JP2008111695A - 外観検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カエリの大きさを定量的に把握するとともに、効率的に外観検査を実施することが可能な外観検査方法を提供する。
【解決手段】外観検査方法は、基板Pの貫通部を検査する外観検査方法であって、貫通部に光を照射し、基板Pに対して垂直の方向から貫通部の画像を取得する画像取得工程と、画像から貫通部の輪郭の座標を複数測定し、第1座標群とする第1座標群測定工程と、第1座標群から第1近似曲線16を演算する第1近似曲線演算工程と、貫通部の輪郭の座標のうち、第1近似曲線16から所定の距離以内の座標を複数測定し、第2座標群とする第2座標群測定工程と、第2座標群から第2近似曲線17を演算する第2近似曲線演算工程と、第2近似曲線17と、貫通部の画像とを比較して、欠陥を検出する欠陥検出工程とを、備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、外観検査方法に関する。
従来、貫通部を有する基板として、液滴を吐出するインクジェット式の液滴吐出ヘッドが知られている。この液滴吐出ヘッドは、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであって、液状材料を液滴として吐出するための貫通部(ノズル)を有するノズルプレートや、液状材料を溜めておくキャビティプレート、液状材料を供給するためのサプライプレートなどを供えている。そして、このサプライプレートには、液状材料を導入するための貫通部としての導入口や、液状材料を供給するための供給口、ノズルプレートに連通して液状材料を導入する連通口などを供えている。
しかしながら、この液滴吐出ヘッドを構成する部品の一つであるサプライプレートは、導入口、供給口、連通口の3種類の孔(貫通部)にカエリと称する金属性のバリが付着していることがあった。また、カエリの評価方法は人手による目視検査方法であったため、その大きさを定量的に把握することが困難であった。しかも、サプライプレートには、これらの孔が多く形成されていることから、人手による目視検査方法では多くの時間が必要になり、手間もかかっていた。そこで、カエリの大きさを定量的に把握するとともに、効率的に検査をする検査方法が必要であった。このカエリには、孔の角部から穴の内部に向けて発生する横カエリと、孔の角部から基板の厚さ方向に向けて発生する縦カエリとに分類される。ここで、横カエリが孔の角部にあると、液状材料の流動性を阻害する要因になることがあり、液状材料を導入口、供給口、連通口などの孔に正常に導くことができなくなってしまう。そして、液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の量にばらつきが発生してしまうことになり、印字品質の低下を生じさせてしまうことがあった。一方、縦カエリが孔の角部にあると、ノズルプレート、サプライプレート、キャビティプレートなどを積層させて液滴吐出ヘッドを構成するときに、各プレート間に空隙が生じてしまうことになる。各プレート間に空隙が生じると、液滴がその空隙から漏れてしまうことがあり、液滴吐出ヘッドとしては好ましい状態とはいえない。
本発明の目的は、カエリの大きさを定量的に把握するとともに、効率的に外観検査を実施することが可能な外観検査方法を提供することである。
本発明の外観検査方法は、基板の貫通部を検査する外観検査方法であって、前記貫通部に光を照射し、前記基板に対して垂直の方向から前記貫通部の画像を取得する画像取得工程と、前記画像から前記貫通部の輪郭の座標を複数測定し、第1座標群とする第1座標群測定工程と、前記第1座標群から第1近似曲線を演算する第1近似曲線演算工程と、前記貫通部の輪郭の座標のうち、前記第1近似曲線から所定の距離以内の座標を複数測定し、第2座標群とする第2座標群測定工程と、前記第2座標群から第2近似曲線を演算する第2近似曲線演算工程と、前記第2近似曲線と、前記貫通部の画像とを比較して、欠陥を検出する欠陥検出工程とを、備えていることを特徴とする。
この発明によれば、第2近似曲線と、画像とを、比較することで、欠陥の大きさを定量的に把握することができる。しかも、素早く結果を得ることができるから、効率的である。
本発明の外観検査方法は、前記光は、落射照明及び/または透過照明で照射されることが望ましい。
この発明によれば、落射照明と透過照明とを使用することで、より簡単に画像を取得することができる。しかも、同時に落射照明と、透過照明とを照射することで、欠陥の大きさをより明確に表現することができるから、欠陥の大きさをより精度よく把握することができる。
本発明の外観検査方法は、前記光の光源は、白色LEDであることが望ましい。
