JP2008110339A - 塩素ガスの除害方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロレートを発生させることなく、塩素ガスを含有する排ガスを、アルカリ溶液を用いて除害する方法を提供する。
【解決手段】排ガス中に含まれる塩素ガスを除害する方法であって、前記塩素ガスに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の水酸化ナトリウムと、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩と、を作用させて、前記塩素ガスを除去する工程を含むことを特徴とする塩素ガスの除害方法。
【選択図】図1
【解決手段】排ガス中に含まれる塩素ガスを除害する方法であって、前記塩素ガスに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の水酸化ナトリウムと、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩と、を作用させて、前記塩素ガスを除去する工程を含むことを特徴とする塩素ガスの除害方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、塩素ガスの除害方法に関し、より詳しくは、アルカリ溶液を用いた塩素ガスの除害方法であって、塩素酸塩(クロレート)が生成しない塩素ガスの除害方法に関する。
一般に、塩素ガスを含有する排ガスは、たとえば水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ溶液を用いて中和することにより処理されている。塩素ガスを水酸化ナトリウム水溶液で中和すると次亜塩素酸ナトリウムが生成するが、これとともに塩素酸ナトリウムも生成する。このような塩素酸ナトリウム等の塩素酸塩(以下、クロレートと称する)の排出規制は国内にはないものの、水生植物への悪影響が知られているため、極力低減もしくは完全になくした上で中和処理排水を排出することが望ましい。
ここで、塩素ガスを含有する排ガスを水酸化ナトリウム水溶液で中和処理することにより発生する中和処理排水中の次亜塩素酸ナトリウムを分解する方法としては、たとえば触媒を用いて分解する方法、熱分解による方法、pHを下げて分解する方法、亜硫酸塩を用いて還元処理する方法などが知られている。
たとえば特許文献1には、塩素ガスおよび炭酸ガスを含有する排ガスから、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、塩素ガスを選択的に吸収除去する塩素の除害方法について記載されており、発生した次亜塩素酸塩水溶液を、熱分解処理および、必要に応じて亜硫酸塩で処理して次亜塩素酸塩を分解することが開示されている。
しかしながら、上記亜硫酸塩を用いた処理方法によっては、塩素ガスのアルカリ溶液による中和処理によって次亜塩素酸塩とともに生成したクロレートの一部を分解することは可能であっても、クロレートの濃度を十分満足できる程度にまで低減できるものではない。また、発生した次亜塩素酸塩水溶液を熱分解処理した場合、次亜塩素酸塩が分解されるとともに、クロレートが副生してしまう。さらに、次亜塩素酸塩水溶液を放置しておくと、次亜塩素酸塩が自然酸化されてクロレートが生成し、クロレート濃度が増加してしまうという問題もある。
このように、塩素ガスをアルカリ溶液で中和処理すると、次亜塩素酸塩とともにクロレートが生成し、当該クロレートは、従来知られている次亜塩素酸塩の分解方法によっては十分に分解されない。すなわち、次亜塩素酸塩の分解を、クロレートを発生させることなく行なう方法、または生成した次亜塩素酸塩およびクロレートの双方を十分な程度にまで低減する方法はないのが現状である。
特開2005−305414号公報
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、クロレートを発生させることなく、塩素ガスを含有する排ガスを、アルカリ溶液を用いて除害する方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するためには、塩素ガスを含有する排ガスを、アルカリ溶液を用いて中和処理する際に、次亜塩素酸塩を生成させないか、または生成してもこれがクロレートに変化してしまう前に分解すればよいとの着想をもとに本発明を完成するに至った。塩素ガスの中和処理で次亜塩素酸塩とともにクロレートが生成するのは、生成した次亜塩素酸塩が酸化されるからであると考えられる。また、中和処理によっていったん次亜塩素酸塩およびクロレートが生成してしまうと、上述のように、両者を効果的に分解する方法はないのが現状である。したがって、塩素ガスの中和処理時にクロレートを発生させないためには、中和処理の際に次亜塩素酸塩を生成させないか、または生成してもこれがクロレートに変化してしまう前に分解することが最も効果的であると考えられる。
本発明者は、このような着想の下、鋭意研究を行なった結果、中和処理の際に、塩素ガスを含有する排ガスを水酸化ナトリウムのみと作用させるのではなく、水酸化ナトリウムとともに亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩と作用させることにより、クロレートをほとんど発生させることなく、塩素ガスを除害できることを見出した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明の塩素ガスの除害方法は、排ガス中に含まれる塩素ガスを除害する方法であって、前記塩素ガスに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の水酸化ナトリウムと、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩と、を作用させて、前記塩素ガスを除去する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の塩素ガスの除害方法は、第1の吸収塔に、前記排ガスを供給するとともに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の水酸化ナトリウムの水溶液、ならびに、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の水溶液を供給する工程(A)を含むことを特徴とする。
ここで、前記第1の吸収塔に接続された第2の吸収塔に、前記工程(A)を経た排ガスが供給されるとともに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の0.001〜0.2倍の水酸化ナトリウムの水溶液、ならびに、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の0.001〜0.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の水溶液を供給する工程(B)を含むことが好ましい。
前記排ガスは、塩素ガスおよび炭酸ガスを含んでいてもよく、この場合、本発明によれば塩素ガスを選択的に除去することが可能である。
前記塩素ガスと、水酸化ナトリウムならびに亜流酸塩および/または亜硫酸水素塩との作用は、10〜40℃の範囲で行なわれることが好ましい。
本発明の塩素の除害方法によれば、クロレートをほとんど発生させることなく、効率的に塩素ガスを除害することができる。
本発明の塩素ガスの除害方法は、排ガス中に含まれる塩素ガスを除害する方法であって、前記塩素ガスに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の水酸化ナトリウムと、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩と、を作用させて、前記塩素ガスを除去する工程を含むことを特徴とする。
