JP2008110505A - 液滴噴射装置および検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヘッドユニットと補強プレートとの間に介在されている接着層の厚さを正確に求めることができる液滴噴射装置および検査方法を実現する。
【解決手段】 ノズル面38pには測定窓38rが形成されており、その測定窓38rから、補強プレート60と非接着領域2aとが接する部位にかけて空間S1が貫通形成されている。ノズル面38pから上記部位までの第1の距離D1を測定する。ノズル面38pからキャビティプレート31の突出部31bの下面までの距離D2を測定し、その距離D2にキャビティプレート31の厚さD3を加えた第2の距離(D2+D3)を求める。そして、第1の距離D1から第2の距離(D2+D3)を減算し、接着層2の厚さD4を求める。
【選択図】 図6

Description

この発明は、アクチュエータの駆動により液滴を噴射するヘッドユニットが、そのヘッドユニットよりも剛性を有する補強プレートを介してヘッドホルダに取付けられてなる液滴噴射装置に関し、さらに、ヘッドユニットおよび補強プレートを接着する接着層の厚さの検査方法に関する。
従来、この種の液滴噴射装置として、インク液滴を噴射するヘッドユニットを被記録媒体と対向させて走査することにより、被記録媒体にインクで記録を行うインクジェット記録装置が知られている。そのヘッドユニットは、特許文献1のように補強プレートに取付けられ、そのヘッドユニットと補強プレートとの組としてヘッドホルダに取付けられている。
図10(a)は、上記従来のインクジェット記録装置に備えられたヘッドユニットおよび補強プレートの説明図であり、図10(b)は、補強プレートを接着したヘッドユニットをノズル面から見た説明図である。図11(a)は、図10(b)のA−A矢視断面を一部省略して示す断面図であり、図11(b)は、補強プレートの端部が反り上がった状態を示す説明図である。
図10(a)に示すように、ヘッドユニット30は、インクの流路が形成されたキャビティユニット50と、このキャビティユニット50の上面に接合された圧電アクチュエータ40とを備える。ヘッドユニット30には、インクの流路にインクを供給するインク供給孔31a〜31dが形成されている。
図11(a)に示すように、キャビティユニット50は、8枚のプレート部材31〜38を積層して構成されており、各プレート部材間はシート接着剤(図示せず)により接着されている。
ヘッドユニット30は、補強プレート60を介してヘッドホルダ(図3にて符号9で示す)に固定される。補強プレート60は、ヘッドユニット30の剛性を高める効果と、圧電アクチュエータ40の駆動に伴うキャビティユニット50の振動を抑制して、噴射時の振動がノズル列相互間で伝達する、いわゆるクロストークを防止する効果とを奏する。補強プレート60は、ヘッドユニット30よりも幅広に形成されており、ヘッドユニット30に接着した際に圧電アクチュエータ40を露出させるための開口部60eが形成されている。60a〜60dは、ヘッドユニット30のインク供給孔31a〜31dへインクを供給するためのインク供給孔である。
補強プレート60は、シート接着剤2によってヘッドユニット30に貼着される。シート接着剤2は、キャビティユニット50の平面形状に対応した平面形状に形成されており、上面および下面にそれぞれ接着面が形成されている。ヘッドユニット30と補強プレート60との接着工程では、まず、シート接着剤2を補強プレート60の下面に押し付け、次いでヘッドユニット30の上面31iをシート接着剤2の下面に一致させて補強プレート60の下面に押し付ける。
ところで、発明者は、シート接着剤2が、その材料の柔軟性によって、圧電アクチュエータ40の振動に伴うキャビティユニット50の振動を吸収して、ノズル間のクロストークを防止する効果も奏することを見出した。
さらに、シート接着剤2の厚さが所定の範囲内から外れると、クロストーク抑制に悪影響を及ぼす共振現象が発生することが分かった。
そこで、発明者は、シート接着剤2の厚さを管理することが重要な課題となると考え、シート接着剤2の厚さは、次の手法により管理することにした。まず、図11(a)に示すように、補強プレート60が接合されたキャビティユニット50を、補強プレート60が下になるように測定用の台などの上に載置する。そして、キャビティユニット50の上方に測定用の基準位置H2を設定し、その基準位置H2から補強プレート60の下面60hまでの距離D12を測定する。続いて、基準位置H2からキャビティユニット50(ノズルプレート38のノズル面38p)までの距離D11を測定する。
そして、測定した距離D12からD11を減算し、シート接着剤2を含めたキャビティユニット50の厚さD13を計算して求める(D13=D12−D11)。次に、キャビティユニット50の設計上の称呼厚さD14を、上記の計算して求めた厚さD13から減算し、シート接着剤2の厚さD4を計算して求める(D4=D13−D14)。そして、求めたシート接着剤2の厚さD4が所定の範囲内に入っているか否かを判断する。
特開2005−161761号公報(公報第42〜47段落、図3,7,8)
しかし、上記従来のインクジェット記録装置では、キャビティユニット50を構成する各プレート部材の厚さのばらつきと、各プレート部材間の接着層の厚さのばらつきとが存在する。このため、キャビティユニット50の設計上の称呼厚さD14がばらつくので、正確なシート接着剤2の厚さを求めることができないという問題がある。
また、図11(b)に示すように、ヘッドユニット30に補強プレート60を接着する際に補強プレート60に掛かる圧力によって補強プレート60の端部が反り上がっていることがある。このため、基準位置H2から補強プレート60の下面60hまでの距離D12が誤差ΔDだけ不足し、正確なシート接着剤2の厚さを求めることができないという問題もある。