この発明によれば、光が白色LEDであるから、被測定対象物の材料が金属材料であれば、光の反射光量が非金属材料に比べて高いので、検出しやすい。しかも、白色LEDなので、寿命が長く、検査の安定化を図ることが可能であるとともに、メンテナンスが容易になり、省電力化を実現できる。
本発明の外観検査方法は、前記第1座標群及び前記第2座標群の座標の数は、それぞれ、少なくとも4つ以上であることが望ましい。
この発明によれば、座標を4つ以上検出すれば、第2近似曲線からなる近似円を形成することができる。
本発明の外観検査方法は、前記第1近似曲線及び前記第2近似曲線は、円であることが望ましい。
この発明によれば、1近似曲線及び第2近似曲線が、第1の円及び第2の円を生成することができるから、三角形や四角形などを含む多角形の形状ではないので、欠陥の大きさを定量的に把握することができる。しかも、より素早く結果を得ることができるので、より効率的である。
本発明の外観検査方法は、前記第1近似曲線演算工程と、前記第2近似曲線演算工程とを、繰り返し実行することが望ましい。
この発明によれば、第1近似曲線演算工程と、第2近似曲線演算工程とを、繰り返して実行することで、演算精度をより向上させることができるから、高精度な測定をすることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について添付図面に沿って詳細に説明する。
(実施形態)
本実施形態における外観検査方法を説明する前に、本実施形態で用いられる外観検査装置について説明する。この外観検査装置は、基板に形成された貫通部の角部の外観(特に、カエリと称する欠陥)を定量的に評価することが可能な検査装置である。
図1は、外観検査装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、外観検査装置100は、電源BOX101と、走査駆動部102と、画像取得部103と、段差測定部104と、表示部105と、入力部106と、制御部110とで、概略構成されている。走査駆動部102は、グランドステージGS上に載置された第1位置制御部としてのXステージ51と、第2位置制御部としてのYステージ52とで、構成されている。また、外観検査装置100は、制御部110を備えており、制御部110には、演算部114と、記録部115とを、備えている。そして、外観検査装置100は、外部から供給された電力を電源BOX101に導入することによって作動するように構成されている。
第1位置制御部としてのXステージ51は、基板を固定するための平面を有しており、吸引力を用いて基板の位置を固定する機能も有する。ここで、基板はサプライプレートPであり、その形状は矩形状である。
第1位置制御部としてのXステージ51は、制御部110からの信号に応じて、グランドステージGS上でX軸方向に移動する機能を有している。ここで、X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向の双方と直交する方向である。なお、第1位置制御部としてのXステージ51には、移動用モータ(図示省略)が付属しており、X軸方向へ移動するように構成されている。
第2位置制御部としてのYステージ52は、グランドステージGSから所定の高さの位置に固定されている。この第2位置制御部としてのYステージ52は、制御部110からの信号に応じて、Y軸方向に移動する機能を有している。ここで、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。なお、第2位置制御部としてのYステージ52には、移動用モータ(図示省略)が付属しており、Y軸方向へ移動するように構成されている。
上記のような機能を有する第1位置制御部としてのXステージ51の構成と第2位置制御部としてのYステージ52の構成とは、リニアモータやサーボモータを利用した公知のXYロボットを用いて実現できる。このため、ここでは、それらの詳細な構成の説明を省略する。
そして、第1位置制御部としてのXステージ51及び第2位置制御部としてのYステージ52の移動結果、サプライプレートPに対する画像取得部103の相対位置及びサプライプレートPに対する段差測定部104の相対位置が変わる。より具体的には、これらの動作によって、画像取得部103、または段差測定部104は、サプライプレートPに対して、Z軸方向に所定の距離を保ちながら、X軸方向及びY軸方向に相対的に移動する。
ここで、本実施形態では、X軸方向が「第1走査方向」である。「第1走査方向」と略直交するY軸方向が「第2走査方向」である。
