JP2008111327A - 防水層構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】常温硬化ラジカル重合性樹脂の繊維強化防水構造において、ガラス繊維チョップドストランドマット補強強化防水構造と同程度の継ぎ状態を確保でき、ガラス繊維による作業環境の悪化がなく、耐久性のある防水層構造及び施工方法を得ること。また臭気、溶剤もなく、ひずみ抵抗性が高いこと。
【解決手段】常温硬化ラジカル重合性樹脂を主成分とする塗材と、ビニロンチョップドストランドと熱接着性繊維とを主構成材料とするマット状の繊維補強布とを、必須構成材料とする繊維強化防水層が形成されてなる防水構造とすることにより、浸透性、ローラー作業性も良好で、継ぎ部の段差もなく、ガラス繊維の飛散も解消することができた。また、低臭ラジカル重合性樹脂の使用で、環境問題も無くすことができた。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築分野で使用する防水材料、特にベランダ防水用途において、含浸、加工等の作業性に優れる防水層構造に関するものである。
防水用途として施工された繊維強化樹脂は、強度や表面硬度が高く強靭であり、耐久性、寸法安定性に優れた防水であるため、住宅ベランダ、屋上、駐車場等の床面ライニング工法として注目されている。このような防水施工は、不燃板、合板、ケイ酸カルシウム板、モルタル、コンクリート等の従来使用される防水下地に繊維強化樹脂層を形成し、その繊維強化樹脂層の上に、耐候性、平滑性、美観の向上や繊維強化樹脂層の保護を目的にトップコート樹脂層を設けることによって行われる。
ウレタンアクリレート樹脂と重合性不飽和単量体とからなる樹脂組成物をシート状に硬化して、JIS K−6301で規定する引張試験において0℃での引張伸率が20%以上であることを特徴とするフレキシブルシート、その製造方法、それを用いる防水防食材、それを用いることを特徴とする防水防食構造体が、熱硬化性樹脂を用いて低温条件下においても柔軟性に富み、かつ耐水性、耐薬品性にも優れる防水防食構造体であることが開示されている。(特許文献1)
現場において基材上にビニロン系チョップドストランドマットとプラスチックとからなるFRPをライニングすることを特徴とする現場施工FRPライニング工法が、ガラスマットのような飛散・拡散が生じないと共に、水密性、補強効果、耐アルカリ性、仕上がり性、加工性、作業性等に優れていることが開示されている。(特許文献2)
繊維長が25乃至150mmの捲縮のない開繊されたステープル繊維群と、複数本の繊維が収束状態で存在する捲縮のない未開繊ステープル繊維群とが20:70〜80:10の組成比で混在し、各繊維間が捲縮を有する接着性繊維により結合されており、かつ全繊維の少なくとも30重量%が捲縮のない繊維であつて、捲縮を有する接着性繊維が全構成繊維の2乃至50重量%であることを特徴とする非ガラス系の補強用シート材料が、浸透性も良く、また 強度に優れることが開示されている。(特許文献3)
ガラス繊維チョップドストランドマットは、ガラス繊維が飛散・拡散し易く、現場施工の作業者に健康上の悪影響を及ぼす恐れがあり、また飛散・拡散したガラスマットの後始末は容易なものでなかった。また、非ガラス繊維系マットでは、前記 ガラス繊維チョップドストランドマットにおいて生じる作業上、環境上の不具合は生じないものの、重ね合わせた場合、仕上げに凹凸を生じ、水溜まりが生じた。また、突き合わせで、処理した場合は、その突き合わせ部分で、強度が得られない不具合を生じていた。
一方、不飽和ポリエステル樹脂を含む一般的なラジカル硬化型樹脂組成物では、一般的に溶剤を用いる必要がないものの、樹脂に併用されている単量体が溶剤を兼ねており、その単量体に使用されているスチレンおよびメチルメタアクリレート等の揮発性の高い単量体は近年、揮発性、臭気などの問題から使用を規制する社会的な動きが高まってきており、低臭気、揮発性の少ないモノマーを使用したラジカル硬化型樹脂が開示されている。(特許文献4、5)
特開平10−217414号 特開2000−84482号 特開昭63−42952号 特開2003−268054号 特開2005−054068号
