JP2001281406A - 防眩性反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
防眩性反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置Info
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- JP2001281406A JP2001281406A JP2000089181A JP2000089181A JP2001281406A JP 2001281406 A JP2001281406 A JP 2001281406A JP 2000089181 A JP2000089181 A JP 2000089181A JP 2000089181 A JP2000089181 A JP 2000089181A JP 2001281406 A JP2001281406 A JP 2001281406A
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Abstract
反射防止フィルムを提供する。 【解決手段】TD方向あるいはMD方向に10cm離れ
た任意の2つの場所における5度入射における鏡面反射
率、積分反射率の450nmから650nmまでの波長
領域での平均値の差を、0.3%未満、波長380nm
から780nmの領域におけるCIE標準光源D65の
5度入射光に対する正反射光の色味を、CIE1976
L*a*b*色空間のΔLab*値を2未満とし、低屈
折率層を1.38から1.49の架橋性含フッ素樹脂と
する。
Description
射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
DPやLCDのような画像表示装置において、外光の反
射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するた
めに、光学干渉の原理を用いて単層または多層の光学薄
膜を基材上に積層することにより作成され、反射率を低
減するディスプレイの最表面に配置される
よる無機酸化物等の多層反射防止膜は、各層の膜厚が僅
かにずれたときに反射率の波長依存性が大きく変化して
しまう。このような設計の反射防止膜を製造する場合、
一つの面内において僅かな膜厚ムラにより、反射率、反
射光の色味のムラを生じてしまい、面内のムラとして目
視で認識されてしまう。そのため、膜厚の厳密な制御を
必要としていた。また、単層膜では、実用上問題の無い
膜強度を有するもののなかでは、十分な反射防止性が得
られなかった。
ドコート層の屈折率を大きくすることにより、反射率を
低減させることが記載されている。しかしながら、この
ような高屈折率ハードコート層は支持体との屈折率差が
大きいためにフィルムの面内で色むらが発生し、反射率
の波長依存性も大きく振幅してしまう。また、特開平7
−333404号公報では、ガスバリア性、防眩性、反
射防止性に優れる防眩性反射防止膜が記載されている
が、CVDによる酸化珪素膜が必須であるため、塗液を
塗布して膜を形成するウェット塗布法と比較して生産性
に劣る。さらに、このようにして得られた防眩性反射防
止膜の反射防止性は、満足のいくものではなかった。
体上に防眩性層と低屈折率層を形成するだけで、簡便か
つ安価に製造可能であり、しかもフィルム面内のムラが
目視で認識されにくく、均一性、視認性に優れた防眩性
反射防止フィルムを提供することにある。本発明の他の
目的は、外光の映り込みが十分に防止された偏光板およ
び液晶表示装置を提供することにある。
成の防眩性反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装
置が提供され、上記目的が達成される。 1.〔1〕透明基材上に、防眩層と少なくとも1層の低
屈折率層とがこの順序で設けられており、かつ〔2〕T
D方向あるいはMD方向に10cm離れた任意の2つの
場所で測定された5度入射における鏡面反射率の450
nmから650nmまでの波長領域での平均値の差が、
0.3%未満である、ことを特徴とする防眩性反射防止
フィルム。 2.TD方向あるいはMD方向に10cm離れた任意の
2つの場所で測定された5度入射における積分反射率の
450nmから650nmまでの波長領域での平均値の
差が、0.3%未満であることを特徴とする上記1に記
載の防眩性反射防止フィルム。 3.TD方向あるいはMD方向に10cm離れた任意の
2つの場所で測定された波長380nmから780nm
の領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対
する正反射光の色味ムラが、CIE1976L*a*b
*色空間のΔEab*値で2未満であることを特徴とす
る上記1または2に記載の防眩性反射防止フィルム。 4.TD方向あるいはMD方向に10cm離れた任意の
2つの場所で測定されたヘイズ値の差が3%未満である
ことを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の防眩性
反射防止フィルム。 5.波長380nmから780nmの領域におけるCI
