成温度1300℃、酸素分圧5%の雰囲気内で焼成することにより、Mn−Zn系フェライトで形成された磁気コアが得られた。
また、実施例8における永久磁石入りの磁気コアは、矩形状のNdFeB焼結磁石の両面に、接着剤を介してバックヨーク部(Mn−Zn系フェライトのコア)を接合して製造した。
実施例4、10〜16におけるバイアスヨーク部は矩形状のNdFeB焼結磁石の両面に、接着剤を介してヨーク部(S45C材)を接合して製造した。
実施例5〜7、17における円筒形状のバイアスヨーク部はリング状のNdFeB焼結磁石の両面に、接着剤を介して円筒状のヨーク部(S45C材の円柱を切削で円筒状に加工したもの)を接合して製造した。
実施例9におけるバイアス印加用コイルは2000ターンのエナメル線とした。また、実施例11におけるバイアス印加用コイルは2000ターンのエナメル線とした。実施例10、12におけるバイアス用内周コイル、バイアス用外周コイルは1000ターンのエナメル線とした。実施例13における回転軸バイアス印加用コイルは500ターンのエナメル線とした。
上記の実施例に加え、実施例1の構成において周方向における磁気コアの数を1個とした場合を比較例1とし、検出用外周コイルからのみ出力を取り出した場合を比較例2とした。励磁用内周コイルを設けない場合を比較例3、励磁用外周コイル及び検出用外周コイルを設けず、磁気コアの脚状ヨーク部にコイルを巻いたタイプを比較例4とした。
以上の構成のトルクセンサにおいて、(1)トルクの向きの検出性能、(2)トルクの検出感度、(3)零点変動の3点につき調べた。トルクの向きの検出性能については、検出可能の場合を○、そうでない場合を×とした。検出感度については、実施例1のトルクセンサの出力の2倍の出力を得た場合を◎、実施例1のトルクセンサと同等の出力の場合を○、実施例1のトルクセンサの出力の半分程度の場合を△、これら以外は×とした。零点変動については、有意な変動なしの場合を○、そうでない場合は×とした。総合評価においては、以上の3点につき×が一つでもあった場合を×、そうでない場合を○とした。結果を表1に示す。
Figure 2008203166
この結果より、全ての実施例で良好な特性が得られることが確認された。
本発明の第1の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態のトルクセンサの一例を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態のトルクセンサにおいて用いられる磁気コアの一例を示す斜視図である。 励磁用内周コイルによって発生する磁束を説明する概略図である。 励磁用外周コイルによって発生する磁束を説明する概略図である。 回転軸に印加されたトルクによる応力を説明する概略図である。 磁束密度と磁場の強さの関係、及び透磁率と応力との関係を示す図である。 透磁率とトルクとの関係を示す図である。 磁束とトルクとの関係を示す図である。 励磁用内周コイルのみがある場合の磁束とトルクとの関係を示す図である。 励磁用内周コイルと励磁用外周コイルがある場合の磁束とトルクとの関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態のトルクセンサに用いられる駆動・検出用回路の一例である。 本発明の第1の実施の形態のトルクセンサに用いられる駆動・検出用回路の出力の一例である。 本発明の第1の実施の形態のトルクセンサに用いられる駆動・検出用回路の他の一例である。 本発明の第2の実施の形態のトルクセンサの一例を示す側面図である。 本発明の第3の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 励磁用内周コイルがない場合の磁束を説明する概略図である。 励磁用、検出用の外周コイルがない場合の磁束を説明する概略図である。 本発明の第4の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第5の実施の形態のトルクセンサの一例を示す斜視図である。 本発明の第5の実施の形態のトルクセンサの一例を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態のトルクセンサに用いられるリング磁石の構成の一例を示す図である。 本発明の第6の実施の形態のトルクセンサの一例を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態のトルクセンサの一例を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態のトルクセンサに用いられる磁気コアの一例の斜視図、底面図及び側面図である。 本発明の第8の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第9の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第10の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第11の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第12の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第13の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第14の実施の形態のトルクセンサの一例を示す側面図である。 本発明の第14の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第15の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第16の実施の形態のトルクセンサの一例を示す正面図である。 本発明の第17の実施の形態のトルクセンサの一例を示す断面図である。 従来のトルクセンサの例の構成を示す図である。
符号の説明
10、210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410、1510、1610、1710 トルクセンサ
20、320 第1検出ユニット(第1の検出部)
120 第2検出ユニット(第2の検出部)
30、40、50、60、130、140、150、160、230、240、250、330、350、730、750、820、830、840、850、920、930、940、950、1020、1030、1040、1050、1420、1422、1424、1426、1440 磁気コア
31、41、51、61、131、141、151、161、331、351、731、751、821a、821b、831a、831b、841a、841b、851a、851b、921、931、941、951、1021、1031、1041、1051 バックヨーク部
32、42、52、62、132、142、152、162、332、352、732、752、822、832、842、852、922、932、942、952、1022、1032、1042、1052 脚状ヨーク部