そこで、この発明は、ヘッドユニットと補強プレートとの間に介在されている接着層の厚さを正確に求めることができる液滴噴射装置および検査方法を実現することを目的とする。
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、プレート部材(31〜38)を複数積層して構成されているとともに、各プレート部材間が接着層によって接着されており、アクチュエータ(40)の駆動により液滴を噴射するノズル(38f,38h,38i,38n)を有するヘッドユニット(30)と、接着層(2)によって前記ヘッドユニットの一つの面(31i)に接着されており、前記ヘッドユニットよりも剛性を有する補強プレート(60)と、前記ヘッドユニットへ液体を供給する液体供給手段(90)を有するヘッドホルダ(9)と、を備えており、前記ヘッドユニットが、前記補強プレートを介して前記ヘッドホルダに取付けられてなる液滴噴射装置(1)において、前記ヘッドユニットの前記一つの面側に配置されたプレート部材(31)と前記補強プレートとの間に形成されており、前記接着層が存在しない非接着領域(2a)と、前記ヘッドユニットの前記一つの面とは反対側の面(38p)と、前記補強プレートの前記非接着領域と接する部位とを連通させる空間(S1)と、前記一つの面側に配置されたプレート部材の一部であって前記空間に突出した突出部(31b)と、を備えた液滴噴射装置という技術的手段を用いる。
請求項2に記載の発明では、プレート部材(31〜38)を複数積層して構成されているとともに、各プレート部材間が接着層によって接着されており、アクチュエータ(40)の駆動により液滴を噴射するノズル(38f,38h,38i,38n)を有するヘッドユニット(30)と、接着層(2)によって前記ヘッドユニットの一つの面(31i)に接着されており、前記ヘッドユニットよりも剛性を有する補強プレート(60)と、前記ヘッドユニットへ液体を供給する液体供給手段(90)を有するヘッドホルダ(9)と、を備えており、前記ヘッドユニットが、前記補強プレートを介して前記ヘッドホルダに取付けられてなる液滴噴射装置(1)において、前記ヘッドユニットの前記一つの面側に配置されたプレート部材(31)の端部であって、前記ヘッドユニットの側方から前記補強プレートの前記プレート部材側の面(60h)上へ突出した突出部(31b)と、前記突出部に隣接して形成されており、前記接着層が存在しない非接着領域(2a)と、前記ヘッドユニットの前記一つの面とは反対側の面と、前記補強プレートの前記非接着領域と接する部位とを前記突出部に隣接する位置を通って連通させる空間(31c)と、を備えた液滴噴射装置という技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明では、噴射すべき液体の流路(31a〜31h、32a〜32n、33a〜33n、34a〜34n、35a〜35n、36a〜36n、37h、37i、37n、38f〜38n)を内部に有し、前記液体を液滴として噴射するノズル(38f,38h,38i,38n)が形成されたヘッドユニット(30)と、接着層(2)によって前記ヘッドユニットの一つの面(31a)に接着されており、前記ヘッドユニットよりも剛性を有する補強プレート(60)と、前記ヘッドユニットへ前記液体を供給する液体供給手段(90)を有するヘッドホルダ(9)と、を備えており、前記ヘッドユニットが、前記補強プレートを介して前記ヘッドホルダに取付けられてなる液滴噴射装置(1)において、前記ヘッドユニットの一つの面と前記補強プレートとの間に形成されており、前記接着層が存在しない非接着領域(2a)と、前記補強プレートの前記ヘッドユニットとは反対側の面(60g)と、前記ヘッドユニットの前記非接着領域と接する部位とを連通させる空間(S3)と、を備えた液滴噴射装置という技術的手段を用いる。
請求項4に記載の発明では、請求項1または2に記載の液滴噴射装置(1)において、前記空間(S1)を介して、所定位置(38p)から前記補強プレート(60)の前記非接着領域(2a)と接する部位までの第1の距離(D1)を測定し、前記所定位置から前記ヘッドユニット(30)の一つの面側に配置されたプレート部材(31)の厚さを含めた第2の距離(D2+D3)を、前記第1の距離から減算することにより、前記ヘッドユニットと前記補強プレートとの間に介在する前記接着層(2)の厚さ(D4)を求める検査方法という技術的手段を用いる。
補強プレートが下になるようにヘッドユニットを載置した場合に、所定位置を上記ヘッドユニットの反対側の面よりも上方に設定した場合は、第1の距離は、上記所定位置から上記反対側の面までの距離と、接着層を含めたヘッドユニットの厚さとを加算した距離になる。第2の距離は、上記所定位置から上記反対側の面までの距離と、ヘッドユニットの厚さとを加算した距離になるため、第2の距離を第1の距離から減算すると、接着層の厚さが求まる。
なお、上記所定位置をヘッドユニットの一つの面側と反対側の面、つまりその反対側の面における上記空間の開口面に設定した場合は、上記所定位置から上記反対側の面までの距離は0に設定される。
つまり、上記所定位置は、ヘッドユニットの一つの面側と反対側の面およびその反対側の面から離れた位置のいずれに設定した場合も接着層の厚さを求めることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の液滴噴射装置(1)において、前記空間(S3)を介して、所定位置(60g)から前記ヘッドユニット(30)の前記非接着領域(2a)と接する部位までの第1の距離(D5)を測定し、前記所定位置から前記補強プレート(60)の厚さを含めた第2の距離(D10)を、前記第1の距離から減算することにより、前記ヘッドユニットと前記補強プレートとの間に介在する前記接着層の厚さを求めることを特徴とする検査方法。
