JP2008112177A - 防眩性フィルム、偏光板、および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩性ハードコート層を形成するのみによって、充分な防眩性と充分な支持体との密着性が両立した防眩性フィルム、さらには低屈折率層を設けることにより反射防止能を備えた防眩性フィルム、上記フィルムを用いた偏光板、液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩ハードコート層を含んで一層以上のハードコート層を有する防眩性フィルムであって、該トリアセチルセルロース透明支持体に接するハードコート層が、該トリアセルセルロース支持体を溶解する一種類以上の溶剤と、該トリアセチルセルロース透明支持体を溶解しない一種類以上の溶剤とから構成される溶剤を用いた塗布液から形成され、該トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする防眩性フィルム、ならびにそれを用いた偏光および液晶表示装置。
【選択図】なし
【解決手段】トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩ハードコート層を含んで一層以上のハードコート層を有する防眩性フィルムであって、該トリアセチルセルロース透明支持体に接するハードコート層が、該トリアセルセルロース支持体を溶解する一種類以上の溶剤と、該トリアセチルセルロース透明支持体を溶解しない一種類以上の溶剤とから構成される溶剤を用いた塗布液から形成され、該トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする防眩性フィルム、ならびにそれを用いた偏光および液晶表示装置。
【選択図】なし
Description
本発明は、防眩性フィルム、該防眩性フィルムを用いた偏光板、および液晶表示装置に関する。
一般に、CRT、PDP、LCDのような画像表示装置において、防眩性フィルムあるいは防眩性反射防止フィルムは外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止することを目的としてディスプレイの最表面に配置される。
この防眩性フィルムあるいは防眩性反射防止フィルムの防眩ハードコート層を形成するための塗布液中には、防眩性を付与するために無機あるいは有機高分子の粒子が用いられる。トリアセチルセルロース支持体とこの防眩ハードコート層との密着性を得るために、防眩ハードコート層塗布液の溶剤組成を、トリアセチルセルロース支持体を膨潤・溶解せしめる溶剤にすると、防眩性を付与するための粒子が、支持体中に一部埋まり、十分な防眩性が得られず、一方、トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤で防眩ハードコート層塗布液を作製すると、防眩性は得られるものの、密着性が充分に得られず、いづれにしても問題があった。
本発明の目的は、トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩性ハードコート層を形成するのみによって、充分な防眩性と充分な支持体との密着性が両立した防眩性フィルム、さらには低屈折率層を設けることにより反射防止能を備えた防眩性フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記フィルムを用いた偏光板、液晶表示装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記フィルムを用いた偏光板、液晶表示装置を提供することにある。
下記構成の防眩性フィルム、偏光板、および液晶表示装置により、上記目的が達成される。
1.トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩ハードコート層を含んで一層以上のハードコート層を有する防眩性フィルムにおいて、該トリアセチルセルロース透明支持体に接するハードコート層が、該トリアセルセルロース支持体を溶解する一種類以上の溶剤と、該トリアセチルセルロース透明支持体を溶解しない一種類以上の溶剤とから構成される溶剤を用いた塗布液から形成されたことを特徴とする防眩性フィルム。
2.該トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1に記載の防眩性フィルム。
3.該トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が、メチルイソブチルケトンおよび2−オクタノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1または2に記載の防眩性フィルム。
4.トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうちの少なくとも一種類が、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤のうちの少なくとも一種類よりも、沸点が高いことを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の防眩性フィルム。
5.トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうち最も沸点の高い溶剤と、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤のうち、最も沸点の高い溶剤との沸点温度差が30℃以上であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の防眩性フィルム。
6.防眩ハードコート層が、電離放射線により架橋して形成されたものであることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の防眩性フィルム。
7.防眩ハードコート層が、有機高分子粒子からなるマット粒子を含有することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の防眩性フィルム。
8.防眩ハードコート層を形成するための成分として、電離放射線により架橋される5官能以上のアクリレートモノマーが少なくとも用いられることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の防眩性フィルム。
9.トリアセチルセルロース透明支持体が、トリアセチルセルロースを実質的にジクロロメタンを含まない溶剤に溶解することで調整されたトリアセチルセルロースドープを単層流延法により流延することにより作成されたトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の防眩性フィルム。
10.トリアセチルセルロース透明支持体が、トリアセチルセルロースを溶剤に溶解することで調整されたトリアセチルセルロースドープを複数層共流延法により流延することにより作成されたトリアセチルセルロースフィルムあることを特徴とする上記1〜8記載の防眩性フィルム。
11.防眩ハードコート層に、平均粒径1.0〜5.0μmの粒子が分散していることを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の防眩性フィルム。
12.防眩ハードコート層に分散している粒子が、球形有機高分子粒子であることを特徴とする上記11に記載の防眩性フィルム。
13.防眩ハードコート層の屈折率が、1.50〜2.00であることを特徴とする上記項1〜12のいずれかに記載の防眩性フィルム。
14.防眩ハードコート層が、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと、粒径0.1μm以下の チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン、および
ジルコニウムから選ばれた少なくとも一種類の金属の酸化物の微粒子とを含有する組成物の硬化物からなることを特徴とする上記1〜13のいずれかに記載の防眩性フィルム。
15.支持体上に少なくとも一層のハードコート層を設けた側の最外層に反射防止層としての屈折率1.35〜1.45の低屈折率層が設けられており、かつフィルムのヘイズ値が3.0〜15.0%であることを特徴とする上記1〜14のいずれかに記載の防眩性フィルム。
16.低屈折率層が熱または電離放射線により架橋する含フッ素化合物および無機微粒子を含有する組成物の硬化物からなり、かつフィルムの450〜650nmの積分球平均反射率が2.3%以下であることを特徴とする上記15に記載の防眩性フィルム。
17.無機微粒子の平均粒径が0.001〜0.1μmであることを特徴とする上記16に記載の防眩性フィルム。
18.無機微粒子がシリカであることを特徴とする上記16または17に記載の防眩性フィルム。