ラジカル重合性樹脂で形成されたFRP防水塗膜は強靭であるが、ひずみに対する抵抗性に劣るため、入隅・出隅部,下地材目地部などでひび割れが発生し易い等の問題があった。
解決しようとする課題点は、ガラス繊維による作業環境の悪化がなく、ガラス繊維補強強化防水構造と同程度の継ぎ状態を確保でき、ひずみに対する抵抗性に優れる防水層構造を得ることである。
請求項1の発明は、常温硬化ラジカル重合性樹脂を主成分とする塗材と、ビニロンチョップドストランドと熱接着性繊維とを主構成材料とするマット状の繊維補強布とを、必須構成材料とする繊維強化防水層が形成されてなることを特徴とする防水構造で、ガラス繊維の飛散がなく、ひずみに対する抵抗性に優れ、耐久性があり、ガラス繊維チョップドストランドマットと同様に、マット間の継ぎ目における凹凸が少ない。
請求項2の発明は、前記ラジカル重合性樹脂が、低臭性ラジカル重合性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の防水構造で、防水層からスチレン等の揮発性有機成分が放散することがない。
請求項3の発明は抗張積が50〜150N/mmであることを特徴とする請求項1または2記載の防水構造であり、ひずみに対する抵抗性に優れる。
請求項4の発明は、必要によりプライマーを塗布した後、下地基体に常温硬化ラジカル重合性樹脂を主成分とする塗材(以下、重合性樹脂塗材)を塗布し、次いでビニロンチョップドストランドと熱接着性繊維とを主構成材料とするマット状の繊維補強布を敷設し、さらに必要に応じて前記重合性樹脂塗材を塗布してなることを特徴とする防水構造の施工方法であって、漏れのない強靱な防水層を施工することができる。上記の施工後、防水層保護、耐久性、美観性を良好にするため、上塗り層(トップコート層)を設けても良い。
請求項5の発明は、前記ラジカル重合性樹脂が、低臭性ラジカル重合性樹脂であることを特徴とする請求項4記載の防水構造の施工方法であって、防水層からスチレン等の揮発性有機成分が放散することがない。
ビニロンチョップドストランドと熱接着性繊維とを主構成材料とするマットを、以下ビニロン繊維マットと略す。
本発明により、ベランダ防水において、補強布間の継ぎ状態がガラス繊維チョップドストランドマットと同程度となり、ガラス繊維の飛散・拡散がなく、現場施工の作業者に健康上の悪影響を及ぼさず、補強布の始末も容易なものとなる。また防水層構造は破断・ひび割れなどが発生せず、ひずみ抵抗性が高い。
本発明の防水構造は、不燃板、合板、ケイ酸カルシウム板、モルタル、コンクリート等の下地上に防水層を備えてなるもので、ガラス繊維チョップドストランドマットを使わず、これと同程度の仕上がり、強度が得られる。
繊維補強布は、突き合わせるだけであると、そこに弱点が生じるため、繊維補強布を30〜65mmの範囲で、重ね合わせる。しかし、重ね合わせることにより、この部分に膨らみが生じ、仕上がりが、悪くなり、液溜まりが生じるものとなる。これを回避するため、補強布の端部を解す、引きちぎる等して、繊維を等しく分布させる。
ビニロン繊維マット
本発明で使用するビニロン繊維マットでは、ビニロンチョップドストランドは特許文献3の複数本の繊維が収束状態で存在する捲縮のない未開繊ステープル繊維群であり、繊維同志の結合は熱融着性繊維による。熱融着性繊維は単一樹脂からなる繊維であっても良いし、融点の異なる2種類以上の樹脂成分からなる、サイドバイサイド型、芯鞘型などの複合型の熱融着性繊維であっても良い。加工温度を下げ、結合性を上げ、強度物性を維持するに複合型の熱融着性繊維が好ましい。また、ビニロン繊維との密着性、含浸される樹脂との密着性から接着性ポリエステル繊維が好ましい。熱融着性繊維のマット全体に占める比率は10〜20重量%が好ましい。10重量%以上であるとハンドリング性に優れ、作業時、人が載って作業ができ、また、ローラーによる扱きにより、繊維が脱離してローラーに巻き付き作業性を低下させない。20重量%以下であると樹脂の浸透性が阻害されず、熱融着加工時にマットの浸透、嵩密度のばらつきが小さく、マットのコストを引き上げることもない。