補強プレートが上になるようにヘッドユニットを載置した場合に、所定位置を上記補強プレートの反対側の面よりも上方に設定した場合は、第1の距離は、上記所定位置から上記反対側の面までの距離と、接着層を含めた補強プレートの厚さとを加算した距離になる。第2の距離は、上記所定位置から上記反対側の面までの距離と、補強プレートの厚さとを加算した距離になるため、第2の距離を第1の距離から減算すると、接着層の厚さが求まる。
なお、上記所定位置をヘッドユニットの一つの面側と反対側の面、つまりその反対側の面における上記空間の開口面に設定した場合は、上記所定位置から上記反対側の面までの距離は0に設定される。
つまり、上記所定位置は、補強プレートの接着層と接する面と反対側の面およびその反対側の面から離れた位置のいずれに設定した場合も接着層の厚さを求めることができる。
なお、上記括弧内の符号は、後述する各実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
[発明の効果]
請求項1または請求項4に係る発明によれば、ヘッドユニットに形成された空間を介して、所定位置からヘッドユニットと補強プレートとの間の非接着領域と接する補強プレートの部位までの第1の距離を測定することができる。つまり、ヘッドユニットと補強プレートとの間の接着層と、ヘッドユニットの厚さとを含む距離を測定することができる。
また、ヘッドユニットの一つの面側に配置されたプレート部材の一部であって上記空間に突出した突出部を備えており、上記所定位置から突出部までの距離を測定し、その距離と上記プレート部材の厚さを加算した距離を第2の距離として求めることができる。つまり、第2の距離は、上記所定位置からヘッドユニットの厚さを含む距離である。
そして、第2の距離を第1の距離から減算する、つまり、接着層を含めたヘッドユニットの厚さからヘッドユニットの厚さを減算することにより、ヘッドユニットと補強プレートとの間に介在する接着層の厚さを求めることができる。
従って、ヘッドユニットにおける各プレート部材の厚さおよび各プレート部材間の接着層の厚さのばらつきによる影響を受けないので、ヘッドユニットと補強プレートとの間の接着層の厚さを正確に求めることができる。
また、ヘッドユニットの内部に形成した空間およびその中に突出した突出部を利用して第1および第2の距離を測定するため、補強プレートの端部の反りによる影響を受けないので、接着層の厚さをより一層正確に求めることができる。
請求項2または請求項4の発明によれば、補強プレートが接着されている側のヘッドユニットのプレート部材の端部が、ヘッドユニットの側方から突出している。このため、上記所定位置から、その突出部までの距離を測定し、その距離と、上記プレート部材の厚さとを加算した距離を第2の距離として求めることができる。
また、上記突出部に貫通形成された空間を介して、上記所定位置から非接着領域と接する補強プレートの部位までの第1の距離を測定することができる。
そして、先に説明した発明の場合と同様に第2の距離を第1の距離から減算することにより、ヘッドユニットと補強プレートとの間に介在する接着層の厚さを求めることができる。
従って、各プレート部材の厚さおよび各プレート部材間の接着層の厚さのばらつきによる影響を受けないので、ヘッドユニットと補強プレートとの間の接着層の厚さを正確に求めることができる。
また、ヘッドユニットの側方から突出した突出部およびその突出部に貫通形成された空間を利用して第1および第2の距離を測定するため、補強プレートの端部の反りによる影響を受けないので、接着層の厚さをより一層正確に求めることができる。
請求項3または請求項5の発明によれば、補強プレートに形成された空間を介して、所定位置から、ヘッドユニットと補強プレートとの間の非接着領域と接するヘッドユニットの部位までの第1の距離を測定することができる。つまり、ヘッドユニットと補強プレートとの間の接着層と、補強プレートの厚さとを含む距離を測定することができる。
また、上記所定位置から補強プレートのヘッドユニットとは反対側の面までの距離を測定することで、その距離に補強プレートの厚さを加えた第2の距離を求めることができる。
そして、第2の距離を第1の距離から減算することにより、ヘッドユニットと補強プレートとの間に介在する接着層の厚さを求めることができる。
従って、接着層を含めた補強プレートの厚さを実測するため、接着層の厚さを正確に求めることができる。
また、ヘッドユニットと重なる部分の補強プレートの内部に形成した空間を利用して第1および第2の距離を測定するため、補強プレートの端部の反りによる影響を受けないので、接着層の厚さをより一層正確に求めることができる。
<第1実施形態>
この発明の第1実施形態について、インクジェット記録装置を例にして説明する。
[主要構成]
最初に、インクジェット記録装置の主要構成について図1を参照して説明する。図1はインクジェット記録装置の主要構成を示す平面説明図である。
インクジェット記録装置1の内部には、2本のガイド軸6,7が設けられており、そのガイド軸6,7には、キャリッジを兼用するヘッドホルダ9が取付けられている。ヘッドホルダ9には、記録用紙Pへインクを噴射して記録を行うヘッドユニット30が保持されている。ヘッドホルダ9は、キャリッジモータ10により回転する無端ベルト11に取付けられており、無端ベルト11の回転により、ガイド軸6,7に沿って移動する。
また、インクジェット記録装置1には、イエローインクが収容されたインクタンク5aと、マゼンタインクが収容されたインクタンク5bと、シアンインクが収容されたインクタンク5cと、ブラックインクが収容されたインクタンク5dとが備えられている。各インクタンク5a〜5dは、それぞれ可撓性のインク供給チューブ14a、14b、14c、14dに接続されており、各インク供給チューブから供給される各インクは、ヘッドホルダ9から前方へ延出されたチューブジョイント93を介してヘッドユニット30へ導入される。各インクとしては、顔料系インクまたは染料系インクを使用することができる。