19.含フッ素化合物が、含フッ素ビニルモノマーを重合して得られるポリマーであることを特徴とする上記16〜18のいずれかに記載の防眩性フィルム。
20.トリアセチルセルロース透明支持体が、トリアセチルセルロースの複数層構成で流延、作製されたトリアセチルセルロースであることを特徴とする上記1〜19に記載の防眩性フィルム。
21.上記1〜20のいずれかに記載の防眩性フィルムを偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
22.上記1〜20のいずれかに記載の防眩性フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの一方に用い、他方に光学異方性のある光学補償膜を用いたことを特徴とする偏光板。
23.上記1〜20のいずれかに記載の防眩性フィルムまたは上記21もしくは22に記
載の偏光板をディスプレイの最表層に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
1.トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩ハードコート層を含んで一層以上のハードコート層を有する防眩性フィルムにおいて、該トリアセチルセルロース透明支持体に接するハードコート層が、該トリアセルセルロース支持体を溶解する一種類以上の溶剤と、該トリアセチルセルロース透明支持体を溶解しない一種類以上の溶剤とから構成される溶剤を用いた塗布液から形成されたことを特徴とする防眩性フィルム。
2.該トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1に記載の防眩性フィルム。
3.該トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が、メチルイソブチルケトンおよび2−オクタノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記1または2に記載の防眩性フィルム。
4.トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうちの少なくとも一種類が、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤のうちの少なくとも一種類よりも、沸点が高いことを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の防眩性フィルム。
5.トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうち最も沸点の高い溶剤と、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤のうち、最も沸点の高い溶剤との沸点温度差が30℃以上であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の防眩性フィルム。
6.防眩ハードコート層が、電離放射線により架橋して形成されたものであることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の防眩性フィルム。
7.防眩ハードコート層が、有機高分子粒子からなるマット粒子を含有することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の防眩性フィルム。
8.防眩ハードコート層を形成するための成分として、電離放射線により架橋される5官能以上のアクリレートモノマーが少なくとも用いられることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の防眩性フィルム。
9.トリアセチルセルロース透明支持体が、トリアセチルセルロースを実質的にジクロロメタンを含まない溶剤に溶解することで調整されたトリアセチルセルロースドープを単層流延法により流延することにより作成されたトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の防眩性フィルム。
10.トリアセチルセルロース透明支持体が、トリアセチルセルロースを溶剤に溶解することで調整されたトリアセチルセルロースドープを複数層共流延法により流延することにより作成されたトリアセチルセルロースフィルムあることを特徴とする上記1〜8記載の防眩性フィルム。
11.防眩ハードコート層に、平均粒径1.0〜5.0μmの粒子が分散していることを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の防眩性フィルム。
12.防眩ハードコート層に分散している粒子が、球形有機高分子粒子であることを特徴とする上記11に記載の防眩性フィルム。
13.防眩ハードコート層の屈折率が、1.50〜2.00であることを特徴とする上記項1〜12のいずれかに記載の防眩性フィルム。
14.防眩ハードコート層が、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと、粒径0.1μm以下の チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン、および
ジルコニウムから選ばれた少なくとも一種類の金属の酸化物の微粒子とを含有する組成物の硬化物からなることを特徴とする上記1〜13のいずれかに記載の防眩性フィルム。
15.支持体上に少なくとも一層のハードコート層を設けた側の最外層に反射防止層としての屈折率1.35〜1.45の低屈折率層が設けられており、かつフィルムのヘイズ値が3.0〜15.0%であることを特徴とする上記1〜14のいずれかに記載の防眩性フィルム。
16.低屈折率層が熱または電離放射線により架橋する含フッ素化合物および無機微粒子を含有する組成物の硬化物からなり、かつフィルムの450〜650nmの積分球平均反射率が2.3%以下であることを特徴とする上記15に記載の防眩性フィルム。
17.無機微粒子の平均粒径が0.001〜0.1μmであることを特徴とする上記16に記載の防眩性フィルム。
18.無機微粒子がシリカであることを特徴とする上記16または17に記載の防眩性フィルム。
19.含フッ素化合物が、含フッ素ビニルモノマーを重合して得られるポリマーであることを特徴とする上記16〜18のいずれかに記載の防眩性フィルム。
20.トリアセチルセルロース透明支持体が、トリアセチルセルロースの複数層構成で流延、作製されたトリアセチルセルロースであることを特徴とする上記1〜19に記載の防眩性フィルム。
21.上記1〜20のいずれかに記載の防眩性フィルムを偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
22.上記1〜20のいずれかに記載の防眩性フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの一方に用い、他方に光学異方性のある光学補償膜を用いたことを特徴とする偏光板。
23.上記1〜20のいずれかに記載の防眩性フィルムまたは上記21もしくは22に記
載の偏光板をディスプレイの最表層に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明の防眩性フィルムは、トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩性ハードコート層を形成するのみによって、充分な防眩性と充分な支持体との密着性が両立している。さらに、本発明の防眩性フィルムに反射防止層として低屈折率層を設けたフィルムは、防眩性と共に反射防止能をも備えている。
また、本発明の防眩性フィルムに反射防止層として低屈折率層を設けたフィルムを用いた偏光板、液晶表示装置は、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有し、画像の鮮明性に優れている。
また、本発明の防眩性フィルムに反射防止層として低屈折率層を設けたフィルムを用いた偏光板、液晶表示装置は、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有し、画像の鮮明性に優れている。
本発明の防眩性フィルムは、トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩ハードコート層を含んで一層以上のハードコート層が設けられ、防眩性フィルムに反射防止能を望む場合は、低屈折率層がさらに設けられる。このような本発明の防眩性フィルムの基本的な構成を図面を引用しながら説明する。
図1に示す態様は本発明の防眩性フィルムの一例であり、防眩性フィルム1は、トリアセチルセルロースからなる透明支持体2、防眩ハードコート層3、そして低屈折率層4の順序の層構成を有する。防眩ハードコート層3には、マット粒子5が分散している。防眩ハードコート層3は複数の層から成ってもよい。また、必ずしも必要ではないが、防眩性を有しないハードコート層(図示せず)を、フィルム強度付与のために塗設されていてもよい。なお、本発明で「ハードコート層」とは、防眩ハードコート層および防眩性を有しないハードコート層のいずれをも包含する概念である。