画像取得部103は、光を照射する同軸落射照明部32(図3参照)と、透過照明部33(図3参照)と、画像認識可能なカメラ31などで構成されている。同軸落射照明部32は、サプライプレートPの上側から光を照射することができ、透過照明部33は、サプライプレートPの下側から光を照射することができる。画像取得部103は、支持部141によって支持されており、サプライプレートPから所定の高さの位置に固定されていて、図3に示すサプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の角部Kに有するカエリ21aの大きさを測定して画像データを取得することができる。カメラ31は、取得された画像データを演算部114へ送信できる。そして、演算部114で画像データの大きさを算出することができるように構成されている。そして、例えばカエリ21aの大きさを予め決めておいた画像データの閾値(例えば10μm)と比較し、演算することができる。なお、同軸落射照明部32及び透過照明部33から照射される光は白色光であり、ここでは白色LEDを採用した。
段差測定部104は、端子41を備えている。段差測定部104は、支持部141によって支持されており、グランドステージGSから所定の高さの位置に固定されている。図3に示すサプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の角部Kに有するカエリ21aの段差を測定し段差データを取得することができる。段差測定部104は、取得された段差データを演算部114へ送信できる。そして、演算部114で段差の大きさを算出することができるように構成されている。そして、例えば予め決めておいた段差データを閾値(例えば10μm)と比較し、演算することができる。なお、段差測定部104は、段差測定可能な接触式の変位計である。なお、段差測定部104における加重の設定値は30g以内とした。
段差測定部104に接続されたアンプ116は、測定結果で得られた電圧値を増幅することができ、この電圧値を増幅することによって測定精度の向上に寄与することができる。そして、アンプ116で増幅された電圧値を制御部110へ送信するように構成されている。
次に、外観検査装置を制御している制御部について説明する。この制御部は、外観検査装置を駆動させて貫通部の角部の画像処理や、その段差の測定及び良否判定ができるように構成されており、外観検査装置を制御している。
図2は、外観検査装置の制御部を示すブロック図である。
図2に示すように、外観検査装置100は、走査駆動部102と、画像取得部103と、段差測定部104と、表示部105と、入力部106と、制御部110とを、備えている。
制御部110は、画像処理部111と、CPU112と、RAM113と、演算部114と、記録部115とで、構成されている。また、演算部114は、画像取得部103で取得した画像データを算出することが可能な第1演算部114aと、段差測定部104で取得した段差データを算出することが可能な第2演算部114bとで、構成されている。そして、記録部115は、画像データを記録することが可能な第1記録部115aと、段差データを記録することが可能な第2記録部115bとで、構成されている。
走査駆動部102は、第1位置制御部としてのXステージ51と、第2位置制御部としてのYステージ52とを、備えている。走査駆動部102は、図示しないバスによって第1位置制御部としてのXステージ51と、第2位置制御部としてのYステージ52とが、相互に通信可能に接続されている。
画像取得部103は、カメラ31を備えており、画像取得部103は、図示しないバスによって、カメラ31と、画像処理部111とが、相互に通信可能に接続されている。
段差測定部104は、端子41を備えており、段差測定可能な接触式の変位計である。段差測定部104は、第2演算部114bと、第2記録部115bとに、通信可能に接続されている。そして、制御部110は、段差測定部104が取得した段差データを第2演算部114bに供給するとともに、第2記録部115bに記録させることができる。さらに、制御部110は、段差測定部104が取得した段差データと、予め決めておいた閾値とを、第2演算部114bで比較演算させて、その結果を判定することができる機能を有している。
表示部105は、画像処理部111で処理した画像データや、段差測定部104で測定した段差データを表示できるとともに、制御部110が判定した判定結果を表示することができる。
入力部106は、カエリ21aの大きさの閾値について、その条件を制御部110に入力することができるとともに、その値を変更することもできる。制御部110は、これらの条件を記憶装置としてのRAM113に格納することができる。
画像処理部111は、画像認識可能なカメラ31と通信可能に接続されている。画像処理部111は、第1演算部114aと、第1記録部115aとに、通信可能に接続されている。そして、制御部110は、画像取得部103が取得した画像データを画像処理部111から第1演算部114aに供給するとともに、第1記録部115aに記録させることができる。さらに、制御部110は、画像取得部103が取得した画像データと、予め決めておいた閾値とを、第1演算部114aで比較演算させて、その結果を判定することができる機能を有している。