[ヘッドユニットの構造]
次に、ヘッドユニット30の構造について図2ないし図6を参照して説明する。
図2はヘッドホルダ9をノズル面から見た平面図である。図3は図2に示すヘッドホルダ9及びそれに保持されている部品を分解して示す斜視説明図である。図4は図3に示すヘッドホルダ9に保持されたヘッドユニットを構成する各部材の斜視図である。図5は、図2に示すヘッドホルダ9に保持されたヘッドユニットのA−A矢視断面の部分説明図である。
なお、以下の説明では、インクを噴射する方向を下方とする。また、図10,11に示した従来のインクジェット記録装置と同じ構成については同じ符号を使用し、説明を省略する。
図2に示すように、ヘッドユニット30の下面に形成されたノズル面38pには、ブラックインクを噴射するノズル38fと、イエローインクを噴射するノズル38hと、シアンインクを噴射するノズル38iと、マゼンタインクを噴射するノズル38nとが、それぞれヘッドホルダ9の移動方向(主走査方向)と直交する方向に延びるように列状に配置されている。各ノズルは、被記録媒体たる記録用紙P(図1)の上面に対向するように下向きに開口している。
図3に示すように、ヘッドユニット30の上面には、枠状の補強プレート60がシート接着剤(図6にて符号2で示す)によって貼着されている。また、ヘッドユニット30の周囲には、枠状のフレーム70が囲むように配置されており、そのフレーム70は、シート接着剤(図示せず)によって補強プレート60の下面に貼着されている。ヘッドユニット30の上方には、そのヘッドユニット30へ供給するインクを貯留するバッファタンク90が配置されている。また、バッファタンク90の内部には、所定量の空気が溜められており、その空気が、ヘッドユニット30の移動・停止に伴う衝撃力を緩和し、ヘッドユニット内の各圧力室内の圧力変動を防止して、各ノズルの均一な噴射性能を維持する役割をする。インク中から分離された所定量以上の空気は、バッファタンク90に設けられた排気装置91によって外部へ排気される。
バッファタンク90の端部には、内部にインク流路を有する腕部92が形成されており、その腕部92には、インクタンク5a〜5dからチューブ14a〜14dを介して供給されるインクを取り入れるインク取入口93a〜93dが設けられている。バッファタンク90の下面には、バッファタンク内のインクをヘッドユニット30へ供給するための各色毎のインク供給孔(図示せず)が設けられている。その各インク供給孔と、補強プレート60のインク供給孔60a〜60dとの間には、ゴム製のゴムブッシュ80が介在されており、バッファタンク90および補強プレート60間の液密性が確保されている。
バッファタンク90は、両側に挿通孔94(実際には、図示されている挿通孔94の反対側にもう一つの挿通孔94が存在する)を備える。各挿通孔94にそれぞれ挿通した取付ネジ95をそれぞれ補強プレート60に形成されたネジ孔60fにねじ込むことにより、バッファタンク90は補強プレート60に固定されている。
図5に示すように、ヘッドユニット30は、キャビティユニット50の上面に圧電アクチュエータ40を接合して構成される。図4に示すように、キャビティユニット50は、下から順にノズルプレート38、スペーサプレート37、ダンパープレート36、マニホールドプレート35,34、サプライプレート33、ベースプレート32、キャビティプレート31の合計8枚の薄いプレート部材を、各プレート部材間に接着剤(図示せず)を介してそれぞれ重ね接合した構造である。
この実施形態では、各接着剤は、例えば熱硬化性エポキシ樹脂製である。各プレートのうち、ノズルプレート38は、ポリイミドなどの合成樹脂製、他のプレートは、42合金鋼(42%ニッケル合金鋼)またはステンレス鋼などの金属製である。
圧電アクチュエータ40は、ブラックインクを噴射するためのエネルギを発生する活性部41,41と、イエローインクを噴射するためのエネルギを発生する活性部42とを備える。図5では省略されているが、実際には、活性部42の右方には、シアンインクを噴射するためのエネルギを発生する活性部が配置されており、さらにその右方には、マゼンタインクを噴射するためのエネルギを発生する活性部が配置されている。ここで、活性部とは、圧電アクチュエータのうち、圧力室内のインクに噴射のための圧力を与えるために作用する部分のことである。
圧電アクチュエータ40は、圧電材料により形成された圧電シートと、膜状の電極とを交互に積層して構成されている。活性部41は、電極41b,41c間に上下を挟まれた圧電シートの部分41aで構成されており、他の活性部も同様に構成されている。
各活性部の下方であって、キャビティプレート31の内部には、圧力室が形成されている。つまり、複数の活性部41の下方であって、キャビティプレート31の内部には、ブラックインクに噴射圧力を与えるための圧力室31eがそれぞれ形成され配列されている。同様に複数の活性部42の下方には、イエローインクのための圧力室31f、他の活性部の下方には、シアンインクのための圧力室31g、マゼンタインクのための圧力室31hががそれぞれ形成され配列されている。
各圧力室の列の下方であって、マニホールドプレート35,34の内部には、各圧力室へインクを供給する共通インク室が各圧力室の列の全長にわたる長さに形成されている。つまり、圧力室31eの列の下方であって、マニホールドプレート35,34の内部には、ブラックインクを収容する共通インク室35a,34aが形成されている。圧力室31fの列の下方であって、マニホールドプレート35,34の内部には、イエローインクを収容する共通インク室35b,34bが形成されている。圧力室31gの列の下方であって、マニホールドプレート35,34の内部には、シアンインクを収容するための共通インク室35c,34cが形成されており、圧力室31hの列の下方であって、マニホールドプレート35,34の内部には、マゼンタインクを収容するための共通インク室35d,34dが形成されている(図3)。
