JP2008114781A - 農用車輪 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車輪外周側に設けられたラグ7の車輪前進回転方向A1の前面10に抉り部11を設け、この抉り部11の面積S2を前記前面10の全面積S1の60%以上とし、前記ラグ7を、前記抉り部11が設けられた第1ラグ部8と、第2ラグ部9とから略T字状に形成し、前記第1ラグ部8の車輪軸方向Yの幅をW1とし、第2ラグ部9の車輪軸方向Yの幅をW2とし、第1ラグ部8と第2ラグ部9の車輪周方向Aのトータル長さをL1とし、第2ラグ部9の車輪周方向Aの長さをL2とし、抉り部(11)の車輪軸方向(Y)の幅をW3とし、抉り部(11)の車輪周方向(A)の深さをDとしたとき、 0.25≦W2/W1≦0.6且つ0.3≦L2/L1≦0.6且つ0.1≦D/W3≦0.3とする。
【選択図】図1
Description
この従来のラグとして、図6に、矩形状の頂面31をもつラグ32を3種示す。
図6(a)に示すラグ32は、乗り心地(振動性)を重視したタイプのラグ32であり、ラグ32の車輪軸方向Yの幅W1を狭く、ラグ32の車輪周方向Aの長さL1を長くしたものである。
図6(c)に示すラグ32は、湿田仕様のもので、浮力確保のため、ラグ32の車輪軸方向Yの幅W1及び車輪周方向Aの長さL1を共に広く採ってラグ32の頂面31の面積を大きくしたものである。
なお、図6(d)は車輪の外周側のタイヤ33部分の一部を示す側面図で、図6(e)は図6(a)のラグ32を備えたタイヤ33の断面図、図6(f)は図6(b),(c)のラグ32を備えたタイヤ33の断面図である。
また、図6(b)のラグ32を備えた車輪は、トラクションは十分でも乗り心地が悪いという問題がある。
また、図6(c)のラグ32を備えた車輪は、ラグ32の接地圧が小さいため、圃場からの脱出時〜畦越え走行時に地面へのラグ32の食い込みが少ないため、車輪がスリップし、脱出が困難となる場合がある。また、このタイプはゴムの重量も多くコスト高となる欠点もある。
前記ラグを、前記抉り部が設けられた第1ラグ部と、この第1ラグ部の車輪前進回転方向後面から車輪前進回転方向後方に延びる第2ラグ部とから略T字状に形成し、
前記第1ラグ部の車輪軸方向の幅をW1とし、第2ラグ部の車輪軸方向の幅をW2とし、第1ラグ部と第2ラグ部の車輪周方向のトータル長さをL1とし、第2ラグ部の車輪周方向の長さをL2とし、抉り部の車輪軸方向の幅をW3とし、抉り部の車輪周方向の深さをDとしたとき、
0.25≦W2/W1≦0.6
0.3≦L2/L1≦0.6
0.1≦D/W3≦0.3
とされていることを特徴とする。
該ラグの車輪軸方向両側の側面の左右間隔が車輪前進回転方向後方に行くに従って漸次狭くなるように形成されていることを特徴とする。
また、抉り部に車輪径外方向に延びるリブ状突起を設けてもよい。
図4において、1は農用車輪を示し、該農用車輪1は、田植機等の農機本体の車軸に取付固定されるボス2と、このボス2から車輪径外方向Xに延びる複数本のスポーク3と、このスポーク3の車輪径外方向Xの端部に固着された車輪周方向Aに環状のリム4と、このリム4に固定されたゴム製のタイヤ5とを備えている。
前記タイヤ5はソリッドゴムタイプのタイヤ5であり、該タイヤ5は、リム4を全周にわたって被覆するように該リム4に固着された環状のタイヤ本体6と、このタイヤ本体6の外周面に設けられたラグ7とを備えており、ラグ7はタイヤ本体6の外周面から車輪径外方向Xに突出するブロック状に構成されていると共に車輪周方向Aに間隔をおいて全周にわたって設けられている。
図1(a),(b)、図2(a),(b)、図3(a)は本発明に係るラグ7の実施形態を示したものである。
