JP2008110933A - 抗酸化組成物およびこれを含む製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】活性酸素による体内の脂質の酸化を抑制することができる抗酸化組成物およびこれを含む製品を提供する。
【解決手段】ルテインエステルとカシスエキスとを含む抗酸化組成物である。本発明の抗酸化組成物はラクトフェリンを含むことが好ましく、カシスエキス中のアントシアニンの総含有量が25質量%以上であることが好ましい。また、上記のいずれかの抗酸化組成物を含む食品および錠剤である。
【選択図】図1
【解決手段】ルテインエステルとカシスエキスとを含む抗酸化組成物である。本発明の抗酸化組成物はラクトフェリンを含むことが好ましく、カシスエキス中のアントシアニンの総含有量が25質量%以上であることが好ましい。また、上記のいずれかの抗酸化組成物を含む食品および錠剤である。
【選択図】図1
Description
本発明は抗酸化組成物およびこれを含む製品に関し、特に活性酸素による体内の脂質の酸化を抑制することができる抗酸化組成物およびこれを含む製品に関する。
従来から、活性酸素については世界各国において研究が行なわれており、この活性酸素が人間の健康に大きな影響を与えていることが判明している。人間は呼吸することによって空気中から体内に酸素を取り入れており、体内の細胞内でミトコンドリアが酸素の代謝によってエネルギを作り出すときに酸素の一部が還元されて活性酸素(スーパーオキシドアニオン)となる。活性酸素としては、酸素分子が1電子還元されたスーパーオキシドアニオン(・O2 -)の他に、スーパーオキシドアニオンから生成された過酸化水素(H2O2)、過酸化水素の反応によって生成されたヒドロキシラジカル(・OH-)、光などのエネルギが吸収されて生成した一重項酸素(1O2)がある。
活性酸素は体内の脂質と反応して過酸化脂質を生成し、過酸化脂質は人体に悪影響を及ぼす原因となる。また、過酸化脂質は体内の細胞の細胞膜を障害して細胞のタンパク質や核酸に損傷を与えることによってがん細胞を発生させ、また動脈硬化などの原因にもなる。また、皮膚には紫外線などが直接照射されるため活性酸素が生成しやすく、これにより過酸化脂質が生成されて皮膚のシミやソバカスなどの原因にもなる。
したがって、人間の健康維持の観点からは、活性酸素による体内の脂質の酸化を抑制する必要性は非常に大きいものと考えられる。
特開2003−26589号公報
特表2001−801798号公報
米国特許第5382714号明細書
米国特許第5648564号明細書
本発明の目的は、活性酸素による体内の脂質の酸化を抑制することができる抗酸化組成物およびこれを含む製品を提供することにある。
本発明は、ルテインエステルとカシスエキスとを含む抗酸化組成物である。
ここで、本発明の抗酸化組成物においては、ラクトフェリンを含むことが好ましい。
ここで、本発明の抗酸化組成物においては、ラクトフェリンを含むことが好ましい。
また、本発明の抗酸化組成物においては、カシスエキス中のアントシアニンの総含有量が25質量%以上であることが好ましい。
また、本発明は、上記のいずれかの抗酸化組成物を含む食品である。
さらに、本発明は、上記のいずれかの抗酸化組成物を含む錠剤である。
さらに、本発明は、上記のいずれかの抗酸化組成物を含む錠剤である。
本発明によれば、活性酸素による体内の脂質の酸化を抑制することができる(以下、「抗酸化作用」ということもある。)抗酸化組成物およびこれを含む食品や錠剤などの製品を提供することができる。また、本発明の抗酸化組成物およびこれを含む食品や錠剤などの製品は体内から活性酸素を除去する効果も有し得る。
また、本発明の効果としては、動脈硬化抑制作用、肝保護作用または抗炎症作用などが考えられる。さらに、本発明は、自律神経失調症、膀胱炎、腎孟炎、結石、生理痛、生理不順、冷え性、吹出物、湿疹、慢性皮膚病、水虫、蓄膿症、気管支炎、喘息、緑内障、白内障、口内炎、中耳炎、耳鳴り、前立腺肥大、甲状腺肥大、貧血、不眠症、メニエール病、頭痛、肩こり、高血圧、肝臓、腎臓、糖尿病、低血圧、動脈硬化、リュウマチ、神経痛、関節炎、椎間板ヘルニア、腰痛、ネフローゼ、脳卒中、胃弱、アレルギー体質(鼻炎、ジンマシン、アトピー性皮膚炎、小児喘息など)、痔、心臓病、更年期障害、各種婦人病、川崎病、ベーチェット病、胃がん、肺がん、腎臓がん、肝臓がん、大腸がん、肺炎、シミ、そばかす、シワまたは肌のトラブルなどの活性酸素が関与する疾患にも効果があるものと考えられる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