各共通インク室34a〜34dの上方に配置されたサプライプレート33の内部には、各圧力室に対応して絞り部33e,33g,33j,33mが形成されている。各絞り部は、それぞれサプライプレート33の上部の平板面に沿って溝状に形成されている。各絞り部のインク流入側の端部は、上下方向に貫通形成された連通孔を介して各共通インク室とそれぞれ連通している。
また、サプライプレート33の上には、各絞り部の長手方向開放面を覆ってベースプレート32が積層され、このベースプレート32に上下方向に貫通形成された連通孔32e,32g,32j,32mにより、各圧力室と各絞り部のインク流出側の端部とをそれぞれ連通している。
各絞り部の縦断面積は、それぞれ連通する圧力室の断面積よりも小さく形成されており、共通インク室及び圧力室よりも流路抵抗が大きく設定されている。つまり、各絞り部は、連通する圧力室内で発生した圧力変動のうち、共通インク室へ向かう成分を緩和する役割をする。
各共通インク室と対応する位置においてダンパープレート36の下面にはダンパー室36a〜36dが形成されている。各ダンパー室は、ダンパープレート36の下面にてそれぞれ下向きに開口形成されており、各ダンパー室の横断面形状は、ダンパープレート36に隣接する各共通インク室の下面の横断面形状と同一形状に形成されている。
ダンパープレート36は、弾性変形可能な金属などの素材により形成されており、各ダンパー室上部の薄い板状の底板部36eは、共通インク室側にも、ダンパー室側にも自由に振動することができる。インク液滴の噴射時に、圧力室で発生した圧力変動が共通インク室に伝播しても、上記底板部36eが弾性変形して振動することにより、上記圧力変動を吸収減衰させるというダンパー効果を有し、圧力変動が他の圧力室へ伝播するというクロストークを防止する効果を奏するものである。
キャビティプレート31とノズルプレート38との間の各プレート32〜37には、圧力室31e内のブラックインクをノズル38fに導くための貫通孔32f〜36fと、圧力室31f内のイエローインクをノズル38hに導くための貫通孔32h〜36hと、圧力室31g内のシアンインクをノズル38iに導くための貫通孔32i〜36iと、圧力室31h内のマゼンタインクをノズル38nに導くための貫通孔32n〜36nとがそれぞれ上下方向に相互に連通して形成されている。
図4に示すように、キャビティプレート31、ベースプレート32およびサプライプレート33には、バッファタンク90(図3)から供給される各インクを対応する共通インク室へ供給するためのインク供給孔31a〜31d、32a〜32dおよび33a〜33dがそれぞれ上下方向に相互に連通して形成されている。また、キャビティプレート31のインク供給孔31a〜31dには、各インクに含まれる不純物を濾過するためのフィルタ61〜64を有するフィルタ部材60が被せられている。
[接着層の厚さを測定するための構造]
図6(a)は、補強プレートを接着したヘッドユニットを下面から見た説明図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A矢視断面を一部省略して示す断面図である。
図6(b)に示すように、ヘッドユニット30の上面31iと補強プレート60の下面60hとの間にはシート接着剤2が介在されており、シート接着剤2の端部近傍には、シート接着剤2が介在されていない非接着領域2aが形成されている。この非接着領域2aは、予めシート接着剤2の構造として形成されている。
図6(b)に示すように、キャビティユニット50には、接着層2の厚さを測定する際に使用する空間S1が、ノズルや圧力室などインク流路が形成されていない箇所に形成されている。空間S1は、ノズルプレート38を除く他のプレート31〜37に貫通して形成された開口が積層方向に配列されることによって構成されている。ノズルプレート38は、測定用の光またはレーザ光を透過可能な材料で形成されており、この開口の配列の端を覆って位置している。つまり、ノズルプレート38の表面、つまりノズル面38pは、空間S1と対応する位置を、空間S1と光学的につながった測定窓38rとしている。測定窓38rは貫通した開口であってもよいが、インクが空間S1に侵入しないように上記の材料であることが好ましい。
空間S1は、測定窓38rと反対側の端において、非接着領域2aと接する補強プレート60の部位と連通している。キャビティユニット50において最も補強プレート60側に位置するキャビティプレート31には、空間S1の一部を形成する貫通孔31cが上下方向に貫通形成されている。貫通孔31cは、貫通孔31c以外の空間S1の径よりも小径に形成されており、その貫通孔31cの周壁を形成するキャビティプレート31の一部が突出部31bとして空間S1内に突出している。
なお、各プレート部材における空間S1に対応する貫通孔は、各プレート部材を積層する前に予め各プレート部材にそれぞれ形成しておくこともでき、複数枚を重ね接合した段階でまとめて形成することもできる。
[接着層の厚さの測定方法]
測定窓38rから空間S1を利用してノズル面38pから補強プレート60の下面60hまでの第1の距離D1、つまり接着層2を含めたキャビティユニット50の厚さを測定する。次に、測定窓38rから空間S1を利用してノズル面38pからキャビティプレート31の突出部31bの下面までの距離、つまりキャビティユニット50の厚さからキャビティプレート31の厚さD3を除いた厚さD2を測定する。
キャビティプレート31の厚さD3は、設計上で設定した値、またはそのプレート単体で予め測定した値である。上記のように測定した厚さD2とキャビティプレート31の厚さD3との和が、キャビティプレート31の厚さ、すなわち第2の距離となる。