第1ラグ部8の車輪前進回転方向A1の前面10は、車輪径外方向Xに行くに従って車輪前進回転方向A1後方に移行する傾斜面とされていると共に、車輪前進回転方向A1後方に向けて湾曲状に抉られた抉り部11と、この抉り部11の左右両側の平坦部12とから構成されている。
第1ラグ部8の車輪前進回転方向A1の後面13は、車輪径外方向Xに行くに従って車輪前進回転方向A1に移行する傾斜面で且つ略平坦面とされている。
第1ラグ部8と第2ラグ部9の左右側面14,15は、車輪径外方向Xに行くに従ってラグ7の左右方向Y中央側に移行する傾斜面で且つ略平坦面とされている。
第2ラグ部9の車輪前進回転方向A1の後面16は、車輪径外方向Xに行くに従って車輪前進回転方向A1に移行する傾斜面で且つ略平坦面とされている。
図2(b)に示すラグ7は、抉り部11の左右方向Y中央部に、車輪径外方向Xに延びるリブ状突起18を設けた点で図1に示すラグ7とは構成が異なり、その他の点では図1に示すラグ7と構成が共通するので説明を省略する。
また、このラグ7にあっても、その車輪前進回転方向A1の後面20が、車輪径外方向Xに行くに従って車輪前進回転方向A1に移行する傾斜面で且つ略平坦面とされている。
また、図3(a)に示す抉り部11の形状を図2(a)に示すラグ7と同様に凹形状を呈するように形成してもよい。
農用車輪1に設けられるラグ7にあっては、圃場脱出時〜畦越え走行時に十分なトラクションを発揮するためには左右幅が広く且つ低接地圧であることが必須であり、また振動性能(乗り心地)を良好にするためにはラグ7の車輪周方向A長さを十分に確保しなければならないが、ラグ7の左右幅が広く且つラグ7の車輪周方向Aの長さが長いと過度の接地圧低下をきたしスリップの原因となる。
また、図3(a)に示すラグ7にあっては、ラグ7の頂面17の形状を略三角形状とすることにより、前記図1及び図2に示すラグ7と同様に、優れたトラクション性能と低振動性能とを両立させている。
また、抉り部11の分だけラグ7の接地面積が少なくなり、過度の接地圧低下を防止することができる。
また、前記第1ラグ部8の左右幅W1と、第2ラグ部9の左右幅W2との関係は、
0.25≦W2/W1≦0.6
とされる。
これは、W2/W1が0.25未満では第2ラグ部9の剛性低下が著しく、狙い通りの振動性能が得られない、また、W2/W1が0.6を超えると接地圧が低くなり地面への食い込み効果が少なくなるからである。
0.3 ≦L2/L1≦0.6
とされる。
これは、L2/L1が0.3未満では接地圧が低くなり地面への食い込み効果が少なくなる、また、L2/L1が0.6を超えると第1ラグ部8の剛性が著しく低下し牽引性能に支障をきたすことになるからである。
0.1≦D/W3≦0.3
とされる。
これは、D/W3が0.1未満では狙いとする土の包み込み効果が得られない、また、D/W3が0.3を超えると第1ラグ部8の抉り部11の左右両側のラグ7剛性が低下し、ラグ7の摩耗や欠けなど耐久性能が低下するからである。
以上詳述した本発明にあっては、圃場脱出時〜畦越え走行時において、ラグ7の接地圧を著しく低下させることなく効率的に地面の土を包み込み優れたトラクション性能を発揮すると共に、この優れたトラクション性能と、アスファルト走行時での低振動性能とを両立させることができるという効果を奏する。
図5は、本発明に係る農用車輪と、従来例に係る農用車輪と、比較例に係る農用車輪とについて、牽引力及び振動性の比較試験を行った結果を表にして示したものである。
この比較試験に使用されたテスト車輪は、図3(b)に示すようにタイヤ本体6から車輪径外方向X及び左右両側に延出された羽根21を備えた車輪が採用され、且つ車輪外径が850mmであり、タイヤ本体6の左右幅W4が50mmであり、羽根21の左右幅W5が160mmであるものを採用した。