制御部110は、画像処理部111と、CPU112と、RAM113と、外部インターフェース部(図示省略)と、それらを相互に通信可能に接続するバス(図示省略)とを、含んだコンピュータである。したがって、制御部110の上記機能は、RAM113に格納されたソフトウェアプログラムがCPU112によって実行されることで実現される。もちろん、制御部110は、専用の回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
上記構成を有する外観検査装置100は、入力されたデータに応じて、図1に示すように、サプライプレートPに対して画像取得部103と、段差測定部104とを、相対移動させるとともに、サプライプレートPに形成された貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の角部K(図3参照)に有するカエリ21aの大きさを測定し、良否判定をする機能を有している。
次に、貫通部の画像を取得する取得方法について説明する。
図3は、貫通部の画像の取得方法を説明するための概略説明図である。
図3に示すように、サプライプレートPに有する貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の角部Kに対して画像取得部103(図1参照)の中に内蔵されている光源から光を照射することで角部Kの画像を取得することができる。そして、角部Kの画像を取得すると同時に、角部Kに付着しているカエリ21aの画像データをも取得することができる。また、同軸落射照明部32からの落射照明光と、透過照明部33からの透過照明光とを、同時に貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)に照射させることで、照射光量を増やすことができる。照射光量が増えることによって、角部Kに有するカエリ21aの大きさの画像データをより明確に取得することができる。もちろん、同軸落射照明部32、透過照明部33のいずれかから照射される光を用いることでカエリ21aの画像データが得られれば、それでもかまわない。
次に、貫通部の大きさを演算する演算方法について説明する。
図4は、貫通部の大きさを演算する演算方法を説明するための概略説明図である。
図4に示すように、角部Kに欠陥としてのカエリ21aが付着している。そして、この角部Kに複数の測定点Qが配置されている。これら測定点Qは360度を6度間隔に分割して60箇所ある。なお、この測定点Qの数は60箇所にこだわることはなく、60箇所よりも数を少なくしてもよいし、多くしてもよい。例えば数を少なくすれば、測定時間が短縮できるので、効率的になり、数を多くすれば、測定精度の向上を期待することができるので、より精度の高い測定ができる。
次に、これら60箇所の測定点Qの座標を連続的に接続すると、第1近似曲線16が形成される。その結果、第1近似曲線16からなる第1の円C1を形成することができる。この第1の円C1は、X方向の座標がX1で、Y方向の座標がY1である中心O1と、半径R1とで、形成される。
次に、予め決めておいた設定値以上になったところの測定点Qの座標を除いて残った測定点Qの座標を連続的に接続すると、第2近似曲線17が形成される。その結果、第2近似曲線17からなる第2の円C2を形成することができる。この第2の円C2は、X方向の座標がX2、Y方向の座標がY2である中心O2と、半径R2とで、形成される。また、第1近似曲線16及び第2近似曲線17を求める作業を繰り返し実施することで、より精度の高い値(例えば第1の円C1の座標、半径R1、第2の円C2の座標、半径R2)を得ることができる。そして、貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の大きさをより精度よく求めることができる。
次に、第2の円C2の大きさと、取得された元画像とを、比較することによって、カエリ21aの大きさを求めることができる。
次に、本発明の外観検査方法について、より具体的に説明する。
図5は、外観検査方法の手順を説明するためのフローチャートである。図6及び図7は、貫通部及びカエリの大きさを求めるための概略説明図であり、図6(a)〜(d)及び図7(e)〜(h)は、概略平面図である。