本発明の抗酸化組成物は、ルテインエステルとカシスエキスとを含んでいることを特徴としている。これは、本発明者が鋭意検討した結果、ルテインエステルとカシスエキスとを混合することによりルテインエステルとカシスエキスの相乗効果が発現して特に優れた抗酸化作用が発揮されることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
ここで、ルテインエステルはルテイン(C40H56O2)と脂肪酸とのエステルであり、ルテインエステルを構成する脂肪酸としては、たとえばパルミチン酸、ミリスチン酸、アラキドン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、リノレン酸、オレイン酸またはリノール酸などがある。これらの脂肪酸がルテインの2つの水酸基とエステル結合することによりルテインエステルが形成される。ルテインエステルはビタミンAの類縁体から合成することもできるが、本発明の抗酸化組成物を食品として口から体内に取り入れて吸収させ、体内における抗酸化作用を十分に発揮させるためにはたとえば天然物の抽出物のような天然由来のものであることが好ましい。また、ルテインエステルは、たとえば天然物であるホウレンソウ、ケール、キーウィ、卵黄、トウモロコシ、ブロッコリ、グリンピース、インゲンマメ、葉レタス、コラード、ロマインレタス、セロリ、芽キャベツ、ネギ、黄ピーマンまたはサケなどに含まれるがその含有量はマリーゴールドと比較すると格段に小さいため、製造効率および製造コストの観点から、本発明に用いられるルテインエステルはマリーゴールドから抽出されたものであることが好ましい。
また、カシスエキスは、カシス果実、カシス果汁またはカシス果汁濃縮物などのカシス果実由来のものを水とメタノールの混合物、水とエタノールの混合物、水とアセトンの混合物または水と酢酸の混合物などの水と有機溶媒の混合物で抽出して得られ、各種成分を含むが、通常、たとえば、シアニジン−3−グルコシド、シアニジン−3−ルチノシド、デルフィニジン−3−グルコシドおよびデルフィニジン−3−ルチノシドの4種類のアントシアニンを含む。
カシスエキスは、カシス果実、カシス果汁またはカシス果汁濃縮物などのカシス果実由来由来のものに無極性溶媒または弱極性溶媒である酢酸エチル、エーテル、ヘキサンまたは二酸化炭素などを加えて脱脂した後、たとえば上記に列挙した水と有機溶媒の混合物を加えて抽出し、抽出後にろ過して得られたろ液を合成吸着樹脂に通液してアントシアニン類を吸着させた後、水洗して不純物を除去し、次いで、アルコールにより溶解させた溶出液を濃縮し、粉末化することにより得られる。なお、カシス果実はユキノシタ科スグリ属に属する植物が産生する果実で、英名でブラックカラント、和名で黒フサスグリと呼ばれるものである。
また、カシスエキスは、カシスエキス中のアントシアニンの総含有量が25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが最も好ましい。カシスエキス中のアントシアニンの総含有量が増加するにしたがってカシスエキス中のアントシアニン以外の成分の含有量が減少するため、本発明の抗酸化組成物の抗酸化作用がさらに向上する傾向にある。
本発明の抗酸化組成物中におけるルテインエステルの質量WLとカシスエキスの質量WCとの比WL/WCは0.2以上5以下であることが好ましく、0.2以上3以下であることがより好ましい。WL/WCが0.2以上5以下である場合には本発明の抗酸化組成物が優れた抗酸化作用を発揮する傾向にある。また、WL/WCが0.2以上3以下である場合には本発明の抗酸化組成物がさらに優れた抗酸化作用を発揮する傾向にある。ここで、上記のWL/WCを0.2以上5以下または0.2以上3以下の範囲に設定するのに用いられるルテインエステルとしてはたとえばマリーゴールドの花弁をヘキサンで抽出して得られたものを用いることができ、カシスエキスとしてはたとえばカシス果汁濃縮物をエタノール濃度が10質量%以上70質量%以下(下記においては「10〜70%」ということもある。)であるエタノール水溶液で抽出して得られたものを用いることができる。ここで、上記のエタノール濃度はエタノール水溶液の全体の質量に対するエタノールの質量の割合を示している。