防水構造の強度はチョップドストランドの全体中の比率に依存し、収束本数、繊維径にも依存するが、チョップドストランドの比率は30〜70重量%が浸透性、強度が両立できる。また、マットの製造方法は、湿式、乾式があり、複数のウェブを重ねて、熱圧着し、目的の坪量、スペックを得る。施工時ローラーの扱きに適する方法としては、熱圧条件を上げる、表面に熱融着性繊維を多く分布させる、表面に樹脂を塗布する等がある。この様なビニロン繊維マットの製品として、日本バイリーン(株)のVM−110WL、VM−135WL、アイカ工業(株)のJR−200等がある。
常温硬化ラジカル重合性樹脂
常温硬化ラジカル重合性樹脂は不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂等のラジカル重合性樹脂をラジカル重合触媒と促進剤を組み合わせて用い常温で重合架橋硬化する樹脂を言う。塗材は樹脂に揺変性付与剤、充填剤、粘度調製剤等の塗材として機能させる添加剤が配合される。
不飽和ポリエステル樹脂は二重結合力価が300〜1800で、重合性単量体及び脂環式アミンを含有することが好ましい。二重結合力価が300以上であると、繊維強化樹脂層の耐疲労性を向上させ、下地への追従性が良好となる。また、二重結合力価が1800以下であると、防水層となる繊維強化樹脂層が強度、表面硬度に優れたものになる。
二重結合力価とは、重合性二重結合1mol当りの不飽和ポリエステル樹脂の質量(g)数であり、例えば、次の式により算出される(式1);(二重結合力価)=[(酸成分+グリコール成分)−縮合水]/不飽和酸のmol数…式1
なお、不飽和ポリエステル樹脂は不飽和アルキッド及び重合性単量体からなるものである。
低臭性ラジカル重合性樹脂
低臭性ラジカル重合性樹脂は、重合性不飽和基を有する樹脂とモノマーで構成され、重合性不飽和基を有する樹脂としては、例えばビニルエステルすなわちエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、用途により必要に応じ2種以上併用しても良い。モノマーは揮発性が低く、分子量180〜500が揮発性、臭気を抑える点で好ましい。具体的にはフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェニルカルビトールアクリレート等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、用途により必要に応じ2種以上併用しても良い。低臭性ラジカル重合性樹脂組成物の具体的な例としては、アイカ工業(株)のアイカジョリエースJE−2008(商品名)、大日本インキ化学工業(株)のポリライトHFR−370(商品名)、双和化学産業(株)のS−2NS、S−3NSなどがあげられる。
さらに、シックハウス症候群の一原因であるホルムアルデヒドの捕捉を目的として脂環式アミンを使用することができる。脂環式アミンとしては、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン等の1種乃至2種以上のものが使用に適している。また、本発明で使用する脂環式アミンには、既調合のものが樹脂組成物中で樹脂骨格や他の配合物と反応して形成されるアミン化合物も含む。ホルムアルデヒドの発散量を十分に抑止するには、常温硬化ラジカル重合性樹脂:脂環式アミンが100:0.01〜3.0(重量比)であるものが適しており、この配合によりホルムアルデヒド放散量が、1.8mg/L以下となり好ましい。
施工方法
具体的には、不燃板、合板、ケイ酸カルシウム板、モルタル、コンクリート等の下地基体上に、必要に応じてプライマーを施し、プライマーを施工した場合にはプライマー乾燥後、ビニロン繊維マットと重合性樹脂とを必須構成材料として繊維強化防水層を形成し、必要に応じてこの繊維強化防水層上にトップコート層を設ける。