上記防眩ハードコート層の屈折率は、好ましくは1.50〜2.00であり、低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.35〜1.45である。透明支持体として用いられるトリアセチルセルロースの屈折率は1.48である。
図1に示す態様は本発明の防眩性フィルムの一例であり、防眩性フィルム1は、トリアセチルセルロースからなる透明支持体2、防眩ハードコート層3、そして低屈折率層4の順序の層構成を有する。防眩ハードコート層3には、マット粒子5が分散している。防眩ハードコート層3は複数の層から成ってもよい。また、必ずしも必要ではないが、防眩性を有しないハードコート層(図示せず)を、フィルム強度付与のために塗設されていてもよい。なお、本発明で「ハードコート層」とは、防眩ハードコート層および防眩性を有しないハードコート層のいずれをも包含する概念である。
上記防眩ハードコート層の屈折率は、好ましくは1.50〜2.00であり、低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.35〜1.45である。透明支持体として用いられるトリアセチルセルロースの屈折率は1.48である。
本発明の防眩性フィルムは、3〜15%のヘイズ値を有することが好ましい。必ずしも防眩性とヘイズ値はリニアに対応しないが、ヘイズ値が3%未満では、十分な防眩性を有する防眩フィルムを得ることはできない。一方、ヘイズ値が15%より大きいと、表面、内部における散乱が強すぎるため、画像の鮮明性の低下、白化等の問題を引き起こし、好ましくない。
以下、本発明の防眩性フィルムを構成する各層について説明する。
以下、本発明の防眩性フィルムを構成する各層について説明する。
[支持体]
本発明の防眩性反射防止フィルムに用いる透明支持体は、トリアセチルセルロース(屈折率は1.48)である。更に好ましくは複数の層からなるトリアセチルセルロース支持体である。
本発明の防眩性フィルムを液晶表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置する。偏光板の偏光層を保護する保護フィルムとしてトリアセチルセルロースが用いられるため、支持体をトリアセチルセルロースにした本発明の防眩性フィルムはそのまま保護フィルムに用いることができるのでコストの上で非常に有利となる。
本発明の防眩性反射防止フィルムに用いる透明支持体は、トリアセチルセルロース(屈折率は1.48)である。更に好ましくは複数の層からなるトリアセチルセルロース支持体である。
本発明の防眩性フィルムを液晶表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面に配置する。偏光板の偏光層を保護する保護フィルムとしてトリアセチルセルロースが用いられるため、支持体をトリアセチルセルロースにした本発明の防眩性フィルムはそのまま保護フィルムに用いることができるのでコストの上で非常に有利となる。
本発明の防眩性フィルムの透明支持体としては、トリアセチルセルロースを溶剤に溶解することで調整されたトリアセチルセルロースドープを単層流延、複数層共流延の何れかの流延方法により流延することにより作成されたトリアセチルセルロースフィルムを用いることが好ましい。特に、環境保全の観点から、トリアセチルセルロースを低温溶解法あるいは高温溶解法によってジクロロメタンを実質的に含まない溶剤に溶解することで調整されたトリアセチルセルロースドープを用いて作成されたトリアセチルセルロースフィル
ムが好ましい。
単層のトリアセチルセルロースは、公開特許公報の特開平7−11055号公報等で開示されているドラム流延、あるいはバンド流延等により作成され、後者の複数の層からなるトリアセチルセルロースは、公開特許公報の特開昭61−94725号公報、特公昭62−43846号公報等で開示されているいわゆる共流延法により作成される。すなわち、原料フレークを溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
共流延法によって作成されたトリアセチルセルロースフィルムは、高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延するため、フィルム表面の平滑性、生産性に優れる特徴を有する。このような支持体を用いることで、本発明の防眩性反射防止フィルムの防眩層をウエット塗布した際に生じる支持体の平面性不良起因のスジ状の塗布ムラ等が著しく改善され、優れた透過画像鮮明性とウエット塗布時の均一な面状を両立した防眩性反射防止フィルムを得ることができる。
また、共流延法によって作成されたトリアセチルセルロースフィルムは、複数の層からなるが、各層間に明確な界面は存在せず、お互いの層が連続層を形成しており、界面間での反射等による光学的なロスを生じない。
ムが好ましい。
単層のトリアセチルセルロースは、公開特許公報の特開平7−11055号公報等で開示されているドラム流延、あるいはバンド流延等により作成され、後者の複数の層からなるトリアセチルセルロースは、公開特許公報の特開昭61−94725号公報、特公昭62−43846号公報等で開示されているいわゆる共流延法により作成される。すなわち、原料フレークを溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
共流延法によって作成されたトリアセチルセルロースフィルムは、高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延するため、フィルム表面の平滑性、生産性に優れる特徴を有する。このような支持体を用いることで、本発明の防眩性反射防止フィルムの防眩層をウエット塗布した際に生じる支持体の平面性不良起因のスジ状の塗布ムラ等が著しく改善され、優れた透過画像鮮明性とウエット塗布時の均一な面状を両立した防眩性反射防止フィルムを得ることができる。
また、共流延法によって作成されたトリアセチルセルロースフィルムは、複数の層からなるが、各層間に明確な界面は存在せず、お互いの層が連続層を形成しており、界面間での反射等による光学的なロスを生じない。
さらに、共流延法によって作成されたトリアセチルセルロースは、特に幅方向の表面凹凸が改善されており、ウエット塗布によって上層を形成する際の幅方向の塗布ムラに対する改善効果が大きい。このような幅方向の平滑性は、レーザー変位計による表面変位の測定により、各ピッチ成分の表面凹凸について広い測定範囲(数センチ〜10センチ程度まで)で評価できる。種々の方法によって作成されたトリアセチルセルロースフィルムに対してこのような評価を行ったところ、防眩ハードコート層、低屈折率層を設ける際に発生する面状故障、特に長手方向に発生するスジ状故障に対して3〜10mmピッチの表面凹凸の高さがよく相関していることが明らかになった。
上記方法により、この3〜10mmピッチの表面凹凸の高さが低い支持体を得ることができ、その上に防眩ハードコート層および低屈折率層を順次形成することで、スジ状故障等の面状故障の少ない防眩性反射防止フィルムを得ることができる。
上記方法により、この3〜10mmピッチの表面凹凸の高さが低い支持体を得ることができ、その上に防眩ハードコート層および低屈折率層を順次形成することで、スジ状故障等の面状故障の少ない防眩性反射防止フィルムを得ることができる。
上記のような、トリアセチルセルロースを溶解するための溶剤としては、ジクロロメタンが代表的である。しかし、技術的には、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素は問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点では、溶剤はジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶剤中のハロゲン化炭化水素の割合が5重量%未満(好ましくは2重量%未満)であることを意味する。特に単層流延の場合にはジクロロメタンを実質的に含まないことが好ましい。共流延法の場合には、ジクロロメタンを実質的に含む溶剤を用いたドープを複数層共流延法によって流延しても、外側の流延層と比較してトリアセチルセルロース濃度の高いドープを内側の流延層に用いることができるため、結果として大気中に放出されるジクロロメタンの量が減少できる。本発明において、共流延法の場合であってもジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。また、共流延法は流延速度も高くすることが可能であり、生産性にも優れる。
ジクロロメタン等を実質的に含まない溶剤を用いてトリアセチルセルロースのドープを調整する場合には、後述するような特殊な溶解法が必須となる。