33、43、53、63、133、143、153、163、734、735、754、755 底面
33a、43a、53a、63a、133a、143a、153a、163a、734a、735a、754a、755a 第1の面
33b、43b、53b、63b、133b、143b、153b、163b、734b、735b、754b、755b 第2の面
71、171、271、371、741、745、861、971、1431 励磁用内周コイル
72、172、272、372、742、746、862、972、1432、1452 励磁用外周コイル
81、181、281、381、743、747、863、973、1433 検出用内周コイル
82、182、282、382、744、748、864、974、1434、1454 検出用外周コイル
90、290、390、502、505〜508、510、790、890、990、1090、1290、1490 回転軸
91、291 ハウジング
92、292 内周面
93、293 導出部
94、294 外部回路
96、97 駆動・検出用回路
296 磁気コア保持部材
297 外周コイル保持部材
298 内周コイル保持部材
300、301、302、303、304、304a〜304e、524、1125、1223、1224、1300、1323、1526〜1529、1623、1624、3301、3301a〜3301c、3302、3302a、3302c、3501、3502 磁束
420、430、440、450、520、620、1460、1468、1476、1484、1520、1530、1540、1550、1620、1630、1640、1650、1720 バイアスヨーク部
421、422、431、432、441、442、451、452、521、522、621、622、1462、1463、1470、1471、1521、1522、1531、1532、1541、1542、1551、1552、1621、1631、1641、1651、1721 ヨーク部
423、433、443、453、823、833、843、853、1461、1469、1524、1525、1622、1642 永久磁石
503 磁性膜
504 ソレノイドコイル
511、511a、511b、512、512a、512b コイル
523、623、723 リング磁石(環状の永久磁石)
527、528 開口部の内周面
529 矩形磁石
733、753 中央脚状ヨーク部
923、933、943、953、1121〜1124 バイアス印加用コイル
961 直流電源
962 交流バイアス
963 同期検波回路
964 オペアンプ
965、966 インダクタンス成分
1075、1221、1731、1732 バイアス用内周コイル
1076、1222、1733、1734 バイアス用外周コイル
1321、1322 回転軸バイアス印加用コイル(バイアス印加用コイル)
1523、1533、1543、1553 中央ヨーク部
1722 ラジアル異方性リング磁石

Claims (27)

  1. 回転軸に加わるトルクを非接触で検出する非接触型のトルクセンサであって、
    前記回転軸にその底面が近接して設置される2本の脚状ヨーク部と、該2本の脚状ヨーク部に接続されたバックヨーク部とを有する磁気コアを前記回転軸の周囲に複数個具備し、
    前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用内周コイルと、
    前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用外周コイルと、
    前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用内周コイルと、
    を具備することを特徴とするトルクセンサ。
  2. 前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用外周コイルを更に具備し、前記検出用内周コイルからの出力電圧と前記検出用外周コイルからの出力電圧との差分よりトルクを検出することを特徴とする請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. 回転軸に加わるトルクを非接触で検出する非接触型のトルクセンサであって、
    前記回転軸にその底面が近接して設置される2本の脚状ヨーク部と、該2本の脚状ヨーク部に接続されたバックヨーク部とを有する磁気コアを前記回転軸の周囲に複数個具備し、
    前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用内周コイルと、
    前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用内周コイルと、
    前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用外周コイルと、
    を具備することを特徴とするトルクセンサ。
  4. 前記検出用内周コイルからの出力電圧と前記検出用外周コイルからの出力電圧との差分よりトルクを検出することを特徴とする請求項3に記載のトルクセンサ。
  5. 前記磁気コアにおけるバックヨーク部に、該バックヨーク部内に磁場を発生させる永久磁石が設けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトルクセンサ。
  6. 前記磁気コアにおける脚状ヨーク部に、バイアス印加用コイルが巻回されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトルクセンサ。
  7. 前記磁気コアにおける前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用内周コイルを具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトルクセンサ。
  8. 前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用外周コイルを具備することを特徴とする請求項7に記載のトルクセンサ。
  9. 前記回転軸に、バイアス印加用コイルが巻回されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のトルクセンサ。
  10. 前記回転軸に直流バイアス磁場を印加するバイアスヨーク部を更に具備することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のトルクセンサ。
  11. 前記バイアスヨーク部は、永久磁石と、該永久磁石における両磁極側にそれぞれ接合された2本のヨーク部を具備し、
    前記2本のヨーク部の底面が前記回転軸に近接されて設置されることを特徴とする請求項10に記載のトルクセンサ。
  12. 前記バイアスヨーク部は、着磁方向が互いに逆の永久磁石を2個具備し、前記回転軸における2箇所の領域に互いに逆向きの直流バイアス磁場を印加することを特徴とする請求項11に記載のトルクセンサ。