さらに詳しくは、上記防水下地基体の処理工程において、その下地基体と繊維強化防水層との密着を良好にするため、汚れ、付着物、または、脆弱な表面層等を除去することが好ましく、例えば、ショットブラスト、サンドペーパー等により表面の不陸を調整・研掃して表面を清潔にする。さらに密着性を良好にするために、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル系、ビニルエステル樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタンアクリレート樹脂系のプライマーを0.1〜0.2kg/m塗布してもよい。
プライマー乾燥後、繊維強化防水層を敷設する。前記繊維強化防水層は、ビニロン繊維マットと、重合性樹脂とが複合された状態で形成されたものである。ビニロン繊維マットは、必要塗膜厚さ、含浸性等の要求品質に応じて、使用した合計目付量を60〜300g/mとすることが好ましい。
このビニロン繊維マットと複合して繊維強化防水層となるのに適した重合性樹脂塗材は、JIS K 6919:1992(プラスチックの引張試験方法)に準じて作製した注型品を40℃で24時間後硬化静置したものについて、JIS K 6251:1993(加硫ゴムの引張試験方法)に準じて測定した引張強度が10〜50MPa、引張破断伸び率が20〜120%のものが好ましい。引張強度が10MPa以上、或いは引張破断伸び率が120%以下であると防水構造として耐水性、表面硬度、耐久性などに優れ、引張強度が50MPa以下、或いは引張破断伸び率が20%以上であると、木質系下地材であっても追従し、クラックが発生することがない。
前記重合性樹脂塗材の粘度は、BM型回転粘度計(No.3またはNo.4、60rpm)を用いて測定した25℃における粘度が、0.15〜1.5Pa・sの範囲にあるものが好ましい。この粘度の範囲から外れた場合、下限未満となると塗布具による均一塗布が円滑に行えない他、防水下地に不陸がある場合、塗材の流出で樹脂が充填されていない部分が生じる。また、上限を超えると浸透性が悪い他、塗布具の操作に負荷が高く、作業性が悪くなる。
ビニロン繊維マットは、1〜3層として、重合性樹脂塗材の塗布量を1.0〜5.0kg/mとして、繊維強化防水層を形成することが好ましいが、必要塗膜厚さ、施工工期、耐衝撃性等の必要性能に応じて決められる。
なお、プライマー乾燥後、下地の寸法変化等の動きを緩和するために、軟質系樹脂を0.2〜2.0kg/m塗布することも可能である。前記軟質系樹脂としては、JIS A6021:2000(建築用塗膜防水材)に準じて測定した引張破断伸び率が30〜300%である不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂が使用に適している。この工程を行った時は、軟質系樹脂が硬化後、上記の繊維強化防水層の形成工程を行う。
また、繊維強化防水層を形成後、主にトップコート層の仕上がりをさらに向上させるために、繊維強化防水層に使用するのと同じ常温硬化ラジカル重合性樹脂塗材を0.2〜2.0kg/m塗布することも可能である。
繊維強化防水層を形成後、前記繊維強化防水層を保護し、耐久性、美観性を良好にするため、トップコート層を設けることが好ましい。トップコート層に用いる樹脂組成物としては、重合性樹脂塗材が不飽和ポリエステル樹脂の場合は同じ樹脂系塗材を用いるのがよい。具体的には、ジョリエースJE−2080(アイカ工業(株)製、商品名)などであり、塗布量は0.2〜0.6kg/mで形成することが好ましいが、乾燥時間、耐衝撃性等の必要性能に応じて選択する。
さらに、環境面から低臭性ラジカル重合性樹脂塗材や水系アクリル系樹脂塗材を用いることもできる。具体的には、前者としてジョリエースJE−2008(アイカ工業(株)製、商品名)、NP−202NSトップ(日豊化学産業(株)製、商品名)、後者としてジョリエースJA−180(アイカ工業(株)製、商品名)などがあげられる。
抗張積
防水構造の層としての引っ張り強さと伸びの積が抗張積であり、防水破壊を生じない指数とすることができ、ビニロン繊維マットを使うことにより50〜150N/mmを達成できる。ひずみに抗する応力が大きい前提では有効な指数で、カラス繊維強化によるものはビニロン繊維マット強化に比して小さく、ビニロン繊維マット強化は、ひずみに対する抵抗性が高い。