また、本発明の抗酸化組成物中におけるルテインエステルの質量WLとカシスエキスの質量WCとの総和(WL+WC)は抗酸化組成物全体の0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。(WL+WC)が抗酸化組成物全体の0.1質量%未満である場合および50質量%よりも大きい場合には本発明の抗酸化組成物の抗酸化作用が発揮されにくい傾向にある。また、(WL+WC)が0.2質量%以上20質量%以下である場合には本発明の抗酸化組成物が優れた抗酸化作用を発揮する傾向にある。
本発明の抗酸化組成物中のルテインエステルは、ルテインエステルを加水分解してルテインを生じさせた試料について高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて可視光の波長を利用してルテインのピークを同定することによりその存在が確認される。また、本発明の抗酸化組成物中のカシスエキスは、可視光および紫外光の吸収スペクトルを同定することによりその存在が確認される。
また、本発明の抗酸化組成物にはルテインエステルとカシスエキス以外の成分が含まれていてもよく、なかでもラクトフェリンを含むことが好ましい。この場合には、本発明の抗酸化組成物は抗酸化作用に加えて整腸作用も有するものと考えられる。
ラクトフェリンは、一本のポリペプチド鎖にガラクトース、マンノース、シアル酸などの糖類が結合した分子量約80000の糖タンパク質である。ラクトフェリンは、多くの哺乳動物の乳汁などに含まれている。たとえば、牛乳由来のラクトフェリンは分子量が83100程度であって、等電点が8.2〜8.9である強塩基性のタンパク質である。また、牛乳由来のラクトフェリンは689個のアミノ酸残基から構成されている。また、牛乳由来のラクトフェリンの立体構造はX線結晶解析により明らかにされており、丸く厚みを持たせた柄のないイチョウの葉のようなNローブおよびCローブと呼ばれる互いに類似した構造を有する二つの領域から構成され、各ローブはそれぞれ3価の鉄イオンと強く結合し、牛乳由来のラクトフェリン1分子あたり2原子の鉄と結合し得る。また、牛乳由来のラクトフェリンは1分子あたり4箇所に糖鎖を結合している。また、牛乳由来のラクトフェリンに結合している糖鎖の質量%は11.2質量%程度である。
また、本発明の抗酸化組成物中におけるルテインエステルの質量WLとラクトフェリンの質量WRとの比WL/WRは0.0012以上12以下であることが好ましく、0.012以上1.2以下であることがより好ましく、0.06以上0.24以下であることがさらに好ましい。WL/WRが0.0012未満である場合および12よりも大きい場合には本発明の抗酸化組成物の抗酸化作用が発揮されにくい傾向にある。また、WL/WRが0.012以上1.2以下である場合、さらに好ましくは0.06以上0.24以下である場合には本発明の抗酸化組成物が優れた抗酸化作用を発揮する傾向にある。
また、本発明の抗酸化組成物中におけるルテインエステルの質量WLとラクトフェリンの質量WRとの総和(WL+WR)は抗酸化組成物全体の0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。(WL+WR)が抗酸化組成物全体の0.1質量%未満である場合および50質量%よりも大きい場合には本発明の抗酸化組成物の抗酸化作用が発揮されにくい傾向にある。また、(WL+WR)が1質量%以上30質量%以下である場合、さらに好ましくは5質量%以上20質量%以下である場合には本発明の抗酸化組成物が優れた抗酸化作用を発揮する傾向にある。
本発明の抗酸化組成物には、たとえば、還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチオン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、β−クリプトキサンチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セザミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンP、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、タマネギ、DPA、茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