第一の溶解法は、冷却溶解法と称され、以下に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で溶剤中にトリアセチルセルロースを撹拌しながら徐々に添加する。次に、混合物は−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、トリアセチルセルロースと溶剤の混合物は固化する。さらに、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温すると、溶剤中にトリアセチルセルロースが流動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
第二の方法は、高温溶解法と称され、以下に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で溶剤中にトリアセチルセルロースを撹拌しながら徐々に添加される。本発明のトリアセチルセルロース溶液は、各種溶剤を含有する混合溶剤中にトリアセチルセルロースを添加し予め膨潤させることが好ましい。本法において、トリアセチルセルロースの溶解濃度は30重量%以下が好ましいが、フィルム製膜時の乾燥効率の点から、なるべく高濃度であることが好ましい。次に有機溶剤混合液は、0.2MPa〜30MPaの加圧下で70〜240℃に加熱される(好ましくは80〜220℃、更に好ましく100〜200℃、最も好ましくは100〜190℃)。次にこれらの加熱溶液はそのままでは塗布できないため、使用された溶剤の最も低い沸点以下に冷却する必要がある。その場合、−10〜50℃に冷却して常圧に戻すことが一般的である。冷却はトリアセチルセルロース溶液が内蔵されている高圧高温容器やラインを、室温に放置するだけでもよく、更に好ましくは冷却水などの冷媒を用いて該装置を冷却してもよい。
本発明の防眩性フィルムを液晶表示装置に用いる場合、片面に粘着層を設けること等によりディスプレイの最表面に配置する。トリアセチルセルロースは、偏光板の偏光層を保護する保護フィルムに用いられるため、本発明の防眩性フィルムをそのまま保護フィルムに用いることができ、好ましい。
偏光層の保護フィルムとして用いるためには、接着性の観点から、保護フィルムをけん化処理する必要がある。本発明の防眩性フィルムは、けん化耐性があるため、保護フィルムに張り合わせる直前にけん化処理することができる。けん化処理は、トリアセチルセルロースフィルムに直接行っても、防眩ハードコート層を形成した後に行っても良いが、生産性の観点から、全層を形成した後に行うのが好ましい。
偏光層の保護フィルムとして用いるためには、接着性の観点から、保護フィルムをけん化処理する必要がある。本発明の防眩性フィルムは、けん化耐性があるため、保護フィルムに張り合わせる直前にけん化処理することができる。けん化処理は、トリアセチルセルロースフィルムに直接行っても、防眩ハードコート層を形成した後に行っても良いが、生産性の観点から、全層を形成した後に行うのが好ましい。
[防眩ハードコート層]
防眩ハードコート層は、本発明の防眩性フィルムに防眩性を与えるための層であり、高屈折率素材中にマット粒子が分散している。
防眩ハードコート層の屈折率は、好ましくは1.50〜2.00であり、より好ましくは1.57〜1.90であり、更に好ましくは1.64〜1.80である。なお、防眩ハードコート層の屈折率は、マット粒子を含まずに測定した値である。
屈折率が小さすぎると反射防止性が低下する。さらに、これが大きすぎると、本発明の防眩性フィルムの反射光の色味が強くなり、好ましくない。
防眩ハードコート層は、本発明の防眩性フィルムに防眩性を与えるための層であり、高屈折率素材中にマット粒子が分散している。
防眩ハードコート層の屈折率は、好ましくは1.50〜2.00であり、より好ましくは1.57〜1.90であり、更に好ましくは1.64〜1.80である。なお、防眩ハードコート層の屈折率は、マット粒子を含まずに測定した値である。
屈折率が小さすぎると反射防止性が低下する。さらに、これが大きすぎると、本発明の防眩性フィルムの反射光の色味が強くなり、好ましくない。
また、防眩ハードコート層は、高屈折率素材中に分散するマット粒子によって表面凹凸起因の光散乱が生じるために、防眩層での光学干渉の影響を生じない。マット粒子を有しない高屈折率ハードコート層では、ハードコート層と支持体との屈折率差による光学干渉のために、反射率の波長依存性において反射率の大きな振幅が見られ、結果として反射防止効果が悪化し、同時に色むらが発生してしまうが、本発明の防眩性フィルムでは防眩層の表面凹凸による散乱効果によってこれらの問題が解決されている。
防眩ハードコート層に用いるバインダーは、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。また、バインダーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーを得るためには、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,3,5−シクロヘキサントリオールトリメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンの誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。これらのなかでも、5官能以上のアクリレートが、膜硬度、即ち耐傷性の観点で好ましい。ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物が市販されており、特に好ましく用いられる。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーは、各種の重合開始剤その他添加剤と共に溶剤に溶解、塗布、乾燥後、電離放射線または熱による重合反応により硬化することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
これら架橋性官能基を有するバインダーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
防眩ハードコート層のバインダーは、上記バインダポリマーに加えて、これに高屈折率を有するモノマーが共重合したポリマーおよび/または高屈折率を有する金属酸化物超微粒子等から形成される。
高屈折率モノマーの例には、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4‘−メトキシフェニルチオエーテル等が含まれる。高屈折率を有する金属酸化物超微粒子の例には、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる粒径100nm以下、好ましくは50nm以下の微粒子を含有することが好ましい。微粒子の例としては、ZrO2、TiO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITO等が挙げられる。これらの中でも、特にZrO2が好ましく用いられる。
金属酸化物超微粒子の添加量は、防眩ハードコート層の全重量の10〜90重量%であることが好ましく、20〜80重量%であると更に好ましい。
高屈折率モノマーの例には、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4‘−メトキシフェニルチオエーテル等が含まれる。高屈折率を有する金属酸化物超微粒子の例には、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる粒径100nm以下、好ましくは50nm以下の微粒子を含有することが好ましい。微粒子の例としては、ZrO2、TiO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITO等が挙げられる。これらの中でも、特にZrO2が好ましく用いられる。
金属酸化物超微粒子の添加量は、防眩ハードコート層の全重量の10〜90重量%であることが好ましく、20〜80重量%であると更に好ましい。
防眩ハードコート層には、防眩性付与とトリアセチルセルロース支持体との干渉による反射率悪化防止、色むら防止の目的で、マット粒子として無機あるいは有機高分子粒子が分散している。マット粒子の形状には、特に制限は無いが、均一な防眩性を付与するためには、真球状が好ましい。また、塗布液中の粒子の分散安定性の観点から、有機高分子粒子がより好ましい。平均粒径はコールター法による個数平均粒径で1.0〜5.0μmが好ましく、1.5〜4.0μmがより好ましく、2.0〜3.0μmが更に好ましい。これが1.0μm未満であると防眩性が不足し、5.0μmを越えると透過画像鮮明性が悪化する。
防眩ハードコート層に用いられるマット粒子として、平均粒径、屈折率、易分散性の観点から、非晶質シリカ粒子や、架橋PMMA系粒子、架橋ポリスチレン系粒子、架橋ベンゾグアナミン系粒子などが好ましく用いられる。この中でも球径の有機高分子粒子が特に好ましい。