以下、実施例と比較例によって具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合板下地上に溶剤形ウレタン樹脂系プライマー(アイカ工業(株)製、JU−1270)0.2kg/m塗布、乾燥後、ジョリエースJE−2006(アイカ工業(株)製、不飽和ポリエステル樹脂、商品名)0.5kg/m塗布し、その上にビニロン繊維マットJR−200(アイカ工業(株)製、目付け量0.14kg/m、商品名)を敷いて、さらにJE−2006を1.0kg/m塗布し、繊維強化防水層を敷設した。繊維強化防水層が硬化後、さらにJE−2006を0.5kg/m塗布した。硬化後、トップコート層としてジョリエースJE−2080を0.4kg/m塗布した。なお、マット継ぎ合わせは端部をほぐして行った。ラップ幅は50mmとした。
実施例1のJE−2006の代わりにポリライトHFR−370を、またジョリエースJE−2080の代わりにジョリエースJA−180を使用した以外、同じに行い、実施例2とした。この方法は、スチレンや溶剤を使わず、環境性が高い方法であった。
比較例1
実施例1のビニロン繊維マットの代わりにJR−98KM(アイカ工業(株)、ガラス繊維チョップドストランドマット、目付け量0.45kg/m)とし、そのあとに塗布するジョリエースJE−2006を1.0kg/mから0.8kg/mにした以外実施例1と同じく行い、比較例1とした。
比較例2
実施例1のビニロン繊維マットの代わりにフレキープS(三井化学産資(株)、アクリル繊維不織布、目付け量0.10kg/m)とし、そのあとに塗布するジョリエースJE−2006を1.0kg/mから0.6kg/mにした以外実施例1と同じく行い、比較例2とした。
比較例3
実施例1のビニロン繊維マットの代わりにスパンボンド4131N(東洋紡績(株)、ポリエステル繊維不織布、目付け量0.13kg/m、商品名)とした以外実施例1と同じく行い比較例3とした。なお、ラップ部の端部のほぐしをすることができず、ほぐしなしでラップした。
比較例4
実施例2のビニロン繊維マットの代わりにJR−98(アイカ工業(株)、ガラスチョップドストランドマット、目付け量0.45kg/m)とし、そのあとに塗布するポリライトHFR−370(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)を1.0kg/mから0.8kg/mにした以外実施例2と同じく行い、比較例4とした。
比較例5
実施例2のビニロン繊維マットの代わりにフレキープS(三井化学産資(株)、アクリル繊維不織布、目付け量0.10kg/m、商品名)とし、そのあとに塗布するポリライトHFR−370を1.0kg/mから0.6kg/mにした以外実施例2と同じく行い、比較例5とした。
比較例6
実施例2のビニロン繊維マットの代わりにスパンボンド4131Nとした以外実施例1と同じく行い、比較例6とした。なお、ラップ部の端部のほぐしをすることができず、ほぐしなしでラップした。
比較例7
ラップ幅をなくし、突き合わせとした以外比較例3と同じに行い比較例7とした。結果は、継ぎ部以外は比較例3と同じで、継ぎ部分の厚さは1.6mm、厚さ増加率は−3%であり、継ぎ目部の引張強さは15.4MPa伸び率26%、抗張積80N/mmとなった。
含浸性試験
23℃、相対湿度60%雰囲気下で含浸性試験を実施した。
下地として寸法150×150mmの板ガラスに対角線を引いたものを使用した。寸法100×100mmに切断したマット試験片を中央に敷いて、約20cmの高さから硬化剤なしの常温硬化ラジカル重合性樹脂を約20gを垂れ流した後、裏面(ガラス面)上の対角線が明確に目視で確認できるまでの時間を測定した。本評価結果については,下記の様に区分評価した。
○:15秒未満
△:15秒以上30秒未満
×:30秒以上
ラップ部仕上り性試験方法
1)試験片の作製
繊維マットのラップ幅が約50mmとなるように、寸法175×300mmに切り取ったものを各2枚用意して、内寸法約300×300×2mmの型枠に敷き詰め、重合性樹脂塗材を含浸し、硬化させた。寸法約175×300mmのラップ側端部は、繊維マットの端部目付量を少量化したもの(耳ほぐし処理)を用意した。