そして、第1の距離D1から第2の距離(D2+D3)を減算し、接着層2の厚さD4を求める。
第1の距離D1および距離D2は、例えば、レーザ測定器を使用して測定する。レーザ光の出射位置を測定窓38rに設定する。そして、図6に矢印F1で示すように、レーザ光を測定窓38rから空間S1を通して非接着領域2a内の補強プレート60の下面へ垂直に照射し、第1の距離D1を測定する。また、矢印F2で示すように、レーザ光を測定窓38rから空間S1を通して突出部31bの下面へ垂直に照射し、距離D2を測定する。
[第1実施形態の効果]
以上のように、第1実施形態のインクジェット記録装置1は、ヘッドユニット30のノズル面38pと、補強プレート60の非接着領域2aと接する部位とを連通させる空間S1を備えるため、その空間S1を介して、ノズル面38pから上記部位までの第1の距離D1を測定することができる。
つまり、キャビティユニット50の厚さに接着層2の厚さを加えた距離を実測することができる。
また、キャビティプレート31の一部が空間S1に突出した突出部31bを備えるため、ノズル面38pから突出部31bまでの距離を実測し、キャビティプレート31の厚さD3を除いたキャビティユニット50の厚さD2を求めることができる。そして、その求めた厚さD2にキャビティプレート31の厚さD3を加算することにより、キャビティユニット50の厚さを第2の距離(D2+D3)として求めることができる。
そして、第2の距離(D2+D3)を第1の距離D1から減算することにより、キャビティユニット50と補強プレート60との間に介在する接着層2の厚さD4を求めることができる。
従って、キャビティプレート31の厚さD3を除いたキャビティユニット50の厚さD2と、接着層2を含めたキャビティユニットの厚さD1とを実測するので、接着層2の厚さD4を正確に求めることができる。このとき、キャビティユニットにおける各プレート部材の厚さのばらつきおよび各プレート部材間の接着層の厚さのばらつきによる影響を受けないので、接着層2の厚さD4を正確に求めることができる。
また、ヘッドユニット30の内部に形成した空間S1および突出部31bを利用して各距離を測定するため、補強プレート60の端部の反りによる影響を受けないので、接着層2の厚さD4を正確に求めることができる。
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について図を参照して説明する。図7(a)は、補強プレートを接着したヘッドユニットを下面から見た説明図であり、図7(b)は、図7(a)のA−A矢視断面を一部省略して示す断面図である。
図7(a)に示すように、キャビティユニット50のノズル面38pの角部であって圧電アクチュエータ40およびノズルが配置されていない箇所に、接着層2の厚さを測定する際に使用する測定窓38sが切欠き形成されている。
図7(b)に示すように、ノズルプレート38からベースプレート32にかけて、それぞれの角部が切欠き形成されており、測定窓38sと連通する空間S2が形成されている。切欠き形成されていないキャビティプレート31の角部が突出部31bとしてヘッドユニット30の側方から補強プレート60の下面60h上へ突出している。突出部31bには、空間S2と連通する貫通孔31cが上下方向に貫通形成されている。
この貫通孔31cに対応する位置において、キャビティユニット50と補強プレート60との間の接着層2に非接着領域2aが形成されている。空間S2は、貫通孔31c、すなわち突出部31bに隣接する位置を通って非接着領域2aに接する補強プレート60に達している。
なお、突出部31bは、平面視において測定窓38sよりも小さい面積で突出した形状でもよく、その際、空間S2は、平面視において突出部31bに隣接した位置を通って補強プレート60に達する。また、測定窓38sはキャビティユニット50の角部以外の端部に形成することもできる。
[接着層の厚さの測定方法]
測定窓38sから空間S2および貫通孔31cを利用してノズル面38pから補強プレート60の下面60hまでの第1の距離D1、つまり接着層2を含めたキャビティユニット50の厚さを測定する。次に、測定窓38sから空間S2および貫通孔31cを利用してノズル面38pからキャビティプレート31の突出部31bの下面までの距離、つまりキャビティユニット50の厚さからキャビティプレート31の厚さD3を除いた厚さD2を測定する。
そして、第1の距離D1から第2の距離(D2+D3)を減算し、接着層2の厚さD4を求める。各距離の測定は、第1実施形態と同様にレーザ測定器を使用して行うことができる。
[第2実施形態の効果]
以上のように、上記第2実施形態のインクジェット記録装置1を使用すれば、キャビティプレート31の角部が突出部31bとしてキャビティユニット50の側方から補強プレート60の下面60h上へ突出している。このため、ノズル面38pから突出部31bの下面までの距離D2を測定すれば、キャビティプレート31の厚さを除いたキャビティユニット50の厚さD2を求めることができる。そして、その求めた厚さD2にキャビティプレート31の厚さD3を加算することにより、キャビティユニットの厚さを第2の距離(D2+D3)として求めることができる。
また、突出部31bに貫通形成されており、補強プレート60の非接着領域2aと接する部位と連通する貫通孔31cを備えるため、その貫通孔31cを介して、ノズル面38pから上記部位までの第1の距離D1を測定することができる。
つまり、キャビティユニット50および補強プレート60を接着している接着層2を含めたキャビティユニット50の厚さを測定することができる。
そして、第2の距離(D2+D3)を第1の距離D1から減算することにより、キャビティユニット50と補強プレート60との間に介在する接着層2の厚さD4を求めることができる。