防眩ハードコート層に用いられるマット粒子として、平均粒径、屈折率、易分散性の観点から、非晶質シリカ粒子や、架橋PMMA系粒子、架橋ポリスチレン系粒子、架橋ベンゾグアナミン系粒子などが好ましく用いられる。この中でも球径の有機高分子粒子が特に好ましい。
防眩ハードコート層と支持体が接する場合、防眩ハードコート層を形成するための塗布液の溶剤は、防眩性の発現および支持体と防眩層間との密着性の両立を図るために、トリアセチルセルロース支持体を溶解する少なくとも一種類以上の溶剤と、トリアセチルセルロース支持体を溶解しない少なくとも一種類以上の溶剤から構成する。より好ましくは、トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうちのすくなくとも一種類が、トリアセチルセルロースを溶解する溶剤うちの少なくとも一種類よりも高沸点であることが好ましい。さらに好ましくは、トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうち最も沸点の高い溶剤と、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤のうち、最も沸点の高い溶剤との沸点温度差が30℃以上であることであり、最も好ましくは50℃以上であることである。
トリアセチルセルロースを溶解する溶剤として、
炭素子数が3〜12のエーテル類:具体的には、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等、
炭素数が3〜12のケトン類:具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等、
炭素数が3〜12のエステル類:具体的には、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等、
2種類以上の官能基を有する有機溶媒:具体的には、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、およびアセト酢酸エチル等が挙げられる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭素子数が3〜12のエーテル類:具体的には、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等、
炭素数が3〜12のケトン類:具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等、
炭素数が3〜12のエステル類:具体的には、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等、
2種類以上の官能基を有する有機溶媒:具体的には、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、およびアセト酢酸エチル等が挙げられる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンが挙げられる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
トリアセチルセルロースを溶解する溶剤の総量(A)とトリアセチルセルロースを溶解しない溶剤の総量(B)の重量割合(A/B)は、5/95〜50/50が好ましく、より好ましくは10/90〜40/60であり、さらに好ましくは15/85〜30/70である。
[防眩性を有しないハードコート層]
本発明の防眩性フィルムでは、防眩性を有しないムハードコート層を、必要に応じて、フィルム強度向上の目的で透明支持体と防眩層の間に塗設してもよいが、必須の層ではない。
防眩性を有しないハードコート層の屈折率は、好ましくは1.50〜1.60である。防眩性を有しないハードコート層は、マット粒子が分散していない他は、防眩ハードコート層を構成するバインダーと同様な成分を用いることができ、成分の調整により、屈折率を上記範囲とすることができる。
また、防眩性を有しないハードコート層が支持体と接する場合、該ハードコート層を形成するための塗布液に用いられる溶剤も、防眩性ハードコート層で述べたことがそのまま適用される。
本発明の防眩性フィルムでは、防眩性を有しないムハードコート層を、必要に応じて、フィルム強度向上の目的で透明支持体と防眩層の間に塗設してもよいが、必須の層ではない。
防眩性を有しないハードコート層の屈折率は、好ましくは1.50〜1.60である。防眩性を有しないハードコート層は、マット粒子が分散していない他は、防眩ハードコート層を構成するバインダーと同様な成分を用いることができ、成分の調整により、屈折率を上記範囲とすることができる。
また、防眩性を有しないハードコート層が支持体と接する場合、該ハードコート層を形成するための塗布液に用いられる溶剤も、防眩性ハードコート層で述べたことがそのまま適用される。
[低屈折率層]
低屈折率層は、本発明の防眩性フィルムに反射防止能付与する目的で、支持体上にハードコート層を設けた側の最外層に反射防止層として設けられる。低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.35〜1.45である。低屈折率層の屈折率は、下記数式(I)を満すことが好ましい。
(mλ/4)×0.7<n1d1<(mλ/4)×1.3 ……数式(I)
式中、mは正の奇数(一般に1)であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは可視光線の波長であり、450〜650(nm)の範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
低屈折率層は、本発明の防眩性フィルムに反射防止能付与する目的で、支持体上にハードコート層を設けた側の最外層に反射防止層として設けられる。低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.35〜1.45である。低屈折率層の屈折率は、下記数式(I)を満すことが好ましい。
(mλ/4)×0.7<n1d1<(mλ/4)×1.3 ……数式(I)
式中、mは正の奇数(一般に1)であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは可視光線の波長であり、450〜650(nm)の範囲の値である。
なお、上記数式(I)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
低屈折率層には、熱硬化性または電離放射線硬化型の架橋性含フッ素化合物が硬化した含フッ素樹脂が用いられる。硬化した含フッ素樹脂の動摩擦係数は、好ましくは0.03〜0.15、水に対する接触角は好ましくは90〜120度である。
架橋性含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。
架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者は共重合の後、架橋構造を導
入できることが特開平10−25388号公報および特開平10−147739号公報により開示されている。
架橋性含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。
架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者は共重合の後、架橋構造を導
入できることが特開平10−25388号公報および特開平10−147739号公報により開示されている。
また、低屈折率層には、上記含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーとの共重合体だけでなく、これにその他のモノマーが共重合したポリマーを用いてもよい。
共重合してもよいその他のモノマーには特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
共重合してもよいその他のモノマーには特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
低屈折率層に用いる含フッ素樹脂には、耐傷性を付与するために、平均粒径が好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.001〜0.05μmのSiの酸化物超微粒子を添加して用いるのが好ましい。反射防止性の観点からは屈折率が低いほど好ましいが、含フッ素樹脂の屈折率を下げていくと耐傷性が悪化する。そこで、含フッ素樹脂の屈折率とSiの酸化物超微粒子の添加量を最適化することにより、耐傷性と低屈折率のバランスの最も良い点を見出すことができる。Siの酸化物超微粒子としては、市販の有機溶剤に分散されたシリカゾルをそのまま塗布液に添加しても、市販の各種シリカ紛体を有機溶剤に分散して使用してもよい。
[各層の形成]
防眩性フィルムの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二つ以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