2)ラップ部厚さ測定
1)で作製した試験片のラップ部分と非ラップ部分の形成塗膜厚さをノギス(精度0.05mm)を用いて5箇所測定し、最大値及び最小値を除いた3箇所の平均値を形成塗膜厚さとして記録した。なお、ラップ厚さ増加率については次式によって算出した。
(ラップ厚さ増加率,%)=(Δt/t)×100
ここに、Δt:(ラップ部の塗膜厚さ)―(ラップ部以外の塗膜厚さ)[mm]
t:ラップ部以外の塗膜厚さ[mm]
本評価結果については、下記の様に区分評価した。
○:ラップ部厚さ増加率25%未満
△:ラップ部厚さ増加率25%以上60%未満
×:ラップ部厚さ増加率60%以上
引張強さ(N/mm)、伸び率(%)及び抗張積(N/mm)試験
I)引張強さ試験用試験体の作製
引張強さ試験用試験体は、JIS A6021に準じて実施例、比較例の条件(プライマーはなし)で作製し、ダンベル状2号試験片のものを使用し、それぞれ23±2℃、相対湿度60%で168時間静置を行ったものを試験した。
II)引張強さ試験
JIS A6021に準じて、万能試験機を用いて、I)で作製した試験体の引張強さ試験を行って、引張強さ、伸び率及び抗張積を算出した。
ひずみ抵抗性
I)曲げ強さ試験用試験体の作製
JIS A6021に準じて実施例、比較例の条件(プライマーはなし)で作製し、寸法約30×120×(各厚さ)mmの短冊状のものを作製し、それぞれ23±2℃、相対湿度60%で168時間静置を行ったものを試験体とした。
II)曲げ強さ試験
インストロン万能試験機を用いて、標点距離を30mmとした中央集中載荷法によってI)で作製した試験体の曲げ強さ試験を行い、ひずみ抵抗性を評価した。まず、曲げ荷重を載荷していき、最大応力となった降伏点時の変位を記録し、その際の試験体の防水層の状況として、下記のように区分評価した。
○:試験体に異常なし
△:試験体を貫通しない程度の若干の破断・ひび割れ有り
×:試験体を貫通する程の破断・ひび割れ有り
耐アルカリ性試験
JIS A6021に準じて、アルカリ劣化処理後の試験体について引張強さ試験を行って、引張強さ保持率、伸び率保持率を算出した。
本評価結果については,下記の様に区分評価した。但し、下位を優先する。
○:引張強さ保持率が80%以上かつ伸び保持率が100%以上の場合
△:引張強さ保持率が70%以上80%未満或いは伸び保持率が80%以上100%未満の場合
×:引張強さ保持率が70%未満或いは伸び保持率が80%未満の場合
施工環境性
ガラス繊維飛散のないものを○、ガラス繊維飛散のあるものを×とした。
総合評価
含浸性、ラップ部厚さ、耐アルカリ性、施工環境性の全て○のものを○とし、それ以外を×とした。
実施例1、2のビニロン繊維マット右側はほぐし 写真である。 比較例1、4のガラス繊維チョップドストランドマット右側はほぐし 写真である。 比較例2、5のアクリル繊維不織布マット右側はほぐし 写真である。 ビニロン繊維マット(2ウェブ)のほぐし例 写真である。

Claims (5)

  1. 常温硬化ラジカル重合性樹脂を主成分とする塗材と、ビニロンチョップドストランドと熱接着性繊維とを主構成材料とするマット状の繊維補強布とを、必須構成材料とする繊維強化防水層が形成されてなることを特徴とする防水構造。
  2. 前記ラジカル重合性樹脂が、低臭性ラジカル重合性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の防水構造。
  3. 抗張積が50〜150N/mmであることを特徴とする請求項1または2記載の防水構造。
  4. 必要によりプライマーを塗布した後、下地基体に常温硬化ラジカル重合性樹脂を主成分とする塗材を塗布し、次いでビニロンチョップドストランドと熱接着性繊維とを主構成材料とするマット状の繊維補強布を敷設し、さらに必要に応じて前記塗材を塗布してなることを特徴とする防水構造の施工方法。
  5. 前記ラジカル重合性樹脂が、低臭性ラジカル重合性樹脂であることを特徴とする請求項4記載の防水構造の施工方法。
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