E標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味
が、CIE1976L*a*b*色空間のL*、a*、
b*値がそれぞれL*≦10、0≦a*≦2、−5≦b
*≦2を満たす色味であることを特徴とする上記1〜4
のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。 6.5度入射における鏡面反射率の450nmから65
0nmまでの波長領域での平均値が1.2%以下であ
り、かつ5度入射における積分反射率の450nmから
650nmまでの波長領域での平均値が2.5%以下で
あることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の防
眩性反射防止フィルム。 7.低屈折率層が、熱硬化型または電離放射線硬化型の
含フッ素樹脂の硬化物からなり、該低屈折率層の動摩擦
係数が0.03〜0.15の範囲にあり、そして該低屈
折率層の水に対する接触角が90〜120度の範囲にあ
ることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の防眩
性反射防止フィルム。 8. 熱硬化型または電離放射線硬化型の含フッ素樹脂
の硬化物に、実質的にヘイズの上昇を起こさない粒径の
無機酸化物微粒子が分散していることを特徴とする上記
7に記載の防眩性反射防止フィルム。 9.上記1〜8のいずれかに記載の防眩性反射防止フィ
ルムを偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのう
ちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。 10.上記1〜8のいずれかに記載の防眩性反射防止フ
ィルムまたは上記8に記載の防眩性反射防止性偏光板の
反射防止層をディスプレイの最表層に用いたことを特徴
とする液晶表示装置。
ィルムの基本的な構成を図面を引用しながら説明する。
図1には、本発明の防眩性反射防止フィルムの一例が示
されている。この場合の防眩性反射防止フィルム1は、
トリアセチルセルロースからなる透明支持体2、ハード
コート層3、防眩層4、そして低屈折率層5の順序の層
構成を有する。そして防眩性層4には樹脂マット粒子6
が分散している。
率、および5度入射における積分反射率について説明す
る。5度入射における鏡面反射率とは、サンプルの法線
方向+5度から入射した光に対する法線方向−5度で反
射した光の強度の割合であり、背景の鏡面反射による映
り込みの尺度になる。防眩性反射防止フィルムに適用す
る場合には、防眩性付与のために設けた表面凹凸に起因
する散乱光の分だけ、法線方向−5度で反射した光の強
度は弱くなる。従って、鏡面反射率は防眩性と反射防止
性の両方の寄与を反映する測定法といえる。5度入射に
おける積分反射率とは、サンプルの法線方向+5度から
入射した光に対する全ての方向に反射した光の強度の積
分値の割合である。防眩性反射防止フィルムに適用する
場合には、防眩性による反射光の減少が起こらないた
め、反射防止性だけを反映する測定が可能である。
(フィルムの長手方向と垂直方向)あるいはMD方向
(フィルムの長手方向)に10cm離れた任意の2つの
場所での上記鏡面反射率の450nmから650nmま
での波長領域での平均値の差が0.3%未満、好ましく
は0.1%未満である。鏡面反射率の平均値の差が0.
3%以上であると、フィルム面内でのムラとして目視で
認識されてしまうため、好ましくない。
方向あるいはMD方向に10cm離れた任意の2つの場
所での積分反射率の450nmから650nmまでの波
長領域での平均値の差が0.3%未満、特には0.1%
未満であることが好ましい。積分反射率の平均値の差が
0.3%を越えると、フィルム面内でのムラとして目視
で認識されてしまうため、好ましくない。
低減するためには、反射防止性を発現するための低屈折
率層の膜厚ムラを低減すればよい。鏡面反射率の平均値
の差を0.3%未満と低減することは、低屈折率層の膜
厚ムラを低減することに加えて、防眩層の防眩性のムラ
も低減することによって行うことができる。
は、上記鏡面反射率及び積分反射率の450nmから6
50nmまでの波長領域での平均値がそれぞれ1.2%
以下(鏡面反射率)、2.5%以下(積分反射率)であ
ることが好ましい。各反射率をこのように低い値とする
ことにより、防眩性と反射防止性を同時に満足させるこ
とができる。防眩性反射防止フィルムの5度入射におけ
る鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領
域での平均値が1.2%を越えると、背景の映り込みが
気になり、表示装置の表面フィルムに適用したときの視
認性が低下する。一方、防眩性反射防止フィルムの5度
入射における積分反射率の450nmから650nmま
での波長領域での平均値が2.5%を越えると、表示装
置のコントラスト改善効果が少なくなり、防眩性付与の
ための表面凹凸起因の散乱光により表示画面が白化し、
表示装置の表示品位が低下する。
ラは、TD方向あるいはMD方向に10cm離れた任意
の2つの場所における波長380nmから780nmの