これにより、クロレートをほとんど発生させることなく、効率的に塩素ガスを除害することができる。このことは、次のように理解することができる。本発明において、排ガスは塩素ガスを含有するものであるが、たとえば、アルカリ金属水酸化物として水酸化ナトリウム(NaOH)を用いた場合、このような排ガスを水酸化ナトリウム水溶液と反応させると、塩素(Cl2)は水酸化ナトリウムと反応して(下記式(1))、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)と塩化ナトリウム(NaCl)とが生成する。
Cl2 + 2NaOH → NaClO + NaCl + H2O (1)
また、排ガスを水酸化ナトリウム水溶液と接触させる際に、水酸化ナトリウムだけではなく、たとえば亜硫酸塩として亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を並存させると、下記式(2)の反応により、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を分解することが可能となる。
また、排ガスを水酸化ナトリウム水溶液と接触させる際に、水酸化ナトリウムだけではなく、たとえば亜硫酸塩として亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を並存させると、下記式(2)の反応により、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を分解することが可能となる。
NaClO + Na2SO3 → NaCl + Na2SO4 (2)
上記式(2)の反応により、一旦生成した次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)は、自然酸化等によりクロレート(NaClO3)に変化する前にNaClやNa2SO4に分解される。あるいは、たとえば亜硫酸塩として亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を並存させることにより、下記式(3)に示される反応により全く次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が生成することなく、塩素が分解除去されることも考えられる。
上記式(2)の反応により、一旦生成した次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)は、自然酸化等によりクロレート(NaClO3)に変化する前にNaClやNa2SO4に分解される。あるいは、たとえば亜硫酸塩として亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を並存させることにより、下記式(3)に示される反応により全く次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が生成することなく、塩素が分解除去されることも考えられる。
Cl2 + Na2SO3 + 2NaOH → 2NaCl + Na2SO4 + H2O (3)
このように、塩素ガスを除害する際に水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物とともに、亜硫酸塩を並存させることにより、次亜塩素酸塩を全く生成させないか、または生成してもクロレートに変化する前に分解することが可能となる。その結果、クロレートをほとんど発生させることなく、塩素ガスを分解除去することが可能となる。
このように、塩素ガスを除害する際に水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物とともに、亜硫酸塩を並存させることにより、次亜塩素酸塩を全く生成させないか、または生成してもクロレートに変化する前に分解することが可能となる。その結果、クロレートをほとんど発生させることなく、塩素ガスを分解除去することが可能となる。
ここで、排ガスが塩素ガスとともに炭酸ガス(二酸化炭素、CO2)を含む場合には、pH7.0以上では、水酸化ナトリウムは炭酸ガスとも反応するが、pH7.0〜10.33では、炭酸ナトリウム(Na2CO3)は生成せず、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)のみが生成する(下記式(4))。
CO2 + NaOH → NaHCO3 (4)
さらに、pH7〜pH8では、この炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の生成量は僅かであり、しかも、この僅かに生成した炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は塩素(Cl2)と反応して二酸化炭素(CO2)を生成させながら次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を生成するので、実質上、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)や炭酸ナトリウム(Na2CO3)は生成しない(下記式(5))。
さらに、pH7〜pH8では、この炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の生成量は僅かであり、しかも、この僅かに生成した炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は塩素(Cl2)と反応して二酸化炭素(CO2)を生成させながら次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を生成するので、実質上、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)や炭酸ナトリウム(Na2CO3)は生成しない(下記式(5))。
2NaHCO3 + Cl2 → NaClO + NaCl +2CO2 + H2O (5)
ここで、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)と塩素(Cl2)との反応により生成した次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)は、亜硫酸塩(および/または亜硫酸水素塩)を並存させることにより、上記式(2)の反応によって分解される。あるいは、上記式(3)と同様の反応を経て、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が実質的に生成することなく、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)と塩素(Cl2)とが反応する。よって、排ガスが炭酸ガスを含む場合であっても、クロレートをほとんど発生させることなく塩素ガスは除害され、しかも塩素ガスが選択的に除去される。さらに、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)や炭酸ナトリウム(Na2CO3)の生成を極力抑えることが可能である。
ここで、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)と塩素(Cl2)との反応により生成した次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)は、亜硫酸塩(および/または亜硫酸水素塩)を並存させることにより、上記式(2)の反応によって分解される。あるいは、上記式(3)と同様の反応を経て、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が実質的に生成することなく、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)と塩素(Cl2)とが反応する。よって、排ガスが炭酸ガスを含む場合であっても、クロレートをほとんど発生させることなく塩素ガスは除害され、しかも塩素ガスが選択的に除去される。さらに、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)や炭酸ナトリウム(Na2CO3)の生成を極力抑えることが可能である。