防眩性フィルムの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二つ以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
[液晶表示装置および偏光板への応用]
本発明の防眩性フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。本発明の防眩性フィルムは、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して適用されるが、LCDの表面または内面に適用する場合は、偏光板の偏光層を保護する2枚の保護フィルムのうちの片側のフィルムとしてそのまま用いるのがより好ましい。もう一方の側には光学異方性のある光学保証膜を用いることは、視野角拡大の効果を併せ持たせることができることから更に好ましい。
本発明の防眩性フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。本発明の防眩性フィルムは、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して適用されるが、LCDの表面または内面に適用する場合は、偏光板の偏光層を保護する2枚の保護フィルムのうちの片側のフィルムとしてそのまま用いるのがより好ましい。もう一方の側には光学異方性のある光学保証膜を用いることは、視野角拡大の効果を併せ持たせることができることから更に好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(トリアセチルセルロースドープAの調整)
トリアセチルセルロース17.4重量部、トリフェニルフォスフェート2.6重量部、ジクロロメタン66重量部、メタノール5.8重量部、ノルマルブタノール8.2重量部からなる原料を攪拌しながら混合して溶解し、トリアセチルセルロースドープAを調整した。
(トリアセチルセルロースドープAの調整)
トリアセチルセルロース17.4重量部、トリフェニルフォスフェート2.6重量部、ジクロロメタン66重量部、メタノール5.8重量部、ノルマルブタノール8.2重量部からなる原料を攪拌しながら混合して溶解し、トリアセチルセルロースドープAを調整した。
(トリアセチルセルロースドープBの調整)
トリアセチルセルロース24重量部、トリフェニルフォスフェート4重量部、ジクロロメタン66重量部、メタノール6重量部からなる原料を攪拌しながら混合して溶解し、トリアセチルセルロースドープBを調整した。
(トリアセチルセルロースドープCの調整)
トリアセチルセルロース20重量部、酢酸メチル48重量部、シクロヘキサノン20重量部、メタノール5重量部、エタノール5重量部、トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェニルフォスフェート(1/2)2重量部、シリカ(粒径20nm)0.1重量部、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン0.2重量部を添加、攪拌して得られた不均一なゲル状溶液を、−70℃にて6時間冷却した後、50℃に加温し攪拌してドープCを調整した。
トリアセチルセルロース24重量部、トリフェニルフォスフェート4重量部、ジクロロメタン66重量部、メタノール6重量部からなる原料を攪拌しながら混合して溶解し、トリアセチルセルロースドープBを調整した。
(トリアセチルセルロースドープCの調整)
トリアセチルセルロース20重量部、酢酸メチル48重量部、シクロヘキサノン20重量部、メタノール5重量部、エタノール5重量部、トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェニルフォスフェート(1/2)2重量部、シリカ(粒径20nm)0.1重量部、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン0.2重量部を添加、攪拌して得られた不均一なゲル状溶液を、−70℃にて6時間冷却した後、50℃に加温し攪拌してドープCを調整した。
(トリアセチルセルロースドープDの調整)
上記トリアセチルセルロースドープCと同様にして得られた不均一なゲル状溶液を、ステンレス製密閉容器にて1MPa、180℃で5分間加熱した後、50℃の水浴中に容器ごと投入し冷却し、トリアセチルセルロースドープDを調整した。
上記トリアセチルセルロースドープCと同様にして得られた不均一なゲル状溶液を、ステンレス製密閉容器にて1MPa、180℃で5分間加熱した後、50℃の水浴中に容器ごと投入し冷却し、トリアセチルセルロースドープDを調整した。
(防眩ハードコート層用塗布液の調製)
防弦ハードコート層を構成するバインダーとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)を用いた。光重合開始剤としてイルガキュア907(チバファインケミカルズ(株)製)を適量加えた。また防弦ハードコート層を高屈折率化する高屈折率素材として、粒径約30nmの酸化ジルコニウム微粒子を溶剤で分散液化して防弦ハードコート層塗布液に加えた。さらに、防弦性を付与する球形粒子としては、エポスターMS(日本触媒(株)製、架橋ベンゾグアナミン粒子、平均粒径約2μm、粒子の屈折率1.68)を用い、これを溶剤で分散液化し、防弦ハードコート層塗布液に加えた。以上の固形分を含有した防弦ハードコート層塗布液は、ウエット塗布量が約5.2cc/m2時に、乾燥、UV硬化後の防弦ハードコート層塗膜の屈折率(バインダーと酸化ジルコニウムの複合層の屈折率)が1.68、膜厚が1.4μm、ヘイズが14%(粒子濃度が関係)になるように濃度調整した。この時の防弦ハードコート層塗布液の溶剤組成はメチルエチルケトン100%とした。防弦ハードコート層塗布液は、塗布前に予め、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)でろ過した。
防弦ハードコート層を構成するバインダーとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)を用いた。光重合開始剤としてイルガキュア907(チバファインケミカルズ(株)製)を適量加えた。また防弦ハードコート層を高屈折率化する高屈折率素材として、粒径約30nmの酸化ジルコニウム微粒子を溶剤で分散液化して防弦ハードコート層塗布液に加えた。さらに、防弦性を付与する球形粒子としては、エポスターMS(日本触媒(株)製、架橋ベンゾグアナミン粒子、平均粒径約2μm、粒子の屈折率1.68)を用い、これを溶剤で分散液化し、防弦ハードコート層塗布液に加えた。以上の固形分を含有した防弦ハードコート層塗布液は、ウエット塗布量が約5.2cc/m2時に、乾燥、UV硬化後の防弦ハードコート層塗膜の屈折率(バインダーと酸化ジルコニウムの複合層の屈折率)が1.68、膜厚が1.4μm、ヘイズが14%(粒子濃度が関係)になるように濃度調整した。この時の防弦ハードコート層塗布液の溶剤組成はメチルエチルケトン100%とした。防弦ハードコート層塗布液は、塗布前に予め、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)でろ過した。
(低屈折率層用塗布液の調製)
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、JSR(株)製、固形分濃度6重量%、メチルエチルケトン溶液)2240gに、MEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化
学(株)製)192g、およびメチルエチルケトン2224g、シクロヘキサノン144gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−01)でろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。前述ヘイズ14%の防眩ハードコート層上に塗設すると最終的にヘイズが12%になる塗布層である。
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7228、JSR(株)製、固形分濃度6重量%、メチルエチルケトン溶液)2240gに、MEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化
学(株)製)192g、およびメチルエチルケトン2224g、シクロヘキサノン144gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−01)でろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。前述ヘイズ14%の防眩ハードコート層上に塗設すると最終的にヘイズが12%になる塗布層である。