  13. 前記バイアスヨーク部は、一方の磁極側が前記回転軸に近接して設置された永久磁石と、該永久磁石の他方の磁極側に一端が接合され、他端が2本に分岐した形状のヨーク部とを具備し、
    前記両他端の底面が前記回転軸に近接されて設置されることを特徴とする請求項11に記載のトルクセンサ。
  14. 前記バイアスヨーク部は、前記回転軸の周方向において、前記磁気コア間に設置されることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のトルクセンサ。
  15. 前記バイアスヨーク部に巻回されるバイアス印加用コイルを具備することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のトルクセンサ。
  16. 前記回転軸の軸方向から見て前記永久磁石の内側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用内周コイルを具備することを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載のトルクセンサ。
  17. 前記回転軸の軸方向から見て前記永久磁石の外側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用外周周コイルを具備することを特徴とする請求項16に記載のトルクセンサ。
  18. 前記バイアスヨーク部は、径方向と垂直な方向に両磁極を有する環状の永久磁石と、該永久磁石における両磁極側にそれぞれ接合され、各々が前記永久磁石と反対側に円形の底面を具備する2個の円筒形状のヨーク部とから構成され、
    前記2個のヨーク部における円形の底面の略中心に前記回転軸が貫通する開口部が設けられ、該開口部の内周面が前記回転軸に近接して設置されることを特徴とする請求項10に記載のトルクセンサ。
  19. 前記バイアスヨーク部は、径方向に両磁極を有し、内周面が前記回転軸に近接されて設置される環状の永久磁石と、円形の2個の底面を具備する円筒形状であり、その内周面が前記永久磁石の外周面と接合されたヨーク部とから構成され、
    前記2個の底面の略中心に前記回転軸が貫通する開口部が設けられ、該開口部の内周面が前記回転軸に近接して設置されることを特徴とする請求項10に記載のトルクセンサ。
  20. 前記回転軸の軸方向から見て前記ヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用内周コイルを具備することを特徴とする請求項18または19に記載のトルクセンサ。
  21. 前記回転軸の軸方向から見て前記ヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回するバイアス用外周コイルを具備することを特徴とする請求項20に記載のトルクセンサ。
  22. 回転軸に加わるトルクを非接触で検出するトルク検出方法であって、
    前記回転軸にその底面が近接して設置される2本の脚状ヨーク部と、該2本の脚状ヨーク部に接続されたバックヨーク部を有する磁気コアを前記回転軸の周囲に複数個設け、
    前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用内周コイルと、
    前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用外周コイルと、
    前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用内周コイルと、を設け、
    前記励磁用内周コイルと前記励磁用外周コイルに逆向きの電流を流し、
    前記検出用内周コイルからの出力電圧よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とするトルク検出方法。
  23. 前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用外周コイルを更に設け、前記検出用内周コイルからの出力電圧と前記検出用外周コイルからの出力電圧との差分よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とする請求項22に記載のトルク検出方法。
  24. 前記複数の磁気コアにおいて、前記2本の脚状ヨークの前記底面の中心を結ぶ線と前記回転軸の中心軸との角度が略+45°となるべく前記磁気コアが設置された第1の検出部からの出力電圧と、前記角度が略−45°となるべく前記磁気コアが設置された第2の検出部からの出力電圧との差分よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とする請求項23に記載のトルク検出方法。
  25. 回転軸に加わるトルクを非接触で検出するトルク検出方法であって、
    前記回転軸にその底面が近接して設置される2本の脚状ヨーク部と、該2本の脚状ヨーク部に接続されたバックヨーク部を有する磁気コアを前記回転軸の周囲に複数個設け、
    前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する励磁用内周コイルと、
    前記2本の脚状ヨーク部の間を通り、前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の内側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用内周コイルと、
    前記回転軸の軸方向から見て前記バックヨーク部の外側で前記回転軸の周囲を巻回する検出用外周コイルと、を設け、
    前記検出用内周コイルからの出力電圧よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とするトルク検出方法。
  26. 前記複数の磁気コアにおいて、前記2本の脚状ヨークの前記底面の中心を結ぶ線と前記回転軸の中心軸との角度が略+45°となるべく前記磁気コアが設置された第1の検出部からの出力電圧と、前記角度が略−45°となるべく前記磁気コアが設置された第2の検出部からの出力電圧との差分よりトルクの向き及び大きさを算出することを特徴とする請求項25に記載のトルク検出方法。
  27. 前記回転軸に直流バイアス磁場を印加することを特徴とする請求項22乃至26に記載のトルク検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101871827A (zh) * 2010-06-04 2010-10-27 重庆大学 一种环型空间阵列扭矩传感器的读数头
JP2017223514A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 ローム株式会社 磁歪式トルクセンサおよび駆動装置

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