また、従来例については図6(c)に示すラグ形状のものを採用し、実施例1〜10については図2(a)に示すラグ形状のものを採用し、実施例11については図3(a)に示すラグ形状のものを採用し、実施例12については図1(a)に示すラグ形状のものを採用し、実施例13については図2(b)に示すラグ形状のものを採用し、比較例1〜7については図2(a)に示すラグ形状のものを採用した。
牽引力・振動性についての評価は、従来例のものを100としたときの指数で表しており、牽引力については数値が大きいほど牽引性能が良好であり、振動性については数値が小さいほど振動性能が良好であることを示している。
なお、本比較試験において従来例として採用したラグ形状のものにあっては、振動性の点では比較的問題はなく牽引力不足が問題とされているのものであり、本比較試験で採用した従来例及び比較例と実施例とにおける牽引力及び振動性の比較においては、牽引力については103以上で良好であり、振動性については100以下が良好である。
なお、前述した実施の形態で示したラグ7の各寸法は、頂面17側の寸法を示している。
8 第1ラグ部
9 第2ラグ部
10 車輪前進回転方向の前面
11 抉り部
13 第1ラグ部の車輪前進回転方向後面
18 リブ状突起
19 ラグの車輪軸方向両側の側面
A 車輪周方向
A1 車輪前進回転方向
D 抉り部の車輪周方向の深さ
L1 第1ラグ部と第2ラグ部の車輪周方向のトータル長さ
L2 第2ラグ部の車輪周方向の長さ
S1 ラグの車輪前進回転方向前面の全面積
S2 抉り部の面積
W1 第1ラグ部の車輪軸方向の幅
W2 第2ラグ部の車輪軸方向の幅
W3 抉り部の車輪軸方向の幅
X 車輪径外方向
Y 車輪軸方向(左右方向)
Claims (3)
- 車輪外周側に設けられたラグ(7)を備え、このラグ(7)の車輪前進回転方向(A1)の前面(10)に湾曲状または凹形状に抉られた抉り部(11)を設け、この抉り部(11)の面積(S2)がラグ(7)の車輪前進回転方向(A1)前面(10)の全面積(S1)の60%以上とされており、
前記ラグ(7)を、前記抉り部(11)が設けられた第1ラグ部(8)と、この第1ラグ部(8)の車輪前進回転方向(A1)後面(13)から車輪前進回転方向(A1)後方に延びる第2ラグ部(9)とから略T字状に形成し、
前記第1ラグ部(8)の車輪軸方向(Y)の幅をW1とし、第2ラグ部(9)の車輪軸方向(Y)の幅をW2とし、第1ラグ部(8)と第2ラグ部(9)の車輪周方向(A)のトータル長さをL1とし、第2ラグ部(9)の車輪周方向(A)の長さをL2とし、抉り部(11)の車輪軸方向(Y)の幅をW3とし、抉り部(11)の車輪周方向(A)の深さをDとしたとき、
0.25≦W2/W1≦0.6
0.3≦L2/L1≦0.6
0.1≦D/W3≦0.3
とされていることを特徴とする農用車輪。 - 車輪外周側に設けられたラグ(7)を備え、このラグ(7)の車輪前進回転方向(A1)の前面(10)に湾曲状または凹形状に抉られた抉り部(11)を設け、この抉り部(11)の面積(S2)がラグ(7)の車輪前進回転方向(A1)前面(10)の全面積(S1)の60%以上とされており、
該ラグ(7)の車輪軸方向(Y)両側の側面(19)の左右間隔が車輪前進回転方向(A1)後方に行くに従って漸次狭くなるように形成されていることを特徴とする農用車輪。 - 抉り部(11)に車輪径外方向(X)に延びるリブ状突起(18)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の農用車輪。
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