本発明の塩素ガスの除害方法において、塩素ガスに作用させるアルカリの量は、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍であるが、これは理論量の1.0倍未満である場合、塩素が十分に吸収されないおそれがあり、1.2倍を超えると、炭酸塩や炭酸水素塩を生じやすいためである。好ましくは、塩素ガスに作用させるアルカリの量は、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0倍以上1.1倍以下である。
ここで、「塩素ガスを中和するのに必要な理論量」とは、排ガスに含まれる塩素ガス全量を中和するのに必要な化学量論量を意味する。たとえば塩素ガス1molを中和するのに必要な理論量は、アルカリとして水酸化ナトリウムを用いた場合、2molである。したがってこの場合、塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍とは、2.0〜2.4モルを意味する。塩素ガスにアルカリを「作用」させるとは、具体的には塩素ガスとアルカリとを接触させて、少なくとも一部を反応させることを意味する。
上記アルカリとしては、たとえばアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等を好適に用いることができる。アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物としては、従来公知のものを使用することができる。上記アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類水酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。すなわち、アルカリ金属水酸化物に属する複数のものを用いてもよいし、また、アルカリ土類金属水酸化物に属する複数のものを組み合わせて用いてもよいし、これらを相互に組み合わせてもよい。これらの中でも、本発明においては、特に水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。なお、アルカリとして複数種を組み合わせて用いる場合、その量は、用いるアルカリの全体量が上記範囲内となるようにする。
また、上記アルカリは、水溶液として用いられることが好ましい。アルカリとして水酸化ナトリウムを用いる場合、その水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、7〜20質量%の範囲内であることが好ましい。7質量%未満であると、水溶液の液量が多くなって容積効率の点で不利であり、20質量%を超えると、炭酸塩や炭酸水素塩が析出し易くなるため問題である。好ましくは、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、9質量%以上13質量%以下である。
また、塩素ガスに作用させる亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の量は、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍であるが、これは理論量の1.0倍未満である場合、クロレートの生成を十分に抑制することができないおそれがあり、1.2倍を超えると、クロレートの生成を十分に抑制することは可能であるが、高価な亜硫酸塩等を多量に用いることになるとともに、排水中の亜硫酸濃度が増加して化学的酸素要求量(COD)が高くなるという問題が生じるためである。好ましくは、塩素ガスに作用させる亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の量は、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0倍以上1.1倍以下である。
ここで、「塩素ガスを還元するのに必要な理論量」とは、排ガスに含まれる塩素ガス全量を還元するのに必要な化学量論量を意味する。たとえば塩素ガス1molを還元するのに必要な理論量は、亜硫酸塩を用いた場合、1molである。したがってこの場合、塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍とは、1.0〜1.2モルを意味する。塩素ガスに亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を「作用」させるとは、具体的には塩素ガスと亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を接触させて、少なくとも一部を反応させることを意味する。
上記亜硫酸塩としては、たとえば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等を好適に用いることができる。また、上記亜硫酸水素塩としては、たとえば亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等を好適に用いることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、本発明においては、特に亜硫酸ナトリウムおよび/または亜硫酸水素ナトリウムを用いることが好ましい。なお、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩として複数種を組み合わせて用いる場合、その量は、用いる亜硫酸塩、亜硫酸水素塩の全体量が上記範囲内となるようにする。
また、上記亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩は、水溶液として用いられることが好ましい。たとえば亜硫酸ナトリウムを用いる場合、その亜硫酸ナトリウム水溶液の濃度は、2〜20質量%の範囲内であることが好ましい。2質量%未満であると、水溶液の液量が多くなって容積効率の点で不利であり、20質量%を超えると、Na2SO4等が析出し易くなるため問題である。好ましくは、亜硫酸ナトリウム水溶液の濃度は、3質量%以上15質量%以下である。
塩素ガスに、上記アルカリ水溶液と、上記亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の水溶液を作用させる場合、当該アルカリ水溶液と、当該亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の水溶液とをそれぞれ作用させるようにしてもよく、アルカリならびに、亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を含む水溶液を作用させるようにしてもよい。
以下、本発明を、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に好ましく用いられる塩素ガス除害システムの一例である。なお、以下ではアルカリとして水酸化ナトリウム、亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩として亜硫酸ナトリウムを用いた場合を例に挙げて説明する。
図1において、塩素ガス除害システムは、第1の吸収塔101と、当該第1の吸収塔101に接続された第2の吸収塔102とを備え、第1の吸収塔101から排出される生成物を受容するための第1の受容器103が第1の吸収塔101に接続されている。当該第1の吸収塔101にて、排ガスを、好ましくは連続的に供給するとともに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の水酸化ナトリウムの水溶液、ならびに、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の亜硫酸ナトリウムの水溶液を供給して、塩素ガスを除去する工程(工程(A))が行なわれる。