従って、キャビティプレート31の厚さを除いたキャビティユニット50の厚さD2と、接着層2を含めたヘッドユニット30の厚さD1とを実測するので、接着層2の厚さD4を正確に求めることができる。このとき、キャビティユニットにおける各プレート部材の厚さおよび各プレート部材間の接着層の厚さのばらつきによる影響を受けないので、接着層2の厚さD4を正確に求めることができる。
また、ヘッドユニット30の側方から補強プレート60の下面60h上へ突出したキャビティプレート31の突出部31bおよびそれに貫通形成された貫通孔31cを利用して各距離D1および距離D2を測定するため、補強プレート60の端部の反りによる影響を受けないので、接着層2の厚さD4をより一層正確に求めることができる。
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について図を参照して説明する。図8(a)は、補強プレートを接着したヘッドユニットを上面から見た説明図であり、図8(b)は、図8(a)のA−A矢視断面を一部省略して示す断面図である。
図8(a)に示すように、キャビティユニット50と重なっている補強プレート60の角部であって、インク流路が配置されていない箇所に、接着層2の厚さを測定する際に使用する測定窓60iが開口形成されている。
図8(b)に示すように、補強プレート60には、測定窓60iおよび非接着領域2aと連通する貫通孔60jが上下方向に貫通形成されており、その貫通孔60jおよび非接着領域2aにより、空間S3が形成されている。
[接着層の厚さの測定方法]
測定窓60iから空間S3を利用して補強プレート60の上面60gからキャビティプレート31の上面31iまでの第1の距離D5、つまり接着層2を含めた補強プレート60の厚さを測定する。そして、第1の距離D1から、補強プレート60の厚さ(設計値または予め単体で測定した値)としての第2の距離D10を減算し、接着層2の厚さD4を求める。各距離の測定は、第1実施形態と同様にレーザ測定器を使用して行うことができる。
[第3実施形態の効果]
以上のように、上記第3実施形態のインクジェット記録装置1を使用すれば、補強プレート60の上面60gと、ヘッドユニット30の非接着領域2aと接する部位とを連通させる空間S3を備えるため、その空間S3を介して、補強プレート60の上面から上記部位までの第1の距離D5を実測することができる。
つまり、ヘッドユニット30および補強プレート60を接着している接着層2を含めた補強プレート60の厚さを測定することができる。
そして、補強プレート60厚さである第2の距離D10を第1の距離D5から減算することにより、ヘッドユニット30と補強プレート60との間に介在する接着層2の厚さD4を求めることができる。
従って、接着層2を含めた補強プレート60の厚さを実測するため、接着層2の厚さD4を正確に求めることができる。
また、補強プレート60の上面60gと、ヘッドユニット30の非接着領域2aと接する部位とを連通させる空間S3を利用して第1の距離D5を測定するため、補強プレート60の端部の反りによる影響を受けないので、接着層2の厚さD4をより一層正確に求めることができる。
<他の実施形態>
(1)図9(a)は第1実施形態の変更例を示す断面図である。第1実施形態では、第1および第2の距離を測定するときの基準位置を測定窓38rの開口面に設定したが、測定窓38rよりも距離D8離れた上方に基準位置H1を設定することもできる。
[接着層の厚さの測定方法]
空間S1を利用して、基準位置H1から補強プレート60の下面60hまでの第1の距離D6を測定する。次に、空間S1を利用して、基準位置H1からキャビティプレート31の突出部31bの下面までの距離D7を測定し、その距離D7にキャビティプレート31の厚さD3を加算して距離(D3+D7)を求める。
そして、第1の距離D6から第2の距離(D3+D7)を減算し、接着層2の厚さD4を求める。この測定方法を実施した場合も第1実施形態と同じ効果を奏することができる。なお、第2実施形態についても、測定窓38sの上方に基準位置を設定して各距離を実測し、接着層2の厚さD4を求めることができ、この測定方法を実施した場合も第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
(2)図9(b)は第3実施形態の変更例を示す断面図である。第3実施形態では、第1の距離を測定するときの基準位置を測定窓60iの開口面に設定したが、測定窓60iよりも距離D8離れた上方に基準位置H1を設定することもできる。
[接着層の厚さの測定方法]
空間S3を利用して基準位置H1からキャビティプレート31の上面31iまでの第1の距離D9を実測する。そして、距離D8と補強プレート60の厚さD10とを加算した距離である第2の距離を第1の距離D9から減算し、接着層2の厚さD4を求める。この測定方法を実施した場合も第3実施形態と同じ効果を奏することができる。
(3)上記各実施形態では、この発明に係る液滴噴射装置としてインクジェット記録装置を例にして説明したが、インク以外の液を噴射する液滴噴射装置に対して、この発明を適用できることは勿論である。
(4)また、この発明は、特定のインクを一色のみ噴射して記録を行うインクジェット記録装置にも適用することができる。
(5)さらに、この発明は、インクなどの液体内に熱エネルギを付与することにより、液体内に発生した気泡による圧力変化を用いたり、静電気による振動板の変位を用いて液滴を噴射するヘッドユニットにも適用することができる。