領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対す
る正反射光の色味ムラで表現したとき、CIE1976
L*a*b*色空間のΔEab*値で2未満となるよう
に設計されていることが好ましい。この値が3を越える
と、その2つの場所間での色味ムラがはっきりと目視で
認識され、2以上でも僅かな色味ムラとして感知され
る。
は、CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射
光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のL
*、a*、b*値で定量化したときに、それぞれL*≦
10、0≦a*≦2、−5≦b*≦2の範囲内に入るよ
うに設計されていることが好ましい。これを満たす正反
射光の色味はニュートラルな色味である。CIE標準光
源D65の5度入射光に対する正反射光の色味は、5度
入射における波長380nmから780nmの領域にお
ける鏡面反射率の実測値と光源D65の各波長における
分光分布の積を算出して得られた分光反射スペクトルか
ら、CIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*
値、b*値をそれぞれ算出することで定量化することが
できる。L*値が10より大きいと、反射防止性が十分
でない。a*値が2より大きいと反射光の赤むらさき色
が強く、0未満では逆に緑色が強くなり好ましくない。
また、b*値が−5未満では青味が強く、2より大きい
と黄色が強くなり好ましくない。
有し、且つ低反射率を有する防眩性反射防止フィルム
は、低屈折率層の屈折率と防眩層のバインダ素材の屈折
率のバランスを最適化することで得られる。一般に3層
以上の蒸着、スパッタ等による光学薄膜による反射防止
膜は、鏡面反射率の平均値を0.3%以下まで低減で
き、従ってL*値も3以下にまで低減できるが、a*値
が10程度、b*値が−10程度の値となり、反射光の
色味が非常に強いものとなっていたが、本発明の防眩性
反射防止フィルムはこの反射光の色味の点でも大幅に改
善することができる。
15%のヘイズ値を有することが好ましい。必ずしも防
眩性とヘイズ値はリニアに対応しないが、ヘイズ値が5
%未満では、十分な防眩性を有する防眩フィルムを得る
ことはできない。一方、ヘイズ値が15%より大きい
と、表面、内部における散乱が強すぎるため、画像の鮮
明性の低下、白化等の問題を引き起こし、好ましくな
い。そして、本発明の防眩性反射防止フィルムは、TD
方向あるいはMD方向に10cm離れた任意の2つの場
所におけるヘイズ値の差が3%未満であることが好まし
い。この値が3%を越えると、ヘイズ値が5〜15%の
防眩フィルムの場合には防眩性のムラとして容易に目視
にて認識され、好ましくない。ヘイズ値の差を3%未満
とすることは、防眩層を塗工する際、TD方向、MD方
向の塗布量を厳密にコントロールすることで、単位面積
当たりのマット粒子数とマット粒子を一部または全部被
覆するバインダの溶剤揮発、硬化後の厚みを均一にする
ことで達成される。
反射防止フィルムを構成する各層について、以下説明す
る。本発明の防眩性反射防止フィルムは透明支持体上
に、防眩性層を有し、さらにその上に少なくとも1層の
低屈折率層を有するが、必要に応じ、防眩性層の下層に
平滑なハードコート層を設けることができる。
持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好
ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとし
ては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロー
ス、ジアセチルセルロース)、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリ
オレフィン、アートン(商品名、JSR(株)社製、物
質名:ノルボルネン系ポリオレフィン)、ゼオネックス
(商品名、日本ゼオン(株)製、物質名:ノルボルネン
系ポリオレフィン)等が挙げられる。このうちトリアセ
チルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、アートン、ゼオネックスが好まし
く、特にトリアセチルセルロースが好ましい。トリアセ
チルセルロースの屈折率は1.48である。液晶表示装
置の偏光板の偏光層を保護する保護フィルムとして、通
常トリアセチルセルロースが用いられているので、防眩
性反射防止フィルムの透明支持体がトリアセチルセルロ
ースフィルムであると、防眩性反射防止フィルムをその
まま保護フィルムに用いることができ、好ましい。この
場合、防眩性反射防止フィルムの片面に粘着層を設ける
等の手段により液晶表示装置のディスプレイの最表面に
防眩性反射防止フィルムを保護フィルムとして配置する
ことができる。
径1〜10μmのマット粒子および粒径100nm以下
の金属酸化物の微粒子が分散していることが好ましい。
防眩性層を形成するマット粒子を除く成分、即ちバイン
ダーポリマーあるいはこれに粒径100nm以下の金属
酸化物の微粒子成分が分散した分散体の屈折率は、1.