第1の吸収塔101および第2の吸収塔102の内部には、それぞれ充填物104、105が充填されており、これにより、気液の接触効率を高め、塩素を速やかに除害することができる。当該充填物104、105としては、たとえば、ラシヒリング、ポールリングなどの公知のものを使用することができ、その材料は、たとえば、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、セラミックス、無機ガラスなどを挙げることができる。
第1の吸収塔101には、たとえば後述する所定の塩素生成プロセスにより排出された排ガスが路202を通って投入される。当該排ガスは、塩素ガスおよび炭酸ガスを含む。なお、排ガスは炭酸ガスを含んでいなくてもよい。また、第1の吸収塔101には、排ガス中に含まれる塩素ガスを中和するのに必要な理論量に対し1.0〜1.2倍の量に調整された水酸化ナトリウム、ならびに塩素ガスを還元するのに必要な理論量に対し1.0〜1.2倍の量に調整された亜硫酸ナトリウムが路201を通って投入される。なお、水酸化ナトリウム水溶液および亜硫酸ナトリウム水溶液の供給は、それぞれ別の水溶液として路201から行なわれてもよく、水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液として路201から行なわれてもよい。また、水酸化ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液のいずれかを路201とは別の図示しない路から供給してもよい。
このようにして、第1の吸収塔101において、上記したような塩素ガスおよび炭酸ガスと、水酸化ナトリウムおよび亜硫酸塩ナトリウムとの反応が生じることになる。当該反応により生成した塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムは、路203を通って第1の受容器103に排出される。第1の受容器103中の塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムは、ポンプP1により吸引され、交換器106により制御されて路203aを通って再び第1の吸収塔101内へ送出されるか、または、路210を通って排出される。
第1の受容器103内の処理溶液のpHは、pH7〜pH8程度の範囲内に維持されている。これにより、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムが析出せず、塩素ガス除害プロセスのサイクルに悪影響を及ぼすことがない。また、pHが低くなり過ぎることによるSO2ガスの発生を防ぐことができる。
また、塩素ガスと、水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムとの作用は、10〜40℃の範囲で行なわれることが好ましい。10℃未満では、塩素ガスと、水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムとが十分に反応しないおそれがある。また、40℃より高いと、反応が激しくなり過ぎるおそれがある。なお、温度の確認は、たとえば第1の受容器103内の処理溶液の温度を確認することにより行なうことができる。
続いて、第1の吸収塔101における工程(A)を経た未反応および/または再生した炭酸ガスを含む排ガスは路204を通って第2の吸収塔102へ投入され、工程(B)が行なわれる。ここで、工程(B)は、上記路204を通って第2の吸収塔102へ供給される排ガス中に塩素ガスが含有されることを前提としたものである。したがって、工程(B)は、必要に応じて設けられるものであり、第1の吸収塔101にて塩素ガスの全量を除去することができる場合には、工程(B)を行なわなくてもよい。本発明において、第1の吸収塔101にて除害しきれなかった塩素ガスが存在し、これを完全に吸収除去するためには、図1に示されるように、第2の吸収塔102を設け、当該第2の吸収塔102内において未反応塩素ガスを完全に吸収かつ除去することが好ましい。以下、工程(B)について説明する。
第2の吸収塔102内には、前記工程(A)を経た排ガスが供給されるとともに、塩素ガスを中和するのに必要な理論量の0.001〜0.2倍のアルカリ、ならびに、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の0.001〜0.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩を、路206を通して供給する(工程(B))。アルカリの量が塩素ガスを中和するのに必要な理論量の0.001倍未満である場合、塩素が十分に吸収されないおそれがあり、0.2倍を超えると、炭酸塩や炭酸水素塩を生じやすいためである。好ましくは、第2の吸収塔102内において塩素ガスに作用させるアルカリの量は、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の0.001倍以上0.1倍以下である。また、亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の量が、塩素ガスを還元するのに必要な理論量の0.001倍未満である場合、クロレートの生成を十分に抑制することができないおそれがあり、0.2倍を超えると、クロレートの生成を十分に抑制することは可能であるが、高価な亜硫酸塩等を多量に用いることになるとともに、排水中の亜硫酸濃度が増加して化学的酸素要求量(COD)が高くなるという問題が生じるためである。好ましくは、塩素ガスに作用させる亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の量は、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の0.001倍以上0.1倍以下である。なお、ここでいう塩素ガスとは、工程(A)において第1の吸収塔101に供給される排ガス内に含まれる全塩素ガスを意味する。これにより、第一吸収塔101内では吸収・除去されなかった塩素ガスをも完全に吸収除去することができるものである。なお、第2の吸収塔102内における塩素ガスと、水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムとの作用は、第1の吸収塔101の場合と同様に10〜40℃の範囲で行なわれることが好ましく、当該作用の結果得られる処理溶液のpHは、7〜8.5程度の範囲内に維持されることが好ましい。
第2の吸収塔102内に供給されるアルカリとしては、上記したものを用いることができるが、工程(A)で使用したものと同じものを用いることが好ましい。また、上記アルカリは、水溶液として用いられることが好ましい。アルカリとして水酸化ナトリウムを用いる場合、その水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。1質量%未満であると、水溶液の液量が多くなって容積効率の点で不利であり、10質量%を超えると、炭酸塩や炭酸水素塩が析出し易くなるため問題である。好ましくは、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、1質量%以上5質量%以下である。
第2の吸収塔102内に供給される亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩としては、上記したものを用いることができるが、工程(A)で使用したものと同じものを用いることが好ましい。また、上記亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩は、水溶液として用いられることが好ましい。たとえば亜硫酸ナトリウムを用いる場合、その亜硫酸ナトリウム水溶液の濃度は、2〜20質量%の範囲内であることが好ましい。2質量%未満であると、水溶液の液量が多くなって容積効率の点で不利であり、20質量%を超えると、Na2SO4等が析出し易くなるため問題である。好ましくは、亜硫酸ナトリウム水溶液の濃度は、3質量%以上15質量%以下である。