ノキギリヤシ、ヒアルロン酸、コラーゲン、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリ、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアゼミ、月桂樹、セージ、ラフマ、黒酢、ゴーヤ、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グロコサミン、ソバ、シトラス、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、セラミド、Lシステイン、赤ワイン葉、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、カジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、シナモン、ダッタンソバまたはココアなどが含まれていてもよい。
図1に本発明の抗酸化組成物の一例の製造方法の好ましい一例のフローチャートを示す。まず、ステップS1aにおいて、ルテインエステルはマリーゴールドからヘキサンに抽出される。次に、ステップS2aにおいて、ルテインエステルの溶媒であるヘキサンが除去される。続いて、ステップS3aにおいて、ルテインエステルが濃縮される。そして、ステップS4aにおいて、濃縮されたルテインエステルが乾燥されて粉末化される。
また、ステップS1bにおいて、カシスエキスはカシス果汁濃縮物からエタノール濃度が約10〜70%のエタノール水溶液に抽出される。次に、ステップS2bにおいて、カシスエキスの溶媒であるエタノール水溶液が除去される。続いて、ステップS3bにおいて、カシスエキスが濃縮される。そして、ステップS4bにおいて、濃縮されたカシスエキスが乾燥されて粉末化される。
また、ステップS1cにおいて、たとえば牛乳などの原料乳を遠心分離することによって得られたホエーまたはチーズホエー中のラクトフェリンを陽イオン交換樹脂に吸着させて抽出する。次に、ステップS2cにおいて、陽イオン交換樹脂に吸着したラクトフェリンを塩類溶液を用いて脱離させて分離する。続いて、ステップS3cにおいて、脱離したラクトフェリンを含む液について限外ろ過膜操作を行なうことによってラクトフェリンの脱塩および濃縮を行なう。そして、ステップS4cにおいて、濃縮されたラクトフェリンを凍結乾燥し、その後粉砕して粉末状のラクトフェリンが得られる。
最後にステップS5において、粉末化されたルテインエステルとカシスエキスとラクトフェリンとが混合されて本発明の抗酸化組成物が生成される。本発明の抗酸化組成物の形態は、粉末状、固形状または液体状などのいずれであってもよく、ルテインエステルとカシスエキスとが含まれていればその形態は問わない。また、上記の本発明の抗酸化組成物の製造方法においては、脱脂、ろ過または精製などの上記以外の工程が含まれていてもよいことは言うまでもない。
本発明の抗酸化組成物を、たとえば、ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、ビスケット、スナック菓子、ゼリー、グミ、飴、ケーキ、饅頭、最中などの菓子類、そば、うどん、ラーメンなどの麺類、ミルク、バター、チーズ、プリン、アイスクリーム、ヨーグルトなどの乳製品、味噌、醤油、みりん、ポン酢、酢、ソース、ケチャップ、ジャム、ふりかけなどの調味料類、スープ類、ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料などの飲料類、健康食品類または栄養補助食品類などの食品に含ませることができる。
また、本発明の抗酸化組成物を賦形剤などと混合して打錠することにより錠剤に含ませることができる。なお、本発明の抗酸化組成物をカプセル中に入れることもできることは言うまでもない。
実験例
(ルテインエステルの作製)
以下の実験例1および実験例2において用いられたルテインエステルは以下のようにして得られた。
(ルテインエステルの作製)
以下の実験例1および実験例2において用いられたルテインエステルは以下のようにして得られた。
まず、マリーゴールドの花弁にヘキサンを加えてルテインエステルを抽出した。次に、この抽出液をろ過して得られたろ液にヘキサンおよびエタノールを加えてルテインエステルを精製した。そして、ろ液からヘキサンおよびエタノールを除去し、続いてルテインエステルの濃縮を行なった。最後に、濃縮されたルテインエステルを乾燥し、粉砕して粉末状のルテインエステルを得た。