57〜2.00であることが好ましく、より好ましくは
1.60〜1.80と高屈折率である。この値が小さす
ぎると反射防止性能が小さくなり、大きすぎると色味が
大きくなりすぎてしまうことがある。
ーポリマー中に分散する粒径1〜10μmのマット粒子
によって、光の内部散乱が生じるために、防眩性層での
光学干渉の影響を生じない。上記粒径のマット粒子を有
しない高屈折率防眩性層では、防眩性層と支持体との屈
折率差による光学干渉のために、反射率の波長依存性に
おいて反射率の大きな振幅が見られ、結果として反射防
止効果が悪化し、同時に色むらが発生する。
素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマー
であることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有
するポリマーであることがさらに好ましい。また、バイ
ンダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。飽
和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーと
しては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好まし
い。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を
有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレ
ン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好まし
い。高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香
族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原
子、および窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子
を含むことが好ましい。
ノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸
とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シ
クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリ
アクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニ
ルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベ
ンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチル
エステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニ
ルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド
(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリル
アミドが挙げられる。
(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニ
ルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタク
リロキシフェニル−4'−メトキシフェニルチオエーテ
ル等が挙げられる。
マーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開
始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行う
ことができる。従って、エチレン性不飽和基を有するモ
ノマー、微粒子、および光ラジカル開始剤あるいは熱ラ
ジカル開始剤を含有する塗液を調製し、該塗液を透明支
持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応によ
り硬化して防眩性層を形成することができる。
は、多官能エポシキシ化合物の開環重合体が好ましい。
多官能エポシキ化合物の開環重合は、光酸発生剤あるい
は熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射または加熱に
より行うことができる。従って、多官能エポシキシ化合
物、微粒子、および光酸発生剤あるいは熱酸発生剤を含
有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電
離放射線または熱による重合反応により硬化して防眩性
層を形成することができる。
ノマーの代わりにまたはそれに加えて、架橋性官能基を
有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導
入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバイ
ンダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例に
は、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オ
キサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジ
ン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレ
ン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノ
アクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロー
ル、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランの
ような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するための
モノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基
のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を
用いてもよい。即ち、架橋性官能基とは、上記官能基に
限らず官能基が分解した結果反応性を示すものであって
もよい。これら架橋性官能基を有するバインダーポリマ
ーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成する
ことができる。
に設けられるハードコート層の干渉による反射率悪化防
止、色むら防止の目的で、マット粒子として、平均粒径
が1〜10μm、好ましくは1.5〜5μmの粒子、例
えば無機化合物の粒子または樹脂粒子が含有される。上
記粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2
粒子等の無機化合物の粒子;架橋アクリル粒子、架橋ス
チレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂
粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも、上
記樹脂粒子が好ましい。粒子の形状は、真球ありは不定
形のいずれも使用できる。また、異なる2種以上の粒子
を併用して用いてもよい。また、防眩層のバインダ膜厚
よりも小さい粒径のマット粒子が、マット粒子全体の5
0%未満であることが好ましい。粒度分布はコールター
カウンター法により測定できるが、分布は粒子数分布に
換算する。上記粒子は、形成された防眩性層中の粒子量