なお、第2の吸収塔102における水酸化ナトリウム水溶液および亜硫酸ナトリウム水溶液の供給は、それぞれ別の水溶液として路206から行なわれてもよく、水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液として路206から行なわれてもよい。また、水酸化ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液のいずれかを路206とは別の図示しない路から供給してもよい。
以上のような工程(B)を経て、第2の吸収塔102の頂部に設けられた路208から、未反応および/または再生した炭酸ガスや排ガスに含まれていたその他のガスが放出される。また、第2の吸収塔102の底部からは、未反応の水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム等も含み得る)が路209を通って排出され、これらの水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムは、ポンプP2により吸引され、交換器107により、路205または路207のいずれかに送出される。
路207を通って送出された場合は、路203aを通って再び第1の吸収塔101内へ投入される。路203aを通って第1の吸収塔101内へ供給された塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムは、第1の吸収塔101の底部から路203を通って第1の受容器103へ排出される。また、路205を通って第2の吸収塔102へ供給された水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムにおいては、水酸化ナトリウム(および炭酸水素ナトリウム)は第2の吸収塔102内で再び塩素ガスとの反応に寄与し、塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムはそのまま底部から排出され、上記のサイクルを繰り返す。
次に、第1の吸収塔101内および第2の吸収塔102内へ供給する水酸化ナトリウム水溶液および亜硫酸ナトリウム水溶液の制御方法について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の塩素の除害方法に好ましく用いられる塩素ガス除害システムの別の例を示す模式図である。なお、図2において説明しない番号の構成は、図1のものと同一である。
図2において、路202には塩素ガスモニタおよび流量計108が接続され、路202を通過する排ガス中の塩素ガスの濃度および流量を連続的に測定する。また、塩素ガスモニタおよび流量計108には、制御装置109が接続され、塩素ガスモニタおよび流量計108からの信号を受信する。ここで、連続的に測定するとは、間断なく、または、10分以下の間隔で断続的に測定することを意味する。
さらに、制御装置109には、第1の水溶液供給装置110および第2の水溶液供給装置111が接続され、当該第1の水溶液供給装置110は、水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液を保有し、これを路201を介して第1の吸収塔101内に供給し、また、当該第2の水溶液供給装置111は、水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液を保有し、これを路206を介して第2の吸収塔102内に供給する。なお、図示しない別の水溶液供給装置が制御装置109に接続され、水酸化ナトリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液とを別々に第1の吸収塔101内および第2の吸収塔102内に供給するようにしてもよい。この場合、第1の吸収塔101内および第2の吸収塔102内に供給されるそれぞれの水酸化ナトリウム水溶液と亜硫酸ナトリウム水溶液とは、同じ路201および路206を介して供給されてもよく、図示しない別の路を併用して異なる路から供給されてもよい。
次に、これらの装置を用いた制御について説明する。まず、塩素ガスモニタおよび流量計108によって測定された路202を通過する排ガス中の塩素ガスの濃度および流量に関する信号が、制御装置109に送信される。当該信号を受信した制御装置109は、当該制御装置109内に組み込まれたプログラムによって、塩素ガスを中和するのに必要な水酸化ナトリウムの理論量および塩素ガスを還元するのに必要な亜硫酸ナトリウムの理論量が計算され、当該計算値に対して1.0〜1.2倍の量および0.001〜0.2倍の量が算出される。
次いで、制御装置109は、当該算出結果に応じて、第1の水溶液供給装置110および第2の水溶液供給装置111を制御して、上記算出結果に基づき第1の吸収塔101および第2の吸収塔102に供給される水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液の量(または、水酸化ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液それぞれの量)を調節する。
当該制御装置109の制御には、第1の水溶液供給装置110から第1の吸収塔101内へ供給される水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液(または、水酸化ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液それぞれ)の濃度および流量が含まれる。また、同様に、当該制御には、第2の水溶液供給装置111から第2の吸収塔102内へ供給される水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液(または、水酸化ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液それぞれ)の濃度および流量が含まれる。
このようにして、制御装置109を用いた制御により、人による管理を低減できる。また、排ガス中の塩素ガス濃度は一定でないため、供給する水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液(または、水酸化ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液それぞれ)の微調整が困難であるが、制御装置109を用いて制御することにより、微調整が可能となり、より確実に塩素の吸収除去が可能となり、炭酸塩等の析出も防止でき、さらには、クロレートの発生をより確実に抑止することができる。
また、図2において、第1の吸収塔101に接続された路204および第2の吸収塔102に接続された路208には、それぞれ図示しない第1の塩素ガスモニタおよび第2の塩素ガスモニタが接続されていることが好ましい。当該ガスモニタは、それぞれ第1の吸収塔101および第2の吸収塔102の頂部に設置することもできる。これにより、第1の吸収塔101から第2の吸収塔102へ供給されるガス中の塩素ガス濃度を測定することができ、当該測定により、第2の吸収塔102への過剰な塩素ガスの供給がある場合などに、システム中の異常事態への対処を容易とすることができる。また、当該モニタと制御装置109とを接続させて、第2の吸収塔102へ供給する水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液(または、水酸化ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液それぞれ)の供給量を制御させることもできる。
同様に、第2の塩素ガスモニタを設置することにより、第2の吸収塔102から外部へ放出されるガス中の塩素ガス濃度を測定することができ、当該測定により、外部への過剰な塩素ガスの供給がある場合などに、システムの稼動を中止させることにより、外部への塩素の過剰な放出を防止することができる。また、当該モニタと制御装置109とを接続させて、第2の吸収塔102へ供給する水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムを含む水溶液(または、水酸化ナトリウム水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液それぞれ)の供給量を制御させ、外部へ放出される塩素ガスを消滅させることもできる。