このルテインエステルは、ルテインとパルミチン酸とのエステルが44.5%、ルテインとミリスチン酸とのエステルが23.0%、ルテインとアラキドン酸とのエステルが12.0%、ルテインとステアリン酸とのエステルが11.0%、ルテインとラウリン酸とのエステルが2.0%、その他、ルテインとリノレン酸とのエステル、ルテインとオレイン酸とのエステルおよびルテインとリノール酸とのエステルが少量ずつ含まれて構成されていることがガスクロマトグラフィーにより確認された。ここで、「%」は、ルテインエステルを構成するエステル全体の個数に対する個々のエステルの個数の割合を示している。
このルテインエステル12mgを正確に量り採り、ヘキサンとアセトンとエタノールとトルエンとを体積比で10:7:6:7の割合で混合した抽出溶媒を約80ml加えて2分間超音波処理を行なった後、正確に100mlとした。この液20mlを摺り合わせ三角フラスコに正確に量り採り、上記抽出溶媒を10mlおよび40gの水酸化カリウムをメタノールで溶解し冷却後100mlとした40%KOH/メタノールを2ml加えて、56℃の水浴中で20分間反応させた。これを冷却した後、ヘキサン30mlおよび100gの無水硫酸ナトリウムを1000mlの蒸留水に溶解した10%Na2SO4溶液を40ml加えて激しく混合した。そして、暗所で1時間放置した後、2層に分離した上層をメンブランフィルタ(細孔径;0.2〜0.45μm)でろ過を行なって得たろ液をHPLC分析用試料とし、以下の条件でHPLC分析を行なった。その結果を図2に示す。図2に示すようにHPLC分析開始から約12.7分後にルテインエステルが加水分解して生じたルテインのピークが見られた。
<ルテインエステルのHPLC分析条件>
検出器:分光光度検出器
カラム:Nucleosil 100−5 (4.6mmID.×150mm)
カラム温度:25℃
測定波長:447nm
移動相:ヘキサン/酢酸エチル=7/3
流量:1.5ml/min
検出器:分光光度検出器
カラム:Nucleosil 100−5 (4.6mmID.×150mm)
カラム温度:25℃
測定波長:447nm
移動相:ヘキサン/酢酸エチル=7/3
流量:1.5ml/min
(カシスエキスの作製)
以下の実験例1および実験例2において用いられたカシスエキスは以下のようにして得られた。
以下の実験例1および実験例2において用いられたカシスエキスは以下のようにして得られた。
まず、カシス果汁濃縮液500gにエーテル500mlを加えて室温(25℃)で放置した後にエーテルを除去して脱脂した。次に、脱脂されたカシスに水とエタノールが体積比で40:60の割合で混合された混合物を500ml加えてカシスエキスを抽出した。
そして、抽出後にろ過して得られたろ液を合成吸着樹脂カラムに通し、カシスを吸着させた後、95%のエタノール水溶液をカラムに通して、吸着されたカシスを溶出した。このカシスの溶出液から溶媒を除去し、続いてカシスエキスを濃縮した。最後に、濃縮したカシスエキスを乾燥することによって粉末状のカシスエキス45gが得られた。
このカシスエキス中にはポリフェノールが15質量%以上含まれていることがFolin−Denis法により確認され、このポリフェノール中にはアントシアニン配糖体が50質量%以上含まれていることが吸光光度分析法により確認された。
このカシスエキスを蒸留水に溶解し、可視光および紫外光の吸収スペクトルを測定した。その結果を図3に示す。図3に示されるように、カシスエキスはアントシアニン構造に基づく、370nmおよび530nmに極大吸収ピークを示した。
(ラクトフェリンの作製)
以下の実験例1および実験例2において用いられたラクトフェリンは以下のようにして得られた。
以下の実験例1および実験例2において用いられたラクトフェリンは以下のようにして得られた。
まず、牛乳を遠心分離することによって得られたホエー中のラクトフェリンを陽イオン交換樹脂に吸着させて抽出した。次に、陽イオン交換樹脂に吸着したラクトフェリンを塩類溶液を用いて脱離させて分離した。続いて、脱離したラクトフェリンを含む液について限外ろ過膜操作を行なうことによってラクトフェリンの脱塩および濃縮を行なった。そして、濃縮されたラクトフェリンを凍結乾燥し、その後粉砕して粉末状のラクトフェリンを得た。