(比較試料1)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)に、上記の防眩ハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.4μmの防眩ハードコート層を形成した。
その上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後
、さらに120℃で8分間熱架橋し、厚さ0.096μmの低屈折率層を形成した。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)に、上記の防眩ハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.4μmの防眩ハードコート層を形成した。
その上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後
、さらに120℃で8分間熱架橋し、厚さ0.096μmの低屈折率層を形成した。
(比較試料2〜12、発明試料1〜12)
比較試料1の防眩ハードコート層塗布液の最終塗布液溶剤組成を表1に示すとおりに変えた以外は比較試料1と全く同じにしたものを比較試料2〜12、発明試料1〜12とする。
比較試料1の防眩ハードコート層塗布液の最終塗布液溶剤組成を表1に示すとおりに変えた以外は比較試料1と全く同じにしたものを比較試料2〜12、発明試料1〜12とする。
(透明支持体の表面変位の評価)
各流延法により作成された透明支持体の平滑性を、下記の方法にて評価した。
各透明支持体を、流延方向と垂直に170mm×4mmにサンプリングし、アクリル板に両端を貼り付けて固定したものを、レーザー変位計(KL130A、アンリツ(株)製)を用い、測定範囲135mm、測定間隔100μmの条件で表面反射のみを計測できるようにレーザー受光部にマスクを設けて、表面変位を2次元座標データとして取り込んだ。続いて、ベースフィルムの撓みによるうねり成分を除去するために、該2次元座標データの中心線を、該2次元座標データ曲線を7次式にてフィッティングした曲線として、各2次元座標データの該中心線からの上下の変位をそれぞれプラス、マイナスとして表記して、各位置に対するフィルムの表面変位をグラフ化した。このようなグラフから、3〜10mmピッチを有する表面凹凸の高さを読み取り、ピッチに対する高さの比を算出した。
各流延法により作成された透明支持体の平滑性を、下記の方法にて評価した。
各透明支持体を、流延方向と垂直に170mm×4mmにサンプリングし、アクリル板に両端を貼り付けて固定したものを、レーザー変位計(KL130A、アンリツ(株)製)を用い、測定範囲135mm、測定間隔100μmの条件で表面反射のみを計測できるようにレーザー受光部にマスクを設けて、表面変位を2次元座標データとして取り込んだ。続いて、ベースフィルムの撓みによるうねり成分を除去するために、該2次元座標データの中心線を、該2次元座標データ曲線を7次式にてフィッティングした曲線として、各2次元座標データの該中心線からの上下の変位をそれぞれプラス、マイナスとして表記して、各位置に対するフィルムの表面変位をグラフ化した。このようなグラフから、3〜10mmピッチを有する表面凹凸の高さを読み取り、ピッチに対する高さの比を算出した。
(防眩性反射防止フィルムの評価)
作製した防眩性反射防止フィルムについて、以下の項目の評価を行った。
(1)ヘイズ
得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
作製した防眩性反射防止フィルムについて、以下の項目の評価を行った。
(1)ヘイズ
得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(2)透過画像鮮明性の評価
作製した防眩性反射防止フィルムについて、スガ試験機(株)製の写像性測定器(ICM−2D型)を用いて、0.5mmの光学クシにて、透過画像鮮明性の値を測定した。この透過画像鮮明性の値は、高精細性モニターに対応する防眩性反射防止フィルムを開発する際の重要な指標となることがわかった。数値が大きいほど、高精細性対応であるといえる。目標は30%以上とした。
作製した防眩性反射防止フィルムについて、スガ試験機(株)製の写像性測定器(ICM−2D型)を用いて、0.5mmの光学クシにて、透過画像鮮明性の値を測定した。この透過画像鮮明性の値は、高精細性モニターに対応する防眩性反射防止フィルムを開発する際の重要な指標となることがわかった。数値が大きいほど、高精細性対応であるといえる。目標は30%以上とした。
(3)防眩性評価
作製した防眩性反射防止フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/cm2)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
蛍光灯の輪郭が全く〜ほとんどわからない :◎
蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○
蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる :△
蛍光灯がほとんどぼけない :×
作製した防眩性反射防止フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/cm2)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
蛍光灯の輪郭が全く〜ほとんどわからない :◎
蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○
蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる :△
蛍光灯がほとんどぼけない :×
(4)密着性
防眩性反射防止フィルムの表面に、片刃カミソリで、25mm四方に25マス(一マス5mm角)分の切り込みをいれ、その後市販のセロテープ(登録商標)をフィルム表面に荷重1kgで圧着後、セロテープを剥がしたとき、フィルムがセロテープにより剥がされたか否かで密着性を評価した。試験はn=5行い、以下の基準で評価した。
全く剥がれない :◎
平均1マス未満で剥がれた :○
平均1マス以上5マス未満で剥がれた :△
平均5マス以上剥がれた :×
防眩性反射防止フィルムの表面に、片刃カミソリで、25mm四方に25マス(一マス5mm角)分の切り込みをいれ、その後市販のセロテープ(登録商標)をフィルム表面に荷重1kgで圧着後、セロテープを剥がしたとき、フィルムがセロテープにより剥がされたか否かで密着性を評価した。試験はn=5行い、以下の基準で評価した。
全く剥がれない :◎
平均1マス未満で剥がれた :○
平均1マス以上5マス未満で剥がれた :△
平均5マス以上剥がれた :×
表1に比較試料の結果を、表2に発明試料の結果を示す。
表1に示される通り、防眩ハードコート層塗布液を構成する溶剤組成がトリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤だけであると、密着性に問題がある。
また、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤だけであると、溶解された支持体中に防眩性を付与する粒子が埋まり、防眩性が発現しない点で問題が生じる。
一方、表2に示される通り、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤と溶解しない溶剤の両者を含む場合は、密着性と防眩性を両立できることがわかる。さらに、トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤の沸点が、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤の沸点よりも高い場合、そしてその差が大きければ大きいほど、効果的であることが明らかである。
表1に示される通り、防眩ハードコート層塗布液を構成する溶剤組成がトリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤だけであると、密着性に問題がある。
また、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤だけであると、溶解された支持体中に防眩性を付与する粒子が埋まり、防眩性が発現しない点で問題が生じる。
一方、表2に示される通り、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤と溶解しない溶剤の両者を含む場合は、密着性と防眩性を両立できることがわかる。さらに、トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤の沸点が、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤の沸点よりも高い場合、そしてその差が大きければ大きいほど、効果的であることが明らかである。