が好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましく
は30〜100mg/m2となるように防眩性層に含有
される。
上記のマット粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、ア
ルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうち
より選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、
粒径が100nm以下、好ましくは50nm以下の無機
微粒子を含有することが好ましい。無機微粒子の具体例
としては、TiO2、ZrO2、Al2O3、In2O3、Z
nO、SnO2、Sb2O3、ITO等の微粒子が挙げら
れる。これらの無機微粒子の添加量は、防眩性層の全重
量の10〜90%であることが好ましく、より好ましく
20〜80%である。なお、このような微粒子は、粒径
が光の波長よりも十分小さいためにヘイズの上昇が起こ
らず、バインダーポリマーに該微粒子が分散した分散体
は光学的に均一な物質として振舞う。
マット粒子を除いた成分、即ちバインダーポリマーある
いはこれに上記した粒径100nm以下の金属酸化物の
微粒子成分が分散した分散体の屈折率は、1.57〜
2.00であることが好ましく、より好ましくは1.6
0〜1.08である。屈折率を上記範囲とするには、バ
インダーポリマー及び金属酸化物の微粒子の種類及び量
割合を適宜選択すればよい。どのように選択するかは、
予め実験的に容易に知ることができる。
しく、1〜5μmがより好ましい。
滑なハードコート層を、必要に応じて、フィルム強度向
上の目的で透明支持体と防眩性層の間に塗設してもよ
い。平滑なハードコート層の膜厚は1〜10μmが好ま
しく、1.2〜6μmがより好ましい。平滑なハードコ
ート層に用いる成分は、マット粒子を用いないこと以外
は防眩性層において挙げたものと同様である。
率層の屈折率は、前述した通り、1.38〜1.49範
囲にあることが好ましい。屈折率が上記範囲にあること
により、十分な反射防止性を有するフィルムとなり、好
ましい結果が得られる。さらに、(B)低屈折率層は下
記数式(I)を満たすことがの点で好ましい。
率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚
(nm)である。また、λは波長であり、500〜55
0(nm)の範囲の値である。なお、上記数式(I)を
満たすとは、上記波長の範囲において数式(I)を満た
すm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味
している。
電離放射線硬化型の含フッ素樹脂の硬化物からなる。上
記含フッ素樹脂の硬化物は、動摩擦係数が0.03〜
0.15、水に対する接触角が90〜120度の範囲に
あることが好ましい。硬化前の含フッ素樹脂として、パ
ーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば、(ヘ
プタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)ト
リエトキシシラン等)、含フッ素ビニル単量体、および
架橋性基付与のための単量体から形成される含フッ素共
重合体を好ましく挙げることができる。
は、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチ
レン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ
素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6F
M(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)
等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙
げられる。上記架橋性基付与のための単量体としては、
グリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ
架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの
他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スル
ホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例
えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリ
ルアクリレート等)が挙げられる。後者は共重合の後、
架橋構造を導入できることが特開平10−25388公
報および特開平10−147739公報に記載されてい
る。
量体および架橋性基付与のための単量体以外の単量体を
併用して形成された含フッ素共重合体を硬化前の含フッ
素樹脂として用いてもよい。併用可能な単量体には特に
限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレ
ン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、ア
クリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレング
リコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチ
レン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテ
ル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−t
ertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリ
ル誘導体等を挙げることができる。
に用いられる上記各単量体の使用割合は、含フッ素ビニ
ル単量体が好ましくは20〜80重量%、架橋性基付与
のための単量体が好ましくは1〜30重量%、併用され
るその他の単量体が好ましくは0〜70重量%の割合で
ある。
率層を構成する上記含フッ素樹脂に、実質的に光を散乱
しない粒径の無機酸化物微粒子が分散していてもよい。
これにより、硬化時の体積収縮が低減し、密着性が改善
され耐擦傷性の低下が防され、さらに該無機微粒子の硬
さがフィルム強度および耐擦傷性を向上させる。
は、非晶質のものが好ましく用いられ、金属の酸化物、
窒化物、硫化物またはハロゲン化物からなることが好ま
しく、なかでも金属酸化物が特に好ましい。金属原子と
しては、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、F
e、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、G
a、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、C
e、Cd、Be、PbおよびNiが好ましく、Mg、C
a、BおよびSiがさらに好ましい。2種以上の金属を
含む無機微粒子を用いてもよい。特に好ましい無機微粒
子は、二酸化ケイ素微粒子、すなわちシリカ微粒子であ
る。無機微粒子の平均粒径は0.001〜0.2μmで
あることが好ましく、0.005〜0.05μmである
ことがより好ましい。微粒子の粒径はなるべく均一(単
分散)であることが好ましい。該無機微粒子の粒径は大
きすぎると光が散乱し、フィルムが不透明になり、小さ
すぎるものは凝集しやすく合成および取り扱いが困難で
ある。
量の3〜90重量%であることが好ましく、さらに好ま
しくは5〜70重量%であり、特に好ましくは7〜50
重量%である。無機微粒子の添加量は多すぎるとバイン