図5のステップS1では、図6(a)に示すように、画像としての元画像15を取得する。なお、元画像15を取得する方法としては、図1に示す外観検査装置100の第1位置制御部としてのXステージ51をX軸方向に移動し、第2位置制御部としてのYステージ52をY軸方向に移動して、画像認識可能なカメラ31で撮像した画像を表示部105に表示することでできる。図3に示す落射照明と、透過照明とを、サプライプレートPに照射させて、この元画像15を外観検査装置100に取り込んで取得することができる。ここで、この元画像15において、貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の角部Kにカエリ21aが付着している。このカエリ21aは金属であるので、光を反射しやすい。角部Kに付着しているカエリ21aに光が照射されて、照射された光が反射して、その反射光が、カメラ31にて撮像される。
次に、図5のステップS2では、図6(b)に示すように、元画像15(図6(a)参照)を設定値で2値化処理を行う。元画像15は、0〜255の256階調(カメラの種類によっては階調の多いものもある)で濃淡を表現している。ここで、2値化処理とは、元画像15を2つに区分することであって、例えば階調100で2値化処理した場合、0〜99階調のものは0(黒)、100〜255階調のものは1(白)にする処理である。その結果、元画像15は0(黒)と、1(白)との、2階調になる。
次に、図5のステップS3では、図6(c)に示すように、角部Kの座標を測定する。角部Kの座標の検出方法は、ステップS2の画像をブロッブ処理して、暫定の中心から外方向に向かって階調が255から0になるところを測定点Qとして検出する。ここでは、360度を6度間隔毎に分割して測定点Qを求める。そして、求められた60箇所の測定点Qの座標を測定する。ここで、ブロッブ処理とは、白黒画像の中から、白または黒の塊を抽出する処理のことであって、この場合は、白い塊(穴)を探して、その中心座標を求める。
次に、図5のステップS4では、図6(d)に示すように、第1近似曲線16を演算する。この第1近似曲線16を演算する方法は、ステップS3で求めた60箇所の測定点Qの座標から、近似円を算出することでできる。そして、中心O1の座標(X方向の座標がX1、Y方向の座標がY1)と、半径R1とを、求め、第1の円C1を形成する。このとき、角部Kに付着したカエリ21aの影響によって、その中心位置や、半径が変化することがある。
次に、図5のステップS5では、図7(e)に示すように、第2近似曲線17を演算する。この第2近似曲線17を演算する方法は、ステップS3で求めた60箇所の測定点Qの座標から、エラーとなる測定点Qを除いて、再度、近似円を算出することでできる。ここで、エラーとなる測定点Qとは、予め決めておいた設定値に対して、測定点Qの座標がはずれている箇所のことである。そして、中心O2の座標(X方向の座標がX2、Y方向の座標がY2)と、半径R2とを、求め、第2の円C2を形成する。この方法を採用すれば、簡単に近似円を求めることができる。
次に、図5のステップS6では、図7(f)に示すように、マスク作成1をする。このマスク1作成方法は、ステップS5で求めた中心座標O2と、半径R2とを用いて別の画像領域にて第2の円C2を描画することでできる。
次に、図5のステップS7では、図7(g)に示すように、マスク作成2をする。このマスク2作成方法は、ステップS6で描画された画像を反転処理することでできる。
次に、図5のステップS8では、図7(h)に示すように、欠陥検出をする。この欠陥検出方法は、ステップS2で2値化処理された画像と、ステップS7で得られたマスク2画像とを、ORすることで、欠陥だけが黒く残る。黒く残った欠陥がカエリ21aである。このカエリ21aをブロッブ処理することによって、面積、幅、高さを計測して、その良否を判定する。なお、ステップS8で得られた画像は、ステップS2で2値化処理された画像と、ステップS6のマスク1画像との排他的論理和でも同様の結果を得ることができる。
次に、液滴吐出装置に搭載される液滴吐出ヘッドの構成について説明する。
図8は、液滴吐出ヘッドの主要部を部分的に示す図であり、同図(a)は、概略斜視図であり、同図(b)は、概略断面図である。
図8(a)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、第2基板としてのノズルプレート59と、これに対向する振動板61と、これらを互いに接合する第1基板としての仕切り部材62とを有する。このノズルプレート59と振動板61との間には、仕切り部材62によって複数の圧力室としての材料室63と液溜り64とが形成される。これらの材料室63と液溜り64とは通路68を介して互いに連通している。
振動板61には材料供給孔66が形成されている。この材料供給孔66には材料供給装置67が接続される。この材料供給装置67は、材料Nを材料供給孔66へ供給する。このように供給された材料Nは、液溜り64に充満し、さらに通路68を通って材料室63に充満する。