このラクトフェリンを50μg含む0.5M塩化ナトリウム水溶液25μlをHPLC分析用試料とし、以下の条件でHPLC分析を行なった。その結果を図4に示す。図4に示すようにHPLC分析開始から約10.5分後にラクトフェリンの存在を示すピークが見られた。
<ラクトフェリンのHPLC分析条件>
検出器:紫外分光検出器
カラム:Shodex Asahipak C4P−50 4D
(長さ150mm×内径4.6mm)
カラム温度:30℃
測定波長:280nm
移動相:A液(アセトニトリルと0.5M塩化ナトリウム水溶液との体積比が1:9である混合液に0.03%トリフルオロ酢酸を0.15ml添加した液)およびB液(アセトニトリルと0.5M塩化ナトリウム水溶液との体積比が1:1である混合液に0.03%トリフルオロ酢酸を0.3ml添加した液)
グラジェント条件:A液とB液の体積比がA液/B液=50/50でスタートさせ、25分後にA液とB液の体積比がA液/B液=0/100になるように直線的にB液の濃度を上げる。次に、25.1分後にA液とB液の体積比がA液/B液=50/50になるように移動相の条件を戻し、その条件で35分まで保持する。
流速:0.8ml/min
検出器:紫外分光検出器
カラム:Shodex Asahipak C4P−50 4D
(長さ150mm×内径4.6mm)
カラム温度:30℃
測定波長:280nm
移動相:A液(アセトニトリルと0.5M塩化ナトリウム水溶液との体積比が1:9である混合液に0.03%トリフルオロ酢酸を0.15ml添加した液)およびB液(アセトニトリルと0.5M塩化ナトリウム水溶液との体積比が1:1である混合液に0.03%トリフルオロ酢酸を0.3ml添加した液)
グラジェント条件:A液とB液の体積比がA液/B液=50/50でスタートさせ、25分後にA液とB液の体積比がA液/B液=0/100になるように直線的にB液の濃度を上げる。次に、25.1分後にA液とB液の体積比がA液/B液=50/50になるように移動相の条件を戻し、その条件で35分まで保持する。
流速:0.8ml/min
(実験例1)
表1に示すビタミンCを含む溶液を対照試料1とし、そのビタミンCに上記のようにして作製したルテインエステル、カシスエキスおよびラクトフェリンを表1に示す濃度で配合した組成の溶液を試験試料1として、DPPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)ラジカル消去能を測定した。
表1に示すビタミンCを含む溶液を対照試料1とし、そのビタミンCに上記のようにして作製したルテインエステル、カシスエキスおよびラクトフェリンを表1に示す濃度で配合した組成の溶液を試験試料1として、DPPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)ラジカル消去能を測定した。
まず、0.4mMのDPPH(12ml)、200mMのMES(2-morpholinoethanesulphonic acid)buffer(pH6.0、12ml)、および20%のエタノール水溶液(12ml)の混合液を作製し、これを試験管に0.9μl分注した。
次に、この試験管に、表1に示す組成の試験試料1および対照試料1をそれぞれ表2に示す添加量aμlだけ加えるとともに80%のエタノール水溶液を(300−a)μl加えて混合した。
そして、試験試料1および対照試料1を添加して20分を経過した後に、分光光度計にて波長520nmの光の吸光度を測定し、0.2mMのTrolox(Sigma社製)を用いて作成した検量線を用いて、試験試料1および対照試料1をTrolox当量に換算した結果を表2に示す。なお、試験試料1および対照試料1ともに、Trolox当量への換算は添加量が2.25μlおよび4.5μlの場合について行なわれた。
表2に示すように、ビタミンCにルテインエステル、カシスエキスおよびラクトフェリンを加えた試験試料1の2.25μlの添加量における抗酸化能の程度を示すTrolox当量は32.7mMであって、対照試料1の2.25μlの添加量における抗酸化能の程度を示す14.0mM(Trolox当量)の2倍以上であった。
また、試験試料1の4.5μlの添加量における抗酸化能の程度を示すTrolox当量は29.0mM(Trolox当量)であって、対照試料1の4.5μlの添加量における抗酸化能の程度を示す11.6mM(Trolox当量)の2倍以上であった。
したがって、試験試料1の抗酸化能は対照試料1の2倍以上を示しており、DPPHラジカル消去能が高いことが確認された。