ダーである熱または電離放射線硬化性の含フッ素樹脂成
分の連続層が形成できずに脆くなり、また少なすぎると
微粒子の添加効果が得られない。
とも好ましい。表面処理法としてはプラズマ放電処理や
コロナ放電処理のような物理的表面処理とカップリング
剤を使用する化学的表面処理があるが、カップリング剤
の使用が好ましい。カップリング剤としては、オルガノ
アルコキシ金属化合物(例、チタンカップリング剤、シ
ランカップリング剤等)が好ましく用いられる。無機微
粒子がシリカの場合はシランカップリング剤による処理
が特に有効である。
後、加熱あるいは電離放射線(紫外線、電子線等)の照
射によって行われ、低屈折率層が形成される。
厚は、好ましくは0.05〜0.2μm、より好ましく
は0.08〜0.12μmである。
構成する各層について説明した。既に述べた如く、本発
明の防眩性反射防止フィルムは、(1)TD方向あるい
はMD方向に10cm離れた任意の2つの場所での上記
鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域
での平均値の差が0.3%未満であり、(2)好ましく
は、TD方向あるいはMD方向に10cm離れた任意の
2つの場所での積分反射率の450nmから650nm
までの波長領域での平均値の差が0.3%未満であり、
(3)好ましくは、鏡面反射率の450nmから650
nmまでの波長領域での平均値が1.2%以下であり、
(4)好ましくは、積分反射率の450nmから650
nmまでの波長領域での平均値が2.5%以下であり、
(5)好ましくは、色味ムラを、TD方向あるいはMD
方向に10cm離れた任意の2つの場所における波長3
80nmから780nmの領域におけるCIE標準光源
D65の5度入射光に対する正反射光の色味ムラで表現
したとき、CIE1976L*a*b*色空間のΔEa
b*値で2未満であり、(6)好ましくは、CIE標準
光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、C
IE1976L*a*b*色空間のL*、a*、b*値
で定量化したときに、それぞれL*≦10、0≦a*≦
2、−5≦b*≦2を満たし、(7)好ましくは、5〜
15%のヘイズ値を有し、(8)好ましくは、TD方向
あるいはMD方向に10cm離れた任意の2つの場所に
おけるヘイズ値の差が3%未満である。
性を発現するための低屈折率層の膜厚ムラを、塗布後に
行われる溶剤を揮発させて乾燥する操作を十分に時間を
かけて徐々に行い、かつ面内で均一に乾燥させる等の乾
燥条件を採用することにより低減すればよい。(2)の
特性を満たすことは、低屈折率層の膜厚ムラを低減する
ことに加えて、防眩層の防眩性のムラを、上記(1)と
同様な乾燥条件を採用して低減することにより行うこと
ができる。(3)〜(6)の特性を満たすことは、低屈
折率層の屈折率と防眩層のバインダ素材の屈折率のバラ
ンスを最適化すること、具体的には低屈折率層、防眩性
層の屈折率をそれぞれ1.40〜1.45、1.55〜
1.70とし、かつ上記(1)と同様な乾燥条件を採用
することによって行われる。(7)の特性を満たすこと
は、マット粒子の添加量とバインダによるマット粒子へ
の被覆量を最適化することによって行われる。(8)の
特性を満たすことは、防眩層を塗工する際、TD方向、
MD方向の塗布量を厳密にコントロールすることで、単
位面積当たりのマット粒子数とマット粒子を一部または
全部被覆するバインダの溶剤揮発、硬化後の厚みを均一
にすることにより行われる。
は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテ
ンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート
法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法
(米国特許2681294号明細書)により、各層を形
成するための塗液を塗布し、必要に応じて、放射線照射
や加熱することにより形成することができる。二以上の
層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法について
は、米国特許2761791号、同2941898号、
同3508947号、同3526528号の各明細書お
よび原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書
店(1973)に記載がある。
表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(P
DP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL
D)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置
に適用することができる。本発明の防眩性反射防止膜
は、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着し
て適用されるが、LCDの表面または内面に適用する場
合は、偏光板の偏光層を保護する2枚の保護フィルムの
うちの片側のフィルムとしてそのまま用いるのがより好
ましい。
施例を挙げて説明するが、本発明はこれらによっていさ
さかも限定されて解釈されるものではない
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬
(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイルチオフ
ェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)
125gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘ
キサノン=50/50重量%の混合溶媒に溶解した。得
られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュア
ーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを49gのメ
チルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を
塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60
であった。さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポリ
スチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学
(株)製)9.8gを添加して、高速ディスパにて50
00rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmの
ポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層の塗布液
を調製した。
ノン104.1g、メチルエチルケトン61.3gの混
合溶媒に、エアディスパで攪拌しながら酸化ジルコニウ
ム分散物含有ハードコート塗布液(デソライトKZ−7
886A、JSR(株)製)217.0g、を添加し
た。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈
折率は1.61であった。さらにこの溶液に平均粒径2
μmの架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200
H、綜研化学(株)製)4.5gを添加して、高速ディ
スパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔
径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防
眩層の塗布液を調製した。
スリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬
(株)製)91g、酸化ジルコニウム分散物含有ハード
コート塗布液(デソライトKZ−7115、JSR
(株)製)199g、および酸化ジルコニウム分散物含
有ハードコート塗布液(デソライトKZ−7161、J
SR(株)製)19gを、52gのメチルエチルケトン
/シクロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に溶
解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア
907、チバガイギー社製)10gを加えた。この溶液
を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.6
1であった。さらにこの溶液に平均粒径2μmの架橋ポ
リスチレン粒子(商品名:SX−200H、綜研化学
(株)製)20gを80gのメチルエチルケトン/シク
ロヘキサノン=54/46重量%の混合溶媒に高速ディ
スパにて5000rpmで1時間攪拌分散した分散液2
8gを添加、攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレ
ン製フィルターでろ過して防眩層の塗布液を調製した。
線硬化性ハードコート組成物(デソライトKZ−768
9、72重量%、JSR(株)製)250gを62gの
メチルエチルケトンおよび88gのシクロヘキサノンに
溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化し
て得られた塗膜の屈折率は1.53であった。さらにこ
の溶液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで
ろ過してハードコート層の塗布液を調製した。
42の熱架橋性含フッ素ポリマー(TN−049、JS
R(株)製)93gにMEK−ST(平均粒径10〜2
0nm、固形分濃度30重量%のSiO2ゾルのMEK
分散物、日産化学(株)製)8g、およびメチルエチル
ケトン100gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプ
ロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液
を調製した。
ルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真
フイルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液
Dをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の
後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイ
グラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/
cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗
布層を硬化させ、厚さ2.5μmのハードコート層を形
成した。その上に、上記防眩層用塗布液Aをバーコータ
ーを用いて塗布し、上記ハードコート層と同条件にて乾
燥、紫外線硬化して、厚さ約1.5μmの防眩層を形成
した。その上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコータ
ーを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃
で10分間熱架橋し、厚さ0.096μmの低屈折率層
を形成した。
ルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真
フイルム(株)製)に、実施例1と同様にしてハードコ
ート層を形成した。その上に、上記防眩層用塗布液Bを
バーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート層と同
条件にて乾燥、紫外線硬化して、厚さ約1.5μmの防
眩層を形成した。その上に、上記低屈折率層用塗布液を
バーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さら
に120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.100μmの
低屈折率層を形成した。
ルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真
フイルム(株)製)に、実施例1と同様にしてハードコ
ート層を形成した。その上に、上記防眩層用塗布液Cを
バーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート層と同
条件にて乾燥、紫外線硬化して、厚さ約1.5μmの防
眩層を形成した。その上に、上記低屈折率層用塗布液を
バーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さら
に120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096μmの
低屈折率層を形成した。
ルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真
フイルム(株)製)に、実施例1と同様にして、厚さ
2.5μmのハードコート層を形成した。その上に、防
眩性層用塗布液AのMPSMAを全てDDHAに置き換
え、防眩層の塗工後の乾燥条件を実施例1の2倍の風量
の乾燥風を送った以外は、実施例1と同様にして、防眩
層、低屈折率層を順次塗工した。
ついて、以下の項目の評価を行った。 (1)鏡面反射率及び色味 分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプタ
ーARV−474を装着して、380〜780nmの波
長領域において、入射角5度における出射角−5度の鏡
面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を
算出し、反射防止性を評価した。TD方向あるいはMD
方向に10cm離れた任意の2つの場所でサンプリング
し、上記の5度入射における鏡面反射率の450nmか
ら650nmまでの波長領域での平均値の差を測定し
た。さらに、測定された反射スペクトルから、CIE標
準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味を表
わすCIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*
値、b*値を算出し、反射光の色味を評価した。 (2)色ムラ TD方向あるいはMD方向に10cm離れた任意の2つ
の場所で測定された波長380nmから780nmの領
域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する
正反射光の色味ムラ(CIE1976L*a*b*色空
間のΔEab*値)を上記(1)の方法で算出したそれ
ぞれのL*、a*、b*の差であるΔL*、Δa*、Δ
b*を下記数式(II)に代入して算出した。
ーILV−471を装着して、380〜780nmの波
長領域において、入射角5度における積分反射率を測定
し、450〜650nmの平均反射率を算出した。 (4)ヘイズ 得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL
1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定