次に、図1および図2において、路202から供給される塩素ガス含有排ガスについて説明する。本発明の塩素ガスの除害方法に供される塩素ガスを含む排ガスは、塩素ガスを含むガス、または塩素ガスおよび炭酸ガスを含むガスであれば特に制限されるものではないが、本発明の塩素ガスの除害方法は、たとえば塩化水素を含むガスを、酸素を含むガスを用いて酸化する塩素の製造方法であって、以下の(1)反応工程、(2)吸収工程、(3)乾燥工程、および(4)精製工程、を有する塩素の製造方法によって排出される排ガスに対しても好適に用いることができる。
(1)反応工程:ルテニウムおよび/またはルテニウム化合物を含む触媒の存在下、塩化水素を含むガスを酸素で酸化し、塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを得る工程。
(2)吸収工程:反応工程で得た塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを、水および/または塩酸水と接触させることにより、および/または、冷却することにより、塩化水素と水を主成分とする溶液を回収し、塩素と未反応酸素を主成分とするガスを得る工程。
(3)乾燥工程:吸収工程で得たガス中の水分を除去することにより、乾燥したガスを得る工程。
(4)精製工程:乾燥工程で得た乾燥したガスを、塩素を主成分とする液体またはガスと未反応酸素を主成分とするガスとに分離することにより塩素を得る工程。当該精製工程における未反応酸素を主成分とするガスの少なくとも一部が、本発明における排ガスとなるものである。
上記各工程について、図3を用いて具体的に説明する。図3は、酸素ガスと塩化水素ガスとから塩素ガスを製造するプロセスに用いるシステムの一例を示す模式図である。
図3において、原料の塩化水素ガスは、路222を通って前処理塔116に投入される。原料の塩化水素ガスとしては、塩素化合物の熱分解反応等において発生する塩化水素のように、当該分野で公知のプロセスにより発生した塩化水素含有ガスを用いることができる。この際、不純物として、一酸化炭素、ホスゲン、硫化水素、二酸化硫黄、四塩化炭素、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼン等が含まれるが、上記前処理塔116において、当該不純物を除去するものである。なお、原料の塩化水素ガス中には、塩化水素ガスが50体積%程度以上含まれていることが好ましい。
前処理塔116において不純物が除去された原料塩化水素ガスは、路221を通って投入された酸素ガスと共に路223を通って反応塔117へ投入される。当該酸素ガスは、酸素または空気を用いることができるが、好ましくは酸素濃度が80体積%以上のものが好ましい。
当該反応塔117において、上記反応工程に示した反応が行われる。すなわち、ルテニウムおよび/またはルテニウム化合物を含む触媒の存在下、前処理塔116で処理された塩化水素を含むガスを、酸素を含むガスで酸化し、塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを得る。塩化水素を酸素で酸化するに際しては、ルテニウムおよび/またはルテニウム化合物を含む触媒を用い、固定床反応器にて反応させる。このことにより、触媒成分の揮発や飛散による配管等の閉塞トラブルを伴わず、かつ揮発や飛散した触媒成分の処理工程を必要とせず、また平衡的に有利な温度で塩素を製造できるために、未反応塩化水素と水を回収する工程、塩素と未反応酸素を分離する工程および未反応酸素を反応に供給する工程を簡略化し、よって設備コストおよび運転コストを低く抑制し得る。
ルテニウムおよび/またはルテニウム化合物を含む触媒としては、公知の触媒(特開平9−67103号公報、特開平10−182104号公報、特開平10−194705号公報、特開平10−338502号公報、特開平11−180701号公報)を用いることができる。中でも酸化ルテニウムを含む触媒が好ましい。更に、触媒中の酸化ルテニウムの含有量は、0.1〜20質量%が好ましい。酸化ルテニウムの量が過小であると触媒活性が低く塩化水素の転化率が低くなる場合があり、一方、酸化ルテニウムの量が過多であると触媒価格が高くなる場合がある。たとえば、特開平10−338502号公報には、酸化ルテニウムの含有量が0.1〜20質量%であり、酸化ルテニウムの中心径が1.0〜10.0ナノメートルである担持酸化ルテニウム触媒または酸化ルテニウム複合酸化物型触媒が記載されている。
上記反応塔117において行われた触媒反応により生成した、塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスは、路224を通って吸収塔118へ投入される。ここで、上述した吸収工程が行われる。すなわち、反応工程で得た塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを、路236より供給される水および/または塩酸と接触させることにより、および/または、冷却することにより、塩化水素と水を主成分とする溶液を回収し、塩素と未反応酸素を主成分とするガスを得る。得られたガスは、路225を通って乾燥塔119へ供給されることになる。また、塩化水素と水とを主成分とする溶液は、路237を通って塩酸吸収塔122に投入される。
上記吸収工程において、接触温度は0〜100℃、圧力は0.05〜1MPaで行われることが好ましい。接触させる塩酸水の濃度は、25質量%以下が好ましい。また、塩素水和物析出防止のために、特開2003−261306号公報に記載の方法を採用することが好ましい。
次に、乾燥塔119において上述した乾燥工程が行われる。すなわち、吸収工程で得たガス中の水分を除去する。乾燥工程後のガス中の水分は0.5mg/l以下、好ましくは0.1mg/l以下である。ガス中の水分を除去する化合物としては、硫酸、塩化カルシウム、過塩素酸マグネシウム、ゼオライトなどがあげられるが、中でも硫酸が好ましい。
硫酸の濃度は、90質量%以上が好ましい。硫酸濃度が90質量%よりも小さいと、ガス中の水分が十分に除去されないことがある。接触温度は0〜80℃、圧力は0.05〜1MPaで行われることが好ましい。また、当該乾燥工程に用いた硫酸の廃液は、路239を通って廃棄されることになる。なお、乾燥剤として硫酸を用いた場合には、乾燥工程の直後で硫酸ミストを除去することが好ましい。たとえば、ブリンクエリミネータや特開2003−181235号公報に記載の方法を用いることができる。
乾燥工程によって水分を除去されたガスは、次いで、路226を通り塩素精製塔121へ供給される。ここで、塩素精製塔121に供給される前に、必要に応じてコンプレッサを介することもある。当該コンプレッサにより、水分除去後のガスを圧縮して塩素の液化を容易とする。
次いで、塩素精製塔121において、上述した精製工程が行われる。すなわち、乾燥工程で得たガスを、塩素を主成分とする液体またはガスと未反応酸素を主成分とするガスとに分離することにより塩素を得る。塩素を主成分とする液体またはガスと未反応酸素を主成分とするガスとに分離する方法としては、圧縮および/または冷却する方法、および/または公知の方法(特開平3−262514号公報、特表平11−500954号公報)が挙げられる。
たとえば、乾燥工程で得たガスを圧縮および/または冷却することによって、塩素を主成分とする液体が未反応酸素を主成分とするガスと分離される。塩素の液化は、圧力と温度で規定される塩素が液体状態で存在しうる範囲で実施される。その範囲で低温にすればするほど、圧縮圧力が低くなるために圧縮動力は小さくできるが、工業的には設備等の問題から、圧縮圧力と冷却温度はこの範囲内の最適な経済条件を考慮して決められる。通常の運転においては、塩素液化の圧縮圧力は0.5〜5MPa、冷却温度は−70〜40℃で行われる。