図8(b)に示すように、ノズルプレート59には、材料室63から材料Nを液滴として吐出するためのノズル21が設けられている。また、振動板61の材料室63に臨む面の裏面には、この材料室63に対応させて材料加圧体69が取り付けられている。この材料加圧体69は、圧電素子71並びにこれを挟持する一対の電極72a及び72bを有する。圧電素子71は、電極72a及び72bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより材料室63の容積が増大する。すると、増大した容積分に相当する材料Nが液溜り64から通路68を通って材料室63へ流入する。
その後、圧電素子71への通電を解除すると、この圧電素子71と振動板61とはともに元の形状に戻り、これにより、材料室63も元の容積に戻るため、材料室63の内部にある材料Nの圧力が上昇し、ノズル21から材料Nが液滴Lとなって吐出される。なお、ノズル21の周辺部には、液滴Lの飛行曲りや、ノズル21の孔詰まりなどを防止するために、例えば、Ni−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥材料層73が設けられていてもよい。
なお、液滴吐出ヘッド20は、本発明の外観検査方法によって検査がなされているノズル21を備えているから、液滴吐出ヘッド20は、液滴Lを吐出するときの吐出特性を向上することが可能である。
次に、液滴吐出装置の構成について説明する。
図9は、液滴吐出装置1000の斜視図である。図9において、X方向はベース1010の左右方向であり、Y方向は前後方向であり、Z方向は上下方向である。液滴吐出装置1000は、液滴吐出ヘッド20と、基板Wとを、載置するテーブル1030を主として構成されている。なお、液滴吐出装置1000の動作は、制御装置1100により制御されるように構成されている。
基板Wを載置するテーブル1030は、第1移動手段1020によりY方向に移動及び位置決め可能とされ、モータ1040によりθz方向に揺動及び位置決め可能とされている。一方、液滴吐出ヘッド20は、第2移動手段によりX方向に移動及び位置決め可能とされ、リニアモータ1080によりZ方向に移動及び位置決め可能とされている。また液滴吐出ヘッド20は、モータ1050、1060、1070により、それぞれα,β,γ方向に揺動及び位置決め可能とされている。これにより、液滴吐出装置1000は、液滴吐出ヘッド20のインク吐出面520Pと、テーブル1030上の基板Wとの相対的な位置及び姿勢を、正確にコントロールすることができるように構成されている。
キャッピングユニット560は、液滴吐出ヘッド20におけるインク吐出面520Pの乾燥を防止するため、液滴吐出装置1000の待機時にインク吐出面520Pをキャッピングするものである。また、クリーニングユニット580は、液滴吐出ヘッド20におけるノズルの目詰まりを取り除くため、ノズルの内部を吸引するものである。なおクリーニングユニット580は、液滴吐出ヘッド20におけるインク吐出面520Pの汚れを取り除くことができるため、インク吐出面520Pのワイピングを行うことも可能である。
液滴吐出装置1000は、本発明の外観検査方法によって検査がなされているノズル21を有する液滴吐出ヘッド20を搭載しており、液滴吐出ヘッド20が高精度に形成されているので、高精度な描画を実現することができる。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の第2近似曲線と、貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の画像とを、比較することで、欠陥の大きさを定量的に把握することができる。しかも、素早く結果を得ることができるから、効率的である。
(2)落射照明と透過照明とを使用することで、より簡単に画像を取得することができる。しかも、落射照明と、透過照明とを同時に照射することで、欠陥の大きさをより明確に表現することができるから、欠陥の大きさをより精度よく把握することができる。
(3)光が白色LEDであるから、被測定対象物の材料が金属材料であれば、非金属材料に比べて光の反射光量が高いので、検出しやすい。しかも、白色LEDなので、寿命が長く、検査の安定化を図ることが可能であるとともに、メンテナンスが容易になり、省電力化を実現できる。
(4)貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)の角部の座標を4つ以上検出すれば、第2近似曲線からなる近似円を形成することができる。
(5)第1近似曲線16及び第2近似曲線17が、第1の円C1及び第2の円C2を生成することができるから、三角形や四角形などを含む多角形の形状ではないので、欠陥としてのカエリ21aの大きさを定量的に把握することができる。しかも、より素早く結果を得ることができるので、より効率的である。