した。 (5)接触角測定 表面の耐汚染性(指紋付着性)の指標として、光学材料
を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、水
に対する接触角を測定した。
擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿し
た後、HEIDON−14動摩擦測定機により5mmφ
ステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/min
にて測定した値を用いた。 (7)防眩性評価 作成した防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光
灯(8000cd/m2)を映し、その反射像のボケの
程度を以下の基準で評価した。 蛍光灯の輪郭が全くわからない :◎ 蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○ 蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる :△ 蛍光灯がほとんどぼけない :×
示す。実施例1、2、3とも防眩性、反射防止性のムラ
が目視にて認識できず、且つ防眩性、反射防止性に優
れ、且つ色味が弱く、また指紋付着性、動摩擦係数のよ
うな膜物性を反映する評価の結果も良好であった。比較
例1のフィルムは、低屈折率層の膜厚ムラが大きいため
に、鏡面反射率平均値、鏡面反射率の2点間の差の平均
値、積分反射率の平均値、積分反射の2点間の差の平均
値、色味のTD方向あるいはMD方向に10cm離れた
任意の2つの場所における色味ムラ等が大きく、反射光
のムラが目視にて認識され、ディスプレイ表面用途のフ
ィルムとして好ましくないものであった。また、防眩層
の屈折率が低いため、反射防止性も不十分であった。
反射防止偏光板を作成した。この偏光板を用いて反射防
止層を最表層に配置した液晶表示装置を作成したとこ
ろ、反射率、色味、防眩性にムラがなく、均一な表面の
パネルが得られた。また、外光の映り込みがないために
優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目
立たず優れた視認性を有し、指紋付、耐傷性も良好であ
った。
持体上に防眩性層と低屈折率層を形成するだけで、簡便
かつ安価に製造され、しかもしかもフィルム面内のムラ
が目視で認識されにくく、均一性、視認性、防汚性等に
優れる。さらに本発明の偏光板および液晶表示装置は、
外光の映り込みが十分に防止されているため優れたコン
トラストが得られ、しかも防汚性に優れている。
模式図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 〔1〕透明基材上に、防眩層と少なくと
も1層の低屈折率層とがこの順序で設けられており、か
つ〔2〕TD方向あるいはMD方向に10cm離れた任
意の2つの場所で測定された5度入射における鏡面反射
率の450nmから650nmまでの波長領域での平均
値の差が、0.3%未満である、ことを特徴とする防眩
性反射防止フィルム。 - 【請求項2】 TD方向あるいはMD方向に10cm離
れた任意の2つの場所で測定された5度入射における積
分反射率の450nmから650nmまでの波長領域で
の平均値の差が、0.3%未満であることを特徴とする
請求項1に記載の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項3】 TD方向あるいはMD方向に10cm離
れた任意の2つの場所で測定された波長380nmから
780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度
入射光に対する正反射光の色味ムラが、CIE1976
L*a*b*色空間のΔEab*値で2未満であること
を特徴とする請求項1または2に記載の防眩性反射防止
フィルム。 - 【請求項4】 TD方向あるいはMD方向に10cm離
れた任意の2つの場所で測定されたヘイズ値の差が3%
未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項5】 波長380nmから780nmの領域に
おけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反
射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のL
*、a*、b*値がそれぞれL*≦10、0≦a*≦
2、−5≦b*≦2を満たす色味であることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれかに記載の防眩性反射防止フィ
ルム。 - 【請求項6】 5度入射における鏡面反射率の450n
mから650nmまでの波長領域での平均値が1.2%
以下であり、かつ5度入射における積分反射率の450
nmから650nmまでの波長領域での平均値が2.5
%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
に記載の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項7】 低屈折率層が、熱硬化型または電離放射
線硬化型の含フッ素樹脂の硬化物からなり、該低屈折率
層の動摩擦係数が0.03〜0.15の範囲にあり、そ
して該低屈折率層の水に対する接触角が90〜120度
の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
に記載の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項8】 熱硬化型または電離放射線硬化型の含フ
ッ素樹脂の硬化物に、実質的にヘイズの上昇を起こさな
い粒径の無機酸化物微粒子が分散していることを特徴と
する請求項7に記載の防眩性反射防止フィルム。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の防眩性
反射防止フィルムを偏光板における偏光層の2枚の保護
フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴と
する偏光板。 - 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の防眩
性反射防止フィルムまたは請求項8に記載の防眩性反射
防止性偏光板の反射防止層をディスプレイの最表層に用
いたことを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2000089181A JP2001281406A (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 防眩性反射防止フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009229391A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Toppan Printing Co Ltd | 防眩フィルムのムラ測定方法、防眩フィルムのムラ測定方法 |
CN104884984A (zh) * | 2012-12-26 | 2015-09-02 | 东友精细化工有限公司 | 扩散膜及具备该扩散膜的偏光板 |
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-
2000
- 2000-03-28 JP JP2000089181A patent/JP2001281406A/ja active Pending
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