得られた塩素を主成分とする液体は、路228を通って採取され、そのまま、あるいは一部または全部を気化させた後、塩化ビニル、ホスゲンなどの原料として用いることができる。一部または全部を気化させた後に用いる場合は、乾燥工程で得られるガスとの熱交換を行うことにより、気化に必要な熱の一部を得ると同時に、乾燥工程で得られるガス中の塩素の液化に必要な外部冷媒による冷却負荷を削減することが可能である。同様に、塩素精製塔121の還流液の冷却に用いることもできる。
上記精製工程において、未反応の酸素を主成分とするガスの大部分は、路230を通って反応工程に循環されるか、または、路229を通って排ガスとして処理されることになる。ここで、当該未反応の酸素を主成分とするガス中には、塩素ガスが含まれている場合もある。本発明は、このような排ガス中の塩素ガスを除害の対象の1つとするものである。
上述したように、未反応の酸素を主成分とするガスの一部または全部は、路230を通って上述の循環工程に供される。すなわち、当該未反応酸素を主成分とするガスの一部または全部を反応工程に用いる酸素として供給する。反応工程へ供給するガス中に硫酸ミストが含有される場合は、硫酸ミストを除去することが好ましい。すなわち、路240を通って水が供給されている洗浄塔120において、硫酸ミストを除去して、上記ガスを洗浄し、洗浄された酸素ガスを、路232を通して反応塔117へ供給するものである。その他の硫酸ミストを除去する方法としては、公知の方法(特開2002−136825号公報)が挙げられる。また、水に溶解した当該硫酸ミストは、洗浄塔120から路231を通って吸収塔118へ供給され、塩酸と同様に、吸収工程に用いられ得る。
上記精製工程において、路229を通って排出される、未反応の酸素を主成分とする排ガスは、さらに路202を通って第1の吸収塔101に投入され、本発明の塩素ガスの除害方法に供されることになる。
吸収工程において、路237より排出された塩化水素と水とを主成分とする溶液は、当該溶液中に含まれる塩素を、加熱、および/または窒素等の不活性なガスのバブリングにより除去した後に、塩酸吸収塔122へ投入される。塩酸吸収塔122において、塩酸濃度が調整される。当該処理を受けた塩素は排ガス除害塔(図示せず)へ送出される。また、当該処理後の溶液は、さらに路234を通って活性炭塔123へ投入され、溶液中の有機不純物等が除去された後、路235を通って送出され、送出された塩酸は、電解槽のpH調整、ボイラ−フィ−ド水の中和、アニリンとホルマリンの縮合転位反応および塩酸水電解の原料や、食品添加物等に用いることができる。また、路237より排出した溶液は、特開2001−139305号公報に記載の方法で塩化水素を回収して反応原料として用いることも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
メカニカルスターラー、温度計、ガス導入管および液導入管を備えた500mlの底排付ガラス製フラスコ内に、ガス導入管から塩素ガス、酸素ガスおよび炭酸ガス(体積比2:1:1)からなる混合ガスを、それぞれの流量が280ml/min、140ml/min、140ml/minとなるように導入すると同時に、液導入管から、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液および13質量%亜硫酸ナトリウム水溶液を、流量がそれぞれ25.0mmol/min、12.5mmol/minとなるように導入した。底排部よりフラスコ内の溶液(以下、処理溶液という)の排出を行ないつつ、フラスコ内の溶液量が一定になるように液面を維持して、フラスコ内の処理溶液の体積(V)を供給する液流量(v0)で除することで示される平均滞留時間τ(=V/v0)を約30分とした。フラスコ内の温度は約30℃に維持した。また、処理溶液のpHは、7〜8の範囲に維持されていた。通液から3時間後における排出した処理溶液中の塩素酸ナトリウム(クロレート)の濃度をイオンクロマトグラフィにより測定したところ、30質量ppm以下であった。また、ヨウ素滴定法により測定したところ、次亜塩素酸ナトリウムは不検出であった。塩化ナトリウムの濃度は、6.21質量%であった。
メカニカルスターラー、温度計、ガス導入管および液導入管を備えた500mlの底排付ガラス製フラスコ内に、ガス導入管から塩素ガス、酸素ガスおよび炭酸ガス(体積比2:1:1)からなる混合ガスを、それぞれの流量が280ml/min、140ml/min、140ml/minとなるように導入すると同時に、液導入管から、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液および13質量%亜硫酸ナトリウム水溶液を、流量がそれぞれ25.0mmol/min、12.5mmol/minとなるように導入した。底排部よりフラスコ内の溶液(以下、処理溶液という)の排出を行ないつつ、フラスコ内の溶液量が一定になるように液面を維持して、フラスコ内の処理溶液の体積(V)を供給する液流量(v0)で除することで示される平均滞留時間τ(=V/v0)を約30分とした。フラスコ内の温度は約30℃に維持した。また、処理溶液のpHは、7〜8の範囲に維持されていた。通液から3時間後における排出した処理溶液中の塩素酸ナトリウム(クロレート)の濃度をイオンクロマトグラフィにより測定したところ、30質量ppm以下であった。また、ヨウ素滴定法により測定したところ、次亜塩素酸ナトリウムは不検出であった。塩化ナトリウムの濃度は、6.21質量%であった。
<比較例1>
亜硫酸ナトリウム水溶液を導入しないこと以外は、実施例1と同様にして除害処理を行なった。得られた処理溶液中の塩素酸ナトリウム(クロレート)の濃度をイオンクロマトグラフィにより測定したところ、3.19質量%であった。また、ヨウ素滴定法により測定したところ、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は6.49質量%であった。塩化ナトリウムの濃度は、6.57質量%であった。次に、当該処理溶液を、塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.3倍の亜硫酸ナトリウム水溶液と反応させることにより、塩素酸ナトリウムおよび次亜塩素酸ナトリウムの低減を試みた。結果、次亜塩素酸ナトリウムは0質量%となったものの、塩素酸ナトリウム(クロレート)は、0.7質量%までしか低減されなかった。
亜硫酸ナトリウム水溶液を導入しないこと以外は、実施例1と同様にして除害処理を行なった。得られた処理溶液中の塩素酸ナトリウム(クロレート)の濃度をイオンクロマトグラフィにより測定したところ、3.19質量%であった。また、ヨウ素滴定法により測定したところ、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は6.49質量%であった。塩化ナトリウムの濃度は、6.57質量%であった。次に、当該処理溶液を、塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.3倍の亜硫酸ナトリウム水溶液と反応させることにより、塩素酸ナトリウムおよび次亜塩素酸ナトリウムの低減を試みた。結果、次亜塩素酸ナトリウムは0質量%となったものの、塩素酸ナトリウム(クロレート)は、0.7質量%までしか低減されなかった。
<実施例2>
図1に示される装置と同様の装置を用いて、本発明の効果を確認した。説明をわかりやすくするため、図1を参照して説明する。直径30mm、高さ300mmの第1の吸収塔101(ガラス製、充填物6mm磁性ラシヒリング)内に、塩素ガス、炭酸ガスおよび空気からなる混合ガスを、それぞれの流量が130ml/min(5.8mmol/min)、260ml/min、60ml/minとなるように、路202から連続的に供給すると同時に、路201から11質量%の水酸化ナトリウム水溶液および13質量%の亜硫酸ナトリウム水溶液を、それぞれの流量が12.76mmol/min、6.38mmol/minとなるように連続的に供給した。これらはそれぞれ塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.1倍、塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.1倍に相当する量である。なお、第1の吸収塔101の底部のジャケットに冷却水を流し、第1の吸収塔101内の処理溶液温度が約30℃になるようにした。