なお、表1、表2の溶剤の略号は下記の通りである。
AC :アセトン
iBA :酢酸イソブチル
CH :シクロヘキサノン
DAA :ジアセトンアルコール
DOK :1,4−ジオキサン
MA :酢酸メチル
MC :メチレンクロライド
MEK :メチルエチルケトン
MIBK:メチルイソブチルケトン
MT :メタノール
OC :2−オクタノン
PR :1−プロパノール
AC :アセトン
iBA :酢酸イソブチル
CH :シクロヘキサノン
DAA :ジアセトンアルコール
DOK :1,4−ジオキサン
MA :酢酸メチル
MC :メチレンクロライド
MEK :メチルエチルケトン
MIBK:メチルイソブチルケトン
MT :メタノール
OC :2−オクタノン
PR :1−プロパノール
(発明試料13〜15)
表3に示す通りに、発明試料7に対し、防眩ハードコート層の厚みと、防眩性を付与する粒子の平均サイズとの比を一定のまま(1.4/2.0=0.7)、防眩性反射防止フィルムとしてのヘイズ12%を変えないように、粒子サイズと防眩ハードコート層の厚みのみを変えた以外は全く発明試料7と同じように作製した防眩性反射防止フィルムを発明試料13〜15とする。
表3に示す通りに、発明試料7に対し、防眩ハードコート層の厚みと、防眩性を付与する粒子の平均サイズとの比を一定のまま(1.4/2.0=0.7)、防眩性反射防止フィルムとしてのヘイズ12%を変えないように、粒子サイズと防眩ハードコート層の厚みのみを変えた以外は全く発明試料7と同じように作製した防眩性反射防止フィルムを発明試料13〜15とする。
表3に示す通り、発明試料は全て、要求性能を満たすが、透過画像鮮明性と防眩性の点で、粒子径は2〜3μmが好ましいことがわかる。
(発明試料16、17、18)
発明試料7に対し、トリアセチルセルロース支持体を以下のトリアセチルセルロース支持体I、II、IIIに変えた以外は発明試料7と全く同じにして作製しものを発明試料16
、17、18とした。
発明試料7に対し、トリアセチルセルロース支持体を以下のトリアセチルセルロース支持体I、II、IIIに変えた以外は発明試料7と全く同じにして作製しものを発明試料16
、17、18とした。
1.トリアセチルセルロース支持体Iの作製
特開平11−254594号公報に従って、3層共流延ダイを用い、ドープBの両側にドープAを共流延するように配置して金属ドラム上に同時に吐出させて重層流延した後、流延膜をドラムから剥ぎ取り、乾燥して、ドラム面側から10μm、60μm、10μmの3層共流延トリアセチルセルロースフィルムを作成した。このフィルムには、各層間に明確な界面は形成されていなかった。
2.トリアセチルセルロース支持体IIの作製
特開平7−11055号公報に従い、上記トリアセチルセルロースドープCを単層ドラム流延し、厚み80μmのトリアセチルセルロース支持体IIを作成した。
特開平11−254594号公報に従って、3層共流延ダイを用い、ドープBの両側にドープAを共流延するように配置して金属ドラム上に同時に吐出させて重層流延した後、流延膜をドラムから剥ぎ取り、乾燥して、ドラム面側から10μm、60μm、10μmの3層共流延トリアセチルセルロースフィルムを作成した。このフィルムには、各層間に明確な界面は形成されていなかった。
2.トリアセチルセルロース支持体IIの作製
特開平7−11055号公報に従い、上記トリアセチルセルロースドープCを単層ドラム流延し、厚み80μmのトリアセチルセルロース支持体IIを作成した。
3.トリアセチルセルロース支持体IIIの作製
特開平7−11055号公報に従い、上記トリアセチルセルロースドープDを単層ドラム流延し、厚み80μmのトリアセチルセルロース支持体IIIを作成した。
上記のトリアセチルセルロースフィルムI、II、IIIを、後述するレーザー変位計を用
いた測定法によりフィルム表面の幅方向の変位を測定したところ、いずれも3〜10mmピッチの表面凹凸で高さが該ピッチの10000分の1以上であるものは無かった。
特開平7−11055号公報に従い、上記トリアセチルセルロースドープDを単層ドラム流延し、厚み80μmのトリアセチルセルロース支持体IIIを作成した。
上記のトリアセチルセルロースフィルムI、II、IIIを、後述するレーザー変位計を用
いた測定法によりフィルム表面の幅方向の変位を測定したところ、いずれも3〜10mmピッチの表面凹凸で高さが該ピッチの10000分の1以上であるものは無かった。
ちなみにTAC−TD80Uを、レーザー変位計によりフィルム表面の幅方向の変位を測定したところ、約3mmピッチの表面凹凸で高さが0.3〜0.4μmの凹凸がわずかではあるが存在した。
発明試料16、17、18は、支持体の平滑性が優れるため、防眩ハードコート層の塗布面状も、発明試料7に対し、さらに良好であり、すぐれた防眩性反射防止フィルムを得ることができた。その他の評価は発明試料7と同じであった。
次に、上記で作製した本発明の反射防止層を設けた防眩性フィルムを用いて、防眩性反射防止偏光板を作成した。この偏光板を用いた液晶表示装置を作成したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有し、画像の鮮明性に優れたものであった。
1 防眩性フィルム
2 透明支持体
3 防眩ハードコート層
4 低屈折率層
5 マット粒子
2 透明支持体
3 防眩ハードコート層
4 低屈折率層
5 マット粒子
Claims (9)
- トリアセチルセルロース透明支持体上に、防眩ハードコート層を含んで一層以上のハードコート層を有する防眩性フィルムであって、
該トリアセチルセルロース透明支持体に接するハードコート層が、該トリアセルセルロース支持体を溶解する一種類以上の溶剤と、該トリアセチルセルロース透明支持体を溶解しない一種類以上の溶剤とから構成される溶剤を用いた塗布液から形成され、
該トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする防眩性フィルム。 - 該トリアセチルセルロースを溶解しない溶剤が、メチルイソブチルケトンおよび2−オクタノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の防眩性フィルム。
- 該トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうちの少なくとも一種類が、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤のうちの少なくとも一種類よりも、沸点が高いことを特徴とする請求項1または2に記載の防眩性フィルム。
- 該トリアセチルセルロース支持体を溶解しない溶剤のうち最も沸点の高い溶剤と、トリアセチルセルロース支持体を溶解する溶剤のうち、最も沸点の高い溶剤との沸点温度差が30℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防眩性フィルム。
- 防眩ハードコート層が、電離放射線により架橋して形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防眩性フィルム。
- 防眩ハードコート層が、有機高分子粒子からなるマット粒子を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性フィルム。
- 防眩ハードコート層を形成するための成分として、電離放射線により架橋される5官能以上のアクリレートモノマーが少なくとも用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防眩性フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の防眩性フィルムを偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の防眩性フィルムまたは請求項8に記載の偏光板をディスプレイの最表層に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JPH11183710A (ja) * | 1997-12-25 | 1999-07-09 | Toppan Printing Co Ltd | 防眩性ハードコートフィルム及びその製造方法 |
JP2000187102A (ja) * | 1998-10-14 | 2000-07-04 | Tomoegawa Paper Co Ltd | 反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルム |
-
2007
- 2007-11-16 JP JP2007298529A patent/JP2008112177A/ja active Pending
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110329 |