インクジェット記録装置の主要構成を示す平面説明図である。 ヘッドホルダ9をノズル面から見た平面図である。 図2に示すヘッドホルダ9及びそれに保持されている部品を分解して示す斜視説明図である。 図3に示すヘッドホルダ9に保持されたヘッドユニットを構成する各プレート部材の斜視図である。 図2に示すヘッドホルダ9に保持されたヘッドユニットのA−A矢視断面の部分説明図である。 図6(a)は、補強プレートを接着したヘッドユニットを下面から見た説明図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A矢視断面を一部省略して示す断面図である。 第2実施形態の説明図であり、図7(a)は、補強プレートを接着したヘッドユニットを下面から見た説明図であり、図7(b)は、図7(a)のA−A矢視断面を一部省略して示す断面図である。 第3実施形態の説明図であり、図8(a)は、補強プレートを接着したヘッドユニットを上面から見た説明図であり、図8(b)は、図8(a)のA−A矢視断面を一部省略して示す断面図である。 図9(a)は第1実施形態の変更例を示す断面図であり、図9(b)は第3実施形態の変更例を示す断面図である。 図10(a)は、上記従来のインクジェット記録装置に備えられたヘッドユニットおよび補強プレートの説明図であり、図10(b)は、補強プレートを接着したヘッドユニットをノズル面から見た説明図である。 図11(a)は、図10(b)のA−A矢視断面を一部省略して示す断面図であり、図11(b)は、補強プレートの端部が反り上がった状態を示す説明図である。
符号の説明
1・・インクジェット記録装置(液滴噴射装置)、2・・接着層、
2a・・非接着領域、9・・ヘッドホルダ、30・・ヘッドユニット、
31・・キャビティプレート(プレート部材)、31b・・突出部、
31e・・圧力室、32・・ベースプレート(プレート部材)、
33・・サプライプレート(プレート部材)、
34,35・・マニホールドプレート(プレート部材)、
34a,35a・・共通インク室、
36・・ダンパープレート(プレート部材)、
37・・スペーサプレート(プレート部材)、
38・・ノズルプレート(プレート部材)、
38f,38h,38i,38n・・ノズル、
40・・圧電アクチュエータ(アクチュエータ)、
50・・キャビティユニット、90・・バッファタンク(液体供給手段)、
S1・・空間。

Claims (5)

  1. プレート部材を複数積層して構成されているとともに、各プレート部材間が接着層によって接着されており、アクチュエータの駆動により液滴を噴射するノズルを有するヘッドユニットと、
    接着層によって前記ヘッドユニットの一つの面に接着されており、前記ヘッドユニットよりも剛性を有する補強プレートと、
    前記ヘッドユニットへ液体を供給する液体供給手段を有するヘッドホルダと、を備えており、
    前記ヘッドユニットが、前記補強プレートを介して前記ヘッドホルダに取付けられてなる液滴噴射装置において、
    前記ヘッドユニットの前記一つの面側に配置されたプレート部材と前記補強プレートとの間に形成されており、前記接着層が存在しない非接着領域と、
    前記ヘッドユニットの前記一つの面とは反対側の面と、前記補強プレートの前記非接着領域と接する部位とを連通させる空間と、
    前記一つの面側に配置されたプレート部材の一部であって前記空間に突出した突出部と、
    を備えたことを特徴とする液滴噴射装置。
  2. プレート部材を複数積層して構成されているとともに、各プレート部材間が接着層によって接着されており、アクチュエータの駆動により液滴を噴射するノズルを有するヘッドユニットと、
    接着層によって前記ヘッドユニットの一つの面に接着されており、前記ヘッドユニットよりも剛性を有する補強プレートと、
    前記ヘッドユニットへ液体を供給する液体供給手段を有するヘッドホルダと、を備えており、
    前記ヘッドユニットが、前記補強プレートを介して前記ヘッドホルダに取付けられてなる液滴噴射装置において、
    前記ヘッドユニットの前記一つの面側に配置されたプレート部材の端部であって、前記ヘッドユニットの側方から前記補強プレートの前記プレート部材側の面上へ突出した突出部と、
    前記突出部に隣接して形成されており、前記接着層が存在しない非接着領域と、
    前記ヘッドユニットの前記一つの面とは反対側の面と、前記補強プレートの前記非接着領域と接する部位とを前記突出部に隣接する位置を通って連通させる空間と、
    を備えたことを特徴とする液滴噴射装置。
  3. 噴射すべき液体の流路を内部に有し、前記液体を液滴として噴射するノズルが形成されたヘッドユニットと、
    接着層によって前記ヘッドユニットの一つの面に接着されており、前記ヘッドユニットよりも剛性を有する補強プレートと、
    前記ヘッドユニットへ前記液体を供給する液体供給手段を有するヘッドホルダと、を備えており、
    前記ヘッドユニットが、前記補強プレートを介して前記ヘッドホルダに取付けられてなる液滴噴射装置において、
    前記ヘッドユニットの一つの面と前記補強プレートとの間に形成されており、前記接着層が存在しない非接着領域と、
    前記補強プレートの前記ヘッドユニットとは反対側の面と、前記ヘッドユニットの前記非接着領域と接する部位とを連通させる空間と、
    を備えたことを特徴とする液滴噴射装置。
  4. 請求項1または2に記載の液滴噴射装置において、前記空間を介して、所定位置から前記補強プレートの前記非接着領域と接する部位までの第1の距離を測定し、前記所定位置から前記ヘッドユニットの一つの面側に配置されたプレート部材の厚さを含めた第2の距離を、前記第1の距離から減算することにより、前記ヘッドユニットと前記補強プレートとの間に介在する前記接着層の厚さを求めることを特徴とする検査方法。
  5. 請求項3に記載の液滴噴射装置において、前記空間を介して、所定位置から前記ヘッドユニットの前記非接着領域と接する部位までの第1の距離を測定し、前記所定位置から前記補強プレートの厚さを含めた第2の距離を、前記第1の距離から減算することにより、前記ヘッドユニットと前記補強プレートとの間に介在する前記接着層の厚さを求めることを特徴とする検査方法。
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