図1に示される装置と同様の装置を用いて、本発明の効果を確認した。説明をわかりやすくするため、図1を参照して説明する。直径30mm、高さ300mmの第1の吸収塔101(ガラス製、充填物6mm磁性ラシヒリング)内に、塩素ガス、炭酸ガスおよび空気からなる混合ガスを、それぞれの流量が130ml/min(5.8mmol/min)、260ml/min、60ml/minとなるように、路202から連続的に供給すると同時に、路201から11質量%の水酸化ナトリウム水溶液および13質量%の亜硫酸ナトリウム水溶液を、それぞれの流量が12.76mmol/min、6.38mmol/minとなるように連続的に供給した。これらはそれぞれ塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.1倍、塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.1倍に相当する量である。なお、第1の吸収塔101の底部のジャケットに冷却水を流し、第1の吸収塔101内の処理溶液温度が約30℃になるようにした。
一方、第1の吸収塔101に接続された直径30mm、高さ300mmの第2の吸収塔102(ガラス製、充填物6mm磁性ラシヒリング)内には、路206から3質量%の水酸化ナトリウム水溶液および5質量%の亜硫酸ナトリウム水溶液を、それぞれの流量が1.28mmol/min、0.64mmol/minとなるように連続的に供給した。これらはそれぞれ塩素ガスを中和するのに必要な理論量の0.1倍、塩素ガスを還元するのに必要な理論量の0.1倍に相当する量である。同様に、第2の吸収塔102の底部のジャケットに冷却水を流し、第2の吸収塔102内の処理溶液温度が約30℃になるようにした。
混合ガスと、第1の吸収塔101において水酸化ナトリウム水溶液および亜硫酸ナトリウム水溶液との反応により生成した処理溶液は、ポンプP1を用いて第1の吸収塔101に戻して循環させた。同様に、第2の吸収塔102において水酸化ナトリウム水溶液および亜硫酸ナトリウム水溶液との反応により生成した処理溶液は、ポンプP2を用いて第1の吸収塔101または第2の吸収塔102に戻して循環させた。このようにして第1の吸収塔101および第2の吸収塔102内で反応を行なうとともに、処理溶液を連続的に循環させた。
また、混合ガスならびに水酸化ナトリウムおよび亜硫酸ナトリウムの供給を行なうとともに、路210より装置内の処理溶液の一部を排出し、装置内の溶液量が一定になるようにして、装置内の処理溶液の体積(V)を供給する液流量(v0)で除することで示される平均滞留時間τ(=V/v0)を約30分とした。通液から3時間後における排出した処理溶液中の塩素酸ナトリウム(クロレート)の濃度をイオンクロマトグラフィにより測定したところ、30質量ppm以下であった。また、ヨウ素滴定法により測定したところ、次亜塩素酸ナトリウムは検出されなかった。処理溶液のpHは、7.3であった。
<比較例2>
亜硫酸ナトリウム水溶液を第1の吸収塔101および第2の吸収塔102内に供給しないこと以外は、実施例2と同様にして除害処理を行なった。得られた処理溶液中の塩素酸ナトリウム(クロレート)の濃度をイオンクロマトグラフィにより測定したところ、2.5質量%であった。また、ヨウ素滴定法により測定したところ、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は5.0質量%であった。処理溶液のpHは、7.3であった。
亜硫酸ナトリウム水溶液を第1の吸収塔101および第2の吸収塔102内に供給しないこと以外は、実施例2と同様にして除害処理を行なった。得られた処理溶液中の塩素酸ナトリウム(クロレート)の濃度をイオンクロマトグラフィにより測定したところ、2.5質量%であった。また、ヨウ素滴定法により測定したところ、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は5.0質量%であった。処理溶液のpHは、7.3であった。
以上のように、本発明の塩素ガスの除害方法によれば、クロレートをほとんど発生させることなく、塩素ガスを効率的に除去することができる。このように、ppmオーダーまでクロレートを低減することは、次亜塩素酸塩を生成させた後に亜硫酸塩等を用いて処理する方法では成し得ないことである。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
101 第1の吸収塔、102 第2の吸収塔、103 第1の受容器、104,105 充填物、106,107 交換器、108 塩素ガスモニタおよび流量計、109 制御装置、110 第1の水溶液供給装置、111 第2の水溶液供給装置、116 前処理塔、117 反応塔、118 吸収塔、119 乾燥塔、120 洗浄塔、121 塩素精製塔、122 塩酸吸収塔、123 活性炭塔、201,202,203,203a,204,205,206,207,208,209,210,221,222,223,224,225,226,227,228,229,230,231,232,233,234,235,236,237,238,239,240 路、P1,P2 ポンプ。
Claims (5)
- 排ガス中に含まれる塩素ガスを除害する方法であって、
前記塩素ガスに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の水酸化ナトリウムと、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩と、を作用させて、前記塩素ガスを除去する工程を含むことを特徴とする塩素ガスの除害方法。 - 第1の吸収塔に、前記排ガスを供給するとともに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の水酸化ナトリウムの水溶液、ならびに、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の1.0〜1.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の水溶液を供給する工程(A)を含むことを特徴とする請求項1に記載の塩素ガスの除害方法。
- 前記第1の吸収塔に接続された第2の吸収塔に、前記工程(A)を経た排ガスが供給されるとともに、前記塩素ガスを中和するのに必要な理論量の0.001〜0.2倍の水酸化ナトリウムの水溶液、ならびに、前記塩素ガスを還元するのに必要な理論量の0.001〜0.2倍の亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩の水溶液を供給する工程(B)を含むことを特徴とする請求項2に記載の塩素ガスの除害方法。
- 前記排ガスは、塩素ガスおよび炭酸ガスを含み、前記塩素ガスを選択的に除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩素ガスの除害方法。
- 前記塩素ガスと、水酸化ナトリウムならびに亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩との作用は、10〜40℃の範囲で行なわれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塩素ガスの除害方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007259702A JP2008110339A (ja) | 2006-10-03 | 2007-10-03 | 塩素ガスの除害方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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