(実験例2)
表1に示す試験試料1および対照試料1、並びに試験試料1の5倍希釈液を試験試料2とし、対照試料1の5倍希釈液を対照試料2とした(試験試料2および対照試料2の成分の濃度は表3参照)。そして、これらの試料のβ−カロテン退色法による脂質酸化抑制機能としての抗酸化能を測定した。なお、標準溶液としては、抗酸化活性を持つBHA(t-butyl hydroxyanisol)および蒸留水をそれぞれ用いた。
表1に示す試験試料1および対照試料1、並びに試験試料1の5倍希釈液を試験試料2とし、対照試料1の5倍希釈液を対照試料2とした(試験試料2および対照試料2の成分の濃度は表3参照)。そして、これらの試料のβ−カロテン退色法による脂質酸化抑制機能としての抗酸化能を測定した。なお、標準溶液としては、抗酸化活性を持つBHA(t-butyl hydroxyanisol)および蒸留水をそれぞれ用いた。
まず、β−カロテン(3ml、1mg/10ml CHCl3溶液)、リノレン酸(40mg)およびTween 20(400mg)を混合した後、低温、減圧下にクロロフォルムを除去した。
次に、この混合液に蒸留水(100ml)を加えて懸濁液を得た。そして、この懸濁液を5mlずつ分けて、上記の試験試料1、試験試料2、対照試料3および対照試料4をそれぞれ100mlずつ添加して、よく攪拌して反応を進行させた。
その後、攪拌後のそれぞれの溶液について、吸光光度計で波長470nmの光の吸光度を反応時間が0分、15分、45分および60分の時点で経時的にそれぞれ測定した。そして、測定された吸光度からβ−カロテンの退色度を以下の式(1)により算出した。また、標準試料であるBHA(1mg/100ml)の抗酸化活性を1にしたときの、各試料の相対的な抗酸化活性を以下の式(2)により算出した。その結果を表4に示す。
退色度=(それぞれの試料の15分の時点の吸光度)−(それぞれの試料の45分の時点の吸光度)…(1)
抗酸化活性=(BHA(1mg/100ml)の15分の時点の吸光度と45分の時点の吸光度との差)/(それぞれの試料の15分の時点の吸光度と45分の時点の吸光度との差)…(2)
表4に示すように、試験試料2の抗酸化活性は1.26であって、対照試料1の1.23およびBHAの標準溶液の1.22よりも優れた抗酸化活性を有していた。特に、試験試料1の抗酸化活性は1.77であって、試験試料2の抗酸化活性よりもさらに大幅に上昇していた。
抗酸化活性=(BHA(1mg/100ml)の15分の時点の吸光度と45分の時点の吸光度との差)/(それぞれの試料の15分の時点の吸光度と45分の時点の吸光度との差)…(2)
表4に示すように、試験試料2の抗酸化活性は1.26であって、対照試料1の1.23およびBHAの標準溶液の1.22よりも優れた抗酸化活性を有していた。特に、試験試料1の抗酸化活性は1.77であって、試験試料2の抗酸化活性よりもさらに大幅に上昇していた。
また、上記の実験例1および実験例2において、実験例1および実験例2でそれぞれ用いたカシスエキスの代わりに、カシスエキス中のアントシアニンの総含有量が30質量%以上のカシスエキス(たとえばジャストザベリー社の「カシスアントミックス30」等)を用いた場合には、さらに抗酸化性能に優れた結果が得られると考えられる。
今回開示された実施の形態および実験例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の抗酸化組成物はそのままでも利用可能であるが、食品や錠剤などに含ませることによっても好適に利用できる。
Claims (5)
- ルテインエステルとカシスエキスとを含むことを特徴とする、抗酸化組成物。
- ラクトフェリンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗酸化組成物。
- 前記カシスエキス中のアントシアニンの総含有量が25質量%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の抗酸化組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載の抗酸化組成物を含むことを特徴とする、食品。
- 請求項1から3のいずれかに記載の抗酸化組成物を含むことを特徴とする、錠剤。
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