(6)第1近似曲線演算工程と、第2近似曲線演算工程とを、繰り返して実行することで、演算精度をより向上させることができるから、高精度な測定をすることができる。
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造及び形状に設定できる。
(変形例1)
上記実施形態では、サプライプレートPに有する貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)を測定の対象にしたが、これに限らない。例えば一般部品(製品を含む)の孔を測定の対象にしてもよい。このようにすれば、上記実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる上に、高精度な部品(製品を含む)を提供することができる。
(変形例2)
上記実施形態では、サプライプレートPに有する貫通部としての連通口11(供給口12、導入口13)を測定の対象にしたが、これに限らない。例えば一般部品(製品を含む)の外形を測定の対象にしてもよい。このようにすれば、上記実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる上に、高精度な部品(製品を含む)を提供することができる。
(変形例3)
上記実施形態では、円(孔、または外形)の形状を測定の対象にしたが、これに限らない。例えば楕円(孔、または外形)の形状を測定の対象にしてもよい。このようにすれば、上記実施形態で得られた効果と同様の効果が得られる上に、測定対象物の摘要範囲を拡大させることができる。
本実施形態の外観検査装置の構成を示す概略図。 外観検査装置の制御部を示すブロック図。 貫通部の画像の取得方法を説明するための概略説明図。 貫通部の大きさを演算する演算方法を説明するための概略説明図。 外観検査方法の手順を説明するためのフローチャート。 貫通部及びカエリの大きさを求めるための概略説明図であり、図(a)〜図(d)は、概略平面図。 貫通部及びカエリの大きさを求めるための概略説明図であり、図(e)〜図(h)は、概略平面図。 液滴吐出ヘッドの主要部を部分的に示す図であり、図(a)は、概略斜視図であり、図(b)は、概略断面図。 液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図。
符号の説明
11…貫通部としての連通口、12…貫通部としての供給口、13…貫通部としての導入口、15…画像としての元画像、16…第1近似曲線、17…第2近似曲線、20…液滴吐出ヘッド、21…ノズル、21a…カエリ、32…同軸落射照明部、33…透過照明部、100…外観検査装置、1000…液滴吐出装置、C1…第1の円、C2…第2の円、K…角部、P…基板としてのサプライプレート、Q…測定点。

Claims (6)

  1. 基板の貫通部を検査する外観検査方法であって、
    前記貫通部に光を照射し、前記基板に対して垂直の方向から前記貫通部の画像を取得する画像取得工程と、
    前記画像から前記貫通部の輪郭の座標を複数測定し、第1座標群とする第1座標群測定工程と、
    前記第1座標群から第1近似曲線を演算する第1近似曲線演算工程と、
    前記貫通部の輪郭の座標のうち、前記第1近似曲線から所定の距離以内の座標を複数測定し、第2座標群とする第2座標群測定工程と、
    前記第2座標群から第2近似曲線を演算する第2近似曲線演算工程と、
    前記第2近似曲線と、前記貫通部の画像とを比較して、欠陥を検出する欠陥検出工程とを、備えていることを特徴とする外観検査方法。
  2. 請求項1に記載の外観検査方法において、
    前記光は、落射照明及び/または透過照明で照射されることを特徴とする外観検査方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の外観検査方法において、
    前記光の光源は、白色LEDであることを特徴とする外観検査方法。
  4. 請求項1に記載の外観検査方法において、
    前記第1座標群及び前記第2座標群の座標の数は、それぞれ、少なくとも4つ以上であることを特徴とする外観検査方法。
  5. 請求項1に記載の外観検査方法において、
    前記第1近似曲線及び前記第2近似曲線は、円であることを特徴とする外観検査方法。
  6. 請求項1に記載の外観検査方法において、
    前記第1近似曲線演算工程と、前記第2近似曲線演算工程とを、繰り返し実行することを特徴とする外観検査方法。
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